JPH07295571A - 楽音信号生成装置 - Google Patents

楽音信号生成装置

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Publication number
JPH07295571A
JPH07295571A JP6104558A JP10455894A JPH07295571A JP H07295571 A JPH07295571 A JP H07295571A JP 6104558 A JP6104558 A JP 6104558A JP 10455894 A JP10455894 A JP 10455894A JP H07295571 A JPH07295571 A JP H07295571A
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JP
Japan
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component
waveform data
tone
tone signal
channel
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Application number
JP6104558A
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English (en)
Inventor
Tomoko Ando
智子 安藤
Gen Izumisawa
玄 和泉沢
Hiroshi Sato
浩 佐藤
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】予め記憶された波形データを読み出し楽音信号
を生成する楽音信号生成装置に関し、予め用意すべき波
形データを少なくできると共に、限られた数のオシレー
タを効率良く使用しポリフォニック数を多くする。 【構成】特定の打鍵強度成分の楽音発生用の各チャンネ
ルで共通使用の共通波形データと、特定の打鍵強度成分
以外の打鍵強度成分の楽音発生用の各チャンネルに対応
して設けた各チャンネルで固有使用の固有波形データと
を記憶した記憶手段40と、発音指示手段15と、該手
段により発音を指示した場合に、記憶手段から共通波形
データを読み出して特定の打鍵強度に対応した第1の楽
音信号を生成し、記憶手段から固有波形データを読み出
して特定の打鍵強度以外の打鍵強度に対応した第2の楽
音信号を生成し、第1の楽音信号と第2の楽音信号とを
混合し各チャンネルに対応した楽音信号を生成する楽音
信号生成手段17より構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予め記憶された波形デ
ータを読み出して楽音信号を生成する楽音信号生成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子楽器に用いられるトーンジェ
ネレータ(音源)は複数のオシレータを備えており、こ
れら複数のオシレータが発音指示に応じて同時に駆動さ
れることにより、複数の楽音の同時発生が可能となって
いる。
【0003】ところで、例えばアコースティックピアノ
等の自然楽器では、高音域、中音域、あるいは低音域等
といった鍵域によって、打鍵強度の相違に基づく音色変
化の程度が異なる。即ち、低音域では打鍵強度に応じて
音色が大きく変化し、高音域になるに連れて打鍵強度に
応じた音色変化は小さくなる。これは、低音域の楽音
は、楽音に含まれる倍音数が打鍵強度に応じて大きく変
化するが、高音域になるに連れて、打鍵強度が変化して
も楽音に含まれる倍音の数はあまり変化しないという自
然楽器の特性、及び、低音域の楽音の減衰速度は小さい
が、高音域になるに連れて減衰速度が大きくなるという
自然楽器の特性等によるものである。
【0004】そこで、かかる自然楽器の特性を模擬して
鍵域や打鍵強度に応じた音色の楽音を発生するために、
種々の試みがなされている。一般に、トーンジェネレー
タで発生される楽音の音色は、オシレータに与える音色
データ(例えば波形アドレス、周波数データ、エンベロ
ープデータ、フィルタ係数等で構成される。)により決
定される。しかし、かかる音色データを1個のオシレー
タに与えることにより発生できる音色には限界があり、
鍵域や打鍵強度に応じた音色を発生するのは困難であっ
た。
【0005】また、例えばアコースティックピアノでは
放音源としての弦や響板は一定範囲に亙り、立体的な楽
音を発生する。これに対し、電子楽器では、楽音を放音
するためにスピーカやヘッドホンといった電気−音響変
換手段が放音源として用いられる。この放音源は、通
常、1台の電子楽器に1〜数箇所設けられるが、各放音
源は同一の楽音を放音するのみであるので楽音が平板に
なってしまいリアルな楽音を発生できないという問題が
あった。
【0006】そこで、複数のオシレータを同時駆動して
同時に発音させることにより、鍵域や打鍵強度に応じた
音色を得ることができると共に、例えばステレオで楽音
を発生することにより、よりリアルな楽音を発生できる
ようにしたトーンジェネレータが開発されている。
【0007】かかるトーンジェネレータは、例えば、以
下のように構成されている。即ち、波形メモリには、例
えば図5に示されるように、鍵域(高音域、中音域、低
音域)毎に、強打成分、中打成分及び弱打成分の各波形
データを、右チャンネル用と左チャンネル用とに分けて
別個独立に記憶しておく。そして、例えばキーボード等
で発音が指示された場合に、左右の各チャンネル用にそ
れぞれ3つのオシレータを割り当てる。
【0008】そして、発音が割り当てられた各オシレー
タは、打鍵位置に応じて、上記波形メモリの高音域、中
音域又は低音域の何れかを選択し、選択された音域に属
する強打成分、中打成分及び弱打成分の各波形データを
