JPH0729209A - 相変化型光ディスク - Google Patents
相変化型光ディスクInfo
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- JPH0729209A JPH0729209A JP5171713A JP17171393A JPH0729209A JP H0729209 A JPH0729209 A JP H0729209A JP 5171713 A JP5171713 A JP 5171713A JP 17171393 A JP17171393 A JP 17171393A JP H0729209 A JPH0729209 A JP H0729209A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】反射層を備えた四層構造の相変化型光ディスク
において、単一ビームによるオーバーライトで記録され
たピットの再生信号に含まれるジッター量を少なくす
る。 【構成】反射層の材料を、消衰係数をk、屈折率をnと
したときに下記の(1)式を満たすものに特定する。 k≦0.76n+1.8……(1) 【効果】非晶質状態と結晶質状態とにおける記録層の光
吸収率差が例えば15%以下に小さくなり、再生信号に
含まれるジッター量の割合を例えば50%以下に抑える
ことができる。
において、単一ビームによるオーバーライトで記録され
たピットの再生信号に含まれるジッター量を少なくす
る。 【構成】反射層の材料を、消衰係数をk、屈折率をnと
したときに下記の(1)式を満たすものに特定する。 k≦0.76n+1.8……(1) 【効果】非晶質状態と結晶質状態とにおける記録層の光
吸収率差が例えば15%以下に小さくなり、再生信号に
含まれるジッター量の割合を例えば50%以下に抑える
ことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、照射されるレーザパワ
ーの差で記録層に結晶−非晶質間の相変化を生じさせる
ことにより、情報を高速かつ高密度に記録、再生、消去
することができる相変化型光ディスクに関するものであ
る。
ーの差で記録層に結晶−非晶質間の相変化を生じさせる
ことにより、情報を高速かつ高密度に記録、再生、消去
することができる相変化型光ディスクに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】相変化型光ディスクは、記録層として、
照射されるレーザパワーの差で結晶−非晶質間の相変化
が生じる材料を透明な基板の一方の面に有するものであ
り、レーザ光のパワーを変化させるだけで古い情報を消
去すると同時に新たな情報を記録すること(以下、「オ
ーバーライト」と称する)ができるという利点を有して
いる。
照射されるレーザパワーの差で結晶−非晶質間の相変化
が生じる材料を透明な基板の一方の面に有するものであ
り、レーザ光のパワーを変化させるだけで古い情報を消
去すると同時に新たな情報を記録すること(以下、「オ
ーバーライト」と称する)ができるという利点を有して
いる。
【0003】すなわち、オーバーライトにより、記録層
のうち非晶質化レベルのハイパワーのレーザ光が照射さ
れた部分は、融点以上の温度への急熱・急冷により非晶
質化されて記録ピットとなり、結晶化レベルのパワーの
レーザ光が照射された部分は、融点より低い結晶化可能
温度への昇温・徐冷により結晶化されて消去部分とな
る。
のうち非晶質化レベルのハイパワーのレーザ光が照射さ
れた部分は、融点以上の温度への急熱・急冷により非晶
質化されて記録ピットとなり、結晶化レベルのパワーの
レーザ光が照射された部分は、融点より低い結晶化可能
温度への昇温・徐冷により結晶化されて消去部分とな
る。
【0004】このオーバーライトが可能な相変化型光デ
ィスクの記録材料としては、In−Se系合金(App
l.Phys.Lett.第50巻、667頁、198
7年)やIn−Sb−Te合金(Appl.Phys.
Lett.第50巻、16頁、1987年)、Ge−T
e−Sb合金等のカルコゲン合金が主として用いられて
いる。
ィスクの記録材料としては、In−Se系合金(App
l.Phys.Lett.第50巻、667頁、198
7年)やIn−Sb−Te合金(Appl.Phys.
