JPH07292362A - 液晶ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

液晶ポリエステル樹脂組成物

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JPH07292362A
JPH07292362A JP6086235A JP8623594A JPH07292362A JP H07292362 A JPH07292362 A JP H07292362A JP 6086235 A JP6086235 A JP 6086235A JP 8623594 A JP8623594 A JP 8623594A JP H07292362 A JPH07292362 A JP H07292362A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ヒドロキシ安息香酸単位を主成分とする液晶ポ
リエステル1〜99重量%とシンジオタクチックポリス
チレン99重量%からなる液晶ポリエステル。 【効果】成形加工性、耐熱性、機械的物性に優れ、かつ
安価な組成物である。該液晶ポリエステル樹脂組成物
は、このような特性を生かして射出成形や押出成形によ
り成形品、シート、チューブ、フィルム、繊維、積層
物、コーティング材等に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形や押出成形に
より、成形品などに利用できる液晶ポリエステル樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ポリエステルは、ポリエチレンテレ
フタレートやポリブチレンテレフタレートのような結晶
性ポリエステルと異なり、分子が剛直なため溶融状態で
も絡み合いを起こさず、結晶状態を有するポリドメイン
を形成し、低い剪断速度において分子鎖が流れ方向に著
しく配向する挙動を示し、一般に溶融型液晶(サーモト
ロピック液晶)ポリマーと呼ばれている。この特異的な
挙動のため、溶融流動性が極めて優れ、0.2〜0.5
mm程度の薄肉成形品を容易に得ることができ、しかも
この成形品は高強度、高剛性を示すという長所を有する
が、異方性が極めて大きく、そのためウエルド強度が低
いなどの問題点があった。また、用途によってはより一
層の成形加工性の改良が要求されていた。
【0003】また、液晶ポリエステルは一般に高価であ
ることも問題であった。液晶ポリエステルの優れた耐熱
性、力学的性質を保持し、成形品の異方性が改良され、
かつ安価な液晶ポリエステル樹脂組成物は強く市場から
要望されていた。液晶ポリエステルに非晶性の高分子を
配合することにより液晶ポリエステルの成形加工性、強
度を改良することを目的とした試みとして、特開昭56
−115357号公報に液晶ポリエステルにポリフェニ
レンエーテルなどの重合体を配合し液晶ポリエステルの
溶融加工性を改良した記載がみられる。また特開平2−
97555号公報にハンダ耐熱性を向上させる目的で液
晶ポリエステルに各種のポリアリーレンオキサイドを配
合した記載がみられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
成形温度の高い液晶ポリエステルに、それより成形温度
の低いポリフェニレンエーテルなどの非晶性高分子を配
合してなる組成物は、組成物の溶融加工性は向上して
も、成形加工の際に配合樹脂の熱分解のために成形品の
外観不良が生じるという問題があった。また、該組成物
の機械的物性、耐熱性などが不十分という問題点があっ
た。本発明の目的は、耐熱性、機械的物性、成形加工性
に優れ、かつ安価な液晶ポリエステル樹脂組成物を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決するため鋭意検討の結果、本発明に至った
ものである。すなわち本発明は、次に記す発明である。 (a)液晶ポリエステルおよび(b)主としてシンジオ
タクチック構造を有するアルケニル芳香族重合体を主成
分として成り、成分(a)と成分(b)の比率が、成分
(a)が1〜99重量%、成分(b)が99〜1重量%
である液晶ポリエステル樹脂組成物。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で使用される成分(a)の液晶ポリエステルは、サ
ーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルで
あり、(1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳
香族ヒドロキシカルボン酸との組合せからなるもの、
(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸からなるも
