JPH072942A - エチレン/α−オレフィン共重合体及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

エチレン/α−オレフィン共重合体及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成物

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JPH072942A
JPH072942A JP4348194A JP4348194A JPH072942A JP H072942 A JPH072942 A JP H072942A JP 4348194 A JP4348194 A JP 4348194A JP 4348194 A JP4348194 A JP 4348194A JP H072942 A JPH072942 A JP H072942A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エチレンとα−オレフィンとから誘導され、
加工特性などに優れ、かつ末端ビニル基を用いた各種変
性が可能な、通常のHDPE,L−LDPE,LDPE
とは異なるエチレン/α−オレフィン共重合体、その水
添処理物及びこれを含有する熱可塑性樹脂を提供するこ
と。 【構成】 エチレン/α−オレフィン共重合体であっ
て、同一〔η」を有する直鎖状エチレン重合体のハギン
ス定数k2 と該共重合体のハギンス定数k1 との関係が 1.12<k1 /k2 ≦5 を満たし、かつポリマー主鎖中に四級炭素を含まないエ
チレン/α−オレフィン共重合体、その末端ビニル基を
含む炭素−炭素不飽和結合を水添処理してなるエチレン
/α−オレフィン共重合体、及びこれらを含有してなる
熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なエチレン/α−オ
レフィン共重合体及びそれを含有する熱可塑性樹脂組成
物に関し、さらに詳しくは、エチレンと炭素数3〜20
のα−オレフィンから誘導され、溶融流動の活性化エネ
ルギーの制御が可能であって、加工特性に優れる上、密
度,融点,結晶性などの物性をコントロールすることが
でき、さらには末端ビニル基を用いた各種変性が可能で
あるなどの特徴を有するエチレン/α−オレフィン共重
合体、及びこのものを含有する熱可塑性樹脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンやエチレン−α−オ
レフィン共重合体は、分子量,分子量分布,共重合性
(ランダム性,ブロック性,分岐度分布)、さらにはジ
エンなどの第3成分の添加により分岐を導入するなどで
一次構造をコントロールすることがなされてきた。とこ
ろで、エチレン系重合体の成形方法は多岐にわたり、代
表的な成形方法としては、例えば射出成形,押出し成
形,ブロー成形,インフレーション成形,圧縮成形,真
空成形などが知られている。このような成形方法におい
ては、加工特性を向上して加工コストを低下させるため
に、高速成形性の付与や成形加工の低エネルギー化の試
みが長年にわたって行われてきており、それぞれの用途
に合った最適な物性を付与し、最適な加工特性でもって
成形することが重要な課題となっている。
【0003】また、近年、均一系メタロセン系触媒は、
オレフィン間の共重合性に優れ、得られるポリマーの分
子量分布が狭く、かつ従来のバナジウム系触媒と比較し
て極めて高い触媒活性を示すことが明らかにされた。し
たがって、このような特徴をいかして様々な用途分野へ
の展開が期待されている。しかしながら、一方でメタロ
セン系触媒により得られたポリオレフィンは、その成形
加工特性に問題が多く、ブロー成形やインフレーション
成形の際には制限を免れないという欠点を有している。
【0004】従来知られている低密度ポリエチレン(L
DPE)は、エチレンの高圧ラジカル重合によって得ら
れ、長鎖分岐及び短鎖分岐の両方を有する構造のもので
ある。該長鎖分岐はポリマーのラジカル生長末端とポリ
マーとの分子間水素移動反応によって生成することがい
われている。一方、短鎖分岐の生成する機構については
種々の説明がなされている。例えば back-biting機構が
提案されている〔「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケ
ミカル・ソサエティ(J. Am. Chem. Soc.)」第75巻,
第6110ページ(1953年)〕。これは、生長ラジ
カル末端で六員環中間体を経由し、水素移動によるブチ
ル分岐の生成を合理的に説明したものである。また、高
圧下で生成するエチレン2分子会合体と生長ラジカル末
端の水素移動反応によりブチル分岐が、またエチレン2
分子会合体中での水素移動反応によるブテン−1の生成
によりエチル分岐が導入されることが報告されている
〔「マクロモレキュラル・ケミストリィ(Makromol. Che
m.) 」第181巻,第2811ページ(1981
年)〕。さらに、エチル分岐の生成を、エチル分岐ラジ
カルへのポリマー主鎖からの水素移動によることが報告
されている〔「ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエン
ス(J. Polym. Sci.) 」第34巻,第569ページ(1
959年)〕。
【0005】このように、低密度ポリエチレンの長鎖分
岐や短鎖分岐の生成は、ラジカル重合に基づく(1)水
素移動反応,(2)高圧下でのエチレン分子会合による
ラジカル重合反応性の変化によることに集約され、一般
的に認められた反応機構である。したがって、上記反応
過程において、長鎖分岐や短鎖分岐の存在量、短鎖分岐
の炭素数を任意に制御することは不可能であり、特にメ
チル分岐,プロピル分岐,ヘキシル分岐、また分岐α−
オレフィンより誘導される短鎖分岐(例えば4−メチル
ペンテン−1分岐)などを導入し又は制御することに限
界がある。このような低密度ポリエチレンは、長鎖分岐
によって、溶融張力,溶融流動の活性化エネルギーが大
きいために、高速成形性に優れ、フィルムなどに適して
いるが、分子量分布が広く、低分子量成分を含むため、
耐環境応力亀裂性(ESCR)が低く、かつ耐衝撃性が
小さいという欠点を有している。
【0006】一方、高密度ポリエチレン骨格に、長鎖分
岐を導入したエチレン系重合体が種々開示されている。
例えば(1)α,ω−ジエン、環式エンドメチレン系ジ
エンを用いた長鎖分岐を有するオレフィン系共重合体
(特開昭47−34981号公報)、(2)非共役ジエ
ンとオレフィンとを共重合させる際、重合を2段階で行
い、高分子量体部の非共役ジエン含有量が、低分子量体
部のそれより多い共重合体の製造方法(特開昭59−5
6412号公報)、(3)メタロセン/アルミノキサン
系触媒を用いた、エチレン/α−オレフィン/1,5−
ヘキサジエン共重合体(特表平1−501555号公
報)、(4)0価又は二価のニッケル化合物と特定のア
ミノビス(イミノ)化合物を触媒とし、α,ω−ジエン
をエチレンと共重合することにより、長鎖分岐を導入す
る方法(特開平2−261809号公報)、(5)上記
(4)と同一の触媒成分を用い、エチレンのみを重合す
ることによって得られる短鎖分岐長鎖分岐の双方を含む
ポリエチレン(特開平3−277610号公報)などが
開示されている。
【0007】しかしながら、上記(1)の共重合体にお
いては、ジエン成分が長鎖分岐の形成に関与すると同時
に、架橋反応を併発し、フィルム成形時にゲルが発生し
たり、また溶融特性が逆に低下し、制御範囲が極端にせ
まい上、共重合反応性も低く、低分子量体の生成に基づ
く物性低下などの問題がある。(2)の共重合体の製造
方法においては、高分子量成分に長鎖分岐を導入するた
めに、架橋による分子量の増大が著しく、不溶不融化や
ゲル化を併発するおそれがあり、制御範囲がせまい上、
共重合反応性も低く、低分子量体の生成に基づく物性低
下などの問題がある。また、(3)の共重合体において
は、分子量分布が狭く、ブロー成形やフィルム成形など
に対して不利である上、1,5−ヘキサジエンの環化反
応の進行によって分岐点を形成するための有効モノマー
濃度が低いなどの欠点がある。さらに、(4)の長鎖分
岐を導入する方法はゲルの発生や物性の制御範囲がせま
いなどの問題を有している。また、(5)のポリエチレ
ンは、エチル分岐,ブチル分岐を全く含まない重合体で
あり、物性の制御、例えば密度の制御をメチル分岐で行
うため、機械物性が低下しやすいなどの問題点を有して
いる。
【0008】また、共重合方法により加工特性を付与し
たエチレン系重合体の製造方法、例えば予備重合により
高分子量体(〔η〕=10〜20デシリットル/g)を
