JPH07296981A - 水銀ランプ点灯方法 - Google Patents
水銀ランプ点灯方法Info
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- JPH07296981A JPH07296981A JP6110132A JP11013294A JPH07296981A JP H07296981 A JPH07296981 A JP H07296981A JP 6110132 A JP6110132 A JP 6110132A JP 11013294 A JP11013294 A JP 11013294A JP H07296981 A JPH07296981 A JP H07296981A
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- lighting
- lamp
- current
- electrode
- mercury lamp
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Abstract
(57)【要約】
【目的】水銀ランプを通常点灯状態から一旦消灯させ
て、その後、再点灯するに電極に損傷を与えない程度の
最適な電流をランプに対して供給することにある。 【構成】水銀ランプ1の電極温度をランプ状態観測セン
サー101 により何らかの方法で換算して読み取り、ラン
プ状態判断部102 において、電極が再点灯するにあたり
十分に温ったかいと判断したときは、点灯開始後の0.00
1 秒から1秒の間は、点灯電力値は、定格電力値の1.2
倍以下で、かつ、点灯電流値は定格電流値の1.2 倍以下
で制御することを特徴とする水銀ランプの点灯方法。
て、その後、再点灯するに電極に損傷を与えない程度の
最適な電流をランプに対して供給することにある。 【構成】水銀ランプ1の電極温度をランプ状態観測セン
サー101 により何らかの方法で換算して読み取り、ラン
プ状態判断部102 において、電極が再点灯するにあたり
十分に温ったかいと判断したときは、点灯開始後の0.00
1 秒から1秒の間は、点灯電力値は、定格電力値の1.2
倍以下で、かつ、点灯電流値は定格電流値の1.2 倍以下
で制御することを特徴とする水銀ランプの点灯方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、OHP装置や投射型
プロジェクター装置等に光源として使われるショートア
ーク型水銀ランプの点灯方法に関する。
プロジェクター装置等に光源として使われるショートア
ーク型水銀ランプの点灯方法に関する。
【0002】
【従来技術】ショートアーク型水銀ランプは、特定波長
の光を放射することができて、かつ、点光源であるため
光学装置の設計が簡単という長所がある。これらの装置
は、ランプを点灯させた後に、一定時間は点灯を維持さ
せるものと、頻繁に点灯と消灯を繰り返すものがある。
前者に該当するものとして、半導体の露光装置があり、
後者に該当するものとして、オーバヘッドプロジェクタ
ー装置(OHP装置)や投射型プロジェクター装置等が
ある。OHP装置について、具体的に説明すると、発表
者がOHP装置を使いながら発表を行い、その後、聴講
者から質問を受けるときにランプを一度消灯させる場合
がある。この場合、短時間の間隔で点灯と消灯を繰り返
すことになる。
の光を放射することができて、かつ、点光源であるため
光学装置の設計が簡単という長所がある。これらの装置
は、ランプを点灯させた後に、一定時間は点灯を維持さ
せるものと、頻繁に点灯と消灯を繰り返すものがある。
前者に該当するものとして、半導体の露光装置があり、
後者に該当するものとして、オーバヘッドプロジェクタ
ー装置(OHP装置)や投射型プロジェクター装置等が
ある。OHP装置について、具体的に説明すると、発表
者がOHP装置を使いながら発表を行い、その後、聴講
者から質問を受けるときにランプを一度消灯させる場合
がある。この場合、短時間の間隔で点灯と消灯を繰り返
すことになる。
【0003】一般に、水銀ランプ点灯装置は、安定器と
起動器で構成される。起動器は、点灯開始時に高電圧を
発生して、電極間に絶縁破壊を起こさせるもので、安定
器は、絶縁破壊後に所定電流をランプに供給して、いち
早く安定状態に移行させるとともに、その後も入力電源
