JPH0729569U - 易剥離性タックラベル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 瓶等の容器等をリサイクル使用するときにア
ルカリ水溶液等により、容易に剥離することが出来るタ
ックラベルを提供する。 【構成】 非透水性シートによりなるラベル基材１とア
ルカリ性水溶液等に可溶性の粘着剤よりなる粘着剤層２
と離型紙３よりなるタックラベルにおいて、離型紙３が
凸凹状表面を有し、粘着剤層２が該凸凹状表面に密着し
て形成された構成の易剥離性タックラベル。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、瓶等の容器等表面に粘着剤により貼着されるタックラベルであって 容器等をリサイクル使用する際の剥離作業を容易に行うことができるタックラベ ルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ガラス瓶等の容器に貼着されたタックラベルは、容器をリサイクル使用 する際、容器を温水又はアルカリ性水溶液（以下「アルカリ性水溶液等」という ）に浸漬、洗浄しタックラベル裏面の粘着剤を溶解し接着力を低下させた後、該 タックラベルを擦り落とす等により剥離している。

【０００３】 この従来のタックラベルは、ラベル基材の裏面全面に均一な粘着剤層を有し、 シリコン等の離型剤が塗布された離型紙が積層されたものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかるに、前記従来のものでは、ラベルを容器に貼着すると粘着剤層の全面が 容器表面に対し密着するためにラベルの剥離を行うべく容器を温水又は、アルカ リ性水溶液に浸漬等させても、該アルカリ性水溶液等は、粘着剤層の全体に即座 に浸透しない。このため、該アルカリ性水溶液等に長時間浸漬させる等の必要が あり、ラベル剥離作業の作業能率が非常に悪いものとなっていた。

【０００５】 また、ラベルの基材が合成樹脂製フィルムや、合成樹脂をコーティングした紙 等の非透水性を有するものである場合は、前記作業能率が一層悪いものとなって いた。

【０００６】 前記問題を解決するため、従来、図７、図８に示す如く粘着剤１２を格子状の 非塗布部１４を有するように断続的に部分塗布したものが考案されたが、該部分 塗布されたラベルは、離型紙１３との密着性が安定しないため離型紙より脱落や 剥離不良があり、また、ラベル基材１１の表面に各種デザイン、商標等の表示を 印刷する際、表面の平面性が得られないため微細な、印刷ができないものであっ た。 更に、粘着剤を部分塗布する必要があるため塗布作業が煩雑になるという問題 点があり、実用性に劣るものであった。

【０００７】 本考案は、上記従来の問題点を解決し、前記アルカリ性水溶液等の浸透性が良 く剥離性が良好であり、更に一般のタックラベルと同様に美麗な印刷及び、取扱 いができるタックラベルを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、従来の如くラベル基材の裏面に粘着剤を断続的、部分的に設けるの ではなく、ラベルを容器に貼着した際は、容器表面と粘着剤層の間にアルカリ性 水溶液等が浸透する侵入路が形成されるように、表面が凸凹状の離型紙を使用す ことにより、離型紙からラベルを剥離した際、アルカリ性水溶液等に可溶性の粘 着剤表面が凸凹状に形成されるようにし、上記課題を解決するものである。

【０００９】 すなわち、第１に本考案は、非透水性シートよりなるラベル基材１とアルカリ 性水溶液又は温水に可溶性の粘着剤よりなる粘着剤層２と離型紙３がこの順に積 層されたタックラベルにおいて前記離型紙３の少なくとも粘着剤層２側が凸凹状 表面を有し、前記粘着剤層２が該凸凹状表面に密着して形成されていることを特 徴とする易剥離性タックラベルである。

【００１０】 第２に本考案は、上記ラベル基材１を熱収縮性合成樹脂製フィルムとした易剥 離性タックラベルである。

【００１１】

【作用】

本考案のタックラベルは上記構成を有するため、ラベル基材１を離型紙３より 剥離し容器表面５に貼着すると、粘着剤層２と容器表面５の間には、ラベル基材 １を容器表面５より剥離除去するために粘着剤層２の粘着剤を溶解するアルカリ 性水溶液等の浸透する侵入路が形成される。

