JPH07291095A - ステアリングロック装置 - Google Patents

ステアリングロック装置

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JPH07291095A
JPH07291095A JP8974994A JP8974994A JPH07291095A JP H07291095 A JPH07291095 A JP H07291095A JP 8974994 A JP8974994 A JP 8974994A JP 8974994 A JP8974994 A JP 8974994A JP H07291095 A JPH07291095 A JP H07291095A
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JP
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steering shaft
steering
torque
peripheral surface
lubricant
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JP8974994A
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English (en)
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Takahiro Koshiro
隆博 小城
Masakazu Ishikawa
正和 石川
Shigeru Hoshino
茂 星野
Hiroo Shirasawa
博郎 白澤
Masahiko Shinto
雅彦 新堂
Hiroshi Yamaguchi
博司 山口
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで盗難防止機能の高いステアリング
ロック装置を得る。 【構成】 ステアリングシャフト10の外周面に、キー
ロックカラー12の内周面の輪郭線より内側に軸方向に
平行に延びる長手形状の潤滑剤溝30を複数本設け、各
潤滑剤溝30にグリース32を保持させた状態でキーロ
ックカラー12をステアリングシャフト10に締まり嵌
めする。ステアリングシャフト10とキーロックカラー
12との摩擦面にグリースが供給されることにより摩擦
抵抗のばらつきが小さくなり、ロック状態における滑り
出しトルクが過大となることがなくなって、ステアリン
グコラム等の強度を小さくすることができ、装置コスト
を低減させ得る。また、滑りトルクが過少となることが
なくなるとともに繰り返し滑りによるトルクの低下を防
止し得るため、盗難防止機能が高くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の駐車時に通常
のハンドル操作を不可能とするステアリングロック装置
の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステアリングロック装置として、例え
ば、実開昭60−50063号明細書に記載されたもの
がある。この装置においては、円筒部材が締まり嵌め,
溶接あるいはねじ止めによってステアリングシャフトに
一体的に取り付けられており、その円筒部材にキーロッ
クカラーが締まり嵌めされている。
【0003】一方、ステアリングシャフトの外側にはス
テアリングコラムが回転不能に配設されており、ステア
リングコラムにはロックピンアクチュエータが固定され
ている。ロックピンアクチュエータにはロックピンが突
出,後退可能に保持されている。
【0004】自動車の駐車時に、運転者がイグニッショ
ンキーをロックピンアクチュエータから引き抜けば、ロ
ックピンが突出してキーロックカラーに係合し、ステア
リングシャフトが円筒部材,キーロックカラー,ロック
ピンおよびロックピンアクチュエータを介してステアリ
ングコラムに連結される。すなわち、ステアリングロッ
ク装置がロック状態になるのである。このロック状態に
おいて、ハンドルが無理に回転させられ、ステアリング
シャフトに過大な回転トルクが加えられた場合には、ス
テアリングシャフトと円筒部材とが相対回転するより前
に、円筒部材とキーロックカラーとが相対回転し、ステ
アリングシャフトが円筒部材と共に回転する。円筒部材
とキーロックカラーとが相対回転し始めるときの回転ト
ルク(以下、滑り出しトルクと称する)が、法規で定め
られた回転トルクより高く、かつ、ステアリングシャフ
トと円筒部材との滑り出しトルクあるいは溶接強度やね
じの強度よりも低く設定されているのであり、それによ
