JP3135129B2 - 耐酸化性炭素材 - Google Patents
耐酸化性炭素材Info
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Description
−Bということがある)の複合材料、特にホウ素(以下
Bということがある)成分が炭素(以下Cということが
ある)成分中に超微粒で均一に分散されている複合材料
からなる耐酸化性材並びにその用途に関する。
用いられることが非常に多く、従って酸化消耗を少なく
する耐酸化性を付与することは究極の課題である。
600〜700℃以上では酸化が著しく起こるようにな
る。従って元来優れた耐熱性材料である炭素材料も大気
中等の酸化性高温雰囲気ではあまり性能を発揮すること
ができない。
化抑制剤を添加又は含浸させることにより、酸化速度を
抑えてきたが、その効果は充分ではなかった。
れた炭素材として広く研究され、用いられている。
中性子吸収材として広く研究され、用いられている他、
この材料が炭素材の耐酸化性を向上させる性質を有する
ことから、高い酸化性を要求される各種用途に適用の可
能性が提案されている。
材料の製造方法としては、専ら別途に製造されたB4C
(炭化ホウ素)と、炭素材又は炭化し得る原料とを混合
し、高温下で焼成し、両者を固溶体化する方法が良く知
られている。例えば特開昭62−108767号、特願
昭62−297202号などが挙げられる。
より得られたC−B複合材料は、粗大なるB4Cを粉砕
して炭素と混合するものであるが、粉砕が機械的粉砕で
あるため、その微粉化及び混合には限界があり、目的物
C−B複合材としてはB4Cの部分、B4Cと炭素が固
溶化された部分及び炭素のみの部分が混在し、微細に観
察する時全体として完全均一とは言い難いものであっ
た。
成形、焼結するものであるため、焼結後の材料につい
て、切削、成形加工する際の不便さがあり、切削粉の廃
棄等により、高価なB4Cの原料効率が低下する欠点が
あった。
ホウ素以外の無機質不純物を多く含む(通常約5000
ppm)ことである。この不純物は配合原料の粉砕、混
合、成形、焼成等の各工程で鋼鉄製機械類との接触等に
よって混入されてくるものであり、従来方法では避ける
ことの極めて難しいものである。B−C複合材料の用途
によっては、少量の無機質不純物の共存は大きな問題と
ならない場合もあるが、冶金産業向け、特に精密な組成
を要求される合金溶解用ルツボや撹拌棒等は、これら部
材が高温で酸化損耗された場合、合金中に混入、汚染の
原因となることもあった。
として用いられる場合にも同様の汚染源となることもあ
った。そこで精密冶金用炭素材としては特に高純度化さ
れた材料、例えば無機質不純物が20ppm以下、好ま
しくは10ppm以下、実質的に5ppm(原子吸光分
析又は発光輝線スペクトル法による)に近い高純度炭素
材を用いるのが常である。このような高純度炭素材の製
法としては、例えば特願昭61−224131号に示さ
れるように、無機質元素は揮発性の高いハロゲン化処理
によって除かれるが、B4C−Cを原料とする複合材料
に於いては、炭素材中にホウ素が存在するために、複合
化した後はこの方法を用いて不純物を除くことができな
い。
料とする上記の種々の欠点を解消し、更に優れたB−C
複合材を開発し、これを耐酸化性炭素質複合材として利
用することである。
法の欠点を解決し、より優れた材料を開発するために研
究を進め、先ずホウ素源として従来方法の原料であるB
4Cを使用せず、新しく酸化ホウ素又はその水和化合物
を溶融又は溶液の形で炭素材に含浸せしめる方法を採用
した。この方法によりホウ素成分は分子状のレベルで微
細な炭素粒表面又は炭素材中の微細な細孔内に浸透し、
B4Cの粉体使用の場合に比し極めて微細に、且つ全体
にわたって分散させることができる。
するため、酸化物と炭素との反応によってホウ素が炭素
内に固定され固溶体化するに適した反応方式、即ち炭素
材へのホウ素化合物の液状での含浸に引き続き、含浸さ
れているホウ素化合物が炭素材から揮散しない条件で、
且つホウ素と炭素が固溶化反応する条件として、高温、
高圧下にて焼成する製法を開発し、この新しい方法で得
