JPH07290194A - 二層金属材の連続鋳造方法 - Google Patents
二層金属材の連続鋳造方法Info
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- JPH07290194A JPH07290194A JP8892794A JP8892794A JPH07290194A JP H07290194 A JPH07290194 A JP H07290194A JP 8892794 A JP8892794 A JP 8892794A JP 8892794 A JP8892794 A JP 8892794A JP H07290194 A JPH07290194 A JP H07290194A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、水平連続鋳造機を用いて互いに化
学成分の異なる溶融金属から二層金属材を製造する方法
に関するものである。 【構成】 水平連続鋳造機を用い互いに化学成分の異な
る二種の溶融金属を水平鋳型内に供給し二層金属材を連
続鋳造する方法において、該水平鋳型内の上側に供給す
る溶融金属の密度を下側に供給する溶融金属の密度より
も小さくすることで二層分離特性の良好な二層金属材を
連続鋳造する。
学成分の異なる溶融金属から二層金属材を製造する方法
に関するものである。 【構成】 水平連続鋳造機を用い互いに化学成分の異な
る二種の溶融金属を水平鋳型内に供給し二層金属材を連
続鋳造する方法において、該水平鋳型内の上側に供給す
る溶融金属の密度を下側に供給する溶融金属の密度より
も小さくすることで二層分離特性の良好な二層金属材を
連続鋳造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、互いに化学成分の異な
る溶融金属から二層金属材を連続的に製造する方法に関
するものである。
る溶融金属から二層金属材を連続的に製造する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図1に示すように、水平連続鋳造機のタ
ンディッシュ1の内部を堰2で少なくとも二槽に仕切
り、各槽に互いに化学成分の異なる溶融金属を注入し槽
出側の水平鋳型3内に該溶融金属を同時に供給すること
で、二層金属材を連続的に製造する方法が特開平5−5
7397号公報に記載されている。
ンディッシュ1の内部を堰2で少なくとも二槽に仕切
り、各槽に互いに化学成分の異なる溶融金属を注入し槽
出側の水平鋳型3内に該溶融金属を同時に供給すること
で、二層金属材を連続的に製造する方法が特開平5−5
7397号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の技術で
は、2種金属のストランド内成分混合を防止する手段が
具体的に開示されておらず、鋳造条件によっては鋳型内
に供給された2種金属のストランド内での混合が生じ、
その結果として成分分離や厚みの均一性などに代表され
る二層分離特性が十分な鋳片が安定して得られず、製品
の品質特性も不均一になるなどの品質保証上の問題があ
った。
は、2種金属のストランド内成分混合を防止する手段が
具体的に開示されておらず、鋳造条件によっては鋳型内
に供給された2種金属のストランド内での混合が生じ、
その結果として成分分離や厚みの均一性などに代表され
る二層分離特性が十分な鋳片が安定して得られず、製品
の品質特性も不均一になるなどの品質保証上の問題があ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは二
層分離特性の優れた二層金属材を安定して連続鋳造する
方法について実験的研究を積み重ね、以下の手段を適用
することで前記課題を解決し二層分離特性の優れた二層
金属材が得られることを知見した。
層分離特性の優れた二層金属材を安定して連続鋳造する
方法について実験的研究を積み重ね、以下の手段を適用
することで前記課題を解決し二層分離特性の優れた二層
金属材が得られることを知見した。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、水平連続鋳造
機を用い互いに化学成分の異なる二種の溶融金属を水平
鋳型内に供給し二層金属材を連続鋳造する方法におい
て、該水平鋳型内の上側に供給する溶融金属の密度を下
側に供給する溶融金属の密度よりも小さくすることを特
徴とする二層金属材の連続鋳造方法である。
機を用い互いに化学成分の異なる二種の溶融金属を水平
鋳型内に供給し二層金属材を連続鋳造する方法におい
て、該水平鋳型内の上側に供給する溶融金属の密度を下
側に供給する溶融金属の密度よりも小さくすることを特
徴とする二層金属材の連続鋳造方法である。
【0006】
【作用】以下、本発明の作用を詳細に説明する。本発明
者らは、従来の技術における前記問題点を解決すべく、
2種の金属の密度差とストランド内混合の関係に着目
し、得られた二層金属材の分離状況に及ぼす密度差の影
響について詳細に研究した。
者らは、従来の技術における前記問題点を解決すべく、
2種の金属の密度差とストランド内混合の関係に着目
