JPH07115127B2 - 複層鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents
複層鋳片の連続鋳造方法Info
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- JPH07115127B2 JPH07115127B2 JP10659491A JP10659491A JPH07115127B2 JP H07115127 B2 JPH07115127 B2 JP H07115127B2 JP 10659491 A JP10659491 A JP 10659491A JP 10659491 A JP10659491 A JP 10659491A JP H07115127 B2 JPH07115127 B2 JP H07115127B2
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- continuous casting
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表層部と内層部の組
成、すなわち、化学成分の異なる複合金属材を溶融金属
から連続的に製造する方法に関するものである。
成、すなわち、化学成分の異なる複合金属材を溶融金属
から連続的に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2のように、連鋳鋳型1内に鋳片2の
厚みを横切る方向の直流磁束を全幅にわたって付与し、
該直流磁束によって鋳型上下方向に形成される静磁場帯
3を境界としてその上下に組成の異なる溶融金属を供給
する複合金属材の連続鋳造方法が特開昭63―1089
47号公報等において開示されている。
厚みを横切る方向の直流磁束を全幅にわたって付与し、
該直流磁束によって鋳型上下方向に形成される静磁場帯
3を境界としてその上下に組成の異なる溶融金属を供給
する複合金属材の連続鋳造方法が特開昭63―1089
47号公報等において開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来の技術で
は、直流磁束により形成された静磁場帯を利用した複合
金属材の連続鋳造方法の基本概念が示されているが、2
種の金属の組合わせ方によっては鋳型内で密度差に基づ
く対流混合が生じ、直流磁束による2種の溶融金属の混
合抑制効果が十分に発揮されず、これらの金属の良好な
分離が得られないという問題が生じることが本発明者ら
の研究により明らかとなった。
は、直流磁束により形成された静磁場帯を利用した複合
金属材の連続鋳造方法の基本概念が示されているが、2
種の金属の組合わせ方によっては鋳型内で密度差に基づ
く対流混合が生じ、直流磁束による2種の溶融金属の混
合抑制効果が十分に発揮されず、これらの金属の良好な
分離が得られないという問題が生じることが本発明者ら
の研究により明らかとなった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため種々の研究を積み重ねた結果、以下の
手段を見い出した。すなわち、本発明は、連鋳鋳型内に
鋳片の厚みを横切る方向の直流磁束を全幅に亙って付与
し、該直流磁束によって鋳型鋳造方向に形成される静磁
場帯を境界としてその上下に組成の異なる2種の溶融金
属を供給する複層鋳片の連続鋳造方法において、前記静
磁場帯上側金属の液体密度ρ1 と該静磁場帯下側金属の
液体密度ρ2 の関係が、 ρ1 −ρ2 ≦0.1 (g/cm3) となるように2種の金属の組成を組合せることを特徴と
する複層鋳片の連続鋳造方法である。
点を解決するため種々の研究を積み重ねた結果、以下の
手段を見い出した。すなわち、本発明は、連鋳鋳型内に
鋳片の厚みを横切る方向の直流磁束を全幅に亙って付与
し、該直流磁束によって鋳型鋳造方向に形成される静磁
場帯を境界としてその上下に組成の異なる2種の溶融金
属を供給する複層鋳片の連続鋳造方法において、前記静
磁場帯上側金属の液体密度ρ1 と該静磁場帯下側金属の
液体密度ρ2 の関係が、 ρ1 −ρ2 ≦0.1 (g/cm3) となるように2種の金属の組成を組合せることを特徴と
する複層鋳片の連続鋳造方法である。
【0005】
【作用】以下に、本発明を作用とともに詳細に説明す
る。
る。
【0006】本発明者らは、従来の技術における前記問
題点を解決すべく、2種の金属の密度差と得られた複層
鋳片におけるその分離状況との関係を詳細に研究した。
題点を解決すべく、2種の金属の密度差と得られた複層
鋳片におけるその分離状況との関係を詳細に研究した。