の、(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組
み合わせからなるもの、(4)ポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸
を反応させたものなどが挙げられ、400℃以下の温度
で異方性溶融体を形成するものである。
【0007】なお、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香
族ジオールおよび芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わり
に、それらのエステル形成性誘導体が使用されることも
ある。該液晶ポリエステルの繰り返し構造単位としては
下記のものを例示することができるがこれらに限定され
るものではない。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】 芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位:
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】 芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単
位:
【0012】
【化5】 耐熱性、機械的特性、加工性のバランスから特に好まし
い液晶ポリエステルは
【0013】
【化6】 なる繰り返し構造単位を含むものであり、具体的には繰
り返し構造単位の組み合わせが下記(I)〜(V)のも
のである。
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】
【化10】
【0018】
【化11】 該液晶ポリエステル(I)、(II)、(III)、
(IV)については、それぞれ、例えば、特公昭47−
47870号公報、特公昭63−3888号公報、特公
昭63−3891号公報、特公昭56−18016号公
報などに記載されている。
【0019】本発明における(b)アルケニル芳香族重
合体は、一般式、
【化12】 (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子あるいは炭素、酸
素、窒素、硫黄、リンまたは珪素原子を含む置換基を示
し、nは1〜3の整数を示す。)で表される繰り返し単
位を有する重合度5以上の重合体であり、かつその立体
規則性が主としてシンジオタクチック構造であるアルケ
ニル芳香族重合体である。本発明におけるアルケニル芳
香族重合体は上記一般式で示される構造単位(繰り返し
単位)を有するものであり、ポリスチレンをはじめ、ポ
リアルキルスチレンやポリハロゲン化スチレンなどの様
々な核置換ポリスチレンがある。
【0020】上記一般式中のR、nは上述した如きのも
のである。即ち、該置換基(R)は、水素原子や塩素、
臭素、沃素などのハロゲン原子、あるいは炭素、酸素、
窒素、硫黄、リンまたは珪素原子を含む置換基である。
ここで、炭素原子を含む置換基の具体例としては、炭素
数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基など)ある
いは炭素数1〜20のハロゲン置換アルキル基(例え
ば、クロロメチル基、プロモメチル基、クロロエチル基
など)があり、炭素原子と酸素原子を含む置換基の具体
例としては、炭素数1〜10のアルコキシ基(例えば、
メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基など)ある
いは炭素数1〜10のカルボキシエステル基(例えば、
カルボキシメチルエステル基、カルボキシエチルエステ
ル基など)があり、炭素原子と珪素原子を含む置換基の
具体例としては、炭素数1〜20のアルキルシリル基
(トリメチルシリル基など)があり、炭素原子と窒素原
子を含む置換基の具体例としては炭素数1〜20のアル
キルアミノ基(ジメチルアミノ基など)やシアノ基があ
る。さらに、硫黄原子を含む置換基の具体例としては、
スルホニル基、スルホン酸アルキルエステル基、アルキ
ルチオ基あるいはメルカプト基があり、リン原子を含む
置換基の具体例としては、リン酸エステル基、亜リン酸
エステル基あるいはアルキルホスフィニル基がある。
【0021】また、本発明のアルケニル芳香族重合体の
具体例をあげれば、ポリスチレン、ポリ(p−メチルス
チレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(o−メ
チルスチレン)、ポリ(2,4−ジメチルスチレン)、
ポリ(2,5−ジメチルスチレン)、ポリ(3,4−ジ
メチルスチレン)、ポリ(3,5−ジメチルスチレ
