JPH07291751A - 硼素及び/又は珪素含有一方向性炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法 - Google Patents

硼素及び/又は珪素含有一方向性炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法

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JPH07291751A
JPH07291751A JP7058173A JP5817395A JPH07291751A JP H07291751 A JPH07291751 A JP H07291751A JP 7058173 A JP7058173 A JP 7058173A JP 5817395 A JP5817395 A JP 5817395A JP H07291751 A JPH07291751 A JP H07291751A
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silicon
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carbon fiber
powder
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Jun Takayasu
潤 高安
Eiki Tsushima
栄樹 津島
Takeshi Isoda
武志 礒田
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 平均粒径10μm以下の硼素、珪素、硼素化
合物及び珪素化合物から選ばれた少なくとも1種を硼素
及び/又は珪素として、2〜45重量%マトリックス内
部に均一に含有し、且つ炭素繊維容積含有率が45〜7
5%であることを特徴とする硼素及び/又は珪素含有一
方向性炭素繊維強化炭素複合材料。 【効果】 核融合炉の第一壁材、特にダイバータタイル
材として充分満足される熱伝導率と機械的物性と長時間
の酸素不純物抑制効果とを兼ね備え、且つ90°方向に
高い曲げ強度と低い弾性率を備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硼素及び/又は珪素含有
一方向性炭素繊維強化炭素複合材料及びその製造方法に
関し、詳しくは核融合炉で使用される第一壁材、特にダ
イバータタイル材として有用な、高強度で且つ高熱伝導
率であり、しかも酸素不純物抑制効果を有する硼素及び
/又は珪素含有一方向性炭素繊維強化炭素複合材料及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維強化炭素複合材料(以下、単に
C/C複合材料と記すことがある)は高強度、高熱伝導
性で耐熱性、耐熱衝撃性に優れた軽量材であって、ヒー
トシンク等の高熱伝導材、宇宙往環機の耐熱材、核融合
炉炉壁材等の耐熱部品、及び耐熱摺動材として航空機や
レーシングカー等の苛酷な使用条件のブレーキ材に極め
て有用なものであり、特に核融合炉炉壁材のようなプラ
ズマからの高熱負荷を受ける厳しい条件下で使用され得
る材料として、近年注目されている。
【0003】従来、厳しい熱負荷条件を受ける核融合炉
第一壁材としては、核融合炉内のプラズマの汚染を避け
るべく、高融点で低原子番号材、例えば黒鉛材料や炭化
珪素繊維強化炭化珪素複合材料(以下、単にSiC/S
iC複合材料と記すことがある)あるいはC/C複合材
料の使用が検討されてきた。しかし、上記の黒鉛材料や
SiC/SiC複合材料はダイバータタイル材などの特
に熱負荷の高い部分に使用した場合には、高熱負荷(例
えば約15MW/m2)に対して熱伝導性が不充分なた
め、ダイバータタイル材の表面温度が高くなりすぎ、昇
化損耗が激しく、長時間の使用ができない。
【0004】一方、核融合炉の第一壁材として黒鉛材料
の代わりに、黒鉛材料よりも耐衝撃性、熱伝導性に優れ
るC/C複合材料の使用が検討されてきた。特に、熱伝
導性の高い、炭素繊維を一方向に配列させた構造を持つ
一方向性炭素繊維強化炭素複合材料(以下、単にUD
C/C複合材料と記すことがある)の使用が検討されて
きた。即ち、UD C/C複合材料は炭素繊維の配向方
向に極めて良好な熱伝導率を有するため、UD C/C
複合材料を核融合炉内部壁面に繊維が垂直になるように
配向させ、UD C/C複合材料がプラズマに面する反
対の面より、接合された鉄や銅などの金属を介して冷却
(例えば水冷、空冷)することにより、表面温度を一定
の温度以下(例えば1000℃以下)に保つことが提案
されている(特開平2−74894号公報)。また近