製造したのち、本重合によってエチレン/α−オレフィ
ン共重合体を製造する方法が開示されている(特開平4
−55410号公報など)。しかしながら、この方法に
おいては、得られる共重合体の溶融特性を変化させ、溶
融張力を増加させる効果を示すものの、フィルムゲルが
発生しやすいという欠点がある。さらに、メタロセン系
触媒を用いたエチレン系重合体やその製造方法、例えば
(1)拘束幾何型触媒を用いてエチレン系重合体を製造
する方法及びそれによって得られるエチレン系共重合体
(特開平3−163088号公報)、(2)多孔質無機
酸化物(アルミニウム化合物)を担体として用いた、担
持メタロセン触媒によるポリオレフィンの製造方法(特
開平4−100808号公報)が開示されている。
【0009】しかしながら、上記(1)の技術において
は、得られるエチレン系重合体は非ニュートン性を示す
とされているが、いまだ不充分であり、L−LDPE,
HDPEの密度範囲において機械的物性を充分に有し、
同時に加工特性を付与するには大きな制限を免れないと
いう問題がある。また、(2)の製造方法においては、
得られるエチレンとα−オレフィンとの共重合体はダイ
スウェル比が大きいとされているが、ここに開示された
エチレン/ブテン−1共重合体の融点に対するダイスウ
ェル比の関係をみると、融点の上昇に伴い、ダイスウェ
ル比が低下することは明らかである。したがって、フィ
ルムやシート成形時に問題となるネックインに関係する
ダイスウェル比を融点範囲の広い領域で制御した共重合
体を提供することはできない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、溶融流動の活性化エネルギーの制御が可
能であって、加工特性に優れる上、密度,融点,結晶性
などの物性をコントロールすることができ、さらには末
端ビニル基を用いた各種変性が可能であるなどの特徴を
有し、通常の高密度ポリエチレン(HDPE),線状低
密度ポリエチレン(L−LDPE)やLDPEとは異な
る新規なエチレン/α−オレフィン共重合体を提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する新規なエチレン/α−オレフィン共
重合体を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、エチレンと
α−オレフィンとから誘導されたのもであって、135
℃のデカリンに可溶で、主鎖骨格中に少なくとも四級炭
素を含まず、かつ該共重合体と同一極限粘度〔η〕を有
する直鎖状エチレン重合体のハギンス定数の比が特定の
関係にあるエチレン/α−オレフィン共重合体、及びこ
のエチレン/α−オレフィン共重合体において末端ビニ
ル型不飽和結合を含む炭素−炭素不飽和結合を水添処理
してなるエチレン/α−オレフィン共重合体がその目的
に適合しうることを見出した。本発明は、かかる知見に
基づいて完成したものである。
【0012】すなわち、本発明は、エチレンと炭素数3
〜20のα−オレフィンとから誘導される共重合体にお
いて、同一極限粘度〔η〕を有する直鎖状エチレン重合
体と該共重合体のデカリン溶媒中、温度135℃で測定
したハギンス定数(k)の比が、式 1.12<k1 /k2 ≦5 (ただし、k1 は該共重合体のハギンス定数、k2 は直
鎖状エチレン重合体のハギンス定数を示す。)の関係を
満足し、かつポリマー主鎖中に四級炭素を含まないこと
を特徴とするエチレン/α−オレフィン共重合体、及び
このエチレン/α−オレフィン共重合体において、末端
ビニル型不飽和結合を含む炭素−炭素不飽和結合を水添
処理してなるエチレン/α−オレフィン共重合体、並び
にこれらのエチレン/α−オレフィン共重合体を含有し
てなる熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0013】本発明のエチレン/α−オレフィン共重合
体は、少なくともポリマー主鎖中に四級炭素を含まず、
比較的大きなハギンス定数を有し、かつ温度135℃の
デカリン溶媒に可溶なものであって、通常のHDPE,
L−LDPE,LDPEとは異なる。この相違は、以下
に示す(A)一次構造の評価及び(B)物性評価により
判定することができる。
【0014】(A)一次構造の評価による判定 HDPE,L−LDPE,LDPEとの比較13 C−核磁気共鳴スペクトルの測定により、少なくとも
HDPE,L−LDPE,LDPEとは異なる構造を有
することが分かる。 (a)HDPE(比較的低分子量体)との比較 通常のHDPE(比較的低分子量体)は、末端構造が、
【0015】
【化1】
【0016】A:13.99,B:22.84,C:30.0
0,D:32.18(単位ppm)(ただし、A,B,D
は微少ピークである。)で表され、分岐に基づくピーク
は存在しない。 (b)エチレン/α−オレフィン共重合体との比較 (エチレン−ブテン−1共重合体)エチレン−ブテン−
1共重合体は、分岐点近傍の構造として、
【0017】
【化2】
【0018】A:11.14,B:26.75,C:27.3
5,D:30.00,E:30.49,F:34.11,G:
39.75(単位ppm)で表される構造を有している。 (エチレン−ヘキセン−1共重合体)エチレン−ヘキセ
ン−1共重合体は、分岐点近傍の構造として、
【0019】
【化3】
【0020】A:14.08,B:23.36,C:27.3
3,D:29.57,E:30.00,F:30.51,G:
34.22,H:34.61,I:38.23(単位ppm)
で表される構造を有している。 (エチレン/4−メチルペンテン−1共重合体)エチレ
ン/4−メチルペンテン−1共重合体は、分岐点近傍の
構造として、
【0021】
【化4】
【0022】A:23.27,B:26.05,C:27.1
4,D:30.00,E:30.51,F:34.88,G:
36.03,H:44.83(単位ppm)で表される構造
を有している。 (エチレン/オクテン−1共重合体)エチレン/オクテ
ン−1共重合体は、分岐点近傍の構造として、
【0023】
【化5】
【0024】A:14.02,B:22.88,C:27.2
8,D:27.33,E:30.00,F:30.51,G:
32.20,H:34.59,I:38.25(単位ppm)
で表される構造を有している。 (エチレン/プロピレン共重合体)エチレン/プロピレ
ン共重合体は、分岐点近傍の構造として、
【0025】
【化6】
【0026】A:19.98,B:27.47,C:30.0
0,D:33.31,E:37.59(単位ppm)で表さ
れる構造を有している。以上のようなエチレン/α−オ
レフィン共重合体は、α−オレフィン由来の短鎖分岐が
存在し、長鎖分岐が存在していない。
【0027】(c)LDPEとの比較 LDPEの13C−NMRスペクトルは複雑であって、短
鎖分岐(エチル,ブチル分岐)と長鎖分岐(少なくとも
ヘキシル分岐以上)とが存在しており、分岐点近傍の構
造として次に示す(イ)〜(ホ)の構造を主に有すると
考えられている。 (イ)孤立した分岐(Bn)
【0028】
【化7】
【0029】(ロ)三級炭素に結合したエチル−エチル
(1,3)分岐(peq)
【0030】
【化8】
【0031】(ハ)孤立したエチル−エチル(1,3)
分岐(pee)
【0032】
【化9】
【0033】(ニ)孤立したエチル−プロピル(1,
3)分岐(pep)
【0034】
【化10】
【0035】(ホ)孤立したメチル−エチル(1,4)
分岐(pme)
【0036】
【化11】
【0037】LDPEは、上記(イ)〜(ホ)の構造を
主に有すると考えられており、これらに対応する同定が
行われている〔「マクロモレキュルズ(Macromolecule
s)」第17巻,第1756ページ(1984年)〕。こ
の文献によれば、第1表に示すように同定がなされ、少
なくともヘキシル分岐以上の長鎖分岐(32.18pp
m)とエチル分岐との存在が確認されており、更に10
ppm以下の領域に4級炭素の存在を示す吸収が存在す
る。
【0038】
【表1】
【0039】13C−核磁気共鳴スペクトルによって、
長鎖分岐の存在を確認する試み ヘキシル分岐を有するエチレン/オクテン−1共重合体
の比較により、ヘキシル分岐の存在を確認し、定量化す
る手法が提案されている〔「マクロモレキュルズ(Macro
molecules)」第14巻,第215ページ(1981
年)、同第17巻,第1756ページ(1984
年)〕。それらによると、27.3ppm付近に出現する
ピークが、エチレン/オクテン−1共重合体で出現する
ピークと異なることを、LDPEとのブレンド物の13
−核磁気共鳴スペクトルの測定から明らかにしたとして
いる。また、長鎖分岐のモデル物質として用いるノルマ
ルC3674では、末端より3番目の炭素シグナルが32.
