JPH07295548A - 鍵盤楽器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外観を変えることなく、鍵盤高さを容易に調
整することができる鍵盤楽器を提供することである。 【構成】 鍵盤３と、この鍵盤３を載置する棚板４と、
この棚板４の両側端部を支持する一対の側板６とを備
え、棚板４は、側板６に上下方向にスライド自在に取り
付けられ、スライドした棚板４を側板６に固定する固定
部材１４、１５をさらに備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子ピアノなどの鍵盤
楽器に関し、特に鍵盤全体の高さを調整できるようにし
た鍵盤楽器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４〜図６は、従来の電子ピアノの概略
構成を示している。図４および図５に示すように、電子
ピアノは一般に、楽器本体５１と、楽器本体５１を支持
するスタンド５２とで構成されている。楽器本体５１
は、鍵盤５３、鍵盤５３を載置する棚板５４、および棚
板５４の両側端部から立設する左右一対の腕木５５など
を備え、スタンド５２は、左右一対の側板５６、および
各側板５６の下端に取り付けられた妻土台５７などを備
えている。図６に示すように、従来の電子ピアノでは、
棚板５４が、その両側端部を各側板５６上に載せた状態
で、図示しない固定金具によって側板５６に固定されて
おり、これにより、楽器本体５１がスタンド５２に支持
されるようになっている。また、腕木５５は、Ｌ金具５
８を用いて、棚板５４に固定されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来の電
子ピアノでは、楽器本体５１の棚板５４が、スタンド５
２の側板５６上に載った状態で、側板５６に固定されて
いるため、棚板５４に載置された鍵盤５３の高さを変え
ることは不可能である。このため、小さな子供などにと
っては、鍵盤５３の高さが高すぎるために、非常に演奏
しにくくなってしまう。この場合、演奏を行うために無
理な姿勢をとらなければならず、ピアノ演奏技術の上達
を図る上で好ましくない。また、この問題に対処するた
めに、高さ調整可能な椅子を用いたりしているが、着座
面の高さだけを単純に調整する椅子の場合には、着座面
を上げたときに今度は脚が床に届かなくなって、踏ん張
りがきかなくなるため、演奏のしにくさは解消されな
い。

【０００４】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、外観を変えることなく、鍵盤高
さを容易に調整することができる鍵盤楽器を提供するこ
とを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の鍵盤楽器は、鍵盤と、この鍵盤を載置する
棚板と、この棚板の両側端部を支持する一対の側板とを
備え、棚板は、側板に上下方向にスライド自在に取り付
けられ、スライドした棚板を側板に固定する固定部材を
さらに備えていることを特徴としている。

【０００６】この場合、棚板の両側端部から立設する一
対の腕木をさらに備え、腕木の各々は、側板の上端部を
収容する凹部を有していることが好ましい。

【０００７】

【作用】上述した鍵盤楽器によれば、棚板を側板に対し
て上下方向にスライドさせることによって、棚板に載置
された鍵盤の高さが変化し、スライドした棚板を側板に
固定部材で固定することによって、鍵盤高さが固定され
る。したがって、子供の体の大きさなどに合わせて、鍵
盤高さを容易に調整することができる。

【０００８】また、請求項２に記載の鍵盤楽器では、側
板の上端部が、腕木の凹部に収容され、これに隠される
ので、棚板を側板に対してスライドさせても、側板と腕
木の上下間に隙間が生じることはなく、鍵盤楽器の外観
はほとんど変わらない。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を、図面を参
照しながら、詳細に説明する。図１〜図３は、本発明を
適用した電子ピアノの構成を示している。この電子ピア
ノは、従来のものと同様に、楽器本体１と、楽器本体１
を支持するスタンド２とで構成されている。

【００１０】楽器本体１は下部に棚板４を有し、この棚
板４上に鍵盤３が載置されている。棚板４の両側端部に
は、これを挟み付けるようにして、左右一対の腕木５が
立設されており、腕木５は、断面Ｌ形の組立金具１１に
よって、棚板４に固定されている。各腕木５の下端部の
内側面側には、スタンド２の上端部を収容するための凹
部１２が形成されている。

【００１１】スタンド２は、左右一対の側板６、および
各側板６の下端に取り付けられた妻土台（図示せず）な
どによって構成されており、側板６の上端部が腕木５の
凹部１２に収容されるようになっている。側板６は、棚
板４に固定された、ねじ挿通孔１３を有する断面Ｌ形の
固定金具（固定部材）１４およびねじ（固定部材）１５
によって、棚板４に取り付けられる。また、側板６の上
端部には、取付け用の複数のねじ穴１６が上下方向に並
んで形成されている。

