JPH07294969A - 光集積素子 - Google Patents

光集積素子

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JPH07294969A
JPH07294969A JP6086986A JP8698694A JPH07294969A JP H07294969 A JPH07294969 A JP H07294969A JP 6086986 A JP6086986 A JP 6086986A JP 8698694 A JP8698694 A JP 8698694A JP H07294969 A JPH07294969 A JP H07294969A
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JP
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optical
waveguide
active layer
section
layer
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JP6086986A
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English (en)
Inventor
Toshio Ito
敏夫 伊藤
Katsuaki Kiyoku
克明 曲
Masaki Kamitoku
正樹 神徳
Kenji Kono
健治 河野
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光集積素子における光機能素子の良好な特性
を維持した上で、キャリア寿命に律速されない高速な損
失変動の抑制を可能にし、さらに戻り光の抑制が容易な
光集積素子を提供する。 【構成】 少なくとも光信号が伝搬する第1の導波層1
04を有する光機能素子部150と、少なくとも光信号
を増幅するための活性層105と該活性層に電流を注入
するための電極108とを有する光増幅器部160と、
少なくとも光信号を減衰する第2の導波層124を有す
る光減衰器部170とを具備し、これら光機能素子部1
50と光増幅部160と光減衰器部170とが同一半導
体基板102上に形成され、前記第1の導波路104、
前記活性層105および第2の導波路124が光学的に
接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光集積素子に関する。よ
り詳細には光スイッチや光変調器などのパッシブ光導波
路から構成される光機能素子部分を伝搬する際に減衰す
る光信号を、光増幅器部分で補償すると共に、出力光の
パワー変動を光減衰器で抑制し、かつ光増幅部分光の反
射を抑制する機能に優れた光集積素子に関する。
【0002】
【従来の技術】21世紀の高度な情報通信サービスに向
けた高速・広帯域通信網の実現のため、光通信技術が不
可欠になっている。このため、量子井戸構造を持つ光導
波路を伝搬する光信号に対して、電圧や電流を加えるこ
とで導波路の屈折率等を変化させ、これを利用して光変
調や光スイッチングを行う光機能素子が研究されてい
る。ここで問題となるのは、光機能素子の導波路で減衰
する光信号をいかに補償するかであり、通常は光増幅器
を用いて光信号を増幅する。このため、光機能素子と光
増幅器との集積化が試みられている。
【0003】図18(A)および(B)は従来の光集積
素子の一例を示したものである。この例は光機能素子部
1050の導波路に突き合せ結合する形で光増幅器部1
060の活性層を設けたもので、光機能素子部1050
としてベネス形の4×4スイッチを例に取ったものであ
る。すなわち、図18(B)に示すように、方向性結合
型またはマッハツェンダ型のスイッチからなる2×2ス
イッチ1051が2列ずつ3段に配置され、各列の外側
の入出力端は直線状に接続され、また内側の入出力端は
交差するように接続されて4×4スイッチが構成され、
各スイッチ1051への電圧印加によって光信号のバス
を切り替えることができる。また、4つの出力端には光
増幅器1061が接続されている。
【0004】かかる光集積素子は、図18(A)に示す
ように、n−InP基板1002上に、はn−InP層
1003、多重量子井戸構造を取る(例えばInGaA
s/InAlAs,InGaAlAs/InAlAsや
InGaAsP/InGaAsP等)光機能素子部の導
波路1004、導波路1004を伝搬する際の光信号損
失を補償するための光増幅器部の活性層1005(例え
ば厚さ8nmのIn0.533 Ga0.467 Asウェル、厚さ
10nmのIn0.719 Ga0.28As0.6100.390 バリ
アの歪多重量子井戸構造)、およびp−InP層100
6が順次積層され、n−InP基板1002の下側には
n側電極1001、p−InP層1006上には、導波
路1004に電圧または電流を加えるための光機能素子
部1050のp型電極1007および活性層1005に
電流を注入するための光増幅器部1060のp側電極1
008が形成されて構成されている。また、このような
光集積素子への入力信号光1009は例えば10Gbi
t/secを越えるような高速光信号であり、また通
常、出力信号光1010は光ファイバあるいは空間を伝
搬した後に受光器1011を通して電気信号1012に
変換される。なお、光集積素子の入出力端には無反射コ
ーティング1014および1015が設けられている。
【0005】動作波長を1550nmとした場合、導波
炉1004の多重量子井戸構造を例えば厚さ9nmのI
nGaAsウェル、厚さ5nmのInAlAsバリアと
すれば、バンドギャップ波長を1440nmに設定で
き、導波路1004を伝搬する光信号に対して、電極1
007から電圧を印加することで多重量子井戸の屈折率