の変動等に影響を受けることなく点灯制御させるもので
ある。この安定器からの電流供給によって、水銀ランプ
の封入ガスがイオン化され、これらイオンの衝撃によっ
て、電極温度を上昇させることにより熱電子放出を促進
させている。そして、電極温度が一定値まで上昇する
と、水銀などの発光が十分に機能するので、光学装置と
して十分満足して使うことが可能になる。この状態が定
常点灯状態であって、点灯開始後、早くこの状態に移行
させることが、ランプや点灯装置として強く要求され
る。このように、電極を加熱して当該電極から十分な電
子放出が行われるまでの期間と、電極の温度が十分に加
熱された後の定常点灯期間に大別される。 例えば、8
5V250W、80V155W、95V575Wのショ
ートアーク型金属蒸気放電ランプの場合、定常点灯期間
に移行する迄の時間は、30秒から1分程度である。そ
して、点灯開始時は、電極の形状変形(損傷)を起こさ
ない範囲内において、電極加熱を促進させるため、定格
電流よりも高めの電流をランプに対して供給する。一例
をあげれば、定格電流値の約2.5倍程度である。
起動器で構成される。起動器は、点灯開始時に高電圧を
発生して、電極間に絶縁破壊を起こさせるもので、安定
器は、絶縁破壊後に所定電流をランプに供給して、いち
早く安定状態に移行させるとともに、その後も入力電源
の変動等に影響を受けることなく点灯制御させるもので
ある。この安定器からの電流供給によって、水銀ランプ
の封入ガスがイオン化され、これらイオンの衝撃によっ
て、電極温度を上昇させることにより熱電子放出を促進
させている。そして、電極温度が一定値まで上昇する
と、水銀などの発光が十分に機能するので、光学装置と
して十分満足して使うことが可能になる。この状態が定
常点灯状態であって、点灯開始後、早くこの状態に移行
させることが、ランプや点灯装置として強く要求され
る。このように、電極を加熱して当該電極から十分な電
子放出が行われるまでの期間と、電極の温度が十分に加
熱された後の定常点灯期間に大別される。 例えば、8
5V250W、80V155W、95V575Wのショ
ートアーク型金属蒸気放電ランプの場合、定常点灯期間
に移行する迄の時間は、30秒から1分程度である。そ
して、点灯開始時は、電極の形状変形(損傷)を起こさ
ない範囲内において、電極加熱を促進させるため、定格
電流よりも高めの電流をランプに対して供給する。一例
をあげれば、定格電流値の約2.5倍程度である。
【0004】ここで、ランプを一度消灯させて、その後
にランプを再点灯させる場合に、電極が十分に冷却され
て、室温と同程度の温度まで下がっていれば、前述の如
く、定格電流より高めの電流を供給する方法で何ら問題
はない。ところが、消灯していた時間が短い場合は、電
極が十分に冷却されておらず、再点灯の時点で、既に、
ある程度あったかい状態にある。このような場合に、定
格電流より高い電流をランプに対して供給すれば、電極
の加熱を過度に進めることになる。従来、このような事
態を回避する方法として、電極が十分に冷却されなけれ
ばランプを再点灯できないようにしたり、あるいは、取
扱説明書において禁止事項として記載する程度のことが
行われていた。電極を十分に冷却させるための時間は、
自然空冷によれば、85V250Wのランプで1分以
上、また、95V575Wのランプでは2分以上を要す
る。このような長い時間、ランプを点灯できないという
ことは、OHP装置等においては使用がかなり制限され
ていることを意味する。
にランプを再点灯させる場合に、電極が十分に冷却され
て、室温と同程度の温度まで下がっていれば、前述の如
く、定格電流より高めの電流を供給する方法で何ら問題
はない。ところが、消灯していた時間が短い場合は、電
極が十分に冷却されておらず、再点灯の時点で、既に、
ある程度あったかい状態にある。このような場合に、定
格電流より高い電流をランプに対して供給すれば、電極
の加熱を過度に進めることになる。従来、このような事
態を回避する方法として、電極が十分に冷却されなけれ
ばランプを再点灯できないようにしたり、あるいは、取
扱説明書において禁止事項として記載する程度のことが
行われていた。電極を十分に冷却させるための時間は、
自然空冷によれば、85V250Wのランプで1分以
上、また、95V575Wのランプでは2分以上を要す
る。このような長い時間、ランプを点灯できないという
