JPH08257692A - 連鋳鋳片の製造方法および連続鋳造用浸漬ノズル - Google Patents
連鋳鋳片の製造方法および連続鋳造用浸漬ノズルInfo
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- JPH08257692A JPH08257692A JP6636295A JP6636295A JPH08257692A JP H08257692 A JPH08257692 A JP H08257692A JP 6636295 A JP6636295 A JP 6636295A JP 6636295 A JP6636295 A JP 6636295A JP H08257692 A JPH08257692 A JP H08257692A
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- Japan
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- molten steel
- nozzle
- slab
- nozzle discharge
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- Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 溶鋼から直接、鋳片表層の合金元素濃度が鋳
片内層の成分濃度に比べて高い複層状の鋳片を製造する
方法とそれに用いる連続鋳造用ノズルの提供。 【構成】 鋳型1内のメニスカスよりも下方に、巾方向
に均一な磁束密度分布を有する直流磁界21を鋳片の厚
み方向に印加することで、制動域5を形成し、上方プー
ル3と下方プール4との間での溶鋼の混合を抑制する。
浸漬ノズル2の吐出孔を、制動域の上・下にそれぞれ設
け、一定組成の溶鋼を注入し、所定の合金元素を包含し
たワイヤー14を上方プールに連続的に供給しながら連
続鋳造して所望の複層状鋳片を製造する。浸漬ノズルの
吐出孔は制動域をはさんで、上下方向にある距離離れて
設け、上方のノズル吐出孔直下のノズル内径を上部の内
径よりも小さくすることで、一部の注湯流を強制的に吐
出させるとともに、上部および下部のノズル吐出孔から
の注湯溶鋼量を制御する。
片内層の成分濃度に比べて高い複層状の鋳片を製造する
方法とそれに用いる連続鋳造用ノズルの提供。 【構成】 鋳型1内のメニスカスよりも下方に、巾方向
に均一な磁束密度分布を有する直流磁界21を鋳片の厚
み方向に印加することで、制動域5を形成し、上方プー
ル3と下方プール4との間での溶鋼の混合を抑制する。
浸漬ノズル2の吐出孔を、制動域の上・下にそれぞれ設
け、一定組成の溶鋼を注入し、所定の合金元素を包含し
たワイヤー14を上方プールに連続的に供給しながら連
続鋳造して所望の複層状鋳片を製造する。浸漬ノズルの
吐出孔は制動域をはさんで、上下方向にある距離離れて
設け、上方のノズル吐出孔直下のノズル内径を上部の内
径よりも小さくすることで、一部の注湯流を強制的に吐
出させるとともに、上部および下部のノズル吐出孔から
の注湯溶鋼量を制御する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶鋼から直接、連続鋳
造鋳型内において、鋳片表層の合金元素濃度が鋳片内層
の成分濃度に比べて高い、複層状の鋳片を製造する方法
とそれに用いる連続鋳造用浸漬ノズルに関する。
造鋳型内において、鋳片表層の合金元素濃度が鋳片内層
の成分濃度に比べて高い、複層状の鋳片を製造する方法
とそれに用いる連続鋳造用浸漬ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、特公平3−20295号
公報において、連続鋳造鋳型内溶鋼メニスカスから鋳造
方向に一定距離下方の位置において、鋳片の厚みを横切
るように、直流磁界を印加し、その直流磁界帯の上のプ
ールと下のプールとにそれぞれ異なる種類の溶鋼を供給
しつつ、凝固させて、引き抜きを行うことによって、表
層と内層とで、成分的に異なる組成の鋼から形成された
複層鋳片を連続鋳造するプロセスの方法と装置を開示し
た。これによって、上部溶鋼プールの組成の鋼が表層
に、また下部溶鋼プールの鋼が内層に分離して、凝固さ
