JPH07291875A - メタン含有ガスの製造法 - Google Patents

メタン含有ガスの製造法

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JPH07291875A
JPH07291875A JP6090251A JP9025194A JPH07291875A JP H07291875 A JPH07291875 A JP H07291875A JP 6090251 A JP6090251 A JP 6090251A JP 9025194 A JP9025194 A JP 9025194A JP H07291875 A JPH07291875 A JP H07291875A
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gas
alumina
catalyst
nickel
methanol
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JP6090251A
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Masakazu Hanawa
雅 一 塙
Yoshihiro Saito
藤 義 博 斎
Toshio Ueki
木 俊 雄 植
Michihiko Kurashige
重 充 彦 倉
Takeshi Fujii
井 毅 藤
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SEIBU GAS KK
Mitsubishi Petrochemicals Engineering Co Ltd
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SEIBU GAS KK
Mitsubishi Petrochemicals Engineering Co Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽質炭化水素のメタン化において、反応温度
を低下させ、触媒寿命を長期化させる、メタン含有ガス
の製造法の提供。 【構成】 気相で炭素数3以上の軽質炭化水素を含んで
なる供給ガスを固体触媒に接触させてメタンに転換させ
ることからなる気相接触メタン化反応によってメタン含
有ガスを製造する方法であって、この気相接触反応を下
記の条件の充足下に実施することを特徴とする、メタン
含有ガスの製造法。 (1)固体触媒が、微細アルミナ水和物またはγ−アル
ミナをアルカリ溶液中に懸濁させて処理して得られたア
ルカリ処理アルミナを60℃以上の温度で硝酸ニッケル
水溶液と接触させてアルミナ成分とニッケル成分とを含
む塩基性塩固体を生成させ、得られた塩基性塩固体とカ
ルシウムアルミネートセメントとを混合し、得られた混
合物をカルシウムアルミネートセメントの水硬化条件に
付して得られ、成型されたニッケル/アルミナ触媒であ
ること。 (2)供給ガスが、炭素数3以上の軽質炭化水素にメタ
ノールおよび(または)実質的に水素と炭酸ガスからな
るガスを添加したものであること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の背景]
【産業上の利用分野】本発明は、炭素数3以上までの軽
質炭化水素を原料の気相接触メタン化反応によってメタ
ン含有ガスを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大都市圏を中心に都市ガス原料と
してLNG(液化天然ガス)の導入が図られている。し
かし、LNGを輸送および貯蔵する場合は、−162℃
という超低温とする必要があって、技術的、経済的な制
約があることから、中小都市での採用には問題が多い。
従って、都市ガス原料をLNGから取り扱い容易なメタ
ノールおよび炭素数3以上の軽質炭化水素(液化および
気化が容易である)に切り替えて、これを転化させて得
たメタン主体ガスを都市ガスとして経済的に製造する工
業的な技術の完成が急がれている。
【0003】都市ガス原料としてのメタノールは、常温
常圧で貯蔵または輸送が可能であり、脱硫その他の前処
理が不要であり、メタノール源となる資源が多種にわた
り量も豊富で製造方法も確立していることから有力な代
替えエネルギー源の一つであるにも関わらず、メタノー
ルは現状では主として化学原料用に製造されているため
に、炭化水素系のエネルギー源に比較して圧倒的に生産
量が少なく、そのため価格変動が大きく、安定供給に不
安が残り、代替えエネルギーとして本格的に導入される
に至っていない。しかしながら、メタノールの有する多
くのメリットから、またいずれエネルギーの多様化が避
けられない現状から、代替えエネルギー源としてのメタ
ノール導入の早期実用化に向けて多大な努力が払われて
おり、近い将来メタノールのエネルギー源としての製造
流通販売が実現するものと考えられる。
【0004】エネルギー源へのメタノールの本格導入に
より価格ならびにその供給が安定するまでの間、LNG
に代わるメタンを主成分とする高カロリー都市ガスの原
料として、多少取り扱いが煩雑であっても価格の安い軽
質炭化水素をメタノールの代替えとして原料に使用する
ことも考慮されている。その際には、この過渡期経過後
の実施あるいは原料価格動向や供給状況に応じての実施
の自由度を考慮すると、メタノールを原料としても実施
できるプロセスが望ましい。
【0005】メタノールまたは炭素数3以上の軽質炭化