ことは、OHP装置等においては使用がかなり制限され
ていることを意味する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、発明が解決し
ようとする課題は、水銀ランプを再点灯するにあたり、
電極に損傷を与えない最適な電流をランプに供給するこ
とにある。
ようとする課題は、水銀ランプを再点灯するにあたり、
電極に損傷を与えない最適な電流をランプに供給するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明にかかる水銀ランプ点灯方法は、水銀ラン
プを点灯するときに電極温度を検出して、当該電極が点
灯初期に損傷を受ける可能性がある程度の温度を有して
いると判断した時は、点灯開始後の、0.001 秒から1秒
の間は、以下の条件をともに満たす電流をランプに対し
て供給することを特徴とする。 点灯電力値≦水銀ランプの定格電力値の1.2倍の値 点灯電流値≦水銀ランプの定格電流値の1.2倍の値 さらに、電極温度を検出したときに、十分に低い温度で
あって高めの電流を供給しても影響ないと判断した時は
以下のように制御することを特徴とする。 点灯電流値≦水銀ランプの定格電流値の2.5倍の値
に、この発明にかかる水銀ランプ点灯方法は、水銀ラン
プを点灯するときに電極温度を検出して、当該電極が点
灯初期に損傷を受ける可能性がある程度の温度を有して
いると判断した時は、点灯開始後の、0.001 秒から1秒
の間は、以下の条件をともに満たす電流をランプに対し
て供給することを特徴とする。 点灯電力値≦水銀ランプの定格電力値の1.2倍の値 点灯電流値≦水銀ランプの定格電流値の1.2倍の値 さらに、電極温度を検出したときに、十分に低い温度で
あって高めの電流を供給しても影響ないと判断した時は
以下のように制御することを特徴とする。 点灯電流値≦水銀ランプの定格電流値の2.5倍の値
【0007】
【作用】すなわち、ランプを点灯させる時、その時点に
おける電極の温度を何らかの方法で読み取り、電極温度
に応じた電流をランプに供給することにより、電極の損
傷を招くことなく、良好にランプを定常点灯状態に移行
できる。
おける電極の温度を何らかの方法で読み取り、電極温度
に応じた電流をランプに供給することにより、電極の損
傷を招くことなく、良好にランプを定常点灯状態に移行
できる。
【0008】
【実施例】図1は、この発明にかかる点灯方法を実施す
るための回路図を示す。まずは、回路の構成について説
明する。図1に示した回路は、水銀ランプ1、安定器
2、起動器3より構成される。水銀ランプ1(以下、ラ
ンプともいう)は、当該ランプを設置するランプ灯具1
00と、後述するランプ状態観測センサ101より構成
される。ランプ1は、例えば、交流点灯するショートア
ーク型のメタルハライドランプであり、定格電圧85
V、定格電力250Wのもの、あるいは、定格電圧80
V、定格電力155Wのもの、あるいは、定格電圧95
V、定格電力575Wのものが適用される。
るための回路図を示す。まずは、回路の構成について説
明する。図1に示した回路は、水銀ランプ1、安定器
2、起動器3より構成される。水銀ランプ1(以下、ラ
ンプともいう)は、当該ランプを設置するランプ灯具1
00と、後述するランプ状態観測センサ101より構成
される。ランプ1は、例えば、交流点灯するショートア
ーク型のメタルハライドランプであり、定格電圧85
V、定格電力250Wのもの、あるいは、定格電圧80
V、定格電力155Wのもの、あるいは、定格電圧95
V、定格電力575Wのものが適用される。
【0009】安定器2は、交流電源Eとランプ1との間
に接続される。この安定器2は、商用周波数整流回路2
0、チョッパー方式の制御回路部21、高周波整流回路
22、低周波回路25より構成される。制御回路21
は、MOSFET等の半導体スイッチング素子で構成さ
れており、約40〜200KHzの高周波スイッチング
をする。低周波回路25は、MOSFETがフルブリッ
ジ型に構成されたものが適用され、低周波変換部制御回
路250によって駆動される。この低周波回路25から
は、通常は、約100〜500Hz程度の低周波が出力
されるが、点灯開始時の数秒間は、点灯状態を維持する
ため直流電流をランプに供給する。ランプの点灯電流値
は、ランプ電流検出部23によって検出されて、その信