年、核融合炉における黒鉛材料表面をベリリウムや硼素
でコーティングすることにより黒鉛材料表面の改質を行
ない、プラズマ閉じ込めに著しい効果をあげている[ベ
リリウム:JET−Report#JET−P(89)
80,“JET−posters presented
at the 31st APS Meeting
Anaheim,USA.Nov.13−17,198
9”.、硼素:J.Winter et.al.N.N
ucl.Mater.162−164(1989)71
3.]。更に、同様の目的で核融合炉の長時間運転に耐
えるために、内部まで硼素を含有した炭素一炭化硼素焼
結体を核融合炉第一壁材として用いることも提案されて
いる(特開平3−56896号公報)。また一方では、
プラズマ内部の酸素不純物を抑制するために、C/C複
合材料の表面に硼素又はその化合物(例えば炭化硼素)
をコーティングすることにより表面の改質を行なうこと
も提案されている[例えば、(社)プラズマ・核融合学
会第10回秋季講演会:予稿集PP.119(199
3)]。また、同様の目的で珪素又はその化合物をコー
ティングすることも考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、硼素及び/
又は珪素を含有した炭素−炭化硼素及び/又は珪素焼結
体は熱伝導率が低い点で問題があり、またC/C複合材
料への上記のようなコーティングでは、表面がプラズマ
により損耗するため、長時間(例えば30秒)の使用は
不可能である。と言うのは、高熱伝導性が期待されるC
/C複合材料表面に硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化
合物から選ばれた少なくとも1種の粉末(例えば炭化硼
素、炭化珪素)をコーティングする場合、長時間の使用
に耐えるために膜厚を厚くすると、剥離が生じたりある
いはコーティング膜により熱伝導率が低下したりするた
め、膜厚を厚くするには限界がある(例えば、50〜2
00μm程度が上限)。また、第一壁材、特にダイバー
タタイル材として用いられるような比較的厚みのあるC
/C複合材料(例えば、ダイバータタイル材では25m
m厚程度)に、更に炭化硼素粉末等を分散させた熱硬化
性樹脂あるいは硼素化合物(例えば溶融酸化硼素)を含
浸させる場合、内部まで均一に含浸させるためには、6
00〜1400℃の温度で加圧、含浸することが必要で
ある(特開平4−300247号公報)。この場合、生
産性が低い。
【0006】従って、本発明の目的は、UD C/C複
合材料のマトリックス内部に均一に硼素、珪素、硼素化
合物及び珪素化合物から選ばれた少なくとも1種(例え
ば炭化硼素、炭化珪素)の微粒子を均一に分散させるこ
とにより、上記のような課題を解決した、即ち核融合炉
の第一壁材、特にダイバータタイル材として充分満足さ
れる熱伝導率と機械的物性と長時間の酸素不純物抑制効
果とを兼ね備えたUDC/C複合材料、並びにUD C
/C複合材料に炭化硼素粉末等を分散させた熱硬化性樹
脂あるいは硼素化合物を含浸する工程を必要とせずに製
造可能な、硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化合物から
選ばれた少なくとも1種の粉末をマトリックス内部に均
一に含有したUD C/C複合材料の製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一方向
性炭素繊維強化炭素複合材料において、平均粒径10μ
m以下の硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化合物から選
ばれた少なくとも1種を硼素及び/又は珪素として2〜
45重量%マトリックス内部に均一に含有し、且つ炭素
繊維容積含有率が45〜75%であることを特徴とする
硼素及び/又は珪素含有一方向性炭素繊維強化炭素複合
材料が提供される。
【0008】また、本発明によれば、熱硬化性樹脂と有
機溶媒からなる溶液に、炭素質ピッチ粉末と硼素、珪
素、硼素化合物及び珪素化合物から選ばれた少なくとも
1種の粉末を分散させて、炭素質ピッチ粉末0〜75重
量%、硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化合物から選ば
れた少なくとも1種の粉末20〜95重量%及び熱硬化
性樹脂5〜45重量%(合計で100重量%)からなる
混合割合の含浸用溶液を形成させ、得られた含浸用溶液
をマトリックス前駆体として炭素繊維に含浸させた後、
炭素繊維を一方向に引き揃えたシートを成形し、次いで
有機溶媒を揮発させてマトリックス前駆体含有炭素繊維
を製造する工程と、得られたマトリックス前駆体含有炭