ン)、ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン)などの
ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレ
ン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(o−クロロ
スチレン、ポリ(p−ブロモスチレン)、ポリ(m−ブ
ロモスチレン)、ポリ(p−フルオロスチレン)、ポリ
(m−フルオロスチレン)、ポリ(o−フルオロスチレ
ン)、ポリ(o−メチル−p−フルオロスチレン)など
のポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(p−クロロメチ
ルスチレン)、ポリ(m−クロロメチルスチレン)、ポ
リ(o−クロロメチルスチレン)などのポリ(ハロゲン
置換アルキルスチレン)、ポリ(p−メトキシスチレ
ン)、ポリ(m−メトキシスチレン)、ポリ(o−メト
キシスチレン)、ポリ(p−エトキシスチレン)、ポリ
(m−エトキシスチレン)、ポリ(o−エトキシスチレ
ン)などのポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(p−カ
ルボキシメチルスチレン)、ポリ(m−カルボキシメチ
ルスチレン)、ポリ(o−カルボキシメチルスチレン)
などのポリ(カルボキシエステルスチレン)、ポリ(p
−ビニルベンジルプロピルエーテル)などのポリ(p−
ビニルベンジルプロピルエーテル)などのポリ(アルキ
ルエーテルスチレン)、ポリ(p−トリメチルシリルス
チレン)などのポリ(アルキルシリルスチレン)、ポリ
(ビニルベンゼンスルホン酸エチル)さらにはポリ(ビ
ニルベンジルジメトキシホスファイド)などがあげられ
る。
【0022】本発明における(b)アルケニル芳香族重
合体は主としてシンジオタクチック構造を有するもので
ある。シンジオタクチック構造は核磁気共鳴(NMR)
によって定量化することが可能であり、具体的にはポリ
マーをo−ジクロルベンゼンに溶解してNMR測定を行
ない、マクロモレキュラーレ・ヘミー(Makromo
leculare Chemie.)1982年発刊、
第3巻、181−185ページの帰属を参考に行なった
後、該当ピークの強度からポリマーのタクチシティーを
定量する。本発明における、その立体性が主としてシン
ジオタクチック構造を有するアルケニル芳香族重合体
は、特開昭63−191811号に記載の方法に従って
製造することが最も好ましい。次にこの製造法について
詳細に説明する。
【0023】該製法によると、触媒成分(A)、(B)
及び(C)を使用するが、それらの組成は以下の通りで
ある。 即ち、触媒成分(A): 一般式M(R)l(OR’)mXn−(l+m) (式中、Mは遷移金属原子、R,R’は炭素数1〜20
の炭化水素基、Xはハロゲン原子を表す。l、m、nは
l≧0、m≧0、n−(l+m)≧0なる数字を表す。
nは遷移金属の原子価に対応する。)で表される遷移金
属化合物と、 触媒成分(B):トリアルキルアルミニウムと水との反
応によって得られるアルミノオキサン及び、 触媒成分(C):一般式I、II、III、IV、V又
はVIに示す少なくとも2個の水酸基を有する有機化合
【0024】
【化13】 〔式中、R’’、R’’’は炭素数1〜20の炭化水素
基、Yは炭素数1〜20の炭化水素基、−O−、−S
−、−S−S−、
【0025】
【化14】 (R5 は水素又は炭素数1〜6の炭化水素基を表す。)
を表す。ここにR1 、R2 、R3 およびR4 は炭素数1
〜20の炭化水素基、水酸基、ニトロ基、ニトリル基、
ヒドロカルビロキシ基又はハロゲン原子を表す。この場
合R1 、R2 、R3 およびR4 は同一であっても異なっ
ていてもよい。n’は0又は1以上の整数であり、単位
Yの繰り返し回数を表す。又y、y’、y’’、
y’’’、z、z’、z’’およびz’’’は芳香族環
に結合している置換基の数を表す。y、y’、zおよび
z’は0又は1から4までの整数、y’’、z’’は0
又は1から2までの整数、y’’’、z’’’は0又は
1から3までの整数を表す。〕から成る触媒を使用して
立体規則性が主としてシンジオタクチック構造を有する
アルケニル芳香族重合体を製造するものである。
【0026】ここで、該アルケニル芳香族重合体の重合
に、これら触媒系を適用する場合には触媒成分(A)及
び(B)だけを用いることも、又、(A)、(B)及び
(C)を用いることも可能である。触媒成分(C)は重
合に供する前に、あらかじめ触媒成分(A)と反応させ
た後に用いることが必要である。反応は−20℃から2
00℃の温度で、炭化水素溶媒あるいはハロゲン化炭化
水素溶媒、エーテル等の極性溶媒中で行なうことができ