られたC−B複合材が後記するように従来法であるB4
C粉混入法に比し著しく耐酸化性が高い特徴を有するも
のであるため、本来空気中、高温下での酸化雰囲気下で
の適用がその酸化損耗のために頻繁に部品を交換しなけ
ればならなかった従来の製造法による欠点を補い、耐酸
化性に優れ、加工性も良好なものであることを更に見出
し所期の目的に達した。
B複合材料の製法について説明する。
炭素(株)製「IG−11」)の切削成形体に、溶融酸
化ホウ素を600〜1400℃、好ましくは800〜1
200℃にて加圧含浸せしめる。この際耐圧容器内を一
旦減圧にして炭素材細孔内に含まれる空気を除いてから
含浸させることが望ましいが、必ずしも事前脱気しなく
ても良い。
数kg/cm2の加圧下でも良いが、深部まで完全に圧
力浸透させるには50〜100kg/cm2にすること
が望ましい。この加圧は、炭素質基材の空孔率、粒度、
細孔分布、温度等により適宜に決定される。
媒体として高温、高圧下にて加熱処理(以下HIPとい
うことがある)を行う。加熱処理により、例えばAr等
の不活性ガスを媒体として用いることにより恰も水圧で
押すように炭素材及びB2O3液を各方面から均等に圧
力をかけ、B2O3の蒸散を防ぎつつ、炭素材内に閉じ
込め、温度の効果による炭素とホウ素の化学反応が進行
する。
g/cm2以上、1500℃以上の温度、望ましくは2
000℃以上、1500〜2000kg/cm2が良
い。この場合温度が2300℃を超えると、炭素とホウ
素の固溶体の分解反応が併発するので好ましくない。
条件によってはほんの少量のB2O3が炭素材中に残る
場合があり、この複合材の使用場所、目的によってはこ
れを嫌うことがある。そこでこれを除くために次に第三
工程を任意に加えることもできる。
以下、好ましくは5Torr以下の減圧下、1000℃
以上、好ましくは1500℃以上の高温、減圧下処理に
より、複合材中に遊離残存するB2O3量は0.1%以
下に減少させることができる。このようにして得られた
B−C複合材は従来法のようにB4C粉を用いた複合材
に比べ格段にホウ素が微細であり、且つ全体に均一に分
散されている。
例示のように等方性炭素材の他、一般炭素材、異方性炭
素材(例えばパイロカーボン、パイログラファイトな
ど)、炭素−炭素複合材(以下C/C材ということがあ
る)等、炭素材の種類を問わず適用可能である。本発明
は炭素粉及びB4C粉を用いず、別途製造された炭素材
を切削等で成形された炭素材を用いるため、その形状、
組織、骨格をそのままの状態でホウ素化することができ
ることが最大の特徴として挙げられる。
して用いてホウ素化した場合には、ホウ素化合物の純度
の良いものを使用すれば得られる複合材としては、炭素
とホウ素以外の元素の不純物は基材の純度とほぼ同じ2
0ppm以下と非常に小さいものが得られる。これは原
料の粉砕、混合、圧縮成形等機械的処理工程中の汚染が
本発明の場合皆無であることによるものと思われる。
炭素/炭素複合材のホウ素化の場合が挙げられる。従来
法のようにB4C粉を用いる場合、非常に細かく粉砕し
ても1μm以下の粒径に粉砕することは特殊な設備と技
術を要し、この粒子を樹脂成分と混和し、炭素繊維に塗
布し、プリプレグを作り、更に成形、加熱硬化、炭化
し、その後切削加工してホウ素化C/C材製品を作る方
法が考えられるが、この従来法の最大の欠点は炭素材を
完全に黒鉛化できない点にある。何故ならば炭素の黒鉛
化には2500〜3000℃の高温焼成が必要であるに
もかかわらず、B4C成分は2300℃で分解を始める
からである。また予め3000℃での高温焼成によって
黒鉛化されたC/C材の微細なる細孔内に、後からB4
C細粉を押し込むことは不可能に近く、ましてホウ素成
分をC/C材の深部まで均一に分散させることはできな
い。このことは一般炭素材ブロックについても同様に言
えることではあるが、C/C材についでは炭素繊維の強
度を維持しつつホウ素化を計らねばならない点に特に困
難があった。
にC/C材のホウ素化が可能である。即ち既に述べた如
くホウ素成分は溶融又は溶液の形で分子レベルの大きさ
で炭素材の細孔内に圧力によって強制的に圧入され、深