18ppmに出現する。一方、エチレン/オクテン−1
共重合体のヘキシル分岐の末端より、3番目の炭素シグ
ナルは32.22ppmに出現する。分岐鎖長によりケミ
カルシフトが異なることを利用して、エチレン/オクテ
ン−1共重合体と長鎖分岐の存在するLDPEをブレン
ドし、13C−核磁気共鳴スペクトルを測定すると、2つ
のピークが出現することから、LDPEの長鎖分岐を同
定し、かつ定量を行うことができるとしている。このよ
うな手法により、LDPEは長鎖分岐を有することが確
認された。
【0040】(B)物性評価による判定 溶融流動体の解析による方法 長鎖分岐は、溶融粘性や粘弾性的性質などの溶融体の流
動挙動に関与し、樹脂の加工性,光学的性質あるいは、
環境応力亀裂抵抗などの機械的特性に重要な影響を及ぼ
すことが知られており、これらを測定・評価することに
より、間接的にその存在を明らかにすることができる。
また、長鎖分岐の存在を裏ずける理由として、次のよう
な事実が挙げられる。LDPEのMI−Mwの関係は、
長鎖分岐が多くなるにつれて直鎖ポリエチレン(HDP
E)の関係からずれ、すなわち、同一MwでLDPEは
より小さいMIを示す。また、インストロン型キャピラ
リーレオメーターによって流動特性を調べ、シフトファ
クターから求めた活性化エネルギー(Ea)はHDPE
が6kcal/molと小さく、一方、LDPEは約1
2kcal/molと大きいことから、流動性が長鎖分
岐の影響を受けていることが確認できる。このような溶
融流動体の解析により、本発明のポリエチレンは長鎖分
岐を有することが強く示唆された。
【0041】高分子溶液の解析による識別 (a)ハギンスの定数(Huggins Coefficients)による
判定 還元粘度ηsp/c(デシリットル/g),極限粘度
〔η〕(デシリットル/g),ハギンス定数k及びポリ
マー濃度c(g/デシリットル)との間には、一般式
(ハギンスの式) ηsp/c=〔η〕+k〔η〕2 C の関係がなりたつことが知られている。該ハギンス定数
kは、希薄溶液状態でのポリマーの分子間相互作用を示
す値であって、ポリマーの分子量,分子量分布,分岐の
存在によって影響を受けるとされている。ポリマー構造
に分岐を導入すると、ハギンス定数は増大することがス
チレン/ジビニルベンゼン共重合体で示されている
〔「ジャーナル・オブ・ポリマー・サンエンス(J. Pol
ymer Sci.)」第9巻,第265ページ(1952
年)〕。また長鎖分岐を有するLDPEと直鎖状HDP
Eのハギンス定数はLDPEで大きいことが示されてい
る〔「ポリマー・ハンドブック(Polymer Handbook)」
John Wiley Sons 刊行(1975年)〕。
【0042】本発明のエチレン/α−オレフィン共重合
体のハギンス定数と、同一極限粘度を有する直鎖状エチ
レン重合体とのハギンス定数の比は後述するような関係
式がなりたつことが確認されている。 (b)極限粘度〔η〕とゲルパーミエーションクロマト
グラフィ法、光散乱法によって得られる分子量との関係
による判定 上記ハギンスの式などを用い、ポリエチレン希薄溶液よ
り決定した極限粘度〔η〕と、溶質高分子の大きさに従
って分子量を決定するゲルパーミエーションクロマトグ
ラフ(GPC)法や光散乱法による分子量との関係は、
高分子の分岐構造を反映することが知られている。例え
ば、直鎖状のHDPEの極限粘度とGPC法による分子
量との関係は、長鎖分岐を有するLDPEとは異なり、
同一極限粘度で比較すると、LDPEはHDPEより小
さい分子量を示すことが明らかにされている。
【0043】次に、本発明のエチレン/α−オレフィン
共重合体の特性について説明する。本発明のエチレン/
α−オレフィン共重合体は、温度135℃のデカリン溶
媒に可溶である。該共重合体は広い密度範囲にわたっ
て、不溶不融化することがなく、ゲルを含まないため、
温度135℃のデカリンに溶解する。また、デカリン以
外の芳香族炭化水素(テトラクロロベンゼンなど)や高
沸点炭化水素などに、通常加熱時に良好な溶解性を示
す。なお、高圧ラジカル重合によって得られるLDPE
においては、その生成機構からみて一部ゲルの生成が認
められる。
【0044】また、本発明のエチレン/α−オレフィン
共重合体は、主鎖骨格に少なくとも四級炭素を含まない
ものであり、高圧法LDPEとは異なるものである。さ
らにデカリン溶媒中、温度135℃で測定したポリマー
濃度と還元粘度の関係により決定されるハギンス定数
(k)において、本発明のエチレン/α−オレフィン共
重合体は、次のハギンス定数の比によって特定される。
すなわち、デカリン溶媒中、温度135℃で測定した極
限粘度〔η〕が同一である直鎖状エチレン重合体と本発
明のエチレン/α−オレフィン共重合体において、それ
らのハギンス定数(k)の比が、式 1.12<k1 /k2 ≦5 (ただし、k1 は本発明のエチレン/α−オレフィン共
重合体のハギンス定数、k2 は直鎖状エチレン重合体の
ハギンス定数を示す。)の関係を満たすエチレン/α−
オレフィン共重合体である。また、この比k1 /k
2 は、好ましくは 1.13≦k1 /k2 ≦4.0 より好ましくは 1.14≦k1 /k2 ≦3.7 さらに好ましくは 1.15≦k1 /k2 ≦3.6 最も好ましくは 1.18≦k1 /k2 ≦3.4 の関係を満たしている。
【0045】また、ここで示した直鎖状エチレン重合体
の具体的なものは、現在工業規模で生産されているエチ
レン重合体、又は実験室レベルで製造される上記重合体
である。製造方法としては、通常のチーグラー系触媒、
例えばチタニウム,ジルコニウム,ハフニウム,クロミ
ウム化合物などの遷移金属化合物と、トリエチルアルミ
ニウム,トリブチルアルミニウムのような有機金属化合
物、とりわけ有機アルミニウム化合物との組合せを主体
とする触媒が用いられる。また、マグネシウム化合物,
ケイ素化合物を担体として用いた上記触媒系もこの製造
方法の中に含まれる。また、極限粘度〔η〕の制御は、
水素,重合温度,モノマー仕込み量,触媒量などによっ
て制御することが可能である。
【0046】なお、デカリン溶媒中、温度135℃で測
定した極限粘度〔η〕が、本発明のエチレン/α−オレ
フィン共重合体と同一であるチーグラー系触媒で得られ
た直鎖状エチレン/α−オレフィン共重合体のハギンス
定数をk3 とした場合、本発明のエチレン/α−オレフ
ィン共重合体のハギンス定数k1 と上記k3 との比k 1
/k3 の場合においては、 1.02<k1 /k3 ≦5.0 好ましくは 1.03<k1 /k3 ≦4 より好ましくは 1.04<k1 /k3 ≦3.5 更に好ましくは 1.05<k1 /k3 ≦3.2 最も好ましくは 1.06<k1 /k3 ≦3.0 の関係を満たす。この点からも、従来のエチレン−α−
オレフィン共重合体とも異なるものである。さらに、比
較に用いる上記直鎖状エチレン/α−オレフィン共重合
体におけるα−オレフィン種やα−オレフィン共重合組
成がハギンス定数に与える影響は比較的小さいが、同一
α−オレフィン種を用い、同一樹脂密度で比較するのが
望ましい。
【0047】上記関係式における極限粘度〔η〕及びハ
ギンス定数kは次のようにして求めることができる。す
なわち、還元粘度ηsp/c(デシリットル/g),極限
粘度〔η〕(デシリットル/g),ハギンス定数k及び
ポリマー濃度c(g/デシリットル)との間に、前記し
たようにハギンスの式 ηsp/c=〔η〕+k〔η〕2 c の関係がなりたつことが知られている。そこで、まず、
還元粘度ηSP/cを、溶媒:デカリン,ポリマー濃度:2.