し、得られた二層金属材の分離状況に及ぼす密度差の影
響について詳細に研究した。
【0007】図2は、2種の金属の密度差と成分分離の
関係に関する研究結果をまとめたものである。このと
き、二層金属の厚み比が1:1になるように溶融金属の
供給量を制御し、鋳造速度は0.1〜1.2m/minとし
た。また、図2では、密度差および成分分離とも以下の
ような規格化した値に変換して示した。
関係に関する研究結果をまとめたものである。このと
き、二層金属の厚み比が1:1になるように溶融金属の
供給量を制御し、鋳造速度は0.1〜1.2m/minとし
た。また、図2では、密度差および成分分離とも以下の
ような規格化した値に変換して示した。
【0008】規格化密度差 Δρ(%)=(ρ2 −ρ1 )/〔(ρ1 +ρ2 )/2〕×100…(1) ここで、ρ1 :上側金属の密度(g/cm3 )、 ρ2 :下側金属の密度(g/cm3 )。
【0009】成分分離指数 S=(CX −CY )/(C1 −C2 ) …………………………(2) ここで、C1 :タンディッシュでの上側金属の濃度、 C2 :タンディッシュでの下側金属の濃度、 CX :鋳片の上側から1/4厚み位置での濃度、 CY :鋳片の下側から1/4厚み位置での濃度。
【0010】この図より、密度差Δρが正の場合すなわ
ち上側金属の方が下側金属よりも軽い場合は、成分分離
は非常に良好であることが分かる。一方、密度差Δρが
負の場合は、ストランド内で密度差に起因した対流が生
じ上側金属と下側金属が混合し成分分離が悪化する。す
なわち、密度差に起因する対流混合に比べれば、成分の
拡散による混合の程度は小さく、密度差を適正に選定す
ることで、成分分離の良好な二層金属材が得られる。
ち上側金属の方が下側金属よりも軽い場合は、成分分離
は非常に良好であることが分かる。一方、密度差Δρが
負の場合は、ストランド内で密度差に起因した対流が生
じ上側金属と下側金属が混合し成分分離が悪化する。す
なわち、密度差に起因する対流混合に比べれば、成分の
拡散による混合の程度は小さく、密度差を適正に選定す
ることで、成分分離の良好な二層金属材が得られる。
【0011】また、密度差による成分分離の安定性は鋳
造速度の影響を受け、鋳造速度が大きくなると二層の界
面が不安定になり相互の混合が進行する。本発明者らの
研究結果では、二層の構成金属の各々の特性を損なわず
に両方の特性を兼ね備えた二層金属材を得るためには
(2)式の成分分離指数が少なくとも0.8以上である
ことが分かっている。図2より成分分離指数が0.8以
上となる条件を求めると、次式のようになる。 (ρ2 −ρ1 )/〔(ρ1 +ρ2 )/2〕×100>0.08×V……(3) ここで、V:鋳造速度(m/min)である。
造速度の影響を受け、鋳造速度が大きくなると二層の界
面が不安定になり相互の混合が進行する。本発明者らの
研究結果では、二層の構成金属の各々の特性を損なわず
に両方の特性を兼ね備えた二層金属材を得るためには
(2)式の成分分離指数が少なくとも0.8以上である
ことが分かっている。図2より成分分離指数が0.8以
上となる条件を求めると、次式のようになる。 (ρ2 −ρ1 )/〔(ρ1 +ρ2 )/2〕×100>0.08×V……(3) ここで、V:鋳造速度(m/min)である。
【0012】
【実施例】図1は、本発明の効果を確認するために用い
た水平連続鋳造機の模式図である。鋳型は内寸法250
mm×250mmの正方形断面鋳型を用いた。また、タンデ
ィッシュは溶鋼表面積が上層と下層で1対1となるよう
に耐火物製の堰で仕切った。
た水平連続鋳造機の模式図である。鋳型は内寸法250
mm×250mmの正方形断面鋳型を用いた。また、タンデ
ィッシュは溶鋼表面積が上層と下層で1対1となるよう
に耐火物製の堰で仕切った。
【0013】表1は、鋳造を行った二層金属の密度差Δ
ρと成分分離の関係を示したものである。比較例およ
び比較例は密度差Δρが負で上側金属の密度が下側金
属の密度よりも大きな場合で鋳片での成分混合が大き
い。一方、本発明例および本発明例は各々前記比較
例の上下金属の組合せを逆にした場合であり、鋳片での
混合が抑えられ良好な分離が得られている。比較例は
密度差Δρは小さな正の値で鋳造速度が大きく(3)式
の条件を満足しない場合であり、必ずしも十分な分離が
得られていない。これに対して、鋳造速度を小さくして
(3)式の条件を満足するようにしたのが本発明例で
あり、分離が改善されている。
ρと成分分離の関係を示したものである。比較例およ
び比較例は密度差Δρが負で上側金属の密度が下側金
属の密度よりも大きな場合で鋳片での成分混合が大き
い。一方、本発明例および本発明例は各々前記比較
例の上下金属の組合せを逆にした場合であり、鋳片での
混合が抑えられ良好な分離が得られている。比較例は
密度差Δρは小さな正の値で鋳造速度が大きく(3)式
の条件を満足しない場合であり、必ずしも十分な分離が
得られていない。これに対して、鋳造速度を小さくして
(3)式の条件を満足するようにしたのが本発明例で
あり、分離が改善されている。
【0014】以上のように、本研究者らの発明に基づ