【００１２】 従って、本考案のタックラベルを貼着した容器等を該アルカリ性水溶液等に浸 漬させれば、該水溶液等が浸透する侵入路より粘着剤層２と容器表面５の間に即 座に侵入し、該粘着剤を溶解するため短時間でラベルを剥離することができる。

【００１３】 また、本考案のタックラベルは、通常のタックラベルと同じく粘着剤層２の全 面が離型紙３と密着しているため、不用意にラベルが離型紙３から脱落すること もなく、また、ラベル基材１の表面の印刷を施す際の不都合も全くないものであ る。更に、第２の熱収縮性合成樹脂製フィルムをラベル基材１として用いた場合 は温水や加温されたアルカリ性水溶液が粘着剤層２を溶解すると共に、ラベル基 材１が収縮するため容器表面５に対して、位置ずれが起りラベル基材の剥離が促 進されることとなる。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１５】 図１は、本考案の易剥離性タックラベルを示す断面図である。 図１中１は、非透水性のラベル基材である。２は、温水または、アルカリ性水 溶液に可溶性の粘着剤よりなる粘着剤層である。３は、凸凹状の表面を有する離 型紙である。

【００１６】 ラベル基材１は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピ レン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等よりなる厚さ１０〜１０ ０μｍ程度の、合成樹脂製フィルム。または、合成樹脂のコーティング層やアル ミ箔等を積層した紙基材等が使用できる。

【００１７】 粘着剤層２は、４０℃〜９５℃程度の温水または、例えば、濃度が２〜１０％ 程度の水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）水溶液等のアルカリ性水溶液に可溶性の粘 着剤より形成される。

【００１８】 離型紙３は、該粘着剤に対して離型性を有するシリコーン等を含有した離型剤 が表面に施された紙等からなり、該表面が凸凹状に形成されている。 図３は、離型紙３の部分拡大断面図である。該凹部及び凸部の寸法３ａ，３ｂ は、夫々０．２〜２ｍｍ程度であり、特に０．３〜０．５ｍｍ程度が好ましいも のである。また、凹部の深さは２〜２０μｍ程度である。

【００１９】 図２は、ラベル基材１を離型紙より剥離した時の粘着剤層２側より見た平面図 である。２ａは、粘着剤の肉厚部分、２ｂは粘着剤の肉薄部分を表している。

【００２０】 上記構成よりなるタックラベルは、離型紙３を剥離させて図４の如く容器等の 表面５に粘着剤層２を介して貼着される。 この際、粘着剤層２は凸凹状の離型紙３の表面に密着していたため、内側表面 が凸凹状に形成されており、全面が容器等の表面５に密着せず、粘着剤層２と容 器表面５の間にアルカリ性水溶液等の侵入路４となる空間部が形成される。

【００２１】 従って、上記容器を販売後に回収し、タックラベルを剥離するに際し、容器を 温水または、アルカリ性水溶液内に浸漬させれば、ラベル基材１の外周縁より侵 入路４を通って該アルカリ性水溶液等が侵入し、粘着剤層２に浸透する。 また、侵入路となる空間部は、ラベルの裏面全域に形成されているからラベル 中央部の粘着剤へも短時間で浸透する。

【００２２】 これにより、非透水性のラベル基材１よりなるタックラベルであっても短時間 で粘着剤の溶解、接着力低下が起り、ラベルの剥離が促進される。

【００２３】 また、上記実施例のラベル基材１として、熱収縮性合成樹脂製フィルムを用い た場合について説明する。

【００２４】 熱収縮性合成樹脂製フィルムとしては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ エチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等及びこれらを含む多層 フィルムや発泡フィルム等の公知のものが使用できる。 該熱収縮性合成樹脂製フィルムは、厚み２０〜１００μｍ程度で、少なくとも 一方の収縮率が８０℃で約２０％以上のものが好ましい。