水素をメタン化するのに際しての最も大きな問題は、メ
タン化反応によって生じる高い反応熱を制御することが
困難であるという点にある。メタノールを原料とすると
き、この発熱が顕著になる。すなわち、反応器として断
熱反応器を用いてメタノールまたは炭素数3以上の軽質
炭化水素のメタン化を行う場合には、反応器の多段化と
反応ガスのリサイクルがなければこの反応熱を制御する
ことが難しい。断熱反応器を多段にして運転することは
かなり煩雑な運転操作であるが、大規模なメタン化装置
では、24時間連続で昼夜運転することが多く、起動停
止時間も比較的十分とれ、負荷変動も比較的少ないこと
から、運転操作の比較的複雑な断熱反応器を多段に組み
合わせる方法を採用することが可能である。しかし、中
小規模のメタン化装置では、DSS(Daily Start & St
op) 運転されることが多いので、DSS運転が容易に行
えることも重要な要件であって、運転操作が容易でかつ
起動ないし安定化時間および停止時間が短いことが求め
られる。
【0006】しかし、断熱反応器を多段で用いるメタン
化は大規模操業には適しているとしても、LNGに代わ
るものとして企図されている中小規模での採用には依然
として問題がある。すなわち、反応器を多段にすれば一
段目の反応器の反応温度を高く設定することが可能とな
るので触媒性能の低い触媒でも使用可能という利点はあ
るものの、運転操作が煩雑かつ起動後の安定化に長時間
を要するために、DSS運転を行うことが実質的に不可
能になる。
【0007】一方、多管式反応器は等温反応器という反
応器の特性から、1段の反応器であるにも関わらず、高
いメタン転換率が得られ、中小規模の運転操作が容易で
DSS運転にも適用可能である。しかし、この多管式反
応器の特性を十分に発揮させるためには、触媒の低温で
の性能ならびに耐久性が十分に高いことが化学平衡上必
要不可欠である。
【0008】多管式反応器を用いてメタン化を行う場合
は、その高い反応熱により触媒層入り口側の一部は常に
高温にさらされる。メタノールと軽質炭化水素を比較し
た場合、メタノールの反応性がより高いため、メタノー
ルを原料としたときにこの発熱がとりわけ顕著となる。
この熱によって触媒は通常活性低下をきたし、その結
果、図1に示される発熱ピークが順次触媒層出口側へシ
フトしていくのである。
【0009】成型されたニッケル/アルミナ系触媒は、
メタン化反応に有効なものとして知られているが、この
発熱による熱負荷と触媒の還元進行によって触媒の強度
は著しく低下し、その一部は粉化するに至り、ついには
反応器の圧力損失の増加をきたし、運転が不能となる。
したがって、使用される成型されたニッケル/アルミナ
系触媒には、活性および触媒強度の両面から熱的耐久性
が必要とされる。
【0010】一般に触媒活性の向上は熱媒体温度の低温
化につながり、触媒層内最高温度を低下させることがで
きる。このことは触媒の長寿命化に有効に作用すること
はいうまでもない。更に、触媒が高活性を安定に保持で
きて、熱媒体温度を350℃以下にすることができるよ
うなものならば、工業的取り扱いに問題の多い硝酸塩浴
に代えてホットオイル(熱媒油)が使用可能となるなど
プロセス的にも有利となって、経済的にもメリットも大
きい。加えて、熱媒体温度の低温化は触媒層出口温度の
低下につながり、化学平衡上メタンの収率向上という結
果が得られ、経済的なメリットはさらに向上する。
【0011】よって、メタノール又は炭素数3以上の軽
質炭化水素のメタン化反応に用いる熱的耐久性のよい成
型されたニッケル/アルミナ系触媒の具備すべき条件
は、高温下で還元雰囲気による反応の履歴を経てもなお
低温活性を維持して高メタン収率を保持すると共に、長
期間にわたり工業触媒に必要な触媒強度を保って粉化し
ない触媒性能である。また、このことは経済的なガス化
プラントの長期安定操業に不可欠である。
【0012】ニッケル/アルミナ系触媒を用いて、メタ
ノールまたは炭素数3以上の軽質炭化水素を水蒸気の存
在下でメタン化しようとする場合、触媒の活性を失わせ
る原因として指摘されたきたものは、コーキングとシン
タリングである。コーキング対策としてアルカリ又はア
ルカリ金属を添加すると有効であることはよく知られた
事実である(特公昭51−36281号公報)。通常、
アルカリ又はアルカリ金属の添加量が多すぎると触媒性
能が低下するため、アルカリ添加量をできるだけ少なく
する努力もなされている(特開昭49−14501号、
同49−81292号、同63−283754号各公
報)。
【0013】しかしながら、これらのアルカリを添加し
た触媒は、低温における触媒活性が十分満足できるレベ
ルにないので、反応温度を高くできる多段の断熱反応器
に適用することができても、例えば多管式反応装置のよ
うな等温一段反応器で、例えば350℃以下というよう
な低温の反応温度で使用した場合には十分な性能を得る
ことができなかった。
【0014】一方、ニッケル/アルミナ系触媒において
フリーの金属ニッケルがウィスカー状カーボン生成の原
因となって触媒強度を低下させるので、アルミナとニッ
ケルの化学的結合を強めるための工夫がなされている
(特開昭60−54328号公報)。アルミニウムおよ
びニッケルの水溶性塩類を高pH域にすることで、ある
いは塩基性炭酸塩の沈殿を高温で行うことで、アルミナ
とニッケルの化学的結合を強くすることができるが、こ
のような触媒は、一般に活性成分である金属ニッケルと
アルミナとの結合が強すぎるため、金属ニッケルに起因
