JPH07292744A - でん部洗浄装置及び安全弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 でん部洗浄装置において、洗浄用ノズルから
高温の温水が吐出してしまうことを防止する。 【構成】 主制御弁７と三方切替弁８との間の配管１１
中に安全弁１６を設ける。安全弁１６は、これの流路内
の温度が一定温度、例えば４５℃以上になると、流路を
閉鎖する構成とする。湯供給部５において温度調整手段
が故障して高温の温水が安全弁１６側に流れた場合、安
全弁１６において流路を閉鎖することにより、高温の温
水が第１または第２の洗浄用ノズル９または１０から吐
出することを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗浄用ノズルから温水
を吐出させる便器用のでん部洗浄装置及びこのでん部洗
浄装置に用いられる安全弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、ホテルや一般家庭の便器において
は、でん部を温水で洗浄するでん部洗浄装置が設けられ
るようになってきている。例えばホテルにおいて使用さ
れるでん部洗浄装置は、概略的には次のような構成とな
っている。

【０００３】すなわち、ボイラーから供給される高温の
湯と水道水とを混合すると共に、温度調整手段、例えば
サーモスタットにより湯の温度を調整して供給する湯供
給手段と、この湯供給手段と配管を介して接続された洗
浄用ノズルと、前記配管中に設けられた主制御弁と、操
作スイッチを有する操作パネルとを備えていて、操作ス
イッチの操作に基づき主制御弁を開放させることによ
り、湯供給手段から供給される温水（約４０℃）が洗浄
用ノズルから吐出される構成となっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来構成において、温度調整手段であるサーモスタットが
故障した場合、湯供給手段から供給される温水の温度が
調整されず、洗浄用ノズルから例えば４５℃以上の高温
の温水が吐出してしまい、使用者がやけどしてしまうお
それがある。

【０００５】そこで、本発明の第１の目的は、洗浄用ノ
ズルから高温の温水が吐出してしまうことを防止できる
でん部洗浄装置を提供することにあり、また、本発明の
第２の目的は、この第１の目的を達成するのに好適する
でん部洗浄装置用の安全弁を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１のでん部洗浄装
置は、温度調整手段を有する湯供給手段と、この湯供給
手段と配管を介して接続された洗浄用ノズルと、操作手
段とを備え、前記操作手段の操作に基づき前記湯供給手
段から供給される温水を前記洗浄用ノズルから吐出させ
る構成のでん部洗浄装置において、前記湯供給手段と洗
浄用ノズルとの間の配管中に、流路内の温水の温度が一
定温度以上となったときに流路を閉鎖する安全弁を設け
たことを特徴とするものである。

【０００７】請求項２のでん部洗浄装置用安全弁は、両
端が開放された流路を有すると共にその流路中に弁口を
有する筒状をなすボデーと、前記弁口を開放する開放位
置とその弁口を閉鎖する閉鎖位置との間を移動するよう
に設けられた弁体と、前記ボデーの流路内の温度が一定
温度以上となったときに前記弁体を閉鎖位置へ移動させ
る形状記憶合金製のばね部材とを具備する構成としたも
のである。

【０００８】また、請求項３のでん部洗浄装置用安全弁
は、両端が開放された流路を有した筒状のボデーと、弁
口を有し前記ボデーの内部に装着されたガイド部材と、
このガイド部材に取り付けられ、前記弁口を開放する開
放位置とその弁口を閉鎖する閉鎖位置との間で移動が可
能な弁体と、前記ガイド部材に取り付けられ、前記ボデ
ーの流路内の温度が一定温度以上となったときに前記弁
体を閉鎖位置へ移動させる形状記憶合金製のばね部材と
を具備する構成としたものである。

【０００９】

【作用】請求項１のでん部洗浄装置においては、湯供給
手段と洗浄用ノズルとの間の配管中に安全弁が設けられ
ており、この安全弁の流路内の温水の温度が一定温度以
上になると、その流路が閉鎖されるから、高温の温水が
洗浄用ノズルから吐出されることを防止できる。

【００１０】請求項２の安全弁は、でん部洗浄装置にお
いて湯供給手段と洗浄用ノズルとの間の配管中に設けら
れ、この安全弁の流路内の温水の温度が一定温度以上に
なると、形状記憶合金製のばね部材がこれに応動して弁
体を閉鎖位置へ移動させることにより流路が閉鎖される
から、高温の温水が洗浄用ノズルから吐出されることを
防止できる。

【００１１】請求項３の安全弁は、請求項２の安全弁と
同様に作用する。また、請求項３の安全弁によれば、弁
口を有するガイド部材をボデーとは別部材にて構成する
と共に、このガイド部材に弁体とばね部材とを取り付け
てユニット化し、このユニットをボデーに組み付ける構
成とすることにより、組立て性の向上を図ることができ
る。