せた複層鋳片を製造することを可能とした。
公報において、連続鋳造鋳型内溶鋼メニスカスから鋳造
方向に一定距離下方の位置において、鋳片の厚みを横切
るように、直流磁界を印加し、その直流磁界帯の上のプ
ールと下のプールとにそれぞれ異なる種類の溶鋼を供給
しつつ、凝固させて、引き抜きを行うことによって、表
層と内層とで、成分的に異なる組成の鋼から形成された
複層鋳片を連続鋳造するプロセスの方法と装置を開示し
た。これによって、上部溶鋼プールの組成の鋼が表層
に、また下部溶鋼プールの鋼が内層に分離して、凝固さ
せた複層鋳片を製造することを可能とした。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特公平3−20295
号公報にて開示した方法によると、表層と内層がそれぞ
れ注入した2種類の溶鋼組成からなる複層鋳片が得られ
るようになった。しかしながら、この複層鋳片製造プロ
セス全体についてみると、溶鋼の溶製段階、すなわち精
錬段階において、2種類の溶鋼を別々に準備する必要が
あるため、プロセスは煩雑となり、従来の一貫製鋼プロ
セスの中で実施すると、生産障害を起こしやすいことが
明らかとなった。
号公報にて開示した方法によると、表層と内層がそれぞ
れ注入した2種類の溶鋼組成からなる複層鋳片が得られ
るようになった。しかしながら、この複層鋳片製造プロ
セス全体についてみると、溶鋼の溶製段階、すなわち精
錬段階において、2種類の溶鋼を別々に準備する必要が
あるため、プロセスは煩雑となり、従来の一貫製鋼プロ
セスの中で実施すると、生産障害を起こしやすいことが
明らかとなった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定の合金元
素を包含したワイヤーを用いるとともに、連続鋳造鋳型
内の溶鋼メニスカスから鋳造方向に一定距離下方の位置
において、鋳片の厚みを横切るように幅方向に均一な磁
束密度分布を有する直流磁界を印加しつつ、その直流磁
界により形成される制動域よりも上方および下方の溶鋼
プールそれぞれに、ノズル吐出孔を有する浸漬ノズルを
用い、一定組成の溶鋼を注入し、前述のワイヤーを通じ
て、該合金元素を制動域よりも上部の溶鋼プールに連続
的に供給しながら連続鋳造することにより、鋳片での所
定の合金元素の濃度が、鋳片内部に比べ、表層の濃度が
高い鋳片を製造することを特徴とする連鋳鋳片の製造方
法である。
素を包含したワイヤーを用いるとともに、連続鋳造鋳型
内の溶鋼メニスカスから鋳造方向に一定距離下方の位置
において、鋳片の厚みを横切るように幅方向に均一な磁
束密度分布を有する直流磁界を印加しつつ、その直流磁
界により形成される制動域よりも上方および下方の溶鋼
プールそれぞれに、ノズル吐出孔を有する浸漬ノズルを
用い、一定組成の溶鋼を注入し、前述のワイヤーを通じ
て、該合金元素を制動域よりも上部の溶鋼プールに連続
的に供給しながら連続鋳造することにより、鋳片での所
定の合金元素の濃度が、鋳片内部に比べ、表層の濃度が
高い鋳片を製造することを特徴とする連鋳鋳片の製造方
法である。
【0005】また、前記浸漬ノズルの吐出孔を直流磁界
により形成される制動域をはさんで、上下方向にある距
離離れて設け、それぞれのノズル吐出孔から必要注湯量
を供給するようにし、上方のノズル吐出孔直下のノズル
内径を上部の内径よりも小さくすることにより、一部の
溶鋼注湯流を強制的に吐出させるとともに、該上方のノ
ズル吐出孔径と該ノズル吐出孔直下の内径を小さくする
量を調整することで、上部および下部のノズル吐出孔か
ら注湯する溶鋼量を制御することを特徴とする連続鋳造
用浸漬ノズルである。
により形成される制動域をはさんで、上下方向にある距
離離れて設け、それぞれのノズル吐出孔から必要注湯量
を供給するようにし、上方のノズル吐出孔直下のノズル
内径を上部の内径よりも小さくすることにより、一部の
溶鋼注湯流を強制的に吐出させるとともに、該上方のノ
ズル吐出孔径と該ノズル吐出孔直下の内径を小さくする
量を調整することで、上部および下部のノズル吐出孔か
ら注湯する溶鋼量を制御することを特徴とする連続鋳造
用浸漬ノズルである。
【0006】
【作用】本発明を図1を用いて、以下に説明する。ま
ず、合金元素の添加は、所定の元素の粒あるいは粉13
をパイプ15内部に包含して形成したワイヤー14にて