する触媒活性が低くなり、350℃以下の低温で使用さ
れる等温反応器では、反応温度が低すぎて触媒活性を十
分発揮することができず、効果的に使用することが難し
かった。
【0015】一方、活性成分であるニッケルのシンタリ
ングによる活性低下を抑制するために、ニッケルとアル
ミナの化学的結合を強くすることでニッケルのシンタリ
ング防止ができることはよく知られた事実である(特公
昭51−36281号公報)。しかしながら、ニッケル
とアルミナの化学的結合を強くした触媒では、本発明者
らが意図する350℃以下での低温活性を発現させるこ
とは実質上不可能であった。
【0016】また、ニッケルとアルミナの化学的結合を
コントロールしようというその他の提案もなされている
(特開昭49−80005号および同49−81292
号各公報)。これらの提案では、ニッケルとアルミナの
共沈を同時に実施するか、またはニッケルとアルミナの
共沈生成物とアルミナを混合するかの方法によってお
り、そのままではニッケルとアルミナの結合が強すぎ
て、十分な低温活性を得ることが困難と予想される。こ
れらの提案では、断熱反応器を使用し、1段目の触媒層
入り口温度は380℃とかなり高い温度となっているこ
とは低温での活性が十分ではないことを示唆している。
【0017】特開平4−341344号公報において本
発明者らは微細アルミナ水和物またはγ−アルミナをア
ルカリ溶液中に懸濁させて処理することでニッケルの沈
殿生成時にアルミナとの結合が強くなり、その結果ニッ
ケルのシンタリングを抑制できる技術を提案した。しか
しながら、工業規模での触媒製造において沈殿反応層が
大型となるために、効果的な撹拌が困難になりがちで、
その結果アルミナとニッケルの反応性の点で問題が発生
することがあった。
【0018】アルミナとニッケルの化学的な結合が不十
分な場合、耐熱性が不足して、実用上十分な触媒寿命が
得られないために、本発明者らは触媒製造方法の改良を
続け、活性成分であるニッケルの働きを保ちながらニッ
ケルのシンタリングを必要最小限に抑制することで、低
温高活性を維持しながらシンタリング耐性を持たせる方
法を見出すことができた(特願平5−331462号明
細書)。
【0019】特願平5−331462号明細書に開示し
た触媒は、予めアルミナ水和物又はγ−アルミナをアル
カリ溶液中で懸濁処理して得たアルカリ処理アルミナと
硝酸ニッケル水溶液とを接触反応させて、触媒の前駆体
となるニッケル成分およびアルミナ成分を含む塩基性塩
固体を60℃以上の反応温度で生成させるところに第一
の特徴がある。アルミナ水和物またはγ−アルミナを本
発明による方法でアルカリ溶液中で処理することにより
アルミナとの化学的結合により熱的に安定化されたニッ
ケルと活性金属種である金属ニッケルとの混合物を生成
させることができるこの方法によって、高温条件下で熱
的に安定かつ低温高活性、しかも高メタン収率を長時間
保持することが可能となる。
【0020】特願平5−331462号明細書に開示し
た触媒の第二の特徴は、上記した製造法で製造したニッ
ケル成分およびアルミナ成分を含む塩基性塩固体から得
たニッケル/アルミナ組成物は、カルシウムアルミネー
トセメントの添加で、特異的に触媒強度が向上すること
である。この触媒は高温下での還元雰囲気による長期使
用によっても工業的に充分な触媒強度を保持し、反応器
の圧力損失の増大も見られない。
【0021】このようにして、本発明者らにより、活
性、触媒強度ともに高温耐久性に富む、メタノールの気
相接触反応によるメタン製造のための成型ニッケル/ア
ルミナ触媒が見出された。
【0022】特願平5−331462号明細書に開示し
た発明による上記のような効果が発現する理由は必ずし
も明確ではないが、担体である微細アルミナ水和物また
はγ−アルミナをアルカリ溶液で処理することにより、
その粒子表面がその後の硝酸ニッケルとの反応に積極的
に関与するようになるものと考えられる。すなわち、担
体の一部はニッケル成分をより緊密な状態で保持しつ
つ、活性な金属ニッケルも十分な量で残存しているため
に低温での触媒活性が保たれているものと考えられる。
これに対して、ニッケル塩水溶液とアルミニウム塩水溶
液をアルカリ存在下で沈殿させて得られるいわゆる沈殿
法ニッケルアルミナ触媒では、ニッケルとアルミナの結
合が極めて緊密となりすぎ、活性成分であるニッケルの
働きが十分でなく、低温での触媒活性が不足するので、
反応開始温度をより高温とする必要がある。
【0023】特願平5−331462号明細書に開示し
た触媒は、アルミナの供給源にアルミナ水和物またはγ
−アルミナを使用し、触媒製造時の反応温度を適度にコ
ントロールすることにより、アルミナとニッケルの化学
的結合状態のバランスを微妙にコントロールすることで
高温耐熱性を有するばかりでなく、カルシウムアルミネ
ートセメントの持つ材料硬化特性を最大限に引き出す効
果を有している。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特願平
5−331462号に開示した触媒は、微妙なバランス
の上に成立していることから、メタノールもしくは炭素
数3以上の軽質炭化水素のどちらをも原料に使用する場
合に、メタノールのメタン化反応に最適な触媒を使用す
ると軽質炭化水素のメタン化反応にはやや触媒活性が不
足するために、反応温度を高めに設定する必要が生じ、
熱媒油の耐熱温度を越えてしまい、その結果連続運転が
不可能になることがありうることが懸念された。一方、