素繊維を一方向に積層し、加熱加圧下にて成形後、焼成
する工程を含むことを特徴とする硼素及び/又は珪素含
有一方向性炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法が提供
される。
【0009】なお、本発明でいう硼素及び/又は珪素含
有量は、湿式分解法により分析して求めたものである。
具体的には、乳鉢等を用いて可能なかぎり粉砕後の試料
を0.5〜1.0g石英ビーカーに取り、硫酸と硝酸と
過塩素酸を炭素が完全に溶解するまで添加し、分解濃
縮、加温溶解し、不溶解残渣が認められた場合は濾過し
て溶液(A)とする。不溶解残渣は灰化後、炭酸ナトリ
ウムを加えて融解し、塩酸を加え加温溶解した溶液
(B)を、溶液(A)に加え希釈してICP・AES測
定(誘導結合プラズマ原子発光分析装置)を行ない、硼
素及び/又は珪素の定量分析を行なったものである。ま
た、本発明でいう均一とは、一つの辺の長さが25mm
以上である直方体の硼素及び/又は珪素含有UD C/
C複合材料を繊維の断面方向に切断して厚みが1〜2m
m程度の試料を6個以上取り出して、各々の試料の硼素
及び/又は珪素含有量を上記の方法にて測定した際に平
均値と標準偏差から得られる変動係数が20%以内であ
ることをいう。
【0010】また、本発明でいう炭素質ピッチ粉末の揮
発成分とは、窒素雰囲気中において熱天秤にて1000
℃まで加熱した時の重量減少より算出したものである。
また、本発明でいう軟化点とは、炭素質ピッチ粉末の固
−液転移温度をいうが、差動走査型熱量計を用いて融解
時の吸熱ピークの温度から求めたものである。更に、本
発明でいう平均粒径及び粒度分布は、液相沈降法を基本
原理とし、光透過法による測定装置(例えば、堀場製作
所製「自動粒度分布測定装置」CAPA−300)によ
り測定したものである。また、本発明でいう熱伝導率
は、レーザーフラッシュ法により測定した熱拡散率と示
差走査熱量計法により測定した熱容量と嵩密度の積によ
り算出したものである。更に本発明でいう熱膨張係数
は、JIS C2141に準拠して測定したものであ
り、曲げ強度と曲げ弾性率は、JIS R1601及び
JIS R1602に準拠して行なった曲げ試験により
求めたものである。
【0011】以下、本発明の硼素及び/又は珪素含有U
D C/C複合材料について、詳しく説明する。本発明
の硼素及び/又は珪素含有UD C/C複合材料は、そ
のマトリックス内部に均一に、平均粒径10μm以下の
硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化合物から選ばれた少
なくとも1種をUD C/C複合材料基準で硼素及び/
又は珪素を2〜45重量%(好ましくは5〜40重量
%)含有し、且つ炭素繊維容積含有率が45〜75%
(好ましくは55〜70%)であることを特徴としてい
る。即ち、本発明のUD C/C複合材料は、微小粒径
の硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化合物から選ばれた
少なくとも1種の粉末の特定量をマトリックス内に均一
に含有し、しかも炭素繊維容積含有率を特定範囲内のも
のとしたことから、該融合炉の第一壁材、特にダイバー
タタイル材として充分満足される熱伝導率と機械的物性
と長時間の酸素不純物抑制効果とを兼ね備えたものとな
る。
【0012】本発明のUD C/C複合材料において、
添加される硼素及び/又は硼素化合物としては、B、B
4C、BN、B23、H3BO3などが挙げられる。ま
た、珪素及び/又は珪素化合物としては、Si、Si
C、Si34、SiO2などが挙げられる。なお、これ
らの硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化合物から選ばれ
た少なくとも1種は平均粒径10μm以下(好ましく
は、0.5〜5μm)の粉末状で添加される。その平均
粒径が10μm超過の場合には、単繊維の直径が凡そ5
〜10μmの炭素繊維束間に充分に含浸出来ず、低強度
のUD C/C複合材料が得られ、結果として90°方
向の曲げ強度が低くなる。また、硼素、珪素、硼素化合
物及び珪素化合物から選ばれた少なくとも1種の粉末
は、UD C/C複合材料基準で硼素及び/又は珪素と
して2〜45重量%添加される。硼素含有量が2重量%
未満では充分な酸素不純物抑制効果が得られず、逆に4
5重量%を超過すると、樹脂量が不充分となり、成形性
が悪く割れのあるUD C/C複合材料が得られ、結果
として90°方向の曲げ強度が低くなる。また、本発明
のUD C/C複合材料においては、炭素繊維容積含有
率(Vf)が45〜75%である。45%未満では、炭
素繊維の配向方向の熱伝導率が低くなる。逆に炭素繊維