0g/デシリットル以下,測定温度:135℃±0.01
℃,測定点:5点以上で、ポリマー濃度ほぼ等間隔、粘
度管:ウベローデ型の条件で測定する。なお、測定精度
については、各測定点とも相対粘度が1.1以上の範囲で
測定し、相対粘度が±0.04%以内の誤差に入り、かつ
各ポリマー濃度での測定回数は5回以上である。また、
最も低濃度側の測定点は、最も高濃度側の測定点濃度の
45%以下であることが必要である。
【0048】上記方法は、還元粘度とポリマー濃度との
関係が明らかに直線関係が成立する場合にのみ、ハギン
ス定数の決定が可能である。直線関係が得られない場合
は、ポリマー濃度が高かったり、分子量が大きいことな
どが原因であるので、ポリマー濃度を減少して再度測定
することが必要である。しかし、ポリマー濃度を極端に
減少すると、ポリマー濃度に対して還元粘度が依存しな
い領域や、ポリマー濃度の低下に従って還元粘度が上昇
する領域が存在することがあり、この領域ではハギンス
定数を算出することはできない。また、最も高濃度の測
定点(Cn )と最も低濃度の測定点(C1 )との直線で
結んだ際の他の測定点が明らかに下に存在する場合も、
この領域でハギンス定数を算出することはできない。し
かし、以下の条件に合致する場合はこのかぎりでない。
すなわち、該直線関係が成立するか否かに関しては、以
下のようにして判定する。図1において、最も高濃度の
測定点(Cn ) と最も低濃度の測定点(C 1 )とを直線
で結ぶ。さらに各測定点をなめらかな曲線で回帰する。
ここで直線と曲線の最も離れた距離(〔ηsp/c〕H
〔ηsp/c〕L )を求め、(〔ηsp/c〕H −〔ηsp
c〕L )/〔Cn −C1 〕が0.001以下であることを
もって直線と判定する。
【0049】本発明のエチレン/α−オレフィン共重合
体は、上述の特性を有しているものであればよいが、さ
らに好ましいものとしては、その溶融流動の活性化エネ
ルギー(Ea)が8〜20kcal/モル、一層好まし
くは8.5〜19kcal/モル、特に好ましくは9〜1
8kcal/モルの範囲のものである。この溶融流動の
活性化エネルギー(Ea)が8kcal/モル未満では
充分な加工特性が得られない傾向がある。なお、該溶融
流動の活性化エネルギー(Ea)は、温度150℃,1
70℃,190℃,210℃,230℃における動的粘
弾性の周波数依存性(10-2〜10-2 rod/se
c)を測定し、170℃を基準温度として温度−時間換
算則を用い、それぞれの温度におけるG’,G”のシフ
トファクターと絶対温度の逆数からアレニウスの式によ
り算出した値である。
【0050】このような特性を有する本発明のエチレン
/α−オレフィン共重合体は、通常以下に示す性状を有
している。すなわち、樹脂密度(D)は、通常0.86〜
0.97g/cm3 、好ましくは0.865〜0.960g/
cm3 、より好ましくは0.870〜0.955g/cm3
の範囲である。なお、該密度は、190℃の温度におい
てプレスシートを作成し、急冷したものを密度勾配管に
よって測定した値である。また、示差走査熱量計(DS
C)によって観測できる融点(Tm)は、通常50〜1
37℃、好ましくは55〜 136℃、より好ましくは5
8〜135℃の範囲であり、また、後述べする測定条件
で、実質的に融点(Tm)を示さないエチレン/α−オ
レフィン共重合体も含まれる。さらに、該DSCによっ
て観測できる結晶化エンタルピー(ΔH)は、通常式 0≦ΔH≦250 の関係を満たしている。なお、該結晶化エンタルピー
は、DSC(パーキンエルマー社製,DSC7型)を用
い、温度190℃で作成したプレスシートを、温度15
0℃で5分間溶融したのち、10℃/分の速度で−50
℃まで降温した際にみられる結晶化の発熱ピークより求
めた値であり、融点は、さらに10℃/分の速度で昇温
する際の融解の吸熱ピークの最大ピーク位置の温度より
求めた値である。
【0051】また、本発明のエチレン/α−オレフィン
共重合体においては、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフ(GPC)法〔装置:ウォーターズALC/GPC
150C,カラム:東ソー製,TSK HM+GMH
6×2,流量1.0ミリリットル/分,溶媒:1,2,4
−トリクロロペンゼン,135℃〕によって測定したポ
リエチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比Mw/Mnは、通常2.0〜150の範
囲にあり、成形や目的によって制御できる。一方、温度
135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕は、通
常0.01〜20デシリットル/g、好ましくは0.05〜
17デシリットル/g、より好ましくは0.1〜15デシ
リットル/gの範囲である。この〔η〕が0.01デシリ
ットル/g未満では力学的性質の発現が不充分である
し、20デシリットル/gを超えると加工特性が低下す
る。
【0052】さらに、本発明のエチレン/α−オレフィ
ン共重合体においては、通常分子末端にビニル型の不飽
和基が存在しており、この不飽和基は、温度190℃で
プレスシート(厚み100〜500μm)を作成し、こ
のものの赤外線吸収スペクトルの測定によって、容易に
同定及び定量することができる。 末端不飽和基の種類 吸収位置(cm-1) ビニレン基 963 ビニリデン基 888 ビニル基 907 該エチレン/α−オレフィン共重合体では、末端ビニル
基の生成割合は、上記不飽和基の総和に対して、通常3
0モル%以上、好ましくは40モル%以上、より好まし
くは50モル%以上である。なお、該末端ビニル基の量
は、式 n=0.114A907 /〔D・t〕 (ただし、nは100炭素当たりの末端ビニル基の個
数、A907 は907cm-1における吸光度、Dは樹脂密
度(g/cm3 )、tはフィルムの厚さ(mm)であ
る。)によって算出することができる。
【0053】一般に、末端の不飽和基量と分子量とは相
関関係にあることが知られているが、本発明のポリエチ
レンにおいては、末端ビニル型不飽和含有量(U)と、
デカリン中、温度135℃で測定した極限粘度〔η〕の
逆数とが、通常式 0≦U≦15×〔η〕-1 の関係にあり、好ましくは 0≦U≦14×〔η〕-1 より好ましくは 0≦U≦13×〔η〕-1 最も好ましくは 0≦U≦12×〔η〕-1 (ただし、Uは1000炭素当たりの末端ビニル基の個
数である)の関係にあるのが望ましい。
【0054】上記範囲の中で、末端ビニル基含有量の高
いエチレン/α−オレフィン共重合体については、該ビ
ニル基の変性により、ポリオレフィンの欠点である、接
着性,印刷性,塗装性,相溶化能,透湿性,バリアー性
といった各種機能を付与することが可能であり、同時に
分岐に基づく加工特性の向上が見込める。さらに、分岐
状マクロモノマーとして各種グラフト共重合体の製造に
用いることができる。一方、上記範囲の中で末端ビニル
基含有量の少ないエチレン/α−オレフィン共重合体に
ついては、熱安定性が向上し、分岐に基づく加工特性の
向上が見込める。また、接着,印刷性といった機能の付
与に関しては、末端ビニル基含有量の少ないエチレン/
α−オレフィン共重合体でも、実用上変性によって充分
機能を発揮する。本発明はまた、このような末端ビニル
型不飽和結合を含む、炭素−炭素不飽和結合を水添処理
してなるエチレン/α−オレフィン共重合体も提供する
ものであり、この水添処理によって該不飽和基を減少又
は消失したエチレン/α−オレフィン共重合体は、熱安
定性が向上したものとなる。
【0055】本発明のエチレン/α−オレフィン共重合
体(水添処理前エチレン/α−オレフィン共重合体,水
添処理後エチレン/α−オレフィン共重合体)は他の熱
可塑性樹脂に混合して用いることができる。他の熱可塑
性樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂,ポリス
チレン系樹脂,縮合系高分子重合体,付加重合系高分子
重合体などが挙げられる。該ポリオレフィン系樹脂の具
体例としては、高密度ポリエチレン;低密度ポリエチレ
ン;ポリ−3−メチルブテン−1;ポリ−4−メチルペ
ンテン−1;コモノマー成分としてブテン−1;ヘキセ
ン−1;オクテン−1;4−メチルペンテン−1;3−
メチルブテン−1などを用いて得られる直鎖状低密度ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン
−酢酸ビニル共重合体けん化物,エチレン−アクリル酸
共重合体,エチレン−アクリル酸エステル共重合体,エ
チレン系アイオノマー,ポリプロピレンなどが挙げられ
る。ポリスチレン系樹脂の具体例としては、汎用ポリス
チレン,アイソタクチックポリスチレン,ハイインパク
トポリスチレン(ゴム変性)などが挙げられる。縮合系
高分子重合体の具体例としては、ポリアセタール樹脂,
ポリカーボネート樹脂,ナイロン6,ナイロン6・6な
どのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポ
リブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポ
リフェニレンオキシド樹脂,ポリイミド樹脂,ポリスル
ホン樹脂,ポリエーテルスルホン樹脂,ポリフェニレン
スルフィド樹脂などが挙げられる。付加重合系高分子重
合体としては、例えば極性ビニルモノマーから得られた
重合体やジエン系モノマーから得られた重合体、具体的
にはポリメチルメタクリレート,ポリアクリロニトリ
ル,アクリロニトリル−ブタジエン共重合体,アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ジエン鎖を
水添したジエン系重合体、さらには熱可塑性エラストマ
ーなどが挙げられる。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
