JPH0729232B2 - 2ポイントプレスの過負荷防止装置 - Google Patents

2ポイントプレスの過負荷防止装置

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JPH0729232B2
JPH0729232B2 JP29191389A JP29191389A JPH0729232B2 JP H0729232 B2 JPH0729232 B2 JP H0729232B2 JP 29191389 A JP29191389 A JP 29191389A JP 29191389 A JP29191389 A JP 29191389A JP H0729232 B2 JPH0729232 B2 JP H0729232B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、2ポイントプレスの過負荷防止装置に関す
る。詳しくは、2組のメタルシール式過負荷防止ユニッ
トを介してスライドをクランク軸に支持した2ポイント
プレスにおいて、両過負荷防止ユニットのシリンダ室内
の油圧を一定かつ同一の設定油圧とし、各ユニットごと
に破断荷重(シリンダ室をシールするメタルシール部が
破断するときのプレス荷重)を設定できるようにした2
ポイントプレスの過負荷防止装置に関する。
[従来の技術] プレスでは、クランク軸に連結されたコネクティングロ
ッドとスライドとの間に過負荷防止装置が設けられてい
る。
そこで、従来の過負荷防止装置を第4図および第5図で
説明する。まず、第4図に示すように、ポイント部1に
連結されたピストン2とこれを被嵌するシリンダ3との
間にメタルシール部4を形成し、ポンプ6でシリンダ室
5内に設定油圧(例えば、第5図でPs)を確立してお
く。このとき、ピストン2およびシリンダ3は、シリン
ダ室5の設定油圧に応じて機械的変形を生じる。
ここで、第5図に示すように、プレス荷重が増大する
と、シリンダ室5内の油が圧縮され、シリンダ室5内の
油圧がPsから上昇する。プレス荷重がLbになると、シリ
ンダ室5の油圧はPbとなり、メタルシール部4が開放、
つまり破断される。これにより、シリンダ室5内の油が
排油系7を通じてタンク8へ逃がされる。従って、ピス
トン2とシリンダ3との相対移動が許容され、金型など
の破損を招く過負荷が防止される。
2ポイントプレスでは、クランク軸とスライドとの連結
点が2ポイントであるため、各ポイントごとに上述した
ピストン2およびシリンダ3を設けてある。この場合、
ポンプ6を共通とし、各シリンダ3のシリンダ室5内に
同一の設定油圧を確立するようにしている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上述した従来の過負荷防止装置では、次のよ
うな問題がある。
いま、第5図に示す如く、メタルシール部4が破断する
ときのプレス荷重をLb、シリンダ室5内の油圧つまり破
断油圧をPbとすると、破断油圧Pbに対して設定油圧は、
プレス荷重の増大に伴うシリンダ室5内の油圧上昇分Δ
Pだけ低いPsとなる。このため、使用する金型に応じて
破断荷重を例えばLb1とする場合、つまり破断油圧を低
圧とする場合、設定油圧をPs1に変更する必要がある。
ところが、設定油圧を変更すると、シリンダ3とピスト
ン2(特に、ボールカップ部)の機械的変形量が変化す
るので、スライドの下死点位置が変化するという問題が
ある。また、ポイント部1の隙間も変化するので、加工
精度を悪化させプレスの円滑な運転を困難にする。これ
は、金型やプレスの短寿命化につながる。このことか
ら、設定油圧をあまり低くすることができず、適用範囲
が狭い。
特に、2ポイントプレスの場合には、多様化などの要請
から、破断荷重つまり破断油圧を各ポイントで異なる値
に設定したいという要請がある。しかし、各ポイントで
異なる破断油圧に設定するには、各ポイントの油圧系路
を分離した後、各ポイントで異なる設定油圧に設定しな
ければならないので、両ポイントにおけるシリンダ3と
ピストン2との機械的変形量がポイント部1の隙間に差
が生じてしまい、結果としてスライドが傾くという問題
がある。
ここに、本発明の目的は、このような従来の問題を解決
すべくなされたもので、適用範囲の拡大や機械的変形の
変化の軽微化を達成することができるとともに、各ポイ
ントごとに異なる破断油圧を設定することができる2ポ
イントプレスの過負荷防止装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] そのため、本発明では、両ポイントを一定かつ同一の設