【0007】図1に、2種の金属の密度差ρ1 −ρ2 と
下記の(1) 式で定義される分離指数との関係を示す。
下記の(1) 式で定義される分離指数との関係を示す。
【0008】 分離指数=(C1−C2)/(C10 −C20 ) ・・・(1) C1 :鋳片表層の溶質濃度 C2 :鋳片内層の溶質濃度 C10 :表層への供給溶鋼の溶質濃度 C20 :内層への供給溶鋼の溶質濃度 なお、静磁場帯よりも上に注入された溶融金属は、得ら
れた鋳片の表層を形成し、静磁場帯よりも下に注入され
た溶融金属は、得られた鋳片の内層を形成する。
れた鋳片の表層を形成し、静磁場帯よりも下に注入され
た溶融金属は、得られた鋳片の内層を形成する。
【0009】この図1より密度差ρ1 −ρ2 が大きくな
るほど分離指数が小さくなることがわかる。これは、密
度差に基づく対流混合が生じ、直流磁束による2種の溶
融金属の混合抑制効果が十分に発揮できなかったものと
考えられる。
るほど分離指数が小さくなることがわかる。これは、密
度差に基づく対流混合が生じ、直流磁束による2種の溶
融金属の混合抑制効果が十分に発揮できなかったものと
考えられる。
【0010】また、表層および内層に相当する2種の金
属(母材)の特性を損なわずに複合特性を享受するため
の臨界分離指数は、本発明者らの研究より0.80とす
るのが適当であることがわかっており、この臨界分離指
数以上の良好な分離を得るためには、図1より直流磁束
の強度を工業的に実用レベルで得られる最大強度の0.
8〜1.0テスラの条件において、 ρ1 −ρ2 ≦0.1 (g/cm3)であることがわかる。
属(母材)の特性を損なわずに複合特性を享受するため
の臨界分離指数は、本発明者らの研究より0.80とす
るのが適当であることがわかっており、この臨界分離指
数以上の良好な分離を得るためには、図1より直流磁束
の強度を工業的に実用レベルで得られる最大強度の0.
8〜1.0テスラの条件において、 ρ1 −ρ2 ≦0.1 (g/cm3)であることがわかる。
【0011】以上のように2種の金属の組成を組合わせ
ることで、複層鋳片の工業的安定製造が可能となる。
ることで、複層鋳片の工業的安定製造が可能となる。
【0012】
【実施例】図2に示すような別々の浸漬ノズル4,4’
を用いて連鋳鋳型1内の静磁場帯3の上部および下部に
組成の異なる2種の溶鋼を注入した。
を用いて連鋳鋳型1内の静磁場帯3の上部および下部に
組成の異なる2種の溶鋼を注入した。
【0013】鋳型1の形状は250mm(厚)×1200
mm(幅)、鋳造速度は1.0m/minとした。静磁場帯3
の位置は鋳型1内メニスカス6より450mm〜700mm
下方とし、直流磁束の強度は0.8及び1.0テスラの
2水準とした。
mm(幅)、鋳造速度は1.0m/minとした。静磁場帯3
の位置は鋳型1内メニスカス6より450mm〜700mm
下方とし、直流磁束の強度は0.8及び1.0テスラの
2水準とした。
【0014】表1には、鋳造した2種類の鋼の組合わせ
と各々の鋳造温度での密度を示す。
と各々の鋳造温度での密度を示す。
【0015】そのあと、鋳造後のスラブの厚み方向の溶
質濃度分布を調査し、(1) 式で定義した分離指数を求め
た。
質濃度分布を調査し、(1) 式で定義した分離指数を求め
た。
【0016】図1に2種の鋼の密度差ρ1 −ρ2 と分離
指数の関係を示す。ρ1 −ρ2 ≦0では分離は良好で分
離指数もほとんど変化しないが、ρ1 −ρ2 >0ではρ
1−ρ2 が大きくなるに従って分離指数は急激に小さく
なり分離状況が悪化していくことがわかる。
指数の関係を示す。ρ1 −ρ2 ≦0では分離は良好で分
離指数もほとんど変化しないが、ρ1 −ρ2 >0ではρ
1−ρ2 が大きくなるに従って分離指数は急激に小さく
なり分離状況が悪化していくことがわかる。
【0017】また、表層および内層に相当する2種の鋼
(母材)の特性を損なわずに複合特性を享受するための
臨界分離指数0.8以上の良好な分離を得るためには、
2種の鋼の密度差ρ1 −ρ2 が0.1以下になるように
2種の金属の組成を組合わせれば良いことがわかる。
(母材)の特性を損なわずに複合特性を享受するための
臨界分離指数0.8以上の良好な分離を得るためには、
2種の鋼の密度差ρ1 −ρ2 が0.1以下になるように
2種の金属の組成を組合わせれば良いことがわかる。
【0018】
【表1】
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、表層部と内層部の組成、すなわち、化学成分の異な
る複層鋳片を工業的に安価かつ効率良く製造することが
可能となる。
ば、表層部と内層部の組成、すなわち、化学成分の異な