を変える量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)を利
用した高速かつ低電圧駆動の光スイッチング動作や光変
調動作が可能になる。この際の印加電圧は制御回路(C
PU)1013からの制御に従う。さらに、導波路10
04で減衰する光信号を光増幅器1061の活性層10
05によって誘導放出を利用した増幅をすることで、光
信号の損失を補償することができる。
【0006】ところで、入力信号光1009のパワーは
大きく変動する場合がある。入力信号光1009のパワ
ーが変動した場合の信号の変動状態を図19に示す。
【0007】図19に示すように、例えば、CCITT
国際標準における局間インターフェースでは光信号の送
信電力に6dBの幅を許している。また、光機能素子1
050が例えば4×4とか8×8とかの光スイッチであ
る場合、光スイッチ内の通過パスによって、入力信号光
1009が導波路1004から受ける損失が、例えば、
3〜5dB変動する。これは導波路の損失のバラつき
や、QCSE効果による損失の増大のためである。この
結果、出力信号光強度は、例えば10dBを越えるよう
な大きな幅で変動することになる。一方、10Gbit
/secを越えるような高速光信号に対して受光器10
11のダイナミックレンジはせいぜい10dBあまりで
あり、このままでは10dBを越えるような大きな幅で
変動する出力信号光1010を受光することができな
い。また、光集積素子を多段に接続した場合などには、
1段目で10dBのパワー変動があると、2段目の光ス
イッチのクロストークが10dB劣化する(光信号の強
いパスから弱いパスへのクロストークが劣化する)。か
かる2つの理由によって、光信号が光スイッチを通るパ
スによってCPU1013が電極1008に注入する電
流を調整し、誘導放出を利用した光増幅器1060のゲ
インを3〜5dB調整することで光信号のパスによる損
失の変動を抑制することが必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが光増幅器のゲ
インの調整はキャリアの変動を伴うため、キャリアの寿
命に律速され、数GHzを越える速さでの損失変動を抑
制できないという欠点があった。
【0009】また一方、光増幅器1060において大き
なゲイン(例えば20dB以上)、広帯域(例えば50
nm以上)、高飽和出力(例えば+10dBm以上)を
得るためには端面における光の反射を抑え、光増幅器1
060への前後からの戻り光を、例えば0.1%以下に
減らす必要がある。戻り光を十分に減衰できないと、光
増幅器1060のリップルが増えて素子の特性が不安定
になるとともに、帯域が狭くなり(例えば0.1n
m)、飽和出力も、例えば−10dBm低下する。とこ
ろが、実際には無反射コーティング装置の限界から、光
増幅器1060への戻り光を安定して歩留まりよく、十
分に減らすことができないという問題があった。
【0010】以上説明したように、従来の光集積素子で
は光増幅器によるゲイン調整はキャリアの変動を伴い、
ためにキャリアの寿命に律速され、数GHzを越える速
さでの超高速な損失変動を抑制できないという欠点があ
った。
【0011】また、従来の光集積素子では光増幅器の特
性向上に不可欠な戻り光の抑制を安定して歩留まりよく
できないという問題があった。
【0012】そこで本発明の目的は上述した事情に鑑
み、光集積素子における光機能素子の良好な特性を維持
した上で、キャリア寿命に律速されない高速な損失変動
の抑制を可能にし、さらに戻り光の抑制が容易な光集積
素子を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の第1の態様は、光機能素子と、光増幅器と、電界吸
収効果または量子閉じ込めシュタルク効果を動作原理と
する光減衰器部とを集積したことを特徴とする光集積素
子にある。
【0014】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記光増幅器を、前記光機能素子と前記光減衰器と
で挟んで集積したことを特徴とする光集積素子にある。
【0015】本発明の第1または2の態様において、信
号光のパスにより前記光減衰器部に印加するバイアスを
変化する機能を有する制御回路を有することを特徴とす
る光集積素子にある。
【0016】本発明の第4の態様は、少なくとも光信号
が伝搬する第1の導波層を有する光機能素子部と、少な
くとも光信号を増幅するための活性層と該活性層に電流
を注入するための電極とを有する光増幅器部と、少なく
とも光信号を減衰する第2の導波層を有する光減衰器部
とを具備し、これら光機能素子部と光増幅部と光減衰器
部とが同一半導体基板上に形成され、前記第1の導波
路、前記活性層および第2の導波路が光学的に接続され
ていることを特徴とする光集積素子にある。
【0017】本発明の第5の態様は、第4の態様におい
て、前記第1の導波層と前記第2の導波層とが同一の組
成からなることを特徴とする光集積素子にある。
【0018】本発明の第6の態様は、第4または5の態
様において、前記第1の導波層、前記第2の導波層、お
よび前記活性層のうち、少なくとも1つが多重量子井戸
構造をとることを特徴とする光集積素子にある。
【0019】本発明の第7の態様は、第4、5または6
の態様において、前記活性層が6ウェル以下の多重量子
井戸構造をとることを特徴とする光集積素子にある。
【0020】本発明の第8の態様は、第1〜7の何れか
の態様において、前記活性層が、前記第1導波層あるい
は前記第2の導波層の少なくとも一方と組成が同じであ
る第3の導波層の上に装荷されていることを特徴とする
光集積素子にある。
【0021】本発明の第9の態様は第4〜7の何れかの
態様において、前記活性層が、前記第1の導波層あるい
は前記第2の導波層の少なくとも一方と組成が同じであ
る第3の導波層の下に形成されていることを特徴とする
