JPH07294947A - 液晶注入装置、およびこれに用いる液晶保持面材の製造方法 - Google Patents

液晶注入装置、およびこれに用いる液晶保持面材の製造方法

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JPH07294947A
JPH07294947A JP9028694A JP9028694A JPH07294947A JP H07294947 A JPH07294947 A JP H07294947A JP 9028694 A JP9028694 A JP 9028694A JP 9028694 A JP9028694 A JP 9028694A JP H07294947 A JPH07294947 A JP H07294947A
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cell
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Satoru Shindo
悟 進藤
Hiroshi Sato
博志 佐藤
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Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本来は使用不能とされていた撥水性を有する
樹脂を適切な状態の下で使用することにより、液晶に対
する湿潤性に優れ、かつ液晶を劣化させないという特性
を備えた耐久性のある液晶保持面材の構成、ならびにそ
の製造方法を提供する。 【構成】 液晶貯留槽9から毛細管現象生成体11,11 に
より吸い上げられた液晶Lを湿潤状態に保持する液晶保
持面材10と、セル3の注入口6に対して上記液晶保持面
材10を相対的に接近および離反させる接離手段12と、圧
力作用室Dと、を備えた液晶注入装置において、上記液
晶保持面材10を、撥水性を有する樹脂を原料とした繊維
質体で構成するとともに、この繊維質体の繊維相互間の
間隙を、液晶Lによる湿潤を許容させる大きさに設定す
る。上記液晶保持面材10の製造は、その繊維相互間の隙
間が液晶による湿潤を阻止する大きさに設定されたシー
ト状の繊維質体10a に対して、その厚み方向に圧縮成型
処理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、液晶注入装置、およ
びその構成要素である液晶保持面材の製造方法に関し、
特に、液晶の劣化を招くことなく確実かつ円滑に液晶を
セル内に注入するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、液晶表示装置の液晶セル
は、2枚のガラス板を微小間隔を介して対向させた空容
器状のセル内に液晶を封入して構成される。そして、こ
の液晶セルは、上記2枚のガラス板の内面の双方に形成
した透明電極に通電することにより、上記透明電極のパ
ターンに応じた表示を行うものである。
【0003】上記セル内に液晶を注入する液晶注入装置
としては、たとえば特開平5-249425号公報によれば、フ
ェルト状の液晶保持面材に液晶を染み込ませ、この液晶
保持面材を通じて上記セル内に液晶を注入するようにし
た構成が開示されている。
【0004】詳述すると、この液晶注入装置の基本的構
造は、図8に示すように、液晶貯留槽50に溜められて
いる液晶51中に、毛細管現象を生じさせる吸い上げ体
52の下部を浸漬させるとともに、この吸い上げ体52
の上端に、その毛細管現象により吸い上げられた液晶5
1を湿潤状態に保持する液晶保持面材53を備えた構成
である。また、上記液晶保持面材53の上方には、複数
のセル54を保持したマガジン55が配置される。
【0005】そして、この液晶注入装置の使用に際して
は、真空状態の圧力作用室Dの内部において、上記マガ
ジン55と液晶貯留槽50とを相対的に接近移動させる
ことにより、上記各セル54の注入口54aを上記湿潤
状態にある液晶保持面材53に接触させる。このような
状態の下で、上記圧力作用室Dの内部圧力を上昇させる
ことにより、上記セル54の内外に生じる差圧と、この