【００１２】したがって、ねじ１５を緩めて外すことに
より、棚板４すなわち楽器本体１を、側板６すなわちス
タンド２に対してスライドさせることが可能であるとと
もに、固定金具１４のねじ挿通孔１３が複数のねじ穴１
６の１つに合致する位置で、ねじ１５を締め付けること
により、スライドさせた棚板４を側板６に固定すること
が可能である。

【００１３】次に、上記構成の電子ピアノの鍵盤高さの
調整動作を、特に図２および図３を参照しながら、詳細
に説明する。図２は、鍵盤３を最も高い位置に調整した
状態を示している。すなわち、図２の状態では、側板６
の最上位のねじ穴１６にねじ１５を通して締め付けるこ
とにより、棚板４が側板６に固定されており、楽器本体
１は、不動のスタンド２に対して相対的に最も高い位置
にあり、したがって鍵盤３も最も高い位置に位置してい
る。この状態では、側板６の上端は、腕木５の下端とほ
ぼ面一になっていて、その凹部１２に臨んでいる。

【００１４】この状態から、子供などが演奏するため
に、鍵盤３全体を低くしたい場合には、まず両側板６の
ねじ１５を緩めて外した後、棚板４を側板６に沿って下
方にスライドさせ、固定金具１４のねじ挿通孔１３がね
じ穴１６の１つに合致した時点で、ねじ１５を通して締
め付けることにより、棚板４を側板６に固定する。これ
により、楽器本体１が下降し、鍵盤３の高さも低くな
る。また、この楽器本体１の下降に伴い、側板６の上端
部は、腕木５の凹部１２内に収容される。図３は、この
ようにして、鍵盤３を最も低い位置に調整した状態を示
している。

【００１５】以上のように、本実施例の電子ピアノによ
れば、棚板４を側板６に対して上下方向にスライド自在
に構成するとともに、スライドした棚板４を固定金具１
４およびねじ１５で側板６に固定するので、楽器本体１
をスタンド２に対して上下させることができ、したがっ
て、鍵盤３の高さを容易に調整することができる。

【００１６】また、側板６の上端部が腕木５の凹部１２
内に収容されているので、これらが棚板４のスライドを
円滑に案内する役割を果たすとともに、側板６の上端部
が、腕木５の凹部１２の前壁および側壁で隠されること
から、棚板４をスライドさせても、側板６と腕木５の上
下間に隙間が生じることはなく、電子ピアノの外観には
ほとんど影響を与えない。

【００１７】なお、上述した実施例では、スライドした
棚板を側板に固定するための固定部材を、固定金具とね
じで構成しているが、これを他の適当な固定手段とする
ことが可能である。例えば、棚板および側板の一方に、
他方に向かってばね付勢された突出部材を設けるととも
に、他方にこの突出部材が係合する複数の係合凹部を形
成し、両者の係合によって、棚板の位置決めと固定を行
ってもよい。

【００１８】また、実施例は本発明を電子ピアノに適用
した例であるが、本発明は、楽器本体とスタンドが別体
に構成された他のタイプの鍵盤楽器にも、広く適用する
ことができる。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲
で、細部の構成を任意に変更することが可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上のように、本発明の鍵盤楽器は、外
観を変えることなく、鍵盤高さを容易に調整することが
できるなどの効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した電子ピアノの側断面図であ
る。

【図２】図１の線II−IIに沿う断面図である。

【図３】鍵盤高さが図２と異なる状態を示す、図２と同
様の断面図である。

【図４】従来の電子ピアノの外観を示す側面図である。

【図５】図４の電子ピアノの側断面図である。

【図６】図４の線VI−VIに沿う断面図である。

【符号の説明】

３ 鍵盤 ４ 棚板 ５ 腕木 ６ 側板 １２ 凹部 １４ 固定金具 １５ ねじ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鍵盤と、 この鍵盤を載置する棚板と、 この棚板の両側端部を支持する一対の側板とを備え、 前記棚板は、前記側板に上下方向にスライド自在に取り
   付けられ、 スライドした前記棚板を前記側板に固定する固定部材を
   さらに備えていることを特徴とする鍵盤楽器。
2. 【請求項２】前記棚板の両側端部から立設する一対の腕
   木をさらに備え、当該腕木の各々は、前記側板の上端部
   を収容する凹部を有していることを特徴とする、請求項
   １に記載の鍵盤楽器。