き、Δρを適正に選定することで、成分分離の良好な二
層金属材が得られることが分かる。
き、Δρを適正に選定することで、成分分離の良好な二
層金属材が得られることが分かる。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、互
いに化学成分の異なる二種の溶融金属から二層金属材を
連続鋳造するにあたり、二層の成分分離が優れ、かつ厚
み比の均一な二層金属材の工業的に安定な製造が可能と
なる。
いに化学成分の異なる二種の溶融金属から二層金属材を
連続鋳造するにあたり、二層の成分分離が優れ、かつ厚
み比の均一な二層金属材の工業的に安定な製造が可能と
なる。
【図1】水平連続鋳造機を用いた二層金属材の連続鋳造
方法を示す模式図である。
方法を示す模式図である。
【図2】2種金属の密度差と成分分離の関係を示す図で
ある。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 水平連続鋳造機を用い互いに化学成分の
異なる二種の溶融金属を水平鋳型内に供給し二層金属材
を連続鋳造する方法において、該水平鋳型内の上側に供
給する溶融金属の密度を下側に供給する溶融金属の密度
よりも小さくすることを特徴とする二層金属材の連続鋳
造方法。 - 【請求項2】 水平連続鋳造機を用い互いに化学成分の
異なる二種の溶融金属を水平鋳型内に供給し二層金属材
を連続鋳造する方法において、該水平鋳型内の上側に供
給する溶融金属の密度と下側に供給する溶融金属の密度
の関係を次式を満足するように選定する請求項1記載の
二層金属材の連続鋳造方法。 (ρ2 −ρ1 )/〔(ρ1 +ρ2 )/2〕×100>
0.08×V ここで、ρ1 :上側金属の密度(g/cm3 )、ρ2 :下側
金属の密度(g/cm3 )、V:鋳造速度(m/min)であ
る。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6088927A JP2914866B2 (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | 二層金属材の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6088927A JP2914866B2 (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | 二層金属材の連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07290194A true JPH07290194A (ja) | 1995-11-07 |
JP2914866B2 JP2914866B2 (ja) | 1999-07-05 |
Family
ID=13956547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6088927A Expired - Lifetime JP2914866B2 (ja) | 1994-04-26 | 1994-04-26 | 二層金属材の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2914866B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04105759A (ja) * | 1990-08-27 | 1992-04-07 | Nippon Steel Corp | 複層鋳片の連続鋳造における溶鋼湯面レベル制御方法 |
JPH04313447A (ja) * | 1991-04-12 | 1992-11-05 | Nippon Steel Corp | 複層鋳片の連続鋳造方法 |
JPH0557397A (ja) * | 1991-05-28 | 1993-03-09 | Nippon Steel Corp | 湯面下凝固法による二層鋼の連続鋳造法 |
-
1994
- 1994-04-26 JP JP6088927A patent/JP2914866B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04105759A (ja) * | 1990-08-27 | 1992-04-07 | Nippon Steel Corp | 複層鋳片の連続鋳造における溶鋼湯面レベル制御方法 |
JPH04313447A (ja) * | 1991-04-12 | 1992-11-05 | Nippon Steel Corp | 複層鋳片の連続鋳造方法 |
JPH0557397A (ja) * | 1991-05-28 | 1993-03-09 | Nippon Steel Corp | 湯面下凝固法による二層鋼の連続鋳造法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2914866B2 (ja) | 1999-07-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990323 |