【００２５】 このタックラベルを貼着した容器を温水又は、加温したアルカリ性水溶液に浸 漬すると前記第１実施例と同じく、粘着剤層２と容器表面５の間の侵入路より該 アルカリ性水溶液等が侵入し、粘着剤が溶解され接着力が低下する。この際、ラ ベル基材１が熱収縮するため、ラベル基材１が容器表面５で位置ずれを起し、非 常に容易にタックラベルが剥離されるのである。

【００２６】 以上のように、本考案のタックラベルは、容器等のリサイクルに際し、非常に 容易に剥離できるものである。

【００２７】 次に、本考案のタックラベルの製造の実施例を説明する。

【００２８】 離型紙３は、紙基材や、合成樹脂製フィルム基材にシリコーン離型剤等をコー ティングし、その後加熱エンボスロール等により圧着して表面凸凹状にして作成 れる。

【００２９】 上記の如く形成された離形紙３をロールより巻き出し図５に示すように離型紙 ３にコータ６により粘着剤を塗布し、乾燥ゾーン７を通過し、粘着剤の溶剤等を 乾燥させる。続いて、ラミネートロール８により、ラベル基材１を粘着剤面に貼 合せする。 以上により、作成された積層シートに必要により印刷、スリット、トリミング 等を行い本考案のタックラベルを作成することができる。

【００３０】 本考案のタックラベルは、上記のように表面が凸凹状に形成された離型紙３に 粘着剤をコーティングするため、粘着剤層２が離型紙３の凸凹面に密着して形成 されるものである。

【００３１】 尚、本考案のタックラベルは、上記実施例に限定されるものではなく、例えば 離型紙３の凸凹形状も図６の如く縞模様等様々な形態に形成できるものである。 また、本考案のラベル基材１の形状、材質及び粘着剤の種類等の具体的な構成 は、全て本考案の意図する範囲内で任意に設計変更できるものである。

【００３２】

【考案の効果】

上述の様に本考案の易剥離性タックラベルは、従来と同じように温水やアルカ リ性水溶液を使用しながら、容器等の表面と粘着剤層の間へ該温水やアルカリ性 水溶液が即座に浸透するため、短時間でタックラベルの剥離が可能となるもので ある。このため、容器等のリサイクル使用が容易になり、省資源にも役立つもの である。 また本考案のラベルは、通常のタックラベルと同様の印刷性、取扱い性を有し また、ラベル製造の際の粘着剤のコーティングも容易に行えるものである。 更に、本考案のタックラベルの基材として熱収縮性合成樹脂製フィルムを使用 した場合は、温水または、加温されたアルカリ性水溶液によりラベルが熱収縮す るため、より短時間でラベルの剥離を行うことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図 １】本考案の易剥離性タックラベルの断面図。

【図 ２】本考案の粘着剤層の平面図。

【図 ３】本考案の離型紙の部分拡大断面図。

【図 ４】本考案の易剥離性タックラベルを容器の表向
に貼着した断面図。

【図 ５】本考案の易剥離性タックラベルの製造工程の
説明図。

【図 ６】本考案の易剥離性タックラベル別の実施例の
粘着剤層を示す平面図。

【図 ７】従来技術を示す断面図。

【図 ８】従来技術を示す平面図。

【符号の説明】

１：ラベル基材、２：粘着剤層、３：離型紙、５：容器
表面

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 非透水性シートよりなるラベル基材１と
   アルカリ性水溶液又は温水に可溶性の粘着剤よりなる粘
   着剤層２と離型紙３がこの順に積層されたタックラベル
   において、前記離型紙３の少なくとも粘着剤層２側が凸
   凹状表面を有し、前記粘着剤層２が該凸凹状表面に密着
   して形成されていることを特徴とする易剥離性タックラ
   ベル。
2. 【請求項２】 上記ラベル基材１が、熱収縮性合成樹脂
   製フイルムであることを特徴とする易剥離性タックラベ
   ル。