JP2627136B2 - 複層鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

複層鋳片の連続鋳造方法

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JP2627136B2
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寛 原田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表層と内層が同一成分
から成り、かつ清浄度の高い層から構成される複層鋳片
を、溶融状態の金属から直接に製造する連続鋳造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造においては、鋳片の清浄度
の向上は、種々の表面欠陥や内部欠陥を防止する上で極
めて重要である。精錬段階で清浄度の高い溶鋼を溶製し
ても、鋳造段階で,特に高速鋳造においては、溶鋼注入
によって鋳型内部メニスカス近傍に発生する溶鋼流動に
よって、メニスカス上にあるパウダーの巻き込みを生じ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このパウダー巻き込み
は、鋳型近傍では浮上しやすいため鋳片表層では特に問
題にならないものの、溶鋼プール内部に巻き込まれ深部
に侵入した場合は、鋳片内部に捕捉されて、重大な内部
欠陥になる恐れがある。
【0004】このパウダー巻き込みを防止するために、
従来は浸漬ノズルの吐出角度を調整したり、この吐出流
に直接電磁ブレーキを作用させて流動を制御しようとし
たりする多くの試みがなされてきた。しかしながら特公
平2−20349号公報に提示されているように、単に
電磁ブレーキを作用させたのでは攪拌を引き起こすこと
にもなり兼ねず、逆効果となっていた。
【0005】そのため一般には、吐出角度を下向きに注
入しつつ鋳造するパターンが一般的であるが、この条件
では、一旦パウダーを溶鋼が巻き込むと、これをプール
内部に引き込むことになり、重大な品質欠陥を引き起こ
す恐れがあった。
【0006】本発明は、かかる従来技術の問題点を解消
するために、特に金属の高速連続鋳造において、清浄度
の高い複層鋳片を製造する連続鋳造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る複層鋳片の
連続鋳造方法は、連続鋳造鋳型内に注入された溶融金属
に対し、そのメニスカスよりも鋳造方向下方の位置に、
鋳片幅方向に亙ってほぼ均一な強度を有する直流磁場を
鋳片の厚みを横切るように印加して直流磁場帯を形成
し、その直流磁場帯で区分された上側の溶融金属プール
と下側の溶融金属プールに、長さの異なる2本のノズル
によってそれぞれ同一組成かつ同一温度の溶融金属を供
給して凝固,引抜きを行ない、表層と内層が同一成分の
金属により構成された複層鋳片を連続鋳造することを特
徴とする複層鋳片の連続鋳造方法であり、本発明のプロ
セスにより得られる鋳片は、清浄度の高いものとなる。
【0008】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。図1(a)に
示すように、鋳片幅方向に亘って鋳片を厚み方向に横切
る直流磁束が、鋳片幅方向に亘って延在する磁場帯によ
って分断される連鋳ストランド・プール内の上部プール
と下部プールの各位置に、同一組成の溶鋼が所定の比率
で供給される場合、一定の磁束密度以上の直流磁界が作
用している部分では溶鋼が滞留し、それ以外の上下プー
ルではそれぞれに溶鋼を供給するノズルからの吐出流に
よって、それぞれの渦流れが形成されている。
【0009】これらの渦流を引き起こす注入量は、それ
ぞれの領域で消費されるため上下溶鋼プール間では溶鋼
の往来はない。従って上部プールにおいて、仮にパウダ
ーが溶鋼中に巻き込まれたとしてもこれは上部プール内
に止まり、この領域が垂直であるならば巻き込まれたパ
ウダーはメニスカスに浮上し、害をなさない。
【0010】また磁束密度は、鋳造長さ方向に図1
(b)に示すような分布をもっている。すなわち一定値
である溶鋼を滞留させるに必要な最小磁束密度Bc以上
の磁束密度の直流磁界を、鋳片幅にわたってほぼ均一に
印加した場合、この直流磁界によって滞留している領域
の上部および下部では、それぞれの部位で渦流が形成さ
れる一方、これらの部位に挟まれた領域では流れが無い
部分、すなわち滞留領域が存在する。
【0011】このようなプールの構造を維持しつつ連続
鋳造した場合、結果として製造される鋳片は図2に示す
ようになる。 図2は、それぞれ製造された複層鋳片の