本発明のエチレン/α−オレフィン共重合体100重量
部に対して、他の熱可塑性樹脂あるいはエラストマーを
2〜500重量部、好ましくは3〜300重量部配合し
たものである。
【0056】本発明のエチレン/α−オレフィン共重合
体(水添処理前)は、エチレンと炭素数3〜20のα−
オレフィンを、前記した特性を有するエチレン/α−オ
レフィン共重合体が得られるような重合触媒の存在下に
重合させることにより、製造することができる。ここで
用いる炭素数3〜20のα−オレフィンについては特に
制限はないが、例えばプロピレン,1−ブテン,1−ペ
ンテン,1−ヘキセン,1−オクテン,1−デセン,1
−ドデセン,1−テトラデセン,1−ヘキサデセン,1
−オクタデセン,1−エイコセンなどの直鎖状α−オレ
フィン、3−メチル−1−ブテン,4−メチル−1−ペ
ンテンなどの分岐α−オレフィンなどが挙げられ、これ
らは一種用いてもよく、又二種以上を組み合わせて用い
てもよい。また、このような重合触媒としては、例えば
(A)遷移金属化合物及び(B)該遷移金属化合物又は
その派生物からイオン性錯体を形成しうる化合物を主成
分とするものを挙げることができる。該触媒における
(A)成分の遷移金属化合物としては、周期律表3〜1
0族に属する金属又はランタノイド系列の金属を含む遷
移金属化合物を使用することができる。上記遷移金属と
しては、チタニウム,ジルコニウム,ハフニウム,バナ
ジウム,ニオビウム,クロムなどが好ましい。
【0057】このような遷移金属化合物としては、種々
のものが挙げられるが、特に4族,5族,6族の遷移金
属を含む化合物を好適に使用することができる。特に一
般式 CpM1 1 a 2 b 3 c ・・・(I) Cp2 1 1 a 2 b ・・・(II) (Cp−Ae −Cp)M1 1 a 2 b ・・・(III) 又は一般式 M1 1 a 2 b 3 c 4 d ・・・(IV) で示される化合物やその誘導体が好適である。
【0058】前記一般式(I)〜(IV)において、M1
はチタン,ジルコニウム,ハフニウム,バナジウム,ニ
オビウム,クロムなどの遷移金属を示し、Cpはシクロ
ペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,イン
デニル基,置換インデニル基,テトラヒドロインデニル
基,置換テトラヒドロインデニル基,フルオレニル基又
は置換フルオレニル基などの環状不飽和炭化水素基又は
鎖状不飽和炭化水素基を示す。R1 ,R2 ,R3 及びR
4 はそれぞれ独立にσ結合性の配位子,キレート性の配
位子,ルイス塩基などの配位子を示し、σ結合性の配位
子としては、具体的には水素原子,酸素原子,ハロゲン
原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数1〜20の
アルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基,アルキル
アリール基若しくはアリールアルキル基、炭素数1〜2
0のアシルオキシ基,アリル基,置換アリル基,ケイ素
原子を含む置換基などを例示でき、またキレート性の配
位子としては、アセチルアセトナート基,置換アセチル
アセトナート基などを例示できる。Aは共有結合による
架橋を示す。a,b,c及びdはそれぞれ独立に0〜4
の整数、eは0〜6の整数を示す。R1 ,R2 ,R3
びR4 はその2以上が互いに結合して環を形成してもよ
い。上記Cpが置換基を有する場合には、該置換基は炭
素数1〜20のアルキル基が好ましい。(II)式及び
(III)式において、2つのCpは同一のものであっても
よく、互いに異なるものであってもよい。
【0059】上記(I)〜(III)式における置換シクロ
ペンタジエニル基としては、例えばメチルシクロペンタ
ジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基;イソプロ
ピルシクロペンタジエニル基;1,2−ジメチルシクロ
ペンタジエニル基;テトラメチルシクロペンタジエニル
基;1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基;1,
2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基;1,2,
4−トリメチルシクロペンタジエニル基;ペンタメチル
シクロペンタジエニル基;トリメチルシリルシクロペン
タジエニル基などが挙げられる。また、上記(I)〜
(IV)式におけるR 1 〜R4 の具体例としては、例えば
ハロゲン原子としてフッ素原子,塩素原子,臭素原子,
ヨウ素原子,炭素数1〜20のアルキル基としてメチル
基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−
ブチル基,オクチル基,2−エチルヘキシル基、炭素数
1〜20のアルコキシ基としてメトキシ基,エトキシ
基,プロポキシ基,ブトキシ基,フェノキシ基、炭素数
6〜20のアリール基,アルキルアリール基若しくはア
リールアルキル基としてフェニル基,トリル基,キシリ
ル基,ベンジル基、炭素数1〜20のアシルオキシ基と
してヘプタデシルカルボニルオキシ基、ケイ素原子を含
む置換基としてトリメチルシリル基、(トリメチルシリ
ル)メチル基、ルイス塩基としてジメチルエーテル,ジ
エチルエーテル,テトラヒドロフランなどのエーテル
類、テトラヒドロチオフェンなどのチオエーテル類、エ
チルベンゾエートなどのエステル類、アセトニトリル;
ベンゾニトリルなどのニトリル類、トリメチルアミン;
トリエチルアミン;トリブチルアミン;N,N−ジメチ
ルアニリン;ピリジン;2,2’−ビピリジン;フェナ
ントロリンなどのアミン類、トリエチルホスフィン;ト
リフェニルホスフィンなどのホスフィン類、鎖状不飽和
炭化水素として、エチレン;ブタジエン;1−ペンテ
ン;イソプレン;ペンタジエン;1−ヘキセン及びこれ
らの誘導体、環状不飽和炭化水素として、ベンゼン;ト
ルエン;キシレン;シクロヘプタトリエン;シクロオク
タジエン;シクロオクタトリエン;シクロオクタテトラ
エン及びこれらの誘導体などが挙げられる。また、上記
(III)式におけるAの共有結合による架橋としては、例
えば、メチレン架橋,ジメチルメチレン架橋,エチレン
架橋,1,1’−シクロヘキシレン架橋,ジメチルシリ
レン架橋,ジメチルゲルミレン架橋,ジメチルスタニレ
ン架橋などが挙げられる。
【0060】さらに、(A)成分として、前記一般式
(III)の中で、置換若しくは無置換の2個の共役シクロ
ペンタジエニル基(但し、少なくとも1個は置換シクロ
ペンタジエニル基である)が周期律表の14族から選ば
れる元素を介して互いに結合した多重配位性化合物を配
位子とする4族遷移金属化合物を好適に用いることがで
きる。このような化合物としては、例えば一般式(V)
【0061】
【化12】
【0062】で表される化合物又はその誘導体を挙げる
ことができる。前記一般式(V)中のY1 は炭素,ケイ
素,ゲルマニウム又はスズ原子,R5 t −C5 4-t
びR5 u −C5 4-u はそれぞれ置換シクロペンタジエ
ニル基、t及びuは1〜4の整数を示す。ここで、R5
は水素原子,シリル基又は炭化水素基を示し、互いに同
一であっても異なっていてもよい。また、少なくとも片
方のシクロペンタジエニル基には、Y1 に結合している
炭素の隣の少なくとも片方の炭素上にR5 が存在する。
6 は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素
数6〜20のアリール基、アルキルアリール基若しくは
アリールアルキル基を示す。M2 はチタン、ジルコニウ
ム又はハフニウム原子を示し、X1 は水素原子,ハロゲ
ン原子,炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基、アルキルアリール基若しくはアリールア
ルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基を示す。X
1 は互いに同一であっても異なっていてもよく、R6
互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0063】上記一般式(V)における置換シクロペン
タジエニル基としては、例えばメチルシクロペンタジエ
ニル基;エチルシクロペンタジエニル基;イソプロピル
シクロペンタジエニル基;1,2−ジメチルシクロペン
タジエニル基;1,3−ジメチルシクロペンタジエニル
基;1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基;
1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル基などが
挙げられる。X1 の具体例としては、ハロゲン原子とし
てF,Cl,Br,I、炭素数1〜20のアルキル基と
してメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピ
ル基,n−ブチル基,オクチル基,2−エチルヘキシル
基、炭素数1〜20のアルコキシ基としてメトキシ基,
エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基,フェノキシ
基、炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール基
若しくはアリールアルキル基としてフェニル基,トリル
基,キシリル基、ベンジル基などが挙げられる。R6
具体例としてはメチル基,エチル基,フェニル基,トリ
ル基,キシリル基、ベンジル基などが挙げられる。さら
に、一般式(VI)
【0064】
【化13】
【0065】で表される化合物も包含する。該一般式
(VI) の化合物において、Cpはシクロペンタジエニル
