JPH0729215B2 - 残留物の少ないハンダ付け用フラックス、該フラックスを用いて金属表面を熱ハンダ付けする方法、並びに該熱ハンダ付け方法によって得られるハンダ付けされた物品 - Google Patents

残留物の少ないハンダ付け用フラックス、該フラックスを用いて金属表面を熱ハンダ付けする方法、並びに該熱ハンダ付け方法によって得られるハンダ付けされた物品

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JPH0729215B2
JPH0729215B2 JP3197524A JP19752491A JPH0729215B2 JP H0729215 B2 JPH0729215 B2 JP H0729215B2 JP 3197524 A JP3197524 A JP 3197524A JP 19752491 A JP19752491 A JP 19752491A JP H0729215 B2 JPH0729215 B2 JP H0729215B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、残留物の少ないハンダ付け用フ
ラックスに関する。更に詳細には本発明は、使用時にお
いて無腐食性であって且つイオン性残留物を含まない二
塩基酸混合物を含有したフラックスに関する。また、本
発明の他の態様は、かかるフラックスを用いて金属表面
を熱ハンダ付けする方法に関する。更には、本発明の他
の態様は、かかる熱ハンダ付け方法によって得られるハ
ンダ付けされた物品に関する。
【0002】ハンダ付け用フラックスは,ハンダの融点
より高い温度でのハンダ付け操作時において,金属表面
上の酸化物又は不純物と反応し,そして溶解させると同
時に,金属表面を被覆して酸化を防止することによっ
て,一緒に接合される金属部品の溶融を促進するのに使
用される。
【0003】有機フラックスは通常,水不溶性のロジン
又は水溶性の有機酸をべースとしている。プリント回路
基板上にて電気結線部をハンダ付けする際には,活性化
ロジンフラックスが使用される。フラックスを施し,基
板を予備加熱し,ハンダを施し(例えば,溶融ハンダの
流動波により),基板を冷却し,そして基板を清浄化し
てフラックス残留物を除去することによって回路基板を
大量生産するのに流動ハンダ付けが使用される。
【0004】このようなフラックス残留物は,主として
イオン性(例えば酸性又は塩基性)物質で構成されてお
り,腐食性であるか,又は水分(湿気)の存在下で腐食
性成分に加水分解しうる。このため,回路基板製品の使
用時において,短絡やノイズ発生などが起こることがあ
る。これらの好ましくない結果は,ハンダ付けされた基
板に清浄化工程を施してイオン性物質を除去することに
よって効果的に避けることができる。
【0005】コニッヒ(Konig)による米国特許第
2,715,084号は,8〜24個の主鎖炭素原子を
有する主鎖臭素化高級脂肪族モノカルボン酸(例えばα
−ブロモラウリン酸)又はその塩によって活性化された
ロジンをテレビン油中に混合して得られるフラックス
(ハンダ付け温度において分解しない)について開示し
ている。主鎖臭素化高級脂肪族モノカルボン酸は臭素が
主鎖に結合しているために無腐食性であり,従って本化
合物は,酸塩フラックスもしくはハロゲン化物塩フラッ
クスや,有機塩基ハロゲン化物(例えばセチル−ピリジ
ニウムハロゲン化物)によって活性化されたロジンフラ
ックスの場合のように,加水分解して腐食性のハロゲン
化物になるようなことはない(上記ハロゲン化物は空気
中で加水分解して腐食性の酸ハロゲン化物を形成す
る)。炭素原子数が8個未満の臭素化された酸は,腐食
性を有していて且つ表面活性が小さいために除外されて
いる。
【0006】トンプソンらによる米国特許第2,89
8,255号は,脂肪族モノカルボン酸(例えば,ギ
酸,酢酸,又はプロピオン酸)と脂肪族ジカルボン酸
(例えば,シュウ酸,マロン酸,コハク酸,グルタル
酸,又はアジピン酸)との組み合わせ物によって活性化
されたロジンをイソプロパノール中に混合して得られ
る,プリント回路基板用の無腐食性フラックスについて
開示している(本フラックスはハンダ付け操作時にはね
散らばることがない)。はね散らばり(splatte
ring)のないフラックスとして与えられている1つ
の例は,ロジン(mp120℃/248°F),ギ酸
(bp100℃/212.5°F),及びグルタル酸
(bP200℃/392°F)の混合物をイソプロピル
アルコール中に混合して得られるフラックスであり,該
フラックスの場合,グルタル酸の含量が少ない(約1
%)ことがはね散らばりを防止しているとされており,
これと同時に,各成分の与えられた融点と沸点により,
ハンダ付けされる酸化物表面の段階的な脱酸素化が可能
になるとされている。
【0007】クボタによる米国特許第2,904,45
9号は,電気用途向けのペースト状フラックス又は固体
フラックスを開示している。該フラックスは,高純度で
安定なアビエチン酸アミン塩(例えばジエチレンアミン
塩)に転化されたロジンをべースとしており,本物質は
不溶性で加水分解を起こさず,ハンダ付け操作時におけ
るその中性樹脂状残留物は,従来のロジン〔流動化作用
を有するアビエチン酸(すなわち一塩基性有機酸)を2
5〜30%含む他に,ハンダ付けされた物品に欠陥を引
き起こす恐れのある樹脂質残分も含む〕とは異なり,無
腐食性且つ吸湿性である。
【0008】マークス(Marks)による米国特許第
3,235,414号と第3,264,146号は,食
品缶用のロジン非含有ハンダ付け用フラックスについて
開示している。該フラックスは,少なくとも4つの炭素
原子が2つのカボキシル基を隔てている形の9〜10個
の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸(例えば,アゼ
ライン酸やセバシン酸),又はその無水物やエステル
(例えば1.2重量部のエタノールアミン塩酸塩で変性
される)をジメチルホルムアミド極性溶媒中(例えば7
5重量部)に多量に含有した(例えば25重量部)比較
的高濃度の溶液として形成される。3個以下の炭素原子
が分子中に存在するカルボキシル基を隔てている形の酸
は,単一の分子からモノ無水物を形成させるのに望まし
くない。
【0009】アロンバーグ(Aronberg)による
米国特許第3,837,932号は,10〜80%のポ
リカルボン酸(例えばアジピン酸)粒状物を0.2〜5
%の可溶性ガム(残りの15〜89.8%は水)の水溶
液中に懸濁して得られる懸濁液を,鉛蓄電池のプレート
ラッグ(Plate lugs)をストラップに結合す
るためのロジン非含有ハンダ付け用フラックスとして開
示している。この場合,酸(例えばアジピン酸)は使用
される高い結合温度(482℃/900°F)において
昇華しない。乾燥粒状の酸だけを使用すること(予備加
熱後にラッグに施される)は,あまり好ましいとは言え
ない。
【0010】ザド(Zado)による米国特許第4,1
68,996号は,ロジン;ハロゲン化一塩基酸又はハ
ロゲン化二塩基酸のようなハロゲン置換基と不安定化置
換基とをもったアクチベーター(例えば2,3−ジブロ
モコハク酸);並びにポリカルボン酸(例えば,アジピ
ン酸,セバシン酸,又はアゼライン酸)もしくはヒドロ
キシル置換された多塩基酸,及び/又はケト酸(例えば
レブリン酸)のようなハンダ用界面活性剤;の混合物を
エタノール又はイソプロピルアルコールに混合し,そし
て必要に応じて二次的アクチベーター(例えばジエチル
アミン塩酸塩)とノニオン性の発泡剤を組み込んだフラ
ックスを開示している。該フラックスは,プリント回路
基板のハンダ付けに対して相乗効果を有する活性化され
たロジンフラックスである。
【0011】ザドによれば,ロジンをアクチベーターの
みと組み合わせて使用した場合,又はロジンをハンダ用
界面活性剤のみと組み合わせて使用した場合は相乗効果
を与えることはなく,また前記の米国特許第2,89
8,255号に記載の酸の組み合わせ物を含有したロジ
ンフラックスは,電子部品のハンダ付けに実際に使用す
るにはあまりにも酸性が強すぎ且つ腐食性が高すぎる。
【0012】残留物を含まないハンダ付け接続部の重要
性については,「“Europeans find w
ays to phase−out CFCs”,El
ectronic Packing & Produc
tion,Vol.29,No.1 Jan.198
9,pp.26,28,Linda Smith−Va
rgo,Associate Editor」に説明さ
れている。該論文によれば,プリント回路基板用に使用
されるフラックスは,通常は完全ハロゲン化クロロフル
オロカーボンすなわちCFCをべースとした有機液体を
使用することによって清浄化しなければならない残留物
を残存させるが,環境上の問題からCFCの放出を減少
させる必要により,CFCを使用しなくて済むような,
しかも残留物を含まない無腐食性の物品が得られるよう
なハンダ付け方法が必要とされている。
【0013】プリント回路基板のような電気用途におけ
る金属接続部をハンダ付けするための,そして除去のた
めの清浄化工程を必要とする腐食性及び/又は加水分解
性のイオン性残留物を生じることのないフラックスが求
められている。
【0014】本発明は,残留物の少ないハンダ付け用フ
ラックス〔特に,使用時において本質的に無腐食性で且
つイオン性残留物を含まない二塩基酸混合物又は3種の
酸の混合物(three−acid mixture;
TAM)を含有したフラックス〕を提供することによっ
て上記の問題点を解消する。
【0015】特に明記しない限り,本明細書に記載のパ
ーセント,部,及び割合は,全て重量基準である。本発
明の残留物の少ないフラックスは金属構成部品を熱ハン
ダ付けするのに使用され,3種の酸の混合物は,コハク
酸,グルタル酸,及びアジピン酸からなる本質的に非昇
華性の二塩基酸混合物である。具体的には,約15〜3
0%のコハク酸,約40〜63%のグルタル酸,及び約
10〜30%のアジピン酸を含有し,さらに詳細には,
約18〜30%のコハク酸,約51〜61%のグルタル
酸,及び約11〜30%のアジピン酸を含有する。コハ
ク酸,グルタル酸,及びアジピン酸のパーセントは,二
塩基酸混合物の総重量を基準とした値である。
【0016】本発明の3種酸混合物は,約90〜130
℃の融点(mp)と約150〜210℃(特に170〜
195℃)の沸点(bp)を有することが望ましく,ハ
ンダ付けされた部位にイオン性残留物が本質的に残存し
ないよう,熱ハンダ付け操作時に本質的に完全に揮発す
ることができる。特に,本発明の3種酸混合物は,腐食
性又は加水分解可能なイオン性(例えば酸性)成分の残
留物をたとえ残存するとしてもごく微量しか残存しな
い。
【0017】電子回路基板のようなハンダ付け部位は,
イオン性残留物を除去するための清浄化工程(例えば,
クロロフルオロカーボンや類似の環境上好ましくない洗
浄用液体によって)のないことが必要であり,清浄化工
程を施すことなくさらに処理される。
【0018】本明細書にて使用している本質的に“非昇
華性の”とは,熱ハンダ付け操作時に揮発するフラック
ス中の3種酸混合物の構成成分が揮発したままであり,
イオン性残留物としてハンダ付け部位にて再凝縮するこ
とがなく及び/又は再付着することがない,ということ
を意味する。従って,本発明の3種酸混合物は,本質的
に再凝縮を起こすことがなく且つ再付着を起こすことの
ない揮発可能な二塩基酸混合物である。
【0019】本発明のフラックスは,ロジンと活性付与
量の前記3種酸混合物を含んだロジンフラックスであっ
てもよいし,あるいは前記3種酸混合物を含んだロジン
非含有のフラックスであってもよい。ロジンフラックス
に関して,ロジンと3種酸混合物は,約65〜95%の
ロジン及び約5〜35%の3種酸混合物という互いに補
完的な比率となっている(すなわち,約65〜95部の
ロジン対35〜5部の3種酸混合物)。本発明のフラッ
クスは揮発可能なフラックスビヒクルを含んでもよく,
この場合,ロジンと3種酸混合物が合わせて約1.25
〜55%であり,ビビクルが約45〜98.75%であ
る。さらに本発明のビヒクルは,ハンダ付け部位に本質
的にイオン性残留物を残存しないよう,本質的に完全に
揮発することができる。本発明のビヒクルは,脂肪族ア
ルコール,脂環式アルコール,脂肪族カルボン酸エステ
ル,環状ケトン,又はこれらの混合物等の有機溶媒であ
る。
【0020】ロジンフラックスのビヒクルは,必要に応
じて少量の希釈剤としての脱イオン水を含んでもよく,
従って約70〜100%の溶媒と0〜30%の脱イオン
水を含んでもよい。溶媒と水は通常,約70〜99.5
%の溶媒及び0.5〜30%の水という互いに補完的な
比率となっている(すなわち,約70〜99.5部の溶
媒対30〜0.5部の水)。本明細書にて使用している
“少量”の水とは,多くてもビビクル総重量の約30%
を意味する。
【0021】ロジン非含有のフラックスに関して説明す
ると,本フラックスは,コハク酸,グルタル酸,及びア
ジピン酸からなるロジン非含有の本質的に非昇華性の二
塩基酸混合物(約150〜210℃の沸点を有する)を
揮発可能な有機溶媒から形成された揮発可能なフラック
スビヒクル中に混合して得られる。二塩基酸混合物は,
熱ハンダ付け時に本質的に完全に揮発してハンダ付け部
位にイオン性残留物を本質的に完全に残存しないよう,
充分な希釈溶液として存在する(例えば,通常は約10
%未満の濃度,好ましくは多くても約7.5%の濃
度)。
【0022】特に,ロジン非含有フラックスは,約0.