部まで均一に分散させることができる。且つこのホウ素
成分の強制圧入作業及びその後の焼成作業によってC/
C材としての組織に変化はなく、炭素材は事前に300
0℃での黒鉛化処理を行っているので、ホウ素化反応を
進めるために2000℃にて焼成しても、得られるホウ
素化成形体はC/C材としての充分の物性を有するもの
となる。
理的には加熱により溶融又は溶媒によって液状になし得
るホウ素化合物が本目的に供し得るが、炭素材と共に加
熱焼成して無機質不純物を残すものは、炭素材の汚染を
招き、用途に制約を生じるので好ましくない。したがっ
て焼成によって熱的分解又は炭素との反応によってホウ
素のみを残して分解揮散する化合物が望ましい。この点
からは、含ホウ素有機化合物やホウ素のハロゲン化物等
も試みられたが、経済性及び取り扱いの容易性などの点
から、本発明に於いては酸化ホウ素(B2O3)及びそ
の水和化合物、例えばH3BO3、オルトホウ酸が最適
なものとして例示できる。例えばB2O3と炭素との化
学反応としては、 2B2O3+7C→B4C+6CO がB4Cの生成反応として知られているが、本発明のよ
うに非常に多量の炭素の中に分子レベルの大きさのB2
O3が分散されて生成した(炭素−ホウ素)複合材が上
記の反応式通りに進んでいるかどうかは明確ではない。
実施例1に示す方法で得られた複合材について種々の分
析を行った結果、化学分析によっては4重量%のホウ素
成分が測定され(遊離B2O3 0.02%)、且つ中
性子照射の結果からも明らかなホウ素成分による中性子
吸収の事実が観察されるにもかかわらず、X線回折装置
による観察では、B4Cの存在を示すピークは僅かであ
る。他の特定の結晶系を示すピークも少なく、ブロード
な部分が多いことから、不定形物又は固溶体の状態をな
すものと推考される。従って最終製品は、B4Cという
特定の化合物を示す明確な形態ではなく、(BxCy+
C)の形としての固溶体の形態であろうと推察される
が、本発明はこのような固溶体の形態に拘束されるもの
ではない。
2O3)の他、それの水和化合物も同様に使用すること
ができる。水和化合物としては、例えばホウ酸(H3B
O3,B(OH)3)が挙げられる。
に比べ、比較的低い融点(185℃)を有し、それ以上
の温度では水分を放ちながら分解し、(B2O3・nH
3BO3)固溶体的な形態となり、液状を保つ。従って
ホウ酸を原料に用いた場合には、容器内に適当な粘度を
保つ温度、即ち300〜500℃に保ちつつ、ホウ酸を
溶融し、これに炭素材を浸漬し、加圧含浸により炭素材
細孔内に強制的に圧入せしめる。以上の第一工程(含
浸)に引き続いて行う第二工程(HIP処理工程)は、
上記したB2O3の場合と同様に実施し得る。
として本発明方法を実施する際の態様について説明す
る。
状態又は適宜な溶媒に溶解した溶液の状態で加圧含浸さ
れる。例えばB2O3の融点は常圧にて450℃、沸点
は1500℃であり、この温度範囲で液状となるが、含
浸操作は600〜1400℃、好ましくは800〜12
00℃の温度範囲が適当である。
O3と炭素材を入れ、真空、加熱、加圧法によって炭素
形成体の細孔空隙にB2O3を圧入する。この際B2O
3圧入に先立って容器内を一旦減圧にし、炭素材の細孔
内に存在する空気を除去しておくと、B2O3の圧入が
完全で、容易であるが、圧入圧力が高いので、この一旦
減圧操作は必須ではない。圧入圧力は、数kg/cm2
でも良いが、好ましくは50〜100kg/cm2であ
る。
一工程でホウ素化合物を含浸させた炭素材を、常圧で2
000℃で加熱しても、驚くことに炭素材は殆どホウ素
化されない。高温加熱によってホウ素成分が蒸散し、炭
素材との反応で固溶体化することが殆どないからと思わ
れる。第二工程での加熱は、高い圧力下に於いて行うこ
とが必要である。高温・高圧で行う処理は例えばAr等
の不活性ガスを媒体として、100kg/cm2以上、
1500℃以上の温度、望ましくは100〜2000k
g/cm2、2000℃以上の条件で行う。このHIP
処理により炭素材中へホウ素化合物を固溶拡散させ、化
学的に定着させることができる。
操作であり、通常の[炭素−ホウ素]固溶体としての用