基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換
インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラ
ヒドロインデニル基、フルオレニル基又は置換フルオレ
ニル基などの環状不飽和炭化水素基又は鎖状不飽和炭化
水素基を示す。M3 はチタン、ジルコニウム又はハフニ
ウム原子を示し、X2 は水素原子、ハロゲン原子、炭素
数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール
基、アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基又
は炭素数1〜20のアルコキシ基を示す。ZはSi
7 2,CR7 2,SiR7 2SiR7 2,CR7 2CR7 2,CR
7 2CR7 2CR7 2,CR7 =CR7 ,CR7 2SiR7 2又は
GeR7 2を示し、Y 2 は−N(R8)−,−O−,−S−
又は−P(R8 )−を示す。上記R7 は水素原子又は2
0個までの非水素原子をもつアルキル,アリール,シリ
ル,ハロゲン化アルキル,ハロゲン化アリール基及びそ
れらの組合せから選ばれた基であり、R8 は炭素数1〜
10のアルキル若しくは炭素数6〜10のアリール基で
あるか、又は1個若しくはそれ以上のR7 と30個まで
の非水素原子の縮合環系を形成してもよい。wは1又は
2を示す。
【0066】本発明のエチレン/α−オレフィン共重合
体は各種の製造法により得られ、その方法は特に限定さ
れないが、これら触媒と重合条件を選択することにより
得られる。この際の触媒としては、アルコキシチタン化
合物、又は配位子間に架橋の存在するチタン,ジルコニ
ウム化合物が好適に用いられる。本発明で用いる重合触
媒においては、(A)成分の遷移金属化合物は、一種用
いてもよいし、二種以上を組合せて用いてもよい。一
方、該重合触媒において、(B)成分として用いられ
る、前記(A)成分の遷移金属化合物又はその派生物か
らイオン性の錯体を形成しうる化合物としては、(B−
1)該(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性
の錯体を形成するイオン性化合物と、(B−2)アルミ
ノキサンを例示することができる。該(B−1)成分の
化合物としては、前記(A)成分の遷移金属化合物と反
応してイオン性の錯体を形成しうるものであればいずれ
のものでも使用できるが、カチオンと複数の基が元素に
結合したアニオンとからなる化合物、特にカチオンと複
数の基が元素に結合したアニオンとからなる配位錯化合
物を好適に使用することできる。このようなカチオンと
複数の基が元素に結合したアニオンとからなる化合物と
しては、一般式 (〔L1 −R7 k+p (〔M4 1 2 ・・Zn (h-g)-q ・・(VII) 又は (〔L2 k+p (〔M5 1 2 ・・Zn (h-g)-q ・・(VIII) (但し、L2 はM6 ,R8 9 7 ,R10 3 C又はR11
7 である)(式中、L1 はルイス塩基、M4 及びM5
はそれぞれ周期律表の5族,6族,7族,8〜10族,
11族,12族,13族,14族及び15族から選ばれ
る元素、好ましくは13族,14族及び15族から選ば
れる元素、M6 及びM7 はそれぞれ周期律表の3族,4
族,5族,6族,7族,8〜10族,1族,11族,2
族,12族及び17族から選ばれる元素、Z1 〜Zn
それぞれ水素原子,ジアルキルアミノ基,炭素数1〜2
0のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリールオキシ
基,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のア
リール基,アルキルアリール基,アリールアルキル基、
炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基、炭素数1〜
20のアシルオキシ基、有機メタロイド基又はハロゲン
原子を示し、Z1 〜Zn はその2以上が互いに結合して
環を形成していてもよい。R7 は水素原子、炭素数1〜
20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基,アル
キルアリール基又はアリールアルキル基を示し、R8
びR9 はそれぞれシクロペンタジエニル基、置換シクロ
ペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、
10は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基,アル
キルアリール基又はアリールアルキル基を示す。R11
テトラフェニルポルフィリン,フタロシアニンなどの大
環状配位子を示す。gはM4 ,M5 の原子価で1〜7の
整数、hは2〜8の整数、kは〔L1 −R16〕,
〔L2 〕のイオン価数で1〜7の整数、pは1以上の整
数、q=(p×k)/(h−g)である。)で表される
化合物である。
【0067】ここで、上記L1 で示されるルイス塩基の
具体例としては、アンモニア,メチルアミン,アニリ
ン,ジメチルアミン,ジエチルアミン,N−メチルアニ
リン,ジフェニルアミン,トリメチルアミン,トリエチ
ルアミン,トリ−n−ブチルアミン,N,N−ジメチル
アニリン,メチルジフェニルアミン,ピリジン,p−ブ
ロモ−N,N−ジメチルアニリン,p−ニトロ−N,N
−ジメチルアニリンなどのアミン類、トリエチルフォス
フィン,トリフェニルフォスフィン,ジフェニルフォス
フィンなどのフォスフィン類、ジメチルエーテル,ジエ
チルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサンなどの
エーテル類、ジエチルチオエーテル,テトラヒドロチオ
フェンなどのチオエーテル類、エチルベンゾエートなど
のエステル類などが挙げられる。
【0068】また、M4 及びM5 の具体例としては、
B,Al,Si,P,As,Sbなど、好ましくはB又
はP,M6 の具体例としては、Li,Na,Ag,C
u,Br,Iなど、M7 の具体例としては、Mn,F
e,Co,Ni,Znなどが挙げられる。Z1 〜Zn
具体例としては、例えば、ジアルキルアミノ基としてジ
メチルアミノ基;ジエチルアミノ基、炭素数1〜20の
アルコキシ基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブト
キシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基としてフェ
ノキシ基;2,6−ジメチルフェノキシ基;ナフチルオ
キシ基、炭素数1〜20のアルキル基としてメチル基;
エチル基;n−プロピル基;イソプロピル基;n−ブチ
ル基;n−オクチル基;2−エチルヘキシル基、炭素数
6〜20のアリール基;アルキルアリール基若しくはア
リールアルキル基としてフェニル基;p−トリル基;ベ
ンジル基;4−t−ブチルフェニル基;2,6−ジメチ
ルフェニル基;3,5−ジメチルフェニル基;2,4−
ジメチルフェニル基;2,3−ジメチルフェニル基、炭
素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基としてp−フル
オロフェニル基;3,5−ジフルオロフェニル基;ペン
タクロロフェニル基;3,4,5−トリフルオロフェニ
ル基;ペンタフルオロフェニル基;3,5−ジ(トリフ
ルオロメチル)フェニル基、ハロゲン原子としてF,C
l,Br,I、有機メタロイド基として五メチルアンチ
モン基,トリメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,
ジフェニルアルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン
基,ジフェニル硼素基が挙げられる。R7 ,R10の具体
例としては先に挙げたものと同様なものが挙げられる。
8 及びR9 の置換シクロペンタジエニル基の具体例と
しては、メチルシクロペンタジエニル基,ブチルシクロ
ペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル
基などのアルキル基で置換されたものが挙げられる。こ
こで、アルキル基は通常炭素数が1〜6であり、置換さ
れたアルキル基の数は1〜5の整数である。上記一般式
(VII),(VIII)の化合物の中では、M4 ,M5 が硼素で
あるものが好ましい。この(B−1)成分である、該
(A)成分の遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体
を形成する化合物は一種用いてもよく、二種以上を組み
合わせて用いてもよい。また、該(A)成分の遷移金属
化合物及び上記(B−1)成分のイオン性の錯体を形成
しうる化合物からなる成分がポリカチオン錯体であって
もよい。一方、(B−2)成分のアルミノキサンとして
は、一般式(IX)
【0069】
【化14】
【0070】(式中、R12は炭素数1〜20、好ましく
は1〜12のアルキル基,アルケニル基,アリール基,
アリールアルキル基などの炭化水素基、sは重合度を示
し、通常3〜50、好ましくは7〜40の整数であ
る。)で表される鎖状アルミノキサン、及び一般式
(X)
【0071】
【化15】
【0072】(式中、R12及びsは前記と同じであ
る。)で表される環状アルミノキサンを挙げることがで
きる。前記一般式(IX)及び(X)の化合物の中で好ま
しいのは、重合度7以上のアルミノキサンである。この
重合度7以上のアルミノキサン又はこれらの混合物を用
いた場合には高い活性を得ることができる。また、一般
式(IX)及び(X)で示されるアルミノキサンを水など
の活性水素をもつ化合物で変性した通常の溶剤に不溶な
変性アルミノキサンも好適に使用することができる。