2〜1%の3種酸混合物とフラックスビヒクルとしての
99〜99.8%の揮発可能な有機溶媒(例えば,脂肪
族アルコール,脂環式アルコール,脂肪族カルボン酸エ
ステル,又はこれらの混合物)からなるロジン非含有溶
液を含む。ロジン非含有フラックスのビヒクルはさら
に,必要に応じて少量の希釈用脱イオン水を含んでもよ
い。本明細書で使用している“少量”の水とは,多くて
もビヒクル総重量の約1%を意味する。通常,本発明の
ロジンフラックスは,本質的に,約1〜35%のロジ
ン,約0.25〜20%の前記3種酸混合物,約45〜
98.75%の揮発可能な有機溶媒,及び約0〜20%
の脱イオン水からなる。ロジン,3種酸混合物,溶媒,
及び水のパーセントは,フラックスの総重量を基準とし
た値である。
【0023】ロジン含量の多いフラックスの場合(例え
ば一般的な金属ハンダ付け用),本発明のフラックスは
通常,約25〜35%のロジン,約2.5〜20%の3
種酸混合物,約45〜60%の溶媒,及び5〜20%の
水を含有する。溶媒と水は通常,約75〜90%の溶媒
及び約10〜25%の水という互いに補完的な比率とな
っている(すなわち,約75〜90部の溶媒対約25〜
10部の水)。ロジン含量の少ないフラックスの場合
(例えば回路基板部品のハンダ付け用),本発明のフラ
ックスは通常,約1〜8%のロジン,約0.25〜1%
の3種酸混合物,約90〜98.75%の溶媒,及び約
0〜1%の水を含有する。溶媒と水は通常,約99〜9
9.5%の溶媒及び約0.5〜1%の水という互いに補
完的な比率となっている(すなわち,約99〜99.5
部の溶媒対1〜0.5部の水)。
【0024】有機溶媒は,低沸点の脂肪族低級アルコー
ル(例えば,エチルアルコール,n−プロピルアルコー
ル,イソプロピルアルコール,n−ブチルアルコール,
又はsec−ブチルアルコール等の低級アルキルアルコ
ール又は低級アルカノール)や高沸点の脂肪族もしくは
脂環式アルコール〔例えば,テトラヒドロフルフリルア
ルコール(沸点約178℃)等〕などのアルコール類,
又はフラックス内容物が溶解しうる他の揮発可能な脂肪
族もしくは脂環式アルコール類でよい。本明細書で使用
している“低級”脂肪族アルコール,“低級”アルキル
アルコール,又は“低級”アルカノールとは,5個未満
の炭素原子を主鎖とするアルコールを意味する。アルコ
ールは一般にはイソプロピルアルコール(比重0.7
8)であり,ロジンと共にロジンフラックスに加えられ
る。この場合,工業用のロジン溶液が使用される。
【0025】有機溶媒は,例えば,低沸点(例えば約2
00℃未満)又は高沸点(例えば約250℃未満)を有
する脂肪族カルボン酸エステル等の他のいかなる適切な
溶媒であってもよい。脂肪族カルボン酸エステルは,特
に,脂肪族ジカルボン酸ジ低級アルキルエステルもしく
はそのエステル混合物,通常はコハク酸ジメチル,グル
タル酸ジメチル,及びアジピン酸ジメチル等のアルカン
二酸ジ低級アルキルエステル(低級アルキルアルカンジ
オエート)もしくはそのエステル混合物;コハク酸ジ低
級アルキル,グルタル酸ジ低級アルキル,及びアジピン
酸ジ低級アルキルからなるエステル混合物(例えば,約
10〜20%のコハク酸ジ低級アルキル,60〜70%
のグルタル酸ジ低級アルキル,及び10〜20%のアジ
ピン酸ジ低級アルキル);及び特に,精製されたコハク
酸ジメチルエステル,グルタル酸ジメチルエステル,及
びアジピン酸ジメチルエステルからなる混合物;又はフ
ラックス内容物が溶解しうる他の揮発可能なエステル;
である。
【0026】精製されたジメチルエステルのこのような
好ましい混合物は,デュポン社から“DBE”溶媒の商
品名で販売されている。本品の平均分子量は159,2
0℃の水に対する溶解度は5.3%,引火点は100
℃,粘度は2.4センチストークス(25℃),表面張
力は35.6ダイン/cm(20℃),沸点は約196
〜225℃,比重は1.092(20℃),そしてエス
テルの総含量は99.5%(最少)であり,約16.5
%のコハク酸ジメチル,約66%のグルタル酸ジメチ
ル,及び17%のアジピン酸ジメチルを含み,さらに約
0.2%のメタノール,0.1%の水(最大),及び1
0ppm未満のシアン化水素を含む。
【0027】他の精製されたジメチルエステル又はこれ
らの混合物としては,デュポン社から下記の商品名で販
売されているものがある。“DBE−2”溶媒。本品の
平均分子量は163,20℃の水に対する溶解度は4.
2%,引火点は104℃,粘度は2.5センチストーク
ス(25℃),沸点は約210〜225℃,比重は1.
081(20℃),そしてエステルの総含量は99.5
%(最少)であり,約0.5%のコハク酸ジメチル,7
6%のグルタル酸ジメチル,及び23%のアジピン酸ジ
メチルを含み,さらに約0.1%未満のメタノールと
0.1%の水(最大)を含む。
【0028】“DBE−3”溶媒。本品の平均分子量は
173,20℃の水に対する溶解度は2.5%,引火点
は102℃,粘度は2.5センチストークス(25
℃),沸点は約215〜225℃,比重は1.068
(20℃),そしてエステルの総含量は99.5%(最
少)であり,約0.5%のコハク酸ジメチル,10%の
グルタル酸ジメチル,及び89%のアジピン酸ジメチル
を含み,さらに約0.1%未満のメタノールと0.3%
の水(最大)を含む。
【0029】“DBE−4”溶媒。本品の平均分子量は
146,20℃の水に対する溶解度は7.5%,引火点
は94℃,粘度は2.5センチストークス(25℃),
沸点は約196℃,比重は1.121(20℃),そし
てエステルの総含量は99.5%(最少)であり,約9
9.5+%のコハク酸ジメチルを含み,さらに約0.1
%未満のメタノールと0.1%の水(最大)を含む。
【0030】“DBE−5”溶媒。本品の平均分子量は
160,20℃の水に対する溶解度は4.3%,引火点
は107℃,粘度は2.5センチストークス(25
℃),沸点は約210〜215℃,比重は1.091
(20℃),そしてエステルの総含量は99.5%(最
少)であり,約0.6%のコハク酸ジメチル,99%の
グルタル酸ジメチル,及び0.1%のアジピン酸ジメチ
ルを含み,さらに約0.1%のメタノールと0.3%の
水(最大)を含む。
【0031】“DBE−9”溶媒。本品の平均分子量は
156,20℃の水に対する溶解度は5%,引火点は9
4℃,粘度は2.4センチストークス(25℃),沸点
は約196〜215℃,比重は1.099(20℃),
そしてエステルの総含量は98.5%(最少)であり,
約25%のコハク酸ジメチル,73%のグルタル酸ジメ
チル,及び1.5%のアジピン酸ジメチルを含み,さら
に約0.3%のメタノールと0.5%の水(最大)を含
む。
【0032】脂肪族カルボン酸エステル(例えば,約1
96℃〜約200℃の沸点を有するもの)は,上記のタ
イプのアルコールと混合使用して溶媒の沸点を下げるの
が好ましい。同様に,溶媒は,アザ脂環式(すなわちN
−複素環式)ケトン〔例えば,シクロペンタノン,シク
ロヘキサノン,N−メチル−2−ピロリドン(沸点約2
02℃),又はフラックス内容物が溶解しうる他の揮発
可能なケトン〕も含めた環状ケトンでもよい。さらに環
状ケトンは,上記タイプのアルコール及び/又はエステ
ルと混合使用して溶媒の沸点を下げることもできる。
【0033】ロジンフラックスは通常は液状形態である
が,適切な揮発可能ペースト,固体キャリヤービヒク
ル,又はエキステンダー〔例えば,液状もしくはゼリー
状(ペースト形態)のグリセロール又はワックス(固体
形態)〕と混合することによってペースト形態又は固体
形態であってもよい。液状フラックス,ペースト状フラ
ックス,又は固体状フラックスを得るのに使用されるキ
ャリヤービヒクルやエキステンダーは全て,フラックス
内容物,ハンダ,及びハンダ付けされる金属表面に対し
て化学的に不活性で且つ相容性がなければならず,また
ハンダ付け操作時に揮発してハンダ付け部位に本質的に
イオン性残留物を残存しないものでなければならない。
【0034】一般には,本発明のロジン非含有フラック
スは,本質的に,約0.5〜1%の3種酸混合物及び約
99〜99.5%の脂肪族低級アルコールを含む溶液,
又は約0.2〜1%の3種酸混合物,2〜10%の脂肪
族ジカルボン酸ジ低級アルキルエステル,88〜97.
6%の脂肪族低級アルコール,及び0.2〜1%の水を
含む溶液からなる。3種酸混合物,アルコール,エステ
ル,及び水のパーセントは,溶液の総重量を基準とした
値である。アルコールとエステルは,ロジンフラックス
の場合に使用したのと同じタイプのものでよく,特にイ
ソプロピルアルコールと脂肪族ジカルボン酸ジ低級アル
キルエステルもしくはエステル混合物(例えば,コハク
酸ジメチルエステル,グルタル酸ジメチルエステル,及
びアジピン酸ジメチルエステル;又はコハク酸,グルタ
ル酸,及びアジピン酸のジ低級アルキルエステルの混合
物)である。
【0035】本発明のエステルは,約10〜20%のコ
ハク酸ジ低級アルキル,60〜70%のグルタル酸ジ低
級アルキル,及び10〜20%のアジピン酸ジ低級アル
キルを含む混合物;及び特に,デュポン社から“DB
E”溶媒の商品名で販売されている,精製されたコハク
酸ジメチルエステル,精製されたグルタル酸ジメチルエ
ステル,及び精製されたアジピン酸ジメチルエステルを
含む混合物(前述)が好ましい。さらに本発明のエステ
ルは,前述の如くデュポン社から“DBE−2”,“D
BE−3”,“DBE−4”,“DBE−5”及び/又
は“DBE−9”の商品名で販売されているタイプのい
ずれであってもよい。
【0036】本発明のロジン非含有フラックスは,電子
回路基板部材をハンダ付けするのに使用することがで
き,驚くべきことに,ロジンが存在しないにもかかわら
ず,3種酸混合物が組み込まれていることにより充分な
流動化作用を有し,ハンダ付け操作後にイオン性残留物
は殆ど残存しない。脂肪族カルボン酸エステルは,フラ
ックスとして作用するほどには,又は3種酸混合物を活
性化するほどには充分に酸性ではないが,本エステル
は,その比較的低い表面張力(例えば35.6ダイン/
cm)により,ロジン非含有フラックス中の3種酸混合
物の流動化作用を高める,と考えられている。これによ
り,接合すべき部品上に3種酸混合物を広がりやすくす
るための強力な湿潤剤として作用させて,ハンダ付け操
作を改良することができ,ハンダ付け後においてイオン
性残留物は殆ど残らない。
【0037】水が存在する場合,水はエステルを加水分
解するよう作用し,その湿潤作用を高める。しかしなが
ら,エチレングリコール又は類似の加水分解抑制剤を組
み込んで,水の存在下で起こるエステルの加水分解の程
度を抑えることができる。このエステル加水分解抑制剤
は,存在する水の量の最大約当量までの量にて加え,こ
れによってフラックス水溶液中の遊離酸の含量が抑制さ
れる。エステルを使用すると,ロジン非含有フラックス
において必要とされる3種酸混合物の量を減らすことが
できて有利である。
【0038】本発明の3種酸混合物は,熱ハンダ付け操
作時に本質的に完全に揮発してハンダ付け部位に本質的
にイオン性残留物を残存しないよう,使用される揮発可
能な溶媒中への充分に希薄な溶液としてロジン非含有フ
ラックス中に存在するのが望ましい。一般には,ロジン
非含有フラックス中における3種酸混合物の量がフラッ
クス総重量の約0.2%未満であると,熱ハンダ付け操
作に対して流動化作用が不充分である。一方,3種酸混
合物の量が約1%以上になると,さらには約2%以上に
なると,特に約5%以上になると,一般には約7.5%
以上になると,又は少なくとも約10%になると,熱ハ
ンダ付け操作時においてロジン非含有フラックスのイオ
ン性残留物が許容しうる低レベルを越える傾向が増大す
る。
【0039】許容しうる低レベルとは,洗浄工程を施す
必要のないレベル,並びにフラックス成分の本質的に完
全な沸騰消失を確実に起こさせるよう,周囲温度をハン
ダ付け温度より充分に高く上げるためのハンダ付け部位
の補足加熱の費用やトラブルもなく得られるレベルであ
る。従って,ロジン非含有フラックスを回路基板のハン
ダ付け用に使用する場合,実際的で効率的なハンダ付け
を行うためには,好ましくはフラックス総重量の約5%
未満の,さらに好ましくは約2%未満の,そして最良の
結果を得るためには約1%以下の量の3種酸混合物を組
み込むのが望ましい。これにより,通常の形で行われた
熱ハンダ付け操作後において,フラックス成分のはね散
らばり,昇華,又は局部付着も起こらずに,本質的にイ
オン性残留物の存在しないハンダ付け部位が得られる。
【0040】より強力な流動化作用が必要であるか又は
望ましく,そしてロジン非含有フラックスを使用する際
にこの流動化作用を得るためにより多くの量の3種酸混
合物が使用可能であるような他のハンダ付け用途におい
ては,この3種酸混合物の量は,フラックス総重量の約
1%を越えてもよく,又は約2%を越えてもよく,さら
には約5%を越えてもよい。こうした状況においては,
3種酸混合物の量は,最大約7.5%まで増大してもよ
いが,一般にはフラックス総重量の約10%未満であ
る。従って,ロジン非含有フラックス中における3種酸
混合物の実際の量は,ハンダ付けされる金属の性質;必
要とされる流動化作用の程度;効果的な流動化作用を得
るためのハンダ付け温度;溶融ハンダの流れ;及び本質
的に無腐食性でイオン性残留物の存在しないハンダ付け
物品を得るためにハンダ付け操作時においてフラックス
成分を本質的に完全に揮発させること;に応じて選定さ
れる。
【0041】ロジンフラックス及びロジン非含有フラッ
クスのいずれにおいても,溶媒は水に対して混和性があ
るのが好ましい。水に対する混和性があれば,必要に応
じて希釈剤として水を加えて溶媒コストを下げたり,フ
ラックスの発泡性を高めたりすることができ,従ってそ
の広がり作用を起こしやすくすることができる。溶媒と