光集積素子にある。
【0022】本発明の第10の態様は、第4〜7の何れ
かの態様において、前記活性層が、前記第1の導波層あ
るいは前記第2の導波層の少なくとも一方と突き合わさ
れるバットジョイント構造をとることを特徴とする光集
積素子にある。
【0023】本発明の第11の態様は、第4〜7の何れ
かの態様において、前記活性層が、前記第1の導波層あ
るいは前記第2の導波層の少なくとも一方に乗り上げる
ように構成されていることを特徴とする光集積素子にあ
る。
【0024】本発明の第12の態様は、第4〜7の何れ
かの態様において、前記第1の導波層あるいは前記第2
の導波層の少なくとも一方が、前記活性層に乗り上げる
ように構成されていることを特徴とする光集積素子にあ
る。
【0025】本発明の第13の態様は、第1〜12の何
れかにおいて、前記光機能素子部が、光スイッチ、位相
変調器、強度変調器、カプラ、偏波スプリッタ、波長フ
ィルタ、または遅延回路であることを特徴とする光集積
素子にある。
【0026】
【作用】キャリア寿命に律速されることなく高速な損失
変動の抑制を行うため、本発明では、動作速度がキャリ
ア寿命に律速されない電界吸収効果あるいは量子閉じ込
めシュタルク効果を用いた光減衰器を集積する。また望
ましくは光増幅器への戻り光を抑制するため、光増幅器
の前後には光減衰器または光機能素子を配置する。
【0027】本発明によれば、光信号が強い場合に、電
界吸収効果あるいは量子閉じ込めシュタルク効果(QC
SE)を用いた光減衰器に電圧を印加することで光透過
・吸収特性の吸収端を動かし、入力信号光に対する損失
を増やすことで損失変動の抑制を計る。吸収端の移動は
キャリアの寿命に律速されないため、超高速な損失変動
の抑制を行うことができる。
【0028】また、光増幅器部分を中央に配置し、それ
を光機能素子部分と光減衰器部分で挟むことによって両
端面付近での損失が増大するため無反射コーティングの
条件を大幅に緩和することができる。これによって光増
幅器部分の特性向上に不可欠な戻り光の抑制を安定して
行うことができ、素子を歩留まりよく作製することがで
きる。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0030】図1(A)は本発明の第1の実施例に係る
光集積素子の模式的な断面図、図1(B)はその平面図
であり、光機能素子としてベネス形の4×4スイッチを
例に取ったものである。
【0031】図に示す光機能素子部150の2×2スイ
ッチ151の各部分は方向性結合型またはマッハツェン
ダ型のスイッチであり、信号光に対して透明な導波路を
用い、電圧印加による屈折率変化をスイッチの動作原理
に用いている。すなわち、2×2スイッチ151が2列
ずつ3段に配置され、かつ各列の外側の入出力端は直線
状に接続され、また内側の入出力端は交差するように接
続されて4×4スイッチが構成され、各スイッチ151
への電圧印加によって光信号のバスを切り替えることが
できるようになっている。また、4つの出力端には、そ
れぞれ光増幅器部160光増幅器161および光減衰器
部170の光減衰器171が接続されている。
【0032】かかる光集積素子は、図1(A)に示すよ
うに、n−InP基板102上に、n−InP層10
3、光機能素子部150のIn0.638 Ga0.362 As
0.7810.219 からなる導波路104、導波路104を
伝搬する際の光信号損失を補償するための光増幅器部1
60のIn0.535 Ga0.465 As0.9950.005 からな
る活性層105、光減衰器171のIn0.606 Ga
0.394 As0.8470.153 からなる導波層124、およ
びp−InP層106が順次積層され、n−InP基板
102の下側にはn側電極101、p−InP層106
上には、導波路104に電圧または電流を加えるための
光機能素子部150のp型電極107、活性層105に
電流を注入するための光増幅器部160のp側電極10
8、および導波路124に電圧を印加するための光減衰
器部170のp側電極127が形成されて構成されてい
る。なお、2×2スイッチ151の導波部は、エッチン
グ等で形成された導波路104であり、かつ導波路10
6で覆われている。また、光減衰器171はQCSE効
果を用いたもので、印加電圧により減衰量を制御でき
る。このような光集積素子への入力信号光109は例え
ば10Gbit/secを越えるような高速光信号であ
り、また通常、出力信号光110は光ファイバあるいは
空間を伝搬した後に受光器111を通して電気信号11
2に変換される。なお、光集積素子の入出力端には無反
射コーティング114および115が設けられている。
【0033】光機能素子部150としては、例えば光ス
イッチ、位相変調器、強度変調器、カプラ、偏波スプリ
ッタ、波長フィルタ、遅延回路等を用いることができ
る。
【0034】かかる光集積素子に入力信号光が入射され
た場合の光信号の強度レベルの変化を図3に示す。光機
能素子部150を動作させる際の印加電圧または注入電
流は制御回路(CPU)113からの制御に従う。この
とき入力信号光に6dBあると、10dB程度までばら
つきが増大する。また、光機能素子部150の導波路1
04で減衰した光信号は光増幅器161の活性層105
によって増幅され、これによって光信号の損失を補償す
ることができる。 このときのパワーのばらつきは10
dB程度のままである。しかし、本実施例では、光信号
が光スイッチ151を通るパスによってCPU113が
電極127に印加する電圧を調整し、光減衰器171の
減衰量を3〜5dB調整することで、光信号のパスによ
る損失の変動を抑制することができ、出力信号光のばら
つきは6dB程度となる。この光減衰器171の減衰量
の調整はキャリアの変動を伴わないため、キャリアの寿
命に律速されず、数10GHzを越える超高速の損失変