容積含有率が75%を越えると、90°方向の曲げ強度
が小さくなる。
【0013】なお、本発明のUD C/C複合材料は、
0°方向の室温における熱伝導率が100W/mK以上
(好ましくは150W/mK以上)である。従って、本
複合材料は核融合炉の第一壁材、特にダイバータタイル
材等の高熱負荷部分に使用した場合にも、表面温度上昇
を低く抑えることができ、長期間の使用に耐え得る。ま
た、本発明のUD C/C複合材料は、90°方向の熱
膨張係数が、室温から1400℃の温度範囲で(6〜1
0)×10~6/℃[好ましくは(8〜10)×10~6
℃]である。鉄及び銅の熱膨張率が、それぞれ11×1
0~6及び17×10~6cm/℃(いずれも常温時)であ
るので、本発明のUD C/C複合材料の熱膨張率は金
属に近い。冷却用金属とC/C複合材料の熱膨張率は近
い方が良く、差が小さいと熱負荷時のC/C複合材料内
のクラック発生が抑制される。
【0014】更に、本発明のUD C/C複合材料は、
90°方向の曲げ強度が10MPa以上(好ましくは2
0MPa以上)であり、また90°方向の曲げ弾性率が
40GPa以下(好ましくは20GPa以下)である。
即ち、本複合材料は90°方向の強度が大きく、且つ同
方向の弾性率が小さいため、例えば、核融合炉の第一壁
材、特にダイバータタイル材として使用した場合に、冷
却用金属を銀ロウ付けにより接着した状態で加熱/冷却
される過程において、UD C/C複合材料に割れが生
じたり、接合面が剥がれたりすることはない。
【0015】次に、本発明の硼素及び/又は珪素含有U
D C/C複合材料の製造方法について、詳しく説明す
る。本発明の硼素及び/又は珪素含有UD C/C複合
材料の製造方法は、熱硬化性樹脂と有機溶媒からなる溶
液に、炭素質ピッチ粉末と硼素、珪素、硼素化合物及び
珪素化合物から選ばれた少なくとも1種の粉末を分散さ
せて、炭素質ピッチ粉末0〜75重量%、硼素、珪素、
硼素化合物及び珪素化合物から選ばれた少なくとも1種
の粉末20〜95重量%及び熱硬化性樹脂5〜45重量
%(合計で100重量%)からなる混合割合の含浸用溶
液を形成させ、得られた含浸用溶液をマトリックス前駆
体として炭素繊維に含浸させた後、炭素繊維を一方向に
引き揃えたシートを成形し、次いで有機溶媒を揮発させ
てマトリックス前駆体含有炭素繊維を製造する工程と、
得られたマトリックス前駆体含有炭素繊維を一方向に積
層し、加熱加圧下にて成形後、焼成する工程を含むこと
を特徴とする。即ち、本発明の硼素及び/又は珪素含有
UD C/C複合材料の製造方法は、硼素、珪素、硼素
化合物及び珪素化合物から選ばれた少なくとも1種の粉
末及び熱硬化性樹脂を特定割合で含有し、且つ一方向に
炭素繊維が配向したシートを成形し、更にシートを積層
成形し、次いで焼成するという構成としたことから、硼
素及び/又は珪素をマトリックス内部に均一に含有した
UD C/C複合材料を、容易に得ることができるもの
となる。
【0016】本発明で使用する炭素繊維は、PAN系、
ピッチ系その他の炭素繊維の何れでもよいが、特に熱伝
導率が高いピッチ系炭素繊維が好ましい。もちろん、更
に高温で焼成して得られた黒鉛繊維であってもよい。
【0017】炭素繊維に含浸させるマトリックス前駆体
としては、フェノール樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹
脂が使用されるが、本方法では熱硬化性樹脂に炭素質ピ
ッチ粉末と硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化合物から
選ばれた少なくとも1種の粉末とを特定割合で混入した
ものを使用する。即ち、熱硬化性樹脂と有機溶媒からな
る溶液に、炭素質ピッチ粉末0〜75重量%(好ましく
は5〜60重量%)、硼素、珪素、硼素化合物及び珪素
化合物から選ばれた少なくとも1種の粉末20〜95重
量%(好ましくは30〜85重量%)、熱硬化性樹脂5
〜45重量%(好ましくは10〜40重量%)(合計で
100重量%)の割合になるように、炭素質ピッチ粉末
と硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化合物から選ばれた
少なくとも1種の粉末が添加される。
【0018】UD C/C複合材料中の硼素及び/又は
珪素の含有量は、硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化合
物から選ばれた少なくとも1種の粉末の種類、マトリッ
クス前駆体への添加量、成形条件、焼成条件により決ま
るが、硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化合物から選ば