【００１２】

【実施例】以下、本発明をホテル等の便器に用いられる
でん部洗浄装置に適用した第１実施例につき、図１ない
し図４を参照して説明する。図２には便器１の外観が示
されている。この図２において、便器１に設置された便
座２にはユニットケース３が設けられており、このユニ
ットケース３に、図１に示すでん部洗浄装置４が設けら
れている。

【００１３】このでん部洗浄装置４は、概略的には、湯
供給手段を構成する湯供給部５と、この湯供給部５から
供給される温水の圧力を低減する減圧弁６と、主制御弁
７と、三方切替弁８と、この三方切替弁８の２個の出口
８ａ，８ｂ側に接続されたでん部洗浄用の第１の洗浄用
ノズル９及び女性専用の第２の洗浄用ノズル１０と、こ
れら各部材間を接続する配管１１と、操作手段を構成す
る複数個のスイッチ１２を有する操作パネル１３（図２
参照）とから構成されている。スイッチ１２としては、
例えばシャワースイッチ、チャームスイッチ、ストップ
スイッチ等がある。

【００１４】上記湯供給部５は、ボイラー１４ａと水道
１４ｂとに接続されていると共に、温度調整手段として
例えばサーモスタット（図示せず）を備えていて、ボイ
ラー１４ａから供給される高温の湯と水道１４ｂから供
給される水道水とを混合すると共に、サーモスタットに
より湯の温度を調整して、約４０℃の温水を供給する構
成となっている。

【００１５】上記主制御弁７は、上記操作パネル１３に
設けられたスイッチ１２のうち、シャワースイッチまた
はチャームスイッチの操作に基づき開放することによ
り、湯供給部５から供給される温水を三方切替弁８側へ
流す。三方切替弁８は、シャワースイッチが操作された
ときには温水を第１の洗浄用ノズル９側へ流し、チャー
ムスイッチが操作されたときには温水を第２の洗浄用ノ
ズル１０側へ流すように選択的に切り替える。第１及び
第２の洗浄用ノズル９及び１０は、図２に示されたノズ
ル出入口１５から出入りするようになっている。

【００１６】さて、上記主制御弁７と三方切替弁８との
間の配管１１中には、図３及び図４に示す安全弁１６が
設けられている。この安全弁１６は次のような構成とな
っている。すなわち、筒状をなすボデー１７は、両端が
開放された流路１８を有すると共にその流路１８中に弁
口１９を一体に有していて、例えば真ちゅうにより形成
されている。このボデー１７の外周部の左右両端部に
は、おねじ部１７ａ，１７ｂが形成されており、このお
ねじ部１７ａ，１７ｂを介して配管１１と接続される。

【００１７】このボデー１７の流路１８中には、弁口１
９とは反対側（流路１８の入口１８ａ側）に位置させて
ガイド部材２０が止めリング２１により抜け止め状態に
取り付けられている。このガイド部材２０は、中央部に
筒部２２を有していると共に、この筒部２２の回りに複
数個の開口部２３を有していて、例えばＰＯＭ樹脂（ポ
リアセタール樹脂）により形成されている。

【００１８】ガイド部材２０の筒部２２には、弁体２４
が移動可能に挿通されている。この弁体２４は、一端側
（流路１８の出口１８ｂ側）に弁口１９を開閉する弁本
体部２５を一体に有している。弁本体部２５にはゴム製
のＯリング２６が取着され、また、弁体２５の他端側
（流路１８の入口１８ａ側）には、ばね受け部材２７が
取着されていて、図３に示す開放位置と図４に示す閉鎖
位置との間を移動するようになっている。

【００１９】そして、ばね受け部材２７とガイド部材２
０との間には、例えばニッケルとチタンの合金から成る
コイル状をなす形状記憶合金製のばね部材２８が配設さ
れている。このばね部材２８は、流路１８内を通る温水
の温度が一定温度、例えば４５℃以上となった場合に、
図４に示すように伸長状態となって弁体２５を閉鎖位置
へ移動させる構成となっている。

【００２０】次に上記構成の作用を説明する。通常の場
合には、使用者が便座２に座った状態で、操作パネル１
３のスイッチ１２のうちシャワースイッチが操作される
と、主制御弁７が開放されると共に、三方切替弁８が第
１の洗浄用ノズル９側に切り替えられ、湯供給部５によ
って温度調整された温水（約４０℃）が、減圧弁６、主
制御弁７、安全弁１６、三方切替弁８を順に通って第１
の洗浄用ノズル９側に供給され、その第１の洗浄用ノズ
ル９を水圧で突出させながら当該第１の洗浄用ノズル９
から温水が吐出される。