セル54内に生じる毛細管現象との相乗作用に伴い、液
晶がセル54内に注入される。この後、上記液晶が注入
された各セル54は、外部に取り出されてその注入口5
4aを封止される。
【0006】この場合において、上記液晶保持面材53
は、液晶により湿潤状態となる特性を備えている必要性
があるため、従来においては、上記液晶保持面材53を
構成するフェルト状の部材を、濡れ性のよい素材を用い
て形成するのが通例とされていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記液晶保
持面材53の素材は、濡れ性に優れていると同時に、液
晶を劣化ないし汚染させないという特性を備えていなけ
ればならないが、上記公報のように湿潤状態となってい
る液晶保持面材53を通じてセル54内に液晶を注入す
るという手法を採用する以上は、まず第1にセル54内
を十分な量の液晶で充満させることを主目的とせねばな
らない。このため、従来においては、素材の濡れ性のみ
を重視し、素材による液晶の劣化については看過される
傾向が強かった。
【0008】これに対して、上記液晶を劣化させない素
材としては、ステンレス鋼、ガラスおよび撥水性を有す
るフッ素樹脂等が挙げられる。したがって、これらの素
材からなる繊維質体を上記液晶保持面材53として使用
すれば、上記液晶の劣化に対しては、一応対処できる。
【0009】しかしながら、上記列挙中におけるステン
レス鋼からなるステンレスフェルトメッシュ材等は、長
時間にわたって使用した場合に金属汚染等を招来するお
それがあり、長期使用に耐え得ないという問題を有して
いる。
【0010】また、上記列挙中におけるガラスからなる
フェルト等については、ガラス繊維相互間の絡み付きが
悪く、上記セル54との長時間にわたる接触や、繰り返
し行われる頻繁な接触に起因して、繊維としての適切な
特性が損なわれるという問題を有している。具体的に
は、10〜20回の液晶注入を行う度に、このガラスフ
ェルトを交換する必要があり、この交換時にはフェルト
に吸湿されている液晶が廃棄されることから無駄が生じ
るとともにコスト面においても不利となるばかりでな
く、歩留りが悪化するという問題をも有している。
【0011】さらに、上記撥水性を有するフッ素樹脂等
については、濡れ性とは相反する特性を備えていること
から、本来ならば液晶を湿潤ないし吸湿することができ
ず、上記液晶保持面材53としては使用できないものと
認識されているのが実情であった。
【0012】以上のように、液晶に対する濡れ性ないし
湿潤性と、液晶に対する耐劣化性やその耐久性とは、相
互に反発しあう特性であって、この両者を同時に満たす
素材は従来においては開発されておらず、このため上記
両者のうちのいずれか一方の特性については犠牲を払う
ことを余儀無くされていた。
【0013】本願発明は、上述の事情のもとで考え出さ
れたものであって、本来は使用不能とされていた撥水性
を有する樹脂を適切な状態の下で使用することにより、
液晶に対する湿潤性に優れ、かつ液晶を劣化させないと
いう特性を備えた耐久性のある液晶保持面材の構成、な
らびにその製造方法を提供すること、をその課題とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0015】すなわち、本願の請求項1に記載した発明
は、注入口が形成されたセルを保持する保持手段と、液
晶を貯留する液晶貯留槽と、この液晶貯留槽から毛細管
現象生成体により吸い上げられた液晶を湿潤状態に保持
する液晶保持面材と、上記セルの注入口に対して上記液
晶保持面材を相対的に接近および離反させる接離手段
と、上記セルおよび上記液晶に対して可変内部圧力を作
用させる圧力作用室と、を備えた液晶注入装置におい
て、上記液晶保持面材を、撥水性を有する樹脂を原料と
した繊維質体で構成するとともに、この繊維質体の繊維
相互間の間隙を、液晶による湿潤を許容させる大きさに
設定したことを特徴としている。
【0016】この場合において、上記液晶保持面材を構
成する繊維質体は、フッ素樹脂を原料として形成された
ものであることが好ましく(請求項2)、その中でも、
四フッ化エチレン樹脂を使用することが、各種事情を勘
案すれば有利である(請求項3)。