定油圧として、破断荷重つまり破断油圧を各ポイントで
それぞれ独立的に設定できるように構成したものであ
る。
具体的には、2組のメタルシール式過負荷防止ユニット
を介してスライドをクランク軸に支持した2ポイントプ
レスの過負荷防止装置において、前記過負荷防止ユニッ
トのシリンダ室に接続された供給口と、給油口と、前記
供給口に連通された排油口と、前記供給口と排油口との
連通を開閉する主弁と、この主弁が閉塞しているときに
前記給油口と供給口とを連通させる副弁と、前記主弁の
開放圧力を設定する破断圧設定機構とを有するコントロ
ール弁を、前記各過負荷防止ユニットのそれぞれに設け
るとともに、各コントロール弁の破断圧設定機構に接続
されそれぞれ独立して前記主弁の開放圧力を設定可能な
破断圧設定手段をそれぞれ設け、前記各コントロール弁
の給油口同士を互いに連通させて油圧供給装置に接続し
た、ことを特徴とする。
[作用] 油圧供給装置によって油圧をコントロール弁の給油口、
副弁および供給口を通じて各過負荷防止ユニットのシリ
ンダ室内に供給し、両過負荷防止ユニットのシリンダ室
内に同一の設定油圧を確立しておく。ここで、破断圧設
定手段によって各コントロール弁の破断圧設定機構にお
ける主弁の開放圧力を独立してそれぞれ設定しておく。
そこで、各過負荷防止ユニットにかかるプレス荷重が増
大すると、各過負荷防止ユニットのシリンダ室内の油圧
は設定油圧から上昇し始める。やがて、シリンダ室内の
油圧が各破断圧設定機構に設定された主弁の開放圧力に
達すると、主弁が開放される。すると、供給口が排油口
に連通されるので、過負荷防止ユニットのシリンダ室内
の油圧が供給口を通って排油口から逃がされる。これに
より、シリンダ室内の油圧が低下していくと、メタルシ
ール部が破断するので、過負荷が防止される。
従って、両過負荷防止ユニットのシリンダ室内の油圧を
一定の設定油圧としたまま、破断荷重つまり破断油圧を
各過負荷防止ユニットごとに独立して設定することがで
きる。このことは、設定油圧を変更しなくても、破断圧
力を低圧に設定できるので、適用範囲を拡大できるとと
もに、過負荷防止ユニットの機械的変形の変化を軽微に
できる利点がある。また、両過負荷防止ユニットの設定
油圧を同一として破断油圧を別々に設定することができ
るので、スライドの傾きを生じることなく多様化の要請
にも応えることができる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を第1図〜第3図に基づいて説
明する。
第1図に本実施例の過負荷防止装置を示している。同過
負荷防止装置は、クランク軸とスライドとの連結ポイン
トに設けられた2組のメタリシール式過負荷防止ユニッ
ト10A,10Bと、この各過負荷防止ユニット10A,10Bにそれ
ぞれ接続されたコントロール弁20A,20Bと、この各コン
トロール弁20A,20Bに接続された破断圧設定手段として
の圧力調整弁50A,50Bと、前記両コントロール弁20A,20B
に油圧を供給する油圧供給装置60とから構成されてい
る。なお、前記過負荷防止ユニット10A,10Bについて
は、第4図に示す構造と同一であるので、同一符号を付
し、その説明を省略する。
そこで、各コントロール弁20A,20Bの詳細構造を第2図
で説明する。同図において、弁体21には、供給口22、給
油口23、排油口24および加圧空気導入口25がそれぞれ形
成されているとともに、前記供給口22と排油口24との連
通を開閉する主弁26、この主弁26が閉塞しているときに
前記給油具23と供給口22とを連通させる副弁27、前記主
弁26の開放圧力を設定する破断圧設定機構28およびアキ
ュムレータ29がそれぞれ設けられている。
前記供給口22は、主弁座31を介して前記排油口24に連通
されている。主弁座31に対して前記主弁26が接離するこ
とによって、供給口22と排油口24との連通が開閉され
る。
前記破断圧設定機構28は、前記加圧空気導入口25に連通
して形成されたシリンダ室32と、このシリンダ室32内に
摺動自在に収納され前記主弁26を有するピストン33と、
前記主弁26が前記主弁座31から離れる方向へ前記ピスト
ン33を付勢するスプリング34とから構成されている。前
記ピストン33の一端面中心部には、シリンダ室32と前記
給油口23とを連通する連通路35内に摺動自在に嵌合する
突出部36が一体形成されている。ここに、連通路35の径