って、ステアリングシャフトに過大な回転トルクが加え
られても、ステアリングシャフトと円筒部材との締まり
嵌めが緩んだり、溶接部破壊やねじ切れが生じたりして
ステアリングシャフトが自由に回転してしまうことが防
止される。
【0005】また、上記のように円筒部材とキーロック
カラーとの滑り出しトルクが法規で定められた回転トル
クより大きく設定されているために、ステアリングシャ
フトの回転トルク(以下、滑りトルクと称する)が大き
く、通常のハンドル操作が不可能であって、自動車の盗
難を防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ス
テアリングロック装置においては、キーロックカラーが
ステアリングシャフト側部材に締まり嵌めされているの
みであるため、個々のキーロック装置間での製造誤差に
起因する摩擦抵抗のばらつきが大きく、滑り出しトルク
および滑りトルクの大きさのばらつきが大きいという問
題があった。キーロックカラーと円筒部材との摩擦抵抗
が小さ過ぎる場合には、滑りトルクが過少となり、ロッ
ク状態にもかかわらずハンドルを比較的容易に回転操作
することが可能となって、盗難防止機能が不足する。逆
に、キーロックカラーと円筒部材との摩擦抵抗が大き過
ぎる場合には、滑り出しトルクが過大となり、ロックピ
ン,ロックピンアクチュエータ,ステアリングコラム等
に過大な力がかかる。そのため、これらの部材の強度を
不必要に高くしておく必要があり、コストが高くなる。
また、摩擦抵抗のばらつきを小さくするために、円筒部
材とキーロックカラーとの嵌合部の加工精度を高めるこ
とが必要であり、この点からもコストが高くなる。
【0007】その上、キーロックカラーが円筒部材に締
まり嵌めされただけでは、滑り出しトルクを超えてステ
アリングシャフトが繰り返し回転させられることによ
り、滑り出しトルクおよび滑りトルクが比較的容易に低
下してしまい、この点からも盗難防止機能が低下すると
いう問題もあった。
【0008】実開昭60−50063号明細書に記載さ
れた考案は、同明細書に記載されたステアリングロック
装置のみならず、さらに一般化したステアリングロック
装置、すなわち、ステアリングシャフト側部材に締まり
嵌めされた被ロック部材側部材の回転が、非回転部材に
保持されたロック部材と被ロック部材との係合により抑
制されることによって、ステアリングシャフトの回転が
抑制されるステアリングロック装置に適用することが可
能である。ステアリングシャフト側部材は、上記円筒部
材のようにステアリングシャフトに固定された別の部材
のみならず、ステアリングシャフト自体でもよく、ステ
アリングシャフトに連結もしくは係合させられてそれと
一緒に回転する部材でもよい。要するにステアリングシ
ャフトと一体的に回転する部材であればよいのである。
また、ロック部材との係合により回転を阻止される被ロ
ック部材も、上記キーロックカラーのように、それ自体
がステアリングシャフト側部材に嵌合されるキーロック
カラーであることは不可欠ではなく、ステアリングシャ
フト側部材と締まり嵌めされる部分とは別個のもの、す
なわち一体部材の別個の部分でも別体部材であって一体
的に回転するように結合されたものでもよい。そして、
前記問題はこれらステアリングロック装置において一般
的に生ずる問題である。本発明は、これらの問題を解決
し、低コストで盗難防止機能に優れたステアリングロッ
ク装置を得ることを課題として為されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
課題が、上記ステアリングシャフト側部材の外周面と前
記被ロック部材側部材の内周面との少なくとも一方に凹
部を形成し、その凹部に潤滑剤を保持させることによっ
て解決される。潤滑剤としては、黒鉛,二硫化モリブデ
ン等の固体潤滑剤や、潤滑油,グリース等の潤滑油脂が
使用可能である。特に、潤滑剤としてグリースを用いれ
ば、凹部内に塗布した後、被ロック部材側部材をステア
リングシャフト側部材に締まり嵌めする場合に凹部から
こぼれる恐れがなく、キーロックカラーの組立てが容易
となる。
【0010】
【作用】上記のように構成されたステアリングロック装
置においては、ステアリングシャフト側部材の外周面と
被ロック部材側部材の内周面との嵌合面、すなわち摩擦
面に、凹部に保持された潤滑剤が供給され、個々のキー
ロック装置間の製造誤差等により生じる摩擦抵抗のばら
つきが緩和される。
【0011】
【発明の効果】したがって、被ロック部材側部材をステ
アリングシャフト側部材に締まり嵌めしただけの場合に
比較して、被ロック部材側部材とステアリングシャフト
側部材との滑り出しトルクや滑りトルクのばらつきの範