水はハンダ付け操作時に沸騰消失するので,それらが存
在していても物品にとって有害とはならない。ハンダ付
け部位における残留物のはね散らばりや付着を抑制する
ために,そして物品の品質に悪影響を与えるハンダ玉
(solderball)の形成を抑制するために,ご
く少量の水が使用される。本質的にイオン性残留物の存
在しない物品が望ましいので,イオン性残留物の増大を
避けるために脱イオン水が使用される。
【0042】金属表面を熱ハンダ付けする場合,金属表
面上への被覆配置において有効量のフラックスの存在下
で,ハンダの溶融流れを起こすに足る温度にて,そして
フラックスを揮発させてハンダ付け部位に本質的にイオ
ン性残留物を残存しない温度にて,ハンダが金属表面に
施される。ハンダ付けは,従来の温度(例えば約200
〜500℃,好ましくは約250〜350℃)で行うこ
とができる。例えば,回路基板部材は前記温度範囲の下
端でハンダ付けすることができ,また他の接続部は前記
温度範囲の上端でハンダ付けすることができる。ハンダ
は,錫−鉛ハンダ(例えば,融点が191〜193℃の
60%錫−40%鉛)や共融錫−鉛ハンダ(例えば,融
点が183℃の63%錫−37%鉛)等のいかなる公知
のタイプでもよい。
【0043】フラックスは,従来の方法〔例えば,フォ
ーミング(foaming),ウェーブ・フラクシング
(wave fluxing),スプレーイング(sp
raying),ブラッシング(blushing),
ローリング(rolling),及びディッピング(d
ipping)等〕によって接合すべき表面に施され
る。次いで,ハンダ付けされる表面を互いに接触させ
て,ハンダ付け温度にて接合する。そしてこのハンダ付
け温度にてフラックス成分の沸騰消失が引き起こされ
る。通常,ハンダ付け部位におけるイオン性残留物の残
存程度は,ハンダ付け操作時に使用されるハンダ付け温
度の関数である。従って,ロジンフラックス中における
3種酸混合物の量は,与えられたハンダ付け条件下に
て,ロジンの充分な活性化と3種酸混合物の本質的に完
全な揮発が達成されて,ごく少量のイオン性残留物しか
残存しないよう選定される。同様に,ロジン非含有フラ
ックス中における3種酸混合物の量は,与えられたハン
ダ付け条件下にて,充分な流動化作用と3種酸混合物の
本質的に完全な揮発が達成されて,ごく少量のイオン性
残留物しか残存しないよう選定される。
【0044】簡単な試験を使用して,ハンダ付け部位に
少量のイオン性残留物しか残存させないという目的を満
たしつつ,与えられたハンダ付け温度において意図する
目的に関してフラックス中に必要とされる3種酸混合物
の量を最適化することができる。要するに,本発明は,
金属(例えば,錫プレート,銅,黄銅,ニッケル等)を
ハンダ付けするための無腐食性のフラックスを提供し,
このとき3種酸混合物は,充分な流動化作用に関して個
々の酸の性質とは大きく異なる性質をフラックスに与
え,しかもイオン性残留物の残存は極めて少ない。
【0045】本発明のフラックスの特定の利点としては
以下のようなものがある。 (1) 3種酸混合物は最も広い沸点範囲を有する(例
えば150〜210℃)。すなわちコハク酸(3種の酸
のうち沸点の最も低い成分)の沸点である235℃より
かなり低い。 (2) 3種酸混合物はその1つの成分であるコハク酸
のように昇華せず,従ってハンダ付け操作時において,
例えば回路基板の隣接した区域に凝縮することがない。 (3) 3種酸混合物は,約1〜2%という低いロジン
含量のロジンフラックスの使用を可能にするユニークな
性質を有し,界面活性剤を加えなくてもハンダ付け操作
時に充分な発泡が得られる。 (4) 3種酸混合物は悪臭のない組成物であり,ハン
ダ付け操作時に有害で刺激性の分解生成物を生じること
がない。 (5) 3種酸混合物は,アクチベーターとして個々に
使用することのできる各構成成分より安価である。 (6) 3種酸混合物はロジン非含有フラックスとして
使用可能である。 (7) 3種酸混合物(精製された状態であろうとなか
ろうと)を必須成分として使用して上記の利点を達成す
ることができる。従って工業用純度の3種酸混合物が使
用でき,良好な清浄化作用をもつ安定なフラックスが得
られ,ハンダ付け操作後に残存するごく少量の残留物は
腐食性を示さず,残留物除去の必要もない。
【0046】3種酸混合物中における3種の酸の配合比
率,及びフラックス中における全ての成分の比率は,フ
ラックスの広がり;ハンダ付けされる表面の“湿潤”;
はね散らばり,昇華,又は局部的な再付着を起こすこと
なく揮発すること;が向上されるような表面張力特性と
沸点が得られるよう選定される。物品上には,ごく微量
の残留物が残存するにすぎない。本残留物のイオン性物
質含量〔マイクログラム/cm当量のNaCl(オメ
ガメーター(OmegaMeter)測定による,後
述)として表示〕は極めて少ない。すなわち,約5ug
/cm未満,特にロジンフラックスに関しては約3u
g/cm未満,そしてロジン非含有フラックスに関し
ては約1.2ug/cm未満である。
【0047】本明細書で使用している“微量”とは,約
5ug/cm未満の極めて少ない量を意味している。
すなわち,1cm当たり百万分の5グラム未満に相当
するマイクログラム量である(Hackh’s Che
mical Dictionary,第4版,196
9;p.686:“微量(trace)”−ごく少量,
通常5ガンマ/g未満;p.288:“ガンマ”−10
−6g;p. 429:“マイクログラム”−μg,ガ
ンマ,100万分の1g;を参照)。
【0048】本発明のフラックスを使用した場合,残留
イオン性汚染物に関する清浄度試験(前記のオメガメー
ター測定による)により,未洗浄のハンダ付け電子回路
基板は,微量より少ないイオン性残留物を有し,一方,
フレオンTMS(塩素化溶媒,デュポン社)で洗浄した
対応するハンダ付け基板は,これよりほんのわずかに少
ない残留物を有していることがわかった。従って,本発
明のフラックスを使用すると,清浄化工程を施さなくて
も,許容しうる程度の少量のイオン性残留物を含んだ高
品質・高信頼性の製品が得られ,またたとえ清浄化工程
を施したとしても,イオン性残留物のさらなる減少量は
ほんのわずかである。
【0049】論文「カークーオスマー エンサイクロペ
ディア・オブ・ケミカル・テクノロジー,第3版,Jh
on Wiley & Sons」は,“ジカルボン
酸”に関して概説している(Vol.7:614−62
5)。すなわち,直鎖状の飽和脂肪族シリーズのジカル
ボン酸(二酸)について説明されており,これらの有機
二塩基酸の最初の9種についてその融点と沸点のデータ
を表Aに示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】該論文は,これらの二酸が結晶質固体であ
り,脂肪族鎖長(分子量)が増大するにつれてその融点
が低下することを指摘している。融点,水に対する溶解
度,及び脱炭酸反応もしくは分解の起こり易さ等のいく
つかの物理的特性は一連の化合物の隣接構成員に対して
交互に変わるが,沸点,密度,及び誘電定数等の他の特
性はそうではない。奇数番号の酸は,その隣接構成員よ
り低い温度で融解する(例えば,炭素原子数が5のグル
タル酸は,隣接構成員である炭素原子数が4のコハク酸
や炭素原子数が6のアジピン酸よりかなり低い温度で融
解する)けれども,それらの沸点は,分子量の増大と共
に増大する。
【0054】低級(低分子量)二酸の沸点は測定するの
が困難である。なぜなら,これらは昇華したり,脱水し
たり,又は分解したりするからである。炭素原子数が偶
数の酸は,炭素原子数が奇数の酸より脱炭酸反応や分解
を起こしにくい。熱分解は,不純物,環境,及び分解生
成物からの触媒作用を受けやすく,脱炭酸反応を起こし
てモノカルボン酸又は無水物を形成する。水が脱離する
と,コハク酸とグルタル酸は環状無水物を形成し,そし
てアジピン酸はポリマー(直鎖状)無水物を形成する。
【0055】マロン酸とグルタル酸は極めて水溶性が高
く,残りの偶数炭素原子の酸は水溶性があまり高くな
く,溶解度は,奇数炭素原子の酸に対する高い値と偶数
炭素原子の酸に対する低い値との間で交互に変わり,鎖
長(分子量)が増大するにつれて急激に減少する。シュ
ウ酸とマロン酸は強酸であり,高級になるにつれて酸性
が弱くなる。奇数炭素原子の酸は隣接した偶数炭素原子
の酸より低いイオン化定数を有するけれども,アジピン
酸より高級の全ての酸に対しては,イオン化定数の値は
殆ど一定となる。
【0056】該論文によれば,マロン酸はその融点より
高く加熱すると二酸化炭素を失い,水溶液の場合では,
70℃において脱炭酸反応を受ける(vol.14:7
94−795);コハク酸は,188℃の融点未満に加
熱されたときに昇華し,その融点において脱水して環状
無水物が形成され,無水コハク酸は119.6℃の融点
を有する(vol.21:848−849);アジピン
酸は,グルタル酸やコハク酸とは異なって環状無水物を
形成しにくいが,225℃より高くなると分解してシク
ロペンタノンとなる(vol.1:510−513)。
【0057】「メルクインデックス,第10版,198
3,Merck & Co.,RathWay,N.
J.,」は,これら9種の二酸に関して類似のデータ
〔特に,大気圧下(760mmHg)での沸点〕を記載
している。メルクインデックスによれば,シュウ酸は1
57℃で昇華し,より高い温度では分解し,吸湿性があ
って有毒である;マロン酸は135℃にて分解を伴って
融解する;コハク酸は融点が185〜187℃,沸点が
235℃であって,一部は無水物(融点119.6℃,
沸点261℃)に転化する;グルタル酸は融点が97.
5〜98℃,沸点が302〜304℃であって,若干分
解する;アジピン酸は融点が152℃,沸点が337.
5℃であり,吸湿性はない;ピメリン酸は昇華しやす
い;と説明されている。
【0058】シュウ酸とマロン酸は,本発明にとっては
望ましくない。なぜなら,これらは低分子量であって,
酸性が強く,高い解離定数を有するからである。またシ
ュウ酸は157℃で昇華し吸湿性があるが,マロン酸は
135℃の融点にて分解し,従ってフラックスの特性に
悪影響を与え,多量のイオン性残留物が残存する(例え
ば,分解生成物や昇華生成物より)。ピメリン酸及びこ
れより高級の酸は本発明に対しては望ましくない。なぜ
なら,コストが高く,分子量が大きく沸点が高い(沸点
は分子量の増大と共に上昇する)からであり,フラック
スの特性やフラックスの充分な沸騰消失に対して悪影響
を及ぼす。ピメリン酸はコストが高いだけでなく,はね
散らばりや昇華を起こして,回路基板に対し昇華成分や
分解成分の局部的な付着を引き起こし,従って物品の品
質が損なわれる。
【0059】コハク酸,グルタル酸,及びアジピン酸を
前述の比率の混合物として使用した場合,コハク酸は昇
華しやすくグルタル酸は非吸湿性のアジピン酸と比較し
て水溶性が高いけれども、個々の酸とは対照的に,混合
物の平均分子量と降下した沸点により,フラックスに対
して効率的な広がり作用が付与され,より低い沸点を有
するグルタル酸の含量が高いと,より低含量でより高沸
点のコハク酸とアジピン酸の沸騰消失が促進されるよう
である(フラックスがボイドを生じることなく広がり,
はね散らばりも起こさずまたイオン性残留物も少ないこ
とが見出されている)。本発明のロジンフラックス用の
ロジンは,ウォーターホワイト・ロジン(water−
white rosin)であっても,又は適切な配合
形態のロジンであってもよく,例えば,市販の液状物
(例えばイソプロピルアルコールのような揮発性溶媒中
に溶解した形の溶液)やロジン含有合成樹脂調製物のよ
うな固体物でもよい。
【0060】先ず第1の市販ロジン配合物―不活性化さ
れたタイプRロジンフラックスとしてKESTER#1
35(Litton/Kester Co.,Des
Plaines,IL)の商品名で販売―は,ウォータ
ーホワイト・ロジンをイソプロピルアルコール中に溶解
した形の均質溶液である。本品は,ロジンと同様に無腐
食性で且つ非導電性の性質を有しており,天然ロジン中
に見出される異物粒子が除去されるよう処理されてい
る。本品は,41%のロジンと59%のイソプロピルア
ルコールからなり,沸点77℃(170°F),比重
0.880,揮発分含量66容量%,水に対する溶解度
59%,及び引火点18℃(65°F)である。第2の
市販ロジン配合物 ―ULTRA−DRY FLUX
#UD−3040(Urban Chemical C
o.,Deerfield,IL)の商品名で販売―
は,40%のロジンと60%のイソプロピルアルコール
からなる。本品は,沸点が93℃(200°F),比重
が0.884,揮発分含量が66容量%,そして引火点
が21℃(70°F)である。第3の市販ロジン配合物
―STAYBELITE樹脂(HerculesIn
c.,Wilmington,DE)の商品名で販売―
は,ロジン含有の合成樹脂調製物であり,水素化樹脂か
ら形成された固体生成物を含む。
【0061】本発明のロジンフラックスとロジン非含有
フラックスに使用される3種酸混合物又はTAMは,い
かなる原料からのものでもよく,例えばコハク酸,グル
タル酸,及びアジピン酸が所望の割合で配合されている
市販混合物がある。先ず第1の市販混合物は,デュポン
・カナダ社から市販のこれら3種の酸のブレンド物であ
り,優れた溶解度,適度な酸性(pH2.95),90
〜130℃の融点範囲,及び170〜195℃の沸点範
囲を有する。TAM配合物#1 ―アッセイ97.0%(最少),コ
ハク酸26〜30%,グルタル酸55〜59%,アジピ
ン酸11〜15%,酸無水物3%(平均),コハク酸イ
ミド0.8%(最大),グルタル酸イミド0.6%(最
大),水0.3%(最大),銅1ppm(最大),バナ
ジウム1ppm(最大),及び鉄5ppm(最大)を含
む。典型的には,アッセイ97,6%,コハク酸27.