れた少なくとも1種の粉末の添加量が20重量%より少
ないと、成形、焼成後に硼素及び/又は珪素の割合とし
て2重量%以上含んだUD C/C複合材料を得られな
い場合があり、逆に95重量%より多いと、熱硬化性樹
脂の割合が5重量%以下となり成形性が悪く、UD C
/C複合材料の強度が低くなる。そのため硼素、珪素、
硼素化合物及び珪素化合物から選ばれた少なくとも1種
の粉末が20重量%以上、且つ熱硬化性樹脂が5重量%
以上必要であるので、炭素質ピッチ粉末の添加量を75
%より多くすることは出来ない。炭素質ピッチ粉末の添
加量は、添加により焼結性が向上し、また90°方向の
弾性率が低くなり、熱膨張係数が大きくなるため、5重
量%以上添加することが好ましい。また、樹脂の添加量
が45重量%より多いと、マトリックス前駆体の焼成時
の揮発成分が多くなり、焼成時に層間割れ又はクラック
が発生し、結果として曲げ強度が低くなる。
【0019】本発明においては、炭化収率の高い熱硬化
性樹脂として、フェノール樹脂、フラン樹脂又はそれら
の混合物が好んで使用される。フェノール樹脂には、ア
ルカリ存在下にフェノール類とアルデヒド類との反応に
よって得られるレゾールタイプと、酸性触媒によって、
フェノール類とアルデヒド類から得られるノボラックタ
イプがある。また、常温で液状のものと固体状のものが
ある。ノボラックタイプでは、硬化剤、例えばヘキサメ
チレンジアミンを含有した自己硬化性タイプのものが好
ましい。更に、各種のフェノール樹脂を混合して使用す
ることもできる。
【0020】フラン樹脂としては、フラン樹脂初期反応
生成物を用いることができる。この初期反応生成物に
は、フルフリルアルコールあるいはフルフリルアルコー
ル/フルフラール混合物からなるものが含まれる。ま
た、フェノール樹脂初期反応生成物あるいは硬化前樹脂
とフラン樹脂初期反応生成物の混合物を使用することが
できる。ここで初期反応生成物とは液状樹脂を意味す
る。
【0021】炭素質ピッチ粉末としては、軟化点400
〜550℃で揮発成分8〜20重量%の炭素質ピッチ
(ピッチA)及び軟化点550℃以上で揮発成分8重量
%以下の炭素質ピッチ(ピッチB)の2種類の炭素質ピ
ッチを混合して用いられる。2種類の炭素質ピッチの量
比は、ピッチB/ピッチA=0.5/1.0〜1.0/
0.5(重量比)が好ましい。これらの炭素質ピッチと
しては、石油系・石炭系重質ピッチや生コークス、コー
クスと呼ばれているものが使用される。また、好ましい
平均粒径と粒度分布は、平均粒径1〜2μm、且つ粒径
分布が1μm以下40重量%以上というものが挙げられ
る。また、硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化合物から
選ばれた少なくとも1種の粉末としては、平均粒径10
μm以下(好ましくは0.5〜5μm)のものを用いる
のが好ましい。
【0022】本発明においては、前記熱硬化性樹脂を溶
解させて含浸材を調製する際の有機溶媒として、高沸点
溶媒が使用される。なお、ここで言う高沸点溶媒とは、
沸点120℃以上の溶媒を意味する。沸点120℃以上
の有機溶媒を用いると、例えば多くの常温固体状ノボラ
ックタイプフェノール樹脂は硬化温度より低い50〜9
5℃で軟化するので、硬化反応が実質上進行することな
く、且つボイドが発生することなしに該温度領域(50
〜95℃)で有機溶媒を乾燥させるに必要な充分な時間
保持することができる。より好ましい有機溶媒の沸点範
囲は、130〜250℃である。乾燥時間の調節には、
減圧加熱あるいは真空加熱乾燥がより実施し易い。
【0023】高沸点溶媒としては、例えば活性アミルア
ルコール、イソアミルアルコール、アセトール、2−ヘ
キサノール、3−ヘキサノール、フルフリルアルコー
ル、フルフラール、2−アミノエタノール、o−アミノ
ベンジルアルコール、ベンジルアルコール、ベンズアル
デヒド、イソヘキシルメチルケトン、1−ヘキサノール
等がある。これらの中でも、特にフルフリルアルコー
ル、フルフラール、ベンジルアルコール、ベンズアルデ
ヒドが使用に便利で好ましい。
【0024】含浸用溶液の調製においては、先ず有機溶
媒(以下、単に溶媒ともいう)に熱硬化性樹脂(以下、
単に樹脂ともいう)を溶解させる。樹脂と溶媒の量比
は、樹脂/溶媒=1/5〜1/70(重量比)が好まし
い。また、溶解は樹脂の硬化反応が起こらない範囲の加
熱下で行なうこともできる。次に、得られた樹脂溶液に
前記の炭素質ピッチ粉末と硼素、珪素、硼素化合物及び
珪素化合物から選ばれた少なくとも1種の粉末を分散さ
せる。溶媒、樹脂、炭素質ピッチ、硼素、珪素、硼素化
合物及び珪素化合物から選ばれた少なくとも1種の粉末
の添加、混入の手順は、特に問うものではない。該分散