Lett.第50巻、16頁、1987年)、Ge−T
e−Sb合金等のカルコゲン合金が主として用いられて
いる。
【0005】このようなカルコゲン合金を記録層として
実際に記録・消去を行う場合には、記録・消去の際に生
じる熱により基板が変形することを防止したり、記録層
の酸化や変形を防止したり、記録層をなす物質が基板に
設けられた案内溝に沿って移動することを防止したりす
るために、通常この記録層の直下と直上とのいずれか一
方または双方に、金属あるいは半金属の、酸化物、炭化
物、窒化物、フッ化物、および硫化物から選ばれた少な
くとも一種類からなる保護層を設けている。
実際に記録・消去を行う場合には、記録・消去の際に生
じる熱により基板が変形することを防止したり、記録層
の酸化や変形を防止したり、記録層をなす物質が基板に
設けられた案内溝に沿って移動することを防止したりす
るために、通常この記録層の直下と直上とのいずれか一
方または双方に、金属あるいは半金属の、酸化物、炭化
物、窒化物、フッ化物、および硫化物から選ばれた少な
くとも一種類からなる保護層を設けている。
【0006】そして、カルコゲン合金からなる記録層
と、記録層の直下および/または直上に設けた保護層
(以下、それぞれ第一の保護層,第二の保護層と称す
る。)と、記録層の基板側とは反対側に設けた冷却層を
兼ねた反射層(例えばAl合金膜)とからなる三層また
は四層構造を透明基板上に備えたものが、記録・消去特
性の点で好適であるために相変化型光ディスクの主流と
なっている。
と、記録層の直下および/または直上に設けた保護層
(以下、それぞれ第一の保護層,第二の保護層と称す
る。)と、記録層の基板側とは反対側に設けた冷却層を
兼ねた反射層(例えばAl合金膜)とからなる三層また
は四層構造を透明基板上に備えたものが、記録・消去特
性の点で好適であるために相変化型光ディスクの主流と
なっている。
【0007】このような相変化型光ディスクに対して単
一ビームでオーバーライトを行う場合には、複数ビーム
による場合と違い、書換え前に記録ピットが消去されな
いため、光吸収率が異なる非晶質化部分(記録ピット)
と結晶化部分(消去された部分)とに次のオーバーライ
トが直接行われる。そのため、新たに形成される記録ピ
ットの下地が前回の非晶質化部分か結晶化部分かで記録
層の昇温プロファイルが異なることから、新たな記録ピ
ットが設定位置とは微妙にずれた位置に形成され、再生
信号に多くのジッター(時間軸方向のずれ)が含まれて
ビットエラーが生じやすくなったりするという問題があ
った。
一ビームでオーバーライトを行う場合には、複数ビーム
による場合と違い、書換え前に記録ピットが消去されな
いため、光吸収率が異なる非晶質化部分(記録ピット)
と結晶化部分(消去された部分)とに次のオーバーライ
トが直接行われる。そのため、新たに形成される記録ピ
ットの下地が前回の非晶質化部分か結晶化部分かで記録
層の昇温プロファイルが異なることから、新たな記録ピ
ットが設定位置とは微妙にずれた位置に形成され、再生
信号に多くのジッター(時間軸方向のずれ)が含まれて
ビットエラーが生じやすくなったりするという問題があ
った。
【0008】これらの問題を解決するために、書換え前
の状態にかかわらず記録層に一様な昇温プロファイルを
与えるための提案がなされており、特開平1−1492
38号公報には、記録層の光吸収率を非晶質部分(記録
ピット)と結晶質部分(消去部分)とで等しくすること
が、特開平3−113844号公報には、記録層におけ
る非晶質部分と結晶質部分とにおける光吸収率の差を1
0%以下とすることが開示されている。
の状態にかかわらず記録層に一様な昇温プロファイルを
与えるための提案がなされており、特開平1−1492
38号公報には、記録層の光吸収率を非晶質部分(記録
ピット)と結晶質部分(消去部分)とで等しくすること