読み出し、打鍵強度や減衰速度等に応じて各波形データ
のレベル(振幅)を制御する。このレベルの制御は、波
形メモリから読み出した波形データに打鍵強度や減衰速
度等に応じたエンベロープを付加することによってなさ
れる。そして、このレベル制御された各波形データに基
づいてそれぞれ強打成分、中打成分及び弱打成分が含ま
れた3つの楽音信号を生成し、更にこれらを混合して1
つのチャンネルに対する楽音信号を生成する。このよう
な楽音信号の生成は、左右両チャンネルに対してなされ
る。
【0009】今、トーンジェネレータで発音可能な最大
数(オシレータの数)を「P」、音域の分割数を
「N」、打鍵強度の分割数を「M」、チャンネル数を
「C」とすると、上記のように構成されるトーンジェネ
レータで用意すべき波形データの数及び最大同時発音数
(ポリフォニック数)は、一般的に、以下のように表わ
すことができる。 波形データの数 =N×M×C[波形データ]・・・・(1) ポリフォニック数=P/(M×C)[音」・・・・・・(2)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来のトーンジェネレータでは、音域、打鍵強度及び
チャンネル毎に波形データを予め用意しておく必要があ
るので、波形データの量が膨大となり、波形データの作
成に手間がかかると共に、大容量の記憶手段を必要とす
る。従って、音域の分割数「N」や打鍵強度の分割数
「M」等を増やすことは困難であり、木目細かな音色の
制御を行うことができないという問題があった。
【0011】一方、強打成分の波形データは、音域(高
音域、中音域、低音域)に拘らず、左右両チャンネル間
における楽音の周波数特性の相違は小さく、左チャンネ
ル用と右チャンネル用とを各別に用意して別個に発音し
てもステレオの広がり感に殆ど寄与しないことを本出願
人は見出した。ところが、従来のトーンジェネレータに
おいては、上述したように、1つの発音指示があった場
合に、左右両チャンネルのそれぞれに対して強打成分、
中打成分及び弱打成分用として必ず3個のオシレータを
割り当て、合計6個のオシレータて発音するようになっ
ている。従って、ステレオの広がり感に殆ど寄与しない
強打成分用のオシレータを左右両チャンネルに割り当て
ることとなり、オシレータを無駄に使用しているという
問題があった。このことは、オシレータを無駄に使用す
ることにより本来実現可能であるポリフォニック数を減
少させていると考えることもできる。
【0012】本発明は、かかる事情に鑑みなされたもの
で、予め用意すべき波形データを少なくすることができ
ると共に、限られた数のオシレータを効率良く使用して
ポリフォニック数を多くすることのできる楽音信号生成
装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、上記目的を達成するために、複数チャンネル用の楽
音信号を生成する楽音信号生成装置において、特定の打
鍵強度成分の楽音を発生するために各チャンネルで共通
に使用される共通波形データと、前記特定の打鍵強度成
分以外の打鍵強度成分の楽音を発生するために各チャン
ネルに対応して設けられた各チャンネルで固有に使用さ
れる固有波形データとを記憶した記憶手段と、発音を指
示する発音指示手段と、該発音指示手段により発音が指
示された場合に、前記記憶手段から共通波形データを読
み出して特定の打鍵強度成分に対応した第1の楽音信号
を生成し、前記記憶手段から固有波形データを読み出し
て特定の打鍵強度成分以外の打鍵強度成分に対応した第
2の楽音信号を生成し、前記第1の楽音信号と第2の楽
音信号とを混合することにより各チャンネルに対応した
楽音信号を生成する楽音信号生成手段、とを具備したこ
とを特徴とする。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、上記と同
様の目的で、複数のオシレータを備え、複数チャンネル
用の楽音信号を生成する楽音信号生成装置において、特
定の打鍵強度成分の楽音を発生するために各チャンネル
で共通に使用される共通波形データと、前記特定の打鍵
強度成分以外の打鍵強度成分の楽音を発生するために各
チャンネルに対応して設けられた各チャンネルで固有に
使用される固有波形データとを記憶した記憶手段と、発
音を指示する発音指示手段と、該発音指示手段により発
音が指示された場合に、前記特定の打鍵強度成分の楽音
を発生するために第1のオシレータを割り当て、前記特
定の打鍵強度成分以外の楽音を発生するために各チャン
ネル毎に第2のオシレータを割り当てる割当手段と、該
割当手段により発音が割り当てられた前記第1のオシレ
ータは、前記記憶手段から共通波形データを読み出して
特定の打鍵強度成分に対応した第1の楽音信号を生成
し、前記第2の数のオシレータは、前記記憶手段から固
有波形データを読み出して特定の打鍵強度成分以外の打
鍵強度成分に対応する第2の楽音信号を各チャンネル毎
に生成し、前記第1の楽音信号と第2の楽音信号とを混
合することにより各チャンネルに対応した楽音信号を生
成する楽音信号生成手段、とを具備したことを特徴とす
る。
【0015】
【作用】本発明は、特定の打鍵強度成分、例えば強打成
分の波形データは、左右両チャンネル間における楽音の
周波数特性の相違は小さく、各チャンネル用に用意され
た波形データに基づいて別個に発音してもステレオの広
がり感に殆ど寄与しないという特性に着目してなされた
ものである。
【0016】即ち、請求項1に記載の発明においては、
記憶手段には、特定の打鍵強度成分(例えば強打成分)
の楽音を発生するために各チャンネルで共通に使用され
る共通波形データを記憶しておくと共に、特定の打鍵強
度成分以外の打鍵強度成分(例えば中打成分、弱打成
分)の楽音を発生するために各チャンネルで固有に使用
される固有波形データを各チャンネルに対応して記憶し
