JPH0729324B2 - 射出成形方法 - Google Patents

射出成形方法

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JPH0729324B2
JPH0729324B2 JP62249868A JP24986887A JPH0729324B2 JP H0729324 B2 JPH0729324 B2 JP H0729324B2 JP 62249868 A JP62249868 A JP 62249868A JP 24986887 A JP24986887 A JP 24986887A JP H0729324 B2 JPH0729324 B2 JP H0729324B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、発泡剤を用いた射出成形方法に関する。
〔従来の技術〕
従来の発泡成形用の射出成形機にあっては、例えば熱可
塑性プラスチック原料あるいは熱硬化性の樹脂などの射
出成形材料をスクリュを備えた加熱シリンダで溶かして
射出する射出機構と、金型を高圧で締付ける型締め機
構、これらを自動的に動かす制御機構より成り、樹脂を
ホッパから加熱シリンダ内へ落下させ、可塑化した樹脂
に発泡剤を混練し、スクリュを前進させて金型内に高圧
で注入し、発泡させて成形品を得る方法、即ち、成形材
料に発泡剤、例えばウレタンフォームや発泡ポリエチレ
ンなどを加え、スポンジ状のプラスチック成形品を作る
成形方法や、始めに表皮層になる形成材料を圧入し、後
から発泡剤入りの内部成形材料を圧入する所謂サンドイ
ッチ成形法等もあるが、これら従来の発泡成形では、下
記の如き欠点を有している。
(1)表面に発泡ガスが発生するため、程度の差こそあ
れ、外観が汚くなる。
(2)同じ厚みにあっては、ソリッド成形に比べ強度が
落ちるため製品が厚くなり、かつポーラス状のため熱伝
導度が悪くなって冷却時間が長くなる。
(3)発泡粒の均一性がとりにくいので変形しやすく、
また収縮率が一定でないため、寸法が出しにくい。
(4)ショートショット発泡成形法にあっては、有効発
泡圧が低いので、2mm以下の薄肉部に入りにくく、複雑
形状品には対応することができない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は上述した如き事情に鑑み、過大な射出圧力及び
保圧力をかけることなく、薄肉成形ができ、かつ成形品
の外観を奇麗に仕上げることができるほか、サイクルタ
イムの短縮も可能となる射出成形方法を提供することに
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記問題点を解決するための本発明の射出成形方法は、
可塑化中に加熱シリンダ内では発泡反応を生起すること
なく溶融樹脂中に混在し、金型内に注入後金型内の冷却
速度の速い部分の溶融樹脂温度では発泡せず、冷却速度
の遅い部分の溶融樹脂温度で発泡するように、発泡反応
を生起するための所要温度及び所要保持時間を選択乃至
調整した発泡剤を溶融樹脂に混練分散させた状態で、前
記金型内に注入し、前記金型内での溶融樹脂の冷却速度
の差により発泡反応に差を付与して成形することを特徴
としている。
〔作用〕
加熱シリンダ内のスクリュ内部では樹脂は溶けるが発泡
剤は分解温度より低く発泡には致っておらず溶融樹脂と
混練され、金型内に射出すると、剪断発熱等により、樹
脂温度及び発泡剤の温度が上昇する。このとき、発泡に
至るまでに時間を要するので、充填直後までは発泡しな
いで、発泡に要する時間経過後、金型内部の徐冷領域で
のみ発泡する。従って、金型表面に近い部分や薄肉部で
は急冷されて発泡せず、徐冷領域でのみ発泡することに
より、この発泡時の発泡圧力によって金型内の溶融樹脂
は内部から膨張させられ、樹脂の冷却の収縮によるひけ
が出にくくなり、外観の奇麗なしかも強度も低下しない
成形品が得られる。また金型への充填圧力を小さくでき
るので、ソリやバリも低減することが可能となる。
〔実施例〕
以下、図面により本発明の一実施例としての射出成形方
法について説明すると、第1図は本発明を実施するに好
適な射出成形機を示す概略図で、図中、1は射出用の加
熱シリンダ、2はスクリュ、3はノズル、4はスプル、
5はランチ、6はゲート、7は金型の製品部であって、
これら各要素から成形機本体が構成されている。
そして前記成形機本体部分に、成形材料としての樹脂及
び発泡剤供給用のホッパ8が付設されている。
また、前記発泡剤としては、金型の製品部7の溶融樹脂
の冷却速度の差により、つまり冷却速度の速い部分の樹
脂温度(急冷された溶融樹脂の温度)では発泡すること
がなく、冷却速度の遅い部分の樹脂温度(徐冷された溶
融樹脂の温度)で発泡するように、発泡反応を生起する
ための所要温度及び所要保持時間を調整した発泡剤を用
いる。
具体的には、例えば発泡剤そのものが高温(冷却速度の
遅い部位の樹脂温度)状態でないと発泡反応しないもの
(例えば分解温度245℃のヒドラゾジカルボンアミドや
分解温度205℃のアゾジカルボンアミド)などを用い
る。
次にこの実施例における射出成形の操作について説明す
る。
第1図において、まず、金型の製品部を型締めした後、
ホッパ8から成形材料(ペレット)と発泡剤を送り、加