【００２１】このとき、安全弁１６の流路１８内を通る
温水は４５℃よりも低いため、弁体２４は水圧によって
図３に示す開放位置に移動されており、弁口１９は開放
されている。

【００２２】そして、操作パネル１３のスイッチ１２の
うちストップスイッチが操作されると、主制御弁７が閉
鎖されることにより、温水の吐出が停止される。これに
伴い、第１の洗浄用ノズル９は元の状態に退避する。

【００２３】また、操作パネル１５のスイッチ１２のう
ちチャームスイッチが操作された場合には、主制御弁７
が開放されると共に、三方切替弁８が第２の洗浄用ノズ
ル１０側に切り替えられ、湯供給部５によって温度調整
された温水（約４０℃）が、減圧弁６、主制御弁７、安
全弁１６、三方切替弁８を順に通って第２の洗浄用ノズ
ル１０側に供給され、その第２の洗浄用ノズル１０を水
圧で突出させながら当該第２の洗浄用ノズル１０から温
水が吐出される。

【００２４】このときも、安全弁１６の流路１８内を通
る温水は４５℃よりも低いため、弁体２４は水圧によっ
て図３に示す開放位置に移動されており、弁口１９は開
放されている。

【００２５】そして、操作パネル１３のスイッチ１２の
うちストップスイッチが操作されると、主制御弁７が閉
鎖されることにより、温水の吐出が停止される。これに
伴い、第２の洗浄用ノズル１０は元の状態に退避する。

【００２６】ところで、湯供給部５において、温度調整
手段であるサーモスタットが故障した場合、ボイラー１
４ａ側の高温の湯がそのまま第１または第２の洗浄用ノ
ズル９または１０側へ供給されるおそれがある。

【００２７】この点、本実施例においては、安全弁１６
の流路１８内に４５℃以上の湯が入った場合には、形状
記憶合金製のばね部材２８が、流路１８内の水圧に抗し
て、図４に示すように伸長状態になって弁体２４を閉鎖
位置へ移動させ、弁口１９が閉鎖される。したがって、
高温の温水が安全弁１６まで流れてきたとしても、それ
より下流側へは流れないから、第１または第２の洗浄用
ノズル９または１０から高温の温水が吐出することを防
止でき、使用者がやけどしてしまうようなことを未然に
防止できる。

【００２８】図５及び図６は本発明の第２実施例を示す
ものであり、この第２実施例は上記した第１実施例とは
安全弁３０の構成が異なっている。すなわち、安全弁３
０のボデー３１は、両端が開放された流路３２は有して
いるが、弁口は形成されていない。ボデー３１の外周部
の左右両端部には、配管１１と接続するためのおねじ部
３１ａ，３１ｂが形成され、また、内周部には、流路３
２の入口３２ａと出口３２ｂとの間の中間部から出口３
２ｂ側にかけて凹部３３が形成されていると共に、この
凹部３３の出口３２ｂ側に環状の係合溝３３ａが形成さ
れている。

【００２９】上記凹部３３には、弁口３４を有するガイ
ド部材３５が装着されている。このガイド部材３５は、
中央部に筒部３６を有していると共に、この筒部３６の
回りに複数個の開口部３７を有し、さらに流路３２の出
口３２ｂ側に複数個の係合爪３８を有していて、この係
合爪３８の突部３８ａがボデー３１側に形成された係合
溝３３ａに係合することにより、ボデー３１に抜け止め
状態に取り付けられている。

【００３０】ガイド部材３５の筒部３６には、弁体４０
が移動可能に挿通されている。この弁体４０は、一端側
（流路３２の出口３２ｂ側）に弁口３４を開閉する弁本
体部４１を一体に有している。弁本体部４１にはゴム製
のＯリング４２が取着され、また、弁体４０の他端側
（流路３２の入口３２ａ側）には、スピードナットから
成るばね受け部材４３が取着されていて、図５に示す開
放位置と図６に示す閉鎖位置との間を移動するようにな
っている。

【００３１】そして、ばね受け部材４３とガイド部材３
５との間には、例えばニッケルとチタンの合金から成る
コイル状をなす形状記憶合金製のばね部材４４が配設さ
れている。このばね部材４４は、第１実施例と同様に、
流路３２内を通る温水の温度が一定温度、例えば４５℃
以上となった場合に、図６に示すように伸長状態となっ
て弁体４０を閉鎖位置へ移動させる構成となっている。

【００３２】この場合、ボデー３１、ガイド部材３５、
及び弁体４０は、例えばＰＯＭ樹脂（ポリアセタール樹
脂）により形成されている。

【００３３】このような構成の安全弁３０を、第１実施
例と同様に、図１に示す主制御弁７と三方切替弁８との
間の配管１１中に設けることにより、第１実施例と同様
な作用効果を得ることができる。