ておく。そして、例えばキーボードやMIDIメッセー
ジ等といった発音指示手段によって発音が指示された場
合は、特定の打鍵強度成分用として共通波形データを読
み出して第1の楽音信号を生成し、特定の打鍵強度成分
以外の打鍵強度成分用として固有波形データを読み出し
て第2の楽音信号を生成し、これらを混合して各チャン
ネルに対応する楽音信号を生成するようにしている。
【0017】従って、記憶手段には、特定の打鍵強度成
分以外の打鍵強度成分の波形データはチャンネル毎に用
意しておく必要があるが、特定の打鍵強度成分の波形デ
ータは、各チャンネルで共通に使用するための例えば1
種類(複数種類でも良い)を用意しておけば良い。従っ
て、予め記憶手段に用意すべき波形データの量を減らす
ことができ、波形データの作成時間を節約できると共に
波形データを記憶する記憶手段の容量を小さくすること
ができる。このことは、同一記憶容量であれば、従来の
技術の欄で説明した音域の分割数「N」や打鍵強度の分
割数「M」等を増やすことができることを意味し、木目
細かな音色の制御を行うことが可能となる。
【0018】請求項2に記載の発明においては、記憶手
段には、特定の打鍵強度成分(例えば強打成分)の楽音
を発生するために各チャンネルで共通に使用される共通
波形データを記憶しておくと共に、特定の打鍵強度成分
以外の打鍵強度成分(例えば中打成分、弱打成分)の楽
音を発生するために各チャンネルで固有に使用される固
有波形データを各チャンネルに対応して記憶しておく。
そして、例えばキーボードやMIDIメッセージ等とい
った発音指示手段によって、発音が指示された場合は、
特定の打鍵強度成分用に第1のオシレータを割り当て、
特定の打鍵強度成分以外の打鍵強度成分用に第2のオシ
レータに発音を割り当てる。ここで、第1のオシレータ
及び第2のオシレータは、予め当該楽音信号生成装置に
備えられた複数のオシレータ中の任意のオシレータであ
り、例えば周知のアサイナにより所定のアルゴリズムに
従って発音が割り当てられる。
【0019】そして、第1のオシレータは記憶手段から
共通波形データを読み出し、各チャンネルに共通に用い
られる特定の打鍵強度成分の第1の楽音信号を生成す
る。従って、例えばステレオで発音する電子楽器におい
ては、左右両チャンネル用の第1の楽音信号として同じ
楽音信号が生成される。また、第2のオシレータは記憶
手段から固有波形データを読み出し、チャンネルに固有
の第2の楽音信号を生成する。従って、例えばステレオ
で発音する電子楽器においては、左チャンネル又は右チ
ャンネル用としてそれぞれ別個の第2の楽音信号が生成
される。そして、これら第1及び第2の楽音信号は混合
されることにより各チャンネル(ステレオの場合は左チ
ャンネル及び右チャンネル)の楽音信号が生成される。
【0020】従って、本発明は、記憶手段に予め用意す
べき波形データの量を減らすことができることに伴う上
記請求項1に記載の発明の諸利点に加え、次の利点を有
する。即ち、例えばステレオで発音する電子楽器におい
ては、特定の打鍵強度成分の楽音の発音のために第1の
オシレータが割り当てられ、このオシレータで生成され
た楽音信号が左右両チャンネル用の第1の楽音信号とし
て用いられるので、ステレオの広がり感に寄与しない無
駄なオシレータを発音に割り当てるのを抑止することが
できる。このことは、ポリフォニック数を増加させるこ
とができることを意味する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例につき図面を参照しな
がら詳細に説明する。なお、以下の実施例では、当該電
子楽器に装備されるトーンジェネレータ(音源)は30
個のオシレータを有するものとする。但し、本発明で
は、オシレータの数は30個に限定されるものでなく、
電子楽器の規模や要求仕様等に応じて任意に定めること
ができる。
【0022】図1は、本発明の楽音信号生成装置が適用
された電子楽器の概略的な構成を示すブロック図であ
る。
【0023】本電子楽器においては、システムバス20
を介して、中央処理装置(以下、「CPU」という。)
10、リードオンリメモリ(以下、「ROM」とい
う。)11、ランダムアクセスメモリ(以下、「RA
M」という。)12、パネルスキャン回路14、タッチ
検出回路16及びトーンジェネレータ17が相互に接続
されている。なお、システムバス20は、例えばアドレ
ス信号、データ信号及び制御信号等を送受するバスライ
ンで構成される。
【0024】CPU10は割当手段に対応するものであ
り、ROM11に記憶されている制御プログラムに従っ
て当該電子楽器の各部を制御する。このCPU10が行
う処理の詳細については後述する。
【0025】ROM11には、上述したように、CPU
10の制御プログラムが格納される他、CPU10が使
用する種々の固定データが記憶される。また、このRO
M11には、所定の音色の楽音を発生させるための音色
データが音色毎に記憶されている。
【0026】RAM12は、CPU10が処理する種々
のデータを一時的に記憶するものであり、当該電子楽器
を制御するための各種レジスタ、カウンタ、フラグ等が
定義されている。
【0027】パネルスキャン回路14には操作パネル1
3が接続されている。操作パネル13は、当該電子楽器
を制御するための各種操作子と、この操作子に連動して
動作するスイッチ類の集合である。このスイッチ類に
は、例えば、音色選択スイッチ、リズム選択スイッチ、
音量コントロールスイッチ、音響効果スイッチ等が含ま
れている。この操作パネル13は、パネルスキャン回路
14及びシステムバス20を介してCPU10に接続さ
れている。
【0028】パネルスキャン回路14は、操作パネル1
3とCPU10との間のデータ送受を制御するものであ
る。即ち、パネルスキャン回路14が操作パネル13に
対してスキャン信号を送出すると、操作パネル13は、