が、特開平3−113844号公報には、記録層におけ
る非晶質部分と結晶質部分とにおける光吸収率の差を1
0%以下とすることが開示されている。
【0009】そして、これらの公報に記載の方法では、
記録層の両側に形成されている第一および第二の保護層
の膜厚を変化させることにより、記録層における非晶質
部分および結晶質部分の光吸収率を変化させている。
記録層の両側に形成されている第一および第二の保護層
の膜厚を変化させることにより、記録層における非晶質
部分および結晶質部分の光吸収率を変化させている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−113844号公報では、反射層を備えた構造の相
変化型光ディスクについての考察がなされていなかっ
た。また、反射層を備えた構造の相変化型光ディスクで
は、特開平1−149238号公報に記載の方法によ
り、記録層の光吸収率を非晶質部分と結晶質部分とで等
しくすることは不可能であった。
3−113844号公報では、反射層を備えた構造の相
変化型光ディスクについての考察がなされていなかっ
た。また、反射層を備えた構造の相変化型光ディスクで
は、特開平1−149238号公報に記載の方法によ
り、記録層の光吸収率を非晶質部分と結晶質部分とで等
しくすることは不可能であった。
【0011】すなわち、反射層を備えた構造の相変化型
光ディスクは透過率がほぼ0に等しいため、非晶質状態
での光吸収率Aamo.と結晶質状態での光吸収率Acry.と
の差Aamo.−Acry.は、非晶質状態での反射率を
Ramo.、結晶質状態での反射率をR cry.とすると、 Aamo.−Acry.=(1−Ramo.)−(1−Rcry.)=Rcry.−Ramo.…(2) となる。そして、相変化型光ディスクは、結晶質状態と
非晶質状態とにおける反射率の差Rcry.−Ramo.を信号
として検出するため、この反射率差が大きくなるように
各層の膜厚が設計されている。ここで、(2)式よりR
cry.−Ramo.=A amo.−Acry.であるため、非晶質状態
と結晶質状態とにおける光吸収率の差Aam o.−Acry.は
再生信号の大きさに応じた値となる。したがって、十分
な再生信号を得るためには、光吸収率を非晶質部分と結
晶質部分とで等しくすることができない。
光ディスクは透過率がほぼ0に等しいため、非晶質状態
での光吸収率Aamo.と結晶質状態での光吸収率Acry.と
の差Aamo.−Acry.は、非晶質状態での反射率を
Ramo.、結晶質状態での反射率をR cry.とすると、 Aamo.−Acry.=(1−Ramo.)−(1−Rcry.)=Rcry.−Ramo.…(2) となる。そして、相変化型光ディスクは、結晶質状態と
非晶質状態とにおける反射率の差Rcry.−Ramo.を信号
として検出するため、この反射率差が大きくなるように
各層の膜厚が設計されている。ここで、(2)式よりR
cry.−Ramo.=A amo.−Acry.であるため、非晶質状態
と結晶質状態とにおける光吸収率の差Aam o.−Acry.は
再生信号の大きさに応じた値となる。したがって、十分
な再生信号を得るためには、光吸収率を非晶質部分と結
晶質部分とで等しくすることができない。
【0012】本発明は、このような従来技術の問題点に
着目してなされたものであり、反射層を備えた四層構造
の相変化型光ディスクにおいて、反射層をなす材料の特
定により、単一ビームによるオーバーライトがなされて
も再生信号に含まれるジッター量が少ないものを提供す
ることを目的とする。
着目してなされたものであり、反射層を備えた四層構造
の相変化型光ディスクにおいて、反射層をなす材料の特
定により、単一ビームによるオーバーライトがなされて
も再生信号に含まれるジッター量が少ないものを提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の相変化型光ディスクは、透明な基板と、こ