動が可能になる。
【0035】また一方、導波路104および124は電
圧を印加することで光信号に対する損失を増やすことも
できる。これによって両端面からの戻り光を安定して歩
留まりよく、十分に減らすことができる。
【0036】図2(A)および(B)は、図1の光減衰
器部170と光増幅器部160の順序を入れ替えたもの
であり、同一作用を示す部分に同一符号を付して重複す
る説明は省略する。かかる光集積素子においても同様な
高速な損失変動の抑制を行うことができる。また、本実
施例では、信号光を光増幅部160側から入射している
が、このように信号光の入出力方向を入れ替えても高速
な損失変動の抑制を行うことができることはいうまでも
ない。
【0037】図4(A)および(B)は本発明の第2の
実施例に係る光集積素子の模式的な断面図および平面図
で、光機能素子としてベネス形の4×4スイッチを例に
取ったものである。
【0038】図に示す光機能素子部250の2×2スイ
ッチ251の各部分は方向性結合型またはマッハツェン
ダ型のスイッチであり、信号光に対して透明な導波路を
用い、電圧印加による屈折率変化をスイッチの動作原理
に用いている。すなわち、2×2スイッチ251が2列
ずつ3段に配置され、かつ各列の外側の入出力端は直線
状に接続され、また内側の入出力端は交差するように接
続されて4×4スイッチが構成され、各スイッチ251
への電圧印加によって光信号のバスを切り替えることが
できるようになっている。また、4つの出力端には、そ
れぞれ光増幅器部260光増幅器261および光減衰器
部270の光減衰器271が接続されている。
【0039】かかる光集積素子は、図4(A)に示すよ
うに、n−InP基板202上に、n−InP層20
3、光機能素子部250および光減衰器部270のIn
0.6380.362 As0.7810.219 からなる導波路20
4、導波路204を伝搬する際の光信号損失を補償する
ための光増幅器部260のIn0.535 Ga0.465 As
0.9950.005 からなる活性層205、およびp−In
P層206が順次積層され、n−InP基板202の下
側にはn側電極201、p−InP層206上には、導
波路204に電圧または電流を加えるための光機能素子
部250のp型電極207、活性層205に電流を注入
するための光増幅器部260のp側電極208、および
光減衰器部270の導波路204に電圧を印加するため
のp側電極227が形成されて構成されている。なお、
2×2スイッチ251の導波部は、エッチング等で形成
された導波路204であり、かつ導波路206で覆われ
ている。また、光減衰器271はQCSE効果を用いた
もので、印加電圧により減衰量を制御できる。このよう
な光集積素子への入力信号光209は例えば10Gbi
t/secを越えるような高速光信号であり、また通
常、出力信号光210は光ファイバあるいは空間を伝搬
した後に受光器211を通して電気信号212に変換さ
れる。なお、光集積素子の入出力端には無反射コーティ
ング214および215が設けられている。
【0040】光機能素子部250としては例えば光スイ
ッチ、位相変調器、強度変調器、カプラ、偏波スプリッ
タ、波長フィルタ、遅延回路等がある。
【0041】光機能素子部250を動作させる際の印加
電圧または注入電流は制御回路(CPU)213からの
制御に従う。さらに光機能素子部250の導波路204
で減衰する光信号を光増幅器の活性層205によって増
幅することで、光信号の損失を補償することができる。
さらに光信号が光スイッチ251を通るパスによってC
PU213が電極227に印加する電圧を調整し、光減
衰器270の減衰量を3〜5dB調整することで光信号
のパスによる損失の変動を抑制できる。この光減衰器の
減衰量の調整はキャリアの変動を伴わないため、キャリ
アの寿命に律速されず、数10GHzを越える超高速の
損失変動が可能になる(図3参照)。
【0042】また一方、導波路204は電圧を印加する
ことで光信号に対する損失を増やすこともできる。これ
によって両端面からの戻り光を安定して歩留まりよく、
十分に減らすことができる。
【0043】また、図5(A)および(B)は、図4の
光減衰器部270と光増幅器部260との順序を入れ替
えた例で、同一作用を示す部材には同一符号を付してあ
る。同図に示すように、このように光減衰器と光アンプ
の順序を入れ替えても、または信号光の入出力方向を入
れ替えても高速な損失変動の抑制を行うことができる。
【0044】図6は本発明の第3の実施例を説明する特
性図である。すなわち、図1(図2)および図4(図
5)の導波路104,124および204として、多重
量子井戸構造を用いた場合のバンド構造を示し、良好な
特性を得ることができる。
【0045】動作波長を1550nmとした場合、多重
量子井戸構造を例えば厚さ9nmのInGaAs井戸3
01、厚さ5nmのInAlAsバリア302とすると
バンドギャップ波長を1440nmに設定でき、導波路
を伝搬する光信号に対して、電圧を、例えば6V印加す
ることで導波路の屈折率を変化させる、いわゆる量子閉
じ込めシュタルク効果(QCSE)を利用した高速かつ
低電圧駆動の光スイッチング動作や光変調器動作が可能
になる。
【0046】さらにより高い電圧(例えば10V)を印
加することでバンドギャップ波長を信号光の波長である
1550nm付近まで動かすことができるので、信号光
を大きく吸収する光減衰器として用いることができる。
【0047】また、図1(図2),図4(図5)の活性
層105,0205として多重量子井戸構造を用いるこ
とで良好な特性を得ることができる。動作波長を155
0nmとした場合、多重量子井戸構造を例えば厚さ8n
mのIn0.533 Ga0.467 As井戸301、厚さ10n
mのIn0.719 Ga0.281 As0.6100.390 バリア3
02の歪多重量子井戸構造を取ることで、ゲインが20