7%,グルタル酸56.6%,アジピン酸13.2%,
酸無水物2.7%,コハク酸イミド0.7%,グルタル
酸イミド0.56%,水0.08%,銅0.28pp
m,バナジウム0.1ppm,及び鉄1.9ppmを含
むか;又はコハク酸27%,グルタル酸57.5%,ア
ジピン酸11.6%,酸無水物約4%,コハク酸イミド
0.7%,グルタル酸イミド0.5%,及び水0.2%
を含む。
【0062】第2の市販混合物は,デュポン社から市販
の“DBA”という商品名の製品であり,水に対する溶
解度(18℃/64°F)は20%である。TAM配合物#2 ―コハク酸18〜28%,グルタル
酸51〜61%,アジピン酸15〜25%,有機窒素化
合物1%,硝酸0.2%,銅0.02%,及びバナジウ
ム0.01%を含む。3種の酸を脱イオン水中に溶解し
た形の50%濃度溶液として市販されており,比重は
1.106であって,26%のコハク酸,55%のグル
タル酸,18%のアジピン酸,及び0.3%の硝酸を含
む。
【0063】第3の市販混合物はBASF社から市販の
ジカルボン酸製品であり,水に対する溶解度(室温)約
10%、約100〜130℃の融点範囲,及び約150
〜210℃の沸点範囲を有する。TAM配合物#3 −アッセイ97%(最少),コハク
酸25〜30%,グルタル酸42〜47%,アジピン酸
25〜30%,2,5−ピロリジンジオンと2,6−ピ
ペリジンジオン2.3%,及び水0.5%を含む。
【0064】第4の市販混合物は,「Rhone−Po
ulenc Inc.,Princeton,NJ」か
ら市販の“ジアシッド(Diacides)AGS”と
いう商品名の製品であり,水に対する溶解度(室温)約
10%,及び100〜130℃の融点範囲を有する。TAM配合物#4 ―コハク酸18〜25%,グルタル
酸50〜55%,アジピン酸20〜25%,及び無水コ
ハク酸1.4%を含む。具体的には,コハク酸19.5
%,グルタル酸51.6%,アジピン酸22.6%,酸
無水物1.4%(無水コハク酸として),窒素0.06
%(ケルダール法),水0.3%,銅0.4ppm,バ
ナジウム0.06ppm,及び鉄2.4ppmを含む。
これらのTAM配合物は3種酸混合物として使用可能で
あり,各構成成分の範囲は,コハク酸が約18〜30
%,グルタル酸が約51〜61%,及びアジピン酸が約
11〜30%である。
【0065】TAM配合物#1〜4の3種酸混合物(特
に精製されているわけではない)は,フラックス中に配
合されると比較的厳しい条件下において,電子回路基板
部品のハンダ付けに対して満足できるハンダ付け適性を
与え,しかも,ハンダ付け部位に本質的にイオン性残留
物を残存せず,さらにこうした市販グレードの混合物中
には不純物が存在しているにもかかわらず洗浄工程が不
要となる,ということは全く予想外のことであった。
【0066】このことは,カーク−オスマーの論文中の
上記説明と照らし合わせると特にそうであり,これら二
酸の熱分解反応は,不純物,及び市販TAM配合物#1
〜4中の上記化合物による触媒作用を受けやすい。高純
度グレードと工業用グレードの化学品の値段は多くのフ
ァクターにより影響されるが,以下におおまかな比較を
行ってみる。高純度の当該3種の酸と次の高級酸(ピメ
リン酸)の最近報告されている値段が表Dに比較してあ
る。
【0067】
【表4】
【0068】仮に3種の酸を等量使用して混合物にする
と,その値段は平均210.45ドル/kgとなり,グ
ルタル酸の代わりにピメリン酸を使用すると225.2
8ドル/kgにアップし,そしてグルタル酸の代わりに
コハク酸又はアジピン酸を使用しても値段はアップす
る。こうした置き換えを行うと得られる混合物の性質が
変わり,融点や沸点が異なるようになり,より分子量の
大きいピメリン酸を使用すると平均分子量が増大する。
但し,ピメリン酸は,昇華しやすいという好ましくない
傾向を有する。
【0069】さらに重要なことには,コハク酸,グルタ
ル酸,及びアジピン酸の市販純度混合物(上記のTAM
配合物#1〜4)の値段は,約1.25ドル/kg
(0.57ドル/ポンド)であり,この値段は高純度酸
混合物に対する上記の算出平均値段よりはるかに安く,
グルタル酸の代わりにピメリン酸を使用した比較用混合
物はかなり高くなる。これら市販混合物のフラックス中
における低純度にもかかわらず,またイオン性残留物を
多くても痕跡量に抑える必要があるにもかかわらず,驚
くべきことにこれらの市販混合物は,本発明の目的に対
して極めて適切に機能し,高純度の高価な個々の酸から
混合物を作製する必要はない。前記のメルクインデック
スのデータに基づき,およその融点と沸点を表Eに記
す。
【0070】
【表5】
【0071】これらの酸の市販混合物は,90〜130
℃と100〜130℃の融点範囲(平均融点110
℃),及び170〜195℃と150〜210℃の沸点
範囲(平均沸点180℃)を有しており,いずれも表E
の平均値より低い。市販混合物の融点範囲は,コハク酸
とアジピン酸の沸点より低く,そしてその沸点範囲は,
コハク酸の沸点(すなわちこれら3種の酸の中で最も低
い)より低い。沸点範囲の低下した市販混合物の明確な
利点は,酸が沸騰消失してイオン性残留物を殆ど残さ
ず,従って市販グレード混合物中の不純物,そして二塩
基酸を含んでいることによる高い酸性は問題とはならな
いことが判明している,ということにある。これら3種
の酸が上記の範囲にあるとき,ハンダ付けすべき表面を
適切に被覆するのに最適の結果が得られ,これと同時
に,はね散らばり,昇華,及び局部付着なども抑制され
る。
【0072】高い酸含量と市販混合物中の不純物にもか
かわらず,成分は通常のハンダ付け条件にて沸騰消失
し,イオン性物質の残留が殆ど避けられ,イオン性残留
物を除去するための洗浄工程が不要となる。フラックス
は,イオン性残留物の少ない物品を得るのに優れたハン
ダ付け適性を確実に与え,ハンダ付け操作は,回路基板
や固定具に不快な臭気を発生することなく行われ,そし
て特別な工程を施すことなく,その表面がハンダ付け後
の所望の乾燥度と非粘着性状態を有する回路基板製品が
得られる。
【0073】本発明のロジン非含有フラックスに関し
て,脂肪族カルボン酸エステル〔特に前記“DBE”溶
媒(デュポン社)〕をイソプロピルアルコール(IP
A)のような低級脂肪族アルコールと混合することが特
に望ましい。なぜなら,フォーミング用,スプレーイン
グ用,ウェーブ用に使用されるときに,3種酸混合物の
溶液配合物に低い表面張力が付与されるからである。ロ
ジン成分を対応するエステル成分で置き換えると,ロジ
ン非含有フラックスの値段が低下し,そしてエステル成
分を使用すれば,成分の一部を同等の値段のエステル成
分で置換することにより3種酸混合物の成分の量を適当
に調節することができる。フラックスに使用される上記
の市販の化学成分と化学配合物成分に関して,最近報告
されている値段を表Fに比較して示す。
【0074】
【表6】
【0075】表Fは,“DBE”溶媒(比重1.09
2)の値段がTAM配合物#1〜4の値段とほぼ同じで
あること;ロジンの市販IPA(イソプロピルアルコー
ル)溶液(ロジン部分41%,KESTER#135,
比重0.880;ロジン部分40%,ULTRA−DR
Y FLUX #UD−3040,比重0.884)の
算出値段より安価であること;並びに,水素化ロジン調
製物(STAYBELITE樹脂)の値段より安価であ
ること;を示している。低コストのIPA(比重0.7
8)を使用すれば,市販のロジンIPA溶液(KEST
ER#135とULTRA−DRY#UD−3040)
のロジン部分のコストは,表Fに示したコストより実際
には高くなるはずであり,そのIPA部分のコトスは低
くなるはずである。
【0076】本発明のロジン非含有フラックスは,比較
的低い材料コストにて,ハンダ付け時にイオン性残留物
を極めてわずかした残存しないフラックスを得るのに特
に有利である。さらに本発明のロジンフラックスも,許
容しうる程度の低い材料コストを有していること,そし
て同様にハンダ付け時に残存するイオン性残留物が許容
しうる程度に少ないフラックスが得られることから,有
利である。最も重要なことは,ロジンフラックスもロジ
ン非含有フラックスも,トラブルやイオン性残留物を除
去するための洗浄工程の費用が要らず,及び/又はハン
ダ付け操作時にフラックス成分の揮発を促進するための
補足加熱を行う必要もなく,製造したままで使用できる
形のハンダ付け物品が得られるという事実にある。
【0077】通常,ロジンフラックスは,自動車の点火
アセンブリ上の銅バッファープレート(copper
buffer plate)に出力アセンブリ(out
put assembly)をハンダ付けするのに有用
であり,またロジンフラックスとロジン非含有フラック
スは共に電子回路基板のハンダ付けに有用であり,いず
れの場合においても,ショート,ボイド,及び類似の欠
陥による不良品の数の大幅な減少が達成され,洗浄工程
は必要としない。
【0078】しかしながら,回路基板のハンダ付けに対
してロジンフラックスを使用する場合,電気絶縁体とし
て作用するロジンの微量残留物が存在することにより,
ある特定のメカニカルスイッチの接触表面(例えば,金
又はシリコーンゴムのメカニカルスイッチ構成部品)間
において効率的な電気的接触を達成するのが困難な場合
がある。このことは,たとえイオン性残留物が許容しう
る程度に低くても起こりうる。このような場合において
は,代わりにロジン非含有フラックスを使用すると,こ
の問題が解消される。
【0079】本質的にイオン性残留物を含まないハンダ
付け部位を得るための3種酸混合物の所望の希薄溶液を
形成するためには,アルコール成分とエステル成分との
組み合わせ物をロジン非含有フラックスにおける有機溶
媒として使用することが特に好ましい。アルコール(例
えばIPA)は,比較的低い沸点と水の表面張力より低
い許容しうる程度の低い表面張力(水の表面張力は,2
0℃において約72.8ダイン/cmである)を有する
極めて低コストの極性液体成分である。エステル(例え
ばDBE)は,3種酸混合物と同等程度の低コストの液
体成分であり,適度に低い沸点とかなり低い表面張力を
有する。
【0080】これらの有利な特徴は,アルコールとエス
テルが,約1〜99%のアルコール及び約99〜1%の
エステル(特に,50〜99%のアルコールと50〜1
%のエステル)という互いに補完的な比率となってい
て,その中に3種酸混合物が10%未満(特に約7.5
%以下)の濃度で存在しているようなロジン非含有フラ
ックスにおいて達成される。言い方を変えると,アルコ
ール成分とエステル成分は,約1〜99部のアルコール
対約99〜1部のエステル(特に,50〜99部のアル
コールと50〜1部のエステル)という比になっている
のが有利であり,これらを合わせたトータルがロジン非
含有フラックス溶液の90%より多い量となり,そして
本溶液の残分である10%未満が3種酸混合物である。
【0081】エステル成分を配合すると,ロジン非含有
フラックス中に必要とされる3種酸混合物の対応量を下
げることができて有利である。アルコール成分とエステ
ル成分は,約50〜99%のアルコール及び50〜1%
のエステルという比率となっており,この中に3種酸混
合物が約0.2〜7.5%(さらに0.2〜5%,そし
て特に0.2〜2%)の濃度の希薄溶液として存在して
いる。
【0082】必要に応じて脱イオン水を配合すると,コ
ストがさらに低下し,所望のフォーミングが得られやす
くなるが,エステル成分に及ぼす脱イオン水の加水分解
作用は,加水分解抑制剤を併用することによって容易に
抑えることができる。これによって,エステル成分の低
表面張力特性がアルコール成分及び配合された水に及ぼ
す影響は抑制され,これと同時に,3種酸混合物含有溶
液の酸性増大(エステルの加水分解に起因)も最小限に
抑えられる。以下に実施例を挙げて本発明を例証する
が,本発明がこれらの実施例によって限定されることは
ない。特に明記しない限り,以下の実施例に記載の部と
パーセントは全て重量基準である。
【0083】実施例1 ―ロジン高含量の水性アルコー
ル性フラックス (a) 前記のTAM配合物#1(コハク酸26〜30
%,グルタル酸55〜59%,アジピン酸11〜15
%,酸無水物3.0%,コハク酸イミド0.8%,グル
タル酸イミド0.6%,及び水0.3%を含む)を脱イ
オン水中に溶解して,比重が1.084のTAM水溶液
(0.3703703g/mlのTAMと0.7136
296g/mlの水,トータル1.084g/ml)を
作製した。TAM50g(34.2%)と水96.34
g(65.8%)〔トータル146.34g〕からなる
135ml;又はTAM519g(34.2%)と水1
000g(65.8%)〔トータル1519g〕からな
る1401.29mlに相当する。 (b) 2750mlのKESTER#135フラック
ス溶液〔比重0.88,トータル2380.4g(0.
88×2705),41%すなわち975.96g(2
380.4×0.41)のロジンと59%すなわち14
04.44g(2380.4×0.59)のIPA(イ
ソプロピルアルコール)を含む〕を,(a)からの78
0mlすなわち845.52g(780×1.084)
のTAM溶液〔288.89g(780×0.3703
3703)のTAM(34.2%),556.63g
(780×0.7136296)の水(65.8%),
及び300mlのIPA(比重0.78)すなわち23
4g(300×0.78)のIPAを含む〕と混合して
3785mlすなわち1U.S.ガロンのフラックスを
作製した。
【0084】計算によれば,本フラックスは,987.
96gのロジン(28.2%),288.89gのTA
M(8.3%),1638.44g(1404.44+
234)のIPA(47.4%),及び556.63g
の水(16.1%)を含有している〔トータル345
9.92g,比重0.9141(3459.92/37
85),ロジン含量28.2%は26容量%(987.
96/3785)に相当する〕。
【0085】実施例2 ―ロジン高含量の水性アルコー
ル性フラックス 3095mlのKESTER#135フラックス溶液
〔トータル2723.6g(0.88×3095);4
1%すなわち1116.68g(2723.6×0.4
1)のロジン,及び59%すなわち1606.92g
(2723.6×0.59)のIPAを含む〕を390
mlすなわち422.76g(390×1.084)の
TAM溶液〔144.44g(390×0.37033
703)のTAM(34.2%),278.32g(3
90×0.7136296)の水(65.8%),及び
300mlすなわち234gのIPAを含む〕と混合し
て3785mlすなわち1U.S.ガロンのフラックス
を作製した以外は,実施例1に記載の手順を繰り返し
た。計算によれば,本フラックスは,1116.68g
のロジン(33.0%),144.44gのTAM
(4.3%),1840.92g(1606.92+2
34)のIPA(54.5%),及び278.32gの
水(8.2%)を含有している〔トータル3380.3
6g,比重0.8931(3380.36/378
5),ロジン含量33.0%は30容量%(1116.