る複層鋳片を工業的に安価かつ効率良く製造することが
可能となる。
【図1】本発明の効果を示す密度差に対する分離指数の
関係図である。
関係図である。
【図2】鋳型注入の模式図である。
1 鋳型 2 鋳片 3 静磁場帯 4 表層用浸漬ノズル 4’ 内層用浸漬ノズル 5 表層凝固シェル 5’ 内層凝固シェル 6 メニスカス
Claims (1)
- 【請求項1】 連鋳鋳型内に鋳片の厚みを横切る方向の
直流磁束を全幅に亙って付与し、該直流磁束によって鋳
型鋳造方向に形成される静磁場帯を境界としてその上下
に組成の異なる2種の溶融金属を供給する複層鋳片の連
続鋳造方法において、前記静磁場帯上側金属の液体密度
ρ1 と該静磁場帯下側金属の液体密度ρ2 の関係が、 ρ1 −ρ2 ≦0.1 (g/cm3) となるように2種の金属の組成を組合せることを特徴と
する複層鋳片の連続鋳造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10659491A JPH07115127B2 (ja) | 1991-04-12 | 1991-04-12 | 複層鋳片の連続鋳造方法 |
CA002084986A CA2084986C (en) | 1991-04-12 | 1992-04-10 | Continuous casting method of multi-layered slab |
US07/955,863 US5269366A (en) | 1991-04-12 | 1992-04-10 | Continuous casting method of multi-layered slab |
PCT/JP1992/000454 WO1992018271A1 (fr) | 1991-04-12 | 1992-04-10 | Procede pour le coulage en continu de brames multicouches |
DE69226587T DE69226587T2 (de) | 1991-04-12 | 1992-04-10 | Verfahren zum kontinuierlichen giessen eines mehrschichtigen stranges |
EP92908408A EP0533955B1 (en) | 1991-04-12 | 1992-04-10 | Method of continuous casting of multi-layer slab |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10659491A JPH07115127B2 (ja) | 1991-04-12 | 1991-04-12 | 複層鋳片の連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04313447A JPH04313447A (ja) | 1992-11-05 |
JPH07115127B2 true JPH07115127B2 (ja) | 1995-12-13 |
Family
ID=14437496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10659491A Expired - Fee Related JPH07115127B2 (ja) | 1991-04-12 | 1991-04-12 | 複層鋳片の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07115127B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100188551B1 (ko) * | 1993-11-22 | 1999-06-01 | 아사무라 다까시 | 강판 제조공정에 있어서의 표면결함이 적은 극저탄소강연속주조슬래브 및 극저탄소박강판 및 그것들의제조방법 |
JP2914866B2 (ja) * | 1994-04-26 | 1999-07-05 | 新日本製鐵株式会社 | 二層金属材の連続鋳造方法 |
-
1991
- 1991-04-12 JP JP10659491A patent/JPH07115127B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04313447A (ja) | 1992-11-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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