囲が小さくなる。そのため、被ロック部材側部材とステ
アリングシャフト側部材との滑り出しトルクが過大とな
ることがなくなり、ロック部材や非回転部材の強度を従
来ほど高くしなくても済み、また、被ロック部材側部材
とステアリングシャフト側部材との嵌合部の所要加工精
度が比較的低くて済み、コストの上昇を回避することが
できる。
【0012】また、被ロック部材側部材とステアリング
シャフト側部材との滑りトルクが過少となることがなく
なり、十分な盗難防止機能が得られる。さらに、摩擦面
に潤滑剤が供給されることにより、ステアリングシャフ
トが滑りトルクを超えて繰り返し回転させられた場合
の、ステアリングシャフト側部材と被ロック部材側部材
との摩擦面の摩耗やへたりが抑制され、滑り出しトルク
および滑りトルクの低下が抑制される。ステアリングロ
ック装置の信頼性が高くなるとともに、装置寿命が長く
なる効果が得られるのである。
【0013】
【発明の望ましい態様】以下、本発明の望ましい態様を
列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行う。 (1)前記凹部が前記ステアリングシャフト側部材と前
記被ロック部材側部材との互いに嵌合する面の輪郭線よ
り内側に形成されており、凹部内の空間が外部から遮断
された密閉空間とされている請求項1に記載のステアリ
ングロック装置。このようにすれば、潤滑剤が凹部内の
密閉空間に保持されるため、潤滑剤の漏れを良好に防止
することができる。
【0014】(2)前記被ロック部材側部材が、厚さ方
向に貫通し、かつ、軸方向の一端面から他端面まで連続
して形成された溝を備えて周方向に不連続な筒部材であ
る請求項1または態様1に記載のステアリングロック装
置。このようにすれば、被ロック部材側部材の内径をス
テアリングシャフト側部材の外径より小さくし、被ロッ
ク部材側部材を弾性変形させてステアリングシャフト側
部材に嵌合させることにより、被ロック部材側部材をス
テアリングシャフト側部材に安定に締まり嵌めすること
ができる。したがって、被ロック部材側部材とステアリ
ングシャフト側部材との嵌合部の加工精度をそれほど高
くしなくても、安定した摩擦抵抗を得ることができる。
【0015】(3)前記凹部が前記被ロック部材側部材
の内周面に形成されている請求項1,態様1,2のいず
れか1つに記載のステアリングロック装置。この態様は
一般的に採用することができるが、特に、被ロック部材
側部材が軸方向の一端面から他端面まで連続して形成さ
れた溝を備えて周方向に不連続な筒部材である場合に、
ステアリングシャフトが回転させられても凹部の密閉状
態を保つことができ、潤滑剤の漏れを防止することがで
きる特有の効果が得られる。
【0016】(4)前記被ロック部材側部材が周方向に
連続した筒部材であり、圧入により前記ステアリングシ
ャフト側部材に締まり嵌めされている請求項1,態様
1,3のいずれか1つに記載のステアリングロック装
置。このようにすれば、被ロック部材側部材の周方向の
伸びによってステアリングシャフト側部材との摩擦抵抗
を維持することができ、被ロック部材側部材を薄くし得
る利点がある。
【0017】(5)前記凹部が長手形状の潤滑剤溝であ
る請求項1,態様1〜4のいずれか1つに記載のステア
リングロック装置。このようにすれば、潤滑剤を良好に
保持し得るとともに、被ロック部材側部材とステアリン
グシャフト側部材との摺動面が広くなり、安定した摩擦
抵抗を得ることができる。
【0018】(6)前記潤滑剤溝が軸方向に平行に形成
されている態様5に記載のステアリングロック装置。こ
のようにすれば、潤滑剤溝を容易に形成することができ
るとともに、ステアリングシャフト側部材が回転させら
れたとき、ステアリングシャフト側部材と被ロック部材
側部材との摩擦面全体に潤滑剤がほぼ均等に供給され易
くなる効果がある。
【0019】(7)前記潤滑剤溝が前記ステアリングシ
ャフト側部材の外周面に形成されている態様5または6
に記載のステアリングロック装置。このようにすれば、
被ロック部材側部材の内周面に潤滑剤溝を形成する場合
に比較して、加工が容易となる効果が得られる。
【0020】(8)前記ステアリングシャフト側部材が
ステアリングシャフト自体である請求項1,態様1〜7
のいずれか1つに記載のステアリングロック装置。この
ようにすれば、被ロック部材側部材をステアリングシャ
フトに直接締まり嵌めすればよいため、構造が簡単とな
り、装置コストを低減させることができる。(9)前記
被ロック部材側部材が、それ自体ステアリングシャフト
側部材に締まり嵌めされるとともに、前記ロック部材と
係合するキーロックカラーである請求項1,態様1〜8
のいずれか1つに記載のステアリングロック装置。この