68/3785)に相当する〕。
【0086】実施例3 ―ロジン高含量の水性アルコー
ル性フラックス (a) 3種の酸を脱イオン水中に溶解して得た50%
濃度溶液である前記のTAM配合物#2(デュポン社)
(比重1.106;26%のコハク酸,55%のグルタ
ル酸,18%のアジピン酸,及び0.3%の硝酸を含
む)を(b)において使用した。計算によれば,この5
0/50濃度の溶液は,0.553g/mlのTAM及
び0.553g/mlの水(トータル1.106g/m
l)に相当する。 (b) (a)の50%濃度TAM溶液をTAM溶液と
して使用し,2765mlのKESTER#135フラ
ックス溶液〔トータル2433.2g(0.88×27
65);41%すなわち999.61g(2433.2
×0.41)のロジンと59%すなわち1435.59
g(2433.2×0.59)のIPAを含む〕を,7
20mlすなわち796.32g(720×1.10
6)のTAM溶液〔398.16g(720×0.55
3)のTAM(50%),398.16g(720×
0.553)の水(50%),及び300mlすなわち
234gのIPAを含む〕と混合して3785mlすな
わち1U.S.ガロンのフラックスを作製した以外は実
施例1に記載の手順を繰り返した。計算によれば,本フ
ラックスは,997.61gのロジン(28.8%),
398.16gのTAM(11.5%),1669.5
9g(1435.59+234)の1PA(48.2
%),及び398.16gの水(11.5%)を含有し
ている〔トータル3463.52g,比重0.9151
(3463.52/3785),ロジン含量28.8%
は26容量%(997.61/3785)に相当す
る〕。
【0087】実施例4 ―ロジン高含量の水性アルコー
ル性フラックス 2705mlのKESTER#135フラックス溶液
〔トータル2380.4g(0.88×2705);4
1%すなわち975.96g(2380.4×0.4
1)のロジン,及び59%すなわち1404.44g
(2380.4×0.59)のIPAを含む〕を,78
0mlすなわち862.68g(780×1.106)
のTAM溶液〔431.34g(780×0.553)
のTAM(50%),431.34g(780×0.5
53)の水(50%),及び300mlすなわち234
gのIPAを含む〕と混合して3785mlすなわち1
U.S.ガロンのフラックスを作製した以外は,実施例
3に記載の手順を繰り返した。計算によれば,本フラッ
クスは,975.96gのロジン(28.1%),43
1.34gのTAM(12.4%),1638.44g
(1404.44+234)のIPA(47.1%),
及び431.34gの水(12.4%)を含有している
〔トータル3477.08g,比重0.9186(34
77.08/3785),ロジン含量28.1%は26
容量%(975.96/3785)に相当する〕。表G
は,実施例1〜4のロジン高含量フラックス中の各成分
の割合(グラム,%,及び部)を示している。
【0088】
【表7】
【0089】表Gは,実施例1〜4のフラックスが,約
28〜33%のロジン,4〜13%のTAM,47〜5
5%のIPA及び8〜16%の水,又は36〜41%の
活性成分と59〜63%の他の成分を有することを示し
ている。ロジンが100部の場合,TAMが13〜44
部,IPAが165〜168部,及び水が25〜57部
である。これらのフラックスは,一般的な金属ハンダ付
け(例えば,銅,黄銅,ニッケル,及び錫などの表面;
実施例5にて説明)に使用される。
【0090】実施例5 ―一般的な金属ハンダ付け 2つの銅スラグストリップ(11.94mm×8.13
mm×0.813mm)(0.47”×0.32”×
0.032”)を取りつけたアルミニウムバックプレー
ト(66.77cm(710.35in)の面積を
もつ)を,ウォーキングビーム(支持体)上に配置し,
次いで実施例1のフラックスを,フラックスが表面全体
に広がるようにスラグ上に滴下分配(drop−dis
pense)した。さらにフラックスを錫−鉛ハンダ
(60%Sn−40%Pb;mp191〜193℃)の
ストリップの表面に滴下分配し,次いでこれをフラック
ス被覆スラグの上に配置した。次いでこの集成体を18
0℃で86秒予備加熱した。
【0091】予備加熱後,無電解めっき又は電気めっき
によるニッケル基板を銅スラグと同様の寸法を有する酸
化ベリリウム基板に重ねたもの〔ニッケル基板上には,
あらかじめダーリントン・トランジスター(Darli
ngton transistor)が,水素雰囲気中
400〜440℃にてダイアタッチメントによりハンダ
付けされている〕を,バックプレートのフラックス被覆
されたハンダ上に配置し,本集成体を230〜250℃
で加熱してハンダ流れと構成部品の接合を起こさせ,次
いで集成体を冷却した。ニッケル基板は薄い酸化物層を
有しており,ニッケル基板が無電解めっきによるニッケ
ルの場合,ニッケル基板は硬質で強固な酸化物として形
成されたリン酸化物層を有していた(適切なハンダ付け
を行うためには強力な流動化作用を必要とした)。
【0091】ハンダ付けした部分については,現在使用
されている公知のフラックス#1(KESTER 15
44;未開示の配合処方による活性化された50%ロジ
ンフラックス)の過剰分をバックプレートから取り除く
のに必要とされているトリクロロエチレンでの清浄化工
程を施さなかった。経験によれば,このようなフラック
ス#1の過剰分が存在すると,ダーリントン・トランジ
スターの漏電を引き起こす恐れがある。しかしながら,
実施例1のフラックスではごく微量の残留物しか残存し
ないので,こうした漏電は無視しうるレベルにまで減少
する。
【0092】ハンダ付け温度,及びロジンを活性化する
のに使用されるTAM中の二酸の量が多いこと(表Gに
記載),を考慮するとこのような有用な結果は全く予想
外のことであった。なぜなら,非回路基板の電気接続用
ハンダ付け(はね散らばりは,回路基板のハンダ付けの
場合ほど問題とはならない)においては,例えば,銅表
面とニッケル表面上の強固に結合している酸化物層の清
浄化除去及び脱酸素化が必要とされるからである。現行
のフラックス#1は本発明のフラックスよりロジン含量
が高いけれども,ロジンによる漏電は明らかに起こらな
い。しかしながら,フラックス#1にはイオン性残留物
が多いために漏電が引き起こされる。実施例2〜4の各
フラックスを使用して上記のハンダ付け手順を繰り返
し,いずれの場合においても,イオン性残留物が少ない
という同様の有用な結果が得られた。
【0093】実施例6 ―ロジン低含量の水性アルコー
ル性フラックス (a) 少なくとも97%純度の前記TAM配合物#3
(BASF)(25〜30%のコハク酸,42〜47%
のグルタル酸,25〜30%のアジピン酸,及びトータ
ル2〜3%の2,5−ピロリジンジオンと2,6−ピペ
リジンジオンを含む)をIPAの60%脱イオン水溶液
中に溶解して,比重が0.9796の水性アルコール性
TAM溶液を作製した(TAM:0.2815g/m
l,IPA:0.3764g/ml,及び水:0.32
17g/ml,トータル0.9796g/ml)。90
0ml又は702gのIPA(0.78×900)と6
00ml又は600gの水からなるIPAの60%水溶
液1500ml中に525gのTAMを溶解して,18
65mlのTAM溶液〔525gのTAM(28.7
%),702gのIPA(38.4%),及び600g
の水(32.9%)を含む;トータル1828g〕を作
製することに相当する。
【0094】(b) 525mlのULTRA−DRY
Flux #UD−3040溶液〔比重0.884;
トータル464.1g(0.884×525);40%
すなわち185.64g(525×0.40)のロジン
及び60%すなわち278.46g(525×0.6
0)のIPAを含む〕を,(a)からの155mlすな
わち151.83g(155×0.9796)のTAM
溶液〔43.63g(155×0.2815)のTAM
(28.7%),58.34g(155×0.376
4)のIPA(38.4%),49.86g(155×
0.3217)の水(32.9%),及び8782ml
すなわち6849.90g(0.78×8782)のI
PAを含む〕と混合して9462mlすなわち2.5
U.S.ガロンのフラックスを作製した。計算によれ
ば,本フラックスは,185.64gのロジン(2.5
%),43.63gのTAM(0.6%),7186.
70g(6849.90+278.46+58.34)
のIPA(96.2%),及び49.86gの水(0.
7%)を含有している〔トータル7465.89g,比
重0.7890(7465.89/9462),ロジン
含量2.5%は2容量%(185.64/9462)に
相当する〕。
【0095】(c) 前記のTAM配合物#4(Rho
ne−Poulenc)〔18〜25%のコハク酸,5
0〜55%のグルタル酸,20〜25%のアジピン酸,
及び1.4%の無水コハク酸を含む〕を使用して,
(a)と(b)の手順を繰り返した。 (d) 実施例1に記載の前記TAM配合物#1(デュ
ポン・カナダ)を使用して,(a)と(b)の手順を繰
り返した。
【0096】実施例7 ―ロジン低含量の水性アルコー
ル性フラックス (a) 本実施例では,560mlすなわち495.0
4g(0.884×560)のULTRA−DRY F
LUX #UD−3040溶液〔40%すなわち19
8.02g(495.04×0.60)のロジンと60
%すなわち297.02g(495.04×0.60)
のIPAを含む〕と165mlすなわち161.64g
(165×0.9796)のTAM溶液〔46.45g
(165×0.2815)のTAM(28.7%),6
2.11g(165×0.3764)のIPA(38.
4%),53.08g(165×0.3217)の水
(32.9%),及び8737mlすなわち6814.
86g(0.78×8737)のIPAを含む〕を使用
して,実施例6に記載の(a)と(b)の手順を繰り返
して,9462mlすなわち2.5U.S.ガロンのフ
ラックスを作製した。計算によれば,本フラックスは,
198.02gのロジン(2.7%),46.45gの
TAM(0.6%),7173.99g(6814.8
6+297.02+62.11)のIPA(96.0
%),及び53.08gの水(0,7%)を含有してい
る〔トータル7471.54g,比重0.7896(7
471.54/9462),ロジン含量2.5%は2容
量%(198.02/9462)に相当する〕。 (b) 実施例6(c)のTAM配合物#4を使用して
(a)の手順を繰り返した。 (c) 実施例1のTAM配合物#1(デュポン・カナ
ダ)を使用して(a)の手順を繰り返した。
【0097】実施例8 ―ロジン低含量の水性アルコー
ル性フラックス (a) 本実施例では,425mlすなわち375.7
g(0.884×425)のULTRA−DRY FL
UX #UD−3040溶液〔40%すなわち150.
28g(375.7×0.40)のロジンと60%すな
わち225.42g(375.7×0.60)のIPA
を含む〕と65mlすなわち63.68g(65×0.
9796)のTAM溶液〔18.30g(65×0.2
815)のTAM(28.7%),24.47g(65
×0.3764)のIPA(38.4%),20.91
g(65×0.3217)の水(32.9%),及び3
295mlすなわち2570.1g(0.78×329
5)のIPAを含む〕を使用して,実施例6に記載の
(a)と(b)の手順を繰り返して,3785mlすな
わち1U.S.ガロンのフラックスを作製した。
【0098】計算によれば,本フラックスは,150.
28gのロジン(5.0%),18.30gのTAM
(0.6%),2819.99g(2570.1+22
5.42+24.47)のIPA(93.7%),及び
20.91gの水(0.7%)を含有している〔トータ
ル3009.48g,比重0.7951(3009.4
8/3785),ロジン含量5.0%は4容量%(15
0.28/3785)に相当する〕。 (b) 実施例6(c)のTAM配合物#4(Rhon
e−Poulenc)を使用して(a)の手順を繰り返
した。 (c) 実施例1のTAM配合物#1(デュポン・カナ
ダ)を使用して(a)の手順を繰り返した。表Hは,実
施例6〜8のロジン低含量フラックス中の成分の割合
(グラム,パーセント,及び部)を示している。
【0099】
【表8】
【0100】表Hは,実施例6〜8のフラックスが,約
2.5〜5%のロジン,0.6%のTAM,93〜96
%のIPA,及び0.7%の水;又は3〜6%の活性成
分と94〜97%の他の成分;を含んでいることを示し
ている。これらのフラックスは,電子回路基板部品のフ
ォームハンダ付け(foam−soldering)や
流動ハンダ付けに使用される(実施例11に説明)。
【0101】実施例9 ―ロジン低含量の非水アルコー
ル性フラックス (a) 実施例6(a)のTAM配合物#3(BAS
F)15gを560mlすなわち495.04g(0.