dBを越えるような光アンプを得ることができる。ま
た、歪多重量子井戸構造を取ることで、偏波方向による
ばらつきを減少させることも可能である。
【0048】これらを利用することで、例えば図4を用
いて説明すると、光機能素子を動作させる際の印加電圧
または注入電流は制御回路(CPU)213からの制御
に従う。さらに導波路204の光機能素子部250で減
衰する光信号を光増幅器部260の活性層205によっ
て増幅することで、光信号の損失を補償することができ
る。
【0049】さらに光信号が光スイッチを通るパスによ
ってCPU213が電極227に印加する電圧を調整
し、光減衰器部270の減衰量を3〜5dB調整するこ
とで光信号のパスによる損失の変動を抑制できる。この
光減衰器部270の減衰量の調整はキャリアの変動を伴
わないため、キャリアの寿命に律速されず、数10GH
zを越える超高速の損失変動が可能になる(図3参
照)。
【0050】また一方、導波路204は電圧を印加する
ことで光信号に対する損失を増やすこともできる。これ
によって両端面からの戻り光を安定して歩留まりよく、
十分に減らすことができる。
【0051】図7は本発明の第4の実施例を説明する図
である。第3の実施例で説明したように、図1(図
2),図4(図5)の活性層105,205として多重
量子井戸構造を用いることで良好な特性を得ることがで
きる。
【0052】ここで特に、活性層205の井戸数を6以
下とすると、図7に示すように出力信号レベルと雑音レ
ベルの差を大きく取ることができ、良好な特性を得るこ
とができる。
【0053】これらを利用することで、例えば図4(図
5)を用いて説明すると光機能素子部250の導波路2
04で減衰する光信号を光増幅器部250の活性層20
5によって増幅することで、光信号の損失を補償するこ
とができる。
【0054】図8は本発明の第5の実施例に係る光集積
素子の模式的な断面図である。同図において、n−In
P基板502上には、n−InP層503、光機能素子
部550および光減衰器部570の導波路504、光機
能素子部550の導波路504をを伝搬する際の光信号
損失を補償するための光増幅器部550の活性層50
5、およびp−InP層506が順次積層され、n−I
nP基板502の裏面にはn型電極501、また、p−
InP層506上には光機能素子部550の導波路50
4に電圧または電流を加えるためのp型電極507、光
増幅器部560の活性層505に電流を注入するための
p型電極508、光減衰器部570の導波路504に電
圧を印加するためのp側電極527が形成されている。
ここで、導波路504は厚さ9nmのInGaAs井
戸、厚さ5nmのInAlAsバリアからなる量子井戸
構造、活性層505は厚さ8nmのIn0.533 Ga
0.467 As井戸、厚さ10nmのIn0.719 Ga0.281
As0.6100.390 バリアの歪多重量子井戸構造であ
る。また、入力信号光509としては、例えば10Gb
it/secを越えるような高速光信号を用い、また通
常、出力信号光510は光ファイバあるいは空間を伝搬
した後に受光器511を通して電気信号512に変換さ
れる。なお、光集積素子の入出力端面には無反射コーテ
ィング514および515が設けられている。
【0055】光機能素子としては例えば光スイッチ、位
相変調器、強度変調器、カプラ、偏波スプリッタ、波長
フィルタ、遅延回路等がある。
【0056】光機能素子を動作させる際の印加電圧また
は注入電流はCPU513からの制御に従う。さらに、
光機能素子部550の導波路504で減衰する光信号を
光増幅器部560の活性層505によって増幅すること
で、光信号の損失を補償することができる。
【0057】第5の実施例の特徴は活性層505が、光
機能素子部550および光減衰器部570の導波路とと
もに形成された光増幅器部560の導波路504上に装
荷された形を取り、導波路504を伝搬する光のフィー
ルドの一部が活性層505にかかり、そこで増幅される
ことにある。
【0058】さらに光信号が光スイッチを通るパスによ
ってCPU513が電極527に印加する電圧を調整
し、光減衰器部570の減衰量を3〜5dB調整するこ
とで光信号のパスによる損失の変動を抑制できる。この
光減衰器部570の減衰量の調整はキャリアの変動を伴
わないため、キャリアの寿命に律速されず、数10GH
zを越える超高速の損失変動が可能になる(図3参
照)。
【0059】また一方、光機能素子部550の導波路5
04は電圧を印加することで光信号に対する損失を増や
すこともできる。これによって両端面からの戻り光を安
定して歩留まりよく、十分に減らすことができる。
【0060】また、図9に示すように、光減衰器部57
0と光増幅器部560との順序を入れ替えても、または
信号光の入出力方向を入れ替えても高速な損失変動の抑
制を行うことができる。
【0061】図8あるいは図9の実施例において、光機
能素子部の導波路と光減衰器部の導波路とは組成が異な
るようにしてもよい。またこの場合、光増幅部の活性層
が装荷される導波路は、光機能素子部の導波路または光
減衰器部の導波路の組成と同一でもよく、異なる組成で
もよい。
【0062】図10は本発明の第6の実施例に係る光集
積素子の模式的な断面図である。同図において、n−I
nP基板602上には、n−InP層603、光機能素
子部650を伝搬する際の光信号損失を補償するための
光増幅器部660の活性層605、光機能素子部650
および光減衰器部670の導波路604、およびp−I
np層606が順次形成され、n−InP基板602の
裏面側にはn側電極が、また、p−InP層606上に
は光機能素子部650の導波路604に電圧または電流
を加えるためのp側電極、および光増幅器560の活性
層605に電流を注入するためのp側電極608、光減
衰器部670の導波路604に電圧を印加するためのp