号が比較回路26に送信される。ランプの点灯電圧値
は、ランプ電圧検出部24によって検出されて、その信
号がランプ状態判断部102に送信される。そして、ラ
ンプ状態判断部102からの信号が比較回路26に送信
される。比較回路26では、オペアンプ等により基準値
との比較制御を行い、その出力をパルス幅制御回路27
に送り、さらに、チョッパー方式の制御回路部21に入
力する。ランプの点灯状態は、ランプ状態観測センサー
101によって観測され、その信号がランプ状態判断部
102に送信される。ここで観測するランプの点灯状態
とは、例えば、ランプの外表面温度であって、ランプ状
態観測センサー101の具体例であるサーミスタによっ
て観測される。最も好ましくは、電極温度を直接観測す
ることであるが、点灯中における電極の温度を観測する
ことは容易なことではない。このため、観測の容易な部
位における温度より換算するわけである。ランプの外表
面温度を検出する以外の方法としては、ランプを搭載す
る灯具の温度やランプ電圧を検出する方法がある。ラン
プ状態判断部102は、ランプ状態観測センサー101
からの信号により、ランプ1が十分に冷えた状態か、あ
るいは、既にあったかい状態かを判断する。起動器3
は、ランプ1と直列に接続される。この起動器3より点
灯開始時に約15〜30KVの高電圧がランプに印加さ
れる。
に接続される。この安定器2は、商用周波数整流回路2
0、チョッパー方式の制御回路部21、高周波整流回路
22、低周波回路25より構成される。制御回路21
は、MOSFET等の半導体スイッチング素子で構成さ
れており、約40〜200KHzの高周波スイッチング
をする。低周波回路25は、MOSFETがフルブリッ
ジ型に構成されたものが適用され、低周波変換部制御回
路250によって駆動される。この低周波回路25から
は、通常は、約100〜500Hz程度の低周波が出力
されるが、点灯開始時の数秒間は、点灯状態を維持する
ため直流電流をランプに供給する。ランプの点灯電流値
は、ランプ電流検出部23によって検出されて、その信
号が比較回路26に送信される。ランプの点灯電圧値
は、ランプ電圧検出部24によって検出されて、その信
号がランプ状態判断部102に送信される。そして、ラ
ンプ状態判断部102からの信号が比較回路26に送信
される。比較回路26では、オペアンプ等により基準値
との比較制御を行い、その出力をパルス幅制御回路27
に送り、さらに、チョッパー方式の制御回路部21に入
力する。ランプの点灯状態は、ランプ状態観測センサー
101によって観測され、その信号がランプ状態判断部
102に送信される。ここで観測するランプの点灯状態
とは、例えば、ランプの外表面温度であって、ランプ状
態観測センサー101の具体例であるサーミスタによっ
て観測される。最も好ましくは、電極温度を直接観測す
ることであるが、点灯中における電極の温度を観測する
ことは容易なことではない。このため、観測の容易な部
位における温度より換算するわけである。ランプの外表
面温度を検出する以外の方法としては、ランプを搭載す
る灯具の温度やランプ電圧を検出する方法がある。ラン
プ状態判断部102は、ランプ状態観測センサー101
からの信号により、ランプ1が十分に冷えた状態か、あ
るいは、既にあったかい状態かを判断する。起動器3
は、ランプ1と直列に接続される。この起動器3より点
灯開始時に約15〜30KVの高電圧がランプに印加さ
れる。
【0010】次に、この回路の動作を説明する。起動器
3により、ランプ1が絶縁破壊をすると、それに続き、
安定器2より制御された所定電流が供給され、ランプ1
は点灯初期の不安定な状態(電極加熱期間)から安定点
灯状態(定常点灯期間)へと移行する。電極加熱状態に
おける点灯制御は、ランプの点灯電圧値や点灯電流値を
検出して、比較器26において基準値と比較しながらパ
ルス幅制御回路27等によってフィードバック制御をす
る。
3により、ランプ1が絶縁破壊をすると、それに続き、
安定器2より制御された所定電流が供給され、ランプ1
は点灯初期の不安定な状態(電極加熱期間)から安定点
灯状態(定常点灯期間)へと移行する。電極加熱状態に
おける点灯制御は、ランプの点灯電圧値や点灯電流値を
検出して、比較器26において基準値と比較しながらパ
ルス幅制御回路27等によってフィードバック制御をす
る。