軽質炭化水素のメタン化に最適な触媒では、メタノール
のメタン化反応には活性が高すぎる反面、高温耐熱性が
不十分のため、触媒の寿命が短くなり過ぎるという問題
が生じる可能性があることも懸念された。
【0025】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要] <要旨>本発明者らは、特願平5−331642号明細
書に開示した触媒を使用したメタノールまたは炭素数3
以上の軽質炭化水素のメタン化反応運転条件の改良を引
き続き検討し、メタノールのメタン化反応に最適な触媒
で軽質炭化水素のメタン化反応を実施する場合、軽質炭
化水素にメタノールまたは実質的に水素と炭酸ガスから
なるガスを添加することで、反応温度を低くでき、その
結果長期の連続運転が可能となることを見出した。
【0026】すなわち本発明によるメタン含有ガスの製
造法は、気相で炭素数3以上の軽質炭化水素を含んでな
る供給ガスを固体触媒に接触させてメタンに転換させる
ことからなる気相接触メタン化反応によってメタン含有
ガスを製造する方法であって、この気相接触反応を下記
の条件の充足下に実施すること、を特徴とするものであ
る。 (1)固体触媒が、微細アルミナ水和物またはγ−アル
ミナをアルカリ溶液中に懸濁させて処理して得られたア
ルカリ処理アルミナを60℃以上の温度で硝酸ニッケル
水溶液と接触させてアルミナ成分とニッケル成分とを含
む塩基性塩固体を生成させ、得られた塩基性塩固体とカ
ルシウムアルミネートセメントとを混合し、得られた混
合物をカルシウムアルミネートセメントの水硬化条件に
付して得られ、成型されたニッケル/アルミナ触媒であ
ること。 (2)供給ガスが、炭素数3以上の軽質炭化水素にメタ
ノールおよび(または)実質的に水素と炭酸ガスからな
るガスを添加したものであること。
【0027】<効果>本発明に使用する触媒は、前記し
たように、メタノールおよび炭素数3以上の軽質炭化水
素を気相接触反応によりメタン含有ガスに転化させる際
に耐久性が高く、高温条件下で長期間の使用においても
触媒の活性と強度を安定に保持できるものであるが、こ
の触媒を炭素数3以上の軽質炭化水素のメタン化に使用
する場合に、このメタン化原料にメタノール、または実
質的に水素と炭酸ガスからなるガス、例えばメタノール
の水蒸気改質反応で生成するガス(以下、メタノール改
質ガスと呼ぶ)、を添加することにより、軽質炭化水素
のメタン化に必要であった比較的高い反応温度を低下さ
せることができ、ひいては触媒寿命を長期化することが
できる。本発明の効果は、メタン化反応原料の軽質炭化
水素に実質的に不可避な水添脱硫を水素源としてメタノ
ール改質ガスを使用して行うことにより、より顕著に示
される。
【0028】[発明の具体的説明] <触媒の製造> (1)担体アルミナの調製 アルミナ水和物またはγ−アルミナは、本発明による触
媒の担体を形成するものである。したがって、その含有
量は、触媒全量に対してたとえば10〜90重量%、好
ましくは30〜70重量%、である。また、アルミナの
粒径はアルカリ溶液との有効な接触効果を得るという観
点から、200μm以下、好ましくは50μm以下、就
中、中心粒径が10〜30μm、の微粉状のものが好ま
しい。ここでいう「粒径」は、アルミナ水和物またはγ
−アルミナの一次粒子の直径を意味するものとする。ま
た、「中心粒径」とは、全体量の30重量%以上を占め
る粒径範囲を意味する。このような担体は、適当なアル
ミナ源化合物から適当な方法、例えば「元素別触媒便
覧」(触媒学会編集 地人館発行(1967年))第3
3〜39頁に記載されている方法によって作ることがで
きる。
【0029】本発明では、このような担体をアルカリ溶
液中、例えば炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ等のアルミ
ナ表面に作用する一般的な塩基の溶液中、で、処理し
て、アルミナのアルカリ処理を行う。アルカリ処理は、
上記のようなアルカリの水溶液、具体的にはたとえば5
〜40重量%、好ましくは10〜20重量%、程度の濃
度のもの、にアルミナをたとえば0.1〜10重量%、
好ましくは1〜5重量%、程度の濃度に懸濁させ、35
〜100℃、好ましくは50〜90℃、程度の温度で、
少なくとも2時間程度、好ましくは3〜6時間、放置ま
たは撹拌することによって行うことが普通である。この
ようにして得られるアルカリ処理アルミナは、アルカリ
処理時の懸濁液をそのまま次工程のニッケル担持操作に
付してもよく、あるいはアルカリ処理時の懸濁液からア
ルミナを回収して、必要に応じて水洗などを行ってか
ら、ニッケル担持に付してもよい。
【0030】(2)ニッケル担持 次に、アルカリ処理アルミナ、例えばアルカリ溶液中懸
濁液、と硝酸ニッケル水溶液と接触させて、好ましくは
塩基性条件下で、両者の反応を60℃以上の温度で実施
する。好ましい反応温度は、60℃以上90℃以下、特
に好ましくは60℃以上80℃以下、である。本発明で
は両者の混合反応時の温度が60℃以上であればよく、
したがってアルカリ処理アルミナがアルカリ水溶液中懸
濁液のときには、両者の混合反応温度が少なくとも60
℃を維持できる状態であるならば両液の混合方法は任意
である。本発明で好ましい方法は、アルミナ懸濁液の温
度を硝酸ニッケル水溶液との混合に先立って60℃以上
とし、これに60℃以上またはそれ以下の温度の硝酸ニ
ッケル水溶液を混合する方法である。また、反応による
沈殿が60℃未満の温度で実質的に生成しない範囲内に