このスキャン信号に応答してスイッチの開閉状態を示す
信号(以下、「パネルデータ」という。)をパネルスキ
ャン回路14に返送する。パネルスキャン回路14は、
操作パネル13から受け取ったパネルデータをシステム
バス20を介してCPU10に送出する。このパネルデ
ータは、パネルイベントの有無の判断に使用される(詳
細は後述する)。
【0029】タッチ検出回路16にはキーボード15が
接続されている。キーボード15は、音程を指示するた
めの複数のキー(本実施例では、図2に示すように、音
名A0から音名C8までの88鍵とする。)を有してい
る。このキーボード15としては、例えば2接点方式の
キーボードが用いられる。即ち、キーボード15の各キ
ーは、押鍵・離鍵動作に連動して開閉する2個のキース
イッチを有し、キータッチの検出が可能になっている。
このキーボード15は、タッチ検出回路16及びシステ
ムバス20を介してCPU10に接続されている。
【0030】キーボード15は、本実施例では、図2に
示すように、音名A0〜B2の範囲を低音域、音名C3
〜B5の範囲を中音域、音名C6〜C8の範囲を高音域
と定義している。
【0031】タッチ検出回路16は、押鍵又は離鍵され
たキーのノートナンバ及び押鍵速度を示すタッチデータ
を検出するものである。即ち、タッチ検出回路16は、
キーボード15に対してスキャン信号を送出し、キーボ
ード15は、このスキャン信号に応答して第1及び第2
のキースイッチの開閉状態を示す信号をタッチ検出回路
16に返送する。
【0032】タッチ検出回路16は、キーボード15か
ら受け取った第1及び第2のキースイッチの開閉状態を
示す信号から、キーイベントの有無とキーイベントの種
類(オンイベント又はオフイベント)とを示すイベント
信号を生成してCPU10に送る。また、タッチ検出回
路16は、キーボード15から受け取った第1及び第2
のキースイッチの開閉状態を示す信号から、押鍵又は離
鍵されたキーのノートナンバを検出してCPU10に送
る。
【0033】更に、タッチ検出回路16は、第1のキー
スイッチがオンになってから第2のキースイッチがオン
になるまでの時間を計測することにより、押鍵の速度を
示すタッチデータを生成してCPU10に送る。キータ
ッチの検出技術は周知であるので詳細な説明はしない
が、例えば、特開平3−171197号公報に記載の技
術を用いることができる。
【0034】トーンジェネレータ17は、例えば30個
のオシレータを備えた音源である。このトーンジェネレ
ータ17は、左チャンネル楽音発生部30及びこの左チ
ャンネル楽音発生部30に与えるエンベロープ信号を発
生するエンベロープ発生部31、右チャンネル楽音発生
部32及びこの右チャンネル楽音発生部32に与えるエ
ンベロープ信号を発生するエンベロープ発生部33、並
びに上記左チャンネル楽音発生部30及び右チャンネル
楽音発生部32が読み出す波形データを記憶した波形メ
モリ40により構成されている。
【0035】上記波形メモリ40は記憶手段に対応する
ものであり、例えばROMで構成されている。この波形
メモリ40には、例えば図3に示すような形式で波形デ
ータが格納されている。即ち、低音域、中音域及び高音
域といった各音域毎に、強打成分用の波形データが共通
波形データとして1チャンネル分だけ記憶されており、
中打成分用及び弱打成分用の各波形データが固有波形デ
ータとして左右の2チャンネル分記憶されている。な
お、図3では、1つの音色に対応する波形データのみし
か示されていないが、波形メモリ40には、上記形式の
波形データが各音色に対応して複数格納されている。
【0036】この波形メモリ40に記憶される高音域用
の波形データは、例えば、次のようにして作成される。
即ち、放音された楽音を電気信号に変換し、これをパル
スコード変調(PCM)する。そして、パルスコード変
調された波形データを、ハイパスフィルタを通すことに
より所定周波数以上の複数の倍音(例えば、13倍音以
上)を含んだ楽音波形を抽出して高音域用の原波形デー
タとする。次いで、この原波形データをそのまま強打成
分用の波形データとし、原波形データをローパスフィル
タを通すことにより、倍音数を所定数以内に制限したも
のを中打成分用の波形データとし、倍音数を更に制限し
たものを弱打成分用の波形データとする。中打成分用及
び弱打成分用の波形データは、左右両チャンネル分を作
成する。
【0037】同様に、中音域用の波形データは、例え
ば、次のようにして作成される。即ち、放音された楽音
を電気信号に変換し、これをパルスコード変調(PC
M)する。そして、パルスコード変調された波形データ
を、バンドパスフィルタを通すことにより所定周波数範
囲の複数の倍音(例えば6〜12倍音)を含んだ楽音波
形を抽出して中音域用の原波形データとする。次いで、
この原波形データをそのまま強打成分用の波形データと
し、原波形データをローパスフィルタを通すことによ
り、倍音数を所定以内に制限したものを中打成分用の波
形データとし、倍音数を更に制限したものを弱打成分用
の波形データとする。中打成分用及び弱打成分用の波形
データは、左右両チャンネル分を作成する。
【0038】同様に、低音域用の波形データは、例え
ば、次のようにして作成される。即ち、放音された楽音
を電気信号に変換し、これをパルスコード変調(PC
M)する。そして、パルスコード変調された波形データ
を、ローパスフィルタを通すことにより、所定周波数以
下の複数の倍音(例えば基音〜5倍音)を含んだ楽音波
形を抽出し、低音域用の波形データとする。次いで、こ
の原波形データをそのまま強打成分用の波形データと
し、原波形データをローパスフィルタを通すことによ
り、倍音数を所定以内に制限したものを中打成分用の波
形データとし、倍音数を更に制限したものを弱打成分用
の波形データとする。中打成分用及び弱打成分用の波形