【0017】一方、請求項4に記載した発明は、上記請
求項1、2または3に記載した液晶注入装置における液
晶保持面材の製造方法であって、撥水性を有する樹脂を
原料とし、かつその繊維相互間の隙間が液晶による湿潤
を阻止する大きさに設定されたシート状の繊維質体に対
して、その厚み方向に圧縮成型処理を施すことにより、
上記繊維質体の繊維相互間の間隙を、液晶による湿潤を
許容する大きさに拡開させることを特徴としている。
【0018】
【発明の作用および効果】上記請求項1に記載した発明
に係る液晶注入装置によれば、液晶貯留槽から毛細管現
象生成体により吸い上げられた液晶を湿潤させる液晶保
持面材が、液晶の劣化を防止するために、撥水性を有す
る樹脂を原料とした繊維質体で構成されている。しか
も、この繊維質体は、その素材自体が備えている撥水性
作用を阻害するために、繊維相互間の間隙が、上記液晶
の湿潤を許容する大きさに設定されている。
【0019】したがって、液晶が接触する繊維素材自体
は撥水性を有しているが、この繊維素材からなる繊維質
体については繊維相互間の間隙に液晶が染み込むことに
なる。すなわち、この繊維質体は、実質的には撥水性が
破壊された特性を備えていることになり、この繊維質体
で構成されている上記液晶保持面材は、十分な量の液晶
により湿潤された状態となる。
【0020】そして、上記撥水性を有する樹脂でなる繊
維素材は、液晶を劣化させないという特性を備えてい
る。換言すれば、種々の樹脂の中から、液晶の湿潤作用
を行い得るような絡み付き形態や絡み付き密度の繊維質
体を形成することが可能な特定種類の樹脂を選択し、さ
らにこの特定種類の樹脂の中から、撥水性を有する樹脂
を選択すれば、結果として、液晶の劣化に対して優れた
特性を有する樹脂が得られる。これは、液晶が接触する
繊維素材自体は撥水性を有しているため、両者の間には
化学的親和力等が生じ難く、このため液晶が繊維素材か
ら化学的影響を受ける可能性が極めて低いことによるも
のと推認できる。
【0021】特に、請求項2および3に記載した発明に
おいて、繊維質体の原料として使用されるフッ素樹脂
(あるいは所謂テフロン)、および四フッ化エチレン樹
脂は、撥水性を有すると同時に、液晶の劣化にも優れた
特性を備えていることが予め判明している。加えて、こ
れらの樹脂は、ガラス等と比較して耐久性にも優れてい
る。
【0022】したがって、以上のような特性を備えた樹
脂を原料として、繊維相互間に所定の間隙を有する繊維
質体を形成し、この繊維質体を用いて上記液晶保持面材
を構成することにより、この液晶保持面材からセル内に
は常に不足なく十分な量の液晶が注入されると同時に、
液晶の劣化が防止されることになる。また、上記繊維質
体を用いたことにより、耐久性が向上して長期使用に耐
え得ることができる。これらの結果、製造時における歩
留りの悪化やコスト面での浪費等も適切に防止される。
【0023】一方、請求項4に記載した上記液晶保持面
材の製造方法によれば、たとえば微細な異物を除去する
ため等に使用されている既存のフィルタを、上記液晶保
持面材として有効利用できることになる。具体的には、
たとえば 0.3μm程度の微粒子を捕集するために使用さ
れている四フッ化エチレン樹脂(具体例としては、ダイ
キン工業株式会社製の商品名「ポリフロン」)を原料と
するシート状フィルタであるアドバンテック株式会社製
の「ポリフロンフィルタ」に対して、厚み方向に圧縮成
型処理を施す。これにより、上記フィルタを構成してい
る繊維相互間の間隙が拡開し、上記液晶はこの拡開した
間隙に染み込むことができるようになる。
【0024】したがって、当初は繊維相互間の間隙が小
さく、しかも撥水性を有する樹脂を原料として製作され
た繊維質体が、圧縮成型処理を施すことのみにより、上
記液晶保持面材として好適な液晶湿潤作用を行い得るこ
とになり、既存のフィルタ等の有効利用が図られる。
【0025】
【実施例の説明】以下、本願発明の好ましい実施例を、
図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0026】図1は、本願発明に係る液晶注入装置の主
要部を示す部品分解配列斜視図である。
【0027】同図に符号Aで示す構成要素は、矩形短冊