【0011】この発明にかかる放電ランプ点灯方法は、
点灯初期の電極加熱状態では、一律に設定された基準電
流値をもって定電流制御するのではなく、その時の電極
温度に応じて最適な電流値をランプに供給するものであ
る。具体的には、点灯開始後の0.001 秒から1秒の間に
おいては、点灯電力値が定格値の1.2 倍以下であって、
かつ、点灯電流値が定格値の1.2 倍以下になるように供
給電流を制御する。この範囲内であれば、電極には影響
を与えないので、最大限高い電流をランプに供給すれ
ば、それだけ、早く電極加熱を進めることになり、結果
として早く定常点灯状態に移行させることを可能にす
る。
点灯初期の電極加熱状態では、一律に設定された基準電
流値をもって定電流制御するのではなく、その時の電極
温度に応じて最適な電流値をランプに供給するものであ
る。具体的には、点灯開始後の0.001 秒から1秒の間に
おいては、点灯電力値が定格値の1.2 倍以下であって、
かつ、点灯電流値が定格値の1.2 倍以下になるように供
給電流を制御する。この範囲内であれば、電極には影響
を与えないので、最大限高い電流をランプに供給すれ
ば、それだけ、早く電極加熱を進めることになり、結果
として早く定常点灯状態に移行させることを可能にす
る。
【0012】次に、この発明にかかる点灯方法によりラ
ンプを点灯させた場合に、電極温度に応じて制御方法が
異なる点を説明する。図2は、定格電圧85Vのランプ
を消灯させた後の経過時間と、再点灯時の点灯初期電圧
の関係を示している。消灯後40秒を経過した時の電極
間電圧は75Vであり(図示A)、60秒を経過した時
の電極間電圧は40Vであり(図示B)、90秒を経過
した時の電極間電圧は20Vである(図示C)。図3
は、同じランプを使って、点灯状態からランプを一旦消
灯させ、その後、40秒後に再点灯させた場合、60秒
後に再点灯させた場合、90秒後に再点灯させた場合の
点灯状態の変化を示す。(a)図は、再点灯後の点灯電
圧の時間的変化を示す。(b)図は、再点灯後の点灯電
流の時間的変化を示す。(c)図は、再点灯後の点灯電
力の時間的変化を示す。消灯期間が40秒と一番短いと
(a) 図の消灯状態(A) の場合に示すごとく、再点灯時に
おいて既にランプ電圧が高いため、(b) 図の消灯状態
(A) の場合に示すごとく、再点灯後の数秒においてのみ
定格電流の1.2倍の電流を供給するが、その後は、ほ
ぼ定格電流に近い値を供給していることがわかる。消灯
期間が90秒と一番長いと(a) 図の消灯状態(C) の場合
に示すごとく、再点灯時において既にランプ電圧が低く
(水銀ランプの電極が十分に冷却されて、室温と同程度
の温度まで下がった状態)、(b) 図の消灯状態(C) の場
合に示すごとく、再点灯後もかなり長い時間、定格電流
値より高い電流値を供給していることがわかる。いずれ
においても、再点灯時のランプ電圧に応じて、ランプ電
流を定格電流値を越えた領域で制御している。
ンプを点灯させた場合に、電極温度に応じて制御方法が
異なる点を説明する。図2は、定格電圧85Vのランプ
を消灯させた後の経過時間と、再点灯時の点灯初期電圧
の関係を示している。消灯後40秒を経過した時の電極
間電圧は75Vであり(図示A)、60秒を経過した時
の電極間電圧は40Vであり(図示B)、90秒を経過
した時の電極間電圧は20Vである(図示C)。図3
は、同じランプを使って、点灯状態からランプを一旦消
灯させ、その後、40秒後に再点灯させた場合、60秒
後に再点灯させた場合、90秒後に再点灯させた場合の
点灯状態の変化を示す。(a)図は、再点灯後の点灯電
圧の時間的変化を示す。(b)図は、再点灯後の点灯電
流の時間的変化を示す。(c)図は、再点灯後の点灯電
力の時間的変化を示す。消灯期間が40秒と一番短いと
(a) 図の消灯状態(A) の場合に示すごとく、再点灯時に
おいて既にランプ電圧が高いため、(b) 図の消灯状態
(A) の場合に示すごとく、再点灯後の数秒においてのみ
定格電流の1.2倍の電流を供給するが、その後は、ほ
ぼ定格電流に近い値を供給していることがわかる。消灯
期間が90秒と一番長いと(a) 図の消灯状態(C) の場合
に示すごとく、再点灯時において既にランプ電圧が低く
(水銀ランプの電極が十分に冷却されて、室温と同程度
の温度まで下がった状態)、(b) 図の消灯状態(C) の場
合に示すごとく、再点灯後もかなり長い時間、定格電流