鋳造方向に垂直な断面図面であり、すなわち表層と内層
とに同一成分の溶鋼を注入するものの、上記の3つの領
域、すなわち流れのある上部,下部プールと、流れの殆
ど無い滞留部の構成によって、凝固組織も表層と内層お
よびそれらの境界層に見掛上分離し、複層の様相を呈す
るのである。
【0012】またこの方法で、表層の鋳造量に相当する
量の溶鋼を上部プールへ、内層の鋳造量に相当する量の
溶鋼を下部プールへそれぞれ別々に供給するため、例え
ば2m/分の高速で鋳造する場合でも、表層の厚みが全
鋳片厚みの10%の複層鋳片の場合には、実際に上部プ
ールに注入する溶鋼量は0.2m/分の場合の鋳造量に
相当する。従ってメニスカスでの流れによる乱を極めて
微弱に抑えることが可能であり、その結果、清浄度の高
い鋳片を製造できる。
【0013】
【実施例】実施例−1として、メニスカスより0.3m
下方に幅方向に均一な磁束密度をもつ直流磁界を印加で
きるようにした連鋳プロセスにおいて、幅が1.2m,
厚みが0.25mの鋳型を用い、鋳造速度1.2m/分
で下記表1に示す組成の溶鋼を2本の浸漬ノズルによっ
て直流磁界で区分される上部と下部のプールに注入し
た。
【0014】
【表1】
【0015】この連鋳機での凝固シェル厚みd(m)の
成長速度は下記(1)式によって与えられることが判っ
ており、これによって直流磁界までに凝固するシェル厚
みは10mmであることが判る。ここでL(m)は、メ
ニスカスから直流磁界帯の中心までの距離である。
【0016】
【数1】 d−0.020(L/Vc)1/2 ………(1)
【0017】これより、表層用として34.32リット
ル/分,内層用として325.68リットル/分の量の
溶鋼をそれぞれ流量制御しながら注入した。直流磁界の
磁束密度は3000ガウスとした。
【0018】得られた鋳片の清浄度を調査したところ、
巻き込まれたパウダーの個数は、表層,内層共に0であ
った。
【0019】比較例−1として、上記実施例1の鋳造条
件で、直流磁界を印加せずに、従来の1本の浸漬ノズル
(吐出角度:下向き30度)による注入法にて、表1に
示す成分の溶鋼を幅が1.2m,厚みが0.25mの鋳
型を用い、鋳造速度1.2m/分で連続鋳造した。
【0020】得られた鋳片の清浄度を調査したところ、
巻き込まれたパウダーの個数は、表層は10個/基準観
察面積,内層は58個/基準観察面積であった。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、鋼
の連続鋳造において直流磁場帯で区分された上下溶融金
属プールに、同一組成かつ同一温度の溶融金属を供給し
て複層鋳片を鋳造することにより、表層と内層が同一成
分からなりかつ清浄度の高い複層鋳片の製造が可能にな
った。またこの効果は、プールの各領域間で多少の溶鋼
の往来があっても低下するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施時の表層,内層および境界層の形成
(a)と直流磁界の磁束密度分布(b)およびプール内
の平均温度分布(c)の関係を示す図面である。
【図2】製造された複層鋳片の鋳造方向に垂直な断面を
示す図面である。
【符号の説明】
1 鋳型 2 表層用浸漬ノズル 3 内層用浸漬ノズル 4 上部(表層用)溶鋼プール 5 下部(内層用)溶鋼プール 6 境界層となる溶鋼プール滞留域 7 表層 8 内層 9 境界層 10 直流磁場発生装置 11 磁束密度分布 B 磁束密度 BC 溶鋼を滞留させるに必要な最小磁束密度 Z 鋳造方向 Z0 溶鋼メニスカスレベル Z1 溶鋼滞留域の上限 Z2 溶鋼滞留域の下限

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造鋳型内に注入された溶融金属に
    対し、そのメニスカスよりも鋳造方向下方の位置に、鋳
    片幅方向に亙ってほぼ均一な強度を有する直流磁場を鋳
    片の厚みを横切るように印加して直流磁場帯を形成し、
    その直流磁場帯で区分された上側の溶融金属プールと下
    側の溶融金属プールに、長さの異なる2本のノズルによ
    ってそれぞれ同一組成かつ同一温度の溶融金属を供給し
    て凝固,引抜きを行ない、表層と内層が同一成分の金属
    により構成された複層鋳片を連続鋳造することを特徴と
    する複層鋳片の連続鋳造方法。
JP11922393A 1993-04-23 1993-04-23 複層鋳片の連続鋳造方法 Expired - Lifetime JP2627136B2 (ja)

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