途や目的のためには充分であり、更に必要に応じて切削
成形加工処理等の仕上げを行って市場に供される。
としての用途に用いるためには残存未反応B2O3量は
できるだけ少ない方が良い。このようなB2O3が残存
する材料を若し原子炉内に用い、高温条件下にて使用さ
れた場合、蒸発したB2O3が比較的低温部に析出固結
し、作動を阻害するトラブルの原因となったり、金属製
部品を腐食したり、製品である金属等を汚染したりする
からである。
け事前に除いておくことが好ましく、この場合は必要に
応じて次に記す第三工程を付け加えることができる。
下、好ましくは10Torr以下、特に好ましくは5T
orr以下の強減圧下、1500℃以上の熱処理を施
し、B2O3を蒸発除去する工程が付け加えられる。
O3残存量を0.01重量%にまで少なくすることがで
きる。
れた耐酸化性を有し、従来のB4Cの粉を混合して得ら
れた複合材よりも高い耐酸化性を有し、金属溶湯用ルツ
ボ、撹拌棒、液位検出用端子、連続鋳造用ノズル、ホッ
トプレス用ダイス等の分野に威力を発揮する。
質に、しかも微粒で拡散している。このため耐酸化性用
炭素材として極めて優れたものであって、酸化損耗を受
け易い雰囲気下に於いて使用される炭素質複合材として
広く利用され、産業上の効果は極めて大きい。また切削
成形された炭素基材をそのままホウ素化することから、
炭素材の物性低下もなく、経済的にも有利である。酸化
損耗が少ないことが必要とされる用途としては、 連続鋳造用ダイス 発熱体 金属溶湯撹拌用棒等の治具、センサー検知棒 原子炉用黒鉛(高温ガス炉の炉心材にはB入りは駄
目) 高温用軸受 ルツボ ホットプレス用鋳型 ポストチップ等の高温治具 ハーメチック封止用炭素部材 等が挙げられる。
び実施例を示して本発明を詳しく説明する。
オートクレープを用いて1200℃で溶融したB2O3
(試薬特級)に該黒鉛材を浸漬し、N2ガスにて150
kg/cm2の圧力で1時間加圧し、B2O3を該黒鉛
材の気孔中に含浸した。
℃、2000kg/cm2の圧力で1時間保持し(圧力
媒体Ar)、ホウ素を該黒鉛材中へ拡散、固溶体化し
た。尚HIP処理の際、被処理品を黒鉛製の円筒型のサ
ヤに入れ、蓋をした。
間真空処理を行った。得られた複合材料のホウ素濃度は
マンニットール法で測定し、4.0重量%(ホウ素元素
として)であった。その内B2O3は0.02重量%で
あり、殆ど全ての未反応のB2O3が蒸散、除去されて
いた。
を更に参考例1と同様な処理を繰り返し行った。それに
よって得られたホウ素複合材料のホウ素濃度は7重量%
であった。その内B2O3は0.03重量%であった。
理を繰り返すことによって、複合材料中のホウ素含量を
高め得られることが判った。
メント、繊維径7μm、引張強度300kg/mm2)
の平織りクロスに、フェノール樹脂溶液(レゾール型フ
ェノール樹脂をメタノールで2〜3倍に希釈した溶液)
を含浸塗布し、24時間風乾を行いプリプレグシートを
得た。
熱処理し(100℃×0.5時間)、その後金型に詰
め、油圧プレスで140℃、50kg/cm2の条件で
1時間保持して2枚の積層体たる2D成形体を得た。
非酸化性雰囲気で1000℃まで昇温速度10℃/時間
で処理し、その後真空炉を用い5Torrの減圧下で、
2000℃まで100℃/時間の速度で高温処理を行っ
た。クラックのない2DC/C複合材が得られた。
ウ酸(H3BO3)1重量部に対して、水1重量部を加
えて得られた溶液を加え、浸漬、含浸させた。これを1
20℃に保った乾燥器内にて水分を蒸発させた。その後
水溶液含浸処理を更に1回実施した。該水溶液は比較的
粘度が低く、C/C複合材中の空隙や細孔内に、深部ま
で容易に含浸されていることが確認された。
1に示すのと同様の条件下にて第二工程を実施して、C
/C複合材を基材とした炭素−ホウ素複合材を得た。得
られた製品中のホウ素濃度は3.7%(ホウ素元素換算
値)であった。
(川崎製鉄(株)「KMFC」)を平均粒径5μm以下
に粉砕し、熱圧成形後、再に2500〜3000℃で焼
成し、得られた高純度超微粒等方性黒鉛材(以下ISO
−880と略称する)を使用し、参考例1と同様の方法
でホウ素化反応を行った。