値より高い電流値を供給していることがわかる。いずれ
においても、再点灯時のランプ電圧に応じて、ランプ電
流を定格電流値を越えた領域で制御している。
【0013】次に、この発明にかかる点灯方法が、従来
の点灯方法に比べて優れていることを証明する実験につ
いて説明する。ランプは、前述の例と同じのものを使用
している。従来の方法とは、ランプを再点灯させた場合
に、その時の電極温度に係わらず、常に定格電流の約
2.5倍で制御するものである。実験は以下の通りであ
る。 (1).まず、ランプを3分間点灯させる。250W程度の
メタルハライドランプは、通常1分間の点灯で安定状態
に達することから余裕を見て3分間を設定している。 (2).次に、ランプを5秒間消灯させて、その後、再点灯
させる。 (3).次に、別のランプによって、10秒間消灯させた後に
再点灯させる実験を同様に行う。 (4).図4は、この実験により電極損傷の程度を示すもの
で、実験前の電極形状と、5秒消灯後に再点灯した時の
電極形状と、10秒消灯後に再点灯した時の電極形状を
各々示す。(a)図は従来の点灯方法によるもので、
(b)図は本発明の点灯方法によるものを示す。この形
状はX線写真により撮影して約9倍で表している。 (5).図4より従来の点灯方法では、電極損傷がかなり起
こっているが、本発明にかかる点灯方法では、ほとんど
形状が変わっていないことが証明される。 実験による電極の幅は、約0.7mmであって、従来の
方法で生じる電極損傷では、電極間距離に変化を生じ
て、さらに光学系においては焦点のずれを生じてしま
う。また、電極先端が磨耗して、それが飛散することに
よりランプ内壁を汚し、その結果、ランプからの放射光
量を減少させたり、ランプの電気特性を変えてしまうと
いった問題を生ずる。
の点灯方法に比べて優れていることを証明する実験につ
いて説明する。ランプは、前述の例と同じのものを使用
している。従来の方法とは、ランプを再点灯させた場合
に、その時の電極温度に係わらず、常に定格電流の約
2.5倍で制御するものである。実験は以下の通りであ
る。 (1).まず、ランプを3分間点灯させる。250W程度の
メタルハライドランプは、通常1分間の点灯で安定状態
に達することから余裕を見て3分間を設定している。 (2).次に、ランプを5秒間消灯させて、その後、再点灯
させる。 (3).次に、別のランプによって、10秒間消灯させた後に
再点灯させる実験を同様に行う。 (4).図4は、この実験により電極損傷の程度を示すもの
で、実験前の電極形状と、5秒消灯後に再点灯した時の
電極形状と、10秒消灯後に再点灯した時の電極形状を
各々示す。(a)図は従来の点灯方法によるもので、
(b)図は本発明の点灯方法によるものを示す。この形
状はX線写真により撮影して約9倍で表している。 (5).図4より従来の点灯方法では、電極損傷がかなり起
こっているが、本発明にかかる点灯方法では、ほとんど
形状が変わっていないことが証明される。 実験による電極の幅は、約0.7mmであって、従来の
方法で生じる電極損傷では、電極間距離に変化を生じ
て、さらに光学系においては焦点のずれを生じてしま
う。また、電極先端が磨耗して、それが飛散することに
よりランプ内壁を汚し、その結果、ランプからの放射光
量を減少させたり、ランプの電気特性を変えてしまうと
いった問題を生ずる。
【0014】次に、本発明の点灯方法で、電極温度があ
ったかい状態で再点灯する場合に、制御する点灯電流値
と点灯電力値を種々変えた実験について説明する。図5
は、ランプの点灯電流値を変えて実験を行った。すなわ
ち、定常点灯時における定格電流の何倍の電流を再点灯
時に供給したかを示している。ランプについては、前述
の実験と同じく250Wのショートアーク型メタルハラ
イドを使用し定格電流は3Aである。そして、縦軸は供
給電流値を示し、図中○は電極損傷をほとんど生じなか
ったことを示し、×は電極損傷を生じたことを示す。図
より定格電流の1.17倍である3.5 Aの電流を再点灯開始
時に供給した場合は、電極に損傷を生じていないが、定
格電流の1.33倍の4Aの電流を点灯開始時に供給した場
合は、電極に損傷を生じている。この結果、定格電流の
1.2 倍の電流を流せば、再点灯時において、電極温度が
既にあったくても電極には影響を与えないことが判明さ
れる。
ったかい状態で再点灯する場合に、制御する点灯電流値