おいては、60℃未満のアルミナ懸濁液に60℃以上の
硝酸ニッケル水溶液を混合する方法も採用することがで
きる、反応条件は、必ずしも常に一定である必要はな
く、反応途中で変化してもよい。
【0031】アルカリ処理アルミナと硝酸ニッケルの反
応時の両者の比率は、アルミナ100重量部につきたと
えば硝酸ニッケル100〜600重量部、好ましくは3
00〜500重量部、である。硝酸ニッケル水溶液中の
硝酸ニッケルの濃度は、通常30〜85重量%、好まし
くは50〜75重量%、である。上記のようなアルカリ
処理アルミナ、例えばアルカリ水溶液中懸濁液、と硝酸
ニッケル水溶液とを混合して反応を実施することによ
り、アルミナ成分およびニッケル成分とを含む塩基性塩
固体の沈殿が生じる。この沈殿物は、常法に従って濾過
し、さらに水洗してアルカリ金属残存量が0.1重量%
以下にすることができる。
【0032】水洗された塩基性塩固体を乾燥し、たとえ
ば250〜600℃、好ましくは300〜500℃、の
温度で、1〜10時間、好ましくは2〜6時間、焼成を
行うことができる。焼成雰囲気は、非還元性であること
が望ましい。
【0033】(3)成型 次に、塩基性塩固体にカルシウムアルミネートセメント
を添加し、これを常法に従ってカルシウムアルミネート
セメントの水効果条件に付してそれを硬化させて成型を
行う。
【0034】水硬化処理は、例えば、水または水蒸気処
理によってカルシウムアルミネートセメントの水和反応
を促進させることにより行うことができる。成型物は必
要に応じてその後養生処理を行った後、乾燥し、たとえ
ば300〜800℃、好ましくは500〜750℃、の
温度で、たとえば1〜10時間、好ましくは2〜6時
間、焼成を行って、成型物を硬化させることで本発明に
よる触媒を得ることができる。
【0035】なお、このカルシウムアルミネートセメン
トは、一般に市販されているものを用いることができ
る。そのようなカルシウムアルミネートセメントは、例
えば化学成分として Ca0 :26.0 Al2 3 :73.0 SiO2 :0.3 Fe2 3 :0.3 Mg、Na、K,Cu、Cr、Mn、Ni、Pb:微量 (単位は重量%)を含むものが代表的である。
【0036】カルシウムアルミネートセメントの添加量
は、たとえば3〜20重量%、好ましくは5〜10重量
%、である。添加量が3重量%未満では強度向上効果が
認められず、一方、20重量%超過では初期活性が低
く、また、高度反応による活性低下速度も大きくなる。
【0037】本発明による触媒には、発明の趣旨を損な
わない限りニッケル以外の他の金属成分をプロモーター
等の目的で存在させることもできる。さらにまた、本発
明による「触媒」は、「成型された」ものである。成型
触媒の形状は、柱状、錠剤、ハニカム状、板状、その他
であってよいことは言うまでもない。
【0038】<メタン含有ガスの製造>本発明によるメ
タン含有ガスの製造法では、メタン化反応の原料である
炭素数3以上の軽質炭化水素にメタノールおよび(また
は)実質的に水素と炭酸ガスからなるガスを混合させて
なる供給ガスを、メタン化反応に付す。
【0039】先ず、この供給ガスは炭素数3以上の軽質
炭化水素とメタノールまたは実質的に水素および(また
は)炭酸ガスからなるガスとを必須成分とするものであ
る。接触メタン化反応に慣用されているところに従っ
て、この供給ガスはこれら必須成分の外に、水蒸気、窒
素、その他の中性ないし非酸化性ガスを含んでいてもよ
い。
【0040】メタン化の主原料である軽質炭化水素は炭
素数3以上であって、これが「軽質」であるところよ
り、炭素数の上限は15程度、好ましくは9程度、であ
る。そのような軽質炭化水素の代表的なものは、例えば
プロパン、ブタンおよびペンタン、就中ブタン、であ
る。このような軽質炭化水素は、LPGとしてよく知ら
れているものである。
【0041】本発明に従って、この軽質炭化水素に添加
する「メタノールおよび(または)実質的に水素と炭酸
ガスからなるガス」の混合比率は、メタノールを添加す
る場合は、軽質炭化水素に対して少なくとも0.1モル
%、好ましくは少なくとも1モル%、である。また、実
質的に水素と炭酸ガスからなるガスにおいては、当該ガ
ス中に含まれる炭酸ガスが軽質炭化水素に対して、少な
くとも0.1モル%、好ましくは少なくとも1モル%、
である。軽質炭化水素に添加するガスがメタノールと炭
酸ガスを含むものである場合は、このモル%は、両者の
合計について考えるものとする。ここで、実質的に水素
と炭酸ガスを含むガスとは、これをメタノールの接触水
蒸気改質(詳細後記)によって製造した場合にあり得る
ような水素と炭酸ガスから発生する水および一酸化炭素
はもちろん、そのほかの微量の成分を含んでもよい。こ
のようなガスには、例えばメタノールの水蒸気改質によ
る改質ガスがある。メタノールの水蒸気改質による改質
ガスは、改質条件如何によってはかなりの量の一酸化炭
素(たとえば、炭酸ガスの1/3モル程度)を含んでい
る。従って、本発明で「実質的に水素と炭酸ガスを含む
ガス」ということは、炭酸ガスの1/3モル程度の一酸
化炭素を含むガスを包含するものする。水素と炭酸ガス
(+一酸化炭素)との混合比率は任意であるが、具体的
には、これはたとえば70:30〜75:25の割合で
ある。
【0042】これらを添加することにより、軽質炭化水
素のメタン化反応を実質的にメタノールのメタン化反応
に近い温度条件、すなわちより低い温度、で運転するこ
とができる。その効果は図2に示したとおりであり、メ