側電極627が設けられている。ここで、導波路604
は厚さ9nmのInGaAs井戸、厚さ5nmのInA
lAsバリアからなる量子井戸構造、活性層505は厚
さ8nmのIn0.533 Ga0.467 As井戸、厚さ10n
mのIn0.719 Ga0.281 As0.6100.390 バリアの
歪多重量子井戸構造である。入力信号609としては、
例えば10Gbit/secを越えるような高速光信号
を用い、また通常、出力信号光610は光ファイバある
いは空間を伝搬した後に受光器611を通して電気信号
612に変換される。また、光集積素子の入出力端端面
には無反射コーティング614および615が設けられ
ている。
【0063】光機能素子としては例えば光スイッチ、位
相変調器、強度変調器、カプラ、偏波スプリッタ、波長
フィルタ、遅延回路等がある。
【0064】光機能素子を動作させる際の印加電圧また
は注入電流はCPU613からの制御に従う。さらに、
光機能素子部650の導波路604で減衰する光信号を
光増幅器部660の活性層605によって増幅すること
で、光信号の損失を補償することができる。
【0065】第6の実施例の特徴は活性層605が、光
機能素子部650および光減衰器部670の導波路60
4と組成が同じ導波路604の下に形成されており、導
波路604を伝搬する光の一部が活性層605に乗り移
り、そこで増幅されることにある。
【0066】さらに光信号が光スイッチを通るパスによ
ってCPU613が電極627に印加する電圧を調整
し、光減衰器部670の減衰量を3〜5dB調整するこ
とで光信号のパスによる損失の変動を抑制できる。この
光減衰器の減衰量の調整はキャリアの変動を伴わないた
め、キャリアの寿命に律速されず、数10GHzを越え
る超高速の損失変動が可能になる(図3参照)。
【0067】また一方、光機能素子部650の導波路6
04は電圧を印加することで光信号に対する損失を増や
すこともできる。これによって両端面からの戻り光を安
定して歩留まりよく、十分に減らすことができる。
【0068】また、図11に示すように、光減衰器部6
70と光増幅器部650の順序を入れ替えても、または
信号光の入出力方向を入れ替えても高速な損失変動の抑
制を行うことができる。
【0069】図10あるいは図11の実施例において、
光機能素子部の導波路と光減衰器部の導波路とは組成が
異なるようにしてもよい。またこの場合、光増幅部の活
性層の上に設けられる導波路は、光機能素子部の導波路
または光減衰器部の導波路の組成と同一でもよく、異な
る組成でもよい。
【0070】図12は本発明の第7の実施例に係る光集
積素子の模式的な断面図である。同図に示すように、n
−InP基板702上に、n−InP層703、光機能
素子部750および光減衰器部770の導波路704、
導波路704を伝搬する際の光信号損失を補償するため
の光増幅器部760の活性層705、およびp−InP
層706が順次積層され、n−InP基板702の下側
にはn側電極701、p−InP層706上には、光機
能素子部750の導波路704に電圧または電流を加え
るためのp型電極707、活性層705に電流を注入す
るための光増幅器部760のp側電極708、および光
減衰器部770の導波路704に電圧を印加するための
p側電極727が形成されて構成されている。このよう
な光集積素子への入力信号光709は例えば10Gbi
t/secを越えるような高速光信号であり、また通
常、出力信号光710は光ファイバあるいは空間を伝搬
した後に受光器711を通して電気信号712に変換さ
れる。なお、光集積素子の入出力端には無反射コーティ
ング714および715が設けられている。ここで、導
波路704は厚さ9nmのInGaAs井戸、厚さ5n
mのInAlAsバリアからなる量子井戸構造、活性層
705は厚さ8nmのIn0.533 Ga0.467 As井戸、
厚さ10nmのIn0.719 Ga0.281 As0.610
0.390 バリアの歪多重量子井戸構造である。
【0071】光機能素子としては例えば光スイッチ、位
相変調器、強度変調器、カプラ、偏波スプリッタ、波長
フィルタ、遅延回路等がある。
【0072】光機能素子を動作させる際の印加電圧また
は注入電流はCPU713からの制御に従う。さらに、
光機能素子部750の導波路704で減衰する光信号を
光増幅器部750の活性層705によって増幅すること
で、光信号の損失を補償することができる。
【0073】第7の実施例の特徴は活性層705が、光
機能素子部750および光減衰器部770のそれぞれの
導波路704のに突き合わされたいわゆるバットジョイ
ントの形を取り、導波路704を伝搬する光が705に
乗り移り、そこで増幅されることにある。
【0074】さらに光信号が光スイッチを通るパスによ
ってCPU713が電極727に印加する電圧を調整
し、光減衰器部770の減衰量を3〜5dB調整するこ
とで光信号のパスによる損失の変動を抑制できる。この
光減衰器の減衰量の調整はキャリアの変動を伴わないた
め、キャリアの寿命に律速されず、数10GHzを越え
る超高速の損失変動が可能になる(図3参照)。
【0075】また一方、光機能素子部750の導波路7
04は電圧を印加することで光信号に対する損失を増や
すこともできる。これによって両端面からの戻り光を安
定して歩留まりよく、十分に減らすことができる。
【0076】また、図13に示すように、光減衰器部7
70と光増幅器部760との順序を入れ替えても、また
は信号光の入出力方向を入れ替えても高速な損失変動の
抑制を行うことができる。
【0077】図14は本発明の第8の実施例に係る光集
積素子の模式的な断面図である。同図に示すように、n
−InP基板802上に、n−InP層803、光機能
素子部850および光減衰器部870の導波路804、
導波路804を伝搬する際の光信号損失を補償するため
の光増幅器部860の活性層805、およびp−InP