884×560)のULTRA−DRY Flux#U
D−3040溶液〔40%すなわち198.02g(4
95.04×0,40)のロジン,60%すなわち29
7.02g(495.04×0.60)のIPA,及び
3533mlすなわち2755.74g(0.78×3
533)のIPAを含む〕に直接溶解することによっ
て,3785mlすなわち1U.S.ガロンの非水フラ
ックスを作製した。計算によれば,本フラックスは,1
98.02gのロジン(6.1%),15gのTAM
(0.5%),及び3052.76g(2755.74
+297.02)のIPA(93.4%)を含有してい
る〔トータル3265.78g,比重0.8628(3
265.78/3785),ロジン含量6.1%は5容
量%(198.02/3785)に相当する〕。 (b) 実施例6(c)のTAM配合物#4(Rhon
e−Poulenc)を使用して(a)の手順を繰り返
した。 (c) 実施例1のTAM配合物#1(デュポン・カナ
ダ)を使用して(a)の手順を繰り返した。
【0102】実施例10 ―ロジン低含量の非水アルコ
ール性フラックス (a) 実施例6(a)のTAM配合物#3(BAS
F)10.89gを65mlのIPA中,及び56.7
8gのウォーター・ホワイトロジンを200mlのIP
Aに混合して得た溶液中に溶解し,これら2つの溶液を
混合し,そしてさらにIPAを加えて,最終的に378
5mlすなわち1U.S.ガロンの容積の非水アルコー
ル性溶液を得た。計算によれば,本フラックスは,5
6.78gのロジン(1.9%),10.98gのTA
M(0.4%),及び2932.02gのIPA(9
7.7%)を含有している〔トータル2999.78
g,比重0.7925(2999.78/3785),
ロジン含量1.9%は1.5容量%(56.78/37
85)に相当する〕。 (b) 実施例6(c)のTAM配合物#4(Rhon
e−Poulenc)を使用して(a)の手順を繰り返
した。(c) 実施例1のTAM配合物#1(デュポン
・カナダ)を使用して(a)の手順を繰り返した。 表1は,実施例9〜10のフラックス中における各成分
の割合(グラム,パーセント,および部)を示してい
る。
【0103】
【表9】
【0104】表Iは,実施例9〜10のフラックスが,
約2〜6%のロジン,0.4〜0.5%のTAM,及び
93〜98%のIPA;又は2〜7%の活性成分と93
〜98%の他の成分;を含んでいることを示している。
回路基板部品をハンダ付けする際に,実施例9のフラッ
クスはフォームハンダ付けや流動ハンダ付けに,そして
実施例10のフラックスはスプレーハンダ付けに使用さ
れる(実施例11に説明)。スプレーハンダ付けに使用
する場合,微細なミストを形成させるために,ロジン含
量はかなり少なくする〔例えば多くても約1〜2%(1
〜2g/100ml)〕。
【0105】あらかじめ錫−鉛メッキを施したスルーホ
ールと構成部品を有する電子回路基板上に,実施例6〜
10の3種の各TAMべースフラックス(BASF,R
hone−Poulenc,及びデュポン・カナダ)
を,フォームハンダ付けもしくは流動ハンダ付け(実施
例6〜9のフラックス)又はスプレーハンダ付け(実施
例10のフラックス)により個別に使用し,共融錫−鉛
63%Sn−37%Pb組成物(mP183℃),又は
錫−鉛60%Sn−40%Pb組成物のハンダを使用し
て250〜260℃にてハンダ付けを行った。いずれの
場合においても,3種酸混合物は昇華したり基板上に凝
縮することはなく,通常より高い周囲温度条件は必要と
されなかった。
【0106】実施例6〜10の各フラックスはハンダ付
け適性が大幅に改良されていることを示し,現在使用さ
れている公知のフラックス#2(LONCO RF 7
10,未開示の配合処方による活性化5%ロジンフラッ
クス,London Chemical Co.,Be
nsenville,IL)に比べて,ボイドとショー
トの数の減少に関して製品収量が増大した。表面絶縁特
性は良好であり,イオン性残留物を除去するための洗浄
を行わずに,また通常の信頼性試験を行う前に,ハンダ
付けされた基板を直接コンフォーマルコーティングする
ことができた。一般には,コンフォーマルコーティング
は,基板をフレオンTMSで洗浄した後に,且つ信頼性
試験に合格した後にのみ行われる。
【0107】公知のフラックス#2(ロジン含量5%)
が実施例6〜7のフラックス(ロジン含量約3%)より
高いロジン含量を有しているとしても,これらの有益な
結果は全く予想外のことであった。なぜなら,5%ロジ
ン含量の実施例8のフラックス及び6.1%ロジン含量
の実施例9のフラックスを使用した場合にも同様の有益
な結果が得られ,このことは,ロジンの含量によって問
題が引き起こされるのではなく,ハンダ付け部位におけ
るイオン性残留物(公知のフラックスではイオン性残留
物の含量が追跡可能である)により問題が生じることを
示している。
【0108】水の存在は重要なことではなく(ハンダ付
け操作時に沸騰消失するため),溶媒(例えばIPA)
の量を減らすために,コストを下げるために,そして起
泡剤を加えることなく起泡を促進するために,実施例1
〜4の高ロジン含景フラックス中に全液体中の少量(表
Gに記載)にて加えることができる。一般的な金属ハン
ダ付け(実施例5)に対しては,はね散らばりは大きな
問題とはならない。回路基板をハンダ付けするための実
施例6〜10の低ロジン含量フラックスの場合(実施例
11),水をごく少量存在させて(表HとIに記載)こ
の問題を防止している。通常の金属ハンダ付けにおいて
は,高ロジン含量のフラックスを活性化するために高含
量のTAMが使用され,従って強力な清浄化が必要とな
るが,回路基板のハンダ付けにおいては,低ロジン含量
のフラックス中に低含量のTAMが使用され,従って温
和な清浄化で済む。
【0109】製造ラインの試運転 パート#1〜4と命名した回路基板を,3日間にわたる
試運転での流動ハンダ付け製造ラインにて,実施例7
(c)の3%ロジン含量フラックス〔実施例1のTAM
配合物#1(デュポン・カナダ)〕を使用して実施例1
1に従ってハンダ付けした。なお,比較のため,パート
#1〜4を公知のフラックス#2(L0NCO RF
710)でハンダ付けした。表Jは,各試運転に対する
比重のデータを示している。
【0110】
【表10】
【0111】表Kは,フラックスと補償用のイソプロピ
ルアルコールの使用量,及び試運転の不良率比較データ
を示している。
【0112】
【表11】
【0113】表JとKのデータは,8:30−9:40
/日のプラントシフトの3日間にわたる,流動ハンダ付
け製造ライン条件下での本発明の3%ロジン含量フラッ
クスの消費量を示している〔2つの連続した日(デイ
(Day)1と2)と一時的な中断後のもう一日(デイ
3)から形成〕。各デイの終了時にタイトレーション試
験(titration test)を行って,使用し
た流動ハンダ付け機中におけるフラックスのロジン含量
を調べた。ロジン含量は必要なレベルとなっていること
が示され,表Jの比重読取り値と矛盾しなかった。
【0114】表Kは,トータルのフラックス使用量が,
6.5U.S.ガロンと蒸発損失を補償するためのイソ
プロピルアルコール10U.S.ガロンとを加えた量で
あることを示している。ラインでは,2つの個別のスタ
ートアップ(デイ1と3)に対して2.75U.S.ガ
ロンを2回使用し,追加のフラックスを使用せずに全一
日継続した。一方,中間日(デイ2)において前日(デ
イ1)からのフラックスに1U.S.ガロンのフラック
スを加えなければならなかった。イソプロピルアルコー
ルを定期的にフラックスに加えて,必要な低ロジン濃度
を保持した。少量のフラックスは,24時間以上カバー
せずに放置したときに増粘をきたしたが,再度ミキシン
グすることによって,又は補償量のイソプロピルアルコ
ールを加えることによって再び完全に使用可能な状態に
することができた。さらに,高湿度の天候条件は,通常
より高い蒸発速度にて,フランクスからのイソプロピル
アルコールの損失を引き起こした。
【0115】臭気に関して,本発明のフラックスは不快
な臭いをもたない。このことは,流動ハンダ付け用マシ
ンタンク中に注ぎ込むとき,またハンダ付け操作時に溶
融ハンダに接触したときにはっきりわかり,比較実験に
おいて公知のフラックス#2を使用したときに生じるよ
うな不快な臭気は認められなかった。ハンダ付け適性に
関して,基板の目視検査により,本発明のフラックスに
よるハンダ接合部に対しては,公知のフラックス#2を
使用した場合には得られなかったような美的外観の向上
が認められた。本発明のフラックスは,公知のフラック
ス#2に比べてブリッジング(bridging)やボ
イドが少ないことから,ハンダ付け特性が改良されてい
る。こうした特性の改良を,基板上に必要とされるタッ
チ−アップ(touch−up)の量の減少と結びつけ
た。
【0116】本発明のフラックスを使用すると,公知の
フラックス#2を使用した場合に比べて,一シフト当た
りのハンダ付け製品収量は高くなる。このことは,表K
におけるppm不良率データからわかる。本発明のフラ
ックスを使用してハンダ付けしたパート#1は,公知の
フラックス#2に対する不良率0.10%に比べ,デイ
1について不良とはならなかった。一方,パート#2の
不良率は,公知のフラックス#2に対する0.24%に
比べて,本発明のフラックスの場合は0.15%であ
り,またパート#3の不良率は,公知のフラックス#2
に対する0.23%に比べて,本発明のフラックスの場
合は0.10%であった。デイ2に関して,パート#1
の不良率は,公知のフラックス#2に対する0.10%
に比べて,本発明のフラックスの場合は0.07%であ
った。デイ3に関して,バート#2の不良率は,公知の
フラックス#2に対する0.23%に比べて,本発明の
フラックスの場合は0.05%であった。
【0117】統計的には,本発明のフラックスに対する
5つの別個のppm不良率値の合計は3666ppm又
は0.37%であり,平均すると733ppm又は0.
07%である。一方,公知のフラックス#2に対する5
つの別個のppm不良率値の合計は9000ppm又は
0.90%であり,平均すると1800ppm又は0.
18%である。従って,本発明のフラックスを使用する
と,その不良率は,公知のフラックスを使用した場合の
不良率の半分強にまで減少した。そしてある1つの場合
(デイ1,パート#1)においては,本発明のフラック
スを使用すると,全く予想外のことに,アクセプタビリ
ティ100%又は不良率ゼロの製造ラインによる製品が
得られた。
【0118】物品信頼性試験 20個のプリント回路基板集成体又はメインボード(m
ainboard)(すなわち,意図する最終ユニット
のキーボード及びディスプレイ・ドライバー・ボード構
成部品に接続され,本発明の3%ロジン含量フラックス
を使用して3日間試運転にて製造されたもの)を物品信
頼性試験に付した。これら20個のメインボードに対し
ては,コンフォーマルコーティングを行う前にハンダ付
け用フラックス残留物を除去するための清浄化用液体に
よる洗浄を施さなかった。これらのメインボードは全
て,基板の製造ラインハンダ付けにおける従来の工程に
よって直接コンフォーマルコーティングを行って,電気
構成部品を周囲の湿気から保護した。通常,フラックス
残留物を除去して,基板の使用時に発生する欠陥を最小
限に抑えるためには,コンフォーマルコーティングを行
う前に洗浄が必要とされる。
【0119】これら15個のメインボードユニットを以
下のような従来試験に付した。 (1) 印加電圧14ボルト,温度−40〜+85℃,
及びサイクル時間5分にて500時間のエネルギー−温
度サイクル(Power−Temrerature C
ycle)試験。 (2) バイアス電圧11ボルト,温度65℃,及び相
対湿度95%にて168時間のバイアス高電圧湿度(B
ias High Voltage Humidit
y)試験。次いで,これら15個のメインボードユニッ
トのうちの9個を以下のような従来試験に付した。残り
5個の未試験メインボードユニットを対照標準として用
いた。 (3) 湿分感受性試験。−40℃で2時間,次いで6
5℃,95%相対湿度にて2分間保持する。その後ユニ
ットに5分間通電して,ユニットが作動しうることを確
認する。
【0120】これらの信頼性試験において,メインボー
ドはいずれも満足できる状態で機能し,本発明のフラッ
クスのハンダ付け適性が優れていることが確認された。
本発明のフラックスは,公知のフラックズ#2に比べ
て,ハンダ付け適性の大幅な改良,及びボイドとショー
トの数の減少による収量増大が達成された。本発明のフ
ラックスの表面絶縁特性は良好であることが見出され,
従って洗浄工程を施すことなく基板を直接コンフォーマ
ルコーティングし,その後に信頼性試験に付すことがで
きる。
【0121】全イオン性物質及び抽出した全アニオン性
物質の清浄度試験 3%ロジンフラックス(デュポン・カナダのTAM配合
物#1)を使用してハンダ付けした3つの回路基板(基
板1〜3)を,連続した清浄度試験(a)及び(b)に
付して,イオン性残留物のレベルを測定した。 (a) 先ず,全イオン性物質の測定に関しては,イオ
ニック・コンタミネーション・テスト・システム・オメ
ガ・メーター(Ionic Contaminatio
n Test System Omega Mete
r)(KencoIndustries Inc.,)
を使用して行った。 (b) 全抽出アニオン性物質の測定に関しては〔すな
わち,弱い有機酸残留物とその他のイオン性物質のバッ
クグラウンドアニオン残留物(例えば,基板自体からの
臭素イオンや塩素イオン)とを含む〕,イオンクロマト
グラフであるディオネックス・イオンクロマトグラフ
(DioneX Ion Chromatograp
h)モデル4000I CMA−3(ディオネックス
社)を使用して行った。いずれの場合も,洗浄を行わず
に,そしてコンフォーマルコーティングの前に行った。
【0122】3%ロジンフラックスを使用して同様の方
法でハンダ付けしたさらなる5つの回路基板(基板4〜
8)を,コンフォーマルコーティングを施す前にこれら
の試験に付した。但しこの場合,最初の2つの基板(基
板4〜5)については洗浄せずに試験を行い,あとの3
つ(基板6〜8)についてはフレオンFMSで洗浄して
イオン性残留物を除去した後に試験を行った。公知の5
%ロジンフラックスを使用して同様の方法でハンダ付け
したさらに他の4つの回路基板(基板9〜12)〔3つ
の基板(基板9〜11)に対しては公知のフラックス#
2(LONCO RF 710)を使用し,もう一つの
基板(基板12)に対しては公知のフラックス#3(H
I−GRADE 3565D,未開示の配合処方の活性
化5%ロジンフラックス,High−Grade Al
loy Corp.,East Hazelcres
t,IL)を使用〕についても,コンフォーマルコーテ
ィングの前に試験した。最初の2つの基板(基板9〜1
0)については洗浄せずに,また他の2つの基板(基板
11〜12)についてはフレオンTMSで洗浄した後に
行った。
【0123】公知のフラックス#2を使用して同様の方
法でハンダ付けしたさらに他の5つの基板(基板13〜
17),及び公知のフラックス#3を使用して同様の方
法でハンダ付けしたさらに他の5つの基板(基板18〜
22)についても,コンフォーマルコーティングの前に
てフレオンTMSで洗浄した後に試験を行い,それらの
全抽出アニオン性残留物の平均値をそれぞれ算出した。
基板は全て(基板1〜22)同じサイズであり,230
cmのトータル面積(基板の両面の合計)を有してい
る。μg/cm値は230cmの基板面積を基準と
している。
【0124】(a)オメガメーターによる試験は,室温
にて基板全体を75%のイソプロピルアルコール(IP
A)と25%の脱イオン水からなる溶媒混合物中に浸漬
し,そして通常の標準的方法に従って,室温で約6分
間,基板について連続的に測定することによって行っ