る。触媒成分(C)は直接反応に用いてもよいが、触媒
成分(A)がハロゲン含有遷移金属化合物の場合には、
反応中に発生するハロゲン化水素を捕獲する目的で、反
応系にアンモニア、ピリジン又はアルキルアミン等を添
加することも可能である。この場合、析出したハロゲン
化水素含有化合物を除去した後、重合に供することが好
ましい。又、あらかじめ触媒成分(C)を金属ナトリウ
ム等のアルカリ金属、又は水素化リチウム等のアルカリ
金属の水素化物との反応により、金属アルコラート、金
属フェノラート、金属ナフトラート等を合成し、本反応
に供してもよい。この場合、析出したアルカリ金属塩を
除去した後、重合に供することが好ましい。さらには、
触媒成分(A)がヒドロカルビロキシ基を含有する場合
には、あらかじめ触媒成分(C)を酢酸等のカルボン酸
と反応させ、エステル化合物として本反応に供すること
も可能である。
【0027】なお、遷移金属化合物と少なくとも2個の
水酸基を有する有機化合物の反応では、該有機化合物の
少なくとも2個の水酸基が同一の遷移金属と結合した形
態を有する化合物が生成していると考えられる。各触媒
成分の添加量として、触媒成分(A)は遷移金属原子と
して10-10 〜103 m mol/l、好ましくは10
-7〜102 m mol/lの範囲で使用できる。触媒成
分(B)は触媒成分(A)に対して、アルミニウム原子
/遷移金属原子として1〜100,000、好ましくは
10〜10,000で使用できる。触媒成分(C)は触
媒成分(A)の遷移金属原子に対して0.01〜4(m
ol比)で使用できる。
【0028】本発明における、アルケニル芳香族単量体
の具体例として、スチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチ
ルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、o−クロルスチレン、p−ク
ロルスチレン、α−メチルスチレン等があげられる。こ
れらの化合物は単独に重合もしくは2種類以上の共重合
に用いることができるが、本発明は上記化合物に限定さ
れるべきものではない。
【0029】重合方法も特に限定されるべきものではな
いが、例えば、溶媒としてブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、ベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素溶媒又はメチレンク
ロリド等のハロゲン化炭化水素溶媒、またはモノマーで
ある芳香族ビニル化合物を溶媒として用いることができ
る。
【0030】重合方式としては、回分式又は連続式重合
のどちらも可能である。重合温度は−50℃から200
℃の範囲を取り得るが、特に−20℃と100℃の範囲
が好ましい。かかる重合法によって得られる重合体は分
別等の処理を施さなくても、従来にない高いシンジオタ
クティシーを有するものとなるが、さらに溶剤等の適当
な分別手法を用いれば、ほぼ100%に近いシンジオタ
クチック構造を有するアルケニル芳香族重合体を得るこ
とができる。
【0031】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物の成
分(a)と成分(b)の混合比率は成分(a)が1〜9
9重量%、成分(b)が99〜1重量%が適当である。
成分(b)が1重量%より少ない範囲では、加工性の改
良効果が少なく、価格も高価なものとなる。成分(b)
が99重量%を超える範囲では、熱変形温度などの熱的
性質が低下するので好ましくない。
【0032】本発明を実施するに際し、ガラス繊維、カ
ーボン繊維などの強化剤、カーボンブラック、シリカ、
TiO2 など無機および有機の充てん剤、可塑剤、安定
剤、難燃剤、染料および顔料などを添加することも可能
である。強化剤について、更に詳しく述べると、強化剤
とは、それを配合することにより曲げ強度、曲げ弾性
率、引張強度、引張弾性率および加熱変形温度などの機
械的あるいは熱的性質を増大させるものであり、例えば
アルミナ繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、高弾性ポリ
アミド繊維、高弾性ポリエステル繊維、炭化ケイ素繊
維,チタン酸塩ホイスカーなどが挙げられる。これら強
化剤の量としては、少なくとも強化に有効な量が含まれ
れば充分ではあるが、一般には本発明の組成物100重
量部に対して約5〜100重量部の範囲が好ましい。
【0033】本発明の樹脂組成物を製造する方法に特に
制限はなく、通常の公知の方法を用いることができる。
溶液状態で混合し、溶剤を蒸発させるか、非溶剤中に沈
澱させる方法も効果的であるが、工業的見地からみて実
際には溶融状態で混練する方法がとられる。溶融混練に