ようにすれば、キーロックカラーをステアリングシャフ
ト側部材に直接締まり嵌めすればよいため、構造が簡単
となり、装置コストを低減させることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1において、10はステアリングシャ
フトである。ステアリングシャフト10には、図2に示
すようにキーロックカラー12が嵌合されている。キー
ロックカラー12は周方向に連続した円筒状部材であ
り、圧入によりステアリングシャフト10の外周面に締
まり嵌めされている。本実施例においては、ステアリン
グシャフト10自体がステアリングシャフト側部材とし
て機能し、キーロックカラー自体が被ロック部材側部材
として機能するのである。
【0022】ステアリングシャフト10の外周には、非
回転部材としてのステアリングコラム16が配設されて
いる。ステアリングコラム16は図示しない結合部材に
より車体に結合されている。ステアリングコラム16に
はロックピンアクチュエータ20が固定されている。ロ
ックピンアクチュエータ20には、ロック部材たるロッ
クピン22が軸方向に突出,後退可能に保持されてい
る。キーロックカラー12には、軸方向と交差する方向
に係合部としての係合凹部26が等角度間隔に4個形成
されている。各係合凹部26はロックピン22の先端部
が係合可能とされている。
【0023】自動車の駐車時に、運転者が図示しないイ
グニッションキーをロックピンアクチュエータ20から
引き抜けば、ロックピン22が突出させられてキーロッ
クカラー12の係合凹部26に係合する。したがって、
ステアリングシャフト10がキーロックカラー12,ロ
ックピン22およびロックピンアクチュエータ20を介
してステアリングコラム16に連結されることとなり、
ステアリングシャフト10の回転が抑制される。すなわ
ち、ステアリングロック装置がロック状態となり、ハン
ドルの通常操作が不能となるのである。
【0024】図3および図4に示すように、ステアリン
グシャフト10の外周面には、凹部としての潤滑剤溝3
0が軸方向に平行に6本形成されている。各潤滑剤溝3
0は、ステアリングシャフト10とキーロックカラー1
2との互いに嵌合する面の輪郭線、すなわちキーロック
カラー12の内周面の輪郭線よりも内側に形成されてお
り、潤滑剤溝30の内部空間が、外部から遮断された密
閉空間とされている。
【0025】潤滑剤溝30内には、潤滑剤として、潤滑
油脂の一種であるグリース32が保持されている。グリ
ース32は、潤滑剤溝30内に塗布された後、キーロッ
クカラー12がステアリングシャフト10に締まり嵌め
される際、外部へこぼれる恐れがないため、キーロック
カラー12をステアリングシャフト10に容易に組み付
けることができる。
【0026】上記のように構成されたステアリングロッ
ク装置におけるステアリングシャフト10とキーロック
カラー12との間のトルク特性を図5のグラフに示す。
また、比較例として、潤滑剤溝30およびグリース32
を有しない従来のステアリングロック装置におけるステ
アリングシャフトとキーロックカラーとの間のトルク特
性を図6のグラフに示す。
【0027】図5および図6において、横軸はステアリ
ングシャフト10の上端に固定された図示しないハンド
ルの回転操作角度θ、縦軸はハンドルの回転操作トルク
Tを表す。また、各グラフにおいては、標準値を実線
で、最大値を一点鎖線で、最小値を二点鎖線で示す。さ
らに、図5において、A1,AM1,Am1はそれぞれ
滑り出しトルクの値を、B1,BM1,Bm1はそれぞ
れ滑りトルクの値を示す。同様に、図6において、A
2,AM2,Am2はそれぞれ滑り出しトルクの値を、
B2,BM2,Bm2はそれぞれ滑りトルクの値を示
す。また、図5および図6において、斜線a1,b1お
よび斜線a2 ,b2によるハッチング部はそれぞれ滑り
出しトルクおよび滑りトルクのばらつきの範囲を表す。
【0028】これら図5および図6から明らかなよう
に、本実施例装置における滑り出しトルクのばらつきa
1および滑りトルクのばらつきb1が、従来装置におけ
るトルクのばらつきa2,b2に比較して小さくなる。
すなわち、ステアリングシャフト10に潤滑剤溝30を
設けてキーロックカラー12との嵌合面ないし摩擦面に
グリース32を供給することにより、従来に比較してス
テアリングシャフト10とキーロックカラー12との摩
擦抵抗のばらつきが小さくなるのである。
【0029】図5および図6において、滑り出しトルク
の基準値A1とA2とを同じ値に設定した場合に、滑り
出しトルクの最大値AM1とAM2とを比較すると、A
M1<AM2となり、本実施例のステアリングロック装
置の方が従来装置に比較して滑り出しトルクの最大値が