た。 (b) 全アニオンに対するイオンクロマトグラフによ
る試験は,特殊な抽出方法に従って行った。すなわち本
方法では,75%のIPAと25%の脱イオン水からな
る200mlの溶媒混合物を使用し,80℃で1時間基
板を抽出して,約40mlの残留物含有IPA−水混合
物(80℃の温度はIPAの蒸発を促進するので主とし
て水)の形でアニオンの存在する抽出物濃厚液を形成し
た。抽出を行うと,フラックス残留物から濃厚液中に弱
有機酸の取り込みを引き起こし,そしてさらに基板の構
成成分から主として臭素イオンと塩素イオンの取り込み
を引き起こし,こうして全抽出アニオンの測定が行われ
る。
【0125】この方法は,基板を市販のヒートシール可
能なKapak/Scotch Pakパウチ(Kap
ak Corp.,ミネアポリス,ミネソタ州)に入
れ,このパウチをヒートシールすることによって行われ
る。従って,抽出操作中,シールされたパウチから,8
0℃の周囲温度で沸騰消失する揮発分が除かれる。抽出
物濃厚液に対し,イオンクロマトグラフにおいてフラッ
クスに起因する有機酸のアニオンも含めて,全てのアニ
オンについて標準的な化学分析を施した。
【0126】(a)オメガメーター試験は,速やかな
(6分)試験手順によってフラックス成分に起因する全
イオン性物質を測定するが,一方(b)イオンクロマト
グラフ試験は,より長時間(1時間)の抽出手順によっ
て全ての付随発生源から全アニオン性物質を測定する。
両方の測定手順(a)と(b)におけるイオン性残留物
のレベルは,μg/cmという同じ単位である。しか
しながら,(a)オメガメーターの単位は,NaCl当
量として表わされる。なぜなら,オメガメーターはNa
Clの標準的な公知の濃度でキャリブレーションしてあ
るからである。一方(b)イオンクロマドクラフの単位
は,イオンクロマトグラフの測定による抽出されたアニ
オン性物質の直接的な測定値である。表Lは,これらの
清浄度試験において得られた全く予想外の結果を示して
いる。面積が230cmのこれら基板の全てに対し,
(a)の場合は,全イオン性残留物をNaCl当量とし
てμg/cmで表わし(オメガメーター),また
(b)の場合は,抽出された全アニオン性残留物をμg
/cmで表わしている(イオンクロマトグラフ)。
【0127】
【表12】
【0128】(a)オメガメーターによる全イオン性物
質の試験結果は,フラックス成分に起因するイオン性残
留物を除去するために基板を洗浄することは,本発明の
フラックスに対しては不必要であること〔なぜなら,洗
浄しなくても5μg/cm(NaCl当量)未満,そ
して主として3μg/cm未満という極めて少量のイ
オン性残留物しか残らないからである(基板1〜
5)〕;また洗浄してもイオン性残留物はごくわずかし
か減少しないということ(基板6〜8);を示してい
る。
【0129】一方,(a)試験によれば,公知のフラッ
クス#2を使用してハンダ付けした回路基板を洗浄する
と(基板11),未洗浄基板(基板9〜10)に比較し
てイオン性残留物のレベルが増大するようであり,公知
のフラックス#3を使用してハンダ付けした洗浄基板
(基板12)に類似の高レベルのイオン性残留物が認め
られることはこうした結論と矛盾しない。洗浄を行うと
イオン性残留物レベルの増大が起こるのは,フラックス
#2とフラックス#3の中にイオン性物質が多く含まれ
ているためと考えられる。なぜなら,ロジンはイオン性
ではなく,洗浄によるこのようなイオン性物質の増大が
説明できないからである(実施例5と11において説明
されている結果を参照のこと)。
【0130】(b)イオンクロマトグラフによる試験結
果は,基板間において差異があり,数値は(a)試験の
数値より高いことを示している。これは,(b)試験
が,基板自体も含めて,すべての付随発生源からの全ア
ニオンレベルを測定し,未抽出状態では必ずしも腐食を
引き起こすことのないアニオン性成分の強力な抽出に基
づいているからである。本発明のフラックスを使用して
ハンダ付けした基板に関して,(b)試験によれば,洗
浄済み基板(基板6〜8)の抽出された全アニオン性物
質レベルが低いことから〔未洗浄基板(基板1〜5)の
約22〜39μg/cmに比べて約20〜30μg/
cm〕,本発明のフラックスに対しては基板を洗浄す
ることは不必要であることがわかる。
【0131】公知のフラックス#2とフラックス#3を
使用してハンダ付けした基板に関して,(b)試験によ
れば,12個の洗浄された基板(基板11〜22)の全
抽出アニオン性物質レベルが低いことは〔2個の未洗浄
基板(基板9〜10)の約105〜112μg/cm
という高レベルに比べて約25〜68μg/cm〕,
(b)試験に対して使用された強力な抽出によるもので
あることは間違いない。これらの(b)試験は,未洗浄
基板(基板9〜10)に比較して,洗浄基板(基板11
〜12)上にて酸性の高い公知のフラックス#2と#3
のイオン性成分に対する保持マトリックスとして作用す
る付随ロジン残留物中におけるイオン性成分に達する際
に,フレオンTMS洗浄液体の(a)試験による抽出作
用によく似ているとみなすことができる。
【0132】従って,ロジンの役割に関しては以下のよ
うなもっともらしい説明が可能である。すなわち,ハン
ダ付け後に残存するフラックス残留物中のイオン性成分
が,フラックス中におけるこのような成分の初期濃度に
比例して,そしてこのようなイオン性成分が熱ハンダ付
け操作時に揮発できる能力(すなわち,相対的に容易で
あるか,又は困難であるか)あるいは揮発できないこと
に直接関係して,イオン性成分を保持するマトリックス
として作用する。公知のフラックス#2と#3を使用し
た場合に比較して,本発明のフラックスを使用した場合
の結果の差異(表Lに記載)に関してこのようなマトリ
ックス保持の説明を適用することは,公知のフラックス
#1と#2を使用した場合に比較して,本発明のフラッ
クスを使用した場合の結果の差異(実施例5と11)と
矛盾しない。
【0133】いずれの場合においても,(b)試験によ
れば,本発明のフラックスを使用してハンダ付けした未
洗浄基板(基板1〜5)の全抽出アニオン性物質レベル
は,公知のフラックス#2を使用してハンダ付けした未
洗浄基板(基板9〜10)の全抽出アニオン性物質レベ
ルよりかなり低く,また本発明のフラックスを使用して
ハンダ付けした洗浄基板(基板6〜8)の全抽出アニオ
ン性物質レベルは,1つの例外(基板12と比較したと
きの基板6)を除いて,公知のフラックス#2と#3を
使用してハンダ付けした洗浄基板(基板11と13〜2
2)の全抽出アニオン性物質レベルよりかなり低い。そ
れにもかかわらず,すべての(b)試験の数値に関し
て,本発明のフラックスを使用してハンダ付けした未洗
浄基板(基板1〜5)のアニオン性残留物に対する数値
は,洗浄工程の必要性をなくすほど充分に小さい。
【0134】実施例12 ―ロジン非含有でTAM抵含
量の非水アルコール性フラックス (a) 実施例6(a)のTAM配合物#3(BAS
F)を使用し,(i)5gのTAMを995gのIPA
中に溶解してTAM含量が約0.5%のイソプロピルア
ルコール溶液を形成することによって,また(ii)1
0gのTAMを990gのIPA中に溶解してTAM含
量が約1%のイソプロピルアルコール溶液を形成するこ
とによって,スプレーハンダ付け用の,ロジン非含有で
TAM低含量の非水アルコール性フラックスを得た。 (b) 実施例6(c)のTAM配合物#4(Rhon
e−Poulenc)を使用して(a)の手順を繰り返
した。 (c) 実施例1のTAM配合物#1(デュポン)を使
用して(a)の手順を繰り返した。実施例12の各フラ
ックスは,回路基板にスプレーハンダ付けすることによ
って,実施例10のフラックスと同様に実施例11に従
って使用することができる。この場合,TAMは,存在
する3種の酸の高い酸性により,ハンダ付けされる表面
を清浄化するに足るフラックスとして,しかも好ましく
ない腐食作用を避けるために充分に希簿な濃度を有する
フラックスとして作用する。
【0135】実施例13 ―ロジン非含有でTAM低含
量の水性アルコール性フラックス 7mlの前記“DBE”溶媒(デュポン社)〔沸点19
6〜225℃;比重1.092(20℃);約16.5
%のコハク酸ジメチル,約66%のグルタル酸ジメチ
ル,約17%のアジピン酸ジメチル,約0,2%のメタ
ノール,0.1%の水(最大),及び10ppm未満の
シアン化水素を含む;トータル7.644g(1.09
2×7)〕を,3mlすなわち2.9388g(3×
0.9796)のTAM溶液〔実施例6(a)において
作製したTAM配合物#3(BASF);0.8445
g(3×0.2815)のTAM(28.7%),1.
1292g(3×0.3764)のIPA(38.4
%),及び0.9651g(3×0.3217)の水
(32.9%)を含む〕と混合し,そしてさらに340
mlすなわち265.2g(0.78×340)のIP
Aを加えて,350mlすなわち0.09U.S.ガロ
ンのフラックスを作製した。計算によれば,本フラック
スは、0.8445gのTAM(0.3%),7.64
40gのDBE(2.8%),266.3292g(2
65.2+1.1292)のIPA(96.6%),及
び0.9651gの水(0.3%)を含有している〔ト
ータル275.7828g;比重0.7880(27
5.7828/350);TAM含量0.3%は0.2
容量%(0.8445/350)に相当する〕。
【0136】実施例14 ―ロジン非含有でTAM低含
量の水性アルコール性フラックス 125mlすなわち136.5g(1.092×12
5)のDBEを,50mlすなわち48.980g(5
0×0.9796)のTAM溶液〔14.075g(5
0×0.2815)のTAM(28.7%),18.8
20g(50×0.3764)のIPA(38.4
%),及び16.085g(50×0.3217)の水
(32.9%)を含む〕と混合し,そしてさらに361
0mlすなわち2815.8g(0.78×3610)
を加えて,3785mlすなわち1U.S.ガロンのフ
ラックスを作製した。計算によれば,本フラックスは,
14.075gのTAM(0.5%),136.5gの
DBE(4.6%),2834.62g(2815.8
+18.82)のIPA(94.4%),及び16.0
85gの水(0.5%)を含有している〔トータル30
01.28g;比重0.7929(3001.28/3
785);TAM含量0.5%は0.4容量%(14.
075/3785)に相当する〕。
【0137】TAMが100部の場合,実施例13のフ
ラックスは,約905部のDBE,31537部のIP
A,及び114部の水を含み,実施例14のフラックス
は,約970部のDBE,20139部のIPA,及び
114部の水を含む。実施例13〜14のロジン非含有
TAM低含量フラックスを,実施例11に従って電子回
路基板部品を流動ハンダ付けするのに使用した。イオン
性残留物を除去するための洗浄を行わずに,またコンフ
ォーマルコーティングを施す前に,前記の(a)オメガ
メーター試験に付すと,実施例13のロジン非含有フラ
ックスを使用してハンダ付けした回路基板(基板23)
は,1.0128μg/cm(NaCl当量として)
のイオン性残留物を含み,一方,実施例14のロジン非
含有フラックスを使用してハンダ付けした回路基板(基
板24)は、1.1597μg/cm(NaCl当量
として)のイオン性残留物を含んでいた(どちらの場合
も1.2μg/cmより少なく,表Lの洗浄基板6〜
8に対するロジンフラックス(a)試験のイオン性残留
物より少ない)。
【0138】次いで,前記の(b)イオンクロマトグラ
フ試験に付すと,実施例13のロジン非含有フラックス
を使用してハンダ付けした回路基板(基板23)は,
6.1559μg/cmの全抽出アニオン性残留物を
含み,一方,実施例14のロジン非含有フラックスを使
用してハンダ付けした回路基板(基板24)は,12.
2705μg/cmの全抽出アニオン性残留物を含ん
でいた(どちらの場合も,表Lの基板1〜22に対する
ロジンフラックス(b)試験の全抽出アニオン性残留物
より少ない)。表Lの基板1〜22と同様に,基板23
〜24も同じサイズであり,いずれも230cmのト
ータル面積を有する(基板の両面の合計)。
【0139】本発明のロジンフラックスを使用した場合
(基板1〜8)に比べて,そして特に公知のロジンフラ
ックス#2と#3を使用した場合(基板9〜22)に比
べて,本発明のロジン非含有フラックスを使用した場合
(基板23〜24)にイオン性(抽出されたアニオン
性)残留物が大幅に少ないという改良された結果は,
(a)試験が,公知のフラックス#2を使用してハンダ
付けした未洗浄基板(基板9〜10)のイオン性残留物
レベルに比較して,公知のフラックス#2と#3を使用
してハンダ付けしたフレオンTMS洗浄基板(基板11
〜12)に対してはイオン性残留物の増大を検出し,そ
してこれが残留ロジン(酸性成分を保持するマトリック
スとして作用する)に起因する,という上記の説明と矛
盾しない。
【0140】このことは、全抽出アニオン性物質に関す
る(b)試験による類似の結果によっても裏付けられ
る。なぜなら、ロジン非含有フラックスは、このような
酸性成分を保持するマトリックスがなく、また(b)試
験による残留物レベルは、表Lのすべてのロジンフラッ
クスに対する全抽出アニオン性物質レベルよりかなり低
いからである。ロジン非含有フラックスは、ロジンを含
まないことから、ロジンがイオン性成分を保持するマト
リックスとして機能するときに付きものの問題を避ける
ためだけでなく、ロジン残留物が微量存在することによ
ってある特定のメカニカルスイッチの接触表面間での効
率的な電気的接触を得るのが困難となるような場合にお
ける回路基板のハンダ付けに付きものの問題を避けるの
に特に適している。従って、これまで説明してきた特定
の実施態様は、単に本発明の一般的な原理を例証してい
るにすぎないことは言うまでもない。本発明の態様は次
の通りである。 (1) ロジンと活性付与量の有機酸混合物とを含む残
留物の少ないハンダ付け用フラックスであって、前記混
合物が、15〜30重量%のコハク酸、40〜63重量
%のグルタル酸、及び10〜30重量%のアジピン酸を
含有した本質的に非昇華性の二塩基酸混合物であること
を特徴とする、前記ハンダ付け用フラックス。 (2) 前記二塩基酸混合物が約150〜210°Cの
沸点を有する、上記第1項記載の残留物の少ないハンダ
付け用フラックス。 (3) 前記ロジンと前記二塩基酸混合物が、約65〜
95重量%のロジン及び約5〜35重量%の二塩基酸混
合物という互いに補完的な比率となっている、上記第1
項記載の残留物の少ないハンダ付け用フラックス。 (4) 前記フラックスが揮発可能なフラックスビヒク
ルを含む、上記第1項記載の残留物の少ないハンダ付け
用フラックス。 (5) 前記ロジンと前記二塩基酸混合物が合わせて約
1.25〜55重量%の量にて存在し、前記ビヒクルが
約45〜98.75重量%の量にて存在する、上記第4
項記載の残留物の少ないハンダ付け用フラックス。 (6) 前記ロジンと前記二塩基酸混合物が、約65〜
95重量%のロジン及び約5〜35重量%の二塩基酸混
合物という互いに補完的な比率となっている、上記第5
項記載の残留物の少ないハンダ付け用フラックス。 (7) 前記ビヒクルが約70〜100重量%の揮発性
有機溶媒と0〜30重量%の脱イオン水を含む、上記第
4項記載の残留物の少ないハンダ付け用フラックス。 (8) 前記溶媒が、脂肪族アルコール、脂環式アルコ
ール、脂肪族カルボン酸エステル、環状ケトン、又はこ
れらの混合物から選ばれる、上記第7項記載の残留物の
少ないハンダ付け用フラックス。 (9) 前記溶媒が脂肪族低級アルコールである、上記
第8項記載の残留物の少ないハンダ付け用フラックス。 (10) 前記溶媒と前記水が、約70〜99.5重量
%の溶媒及び約0.5〜30重量%の脱イオン水という
互いに補完的な比率となっている、上記第8項記載の残
留物の少ないハンダ付け用フラックス。 (11) 前記溶媒がイソプロピルアルコールである、