タノールを添加することにより反応温度が著しく低下し
ていることがわかる。図中SORとは触媒活性が十分に
高い使用開始直後を意味し、EORとは長期間触媒を使
用した後の耐用期間が満了する直前を意味する。
【0043】メタノールの添加態様は、メタン化原料で
ある軽質炭化水素がメタノールの共存下にニッケル/ア
ルミナ触媒と接触する限り、任意である。具体的には、
例えば軽質炭化水素と混合して触媒層にスチームと共に
供給してもよいし、触媒層中で軽質炭化水素に混合して
もよい。
【0044】また、実質的に水素と炭酸ガスからなるガ
スを添加する場合も同様であって、軽質炭化水素の触媒
との接触時にこれら両ガスが共存していさえすれば、こ
れらを混合物として、あるいは別のガスとして、軽質炭
化水素中に存在させることができる。
【0045】実質的に水素と炭酸ガスからなるガスの好
ましい具体例は、メタノールを水蒸気と共に接触改質し
て得られるガス、すなわちメタノール改質ガス、であ
る。メタノール改質ガスは過剰分のメタノールを含有す
る場合もあり得るから、これを「メタノールおよび(ま
たは)実質的に水素および炭酸ガスからなるガス」の一
具体例として扱うことができる。なお、メタノール改質
ガス中には改質が接触水蒸気改質反応であることに起因
して、水蒸気が含まれていることが普通である。
【0046】メタノール改質用の触媒は公知であって、
銅亜鉛系触媒でも、銅ニッケル系の触媒でも、貴金属系
の触媒でも、水蒸気改質活性を有する触媒であれば使用
可能であるが、メタン化活性を実質的に持たないものが
好ましい。従って、例えばメタン化活性を持つニッケル
触媒では、生成した水素と炭酸ガスがメタン化反応に消
費され、水素が十分得られないという問題があるために
使用には適さない。
【0047】メタノールの接触水蒸気改質は周知の技術
であって、メタノールをたとえばその100〜200モ
ル%の水蒸気と共に上記のような触媒にたとえば250
〜350℃の温度で接触させることからなる。これ以上
の詳細は、例えば特開昭63−209752号公報、も
しくは「化学装置」(株式会社工業調査会発行)2月号
(1986)第45〜49頁等を参照されたい。
【0048】メタノール改質ガスをメタン化原料である
軽質炭化水素に添加する一つの好ましい態様は、ニッケ
ル/アルミナ触媒の被毒防止の観点から通常行われてい
る原料軽質炭化水素(微量のイオウ化合物を含んでいる
ことが多い)の脱硫を水素化脱硫によって行い、その場
合の水素源としてメタノール改質ガスを過剰ないし化学
量論量以上に使用して、当該過剰分を軽質炭化水素中に
残存させることからなる。
【0049】水素化脱硫は、原料として用いる軽質炭化
水素中に不純物として含まれるイオウ化合物、例えばメ
ルカプタンおよびチオフェンなど、を、水素により硫化
水素に転換して、これを吸着などによって除去しようと
するものである。この水素化脱硫は触媒を使用して接触
的に行うことが普通であって、その場合の触媒として
は、コバルト、モリブデン、ニッケル、タングステンな
どの酸化物を成分とするものが多く使われる。その代表
的なものとしてはCoMoX(コバルトおよびモリブデ
ンの酸化物の組み合わせ)あるいは、NiMoX(ニッ
ケルおよびモリブデンの酸化物の組み合わせ)などがあ
る。原料である軽質炭化水素に含まれるイオウ化合物
は、これら触媒によって活性化された反応により硫化水
素に転換して、酸化亜鉛などに吸着することにより除去
される。このような水素化脱硫についてのこれ以上の詳
細は、「中圧ガス化装置」(社団法人日本ガス協会発
行)第24〜27頁等を参照されたい。
【0050】メタノールを軽質炭化水素に添加するより
も、メタノールを水蒸気改質して得られる改質ガス(実
質的に炭酸ガスと水素の混合物)を軽質炭化水素に添加
してメタン化反応させたほうがその効果はより大きくな
る。これはメタノールに比較して、炭酸ガスと水素の混
合物のほうが大きなメタン化活性ないしより速やかなメ
タン化速度を有するためと考えられる。
【0051】本発明によるメタン化は、従来公知のある
いは合目的的な任意の態様によって実施することができ
る。すなわち、触媒は固定床、流動床あるいは移動床と
して使用することができ、また、固定床方式の場合は触
媒を単純な単一触媒床に収容する場合の他に、多管式
(所謂「シェル・アンド・チューブ」型)の容器に収容
してもよい。
【0052】メタン化反応には水蒸気の存在下に実施す
ることができ、またそれが一般に好ましい態様である。
水蒸気の量は、供給ガス中の軽質炭化水素に対して10
〜200容量%程度、好ましくは50〜150容量%程
度、が普通である。
【0053】供給ガス中の「メタノールおよび(また
は)実質的に水素と炭酸ガスからなるガス」としてメタ
ノールの接触水蒸気によって得られた改質ガスを利用す
る場合には、メタン化反応触媒床よりも下流でない側、
たとえば上流側、にメタノール改質用触媒床を設ければ
よい。
【0054】
【実施例】
1)触媒調製 Na2 CO3 4215kg(Ni(NO3 2 の2倍モ
ル)を含む水溶液に、アルミナ水和物であるベーマイト
ゲル(中心粒径:20〜50μm、含水率:23%)9
00kgを添加し、撹拌により、3時間懸濁状態を保っ
て得た懸濁液と、Ni(NO3 2 ・6H2 O 385
4kgを含む水溶液とを混合反応させて、70℃で沈殿
を生じさせた。沈殿物を濾過し、さらに純水で残存する
アルカリ分を十分に洗浄除去(触媒中のアルカリ金属残
存量が0.1重量%以下となるようにする)したのち、