小さい。すなわち、本実施例装置においては、ステアリ
ングシャフト10とキーロックカラー12との摩擦抵抗
が過大となることが回避されるのである。したがって、
ロックピン22,ロックピンアクチュエータ20,ステ
アリングコラム16等に過大なトルクがかかることがな
く、これらの部材の強度を必要以上に高める必要がなく
なり、コストを低く抑えることが可能となる。
【0030】また、図5および図6のグラフから明らか
なように、滑りトルクの最小値Bm1とBm2とを比較
すると、Bm1>Bm2となり、本実施例のステアリン
グロック装置の方が従来装置に比較して滑りトルクの最
小値が大きい。すなわち、ステアリングシャフト10と
キーロックカラー12との摩擦抵抗が過少となることも
回避されるのである。したがって、滑りトルクが小さ過
ぎるために、ロック状態にもかかわらずハンドルが比較
的容易に回転操作される恐れがなくなり、盗難防止機能
が高められる。
【0031】さらに、本実施例装置においては、滑り出
しトルクの最大値AM1と滑りトルクの最小値Bm1と
の差が従来装置に比較して小さい。そのため、法規上定
められた通常のハンドル操作が不可能な回転トルクを常
に維持しようとする場合、すなわち、本実施例の滑りト
ルクの最小値Bm1と従来装置の滑りトルクの最小値B
m2とを同じ大きさに設定した場合に、本実施例装置に
おいてはトルクのばらつきの範囲が小さいため、従来装
置ほど滑り出しトルクが大きくなることがない。したが
って、この点からも、従来のようにステアリングコラム
等の強度を高めておく必要がなくなることとなる。
【0032】図7は、本実施例のステアリングロック装
置において、滑り出しトルクを繰り返し測定した際、測
定回数に対する滑り出しトルクの変化を従来装置と比較
して示すグラフである。また、図8は、同様に、測定回
数に対する滑りトルクの変化を従来装置と比較して示す
グラフである。
【0033】図7および図8から明らかなように、キー
ロックカラーがステアリングシャフトに締まり嵌めされ
ただけの従来装置においては、滑り出しトルクおよび滑
りトルクが測定回数の増大につれて顕著に低下している
が、本実施例においては、滑り出しトルクも滑りトルク
も測定回数が増えても殆ど低下していない。これは、グ
リース32の潤滑効果により、ステアリングシャフト1
0の外周面とキーロックカラー12の内周面とに摩擦に
よるへたりが生じることが抑制され、かつ、6本の潤滑
油溝30から必要な量のグリース32が摩擦面に良好に
供給され続けるためであると考えられる。したがって、
ステアリングシャフトが繰り返し回転させられることに
よる滑り出しトルクおよび滑りトルクの低下が良好に防
止され、盗難防止機能がさらに高められる。
【0034】図9および図10に本発明の別の実施例を
示す。この実施例においては、ステアリングシャフト1
0に円筒部材40が嵌合されるとともに、溶接により固
定されており、その円筒部材40の外周面にキーロック
カラー42が締まり嵌めされている。キーロックカラー
42には、厚さ方向に貫通し、一端から他端に到る溝4
4が形成されており、キーロックカラー42は周方向に
不連続な円筒部材となっている。また、厚さ方向に貫通
した係合孔46が等角度間隔に4個形成されており、こ
の係合孔46に前記実施例におけると同様なロックピン
22が係合可能となっている。キーロックカラー42の
内周面の、互いに隣接する係合孔46間の部分であって
溝44が形成されていない部分には、軸方向に平行な潤
滑剤溝48が形成されており、この潤滑剤溝48にグリ
ース32が保持されている。
【0035】本実施例においては、円筒部材40とキー
ロックカラー42とが締まり嵌めされているため、ステ
アリングシャフト10の直径を同じとすれば、嵌合面ま
での半径を前記実施例より大きくすることができ、同じ
摩擦力に対して大きな滑り出しトルクおよび滑りトルク
を得ることができる。この効果は、ステアリングシャフ
ト10と一体に他の部分より大径のランド部を形成し、
それにキーロックカラーを締まり嵌めすることによって
も得られるが、別体の円筒部材40を使用すれば、円筒
部材40の材料をステアリングシャフト10の材料より
耐摩耗性の良い材料とすることによって、ステアリング
シャフト10全体を耐摩耗性の良い材料とする場合に比
較して安価に耐久性を向上させることができる。
【0036】さらに、潤滑剤溝48がキーロックカラー
42の内周面に形成されているため、貫通した溝44お
よび係合孔46の存在にもかかわらず、キーロックカラ
ー42と円筒部材40との相対回転時にも潤滑剤溝48
が密閉状態に保たれ、グリース32の漏れが防止され
る。貫通した係合孔46の形成は、前記実施例における