と点灯電力値を種々変えた実験について説明する。図5
は、ランプの点灯電流値を変えて実験を行った。すなわ
ち、定常点灯時における定格電流の何倍の電流を再点灯
時に供給したかを示している。ランプについては、前述
の実験と同じく250Wのショートアーク型メタルハラ
イドを使用し定格電流は3Aである。そして、縦軸は供
給電流値を示し、図中○は電極損傷をほとんど生じなか
ったことを示し、×は電極損傷を生じたことを示す。図
より定格電流の1.17倍である3.5 Aの電流を再点灯開始
時に供給した場合は、電極に損傷を生じていないが、定
格電流の1.33倍の4Aの電流を点灯開始時に供給した場
合は、電極に損傷を生じている。この結果、定格電流の
1.2 倍の電流を流せば、再点灯時において、電極温度が
既にあったくても電極には影響を与えないことが判明さ
れる。
【0015】図6は、ランプの点灯電力値を変えて実験
を行った。すなわち、定常点灯時における定格電力の何
倍の電力を再点灯時にランプに対して与えているかを示
す。ランプについては、前述の実験と同じく250Wの
ショートアーク型メタルハライドを使っている。図より
定格電力の1.0 倍である250Wの電力で点灯させた場
合は、電極に損傷を生じていないが、定格電力の1.24倍
の310Wの電力で点灯させた場合は電極に損傷を生じ
ている。この結果、定格電力の1.2 倍を越える電力を供
給すれば、再点灯時に電極温度がある程度温ったかいと
影響を与えることが判明される。
を行った。すなわち、定常点灯時における定格電力の何
倍の電力を再点灯時にランプに対して与えているかを示
す。ランプについては、前述の実験と同じく250Wの
ショートアーク型メタルハライドを使っている。図より
定格電力の1.0 倍である250Wの電力で点灯させた場
合は、電極に損傷を生じていないが、定格電力の1.24倍
の310Wの電力で点灯させた場合は電極に損傷を生じ
ている。この結果、定格電力の1.2 倍を越える電力を供
給すれば、再点灯時に電極温度がある程度温ったかいと
影響を与えることが判明される。
【0016】本発明の点灯方法では、以下の理由によ
り、時間的な制限を受ける。再点灯後、約1m秒まで
は、点灯開始のための過渡電流が流れるので、この期間
において電流量を観測することは不可能である。また、
このような水銀ランプは、定常点灯時は交流点灯する
が、点灯開始後の約1秒間は安定させるために直流点灯
させている。従って、この1秒間の間に電極を加熱する
必要があり、それ以上にわたって本発明にかかる点灯を
行うと、過度の加熱をしてしまう可能性がある。
り、時間的な制限を受ける。再点灯後、約1m秒まで
は、点灯開始のための過渡電流が流れるので、この期間
において電流量を観測することは不可能である。また、
このような水銀ランプは、定常点灯時は交流点灯する
が、点灯開始後の約1秒間は安定させるために直流点灯
させている。従って、この1秒間の間に電極を加熱する
必要があり、それ以上にわたって本発明にかかる点灯を
行うと、過度の加熱をしてしまう可能性がある。
【0017】
【効果】この発明にかかる放電ランプ点灯方法では、ラ
ンプを点灯させた時に電極が既に温ったかくても、電極
を損傷させることなく、良好にランプの点灯を安定させ
ることができる。
ンプを点灯させた時に電極が既に温ったかくても、電極
を損傷させることなく、良好にランプの点灯を安定させ
ることができる。
【図1】この発明にかかる水銀ランプ点灯方法の回路図
を示す。
を示す。
【図2】ランプを消灯させた後の経過時間と、再点灯時
の点灯初期電圧の関係を示した図である。
の点灯初期電圧の関係を示した図である。
【図3】ランプを再点灯させた時の点灯状態を示す図で
ある。
ある。
【図4】この発明の効果を示すもので電極損傷の程度を
示している。
示している。
【図5】この発明にかかる水銀ランプ点灯方法におい
て、点灯電流についての実験を示した図である。
て、点灯電流についての実験を示した図である。
【図6】この発明にかかる水銀ランプ点灯方法におい
て、点灯電力についての実験を示した図である。
て、点灯電力についての実験を示した図である。