の基板の一方の面に形成された、照射されるレーザパワ
ーの差で結晶−非晶質間の相変化が生じる材料からなる
記録層と、この記録層の前記基板とは反対側の面に形成
された反射層とを少なくとも備えた相変化型光ディスク
において、前記反射層が、消衰係数をk、屈折率をnと
したときに下記の(1)式を満たす材料からなることを
特徴とするものである。
に、本発明の相変化型光ディスクは、透明な基板と、こ
の基板の一方の面に形成された、照射されるレーザパワ
ーの差で結晶−非晶質間の相変化が生じる材料からなる
記録層と、この記録層の前記基板とは反対側の面に形成
された反射層とを少なくとも備えた相変化型光ディスク
において、前記反射層が、消衰係数をk、屈折率をnと
したときに下記の(1)式を満たす材料からなることを
特徴とするものである。
【0014】k≦0.76n+1.8……(1) なお、消衰係数kと屈折率nは、複素屈折率n* =n+
ik(iは虚数単位)を決定するものである。前記条件
を満たす反射層材料としては、例えばNi−40at%C
r(Crの含有率が原子%で40%の合金)やCrが挙
げられる。
ik(iは虚数単位)を決定するものである。前記条件
を満たす反射層材料としては、例えばNi−40at%C
r(Crの含有率が原子%で40%の合金)やCrが挙
げられる。
【0015】前記基板、記録層、第一および第二の保護
層については従来より公知の材料が使用される。すなわ
ち、基板としてはポリカーボネート樹脂、PMMAやガ
ラス等が、記録層としては、In−Se系合金,In−
Sb−Te系合金,Ge−Te−Sb系合金,Ag−I
n−Sb−Te系合金等が用いられる。また、第一およ
び第二の保護層としては、耐熱性が高く融点が1000
℃以上の例えばZnSとSiO2 の混合物,SiO2 ,
Al2 O3 ,AlN,Si3 N4 等が挙げられる。さら
に、各層の形成方法としては、蒸着法,スパッタリング
法,イオンプレーティング法等が挙げられる。
層については従来より公知の材料が使用される。すなわ
ち、基板としてはポリカーボネート樹脂、PMMAやガ
ラス等が、記録層としては、In−Se系合金,In−
Sb−Te系合金,Ge−Te−Sb系合金,Ag−I
n−Sb−Te系合金等が用いられる。また、第一およ
び第二の保護層としては、耐熱性が高く融点が1000
℃以上の例えばZnSとSiO2 の混合物,SiO2 ,
Al2 O3 ,AlN,Si3 N4 等が挙げられる。さら
に、各層の形成方法としては、蒸着法,スパッタリング
法,イオンプレーティング法等が挙げられる。
【0016】
【作用】前記四層構造の相変化型光ディスクにおいて、
第一および第二の保護層をなす材料は誘電体であり、消
衰係数kが0であって光を吸収しないため、光吸収は記
録層と反射層とで行われる。すなわち、光ディスク全体
としての光吸収率AT は記録層での光吸収率AK と反射
層での光吸収率AH との和AT =AK +AH となる。そ
のため、非晶質状態と結晶質状態での光吸収率差Aamo.
−Acry.は Aamo.−Acry.=(記録層のAamo.+反射層のAamo.) −(記録層のAcry.+反射層のAcry.) =(記録層のAamo.−記録層のAcry.) +(反射層のAamo.−反射層のAcry.)…(3) となり、記録層における光吸収率差と反射層における光
吸収率差とに分けて考えることができる。
第一および第二の保護層をなす材料は誘電体であり、消
衰係数kが0であって光を吸収しないため、光吸収は記
録層と反射層とで行われる。すなわち、光ディスク全体
としての光吸収率AT は記録層での光吸収率AK と反射
層での光吸収率AH との和AT =AK +AH となる。そ
のため、非晶質状態と結晶質状態での光吸収率差Aamo.