方法としては、ボールミル、超音波を用いる方法等、任
意の方法を採用することができる。
【0025】前記含浸用溶液の炭素繊維への含浸は、通
常室温で行なわれるが、樹脂の硬化反応が実質上進行し
ない温度範囲内で加熱下に行なうこともできる。含浸の
手法は炭素繊維の形状に応じたものにすることができ
る。例えば、連続糸の場合は、含浸用溶液の中に連続的
に糸をくぐらせて、ドラムあるいはフレームに巻き取る
ことにより含浸させることができる。含浸は減圧下で行
なうこともできる。
【0026】含浸後、炭素繊維は成形に先立って一方向
に引き揃え、シート状に切りとった後、乾燥される。乾
燥は一般に加熱下になされるが、乾燥時間短縮のため、
減圧下で行なってもよい。乾燥は樹脂が軟化する温度か
ら樹脂の硬化反応が実施的に進行しない温度の範囲で実
施することが望ましい。例えば、フラン樹脂あるいはフ
ラン樹脂とフェノール樹脂の混合物の場合、室温〜70
℃、フェノール樹脂の場合、50〜95℃の範囲であ
る。なお、残留している溶媒は、後述の成形工程の初期
に、80〜120℃あるいはその近辺の温度で、減圧に
することによって充分に除去することができる。
【0027】得られたマトリックス前駆体含有炭素繊維
における炭素繊維の含有量、即ち炭素繊維容積含有率
(Vf)は焼成後に45〜75%となる配合量とするの
が適切であり、特に55〜70%が好ましい。その理由
は、前述したように、45%未満では、得られるUD
C/C複合材料の0°方向の熱伝導率が低くなり、逆に
炭素繊維容積含有率が75%を越えると、90°方向の
曲げ強度が小さくなるためである。
【0028】乾燥したシート状のマトリックス前駆体含
有炭素繊維は、シートを一方向に炭素繊維が配列するよ
うに積層された後、通常5〜25MPaの加圧下に成形
される。成形は樹脂の硬化反応を利用する。成形温度領
域はフェノール樹脂の場合、例えば80〜200℃であ
り、フラン樹脂の場合、例えば70〜160℃、それら
の混合物の場合、例えば70〜200℃である。但しこ
の範囲に限定されるものではない。加熱時間は一般に1
0分間〜10時間あるいはそれ以上である。この温度領
域で段階的にあるいは連続的に徐々に昇温することが望
ましい。加圧は通常5〜25MPaの範囲で行なわれる
が、特に好ましいのは10〜20MPaである。得られ
た成形体は、公知の方法に従って不活性雰囲気中、大気
圧下あるいは加圧下で1000℃以上の温度で焼成して
炭化し、必要に応じ更には黒鉛化される。
【0029】得られたUD C/C複合材料の特性を向
上させるために、更に熱硬化性樹脂、炭素質ピッチ等を
含浸し焼成する工程、これを繰り返す工程を公知の方法
によって加えることもできる。
【0030】以下、実施例により本発明を更に詳細に説
明するが、本発明の技術的範囲がこれらにより限定され
るものではない。なお、以下に示す部はすべて重量基準
である。
【0031】実施例1 ノボラック系フェノール樹脂(郡栄化学製、レヂトップ
PG(A)−4528)20部をベンジルアルコール1
200部に溶解し、この溶液に軟化点520℃、揮発成
分10.2%、平均粒径1.3μm、粒径1μm以下の
粒子が45%である炭素質ピッチ粉末と平均粒径約4μ
mの炭化硼素粉末(電気化学工業製、デンカボロン)を
分散させた。樹脂粉末、炭素質ピッチ粉末、炭化硼素粉
末の割合は、重量で9、11、10であった。この分散
液に石油ピッチ系炭素繊維糸(東燃製、FORCA F
T700)の3000フィラメントからなる糸条1束を
浸漬し、連続的にドラムに巻取り、厚さ約0.2mm、
幅約220mm、長さ約220mmの一方向性マトリッ
クス前駆体含有炭素繊維シートを作製した。これを減圧
下65℃で乾燥し、長さ100mm、幅30mmの大き
さに切り出した。なお、繊維はすべて長さ方向に配列し
ている。
【0032】切り出したシートを炭素繊維を一方向に配
向して金型に140枚積層し、20MPaの圧力で13
0℃及び150℃で、各一時間加熱加圧した。その後、
成形体を窒素雰囲気下で毎分1℃の昇温速度で1000
℃まで、次いで毎分10℃の昇温速度で2000℃まで
熱処理した。硼素含有量3.5重量%(変動係数13
%)、炭素繊維容積含有率60%の硼素含有一方向性炭
素繊維強化炭素複合材料を得た。得られた複合材料の0
°方向の室温における熱伝導率は160W/mK、90
°方向の曲げ強度及び曲げ弾性率は夫々25MPa及び
13GPa、90°方向の熱膨張係数は室温から140
0℃の範囲で(8〜10)×10~6/℃であった。
【0033】比較例1 実施例1において、樹脂粉末、炭素質ピッチ粉末、炭化
硼素粉末の割合を、重量で12、25、8として、硼素
含有量1.5重量%(変動係数15%)、炭素繊維容積