鋳型1内の溶鋼プール中に連続的に添加することで行
う。この方法は、鋳型1内に多量の合金元素を連続的に
添加することができるため、表層6と内層7の成分濃度
差が1%以下と比較的濃度差の大きな複層鋳片の製造に
適する。
ず、合金元素の添加は、所定の元素の粒あるいは粉13
をパイプ15内部に包含して形成したワイヤー14にて
鋳型1内の溶鋼プール中に連続的に添加することで行
う。この方法は、鋳型1内に多量の合金元素を連続的に
添加することができるため、表層6と内層7の成分濃度
差が1%以下と比較的濃度差の大きな複層鋳片の製造に
適する。
【0007】次に本発明におけるポイントを列挙してみ
ると、まず、第1に多量の合金元素を添加するにあたっ
ては、いかにして添加元素を溶解させるかが、そして第
2に、添加した合金元素の鋳片表層6における濃度をい
かにして均一にするかが、最後に鋳片内層部7への合金
元素の混入をいかにして少なくするかが重要なポイント
となる。
ると、まず、第1に多量の合金元素を添加するにあたっ
ては、いかにして添加元素を溶解させるかが、そして第
2に、添加した合金元素の鋳片表層6における濃度をい
かにして均一にするかが、最後に鋳片内層部7への合金
元素の混入をいかにして少なくするかが重要なポイント
となる。
【0008】そこで、本発明では鋳型1内のメニスカス
よりも下方に、幅方向に均一な磁束密度分布を有する直
流磁界21を鋳片の厚み方向に印加することで、制動域
5を形成する。これにより、上方プール3と下方プール
4との間での、溶鋼の混合を抑制することができる。
よりも下方に、幅方向に均一な磁束密度分布を有する直
流磁界21を鋳片の厚み方向に印加することで、制動域
5を形成する。これにより、上方プール3と下方プール
4との間での、溶鋼の混合を抑制することができる。
【0009】そして、鋳型1内に溶鋼を供給する浸漬ノ
ズル2の吐出孔を、その直流磁界21により形成される
制動域5よりも、上方3と下方4のそれぞれに設けるこ
とにより、制動域5よりも上方3と下方4の溶鋼プール
のそれぞれに必要な溶鋼量を供給する。上方のノズル吐
出孔の役割は、ワイヤー14添加法により、上方プール
3内に添加した合金元素の溶鋼、および鋳片の表層6を
形成する上方溶鋼プール3内で均一に混合させるため
に、熱と運動エネルギーを供給することにある。
ズル2の吐出孔を、その直流磁界21により形成される
制動域5よりも、上方3と下方4のそれぞれに設けるこ
とにより、制動域5よりも上方3と下方4の溶鋼プール
のそれぞれに必要な溶鋼量を供給する。上方のノズル吐
出孔の役割は、ワイヤー14添加法により、上方プール
3内に添加した合金元素の溶鋼、および鋳片の表層6を
形成する上方溶鋼プール3内で均一に混合させるため
に、熱と運動エネルギーを供給することにある。
【0010】直流磁界21により形成される制動域5を
はさんで上方3および、下方4の溶鋼プールそれぞれに
必要量の溶鋼を供給するためには、ノズル設計が重要と
なる。ここで言う、上方3および下方4の溶鋼プールそ
れぞれに必要な溶鋼量とは、上方の溶鋼プール3、およ
び下方の溶鋼プール4をそれぞれで凝固する量に見合っ
た溶鋼量のことである。これは、直流磁界21の位置が
決まり、鋳造速度Vcが決まれば、一義的に決まること
ができる。このような要求を満足させるためには、上方
のノズル吐出孔直下のノズル内径R1 を上部の内径R0
よりも小さくすることにより、一部の溶鋼流を強制的に
水平方向に吐出させる。そして、ノズル内径を小さくす
る量λを調整することで、上部および下部のノズル吐出
孔から吐出する溶鋼量をマクロ的に制御することができ
(図3)、さらに、上部吐出孔径Dを調整することで上
部、および下部のノズル吐出孔から吐出させる溶鋼量を
調整することができる。
はさんで上方3および、下方4の溶鋼プールそれぞれに
必要量の溶鋼を供給するためには、ノズル設計が重要と
なる。ここで言う、上方3および下方4の溶鋼プールそ
れぞれに必要な溶鋼量とは、上方の溶鋼プール3、およ
び下方の溶鋼プール4をそれぞれで凝固する量に見合っ
た溶鋼量のことである。これは、直流磁界21の位置が
決まり、鋳造速度Vcが決まれば、一義的に決まること
ができる。このような要求を満足させるためには、上方
のノズル吐出孔直下のノズル内径R1 を上部の内径R0
よりも小さくすることにより、一部の溶鋼流を強制的に