層806が順次積層され、n−InP基板802の下側
にはn側電極801、p−InP層806上には、光機
能素子部850の導波路804に電圧または電流を加え
るためのp型電極807、活性層805に電流を注入す
るための光増幅器部860のp側電極808、および光
減衰器部870の導波路804に電圧を印加するための
p側電極827が形成されている。このような光集積素
子への入力信号光809は例えば10Gbit/sec
を越えるような高速光信号であり、また通常、出力信号
光810は光ファイバあるいは空間を伝搬した後に受光
器811を通して電気信号812に変換される。なお、
光集積素子の入出力端には無反射コーティング814お
よび815が設けられている。ここで、導波路804は
厚さ9nmのInGaAs井戸、厚さ5nmのInAl
Asバリアからなる量子井戸構造、活性層805は厚さ
8nmのIn0.533 Ga0.467 As井戸、厚さ10nm
のIn0.719 Ga0.281 As0.6100.390 バリアの歪
多重量子井戸構造である。
【0078】光機能素子としては例えば光スイッチ、位
相変調器、強度変調器、カプラ、偏波スプリッタ、波長
フィルタ、遅延回路等がある。
【0079】光機能素子を動作させるさいの印加電圧ま
たは注入電流はCPU813からの制御に従う。さら
に、光機能素子部850の導波路804で減衰する光信
号を光増幅器部850の活性層805によって増幅する
ことで、光信号の損失を補償することができる。
【0080】第8の実施例の特徴は、光機能素子部85
0および光減衰器部870の導波路804がそれぞれ活
性層805に乗り上げた形を取り、導波路804を伝搬
する光が活性層805に乗り移り、そこで増幅されるこ
とにある。
【0081】さらに光信号が光スイッチを通るパスによ
ってCPU813が電極827に印加する電圧を調整
し、光減衰器部870の減衰量を3〜5dB調整するこ
とで光信号のパスによる損失の変動を抑制できる。この
光減衰器部870の減衰量の調整はキャリアの変動を伴
わないため、キャリアの寿命に律速されず、数10GH
zを越える超高速の損失変動が可能になる(図3参
照)。
【0082】また一方、光機能素子部850の導波路8
04は電圧を印加することで光信号に対する損失を増や
すこともできる。これによって両端面からの戻り光を安
定して歩留まりよく、十分に減らすことができる。
【0083】また、図15に示すように、光減衰器部8
70と光増幅器部860との順序を入れ替えても、また
は信号光の入出力方向を入れ替えても高速な損失変動の
抑制を行うことができる。
【0084】図16は本発明の第9の実施例に係る光集
積素子の模式的な断面図である。同図に示すように、n
−InP基板902上に、n−InP層903、光機能
素子部950および光減衰器部970の導波路904、
導波路904を伝搬する際の光信号損失を補償するため
の光増幅器部960の活性層905、およびp−InP
層906が順次積層され、n−InP基板902の下側
にはn側電極901、p−InP層906上には、光機
能素子部950の導波路904に電圧または電流を加え
るためのp型電極907、活性層905に電流を注入す
るための光増幅器部960のp側電極908、および光
減衰器部970の導波路904に電圧を印加するための
p側電極927が形成されている。このような光集積素
子への入力信号光909は例えば10Gbit/sec
を越えるような高速光信号であり、また通常、出力信号
光910は光ファイバあるいは空間を伝搬した後に受光
器911を通して電気信号812に変換される。なお、
光集積素子の入出力端には無反射コーティング914お
よび915が設けられている。ここで、導波路804は
厚さ9nmのInGaAs井戸、厚さ5nmのInAl
Asバリアからなる量子井戸構造、活性層805は厚さ
8nmのIn0.533 Ga0.467 As井戸、厚さ10nm
のIn0.719 Ga0.281 As0.6100.390 バリアの歪
多重量子井戸構造である。
【0085】光機能素子を動作させるさいの印加電圧ま
たは注入電流はCPU913からの制御に従う。さらに
光機能素子部950の導波路904で減衰する光信号を
光増幅器の活性層905によって増幅することで、光信
号の損失を補償することができる。
【0086】第9の実施例の特徴は活性層905が、光
機能素子部950および光減衰器部970のそれぞれの
導波路904に乗り上げた形を取り、導波路904を伝
搬する光が活性層905に乗り移り、そこで増幅される
ことにある。
【0087】さらに光信号が光スイッチを通るパスによ
ってCPU913が電極927に印加する電圧を調整
し、光減衰器の減衰量を3〜5dB調整することで光信
号のパスによる損失の変動を抑制できる。この光減衰器
部370の減衰量の調整はキャリアの変動を伴わないた
め、キャリアの寿命に律速されず、数10GHzを越え
る超高速の損失変動が可能になる(図3参照)。
【0088】また一方、光機能素子部950の導波路9
04は電圧を印加することで光信号に対する損失を増や
すこともできる。これによって両端面からの戻り光を安
定して歩留まりよく、十分に減らすことができる。
【0089】また、図17に示すように、光減衰器部9
70と光増幅器部960との順序を入れ替えても、また
は信号光の入出力方向を入れ替えても高速な損失変動の
抑制を行うことができる。
【0090】以上、本発明についてはn型のInP基板
を例に説明を行ったが、p型の基板や他の半導体基板に
おいても同様な効果を得ることができる。
【0091】また、本発明の実施例で説明した光増幅器
の活性層の代わりに、活性層をパッシブな導波路で挟ん
だいわゆるLOC構造(文献:S.Core,D.M.
Cooper,W.J.Devlin,A.D.Ell
is,D.F.Elton,J.J.Isaac,G.