データは、左右両チャンネル分を作成する。
【0039】上記左チャンネル楽音発生部30は、更に
詳細には、弱打成分楽音信号生成部50、中打成分楽音
信号生成部51、強打成分楽音信号生成部52及び加算
器53から構成されている。これら弱打成分楽音信号生
成部50、中打成分楽音信号生成部51及び強打成分楽
音信号生成部52には、エンベロープ発生部31からエ
ンベロープ信号が各別に供給される。このエンベロープ
発生部31で発生するエンベロープ信号は、CPU10
から送られてくる音色データに含まれるエンベロープデ
ータに基づいて作成される。このエンベロープ信号によ
り、弱打成分楽音信号生成部50、中打成分楽音信号生
成部51及び強打成分楽音信号生成部52で読み出した
波形データの振幅を調整する。これにより、弱打成分楽
音信号(第2の楽音信号に対応する。)、中打成分楽音
信号(第2の楽音信号に対応する。)及び強打成分楽音
信号(第1の楽音信号に対応する。)の混合比が調整さ
れる。
【0040】弱打成分楽音信号生成部50は1つのオシ
レータを構成し、CPU10から音色データが送られて
くることにより発音が指示されると、波形メモリ40の
左チャンネル用の弱打成分波形データを読み出し、これ
にエンベロープ発生部31から送られくるエンベロープ
信号を乗算して弱打成分楽音信号として加算器53に送
る。この際、発音指示が低音域に属するキーに係るもの
であれば、波形メモリ40中の左チャンネル用且つ低音
域用として記憶されている弱打成分波形データが読み出
され、中音域に属するキーに係るものであれば、波形メ
モリ40の左チャンネル用且つ中音域用として記憶され
ている弱打成分波形データが読み出され、高音域に属す
るキーに係るものであれば、波形メモリ40の左チャン
ネル用且つ高音域用として記憶されている弱打成分波形
データが読み出される。なお、発音指示がどの音域に属
するキーに係るものであるかは、音色データに含まれる
波形アドレスによって判断される。以下も同じである。
【0041】中打成分楽音信号生成部51は1つのオシ
レータを構成し、CPU10から音色データが送られて
くることにより発音が指示されると、波形メモリ40の
左チャンネル用の中打成分波形データを読み出し、これ
にエンベロープ発生部31から送られくるエンベロープ
信号を乗算して中打成分楽音信号として加算器53に送
る。この際、発音指示が低音域に属するキーに係るもの
であれば、波形メモリ40中の左チャンネル用且つ低音
域用として記憶されている中打成分波形データが読み出
され、中音域に属するキーに係るものであれば、波形メ
モリ40の左チャンネル用且つ中音域用として記憶され
ている中打成分波形データが読み出され、高音域に属す
るキーに係るものであれば、波形メモリ40の左チャン
ネル用且つ高音域用として記憶されている中打成分波形
データが読み出される。
【0042】強打成分楽音信号生成部52は1つのオシ
レータを構成し、CPU10から音色データが送られて
くることにより発音が指示されると、波形メモリ40の
左チャンネル用の強打成分の波形データを読み出し、こ
れにエンベロープ発生部31から送られくるエンベロー
プ信号を乗算して強打成分楽音信号として加算器53に
送る。この際、発音指示が低音域に属するキーに係るも
のであれば、波形メモリ40中の低音域用として記憶さ
れている強打成分の波形データが読み出され、中音域に
属するキーに係るものであれば、波形メモリ40の中音
域用として記憶されている強打成分の波形データが読み
出され、高音域に属するキーに係るものであれば、波形
メモリ40の高音域用として記憶されている強打成分の
波形データが読み出される。この場合、強打成分の波形
データは左右両チャンネルとは無関係である。
【0043】加算器53は、上記弱打成分楽音信号生成
部50、中打成分楽音信号生成部51及び強打成分楽音
信号生成部52から送られてくる弱打成分楽音信号、中
打成分楽音信号及び強打成分楽音信号を加算することに
より混合するものである。この加算器53で加算された
信号が、左チャンネル用のデジタル楽音信号としてD/
A変換器18に送られる。
【0044】上記右チャンネル楽音発生部32は、更に
詳細には、弱打成分楽音信号生成部60、中打成分楽音
信号生成部61、強打成分楽音信号生成部62及び加算
器63から構成されている。これら弱打成分楽音信号生
成部60、中打成分楽音信号生成部61及び強打成分楽
音信号生成部62には、エンベロープ発生部33からエ
ンベロープ信号が各別に供給される。このエンベロープ
発生部33で発生するエンベロープ信号は、CPU10
から送られてくる音色データに含まれるエンベロープデ
ータに基づいて作成される。このエンベロープ信号によ
り、弱打成分楽音信号生成部60、中打成分楽音信号生
成部61及び強打成分楽音信号生成部62で読み出した
波形データの振幅を調整する。これにより、弱打成分楽
音信号(第2の楽音信号に対応する。)、中打成分楽音
信号(第2の楽音信号に対応する。)及び強打成分楽音
信号(第1の楽音信号に対応する。)の混合比が調整さ
れる。
【0045】この右チャンネル楽音発生部32を構成す
る弱打成分楽音信号生成部60、中打成分楽音信号生成
部61、強打成分楽音信号生成部62及び加算器63
は、上記左チャンネル楽音発生部30の弱打成分楽音信
号生成部50、中打成分楽音信号生成部51、強打成分
楽音信号生成部52及び加算器53の構成と同じであ
り、右チャンネル用の波形データを波形メモリ40から
読み出して動作することを除けば、これらの動作も同じ
であるので説明は省略する。この右チャンネル楽音発生
部32の加算器63が出力する信号は、右チャンネル用
のデジタル楽音信号としてD/A変換器18に送られ
る。
【0046】D/A変換器18は、トーンジェネレータ
17が出力する左チャンネル用のデジタル楽音信号及び
右チャンネル用の楽音信号をアナログ楽音信号に変換す