1:水銀ランプ 2:安定器 3:起動器 21:制御回路部 100 :ランプ灯具 101 :ランプ状態観測センサー 102 :ランプ状態判断部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 八平 兵庫県姫路市別所町佐土1194 ウシオ電機 株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】水銀ランプを点灯するときに電極温度を検
出して、 当該電極が点灯初期に損傷を受ける可能性がある程度の
温度を有していると判断した時は、 点灯開始後の、0.001 秒から1秒の間は、以下の条件を
ともに満たす電流をランプに対して供給することを特徴
とする水銀ランプ点灯方法。 点灯電力値≦水銀ランプの定格電力値の1.2倍の値 点灯電流値≦水銀ランプの定格電流値の1.2倍の値 - 【請求項2】当該電極が点灯初期に損傷を受ける可能性
がある程度の温度を有していないと判断した時は、 以下の条件を満たす電流をランプに対して供給すること
を特徴とする請求項1記載の水銀ランプ点灯方法。 点灯電流値≦水銀ランプの定格電流値の2.5倍の値
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6110132A JPH07296981A (ja) | 1994-04-27 | 1994-04-27 | 水銀ランプ点灯方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6110132A JPH07296981A (ja) | 1994-04-27 | 1994-04-27 | 水銀ランプ点灯方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07296981A true JPH07296981A (ja) | 1995-11-10 |
Family
ID=14527844
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6110132A Pending JPH07296981A (ja) | 1994-04-27 | 1994-04-27 | 水銀ランプ点灯方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07296981A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003035932A (ja) * | 2001-07-23 | 2003-02-07 | Nec Viewtechnology Ltd | プロジェクタのランプ駆動装置およびその駆動方法 |
JP2010191402A (ja) * | 2009-01-26 | 2010-09-02 | Toshiba Corp | プロジェクタ装置及び映像表示方法ならびに携帯電話装置 |
JP2013156559A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Seiko Epson Corp | プロジェクター |
-
1994
- 1994-04-27 JP JP6110132A patent/JPH07296981A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003035932A (ja) * | 2001-07-23 | 2003-02-07 | Nec Viewtechnology Ltd | プロジェクタのランプ駆動装置およびその駆動方法 |
JP2010191402A (ja) * | 2009-01-26 | 2010-09-02 | Toshiba Corp | プロジェクタ装置及び映像表示方法ならびに携帯電話装置 |
US8322860B2 (en) | 2009-01-26 | 2012-12-04 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Projector apparatus and method of controlling the color fluctuation of the light |
JP2013156559A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Seiko Epson Corp | プロジェクター |
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