水平方向に吐出させる。そして、ノズル内径を小さくす
る量λを調整することで、上部および下部のノズル吐出
孔から吐出する溶鋼量をマクロ的に制御することができ
(図3)、さらに、上部吐出孔径Dを調整することで上
部、および下部のノズル吐出孔から吐出させる溶鋼量を
調整することができる。
【0011】最終的には、直流磁界21により形成され
る制動域5よりも、上方の溶鋼プール3中に、ワイヤー
14添加法により、添加された合金元素の粒あるいは粉
13が上方のノズル吐出孔から吐出される溶鋼流により
溶解し、かつ上方の溶鋼プール3内で均一に混合させる
ことができる。そして、この浸漬ノズル2を用いること
で、上方3および下方4の溶鋼プールのそれぞれに必要
な溶鋼量を供給することができ、かつ、直流磁界21に
より上方3および下方4の溶鋼プールとの間の混合を抑
制することができる。その結果、鋳片表層6は内層7よ
りも、所定の合金元素の濃度が高い複層鋳片の製造が可
能となるのである。
る制動域5よりも、上方の溶鋼プール3中に、ワイヤー
14添加法により、添加された合金元素の粒あるいは粉
13が上方のノズル吐出孔から吐出される溶鋼流により
溶解し、かつ上方の溶鋼プール3内で均一に混合させる
ことができる。そして、この浸漬ノズル2を用いること
で、上方3および下方4の溶鋼プールのそれぞれに必要
な溶鋼量を供給することができ、かつ、直流磁界21に
より上方3および下方4の溶鋼プールとの間の混合を抑
制することができる。その結果、鋳片表層6は内層7よ
りも、所定の合金元素の濃度が高い複層鋳片の製造が可
能となるのである。
【0012】また、本発明で提案した浸漬ノズル2と直
流磁界21を用い、連鋳用パウダー10内に合金元素の
粉あるいは粒13を混入させ、連続的に鋳型1上方から
湯面全体に添加することで、上方溶鋼プール中の合金元
素濃度を、直流磁界21により形成される制動域5より
も下方の合金元素濃度と比較して高くすることもでき
る。その結果として、鋳片表層部6の合金元素濃度が鋳
片内層7の濃度に比べて高い鋳片を製造することも可能
である(図4)。
流磁界21を用い、連鋳用パウダー10内に合金元素の
粉あるいは粒13を混入させ、連続的に鋳型1上方から
湯面全体に添加することで、上方溶鋼プール中の合金元
素濃度を、直流磁界21により形成される制動域5より
も下方の合金元素濃度と比較して高くすることもでき
る。その結果として、鋳片表層部6の合金元素濃度が鋳
片内層7の濃度に比べて高い鋳片を製造することも可能
である(図4)。
【0013】
【実施例】鋳型1内のメニスカスから400mm下方に、
幅方向に均一な磁束密度分布を有する直流磁界21を鋳
片の厚み方向に印加する直流磁界発生装置20を設けた
連鋳プロセス(図1)において、下記に示す条件で鋳造
を行った。鋳型1内に溶鋼を供給する浸漬ノズル2のノ
ズル吐出孔位置は、上部が湯面レベルから20mm、下部
が湯面レベルから600mmとした。
幅方向に均一な磁束密度分布を有する直流磁界21を鋳
片の厚み方向に印加する直流磁界発生装置20を設けた
連鋳プロセス(図1)において、下記に示す条件で鋳造
を行った。鋳型1内に溶鋼を供給する浸漬ノズル2のノ
ズル吐出孔位置は、上部が湯面レベルから20mm、下部
が湯面レベルから600mmとした。
【0014】また、合金元素の粒あるいは粉13を包含
したワイヤー14は、外径13mm、被覆厚0.3mmの軟
鋼製のパイプ15中に、炭素粉を混入したものを、鋳型
1内の浸漬ノズル2をはさんで両サイドに連続的に供給
した。鋳造後、鋳片内の炭素濃度分布を調査した結果を
図2に示す。これより、鋳片表層6の炭素濃度が0.6
%で内層7の炭素濃度が0.2%であり、表層6の炭素
濃度が0.4%だけ内層7に比べて高くなっているこ
と、および鋳片幅方向に炭素の濃度が均一であることが
わかる。
したワイヤー14は、外径13mm、被覆厚0.3mmの軟
鋼製のパイプ15中に、炭素粉を混入したものを、鋳型
1内の浸漬ノズル2をはさんで両サイドに連続的に供給
した。鋳造後、鋳片内の炭素濃度分布を調査した結果を
図2に示す。これより、鋳片表層6の炭素濃度が0.6
%で内層7の炭素濃度が0.2%であり、表層6の炭素
濃度が0.4%だけ内層7に比べて高くなっているこ
と、および鋳片幅方向に炭素の濃度が均一であることが