この沈殿物を120℃で10時間乾燥し、400℃で4
時間焼成した。焼成物935kgに対してカルシウムア
ルミネートセメント50kgとグラファイト15kgお
よび少量の水を加えて粘土状に混練し、120℃で10
時間乾燥を行い、10〜15メッシュの顆粒としたの
ち、打錠成型(径1/4インチ×高さ1/8インチ)を
行った。
【0055】次に成型物を密封容器内で蒸気の流通(圧
力:1kg/cm2 G以下、温度:60℃)による加湿
処理に付し(15時間)、さらに大気中にて、常温で2
4時間放置したのち、600℃で3時間焼成(昇温速
度:600℃/15時間)し、養生処理を完結させて、
カルシウムアルミネートセメントを5重量%含有する触
媒−1を得た。
【0056】2)活性評価(1)/比較例 2.5リットルの触媒−1を反応器(内径1.25イン
チ、長さ5.2m)に充填したあと、400℃で4時
間、水素気流中で還元した。メタン化すべき軽質炭化水
素としてのブタンをボンベ水素による水添脱硫に付し、
生成するH2 SをZnOにより吸着除去してから、下記
のとおりの条件で200時間メタン化反応を行った。 触媒量 2.5 リットル G.H.S.V(ブタンベース) 500 hr-1 反応器熱媒体温度 340 ℃ 圧力 7.5 kg/cm2 G 供給ガス中のスチーム比率(S/C) 1.0 モル/モル
【0057】ブタン転化率は100%で、反応器出口ガ
ス組成は概ね平衡組成を示した。触媒層温度分布は図3
に示す通りであり、長時間の連続運転による触媒の活性
低下により、ブタン転化率の低下が懸念された。
【0058】3)活性評価(2)/実施例 2.5リットルの触媒−1を反応器(内径1.25イン
チ、長さ5.2m)に充填したあと、400℃で4時
間、水素気流中で還元した。メタン化すべき軽質炭化水
素としてのブタンをボンベ水素による水添脱硫に付し、
生成するH2 SをZnOにより吸着除去してから、メタ
ン化反応を行った。ブタンにはメタノールを20モル%
添加して、反応温度340℃でメタン化反応を行った。
ブタン転化率は100%で、その時の触媒層温度分布は
図3に示す通りであった。活性評価(1)に比較して触
媒層の入り口近くで反応が進行していることがわかる。
【0059】4)活性評価(3)/実施例 2.5リットルの触媒−1を反応器(内径1.25イン
チ、長さ5.2m)に充填したあと、400℃で4時
間、水素気流中で還元した。メタン化すべき軽質炭化水
素としてのブタンをメタノールの水蒸気改質反応で生成
する炭酸ガス(+一酸化炭素)と水素の混合ガスによる
水添脱硫に付し、生成するH2 SをZnOにより吸着除
去してから、メタン化反応を行った。メタノール改質ガ
スを加えているのでメタノールの添加は行わず、反応温
度340℃でメタン化反応を行った。ブタン転化率は1
00%で、その時の触媒層温度分布は図3に示す通りで
あった。活性評価(2)に比較して触媒層の入り口近く
で反応していることがわかる。水蒸気改質反応に使用し
たメタノールの量はブタンの15モル%に相当する量で
あり、メタノールを20モル%添加した場合(活性評価
(2))と同等以上の効果が認められた。
【0060】5)活性評価(4)/比較例 2.5リットルの触媒−1を反応器(内径1.25イン
チ、長さ5.2m)に充填したあと、400℃で4時
間、水素気流中で還元した。メタン化すべき軽質炭化水
素としてのブタンをボンベ水素による水添脱硫に付し、
生成するH2 SをZnOにより吸着除去してから、メタ
ン化反応を行った。ブタンにはメタノールを添加しない
で、反応温度320℃でメタン化反応を行った。ブタン
転化率は80%で、その時の触媒層温度分布は図4に示
す通りであった。
【0061】6)活性評価(5)/実施例 2.5リットルの触媒−1を反応器(内径1.25イン
チ、長さ5.2m)に充填したあと、400℃で4時
間、水素気流中で還元した。メタン化すべき軽質炭化水
素としてのブタンをメタノールの水蒸気改質反応で生成
する炭酸ガス(+一酸化炭素)と水素の混合ガスによる
水添脱硫に付し、生成するH2 SをZnOにより吸着除
去してか、メタン化反応を行った。メタノール改質ガス
を加えているのでメタノールの添加は行わず、反応温度
320℃でメタン化反応を行った。ブタン転化率は10
0%で、その時の触媒層温度分布は図4に示す通りであ
った。活性評価(4)に比較して触媒層の入り口近くで
反応していることがわかる。なお、ブタンに添加したメ
タノール改質ガスの量は、改質原料としてのメタノール
として、ブタンに対して15モル%であった。
【0062】
【発明の効果】本発明による方法によれば、気相接触反
応により炭素数3以上の軽質炭化水素からメタン含有ガ
スを製造する際に反応温度を低下させることができ、ひ
いては触媒寿命を長期化することができることは[発明
の概要]の項において前記したところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒層内の温度分布を示す図。
【図2】メタノール添加による反応温度の低下を示す
図。 SOR 使用開始直後の触媒による反応温度 EOR 触媒の耐用期間が満了する直前の触媒による
反応温度
【図3】触媒層内の温度分布を示す図(一部本発明)。