るものである。このD/A変換器18の出力は、サウン
ドシステム19に供給される。
【0047】サウンドシステム19は、増幅器及びスピ
ーカ又はヘッドホン等で構成されるものである。サウン
ドシステム19は、入力されたアナログ楽音信号を所定
の増幅率で増幅してスピーカ又はヘッドホンに送出し、
スピーカ又はヘッドホンで電気信号としてのアナログ楽
音信号を音響信号に変換して出力する周知のものであ
る。
【0048】なお、図1では、弱打成分楽音信号生成部
50、中打成分楽音信号生成部51、強打成分楽音信号
生成部52、弱打成分楽音信号生成部60、中打成分楽
音信号生成部61及び強打成分楽音信号生成部62は、
それぞれ1個しか示されていないが、本実施例では30
個のオシレータを有するものとしているので、それぞれ
5個で構成されている。
【0049】次に、上記構成において、当該電子楽器の
動作につき説明する。図4は、本電子楽器の動作を示す
フローチャートであり、CPU10の処理により実現さ
れるものである。このフローチャートは、電源の投入に
より起動される。即ち、電源が投入されると、先ず、初
期化処理が行われる(ステップS10)。
【0050】この初期化処理では、CPU10の内部状
態が初期状態に設定されると共に、RAM12に定義さ
れているレジスタ、カウンタ或いはフラグ等が初期状態
に設定される。また、この初期化処理では、トーンジェ
ネレータ17に所定のデータが送られることにより、電
源投入時に不要な音が発生されるのを防止する処理が行
われる。
【0051】この初期化処理が終了すると、パネルイベ
ントの有無が調べられる(ステップS11)。このパネ
ルイベントの有無を判断する処理では、先ず、パネルス
キャン回路14で操作パネル13をスキャンすることに
より、各スイッチの設定状態を示すパネルデータを各ス
イッチに対応したビット列として取り込む。次いで、前
回読み込んだパネルデータ(既にRAM12に記憶され
ている)と、今回読み込んだパネルデータとを比較し、
相違するビットが存在するか否かを調べる。そして、相
違するビットが存在する場合に、パネルイベントがあっ
た旨を認識し、変化のあったスイッチに対応するビット
をオンにセットしたイベントマップを作成する。パネル
イベントの有無は、このイベントマップを参照すること
により判断される。
【0052】上記ステップS11でパネルイベントがあ
ったことが判断されると、パネルイベント処理が行われ
る(ステップS12)。このパネルイベント処理では、
操作パネル13の変化のあったスイッチに対する処理、
例えば音色選択スイッチに対応する音色変更処理、リズ
ム選択スイッチに対応するリズム変更処理、音量コント
ロールスイッチに対応する音量変更処理、或いは音響効
果スイッチに対応する所定の音楽的な効果を付与する処
理等が行われる。なお、各スイッチに対応する処理の内
容は、本発明とは直接関係しないので説明は省略する。
【0053】一方、ステップS11でパネルイベントが
なかったことが判断されると、ステップS12の処理は
スキップされる。次いで、キーイベントがあったかどう
かが調べられる(ステップS13)。このキーイベント
の有無は、タッチ検出回路16が出力するイベント信号
に含まれるイベントの有無を示す信号を調べることによ
り判断される。
【0054】ここでキーイベントがなかったことが判断
されると、ステップS11に戻り、上述したと同様の処
理が繰り返される。この繰り返し実行の過程において、
ステップS13でキーイベントがあったことが判断され
ると、次いで、そのイベントはキーオンイベントである
かどうかが調べられる(ステップS14)。これは、タ
ッチ検出回路16が出力するイベント信号に含まれるイ
ベントの種類を示す信号を調べることにより行われる。
この際、キーイベントがあったキーのノートナンバ及び
タッチデータも取り込まれ、RAM12の所定領域に格
納される。
【0055】そして、キーオンイベントであることが判
断されると、アサイメント処理が行われる(ステップS
15)。このアサイメント処理は、割当手段としてのC
PU10により実現される処理である。即ち、CPU1
0は、タッチ検出回路16からノートナンバが送られて
きてRAM12に格納されるとオシレータに発音を割り
当てる。
【0056】即ち、ノートナンバで指定される音域とは
無関係に、強打成分用として左右両チャンネルで共用さ
れる1個のオシレータ、中打成分用として左右両チャン
ネル分の2個のオシレータ、弱打成分用として左右両チ
ャンネル分の2個のオシレータ、即ち合計5個のオシレ
ータが発音に割り当てられる。このオシレータに発音を
割り当てる処理は、周知の種々のアサイナを用いて行う
ことができる。割り当てられたオシレータのオシレータ
番号はRAMの所定領域に格納され、発音処理時に参照
される。
【0057】次いで、発音処理が行われる(ステップS
16)。これは、上記アサイメント処理で発音が割り当
てられたオシレータ(RAM12の所定領域にそのオシ
レータ番号が記憶されている。)に音色データを転送
し、そのオシレータを起動してデジタル楽音信号を生成
せしめる処理である。
【0058】即ち、上記アサイメント処理で、割り当て
られた5個のオシレータに所定の音色データが転送され
る。この際、各音色データに含まれるエンベロープデー
タは、タッチデータを反映したものが使用される。これ
により、強打成分楽音信号が、アサイメント処理で割り
当てられたオシレータの強打成分楽音信号発生部52又
は62の何れか一方で生成され、D/A変換器18でア
ナログ信号に変換されてサウンドシステム19に送ら
れ、このサウンドシステム19の左右両スピーカから放
音される。
【0059】また、左チャンネル用の中打成分楽音信号
が、アサイメント処理で割り当てられたオシレータの中
打成分楽音信号生成部51で、左チャンネル用の弱打成