わかる。
【0015】(鋳造条件) 鋳造幅 1.2m 鋳造厚 0.25m 鋳造速度 0.8m/分 磁束密度 0.3T(テスラ)
【0016】
【発明の効果】本発明によると、鋳型内で鋳片表層部の
合金元素濃度が鋳片内層の合金元素濃度よりも高く、か
つその濃度分布が鋳片幅方向に均一な複層鋳片を製造す
ることができる。また、ワイヤー内に充填する溶質元素
の種類や量を調整することで、鋳片の表層部と内層部で
鋼の組成の異なる様々な複層状の鋳片を製造することが
できる。さらに、ワイヤーを構成する鋼板の被覆厚、材
質およびワイヤーを鋳型内溶鋼プール中に供給する速度
を調整することで、鋳片の内層部に合金元素を添加する
ことも可能となる。このように、本発明は一種類の溶鋼
から鋳型内で簡易に複層状の連鋳鋳片を製造することを
可能とする。
合金元素濃度が鋳片内層の合金元素濃度よりも高く、か
つその濃度分布が鋳片幅方向に均一な複層鋳片を製造す
ることができる。また、ワイヤー内に充填する溶質元素
の種類や量を調整することで、鋳片の表層部と内層部で
鋼の組成の異なる様々な複層状の鋳片を製造することが
できる。さらに、ワイヤーを構成する鋼板の被覆厚、材
質およびワイヤーを鋳型内溶鋼プール中に供給する速度
を調整することで、鋳片の内層部に合金元素を添加する
ことも可能となる。このように、本発明は一種類の溶鋼
から鋳型内で簡易に複層状の連鋳鋳片を製造することを
可能とする。
【図1】本発明のワイヤー添加にて合金元素を添加する
場合の、鋳造中の状況を示したものであり、(a)は鋳
型上方からみた鋳造状況を、(b)は連鋳プール内の鉛
直断面での構造を、(c)は鋳片水平断面での合金元素
の濃度分布状況を、(d)は本発明に用いるワイヤーの
構造を、それぞれ示したものである。
場合の、鋳造中の状況を示したものであり、(a)は鋳
型上方からみた鋳造状況を、(b)は連鋳プール内の鉛
直断面での構造を、(c)は鋳片水平断面での合金元素
の濃度分布状況を、(d)は本発明に用いるワイヤーの
構造を、それぞれ示したものである。
【図2】鋳造した鋳片内の炭素濃度分布を調査した結果
を示したものであり、(a)は鋳片の幅方向中心におけ
る、鋳片厚み方向の炭素濃度の分布を、(b)は鋳片の
幅方向における炭素濃度の分布を、それぞれ示したもの
である。
を示したものであり、(a)は鋳片の幅方向中心におけ
る、鋳片厚み方向の炭素濃度の分布を、(b)は鋳片の
幅方向における炭素濃度の分布を、それぞれ示したもの
である。
【図3】本発明に用いる浸漬ノズルについて示したもの
である。(a)は上部ノズル吐出孔部の拡大図である。
(b)は鋳造速度と上方の溶鋼プール中に供給する注湯
量との関係と、また、鋳造速度と上部ノズル吐出孔直下
に設けるデッキ厚との関係を併せて示したものである。
である。(a)は上部ノズル吐出孔部の拡大図である。
(b)は鋳造速度と上方の溶鋼プール中に供給する注湯
量との関係と、また、鋳造速度と上部ノズル吐出孔直下
に設けるデッキ厚との関係を併せて示したものである。
【図4】合金元素の粒あるいは粉を連続鋳造用パウダー
内に含有させて、鋳型上方から湯面全体に添加する場合
の鋳造中の状況を示したものであり、(a)は鋳型上方
からみた鋳造状況を、(b)は連鋳プール内の鉛直断面
での構造を、(c)は鋳片水平断面での合金元素の濃度
分布状況を、それぞれ示したものである。
内に含有させて、鋳型上方から湯面全体に添加する場合
の鋳造中の状況を示したものであり、(a)は鋳型上方
からみた鋳造状況を、(b)は連鋳プール内の鉛直断面
での構造を、(c)は鋳片水平断面での合金元素の濃度
分布状況を、それぞれ示したものである。
1 鋳型 2 浸漬ノズル 3 上部溶鋼プール 4 下部溶鋼プール 5 制動域(=上部と下部溶鋼プールの遷移域) 6 鋳片の表層部 7 鋳片の内層部 8 濃度の遷移域 10 連続鋳造用パウダー 13 合金元素の粒あるいは粉 14 ワイヤー 15 パイプ 20 直流磁界発生装置 21 直流磁界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22D 11/10 350 B22D 11/10 350B 370 370D 41/50 520 41/50 520
Claims (2)
- 【請求項1】 所定の合金元素を包含したワイヤーを用