と前記主弁座31の径とは互いに等しい径に形成されてい
る。
前記主弁26およびピストン33の中心軸方向には、前記給
油口23と前記供給口22とを連通させかつ途中に副弁座37
を有する連通部38が貫通形成されている。連通路38内に
は、前記副弁座37に対して接離する前記副弁27が摺動自
在に挿入されているとともに、副弁27を前記供給口22側
から給油口23側へ向かってかつ副弁座37に接する方向へ
付勢するスプリング39が挿入されている。副弁27には、
その副弁27が副弁座37から離れたとき、給油口23と供給
口22とを連通させる連通路40が形成されている。
前記アキュムレータ29は、シリンダ室41と、このシリン
ダ室41内に摺動自在に収納されかつ前記連通路35内に摺
動自在に嵌合する突出部42を有するピストン43と、前記
突出部42が連通路35内へ進入する方向へ前記ピストン43
を付勢するスプリング44とから構成されている。シリン
ダ室41には、加圧空気導入口45が形成されているととも
に、大気に連通した開放口46が形成されている。
ここで、コントロール弁20A,20Bの各口の接続について
説明する。各コントロール弁20A,20Bの供給口22は、そ
れぞれ対応する過負荷防止ユニット10A,10Bのシリンダ
室5に接続されている。また、給油口23は、互いに連通
接続された後、前記油圧供給装置60に接続されている。
油圧供給装置60は、ポンプ6、タンク8および逆止弁9
などから構成されている。また、排油口24は、共に前記
排油系7に接続されている。また、前記加圧空気導入口
25は、それぞれ対応する前記圧力調整弁50A,50Bを介し
て互いに接続された後、加圧空気源51に接続されてい
る。更に、前記加圧空気導入口45は、互いに接続された
後、圧力調整弁52を介して加圧空気源51に接続されてい
る。ここでは、ピストン43の径と突出部42との径比をポ
ンプ6の径比と同一とすることにより、ポンプ6の作動
加圧空気圧を使用している。
次に、本実施例の作用を説明する。
まず、ポンプ6を作動させ、タンク8内の油を両コント
ロール弁20A,20Bの給油口23、連通路35,38,40、供給口2
2を介して両過負荷防止ユニット10A,10Bのシリンダ室5
内へ供給し、両シリンダ室5内の油圧を同一の設定油圧
Psに設定する。このとき、連通路35と主弁座31とが同一
径であるので、その設定油圧Psでバランスしている。
いま、第3図に示す如く、シリンダ室5内の油圧が設定
油圧Psの状態でLb1のプレス荷重がかかると、シリンダ
室5内の油圧はΔP-だけ増圧しPb1となる。そこで、こ
のΔP-だけ増圧したときに、つまりシリンダ室5内の油
圧が破断油圧Pb1に達したときに、主弁座31が開放する
ように、つまりピストン33が下降するようにコントロー
ル弁20A,20Bの破断圧設定機構28のシリンダ室32内の加
圧空気圧力を圧力調整弁50A,50Bによって設定する。こ
の場合、両コントロール弁20A,20Bの破断圧設定機構28
のシリンダ室32内の圧力を別々に設定することができ
る。
そこで、プレス運転を行うと、シリンダ室5内の油圧は
プレス荷重の増大につれて上昇する。しかし、通常の運
転範囲内では、シリンダ室5内の油圧は破断油圧Pb1
では至らないので、主弁座31が開放されることはない。
ところが、金型の噛込みなどによってプレス荷重が増大
し、シリンダ室5内の油圧が破断油圧Pb1に達すると、
例えば一方の過負荷防止ユニット10Aのシリンダ室5内
の油圧が破断油圧Pb1に達すると、一方のコントロール
弁20Aのピストン33が下降し、主弁26が主弁座31から離
れる。このとき、ピストン33が下降すると、連通路35内
の油圧が上昇しようとするが、アキュムレータ29のピス
トン43が下降するので、連通路35内の油圧の上昇が抑え
られる。
一方のコントロール弁20Aの主弁26が主弁座31から離れ
ると、過負荷防止ユニット10Aのシリンダ室5内の油圧
は、供給口22、主弁座31、排油口24を通って排油系7へ
逃げるので、次第に低下していく。やがて、Pb1 -まで低
下すると、メタルシール部4が破断し、シリンダ室5内
の油は排油系7を通じて急速にタンク8へ戻される。従
って、プレス荷重は設定した破断荷重以上に大きくなる
ことがないので、過負荷が防止される。
このとき、一方のコントロール弁20Aの主弁26が開放
し、過負荷防止ユニット10Aのシリンダ室5内の油圧が
解放されると、そのコントロール弁20Aの給油口23側の
油圧も副弁27をスプリング39に抗して押上げ排油口24か