分楽音信号がアサイメント処理で割り当てられたオシレ
ータの弱打成分楽音信号生成部50で、それぞれ生成さ
れ、D/A変換器18でアナログ信号に変換されてサウ
ンドシステム19に送られ、このサウンドシステム19
の左スピーカから放音される。
【0060】同様に、右チャンネル用の中打成分楽音信
号がアサイメント処理で割り当てられたオシレータの中
打成分楽音信号生成部61で、右チャンネル用の弱打成
分楽音信号がアサイメント処理で割り当てられたオシレ
ータの弱打成分楽音信号生成部60で、それぞれ生成さ
れ、D/A変換器18でアナログ信号に変換されてサウ
ンドシステム19に送られ、このサウンドシステム19
の右スピーカから放音される。
【0061】以上の発音処理が終了すると、ステップS
11に戻り、上述したと同様の処理が繰り返される。一
方、上記ステップS14でキーオンイベントでないこと
が判断されると、キーオフイベントである旨が認識さ
れ、消音処理が行われる(ステップS17)。この消音
処理は、発音中の楽音にリリースのエンベロープを付加
することにより、発音を停止させる処理である。この消
音処理は、本発明と直接は関係しないので、詳細につい
ては省略する。その後、ステップS11に戻り、上述し
たと同様の処理が繰り返される。
【0062】このように、上記ステップS11〜S17
の繰り返し実行の過程で、パネル操作又はキーボード操
作に基づくイベントが発生すると、そのイベントに対応
する処理を行うことにより電子楽器の各種機能が実現さ
れている。
【0063】以上説明したように、この実施例によれ
ば、波形メモリ40には、強打成分の楽音を発生するた
めに各チャンネルで共通に使用される共通波形データを
記憶しておくと共に、中打成分及び弱打成分の楽音を発
生するために各チャンネルで固有に使用される固有波形
データを各チャンネルに対応して記憶しておく。そし
て、キーボード15によって発音が指示された場合は、
強打成分用として共通波形データを読み出して強打成分
楽音信号を生成し、中打成分及び弱打成分用として固有
波形データを読み出して中打成分楽音信号及び弱打成分
楽音信号を生成し、これらを混合して各チャンネルに対
応する楽音信号を生成するようにしている。
【0064】従って、波形メモリ40には、中打成分及
び弱打成分の波形データは2チャンネル分用意しておく
必要があるが、強打成分の波形データは、左右両チャン
ネルで共通に使用するための1種類を用意しておけば良
い。従って、予め波形メモリ40に用意すべき波形デー
タの量を減らすことができ、波形データの作成時間を節
約できると共に波形データを記憶する波形メモリ40の
容量を小さくすることができる。このことは、同一記憶
容量であれば、従来の技術の欄で説明した音域の分割数
「N」や打鍵強度の分割数「M」等を増やすことができ
ることを意味し、木目細かな音色の制御を行うことが可
能となる。
【0065】また、上記実施例においては、キーボード
15によって発音が指示された場合は、強打成分用に第
1のオシレータを割り当て、中打成分及び弱打成分用に
第2のオシレータに発音を割り当てる。ここで、第1の
オシレータ及び第2のオシレータは、予め当該楽音信号
生成装置に備えられた複数のオシレータ中の任意のオシ
レータであり、例えば周知のアサイナにより所定のアル
ゴリズムに従って発音が割り当てられる。
【0066】そして、第1のオシレータは波形メモリ4
0から共通波形データを読み出し、左右両チャンネルに
共通に用いられる強打成分楽音信号を生成する。また、
第2のオシレータは波形メモリ40から固有波形データ
を読み出し、左又は右チャンネルに固有の中打成分楽音
信号又は弱打成分楽音信号を生成する。そして、強打成
分楽音信号と左チャンネル用の中打成分楽音信号及び弱
打成分楽音信号とが混合されることにより左チャンネル
用の楽音信号が生成され、また、強打成分楽音信号と右
チャンネル用の中打成分楽音信号及び弱打成分楽音信号
とが混合されることにより右チャンネル用の楽音信号が
生成される。
【0067】従って、本発明は、波形メモリ40に予め
用意すべき波形データの量を減らすことができるという
利点に加え、強打成分の楽音の発音のために1個のオシ
レータが割り当てられ、このオシレータで生成された楽
音信号が左右両チャンネル用の強打成分楽音信号として
用いられるので、ステレオの広がり感に寄与しない無駄
なオシレータを発音に割り当てるのを抑止することがで
き、ポリフォニック数を増加させることができる。
【0068】ここで、音域の分割数「N=3」、打鍵強
度の分割数「M=3」、このトーンジェネレータ17の
オシレータ数を「P=30」として、本実施例の楽音信
号生成装置と従来のそれとを、上掲した(1)、(2)
式にあてはめて比較してみる。 <従来の楽音信号生成装置> 波形データの数 =3×3×2=18[波形データ] ポリフォニック数=30/(3×2)=5[音] <本実施例の楽音信号生成装置> 波形データの数 =2×3×2+1×3×1=15
[波形データ] ポリフォニック数(最大)=30/(1+2×2)=
6[音] 即ち、波形データの数は、従来の楽音信号生成装置では
18波形データであるが本実施例では15波形データで
あり、3波形データ数分だけ減らすことができる。ま
た、ポリフォニック数は、従来は5音であるが本実施例
では6音であり、1音分だけ増やすことができる。
【0069】なお、上記実施例では、キーボード15
を、図2に示すように、音名A0〜B2の範囲を低音
域、音名C3〜B5の範囲を中音域、音名C6〜C8の
範囲を高音域と定義し、各音域毎に波形データを用意し
て発音を行う構成としたが、各音域の境界は上記に限定
されるものではない。必要に応じて任意の位置を各音域
の境界とすることができる。また、音域の分割数も低音
域、中音域及び高音域の3つに限定されず任意の数、例
えば2音域、4音域或いはそれ以上に分割することがで