含有率60%の硼素含有一方向性炭素繊維強化炭素複合
材料を得た。得られた複合材料の0°方向の室温におけ
る熱伝導率は150W/mK、90°方向の曲げ強度及
び曲げ弾性率は夫々21MPa及び8GPa、90°方
向の熱膨張係数は室温から1400℃の範囲で(6〜
9)×10~6/℃であった。
【0034】比較例2 実施例1において、樹脂粉末、炭素質ピッチ粉末、炭化
硼素粉末の割合を、重量で12、25、0として、一方
向性炭素繊維強化炭素複合材料を得た。得られた複合材
料の表面に炭化硼素粉末を分散させたレゾール系フェノ
ール樹脂(群栄化学製、レジトップPL−6222)を
塗布し、室温で乾燥後、窒素雰囲気下で毎時間1℃の昇
温速度で1000℃、次いで毎分10℃の昇温速度で2
000℃まで熱処理した。硼素含有量2.1重量%(変
動係数38%)の硼素含有一方向性炭素繊維強化炭素複
合材料を得た。得られた複合材料の0°方向の室温に置
ける熱伝導率は120W/mK、90°方向の熱膨張係
数は室温から1400℃の範囲で(6〜10)×10~6
/℃であった。
【0035】比較例3 実施例1で用いた樹脂粉末、炭素質ピッチ粉末、炭化硼
素粉末の混合物を減圧下65℃で乾燥した。その混合体
を乳鉢で摺り潰した後、150メッシュ以下の粉末80
gを直径50mmのダイスにて20MPaの圧力で13
0℃及び150℃で、各1時間加熱加圧した。その後、
成形体を窒素雰囲気下で毎時1℃の昇温速度で1000
℃まで、次いで毎分10℃の昇温速度で2000℃まで
熱処理した。硼素含有量8重量%(変動係数16%)の
硼素含有黒鉛材料を得た。得られた黒鉛材料の厚み方向
の室温における熱伝導率は12W/mK、90°方向の
曲げ強度は5MPa、90°方向の熱膨張係数は室温か
ら1400℃の範囲で(6〜9)×10~6/℃であっ
た。
【0036】実施例2 実施例1において、樹脂粉末、炭素質ピッチ粉末、炭化
硼素粉末の割合を重量で72、0、197とし、且つ最
終熱処理温度を1200℃として、硼素含有量10重量
%(変動係数15%)、炭素繊維容積含有率66%の硼
素含有一方向性炭素繊維強化炭素複合材料を得た。
【0037】実施例3 実施例2において、炭化硼素粉末の代わりに、平均粒径
5μmの酸化硼素を用い、且つ樹脂粉末、炭素質ピッチ
粉末、酸化硼素粉末の割合を重量で9、11、10とし
て、硼素含有量2.5重量%(変動係数13%)、炭素
繊維容積含有率55%の硼素含有一方向性炭素繊維強化
炭素複合材料を得た。
【0038】実施例4 実施例2において、炭化硼素粉末の代わりに平均粒径8
μmの硼素粉末を用い、且つ樹脂粉末、炭素質ピッチ粉
末、硼素粉末の割合を重量で9、11、10として、硼
素含有量4.0重量%(変動係数15%)、炭素繊維容
積含有率48%の硼素含有一方向性炭素繊維強化炭素複
合材料を得た。
【0039】比較例4 実施例2において、炭化硼素粉末の代わりに平均粒径1
5μmの硼素粉末を用い、且つ樹脂粉末、炭素質ピッチ
粉末、硼素粉末の割合を重量で9、11、10として、
硼素含有量4.3重量%(変動係数17%)、炭素繊維
容積含有率50%の硼素含有一方向性炭素繊維強化炭素
複合材料を得た。得られた複合材料の90°方向の曲げ
強度及び曲げ弾性率は、夫々15MPa及び9GPaで
あった。
【0040】実施例5 実施例2において、炭化硼素粉末の代わりに、平均粒径
1μmの窒化硼素粉末を用い、硼素含有量3.3重量%
(変動係数15%)、炭素繊維容積含有率59%の硼素
含有一方向性炭素繊維強化炭素複合材料を得た。
【0041】実施例6 実施例1において、炭化硼素粉末の代わりに平均粒径1
μmの炭化珪素粉末を用い、珪素含有量3.8重量%
(変動係数12%)、炭素繊維容積含有率58%の珪素
含有一方向性炭素繊維強化炭素複合材料を得た。得られ
た複合材料の0°方向の熱伝導率は150W/mK、9
0°方向の曲げ強度及び弾性率は各々30MPa及び1
5GPa、90°方向の熱膨張係数は室温から1400
℃の範囲で(7〜10)×10~6であった。
【0042】(評価)プラズマ中の酸素不純物を抑制す
る効果の評価を行なった。この酸素不純物抑制効果は下
記の酸化試験を行なうことにより推測できる。実施例
1、6及び比較例1、2で得られたUD C/C複合材
料(長さ100mm×幅25mm以上×厚み25mm以
上)より試験片(長さ5mm×幅25mm×厚み25m
m)を6個切り出し、その中央部の試験片について酸化
重量減を測定した。条件は空気中、1000℃において
クセノンランプで加熱して酸化による重量増減を測定し
たものである。この結果を図1に示す。但し、図中、□
は実施例1の、■は実施例6の、○は比較例1の、●は
比較例2の、それぞれのUD C/C複合材料を測定し