いるとともに、連続鋳造鋳型内の溶鋼メニスカスから鋳
造方向に一定距離下方の位置において、鋳片の厚みを横
切るように幅方向に均一な磁束密度分布を有する直流磁
界を印加しつつ、その直流磁界により形成される制動域
よりも上方および下方の溶鋼プールそれぞれに、ノズル
吐出孔を有する浸漬ノズルを用い、一定組成の溶鋼を注
入し、前述のワイヤーを通じて、該合金元素を制動域よ
りも上部の溶鋼プールに連続的に供給しながら連続鋳造
することにより、鋳片での所定の合金元素の濃度が、鋳
片内部に比べ、表層の濃度が高い鋳片を製造することを
特徴とする連鋳鋳片の製造方法。 - 【請求項2】 ノズル吐出孔を直流磁界により形成され
る制動域をはさんで、上下方向にある距離離れて設け、
それぞれのノズル吐出孔から必要注湯量を供給するよう
にし、上方のノズル吐出孔直下のノズル内径を上部の内
径よりも小さくすることにより、一部の溶鋼注湯流を強
制的に吐出させるとともに、該上方のノズル吐出孔径と
該ノズル吐出孔直下の内径を小さくする量を調整するこ
とで、上部および下部のノズル吐出孔から注湯する溶鋼
量を制御することを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6636295A JPH08257692A (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 連鋳鋳片の製造方法および連続鋳造用浸漬ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6636295A JPH08257692A (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 連鋳鋳片の製造方法および連続鋳造用浸漬ノズル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08257692A true JPH08257692A (ja) | 1996-10-08 |
Family
ID=13313673
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6636295A Withdrawn JPH08257692A (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 連鋳鋳片の製造方法および連続鋳造用浸漬ノズル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08257692A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2805483A1 (fr) * | 2000-02-29 | 2001-08-31 | Rotelec Sa | Equipement pour alimenter en metal en fusion une lingotiere de coulee continue, et son procede d'utilisation |
WO2001066282A1 (fr) * | 2000-03-09 | 2001-09-13 | Kawasaki Steel Corporation | Procede de production pour le coulage continu de billette fondue |
US6929055B2 (en) | 2000-02-29 | 2005-08-16 | Rotelec | Equipment for supplying molten metal to a continuous casting ingot mould |
CN105983670A (zh) * | 2015-01-28 | 2016-10-05 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种复合干预改善铸坯内部质量的方法 |
-
1995
- 1995-03-24 JP JP6636295A patent/JPH08257692A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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