きる。音域の分割数を増加し、各音域毎に最適な波形デ
ータを用意すれば木目細かな音色の制御が可能になると
いう利点がある。
【0070】また、上記実施例では、各音域毎に強打成
分、中打成分及び弱打成分という3種の打鍵強度成分の
波形データを備える構成としたが、これに限定されるも
のではない。2種類の打鍵強度成分又は4種類以上の打
鍵強度成分を備える構成でも、特定の打鍵強度成分の波
形データを左右両チャンネルで共有することにより、上
記実施例と同様の作用・効果を奏するものである。
【0071】また、上記実施例では、楽音信号をステレ
オ(2チャンネル)で発音する場合について説明した
が、3チャンネル以上で楽音を発生する場合にも上記と
同様に適用できるものである。この場合は、チャンネル
数分の中打成分用の波形データと弱打成分用の波形デー
タ及び1つの強打成分用の波形データを波形メモリ40
に記憶しておけば良い。
【0072】また、上記実施例では、強打成分用の波形
データを各チャンネルで共用する構成としたが、必要に
応じて任意の打鍵強度成分の波形データを各チャンネル
で共用するように構成しても良い。
【0073】更に、上記実施例では、キーボード15か
ら送られてきたデータに基づいて楽音信号を生成する場
合について説明したが、外部から送られてきた発音を指
示するデータ、例えばMIDI機器から送られてくるM
IDIのノートオンメッセージ、或いはシーケンサから
送られてくるノートオンデータによって上記と同様の楽
音信号を生成するように構成することもできる。
【0074】更に、本発明の楽音信号生成装置は、以上
説明した構成の他に種々変形して構成できることは勿論
である。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
予め用意すべき波形データを少なくすることができると
共に、限られた数のオシレータを効率良く使用してポリ
フォニック数を多くすることのできる楽音信号生成装置
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の楽音信号生成装置が適用された電子楽
器の実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例におけるキーボード及びその音
域分割を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例の波形メモリの構成を示す図で
ある。
【図4】本発明の実施例の動作を示すフローチャートで
ある。
【図5】従来の楽音信号生成装置における波形メモリの
構成を示す図である。
【符号の説明】
10 CPU 11 ROM 12 RAM 13 操作パネル 14 パネルスキャン回路 15 キーボード 16 タッチ検出回路 17 トーンジェネレータ 18 D/A変換器 19 サウンドシステム 20 システムバス 30 左チャンネル楽音発生部 31 左チャンネル用のエンベロープ発生部 32 右チャンネル楽音発生部 33 右チャンネル用のエンベロープ発生部 40 波形メモリ 50、60 弱打成分楽音信号生成部 51、61 中打成分楽音信号生成部 52、62 強打成分楽音信号生成部 53、53 加算器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数チャンネル用の楽音信号を生成する
    楽音信号生成装置において、 特定の打鍵強度成分の楽音を発生するために各チャンネ
    ルで共通に使用される共通波形データと、前記特定の打
    鍵強度成分以外の打鍵強度成分の楽音を発生するために
    各チャンネルに対応して設けられた各チャンネルで固有
    に使用される固有波形データとを記憶した記憶手段と、 発音を指示する発音指示手段と、 該発音指示手段により発音が指示された場合に、前記記
    憶手段から共通波形データを読み出して特定の打鍵強度
    成分に対応した第1の楽音信号を生成し、前記記憶手段
    から固有波形データを読み出して特定の打鍵強度成分以
    外の打鍵強度成分に対応した第2の楽音信号を生成し、
    前記第1の楽音信号と第2の楽音信号とを混合すること
    により各チャンネルに対応した楽音信号を生成する楽音
    信号生成手段、 とを具備したことを特徴とする楽音信号生成装置。
  2. 【請求項2】 複数のオシレータを備え、複数チャンネ
    ル用の楽音信号を生成する楽音信号生成装置において、 特定の打鍵強度成分の楽音を発生するために各チャンネ
    ルで共通に使用される共通波形データと、前記特定の打
    鍵強度成分以外の打鍵強度成分の楽音を発生するために
    各チャンネルに対応して設けられた各チャンネルで固有
    に使用される固有波形データとを記憶した記憶手段と、 発音を指示する発音指示手段と、 該発音指示手段により発音が指示された場合に、前記特
    定の打鍵強度成分の楽音を発生するために第1のオシレ
    ータを割り当て、前記特定の打鍵強度成分以外の楽音を
    発生するために各チャンネル毎に第2のオシレータを割
    り当てる割当手段と、 該割当手段により発音が割り当てられた前記第1のオシ
    レータは、前記記憶手段から共通波形データを読み出し
    て特定の打鍵強度成分に対応した第1の楽音信号を生成
    し、前記第2の数のオシレータは、前記記憶手段から固
    有波形データを読み出して特定の打鍵強度成分以外の打
    鍵強度成分に対応する第2の楽音信号を各チャンネル毎
    に生成し、前記第1の楽音信号と第2の楽音信号とを混
    合することにより各チャンネルに対応した楽音信号を生
    成する楽音信号生成手段、 とを具備したことを特徴とする楽音信号生成装置。
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