Sherlock,P.C.Spurdens and
W.A. Stallard:“Polarisat
ion−Insensitive,Near−Trav
elling−wave Semiconductor
Laser Amplifieer at 1.55
mm”,Elctronics Letters,2n
d March 1989,vol.25,No.5,
pp.314〜315)を用いても同様な効果を得るこ
とができる。
【0092】さらに光機能素子部、光減衰器部および光
増幅器部の各間に、分離溝あるいは絶縁領域を設け、光
機能素子部、光減衰器部および光増幅器部の間で電気的
絶縁を行ってもよいことは言うまでもない。
【0093】また、これまで光機能素子として信号光に
対して透明なパッシブ導波路から構成されるものを例に
とり説明してきたが、光機能素子として半導体レーザス
イッチ等のアクティブ光導波路を用いた場合にも同様で
あることは言うまでもない。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、光
集積素子の光機能素子の良好な特性を維持した上で、キ
ャリア寿命に律速されない高速な損失変動の抑制を可能
にし、さらに戻り光の抑制が容易な光集積素子を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の光集積素子に係り、
(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図2】本発明の第1実施例の光集積素子の変形例に係
り、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図3】本発明の光集積素子における光の損失の変動を
示す図である。
【図4】本発明の第2実施例の光集積素子に係り、
(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図5】本発明の第2実施例の光集積素子の変形例に係
り、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る光集積素子の特性図
である。
【図7】本発明の第4実施例に係る光集積素子の特性を
示す図である。
【図8】本発明の第5実施例に係る光集積素子の断面図
である。
【図9】本発明の第5実施例に係る光集積素子の変形例
の断面図である。
【図10】本発明の第6実施例に係る光集積素子の断面
図である。
【図11】本発明の第6実施例に係る光集積素子の変形
例の断面図である。
【図12】本発明の第7実施例に係る光集積素子の断面
図である。
【図13】本発明の第7実施例に係る光集積素子の変形
例の断面図である。
【図14】本発明の第8実施例に係る光集積素子の断面
図である。
【図15】本発明の第8実施例に係る光集積素子の変形
例の断面図である。
【図16】本発明の第9実施例に係る光集積素子の断面
図である。
【図17】本発明の第9実施例に係る光集積素子の変形
例の断面図である。
【図18】従来の光集積素子に係り、(A)は断面図、
(B)は平面図である。
【図19】従来の光集積素子の損失の変動を示す図であ
る。
【符号の説明】
101,201,501,601,701,801,9
01 n側電極 102,202,502,602,702,802,9
02 n−InP基板 103,203,503,603,703,803,9
03 n−InP層 104,204,504,604,704,804,9
04 導波路 105,205,505,605,705,805,9
05 活性層 106,206,506,606,706,806,9
06 p−InP層 107,207,507,607,707,807,9
07 光機能素子部のp側電極 108,208,508,608,708,808,9
08 光増幅器部のp側電極 109,209,509,609,709,809,9
09 入力信号光 110,210,510,610,710,810,9
10 出力信号光 111,211,511,611,711,811,9
11 受光器 112,212,512,612,712,812,9
12 電気信号 113,213,513,613,713,813,9
13 CPU 124 導波路 127,227,527,627,727,827,9
27 光減衰器部のp側電極 150,250,550,650,750,850,9
50 光機能素子部 160,260,560,660,760,860,9
60 光増幅器部 170,270,570,670,770,870,9
70 光減衰器部 301井戸 302バリア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 6/122 6/30 (72)発明者 河野 健治 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光機能素子と、光増幅器と、電界吸収効
    果または量子閉じ込めシュタルク効果を動作原理とする
    光減衰器部とを集積したことを特徴とする光集積素子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記光増幅器を、前
    記光機能素子と前記光減衰器とで挟んで集積したことを
    特徴とする光集積素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、信号光のパ
    スにより前記光減衰器部に印加するバイアスを変化する
    機能を有する制御回路を有することを特徴とする光集積
    素子。
  4. 【請求項4】 少なくとも光信号が伝搬する第1の導波
    層を有する光機能素子部と、少なくとも光信号を増幅す
    るための活性層と該活性層に電流を注入するための電極
    とを有する光増幅器部と、少なくとも光信号を減衰する
    第2の導波層を有する光減衰器部とを具備し、これら光
    機能素子部と光増幅部と光減衰器部とが同一半導体基板
    上に形成され、前記第1の導波路、前記活性層および第
    2の導波路が光学的に接続されていることを特徴とする
    光集積素子。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記第1の導波層と
    前記第2の導波層とが同一の組成からなることを特徴と
    する光集積素子。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、前記第1の
    導波層、前記第2の導波層、および前記活性層のうち、
    少なくとも1つが多重量子井戸構造をとることを特徴と
    する光集積素子。
  7. 【請求項7】 請求項4、5または6において、前記活
    性層が6ウェル以下の多重量子井戸構造をとることを特
    徴とする光集積素子。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7の何れかにおいて、前記活
    性層が、前記第1導波層あるいは前記第2の導波層の少
    なくとも一方と組成が同じである第3の導波層の上に装
    荷されていることを特徴とする光集積素子。
  9. 【請求項9】 請求項4〜7の何れかにおいて、前記活
    性層が、前記第1の導波層あるいは前記第2の導波層の
    少なくとも一方と組成が同じである第3の導波層の下に
    形成されていることを特徴とする光集積素子。
  10. 【請求項10】 請求項4〜7の何れかにおいて、前記
    活性層が、前記第1の導波層あるいは前記第2の導波層
    の少なくとも一方と突き合わされるバットジョイント構
    造をとることを特徴とする光集積素子。
  11. 【請求項11】 請求項4〜7の何れかにおいて、前記
    活性層が、前記第1の導波層あるいは前記第2の導波層
    の少なくとも一方に乗り上げるように構成されているこ
    とを特徴とする光集積素子。
  12. 【請求項12】 請求項4〜7の何れかにおいて、前記
    第1の導波層あるいは前記第2の導波層の少なくとも一
    方が、前記活性層に乗り上げるように構成されているこ
    とを特徴とする光集積素子。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12の何れかにおいて、前
    記光機能素子部が、光スイッチ、位相変調器、強度変調
    器、カプラ、偏波スプリッタ、波長フィルタ、または遅
    延回路であることを特徴とする光集積素子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0857996A1 (en) * 1997-02-10 1998-08-12 Lucent Technologies Inc. Crosstalk-reduced integrated digital optical switch
JP2013171078A (ja) * 2012-02-17 2013-09-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体変調器および半導体変調器の出力パワー制御方法
JP2014217004A (ja) * 2013-04-30 2014-11-17 住友電気工業株式会社 光送信器および光送信器の出力光制御方法
JP2015060044A (ja) * 2013-09-18 2015-03-30 日本電信電話株式会社 光スイッチ素子

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