状の複数枚のセル基板片1であり、各セル基板片1は、
分割線2で囲まれた複数(図例では3個)のセル3を有
している。詳述すると、上記各セル3は、2枚のガラス
板1a,1bを、その相互間に帯状の樹脂4を介装して
接合させることにより、狭間隙である液晶封入間隙5が
形成されている。そして、上記帯状の樹脂4は、表示領
域を囲むように屈曲形成されており、この樹脂4の一部
に途切れ部を設けることにより、液晶の注入口6が形成
されている。なお、上記各ガラス板1a,1bの内面に
は、所定の透明電極が形成されている。
【0028】同図に符号Bで示す構成要素は、上記複数
枚のセル基板片1を起立状態に保持するマガジン7であ
り、このマガジン7は、平面視が略矩形の枠状を呈して
おり、その対向する左右の側壁7a,7bには、複数の
縦方向に沿うガイド溝8が形成されている。そして、こ
れらのガイド溝8に上記セル基板片1を挿入することに
より、各セル基板片1はその下端をガイド溝8の底面部
分により支持された状態を維持する。この場合、上記マ
ガジン7には、上記セル基板片1の各セル3の注入口6
が下方を指向した状態となるようにして保持される。ま
た、このマガジン7の下面部は、開口状態にある。
【0029】同図に符号Cで示す構成要素は、液晶を貯
留する液晶貯留槽9であり、この液晶貯留槽9の内部に
は、直線状に延びる3本の液晶保持面材10が配設され
ている。これらの液晶保持面材10の表面は、上記各セ
ル3の各注入口6に対する液晶の接触面となる。したが
って、この3本の液晶保持面材10の配設間隔は、上記
セル基板片1における各注入口6の配設間隔と一致して
いる。
【0030】また、上記各液晶保持面材10は、液晶貯
留槽9の底面9aに起立状に保持された複数枚(図例で
は2枚)の吸い上げ体11,11の上端に固定されてい
る。この場合、1個の液晶保持面材10に対応する各吸
い上げ体11,11の相互間には、毛細管現象を生じさ
せるのに必要な僅かな隙間、たとえば0.2〜0.4m
m程度の隙間が形成されている。
【0031】一方、上記液晶貯留槽9と上記マガジン7
とを相対的に接近および離反させる接離機構12は、こ
の実施例では、図2に示すように、上部リフト台13と
下部リフト台14とを、支持ベース15に上下摺動可能
に保持されたガイドロッド16を介して両者の四隅で連
結するとともに、上部リフト台13の上面に上記液晶貯
留槽9を載置し、下部リフト台14の下面に円周カム1
7のカム面17aを当接させた構成である。
【0032】この接離機構12の動作は、図外の駆動機
構より上記円周カム17を回転駆動させることにより、
支持ベース15に対して上記両リフト台13,14が上
下昇降し、これに伴って上記液晶貯留槽9も上下昇降す
る。なお、この接離機構12は、図示例の構成に限定さ
れるわけではなく、たとえばエアシリンダや油圧シリン
ダ等の流体シリンダを用いてもよく、またネジ駆動式の
機構等を採用してもよい。さらに、上記液晶貯留槽9を
上下昇降させることに代えて、上記セル基板片1を保持
するマガジン7を、上記述べた各種構成と同様の接離機
構を用いて上下昇降させるようにしてもよい。
【0033】さらに、この液晶注入装置には、図3に示
すように、上記列挙した各構成要素を収容することが可
能な圧力作用室18が備えられている。この圧力作用室
18には、大気開放用のバルブ19を介して真空ポンプ
等の負圧発生源20が接続されている。
【0034】そして、本願発明の特徴として、上記液晶
保持面材10は、撥水性を有する樹脂、たとえばフッ素
樹脂あるいは四フッ化エチレン樹脂を原料とする繊維質
体で構成されており、この繊維質体の繊維相互間の間隙
は、液晶Lによる湿潤を許容する大きさに設定されてい
る。換言すれば、上記液晶保持面材10を構成する繊維
質体は、撥水性を有する樹脂で形成されているにも拘わ
らず、液晶Lの染み込み作用が行われ得るように構成さ
れているのである。
【0035】上記液晶保持面材10を構成する繊維質体
は、たとえば以下のようにして製造される。
【0036】すなわち、たとえば1μm程度またはそれ
以下の微粒子を捕集するために使用されている四フッ化
エチレン樹脂(ダイキン工業株式会社製の商品名「ポリ