は一般に使用されている一軸又は二軸の押出機、各種の
ニーダー等の混練装置を用いることができる。特に二軸
の高混練機が好ましい。混練に際しては、各樹脂成分は
いずれも粉末またはペレットの状態で予めタンブラーま
たはヘンシェルミキサーのような装置で均一に混合する
ことが好ましいが、必要な場合には混合を省き、混練装
置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いることがで
きる。混練された樹脂組成物は射出成形、押出成形その
他各種の成形法によって成形されるが本発明はまた、予
め混練の過程を経ず、射出成形や押出成形時にドライブ
レンドして溶融加工操作中に直接混練して成形加工品を
得る方法をも包含する。
【0034】本発明において混練順序に特に制限はなく
液晶ポリエステル(a)及びアルケニル芳香族重合体
(b)を一括混練してよく、予め液晶ポリエステル
(a)とガラス繊維などを混練した後、次いでアルケニ
ル芳香族重合体(b)を加えて混練してもよい。また、
その他の混練順序もとり得る。
【0035】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物に、
必要に応じて、さらに、前記以外の有機充填剤、酸化防
止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止
剤、無機または有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡
剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂
などの離型改良剤などの各種の添加剤を製造工程中ある
いはその後の加工工程において添加することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、こ
れらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定される
ことはない。 (1)成分(a)の液晶ポリエステル 成分(a)として使用した液晶ポリエステルは以下のも
のである。 (i)p−アセトキシ安息香酸10.8kg(60モ
ル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフ
タル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセ
トキシジフェニル5.45kg(20.2モル)を櫛型
撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌
しながら昇温し330℃で1時間重合させた。この間に
副生する酢酸を除去しながら、強力な撹拌下で重合させ
た。その後、系を徐々に冷却し、200℃で得られたポ
リマーを系外へ取出した。この得られたポリマーを細川
ミクロン(株)製のハンマーミルで粉砕し、2.5mm
径以下の粒子とした。これを更にロータリーキルン中で
窒素ガス雰囲気下に265℃で3時間処理することによ
って、流動温度が302℃の粒子状の下記の繰り返し構
造単位からなる全芳香族ポリエステルを得た。以下該液
晶ポリエステルをA−1と略記する。このポリマーは加
圧下で312℃で光学異方性を示した。液晶ポリエステ
ルA−1の繰り返し構造単位は、次の通りである。
【0037】
【化15】
【0038】(2)成分(b)のアルケニル芳香族重合
体 本発明の実施例に使用した、シンジオタクチックポリス
チレンは特開昭63−191811号に記載された処方
に従って、以下に述べる触媒成分(A)、(B)を使用
して製造したものである。実施例および比較例中のポリ
スチレンの分子量はゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)を用い算出した重量平均分子量で示し
た。GPCはウォーターズ製150C型を用いた。測定
は140℃で、溶媒としてo−ジクロルベンゼンを用い
た。カラムはShodex80M/Sカラム3本用い
た。検量線作成用ポリスチレンは分子量範囲500から
6.8×106 の単分散ポリスチレン14種類を用い
た。スチレン重合において得られたポリマーの立体規則
性は、13CNMRスペクトルより求められるシンジオタ
クチックペンタッド分率(以後〔γγγγ〕分率と略す
る。)値で評価した。測定は日本電子製FX−100ス
ペクトロメーターを用い、135℃で行なった。なお、
ポリマーはo−ジクロルベンゼンに溶解した。NMRス
ペクトルの帰属は、マクロモレキュラーレ・ヘミー(M
akromoleculare Chemie.)19
82年発刊、第3巻、181〜185ページに記載され
た帰属を参考に行なった。
【0039】(触媒成分(A)の調製)攪拌機を備えた