【図4】触媒層内の温度分布を示す図(比較例)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎 藤 義 博 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田17番地−1 三菱油化エンジニアリング株式会社鹿島 支社内 (72)発明者 植 木 俊 雄 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田17番地−1 三菱油化エンジニアリング株式会社鹿島 支社内 (72)発明者 倉 重 充 彦 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱油化株式会社筑波総合研究所内 (72)発明者 藤 井 毅 福岡県福岡市東区東浜一丁目10番89号 西 部瓦斯株式会社総合研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気相で炭素数3以上の軽質炭化水素を含ん
    でなる供給ガスを固体触媒に接触させてメタンに転換さ
    せることからなる気相接触メタン化反応によってメタン
    含有ガスを製造する方法であって、この気相接触反応を
    下記の条件の充足下に実施することを特徴とする、メタ
    ン含有ガスの製造法。 (1)固体触媒が、微細アルミナ水和物またはγ−アル
    ミナをアルカリ溶液中に懸濁させて処理して得られたア
    ルカリ処理アルミナを60℃以上の温度で硝酸ニッケル
    水溶液と接触させてアルミナ成分とニッケル成分とを含
    む塩基性塩固体を生成させ、得られた塩基性塩固体とカ
    ルシウムアルミネートセメントとを混合し、得られた混
    合物をカルシウムアルミネートセメントの水硬化条件に
    付して得られ、成型されたニッケル/アルミナ触媒であ
    ること。 (2)供給ガスが、炭素数3以上の軽質炭化水素にメタ
    ノールおよび(または)実質的に水素と炭酸ガスからな
    るガスを添加したものであること。
  2. 【請求項2】ニッケル/アルミナ触媒が、アルカリ処理
    アルミナを当該アルカリ水溶液中懸濁液として硝酸ニッ
    ケル水溶液と接触させて、塩基性塩固体を沈殿として回
    収して得たものである、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】ニッケル/アルミナ触媒が、沈殿した塩基
    性塩固体を水洗してアルカリ金属残存量が0.1%以下
    となるようにして得たものである、請求項1または2の
    いずれかに記載の方法。
  4. 【請求項4】ニッケル/アルミナ触媒が、アルカリ処理
    アルミナと硝酸ニッケルとの反応の際の両者の比率をア
    ルミナ100重量部につき硝酸ニッケル300〜500
    重量部として得たものである、請求項1〜3のいずれか
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】ニッケル/アルミナ触媒が、塩基性塩固体
    を300〜500℃の温度で非還元性雰囲気中で焼成し
    て得たものである、請求項1〜4のいずれかに記載の方
    法。
  6. 【請求項6】供給ガス中のメタノールおよび(または)
    炭酸ガスの量が、軽質炭化水素に対して少なくとも0.
    1モル%である、請求項1〜6のいずれかに記載の方
    法。
  7. 【請求項7】供給ガス中のメタノールおよび(または)
    炭酸ガスの量が、軽質炭化水素に対して少なくとも1モ
    ル%である、請求項7に記載の方法。
  8. 【請求項8】供給ガス中の実質的に水素と炭酸ガスから
    なるガスが、メタノールの接触水蒸気改質によって得ら
    れたものである、請求項1〜7のいずれかに記載の方
    法。
  9. 【請求項9】供給ガス中のメタノールおよび(または)
    実質的に水素と炭酸ガスからなるガスが、メタノールの
    接触水蒸気改質によって得られたものである請求項1〜
    8のいずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】供給ガスが、過剰の改質ガスを水素源と
    する接触水素化脱硫を行ったのち、副成硫化水素を除去
    してなる炭素数3以上の軽質炭化水素からなる、請求項
    1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】接触水素化脱硫用触媒が、メタン化活性
    を実質的に持たないものである、請求項10に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】メタン化反応前に、固体触媒を水素ガス
    と接触させて還元する、請求項1〜11のいずれかに記
    載の方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003508505A (ja) * 1999-09-08 2003-03-04 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト カルボニル化合物を水素化する触媒および方法

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JP2003508505A (ja) * 1999-09-08 2003-03-04 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト カルボニル化合物を水素化する触媒および方法

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