フロン」)を原料とするシート状フィルタであるアドバ
ンテック株式会社製のポリフロンフィルタを所定の大き
さに切断し、この切断されたシート状フィルタ10a
を、図4に示すように、上下一対のローラ22,22間
に挟持させて転圧する。これにより、上記シート状フィ
ルタ10aに対して、その1mmの厚みが0.3mm程
度になるまで圧縮成型処理が施される。
【0037】この結果、当初はたとえばメッシュ10μ
mあるいはそれ以下であったシート状フィルタ10a
が、メッシュ15μmあるいは20μm以上となり、こ
のフィルタ10aの繊維相互間の間隙が拡開する。すな
わち、当初は上記四フッ化エチレン樹脂が撥水性を有し
ており、かつ繊維相互間の間隙が小さいために、液晶に
よる湿潤が不可能な状態にあったシート状のフィルタ1
0aが、上記圧縮成型処理により、平面的に延伸されて
上記繊維相互間の間隙が平面的に広がり、液晶による湿
潤が許容される状態に変性したことになる。
【0038】また、この圧縮成型処理後のフィルタ10
aに対しては、必要に応じて切断加工等が施されること
により、その幅が上記セル3の注入口6の幅よりも僅か
に長尺に、かつその長さが上記マガジン7に保持される
全てのセル基板片1の配列方向長さよりも僅かに長尺に
設定される。
【0039】そして、上記のようにして「ポリフロン」
のフィルタ10aを成型することにより得られた液晶保
持面材10の実際の使用に際しては、まず図5に示すよ
うに、上記成型後の液晶保持面材10の上面に所定量の
液晶Lを滴下させた状態で、真空ポンプ23を駆動源と
して吸引力を発生する真空パッド24を用いて、上記液
晶保持面材10の下面側から上記液晶Lをその繊維相互
間に強制的に染み込ませる。
【0040】このように、上記液晶保持面材10の繊維
相互間に液晶Lを一旦馴染ませた後に、図6に示すよう
に、この液晶保持面材10を上記二枚の吸い上げ体1
1,11の上面にセットする。この場合の位置設定は、
上記液晶保持面材10の幅方向中心と、上記セル3の注
入口6の幅方向中心とを略一致させるようにする。この
結果、上記液晶保持面材10は、上記マガジン7に保持
される全てのセル基板片1の各セル3の注入口6に対し
て、同時に接触できることになる。
【0041】なお、上記吸い上げ体11,11として
は、ステンレス鋼に上記のフッ素樹脂ないし四フッ化エ
チレン樹脂によるコーティングを施した板状体を用いる
ことが好ましいが、これに限定されるわけではなく、他
の材料たとえばガラス製の板状体や、多数本の紐状部
材、あるいはフェルト状のブロック等であっても差し支
えない。
【0042】また、上記液晶貯留槽9の底壁上面および
周壁内面にも、同様にして上記のフッ素樹脂ないし四フ
ッ化エチレン樹脂によるコーティングを施すことが好ま
しい。換言すれば、液晶と接触する箇所には全て、液晶
を劣化させない特性を備えたテフロンないし撥水性を有
する樹脂を使用することが好ましい。
【0043】次に、上記の構成を備えた液晶注入装置を
用いて、上記セル基板片1の各セル3内に液晶を注入す
る手順を簡単に説明する。
【0044】まず、図3に示すように、マガジン7に所
定枚数のセル基板片1を収納させるとともに、液晶貯留
槽9に液晶25を適量注ぎ込み、真空ポンプ20により
圧力作用室18内を真空状態(0.1〜0.01Tor
r)にする。この時、上記液晶Lは、吸い上げ体11,
11の毛細管現象により上昇して液晶保持面材10に染
み込んだ状態にある。
【0045】このような状態の下で、図7に示すよう
に、上記接離機構12の作動により液晶貯留槽9を上昇
させ(またはマガジン7を下動させ)、液晶貯留槽9内
の各液晶保持面材10の表面に、複数枚のセル基板片1
における各セル3の注入口6を接触ないし密着させる。
【0046】この後、バルブ19を作動させて圧力作用
室18内を大気開放状態にすることにより、各セル3の
液晶封入用間隙5の内外の差圧と、各セル3を構成して
いる2枚のガラス板1a,1b間に生じる毛細管現象と
の相乗作用に伴って、上記液晶保持面材10から注入口
6を介して各セル3内に液晶を注入させる。
【0047】この後においては、上記接離機構12の作
動により液晶貯留槽9を下動させ(あるいはマガジン7
を上昇させ)、必要に応じて液晶貯留槽9に液晶Lを補