−Acry.は Aamo.−Acry.=(記録層のAamo.+反射層のAamo.) −(記録層のAcry.+反射層のAcry.) =(記録層のAamo.−記録層のAcry.) +(反射層のAamo.−反射層のAcry.)…(3) となり、記録層における光吸収率差と反射層における光
吸収率差とに分けて考えることができる。
【0017】従来より反射層の材料として使用されてい
るAl合金は比較的大きい消衰係数(k)を有するた
め、従来の相変化型光ディスクでは反射層における光吸
収率が数%と少なく、光吸収のほとんどは記録層で行わ
れる。したがって、記録層における光吸収率差が大きく
反射層における光吸収率差は小さいため、前述のよう
に、オーバーライトに際して記録層における非晶質化部
分と結晶質化部分との昇温プロファイルが異なり、再生
信号に多くのジッターが含まれることになる。
るAl合金は比較的大きい消衰係数(k)を有するた
め、従来の相変化型光ディスクでは反射層における光吸
収率が数%と少なく、光吸収のほとんどは記録層で行わ
れる。したがって、記録層における光吸収率差が大きく
反射層における光吸収率差は小さいため、前述のよう
に、オーバーライトに際して記録層における非晶質化部
分と結晶質化部分との昇温プロファイルが異なり、再生
信号に多くのジッターが含まれることになる。
【0018】これに対して、本発明によれば、反射層を
なす材料を、消衰係数kが屈折率nに対して上記(1)
式を満たすものに特定することにより、非晶質状態と結
晶質状態とにおける記録層の光吸収率差を例えば15%
以下と小さくすることができる。これにより、オーバー
ライトに際して記録層における非晶質化部分と結晶質化
部分との昇温プロファイルの差が小さくなり、再生信号
に含まれるジッター量の割合を低く抑えることができ
る。
なす材料を、消衰係数kが屈折率nに対して上記(1)
式を満たすものに特定することにより、非晶質状態と結
晶質状態とにおける記録層の光吸収率差を例えば15%
以下と小さくすることができる。これにより、オーバー
ライトに際して記録層における非晶質化部分と結晶質化
部分との昇温プロファイルの差が小さくなり、再生信号
に含まれるジッター量の割合を低く抑えることができ
る。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 <実施例1>
る。 <実施例1>
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】図1に示すように、透明樹脂材料(例えば
ポリカーボネート樹脂)からなる基板1の上に、上記表
1,表2に示す光学定数および膜厚を有する材料を用い
て、第一の保護層2、記録層3、第二の保護層4、反射
層5を順次形成した場合の、反射層5をなす材料の屈折
率nと消衰係数kの変化と、各光学特性との関係を計算
した。その結果の一例を図2〜5に示す。
ポリカーボネート樹脂)からなる基板1の上に、上記表
1,表2に示す光学定数および膜厚を有する材料を用い
て、第一の保護層2、記録層3、第二の保護層4、反射
層5を順次形成した場合の、反射層5をなす材料の屈折
率nと消衰係数kの変化と、各光学特性との関係を計算
した。その結果の一例を図2〜5に示す。
【0023】図2は記録層が結晶質状態の場合と非晶質
状態の場合とにおける光ディスク全体としての反射率の
差(Rcry.−Ramo.)の値を、図3は記録層が非晶質状
態の場合と結晶質状態の場合とにおける光ディスク全体
としての光吸収率の差(Aam o.−Acry.)の値を、図4
は非晶質状態と結晶質状態とにおける記録層の光吸収率
差(記録層のAamo.−記録層のAcry.)の値を、図5は
記録層が非晶質状態の場合と結晶質状態の場合とにおけ
る反射層の光吸収率差(反射層のAamo.−反射層のA
cry.)の値を、それぞれ反射層5をなす材料の屈折率n
と消衰係数kとの関係において示したグラフである。
状態の場合とにおける光ディスク全体としての反射率の
差(Rcry.−Ramo.)の値を、図3は記録層が非晶質状
態の場合と結晶質状態の場合とにおける光ディスク全体
としての光吸収率の差(Aam o.−Acry.)の値を、図4
は非晶質状態と結晶質状態とにおける記録層の光吸収率
差(記録層のAamo.−記録層のAcry.)の値を、図5は
記録層が非晶質状態の場合と結晶質状態の場合とにおけ
る反射層の光吸収率差(反射層のAamo.−反射層のA
cry.)の値を、それぞれ反射層5をなす材料の屈折率n
と消衰係数kとの関係において示したグラフである。
【0024】図4のグラフから、k≦0.76n+1.