熱シリンダ1内でスクリュ2の回転により混練し、ノズ
ル3より溶融樹脂を射出し、溶融樹脂に発泡剤を混入さ
せるようにしたものである。
つまり、本実施例では、溶融樹脂の射出と発泡剤の供給
を同軸上で行ない、この同軸上(スプル4)を流れる溶
融樹脂に発泡剤を垂直方向から直接混入している。
そして、発泡剤が混入された溶融樹脂は図示しないキャ
ビティ内に圧入され、以後従来の一般的方法に従って、
図示しないキャビティ内の発泡剤の混入された溶融樹脂
を冷却固化した後、離型する。
尚、第1図中符号Iはスクリュ供給部領域を示し、符号
IIはスクリュ圧縮部領域を示し、符号IIIはスクリュ計
量部領域を示し、符号IVはノズル領域部を示し、さらに
符号Vはスプル領域、符号VIはランナ及び第2スプル領
域、符号VIIはゲート領域、符号VIIIは金型の製品部領
域をそれぞれ示している。
また、第2図中の符号I,II,III,IV,V,VI,VII,VIIIは樹
脂及び発泡剤の温度経過を第1図の各同一符号領域に対
応して示したものであり、符号IXは発泡領域を示し、符
号Kは発泡剤分解温度を示し、符号Lは発泡に要する時
間を示している。
第3図は温度依存による加熱分解ガス曲線を示してお
り、符号A,B,Cは化学構造その物を変えることによる差
を示し、A1,A2,A3は例えば尿素系の助剤を混入すること
による微調整の差を示し、同様にB1,B2,B3及びC1,C2,C3
も助剤混入による差をそれぞれ示している。また符号M
は完全発泡に至った曲点を示している。
第4図は異なった発泡材X,Y,Zにおける時間依存による
加熱分解ガス曲線を示し、これにより発泡に要する時間
を調整できることを示している。
前記冷却固化の工程において、加熱シリンダ1のスクリ
ュ2内では第2の領域I,II,IIIに示すように、発泡剤の
分解温度Kより低いので、発泡に至らず、金型内に射出
すると、剪断発熱により樹脂温度及び発泡温度が上昇す
るが、第4図に示す如く発泡に至るまでに時間を要する
ため、製品部7への充填直後までは発泡せず、発泡に要
する時間L経過後に、金型内部の徐冷領域では第2図の
発泡領域IXでのみ発泡することになる。
即ち、第2図破線で示すように金型表面に近い部分の薄
肉部では急冷されるので、発泡剤を溶融するに至らず、
発泡剤は発泡反応しないまま樹脂と一体に固化し、従っ
て、成形品の外観は非発泡樹脂と同様に奇麗に保持さ
れ、かつ強度も低下することがない。一方、厚肉部の徐
冷領域では第2図の発泡領域IXの如く、徐冷されるため
温度が下がりにくいので発泡剤が溶融し発泡することに
なる。この発泡時の発泡圧力によって、通常の非発泡樹
脂の成形時に生じる先に固化した内部の樹脂の冷却によ
る収縮によって引込まれるひけを発生しにくくするほ
か、金型への充填圧力も小さくできるので、バリやソリ
も低減することができる。
〔発明の効果〕
本発明の射出成形方法は、下記の如き効果を奏する。
(1)表面は発泡しない状態で固化するため、外観の奇
麗なしかも強度低下のない成形品を得ることができる。
(2)全体発泡せず、しかも充填中及び直後は発泡しな
いため、ソリッド成形と同様に薄肉部まで成形できるの
で、複雑形状品にも対応することができ、サイクルタイ
ムも短縮することができる。
(3)発泡剤にコーティング等をほどこすことがないの
で作りやすく、またスクリュ内で均一に混練しやすくな
る。
(4)ひけの発生がないため過充填する必要がなく、低
型内でひけ、バリ、ソリが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る射出成形方法を実施するに好適な
射出成形機の一実施例を示す概要図、第2図は射出充填
・冷却工程における樹脂及び発泡剤の温度経過を示す関
係図、第3図は温度依存による加熱分解ガス曲線図、第
4図は時間依存による加熱分解ガス曲線図である。 1……加熱シリンダ、2……スクリュ、3……ノズル、
4……スプル、5……ランナ、6……ゲート、7……製
品部、8……ホッパ、I……スクリュ供給部領域、II…
…スクリュ圧縮部領域、III……スクリュ計量部領域、I
V……ノズル領域、V……スプル領域、VI……ランナ及
び第2スプル領域、VII……ゲート領域、VIII……製品
部領域、IX……発泡領域、A,B,C……化学構造別による
発泡剤、A1,A2,A3,B1,B2,B3,C1,C2,C3……助剤、K……
発泡剤分解温度、L……発泡に要する時間、M……完全
発泡に至った曲点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可塑化中に加熱シリンダ内では発泡反応を
    生起することなく溶融樹脂中に混在し、金型内に注入後
    金型内の冷却速度の速い部分の溶融樹脂温度では発泡せ
    ず、冷却速度の遅い部分の溶融樹脂温度で発泡するよう
    に、発泡反応を生起するための所要温度及び所要保持時
    間を選択乃至調整した発泡剤を溶融樹脂に混練分散させ
    た状態で、前記金型内に注入し、前記金型内での溶融樹
    脂の冷却速度の差により発泡反応に差を付与して成形す
    ることを特徴とする射出成形方法。
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