内容積10lのフラスコに2,2’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェ
ニルスルフィドを90mmol採り、アルゴン置換した
後乾燥したn−ブチルエーテル5lを加え攪拌、溶解し
た。この溶液に四塩化チタン90mmolを加えた。2
5℃で攪拌下、2時間反応を行なった。その後静置し、
上澄み液を除き沈澱部を回収、洗浄した。沈澱の一部を
トルエンに溶解し、Tiが0.001mmol/ml含
有されている溶液を調製した。
【0040】(触媒成分(B)の調製)攪拌機、滴下ロ
ート、還流コンデンサーを備えた内容積5lのフラスコ
をアルゴンで置換した後、440g(1.76mol)
のCuSO4 ・5H2 Oを3lのトルエンに懸濁させ、
内温を5℃に保ち、攪拌を行ないながら、トリメチルア
ルミニウム560ml(5.8mol)とトルエン70
0mlからなる溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了
後、フラスコ内温を5℃に保ちながら40時間攪拌を行
ない、ひき続き室温で20時間攪拌を続けた。沈澱物を
除去した後、減圧下溶媒を除去し、130gのメチルア
ルミノオキサンを得た。重合にはトルエンで希釈して
(0.05g/ml)使用した。
【0041】次に攪拌装置を備えた内容積10lの三つ
口フラスコをアルゴン置換した後、トルエン3l及びス
チレン2lを投入し、フラスコ内温を25℃に保った。
合成した触媒成分(A)の溶液300mlとアルミノオ
キサン溶液触媒成分(B)1lをフラスコに投入し、重
合を開始した。攪拌下25℃で14時間重合を行なった
後、メタノール1lを投入し30分間攪拌を続けた。ポ
リマーを濾別し、IN−HCI/メタノール液で洗浄し
た後、ひき続いてメタノールで洗浄し、60℃で2時間
減圧下で乾燥した。得られたポリスチレンは325gで
これはTi原子当たり77.4kgのポリマーが生成し
たことに相当する。得られたポリスチレンの分子量は
4.8×105 で、〔γγγγ〕分率は0.98以上で
あり、シンジオタクチックポリスチレンであった。同様
の重合操作を5回繰り返して行ない、合計1625gの
シンジオタクチックポリスチレンを得た。
【0042】実施例1〜3、比較例1〜3 表1の組成で各成分を安定剤とともにヘンシェルミキサ
ーで混合したのち、池貝鉄工(株)製PCM−30型二
軸押出機を用いてシリンダー設定温度310℃で組成物
を脱揮しながら混練し、日精樹脂工業(株)製PS40
E5ASE型射出成形機を用いて、成形温度310℃、
金型温度60℃で射出成形した成形品について以下の要
領で物性測定を行なった。 荷重たわみ温度(TDUL):TDUL測定用試験片
(127mm長×12.7mm幅×6.4mm厚)を成
形し、ASTM D648に準じてTDUL(荷重1
8.6kg)を測定した。
【0043】曲げ弾性率:試験片(6.4mm厚)につ
いてASTM D790に従い、測定した。 流動温度:(株)島津製作所製の高化式フローテスター
CFT−500型で測定され、4℃/分の昇温速度で加
熱溶融体を荷重100kg/cm2 の下で、内径1m
m、長さ10mmのノズルから押し出すときに、該溶融
粘度が48,000ポイズを示す点における温度とし
た。この温度の低い樹脂ほど流動性が大である。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物
は、成形加工性、耐熱性、機械的物性に優れ、かつ安価
なものである。該液晶ポリエステル樹脂組成物は、この
ような特性を生かして射出成形や押出成形により成形
品、シート、チューブ、フィルム、繊維、積層物、コー
ティング材等に用いられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)液晶ポリエステルおよび(b)主と
    してシンジオタクチック構造を有するアルケニル芳香族
    重合体を主成分として成り、成分(a)と成分(b)の
    比率が、成分(a)が1〜99重量%、成分(b)が9
    9〜1重量%である液晶ポリエステル樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000066647A1 (en) * 1999-05-03 2000-11-09 Optatech Corporation Novel liquid crystalline polymers
US8932731B2 (en) 2005-09-12 2015-01-13 Merck Patent Gmbh Compounds for organic electronic devices

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