【0073】前記アルミノキサンの製造法としては、ア
ルキルアルミニウムと水などの縮合剤とを接触させる方
法が挙げられるが、その手段については特に制限はな
く、公知の方法に準じて反応させればよい。例えば有
機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これ
を水と接触させる方法、重合時に当初有機アルミニウ
ム化合物を加えておき、後に水を添加する方法、金属
塩などに含有されている結晶水、無機物や有機物への吸
着水を有機アルミニウム化合物と反応させる方法、テ
トラアルキルジアルミノキサンにトリアルキルアルミニ
ウムを反応させ、さらに水を反応させる方法、アルミ
ノキサンを水又はアルコールで処理して、一般溶剤に不
溶にさせる方法などがある。これらのアルミノキサンは
一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0074】本発明においては、該(B)触媒成分とし
て、前記(B−1)成分のみを用いてもよいし、(B−
2)成分のみを用いてもよく、また(B−1)成分と
(B−2)成分とを併用してもよい。本発明で用いられ
る重合触媒においては、所望により、(C)成分とし
て、一般式(XI) R12 r AlQ3-r ・・・ (XI) (式中、R12は前記と同じであり、Qは水素原子、炭素
数1〜20のアルコキシ基又はハロゲン原子を示し、r
は1〜3の数である。)で表される有機アルミニウム化
合物を用いることができる。特に、(B)成分として
(B−1)として示した(A)成分の遷移金属化合物と
反応してイオン性の錯体を形成する化合物を用いる場合
に、(C)有機アルミニウム化合物を併用することによ
って高い活性を得ることができる。
【0075】次に、本発明においては、前記(A),
(B)及び所望に応じて用いられる(C)触媒成分の少
なくとも一種を適当な担体に担持して用いることができ
る。該担体の種類については特に制限はなく、無機酸化
物担体、それ以外の無機担体及び有機担体のいずれも用
いることができるが、特に無機酸化物担体あるいはそれ
以外の無機担体が好ましい。無機酸化物担体としては、
具体的には、SiO2 ,Al2 3 ,MgO,Zr
2 ,TiO2 ,Fe2 3 ,B2 3 ,CaO,Zn
O,BaO,ThO2 やこれらの混合物、例えばシリカ
アルミナ,ゼオライト,フェライト,グラスファイバー
などが挙げられる。これらの中では、特にSiO2 ,A
2 3 が好ましい。なお、上記無機酸化物担体は、少
量の炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩などを含有してもよい。
【0076】一方、上記以外の無機担体として、MgC
2 ,Mg(OC2 5)2 などのマグネシウム化合物や
その錯塩、あるいはMgR13 i 3 j で表される有機マ
グネシウム化合物などを挙げることができる。ここで、
13は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20の
アルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基、X3
ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、
iは0〜2、jは0〜2である。また、有機担体として
は、ポリスチレン,ポリエチレン,ポリプロピレン,置
換ポリスチレン,ポリアリレートなどの重合体やスター
チ,カーボンなどを挙げることができる。ここで、用い
られる担体の性状は、その種類及び製法により異なる
が、平均粒径は通常1〜300μm、好ましくは10〜
200μm、より好ましくは20〜100μmである。
【0077】粒径が小さいと重合体中の微粉が増大し、
粒径が大きいと重合体中の粗大粒子が増大し嵩密度の低
下やホッパーの詰まりの原因になる。また、担体の比表
面積は、通常1〜1000m2 /g、好ましくは50〜
500m2 /g、細孔容積は通常0.1〜5cm3 /g、
好ましくは0.3〜3cm3 /gである。比表面積又は細
孔容積のいずれかが上記範囲を逸脱すると、触媒活性が
低下することがある。なお、比表面積及び細孔容積は、
例えばBET法に従って吸着された窒素ガスの体積から
求めることができる(ジャーナル・オブ・アメリカン・
ケミカル・ソサィエティ,第60巻,第309ページ
(1983年)参照)。さらに、上記担体は、通常15
0〜1000℃、好ましくは200〜800℃で焼成し
て用いることが望ましい。担体に担持させる方法につい
ては特に制限はなく、従来慣用されている方法を用いる
ことができる。
【0078】次に、本発明における各触媒成分の使用割
合について説明する。触媒成分として(1)(A)成分
と(B−1)成分とを用いる場合には、(A)成分/
(B−1)成分モル比が1/0.1〜1/100、好まし
くは1/0.5〜1/10、より好ましくは1/1〜1/
5の範囲にあるように両成分を用いるのが望ましい。
(2)(A)成分と(B−1)成分と(C)成分とを用
いる場合には、(A)成分/(B−1)成分モル比は前
記(1)の場合と同様であるが、(A)成分/(C)成
分モル比は1/2000〜1/1、好ましくは1/10
00〜1/5、より好ましくは1/500〜1/10の
範囲にあるのが望ましい。
【0079】また、(3)(A)成分と(B−2)成分
とを用いる場合には、(A)成分/(B−2)成分モル
比が1/20〜1/10000、好ましくは1/100
〜1/5000、より好ましくは1/200〜1/20
00の範囲にあるように両成分を用いるのが望ましい。
(4)(A)成分と(B−2)成分と(C)成分とを用
いる場合には、(A)成分/(B−2)成分モル比は前
記(3)の場合と同様であるが、(A)成分/(C)成
分モル比は1/2000〜1/1、好ましくは1/10
00〜1/5、より好ましくは1/500〜1/10の
範囲にあるのが望ましい。また、重合方法については特
に制限はなく、不活性炭化水素などを用いる溶媒重合法
(懸濁重合,溶液重合)又は実質上不活性炭化水素溶媒
の存在しない条件で重合する塊状重合法、気相重合法も
利用できる。
【0080】重合に際して使用される炭化水素系溶媒と
しては、例えばブタン,ペンタン,ヘキサン,ヘプタ
ン,オクタン,ノナン,デカン,シクロペンタン,シク
ロヘキサンなどの飽和炭化水素、ベンゼン,トルエン,
キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロホルム,ジクロ
ロメタン,二塩化エチレン,クロロベンゼンなどの塩素
含有溶媒などが挙げられる。重合温度としては、−10
0〜200℃、重合圧力としては常圧〜100kg/c
2 で行うのが一般的であるが、好ましくは−50〜1
00℃、常圧〜50kg/cm2 、さらに好ましくは0
〜100℃、常圧〜20kg/cm2 の範囲である。得
られる重合体の分子量制御は、通常用いられる方法によ
って行えばよい。例えば水素,温度,モノマー濃
度,触媒濃度などで制御することができる。
【0081】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
【0082】実施例1 (1)触媒成分の調製 100ミリリットルナスフラフコを乾燥窒素置換したの
ち、トルエン30ミリリットル,n−ブチルリチウムの
ヘキサン溶液(1.66モル/リットル)3.6ミリリット
ルを入れ、−78℃に冷却した。これにシクロペンタノ
ール0.56gをし滴下し、その後60分かけて−50℃
に昇温した。これに、ペンタメチルシクロペンタジエン
トリクロリドチタニウムのトルエン溶液(0.0769モ
ル/リットル)26ミリリットルを60分にわたり滴下
した。さらに、−25℃まで昇温し、120分間反応を
行ったのち、20℃に昇温し、24時間放置した。反応
溶液は淡黄色であり、下部に塩化リチウムの白色沈澱を
生成した。 (2)メチルアルミノキサンの調製 アルゴン置換した内容積500ミリリットルのガラス製
容器に、トルエン200ミリリットル,硫酸銅5水塩
(CuSO4 ・5H2 O)17.8g(71ミリモル)及
びトリメチルアルミニウム24ミリリットル(250ミ
リモル)を入れ、40℃で8時間反応させた。その後、
固体成分を除去して得られた溶液から、さらにトルエン
を減圧留去して触媒生成物(メチルアルミノキサン)6.
7gを得た。さらに、これを120℃、減圧下で10時
間熱処理を実施し、トルエンに溶解分散した。 (3)エチレン/ブテン−1共重合体の製造 攪拌装置付の1リットルフラスコに窒素雰囲気下、トル
エン300ミリリットル,上記(2)で調製したメチル
アルミノキサン30ミリモルを添加した。これを60℃
に昇温し、常圧流通条件でエチレンガスを導入し飽和し
た。さらにブテン−1を連続的に供給開始した。これ
に、上記(1)で調製した触媒成分の溶液部分のみ9ミ
リリットルを投入した。60℃に反応温度を制御し、連
続的にエチレン,ブテン−1を供給しながら、120分
間重合を実施した。この際、供給したブテン−1の総量
は5.5gであった。重合終了後、多量のメタノールに投
入し、洗浄後、減圧乾燥によってエチレン/ブテン−1
共重合体15.4gを得た。
【0083】 (4)エチレン/ブテン−1共重合体の評価 (a)ハギンス定数の測定 上記(3)で得た共重合体0.0444gをデカリン15.
691gに135℃で溶解した。この際のポリマー濃度
は、デカリンの135℃での密度を0.79055g/ミ
リリットルとして0.2237g/デシリットルであり、
またウベローデ型粘度計で測定した135℃での還元粘
度は2.778デシリットル/gであった。さらに、この
粘度測定を、上記ポリマー溶液を母液とし、デカリン希
釈しながら同様に実施し、ほぼ等間隔で6点行った。こ
れより決定したハギンス定数は0.494で、極限粘度
〔η〕は2.22デシリットル/gであり、相関係数は0.