ら排油系7へ逃げる。すると、一方のコントロール弁20
Aの給油口23は他方のコントロール弁20Bの給油口23に連
通されているので、他方のコントロール弁20Bの給油口2
3の油圧もコントロール弁20Aの排油口24から排油系7へ
逃げる。
これにより、他方のコントロール弁20Bのバランスがく
ずれ、他方のコントロール弁20Bの主弁26が開放され
る。よって、上記と同様に、他方の過負荷防止ユニット
10Bのシリンダ室5内の油圧が他方のコントロール弁20B
の排油口24を通って排油系7へ逃げるので、メタルシー
ル部4が破断し、シリンダ室5内の油は排油系7を通じ
て急速にタンク8へ戻される。これにより、両過負荷防
止ユニット10A,10Bのうちいずれか一方が破断すると、
他方も破断するので、スライドの傾きを防止することが
できる。
従って、本実施例によれば、各過負荷防止ユニット10A,
10Bのシリンダ室5内の油圧を一定の設定油圧としたま
ま、破断油圧を設定できるようにしたので、両過負荷防
止ユニット10A,10Bの設定油圧を変更することなく破断
油圧を低圧に設定することができる。このことは、適用
範囲を拡大できるとともに、過負荷防止ユニット10A,10
Bの機械的変形の変化を軽微にできる利点がある。
また、両過負荷防止ユニット10A,10Bのシリンダ室5内
の油圧を同一の設定油圧としたまま、破断油圧を各過負
荷防止ユニット10A,10Bごとに別々に設定できるように
したので、多様化の要請にも応えることができる。しか
も、両過負荷防止ユニット10A,10Bの設定油圧は同一で
あるので、スライドが傾くといった問題が生じることも
ない。
また、両過負荷防止ユニット10A,10Bのいずれか一方が
破断すると他方も破断するので、過負荷が生じた場合で
もスライドが傾くのを防止することができる。
[発明の効果] 以上の通り、本発明によれば、両過負荷防止ユニットの
シリンダ室内の油圧を一定かつ同一の設定油圧としたま
ま、破断荷重つまり破断油圧を各過負荷防止ユニットご
とに別々に設定することができる。このことは、設定油
圧を変更しなくても、破断圧力を低圧に設定できるの
で、適用範囲を拡大できるとともに、過負荷防止ユニッ
トの機械的変形の変化を軽微にできる利点がある。ま
た、両過負荷防止ユニットの設定油圧を同一として破断
油圧を別々に設定することができるので、スライドの傾
きを生じることなく多様化の要請にも応えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の一実施例を示すもので、第1
図は全体の構成を示す図、第2図はコントロール弁を示
す断面図、第3図は動作を説明するための図である。 第4図および第5図は従来の過負荷防止装置を示す図
で、第4図は概略図、第5図は動作を説明するための図
である。 4……メタルシール部、5……シリンダ室、10A,10B…
…過負荷防止ユニット、20A,20B……コントロール弁、2
2……供給口、23……給油口、24……排油口、26……主
弁、27……副弁、28……破断圧設定機構、50A,50B……
圧力調整弁(破断圧設定手段) 60……油圧供給装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2組のメタルシール式過負荷防止ユニット
    を介してスライドをクランク軸に支持した2ポイントプ
    レスの過負荷防止装置において、 前記過負荷防止ユニットのシリンダ室に接続された供給
    口と、給油口と、前記供給口に連通された排油口と、前
    記供給口と排油口との連通を開閉する主弁と、この主弁
    が閉塞しているときに前記給油口と供給口とを連通させ
    る副弁と、前記主弁の開放圧力を設定する破断圧設定機
    構とを有するコントロール弁を、前記各過負荷防止ユニ
    ットのそれぞれに設けるとともに、 各コントロール弁の破断圧設定機構に接続されそれぞれ
    独立して前記主弁の開放圧力を設定可能な破断圧設定手
    段をそれぞれ設け、 前記各コントロール弁の給油口同士を互いに連通させて
    油圧供給装置に接続した、 ことを特徴とする2ポイントプレスの過負荷防止装置。
JP29191389A 1989-11-09 1989-11-09 2ポイントプレスの過負荷防止装置 Expired - Lifetime JPH0729232B2 (ja)

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