る炭素材で、細孔容積の小さい材料であるが、参考例1
に示す方法でホウ素化を行ったところ、得られたC−B
複合材中のホウ素濃度は2.6%(重量)であり、且つ
第三工程の処理を行った後の残存B2O3量は0.01
%以下と測定された。
−880原材と、本参考例によるホウ素化反応後に於け
るホウ素以外の元素の分析値は表1の通りであった。
物を含声するが、これを高温ハロゲン化処理(例えば特
開昭63−79759号)により10ppm以下、目的
により全灰分量を1〜2ppm以下にすることができ
る。本例に於けるISO−880はISO−88を例え
ば特開昭63−79759号に記す方法でハロゲン化処
理によって不純物を事前に除去した材料である。分析方
法は原子吸光分析法及び発光輝線スペクトル法等の併用
による。また(−)は検出せずを示す。
結果からも明らかなように、ホウ素以外の元素は増加し
ていないことが判る。
じ高純度化処理して得られたIG−110を基材として
用い、参考例1と同じ方法によって調製した試料(ホウ
素含有量4.2%)。
参考例1及び3に示す方法で得た試料を中性子照射試験
に供した。
例1及び3に示す方法で得た試料を中性子照射試験に供
した。
素元素が非常に高い中性子吸収能を有する性質を利用し
た方法を援用した。
にかかる試料中のホウ素成分の分散状態調査の結果を示
す。
法にて調製した試料を用いて中性子照射試験を行った。
を選び、用意した。別途、石炭コークス粉(平均粒径1
5μm以下)50重量部、人造黒鉛粉(平均粒径40μ
m以下)10重量部及びピッチ40重量部を混和し、加
熱下(230℃、2時間)混練後、成形粉砕する。この
粉砕品100に対して上記B4C粒7.7重量部を添加
し、少量の粘結剤と共に、加熱、混練した。この混練物
を加圧成形し、2000℃にて焼成せしめ、原材を得
た。化学的分析の結果、ホウ素含有量は4.2重量%て
あった(純ホウ素換算値)。
板状に切断し、中性子照射試験に供した。
された部分は白く、吸収されなかった部分は黒く露光さ
れている。
による露光写真を基に作図した概略説明図である。
4Cの粒状として存在し、中性子が吸収された部分は、
未露光状態として白く斑点状として残る。ホウ素の無い
部分、即ち中性子が照射された部分は黒く露光されてい
る。尚この図面はこの斑点を明瞭に出すため、10倍に
拡大したものを示す。
に、且つ均一に分散している。拡大しても白い斑点は認
められない。従って得られる図面は全面が白と黒の均一
な中間色として露光され、図1のように白い斑点は観察
されていない。
分としては4%存在しているにかかわらず、白い斑点と
して吸収点が発現していないのは、ホウ素が非常に微細
な状態で分散された状態であることを示している。
中にホウ素を含浸したものであり、写真による分析結果
はないが、試料全体にわたって均一に超微分散状態で分
布しているものてある。
はホウ素成分の分散状態に顕著な差があり、本発明方法
の場合ホウ素が全体にわたって均一に、且つB4C粉状
物とは比較にならない程微細に分散されていることが明
らかである、
試験を行ったところほぼ同様の結果であった。
いるC−B複合材料は極めて優れた耐酸化性を有する。
この耐酸化性は炭素材を酸化性需囲気下にて使用する場
合には具備することが必須の特性の一つである。ここで
本発明にかかる方法で調製せられたる試料の耐酸化性を
測定した実施例を示す。
−炭素)複合材の耐酸化性を調べた。
同じもの)にて調製した試料(ホウ素含量4.2%)。
炭素原材(IG−11)(ホウ素含量0.0%)
炭素原材(IG−11)を更にハロゲン化法にて高純度
化したもの(IG−110)(ホウ素含量0.0%)
mm)に裁断し、700℃に保った空気浴加熱器中にて
放置、適宜の時間毎に重量減少を測定し、酸化消耗率を
測定した。測定結果を図3に示す。但し図3に於いて夫
々の番号は下記のことを示す。 A:実施例1(参考例1の材料) B:実施例2(参考例5の材料) C:比較例1(従来法の材料) D:比較例2 E:比較例3
よって調製した参考例1(図面中Aとして示す。以下同
じ)はホウ素成分を含浸する前の原材(IG−11)と
して用いたものである比較例2(同D)と比較すると
(参考例1参照)ホウ素成分を含浸することによって、