底付きの係合凹部26に比較して形成が容易であり、コ
スト低減を図り得る。ただし、潤滑剤保持用の凹部を密
閉状態に保つことは望ましいことではあるが、不可欠で
はない。周辺に潤滑剤が存在しており、凹部を開放型と
して周辺から潤滑剤が補給されるようにすることが望ま
しい場合もある。
【0037】さらに別の実施例におけるキーロックカラ
ー50を図11および図12に示す。このキーロックカ
ラー50には、両端面から軸方向に平行な溝52,54
が1本以上ずつ(図示の例では2本ずつ)形成されてい
る。溝52,54はいずれも厚さ方向には貫通している
が、軸方向には貫通していない。それぞれの端面から反
対側の端面に向かって延びているが、他方の端面に到る
前に途中で終っているのである。そのため、キーロック
カラー50は周方向に連続した円筒部材でありながら、
弾性変形による拡径が容易である。互いに隣接する溝5
2,54間には貫通した係合孔56が形成されるととも
に、各係合孔56の両側に軸方向に平行に延びて内周面
に開口する潤滑剤溝58が形成されている。潤滑剤溝5
8内にはグリースが保持される。
【0038】なお、潤滑剤として固体潤滑剤を使用する
ことも可能である。粉状の固体潤滑剤はそのままでは使
用が困難であるが、少量のグリースや潤滑油等でペース
ト状にした固体潤滑剤を凹部内に塗布すればよい。な
お、固体潤滑剤を溶剤等で練り、塗布時にはペースト状
をなしているが時間の経過に伴って粉末状に復帰するよ
うにすることも可能である。固体潤滑剤は液体の潤滑油
脂に比較して、長期間潤滑能力を維持し得る利点がある
ため、潤滑剤の補給が不要となり、あるいは補給回数が
少なくて済み、メンテナンス性が向上する効果が得られ
る。
【0039】その他、当業者の知識に基づいて種々の変
形,改良を施した態様で、本発明を実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるステアリングロック装
置を概念的に示す斜視図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】上記装置の要部を示す正面断面図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】上記装置のステアリングシャフトとキーロック
カラーとのトルク特性を示すグラフである。
【図6】従来装置のステアリングシャフトとキーロック
カラーとのトルク特性を示すグラフである。
【図7】本実施例装置の滑り出しトルクの測定回数に伴
う変化を従来装置と比較して示すグラフである。
【図8】本実施例装置の滑りトルクの測定回数に伴う変
化を従来装置と比較して示すグラフである。
【図9】本発明の別の実施例であるステアリングロック
装置の図3に相当する図である。
【図10】図9におけるX−X断面図である。
【図11】本発明のさらに別の実施例におけるキーロッ
クカラーを示す正面断面図である。
【図12】図11におけるXII − XII断面図である。
【符号の説明】
10 ステアリングシャフト 12,42,50 キーロックカラー 16 ステアリングコラム 20 ロックピンアクチュエータ 22 ロックピン 26 係合凹部 30,48,58 潤滑剤溝 32 グリース 40 円筒部材 46,56 係合孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白澤 博郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 新堂 雅彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 山口 博司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングシャフト側部材に締まり嵌
    めされた被ロック部材側部材の回転が、非回転部材に保
    持されたロック部材と被ロック部材との係合により抑制
    されることによって、ステアリングシャフトの回転が抑
    制されるステアリングロック装置であって、 前記ステアリングシャフト側部材の外周面と前記被ロッ
    ク部材側部材の内周面との少なくとも一方に凹部が形成
    され、その凹部に潤滑剤が保持されていることを特徴と
    するステアリングロック装置。
JP8974994A 1994-04-27 1994-04-27 ステアリングロック装置 Pending JPH07291095A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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