【００３４】また、この第２実施例の安全弁３０によれ
ば、次のような利点がある。すなわち、弁口３４を有す
るガイド部材３５をボデー３１とは別部材にて構成する
と共に、このガイド部材３５に弁体４０とばね部材４４
とを取り付けてユニット化し、このユニットをボデー３
１に組み付ける構成とすることができるから、組立て性
の向上を図ることができる。

【００３５】本発明は、上記した実施例にのみ限定され
るものではなく、次のように変形または拡張できる。安
全弁１６，３０は、湯供給部５と第１及び第２の洗浄用
ノズル９，１０との間の配管１１中であれば、例えば三
方切替弁８と第１の洗浄用ノズル９との間、及び三方切
替弁８と第２の洗浄用ノズル１０との間にそれぞれ設け
るようにすることもできる。

【００３６】また、洗浄用ノズルが２本あるものに限ら
れず、１本のみのものにも適用できる。さらに、ホテル
用便器のでん部洗浄装置に限られず、例えば温水タンク
を有する家庭用便器のでん部洗浄装置にも適用できる。

【００３７】

【発明の効果】請求項１記載のでん部洗浄装置によれ
ば、湯供給手段と洗浄用ノズルとの間の配管中に安全弁
を設け、この安全弁の流路内の温水の温度が一定温度以
上になると、その流路が閉鎖される構成としているか
ら、湯供給手段における温度調整手段に故障が生じたと
しても、高温の温水が洗浄用ノズルから吐出されること
を防止でき、使用者がやけどしてしまうということを未
然に防止できる。

【００３８】請求項２記載の安全弁によれば、この安全
弁の流路内の温水の温度が一定温度以上になると、形状
記憶合金製のばね部材がこれに応動して弁体を閉鎖位置
へ移動させることにより流路を閉鎖する構成であるか
ら、請求項１のでん部洗浄装置の安全弁に用いることに
より、高温の温水が洗浄用ノズルから吐出されることを
防止できる。

【００３９】請求項３記載の安全弁は、請求項２の安全
弁と同様に作用する。また、請求項３の安全弁によれ
ば、弁口を有するガイド部材をボデーとは別部材にて構
成すると共に、このガイド部材に弁体とばね部材とを取
り付けてユニット化し、このユニットをボデーに組み付
ける構成とすることにより、組立て性の向上を図ること
ができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示すもので、でん部洗浄
装置の配管構成を示す図

【図２】便器の斜視図

【図３】流路が開放された状態の安全弁の縦断側面図

【図４】流路が閉鎖された状態の安全弁の縦断側面図

【図５】本発明の第２実施例を示す図３相当図

【図６】図４相当図

【符号の説明】

１は便器、４はでん部洗浄装置、５は湯供給部（湯供給
手段、温度調整手段）、９は第１の洗浄用ノズル、１０
は第２の洗浄用ノズル、１１は配管、１２はスイッチ
（操作手段）、１６は安全弁、１７はボデー、１８は流
路、１９は弁口、２４は弁体、２８はばね部材、３０は
安全弁、３１はボデー、３２は流路、３５はガイド部
材、４０は弁体、４４はばね部材である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 温度調整手段を有する湯供給手段と、こ
   の湯供給手段と配管を介して接続された洗浄用ノズル
   と、操作手段とを備え、前記操作手段の操作に基づき前
   記湯供給手段から供給される温水を前記洗浄用ノズルか
   ら吐出させる構成のでん部洗浄装置において、 前記湯供給手段と洗浄用ノズルとの間の配管中に、流路
   内の温水の温度が一定温度以上となったときに流路を閉
   鎖する安全弁を設けたことを特徴とするでん部洗浄装
   置。
2. 【請求項２】 両端が開放された流路を有すると共にそ
   の流路中に弁口を有する筒状をなすボデーと、 前記弁口を開放する開放位置とその弁口を閉鎖する閉鎖
   位置との間を移動するように設けられた弁体と、 前記ボデーの流路内の温度が一定温度以上となったとき
   に前記弁体を閉鎖位置へ移動させる形状記憶合金製のば
   ね部材とを具備したことを特徴とするでん部洗浄装置用
   安全弁。
3. 【請求項３】 両端が開放された流路を有した筒状のボ
   デーと、 弁口を有し前記ボデーの内部に装着されたガイド部材
   と、 このガイド部材に取り付けられ、前記弁口を開放する開
   放位置とその弁口を閉鎖する閉鎖位置との間で移動が可
   能な弁体と、 前記ガイド部材に取り付けられ、前記ボデーの流路内の
   温度が一定温度以上となったときに前記弁体を閉鎖位置
   へ移動させる形状記憶合金製のばね部材とを具備したこ
   とを特徴とするでん部洗浄装置用安全弁。