998であった。また、四塩化チタン/トリエチルアル
ミニウム触媒系で製造した〔η〕が2.22デシリットル
/gの直鎖状のエチレン重合体のハギンス定数は0.36
5、その比は1.35であった。さらに、四塩化チタン/
トリエチルアルミニウム触媒系で製造した〔η〕が2.2
2デシリットル/gのエチレン/ブテン−1共重合体の
ハギンス定数は0.410であり、その比は1.21であっ
た。
【0084】(b)NMRによる構造解析13 C−NMR〔測定温度130℃,溶媒1,2,4−ト
リクロロベンゼン/重ベンゼン(モル比8/2),10
0MHz〕の測定を行った。その結果を図2に示す。L
DPEに認められる四級炭素近傍のメチル基8.15pp
mに吸収は認められず、11.14ppmにエチル分岐を
認めた。また、38〜39ppmにメチン炭素,34〜
36ppmにメチレン炭素が存在することからみて、長
鎖分岐も存在すると考えられる。 (c)熱的挙動の評価 190℃で熱プレスして得られたシートをサンプルとし
て用い、Perkin Elmer社製DSC7示差走査熱量計によ
り、測定した。150℃で5分間溶融したのち、10℃
/分の速度で−50℃まで降温し、この過程で観察され
る結晶化の発熱ピークより、結晶化エンタルピー(Δ
H)を算出した。また、さらに10℃/分の速度で昇温
し、この過程でみられる吸熱ピークより融点(Tm)を
求めた。その結果、ΔH,Tmは観測されず、非晶体で
あった。
【0085】(d)密度の測定 190℃で熱プレスして成形した試料を用い、密度勾配
管法により測定した。その結果密度は0.886g/ミリ
リットルであった。また、試料のアニーリング処理は実
施しなかった。 (e)末端ビニル基の測定 厚さ100μmのプレスシートを作成し、透過赤外線吸
収スペクトルを測定した。907cm-1付近の末端ビニ
ル基に基づく吸光度(A907)とフィルム厚(t),樹脂
密度(D)より、次式 n=0.114A907 /〔D・t〕 (ただし、D:g/cm3 ,t:mm,n:炭素100
個当たりのビニル基個数)に従って求めた。その結果末
端ビニル基量は0.67個/1000炭素であった。
【0086】(f)分子量分布の測定 装置:ウォーターズALC/GPC150C,カラム:
東ソー製,TSK HM+GMH6×2,溶媒:1,
2,4−トリクロロベンゼン,温度:135℃,流量:
1ミリリットル/分の条件にてGPC法により、ポリエ
チレン換算で分子量の測定を行った。その結果、重量平
均分子量と数平均分子量の比Mw/Mnは3.05であ
り、重量平均分子量(Mw)は153,000であった。 (g)溶融流動の活性化エネルギー(Ea)の測定 装置としてRheometrics 社製,RMS E−605を用
い、以下の方法に従って溶融流動の活性化エネルギー
(Ea)を測定した。すなわち、測定温度150℃,1
70℃,190℃,210℃,230℃における動的粘
弾性の周波数依存性(10-2〜10-2rod/sec)
を測定し、170℃を基準温度にして、温度・時間換算
則を用いそれぞれの温度におけるG’,G”のシフトフ
ァクターと絶対温度の逆数からアレニウス式により、活
性化エネルギー(Ea)を算出した。その結果、活性化
エネルギー(Ea)は12.0kcal/モルであった。
なお、HDPEのEaは6.3kcal/モルである
〔「ポリマー・エンジニアリング・サイエンス(Polym.
Eng. Sci.)」第8巻,第235ページ(1968
年)〕。
【0087】 実施例2(エチレン/ブテン−1共重合体) 1リットル容攪拌装置付き耐圧オートクレーブに窒素雰
囲気下、トルエン400ミリリットル,トリイソブチル
アルミニウムのトルエン溶液(2モル/リットル)0.2
5ミリリットル,実施例1(2)で調製したメチルアル
ミノキサン30ミリモルを加え、70℃に昇温した。こ
れにブテン−1を3.26g投入し、5分間攪拌したの
ち、さらにエチレンを9.0kg/cm2 Gの分圧で飽和
し、次いで実施例1(1)で調製した触媒成分9ミリリ
ットルをバランスラインを介して投入し、重合を開始し
た。全圧が9.6kg/cm2 Gとなるようにエチレン圧
で制御し、60分間重合を行った。重合終了後、ポリマ
ーを回収した。その結果を第2表に示す。
【0088】 実施例3(エチレン/オクテン−1共重合体) 実施例2において、ブテン−1の代わりにオクテン−1
を2ミリリットル用い、かつ実施例1(2)で調製した
メチルアルミノキサンを10ミリモル、実施例1(1)
で調製した触媒成分を1.5ミリリットル、エチレン圧を
7.5kg/cm 2 G、重合温度を70℃とした以外は、
実施例2と同様に実施した。結果を第2表に示す。
【0089】 実施例4(エチレン/ブテン−1共重合体) 実施例1(2)において、トリイソブチルアルミニウム
のトルエン溶液(2モル/リットル)0.25ミリリット
ルを、トルエン溶媒投入後、重合系に添加し、かつメチ
ルアルミノキサンの代りにテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸アニリニウム0.4ミリモルを添加した以
外は、実施例1と同様にしてエチレン/ブテン−1共重
合体を製造した。その結果を第2表に示す。
【0090】
【表2】
【0091】 (注)k1 :実施例に示した共重合体のハギンス定数 k2 :同一〔η〕を有する直鎖状エチレン重合体のハギ
ンス定数 k3 :同一〔η〕を有する直鎖状エチレン/α−オレフ
ィン共重合体(密度は、本実施例と実質同じ)のハギン
ス定数 Tm:融点 ΔH:結晶化エンタルピー Mw:重量平均分子量 Mn:数平均分子量 *1:8.15ppm吸収、11.14ppmにエチル分岐 *2:8.15ppm吸収なし、14.02ppmにヘキシ
ル分岐
【0092】実施例5 実施例3で製造したエチレン/オクテン−1共重合体を
デカリン溶媒中、温度140℃,該重合体濃度2wt
%,水素分圧30kg/cm2 G,カーボン担持ルテニ
ウム触媒(Ru含有量5wt%)濃度4wt%,反応時
間6時間の条件下にて水素添加した。次いで、得られた
重合体を反応溶液より単離した。厚さ300μmのプレ
スシートを作成し、赤外線吸収スペクトルを測定したと
ころ、885〜970cm-1の範囲に存在する不飽和基
の吸収は認められなかった。
【0093】実施例6 エチレン/ブテン−1共重合体(密度0.920g/cm
3 ,MI1.0g/10分)80重量%と実施例1のエチ
レン/ブテン−1共重合体20重量%とをラボブラスト
ミル〔東洋精機(株)製,内容積30ミリリットル〕を
用い、190℃,50rpmで5分間溶融混練して樹脂
組成物を得た。この樹脂組成物から厚さ100μmのフ
ィルムを作成した。得られたフィルムの物性は、次の通
りであった。 引張弾性率: 1,800kg/cm2 破断強度 : 370kg/cm2 伸 び : 690%
【0094】
【発明の効果】本発明のエチレン/α−オレフィン共重
合体は、エチレンとα−オレフィンとから誘導され、通
常のHDPE,L−LDPE,LDPEとは異なるもの
であって、溶融流動の活性化エネルギーの制御が可能で
あり、加工特性に優れる上、密度,融点,結晶性などの
物性をコントロールすることができ、さらには、末端ビ
ニル基を用いた各種変性が可能であるなどの特徴を有し
ている。また上記エチレン/α−オレフィン共重合体を
水添処理したものは、上記特性を有するとともに、熱安
定性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリマー濃度と還元粘度とが直線関係にあるか
どうかを判定するためのグラフである。
【図2】実施例1で得られたエチレン/ブンテ−1共重
合体の13C−NMRスペクトル図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンと炭素数3〜20のα−オレフ
    ィンとから誘導される共重合体において、同一極限粘度
    〔η〕を有する直鎖状エチレン重合体と該共重合体のデ
    カリン溶媒中、温度135℃で測定したハギンス定数
    (k)の比が、式 1.12<k1 /k2 ≦5 (ただし、k1 は該共重合体のハギンス定数、k2 は直
    鎖状エチレン重合体のハギンス定数を示す。)の関係を
    満足し、かつポリマー主鎖中に四級炭素を含まないこと
    を特徴とするエチレン/α−オレフィン共重合体。
  2. 【請求項2】 溶融流動の活性化エネルギー(Ea)が
    8〜20kcal/モルである請求項1記載のエチレン
    /α−オレフィン共重合体。
  3. 【請求項3】 デカリン溶媒中、温度135℃で測定し
    た極限粘度〔η〕の逆数と末端ビニル基含有量(U)と
    の関係が、式 0≦U≦15×〔η〕-1 (ただし、Uは1000炭素当たりの末端ビニル基の個
    数を示す。)を満足する請求項1又は2記載のエチレン
    /α−オレフィン共重合体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のエチレン/α−オレフィ
    ン共重合体を水素処理してなるエチレン/α−オレフィ
    ン共重合体。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のエチレ
    ン/α−オレフィン共重合体を含有してなる熱可塑性樹
    脂組成物。
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