上記第10項記載の残留物の少ないハンダ付け用フラッ
クス。 (12) ロジンと活性付与量の有機酸混合物とを含む
残留物の少ないハンダ付け用フラックスであって、前記
フラックスが本質的に、約1〜35重量%のロジン;約
15〜30重量%のコハク酸、約40〜63重量%のグ
ルタル酸、及び約10〜30重量%のアジピン酸を含有
した0.25〜20重量%の本質的に非昇華性の二塩基
酸混合物;45〜98.75重量%の揮発可能な有機溶
媒;並びに0〜20重量%の脱イオン水;からなること
を特徴とし、このときロジン、二塩基酸混合物、溶媒、
及び水の前記パーセントはフラックスの総重量を基準と
しており、コハク酸、グルタル酸、及びアジピン酸の前
記パーセントは二塩基酸混合物の総重量を基準としてお
り、そして二塩基酸混合物が約150〜210°Cの沸
点を有する、前記ハンダ付け用フラックス。 (13) 前記フラックスが、約25〜35重量%のロ
ジン、約2.5〜20重量%の二塩基酸混合物、約45
〜60重量%の溶媒、及び約5〜20重量%の脱イオン
水を含有する、上記第12項記載の残留物の少ないハン
ダ付け用フラッ クス。 (14) 前記溶媒がイソプロピルアルコールである、
上記第13項記載の残留物の少ないハンダ付け用フラッ
クス。 (15) 前記フラックスが、約1〜8重量%のロジ
ン、約0.25〜1重量%の二塩基酸混合物、約90〜
98.75重量%の溶媒、及び約0〜1重量%の脱イオ
ン水を含有する、上記第12項記載の残留物の少ないハ
ンダ付け用フラックス。 (16) 前記溶媒がイソプロピルアルコールである、
上記第15項記載の残留物の少ないハンダ付け用フラッ
クス。 (17) 前記フラックスが本質的に水を含まない、上
記第15項記載の残留物の少ないハンダ付け用フラック
ス。 (18) 前記溶媒がイソプロピルアルコールである、
上記第17項記載の残留物の少ないハンダ付け用フラッ
クス。 (19) コハク酸、グルタル酸、及びアジピン酸を含
んだ沸点が約150〜210°Cの本質的に非昇華性の
ロジン非含有二塩基酸混合物を、揮発可能な有機溶媒中
への希薄溶液の形で含むことを特徴とする、残留物の少
ない有機酸含有ハンダ付け用フラックスであって、この
ときハンダ付け部位に前記フラックスからのいかなるイ
オン性残留物の本質的に残存しないよう、前記二塩基酸
混合物が、ハンダ付け部位の熱ハンダ付け時においてハ
ンダ付け部位へのフラックスとしての使用時に本質的に
完全に揮発することができる、前記ハンダ付け用フラッ
クス。 (20) 前記二塩基酸混合物が、約15〜30重量%
のコハク酸、約40〜63重量%のグルタル酸、及び約
10〜30重量%のアジピン酸を含有する、上記第19
項記載の残留物の少ないハンダ付け用フラックス。 (21) 前記溶媒が、脂肪族アルコール、脂環式アル
コール、脂肪族カルボン酸エステル、又はこれらの混合
物から選ばれる、上記第19項記載の残留物の少ないハ
ンダ付け用フラックス。 (22) 前記フラックスが少量の希釈剤用脱イオン水
を含有する、上記第19項記載の残留物の少ないハンダ
付け用フラックス。 (23) 前記二塩基酸混合物がフラックスの約10重
量%未満の量にて存在する、上記第19項記載の残留物
の少ないハンダ付け用フラックス。 (24) (a) 約15〜30重量%のコハク酸、約
40〜63重量%のグタル酸、及び約10〜30重量
%のアジピン酸を含有した本質的に非昇華性の二塩基酸
混合物が約0.2〜1重量%;及び (b) 脂肪族アルコール、脂環式アルコール、脂肪族
カルボン酸エステル、又はこれらの混合物から選ばれる
揮発可能な溶媒が約99〜99.8重量%;からなるロ
ジン非含有溶液を含むことを特徴とする、残留物の少な
い有機酸含有ハンダ付け用フラックス。 (25) 前記フラックスが少量の希釈剤用脱イオン水
を含有する、上記第24項記載の残留物の少ないハンダ
付け用フラックス。 (26) 前記フラックスが本質的に、約0.5〜1重
量%の二塩基酸混合物及び約99〜99.5重量%の脂
肪族低級アルコールからなる、上記第24項記載の残留
物の少ないハンダ付け用フラックス。 (27) 前記アルコールがイソプロピルアルコールで
ある、上記第26項記載の残留物の少ないハンダ付け用
フラックス。 (28) 前記フラックスが本質的に、約0.2〜1重
量%の二塩基酸混合物、約2〜10重量%の脂肪族ジカ
ルボン酸ジ低級アルキルエステル、約88〜97.6重
量%の脂肪族低級アルコール、及び約0.2〜1重量%
の脱イオン水からなる、上記第24項記載の残留物の少
ないハンダ付け用フラックス。 (29) 前記エステルが、約10〜20重量%のコハ
ク酸ジ低級アルキル、約60〜70重量%のグルタル酸
ジ低級アルキル、及び約10〜20重量%のアジピン酸
ジ低級アルキルの混合物である、上記第28項記載の残
留物の少ないハンダ付け用フラックス。 (30) 前記エステルが、約16.5重量%のコハク
酸ジメチル、約66%のグルタル酸ジメチル、及び約1
7%のアジピン酸ジメチルを含んだ沸点が約196〜2
25°Cの混合物であり、前記アルコールがイソプロピ
ルアルコールである、上記第28項記載の残留物の少な
いハンダ付け用フラックス。 (31) 金属表面への被覆配置において上記第1項記
載の残留物の少ないフ ラックスを有効量存在させて、そ
して前記金属表面に前記フラックスからのイオン性残留
物が本質的に残存しないよう、ハンダの溶融流れを起こ
させるに足る、且つ前記フラックスの前記金属表面から
の揮発を起こさせるに足る温度にて前記金属表面にハン
ダを施すことを含む、金属表面を熱ハンダ付けする方
法。 (32) 前記ハンダ付けが約200〜500°Cの温
度にて行われる、上記第31項記載の金属表面を熱ハン
ダ付けする方法。 (33) 前記ハンダ付けが錫−鉛ハンダを使用して行
われる、上記第31項記載の金属表面を熱ハンダ付けす
る方法。 (34) 前記フラックスが揮発可能なフラックスビヒ
クルを含み、前記ハンダ付けが前記金属表面上に微量の
イオン性残留物しか残存しない温度にて行われる、上記
第31項記載の金属表面を熱ハンダ付けする方法。 (35) 金属表面への被覆配置において上記第13項
記載の残留物の少ないフラックスを有効量存在させて、
そして前記金属表面に前記フラックスからのイオン性残
留物が本質的に残存しないよう、ハンダの溶融流れを起
こさせるに足る、且つ前記フラックスの前記金属表面か
らの揮発を起こさせるに足る温度にて前記金属表面にハ
ンダを施すことを含む、金属表面を熱ハンダ付けする方
法。 (36) 金属表面への被覆配置において上記第15項
記載のフラックスを有効量存在させて、そして前記金属
表面に塩化ナトリウムに関して多くても約5μg/cm
2 当量のイオン性残留物しか残存しないよう、ハンダの
溶融流れを起こさせるに足る、且つ前記フラックスの前
記金属表面からの揮発を起こさせるに足る温度にて前記
金属表面にハンダを施すことを含む、金属表面を熱ハン
ダ付けする方法。 (37) 前記熱ハンダ付けにおいて、前記金属表面に
塩化ナトリウムに関して多くても約3μg/cm 2 当量
のイオン性残留物しか残存しない、上記第36項記載の
金属表面を熱ハンダ付けする方法。 (38) 金属表面への被覆配置において上記第19項
記載の残留物の少ないフラックスを有効量存在させて、
そして前記金属表面に前記フラックスからのイオン性残
留物が本質的に残存しないよう、ハンダの溶融流れを起
こさせるに足る、且つ前記フラックスの前記金属表面か
らの揮発を起こさせるに足る温度にて前 記金属表面にハ
ンダを施すことを含む、金属表面を熱ハンダ付けする方
。 (39) 金属表面への被覆配置において上記第24項
記載の残留物の少ないフラックスを有効量存在させて、
そして前記金属表面に前記フラックスからのイオン性残
留物が本質的に残存しないよう、ハンダの溶融流れを起
こさせるに足る、且つ前記フラックスの前記金属表面か
らの揮発を起こさせるに足る温度にて前記金属表面にハ
ンダを施すことを含む、金属表面を熱ハンダ付けする方
法。 (40) 金属表面への被覆配置において上記第30項
記載の残留物の少ないフラックスを有効量存在させて、
そして前記金属表面に塩化ナトリウムに関して多くても
約1.2μg/cm 2 当量のイオン性残留物しか残存し
ないよう、ハンダの溶融流れを起こさせるに足る、且つ
前記フラックスの前記金属表面からの揮発を起こさせる
に足る温度にて前記金属表面にハンダを施すことを含
む、金属表面を熱ハンダ付けする方法。 (41) 上記第36項記載の方法によって得られるハ
ンダ付けされた物品。 (42) 上記第37項記載の方法によって得られるハ
ンダ付けされた物品。 (43) 上記第40項記載の方法によって得られるハ
ンダ付けされた物品。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロジンと活性付与量の有機酸混合物とを
    含む残留物の少ないハンダ付け用フラックスであって、
    前記混合物が、15〜30重量%のコハク酸、40〜6
    3重量%のグルタル酸、及び10〜30重量%のアジピ
    ン酸を含有した本質的に非昇華性の二塩基酸混合物であ
    ることを特徴とする、前記ハンダ付け用フラックス。
  2. 【請求項2】 ロジンと活性付与量の有機酸混合物とを
    含む残留物の少ないハンダ付け用フラックスであって、
    前記フラックスが本質的に、1〜35重量%のロジン;
    15〜30重量%のコハク酸、40〜63重量%のグル
    タル酸、及び10〜30重量%のアジピン酸を含有した
    0.25〜20重量%の本質的に非昇華性の二塩基酸混
    合物;45〜98.75重量%の揮発可能な有機溶媒;
    並びに0重量%を超え20重量%以下の量の脱イオン
    水;を含むことを特徴とし、このときロジン、二塩基酸
    混合物、溶媒、及び水の前記パーセントはフラックスの
    総重量を基準としており、コハク酸、グルタル酸、及び
    アジピン酸の前記パーセントは二塩基酸混合物の総重量
    を基準としており、そして二塩基酸混合物が150〜2
    10°Cの沸点を有する、前記ハンダ付け用フラック
    ス。
  3. 【請求項3】 ロジンと活性付与量の有機酸混合物とを
    含む残留物の少ないハンダ付け用フラックスであって、
    前記フラックスが本質的に、1〜35重量%のロジン;
    15〜30重量%のコハク酸、40〜63重量%のグル
    タル酸、及び10〜30重量%のアジピン酸を含有した
    0.25〜20重量%の本質的に非昇華性の二塩基酸混
    合物;45〜98.75重量%の揮発可能な有機溶媒;
    を含むことを特徴とし、このときロジン、二塩基酸混合
    物、溶媒、及び水の前記パーセントはフラックスの総重
    量を基準としており、コハク酸、グルタル酸、及びアジ
    ピン酸の前記パーセントは二塩基酸混合物の総重量を基
    準としており、そして二塩基酸混合物が150〜210
    °Cの沸点を有する、前記ハンダ付け用フラックス。
  4. 【請求項4】 コハク酸、グルタル酸、及びアジピン酸
    を含んだ沸点が150〜210°Cの本質的に非昇華性
    のロジン非含有二塩基酸混合物を、揮発可能な有機溶媒
    中への希簿溶液の形で含むことを特徴とする、残留物の
    少ない有機酸含有ハンダ付け用フラックスであって、こ
    のときハンダ付け部位に前記フラックスからのいかなる
    イオン性残留物も本質的に残存しないよう、前記二塩基
    酸混合物が、ハンダ付け部位の熱ハンダ付け時において
    ハンダ付け部位へのフラックスとしての使用時に本質的
    に完全に揮発することができる、前記ハンダ付け用フラ
    ックス。
  5. 【請求項5】 (a)15〜30重量%のコハク酸、4
    0〜63重量%のグルタル酸、及び10〜30重量%の
    アジピン酸を含有した本質的に非昇華性の二塩基酸混合
    物が0.2〜1重量%;及び (b) 脂肪族アルコール、脂環式アルコール、脂肪族
    カルボン酸エステル、又はこれらの混合物から選ばれる
    揮発可能な溶媒が99〜99.8重量%;からなるロジ
    ン非含有溶液を含むことを特徴とする、残留物の少ない
    有機酸含有ハンダ付け用フラックス。
  6. 【請求項6】 金属表面への被覆配置において請求項1
    記載の残留物の少ないフラックスを有効量存在させて、
    そして前記金属表面に前記フラックスからのイオン性残
    留物が本質的に残存しないよう、ハンダの溶融流れを起
    こさせるに足る、且つ前記フラックスの前記金属表面か
    らの揮発を起こさせるに足る温度にて前記金属表面にハ
    ンダを施すことを含む、金属表面を熱ハンダ付けする方
    法。
  7. 【請求項7】 金属表面への被覆配置において請求項2
    又は3に記載の残留物の少ないフラックスを有効量存在
    させて、そして前記金属表面に前記フラックスからのイ
    オン性残留物が本質的に残存しないよう、ハンダの溶融
    流れを起こさせるに足る、且つ前記フラックスの前記金
    属表面からの揮発を起こさせるに足る温度にて前記金属
    表面にハンダを施すことを含む、金属表面を熱ハンダ付
    けする方法。
  8. 【請求項8】 金属表面への被覆配置において請求項2
    又は3に記載のフラックスを有効量存在させて、そして
    前記金属表面に、標準濃度の塩化ナトリウムで較正した
    オメガメーターによって測定して塩化ナトリウムに関し
    て多くても5μg/cm2 当量のイオン性残留物しか残
    存しないよう、ハンダの溶融流れを起こさせるに足る、
    且つ前記フラックスの前記金属表面からの揮発を起こさ
    せるに足る温度にて前記金属表面にハンダを施すことを
    含む、金属表面を熱ハンダ付けする方法。
  9. 【請求項9】 金属表面への被覆配置において請求項4
    に記載の残留物の少ないフラックスを有効量存在させ
    て、そして前記金属表面に前記フラックスからのイオン
    性残留物が本質的に残存しないよう、ハンダの溶融流れ
    を起こさせるに足る、且つ前記フラックスの前記金属表
    面からの揮発を起こさせるに足る温度にて前記金属表面
    にハンダを施すことを含む、金属表面を熱ハンダ付けす
    る方法。
  10. 【請求項10】 金属表面への被覆配置において請求項
    5に記載の残留物の少ないフラックスを有効量存在させ
    て、そして前記金属表面に前記フラックスからのイオン
    性残留物が本質的に残存しないよう、ハンダの溶融流れ
    を起こさせるに足る、且つ前記フラックスの前記金属表
    面からの揮発を起こさせるに足る温度にて前記金属表面
    にハンダを施すことを含む、金属表面を熱ハンダ付けす
    る方法。
  11. 【請求項11】 金属表面への被覆配置において請求項
    5に記載の残留物の少ないフラックスを有効量存在させ
    て、そして前記金属表面に、標準濃度の塩化ナトリウム
    で較正したオメガメーターによって測定して塩化ナトリ
    ウムに関して多くても1.2μg/cm2 当量のイオン
    性残留物しか残存しないよう、ハンダの溶融流れを起こ
    させるに足る、且つ前記フラックスの前記金属表面から
    の揮発を起こさせるに足る温度にて前記金属表面にハン
    ダを施すことを含む、金属表面を熱ハンダ付けする方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項8記載の方法によって得られる
    ハンダ付けされた物品。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の方法によって得られ
    るハンダ付けされた物品。
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