著しく耐酸化性が向上することが明らかである。且つ驚
くべきことに、従来の方法であるB4C粉を添加した従
来法のもの(比較例1、C)に比べて、ホウ素含有量を
同一レベルに揃えた場合、著しく耐酸化性が高いことが
判った。同様のことは高純度化材に対して行われたホウ
素添加処理である参考例5(B)と比較例3との比較に
ても明らかである。
効果のあるB4C粉としてホウ素成分が、粒状として局
部的に偏在し、微視的にはホウ素成分が無い部分が多
く、その付近から酸化が始まるに対して、本発明法によ
る場合には、全体にわたって均一に微分散されているの
で、酸化反応が全体的に抑えられた結果と解される。本
発明のC−B複合材料を製造するに際し、その方法によ
る炭素材のホウ素化反応の特徴は、均一、超微分散が可
能であることと共に、任意の炭素材種、任意の形状の炭
素材に対してホウ素化を行い得て、しかも原材の性質、
物性を殆ど損なわないことも特長である。
ウ素化反応を行った処理前後に於ける物性を比較したも
のである。尚比較例4は以下のものである。
の。
を施すことによって、原炭素材の組織及び骨格等は変わ
らず、物性も変わらないことを示している。
「IG−11」(比較例2)、参考例1及び前記従来品
を用いて図4の平型(1)を作り、1300℃にて自然
雰囲気下、溶融したホウケイ酸ガラス(2)を加熱時、
流入充填し、自然冷却にて固化せしめガラスを取り出す
操作を繰り返す耐久試験を行った。
肉厚を薄くしてあり、型の破壊するまでの回数で耐用性
を調べた 、但し図4中の平型は、dが50φmm、h
が30mmで、その厚みは3mmである。
論、従来法にて調製された炭素材に比べて、良好な耐久
性を示した。
メチックシールに適用した場合も従来品に比べ有効であ
った。
分等の多い雰囲気で使用する場合、酸化消耗による劣化
が問題となる。また発熱体の場合、特に均熱性や部分発
熱をできるだけ少なくすることが望ましく、この点から
も本法によって製造されたホウ素が黒鉛マトリックス中
に均一に微分散しているホウ素−炭素複合材料は特に有
効である。
5に示す方法により大気中での劣化の様子を調べた。
値より急激に電流が下がる時間を測定 上記の結果から本発明方法により調製された炭素材は発
熱体として用いた場合にも良好な耐久性を有しているこ
とが判った。
ンダーとし、パンチには等方性高密度黒鉛を用いてホッ
トプレス型を作った。シリンダーの寿命を試験した。
80kg/cm3で加圧した。この装置にてシリンダー
を実施例5と同じ材料でそれぞれ作製し、図6に示す方
法により使用耐数を調べた。
下部にセパレータ(22)を解してアルミナ粉(23)
を充填し、この上にセパレータ(24)を載置し、この
上からパンチ(25)を矢印の方向から押圧し、その使
用耐数を測定した。
図した概略説明図である。
図した概略説明図である。
ある。
説明するための概略図である。
ある。
ための概略図である。
Claims (8)
- 【請求項1】炭化質基材に酸化ホウ素又は(及び)その
水和化合物を含浸せしめ、不活性ガスの加圧下、150
0℃以上の条件下で焼成を行って得られる炭素とホウ素
を主成分としてなる複合材料を使用した耐酸化性炭素
材。 - 【請求項2】炭素質基材が高密度等方性黒鉛材料である
請求項1に記載の耐酸化性炭素材。 - 【請求項3】炭素基材が炭素繊維によって強化された、
炭素−炭素複合材料である請求項1に記載の耐酸化性炭
素材。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかの耐酸化性材料を
使用した金属溶融装置用治具。 - 【請求項5】請求項1〜3のいずれかの耐酸化性材料を
使用した金属溶融装置用ノズル。 - 【請求項6】請求項1〜3のいずれかの耐酸化性材料を
使用したポットプレス用ダイス。 - 【請求項7】金属溶融装置用治具が、金属熔融用ルツ
ボ、溶湯撹拌棒又は溶湯溶液液位測定用端子である請求
項4に記載の金属熔融用治具。 - 【請求項8】請求項1〜3のいずれかの耐酸化性材利を
使用した発熱体。
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