8であると、非晶質状態と結晶質状態とにおける記録層
の光吸収率差(記録層のAamo.−記録層のAcry.)が1
5%以下と小さくなることが分かる。なお、図2のグラ
フにk=0.76n+1.8の直線を一点鎖線で示した
が、これより下側で反射率差の大きい位置にある屈折率
nと消衰係数kを有する材料を反射層に使用することが
好ましい。 <実施例2>次のような手順により、図1に示す層構造
の相変化型光ディスクを作製した。まず、中心穴を有
し、直径130mm厚さが1.2mmで、片面に1.6
μmピッチの溝が形成されている円板状の透明樹脂材料
(例えばポリカーボネート樹脂)からなる基板1の溝面
側に、ZnSとSiO2 の混合物(SiO2 の存在比2
0mol%)のターゲットから、RFスパッタリング法
により約180nmの第一の保護層2を形成した。次
に、この第一の保護層2の上に、Ge−Te−Sb系合
金を記録層3として25nm形成し、その上に第一の保
護層2と同様の第二の保護層4を約20nm形成し、そ
の上にAl,Ni,NiCr(Crの含有率が原子%で
40%のもの),またはCrからなる反射層5を150
nm形成し、その上にUV硬化樹脂6をスピンコートに
より積層した。
8であると、非晶質状態と結晶質状態とにおける記録層
の光吸収率差(記録層のAamo.−記録層のAcry.)が1
5%以下と小さくなることが分かる。なお、図2のグラ
フにk=0.76n+1.8の直線を一点鎖線で示した
が、これより下側で反射率差の大きい位置にある屈折率
nと消衰係数kを有する材料を反射層に使用することが
好ましい。 <実施例2>次のような手順により、図1に示す層構造
の相変化型光ディスクを作製した。まず、中心穴を有
し、直径130mm厚さが1.2mmで、片面に1.6
μmピッチの溝が形成されている円板状の透明樹脂材料
(例えばポリカーボネート樹脂)からなる基板1の溝面
側に、ZnSとSiO2 の混合物(SiO2 の存在比2
0mol%)のターゲットから、RFスパッタリング法
により約180nmの第一の保護層2を形成した。次
に、この第一の保護層2の上に、Ge−Te−Sb系合
金を記録層3として25nm形成し、その上に第一の保
護層2と同様の第二の保護層4を約20nm形成し、そ
の上にAl,Ni,NiCr(Crの含有率が原子%で
40%のもの),またはCrからなる反射層5を150
nm形成し、その上にUV硬化樹脂6をスピンコートに
より積層した。
【0025】このようにして得られた相変化型光ディス
クの各サンプルを駆動装置にかけて1800rpmで回
転させ、波長が830nmのレーザ光をピークパワー1
8mWとバイアスパワー9mWとの間で変調させ、
(2,7)RLLランダム信号を一回記録した後に異な
るランダム信号をオーバーライトしてから再生し、その
再生信号中のジッター量の割合を測定した。そして、ジ
ッター量の割合の測定値と、各反射層材料について実施
例1で算出された記録層における光吸収率差との関係を
図6にグラフで示した。
クの各サンプルを駆動装置にかけて1800rpmで回
転させ、波長が830nmのレーザ光をピークパワー1
8mWとバイアスパワー9mWとの間で変調させ、
(2,7)RLLランダム信号を一回記録した後に異な
るランダム信号をオーバーライトしてから再生し、その
再生信号中のジッター量の割合を測定した。そして、ジ
ッター量の割合の測定値と、各反射層材料について実施
例1で算出された記録層における光吸収率差との関係を
図6にグラフで示した。
【0026】図6のグラフから分かるように、図4のグ
ラフで非晶質状態と結晶質状態とにおける記録層の光吸
収率差(記録層のAamo.−記録層のAcry.)が15%以
下となるk≦0.76n+1.8を満たす材料(NiC
r,Cr)によれば、再生信号に含まれるジッター量の
割合を50%以下に抑えることができる。
ラフで非晶質状態と結晶質状態とにおける記録層の光吸
収率差(記録層のAamo.−記録層のAcry.)が15%以
下となるk≦0.76n+1.8を満たす材料(NiC
r,Cr)によれば、再生信号に含まれるジッター量の
割合を50%以下に抑えることができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、反射層をなす材料の消衰係数と屈折率を特性するこ
とにより、単一ビームによりオーバーライトされた記録
ピットの再生信号に含まれるジッター量の割合を少なく
することができる。
ば、反射層をなす材料の消衰係数と屈折率を特性するこ