た。図1より平均粒径10μm以下の硼素及び/又は珪
素を2重量%以上含有している効果及びその粒子がUD
C/C複合材料内に均一に分散している効果が明らか
である。
【0043】
【発明の効果】請求項1の硼素及び/又は珪素含有一方
向性炭素繊維強化炭素複合材料は、平均粒径10μm以
下の硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化合物から選ばれ
た少なくとも1種を硼素及び/又は珪素として2〜45
重量%マトリックス内部に均一に含有し、且つ炭素繊維
容積含有率が45〜75%であるものとしたことから、
核融合炉の第一壁材、特にダイバータタイル材として充
分満足される熱伝導率と長時間の酸素不純物抑制効果と
を兼ね備え、且つ90°方向に高い曲げ強度と低い弾性
率を備えたものである。
【0044】請求項2の硼素及び/又は珪素含有一方向
性炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法は、熱硬化性樹
脂と有機溶媒からなる溶液に、炭素質ピッチ粉末と硼
素、珪素、硼素化合物及び珪素化合物から選ばれた少な
くとも1種の粉末を分散させて、炭素質ピッチ粉末0〜
75重量%、硼素、珪素、硼素化合物及び珪素化合物か
ら選ばれた少なくとも1種の粉末20〜95重量%及び
熱硬化性樹脂5〜45重量%(合計で100重量%)か
らなる混合割合の含浸用溶液を形成させ、得られた含浸
用溶液をマトリックス前駆体として炭素繊維に含浸させ
た後、炭素繊維を一方向に引き揃えたシートを成形し、
次いで有機溶媒を揮発させてマトリックス前駆体含有炭
素繊維を製造する工程と、得られたマトリックス前駆体
含有炭素繊維シートを一方向に積層し、加熱加圧下にて
成形後、焼成する工程を含むという構成としたことか
ら、本方法によると、核融合炉の第一壁材、特にダイバ
ータタイル材として有用な、硼素及び/又は珪素をマト
リックス内部に均一に含有した一方向性炭素繊維強化炭
素複合材料を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硼素及び/又は珪素含有一方向性炭素繊維強化
炭素複合材料の酸化試験における酸化時間と酸化重量減
少率との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21B 1/00 D

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向性炭素繊維強化炭素複合材料にお
    いて、平均粒径10μm以下の硼素、硅素、硼素化合物
    及び珪素化合物から選ばれた少なくとも1種を硼素及び
    /又は珪素として2〜45重量%マトリックス内部に均
    一に含有し、且つ炭素繊維容積含有率が45〜75%で
    あることを特徴とする硼素及び/又は珪素含有一方向性
    炭素繊維強化炭素複合材料。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂と有機溶媒からなる溶液
    に、炭素質ピッチ粉末と硼素、珪素、硼素化合物及び珪
    素化合物から選ばれた少なくとも1種の粉末を分散させ
    て、炭素質ピッチ粉末0〜75重量%、硼素、珪素、硼
    素化合物及び珪素化合物から選ばれた少なくとも1種の
    粉末20〜95重量%及び熱硬化性樹脂5〜45重量%
    (合計で100重量%)からなる混合割合の含浸用溶液
    を形成させ、得られた含浸用溶液をマトリックス前駆体
    として炭素繊維に含浸させた後、炭素繊維を一方向に引
    き揃えたシートを成形し、次いで有機溶媒を揮発させて
    マトリックス前駆体含有炭素繊維を製造する工程と、得
    られたマトリックス前駆体含有炭素繊維を一方向に積層
    し、加熱加圧下にて成形後、焼成する工程を含むことを
    特徴とする硼素及び/又は珪素含有一方向性炭素繊維強
    化炭素複合材料の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100345297B1 (ko) * 1998-12-12 2002-09-18 재단법인 포항산업과학연구원 입자상 탄소체의 제조방법
JP2012220354A (ja) * 2011-04-11 2012-11-12 Fuji Electric Co Ltd 遮蔽材の組成評価方法
CN117187715A (zh) * 2023-09-06 2023-12-08 浙江万赛汽车零部件股份有限公司 一种金属陶瓷复合材料刹车片的制备方法

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