充した後、再びマガジン7に新たなセル基板片1を複数
枚セットし、これ以降は、上記と同様の動作を行わせ
る。
【0048】以上のような動作が行われることにより、
従来のようにガラス繊維等を使用していた場合には耐久
性が低いために40回程度の液晶注入を行っただけで液
晶保持面材10およびこれに吸湿されている液晶を廃棄
せねばならなかったのに対して、本願発明では耐久性が
向上して10000回程度の液晶注入を継続して行うこ
とが可能になる。これにより、液晶の廃棄量が減少する
とともに液晶の早期劣化が防止されて、液晶注入時にお
ける歩留りが向上し、さらには液晶保持面材の交換頻度
が減少して自動化を容易に図り得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る液晶注入装置の実施例の主要部
を示す部品分解配列斜視図である。
【図2】上記実施例に係る液晶注入装置の構成要素であ
る接離手段を示す要部斜視図である。
【図3】上記実施例に係る液晶注入装置の使用状態を示
す縦断正面図である。
【図4】上記実施例に係る液晶注入装置の構成要素であ
る液晶保持面材の製造方法を示す概略斜視図である。
【図5】上記液晶保持面材の実際の使用の前工程におけ
る作業状態を示す概略側面図である。
【図6】上記液晶保持面材の配設状態を示す部品分解配
列斜視図である。
【図7】上記実施例に係る液晶注入装置の使用状態を示
す縦断正面図である。
【図8】従来の液晶注入装置の一例を示す縦断正面図で
ある。
【符号の説明】
1 セル基板片 3 セル 6 注入口 7 保持手段(マガジン) 9 液晶貯留槽 10 液晶保持面材 11 毛細管現象生成体(吸い上げ体) 12 接離機構 18 圧力作用室 L 液晶

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 注入口が形成されたセルを保持する保持
    手段と、液晶を貯留する液晶貯留槽と、この液晶貯留槽
    から毛細管現象生成体により吸い上げられた液晶を湿潤
    状態に保持する液晶保持面材と、上記セルの注入口に対
    して上記液晶保持面材を相対的に接近および離反させる
    接離手段と、上記セルおよび上記液晶に対して可変内部
    圧力を作用させる圧力作用室と、を備えた液晶注入装置
    において、 上記液晶保持面材を、撥水性を有する樹脂を原料とした
    繊維質体で構成するとともに、この繊維質体の繊維相互
    間の間隙を、液晶による湿潤を許容させる大きさに設定
    したことを特徴とする、液晶注入装置。
  2. 【請求項2】 上記液晶保持面材を構成する繊維質体
    は、フッ素樹脂を原料として形成されていることを特徴
    とする、請求項1に記載の液晶注入装置。
  3. 【請求項3】 上記液晶保持面材を構成する繊維質体
    は、四フッ化エチレン樹脂を原料として形成されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載の液晶注入装置。
  4. 【請求項4】 上記請求項1、2または3に記載した液
    晶注入装置における液晶保持面材の製造方法であって、
    撥水性を有する樹脂を原料とし、かつその繊維相互間の
    隙間が液晶による湿潤を阻止する大きさに設定されたシ
    ート状の繊維質体に対して、その厚み方向に圧縮成型処
    理を施すことにより、上記繊維質体の繊維相互間の間隙
    を、液晶による湿潤を許容する大きさに拡開させること
    を特徴とする、液晶保持面材の製造方法。
JP9028694A 1994-04-27 1994-04-27 液晶注入装置、およびこれに用いる液晶保持面材の製造方法 Pending JPH07294947A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012086091A1 (ja) * 2010-12-24 2012-06-28 富士通フロンテック株式会社 フィルム基板の液晶注入方法、及び、フィルム基板の液晶注入装置

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