とにより、単一ビームによりオーバーライトされた記録
ピットの再生信号に含まれるジッター量の割合を少なく
することができる。
【図1】本発明の相変化型光ディスクが有する層構造を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図2】<実施例1>に関し、記録層が結晶質状態の場
合と非晶質状態の場合とにおける光ディスク全体として
の反射率の差(Rcry.−Ramo.)の値を、反射層をなす
材料の屈折率nと消衰係数kとの関係において示すグラ
フである。
合と非晶質状態の場合とにおける光ディスク全体として
の反射率の差(Rcry.−Ramo.)の値を、反射層をなす
材料の屈折率nと消衰係数kとの関係において示すグラ
フである。
【図3】<実施例1>に関し、記録層が非晶質状態の場
合と結晶質状態の場合とにおける光ディスク全体として
の光吸収率の差(Aamo.−Acry.)の値を、反射層をな
す材料の屈折率nと消衰係数kとの関係において示すグ
ラフである。
合と結晶質状態の場合とにおける光ディスク全体として
の光吸収率の差(Aamo.−Acry.)の値を、反射層をな
す材料の屈折率nと消衰係数kとの関係において示すグ
ラフである。
【図4】<実施例1>に関し、非晶質状態と結晶質状態
とにおける記録層の光吸収率差(記録層のAamo.−記録
層のAcry.)の値を、反射層をなす材料の屈折率nと消
衰係数kとの関係において示すグラフである。
とにおける記録層の光吸収率差(記録層のAamo.−記録
層のAcry.)の値を、反射層をなす材料の屈折率nと消
衰係数kとの関係において示すグラフである。
【図5】<実施例1>に関し、記録層が非晶質状態の場
合と結晶質状態の場合とにおける反射層の光吸収率差
(反射層のAamo.−反射層のAcry.)の値を、反射層を
なす材料の屈折率nと消衰係数kとの関係において示す
グラフである。
合と結晶質状態の場合とにおける反射層の光吸収率差
(反射層のAamo.−反射層のAcry.)の値を、反射層を
なす材料の屈折率nと消衰係数kとの関係において示す
グラフである。
【図6】<実施例2>に関し、ジッター量の割合の測定
値と、各反射層材料についての記録層における光吸収率
差との関係示すグラフである。
値と、各反射層材料についての記録層における光吸収率
差との関係示すグラフである。
1 基板 2 第一の保護層 3 記録層 4 第二の保護層 5 反射層
Claims (1)
- 【請求項1】 透明な基板と、この基板の一方の面に形
成された、照射されるレーザパワーの差で結晶−非晶質
間の相変化が生じる材料からなる記録層と、この記録層
の前記基板とは反対側の面に形成された反射層とを少な
くとも備えた相変化型光ディスクにおいて、 前記反射層が、消衰係数をk、屈折率をnとしたときに
下記の(1)式を満たす材料からなることを特徴とする
相変化型光ディスク。 k≦0.76n+1.8……(1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5171713A JPH0729209A (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | 相変化型光ディスク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5171713A JPH0729209A (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | 相変化型光ディスク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0729209A true JPH0729209A (ja) | 1995-01-31 |
Family
ID=15928302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5171713A Withdrawn JPH0729209A (ja) | 1993-07-12 | 1993-07-12 | 相変化型光ディスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0729209A (ja) |
-
1993
- 1993-07-12 JP JP5171713A patent/JPH0729209A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001003 |