JP2661797B2 - 複層鋳片鋳造方法 - Google Patents

複層鋳片鋳造方法

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昌文 瀬々
隆 澤井
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、鋼の連続鋳造において、鋳型内,あるいは
鋳型下方に設けた直流磁場帯によって上下に分離された
溶融プールのそれぞれに異なる組成の溶鋼を注入し、表
層と内層が異なる組成の鋼からなる複層鋳片の鋳造方法
に関する。
背景技術 従来本発明者らは、種々のタイプの直流磁界を用い、
連鋳のストランド・プールを上下に区分けして、その各
々に異なる組成の溶鋼を別々の浸漬ノズルによって注入
し、これら2鋼種の混合を最小にして、表層と内層が別
々の成分の鋼からなる複層鋳片の製造方法を提案し、実
施してきた。
たとえば、特開昭63−108947号公報では、鋳片を形成
する長辺の片側から他方へ向かう鋳片幅方向に均一な密
度を持った磁束帯を用いる技術、特開昭63−100549号公
報では、鋳片の引き抜き方向と平行な磁束帯を用いる技
術、さらに特開平4−309436号公報では、引き抜き方向
に対して垂直の鋳片断面において、その断面中心から断
面周辺にわき出るような、あるいはその逆の断面周辺か
ら断面中心に吸い込まれるような構成の直流磁界を用い
た製造方法をそれぞれ提案した。
しかしながらこれらのプロセスでは、原則として2種
類の溶鋼を転炉,電気炉,レードル,真空脱ガス装置等
の成分調整機能を持った溶鋼で溶製して、これらを別々
に連鋳機まで輸送したのち2台のタンディッシュにそれ
ぞれ注入し、さらに各々のタンディッシュに設けられた
浸漬ノズルを用いて、2種類の溶鋼をそれぞれ鋳型内の
上下溶鋼プールに供給し、連続鋳造工程を経て引き抜
き、複層鋳片を製造するものであった。
このように2種類の溶鋼を別々に溶製することは、単
層の連鋳鋳片を製造すべく構成され、種々の改善が行わ
れてきた製造工場においては大きな生産効率の低下を引
き起こすこともしばしばで、本プロセスの基本的な問題
として抜本的な改善を求められていた。
この問題に対しては、すでに特開昭63−108947号公報
の中で、成分を溶鋼プール中の溶鋼にワイヤー添加して
調整する方法を提案したが、この場合には必ずしも、均
一な組成にならないことがあった。
この問題を改善するために、特開平3−243245号公報
において、ワイヤーにて添加された溶質を電磁撹拌装置
によって撹拌,混合して、溶質濃度の均一化をはかる技
術が提案された。
ところが一般に、鋳型内の溶鋼湯面より溶質をそのま
まワイヤーにして、あるいは鉄などの金属によって被覆
されたワイヤーによって添加する場合には、第7図に示
すように何の手段も講じないと、鋳型1内のパウダー層
16,あるいはパウダー層16の溶融部分を通過する際に、
このパウダーの一部がワイヤー12Aに付着し、これが再
溶融したパウダー22となって溶鋼13A,15の溶鋼プール内
に引き込まれ、鋳片内部の欠陥に繋がることが予見され
た。なお21はワイヤーの周りに凝固したパウダー20の周
辺に付着した鋼の凝固層である。
第8図に示すように、ワイヤー12Aが溶鋼湯面に突入
する箇所に、耐火物製のガイド管23を用い、パウダー層
16がワイヤー12Aと直接接しないようにしてワイヤー12A
を添加する方法も考えられるが、実際にはその部分の温
度が低下して溶鋼ガイド管23の周囲に溶鋼が凝固、付着
し、操業に支障をきたすことも発生した。
さらに仮にこのパウダー層16の問題が解決したとして
も、ワイヤー12Aが溶解した後の成分濃度の均一化が十
分に図られない場合には、鋳片周方向でも、鋳片長さ方
向でも均質な複層鋳片を製造することはできない。
この問題に対処する手段として、前述のように特開平
3−243245号公報に示す電磁撹拌によって成分濃度の均
一化をはかることも不可能ではないが、直流磁界帯に影
響するような位置で撹拌する場合には、成分の分離がう
まくいかない事態も発生する。
一方、鋳型に注入する溶融金属に、注湯ノズル内にて
ワイヤー状の処理剤を添加する技術については特開昭51
−32432号公報に開示されているところである。
この技術は脱酸剤等をとりべから鋳型に流れる金属の
拘束流に添加するため、また添加処理剤の高融点酸化物
の不当な堆積による連続作業の阻害を防ぐために、ワイ
ヤー状の処理剤をストッパーロッドの中央貫通路に通し
てとりべのノズル内に供給する技術である。
そして、この技術ではワイヤー添加の際の溶融金属と
ワイヤー添加によって富化した溶質間の反応生成物や、
ノズル構成物質とワイヤー添加によって富化した溶質間
の反応生成物は、ノズル内を通過する溶融金属の流速が
大きいために、ノズル構成物質とこれらの反応生成物と
の接触時間が短く、これらの反応生成物のノズル壁面へ
の堆積は顕著でないとしている。
従って、この技術では溶融金属流が短いノズルの吐出
端から大気を通って鋳型液面へ流出落下のでワイヤー状
の処理剤と溶融金属流との該処理剤の溶解量及び溶解、
混合時間が制限され、該処理剤を多量にかつ溶解濃度を
均一にするように添加することができない。
発明の開示 本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、プロセス
に使用する溶鋼などの溶鋼金属の成分調整を簡易ならし
め、抜本的な製造コストの低減,および品質を向上を図
る複層鋳片の鋳造方法を提供することを目的とする。
更に本発明は外層,内層の構成成分の濃度分布が均一
でしかも中断なく連続して鋳造できる複層鋳片の鋳造方
法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は先ずタンディッシ
ュ下部に設けた短尺及び長尺ノズルにより鋳型とダミー
バーで構成した溶融金属プールに例えば溶鋼を注入し、
かつ、鋳型下部の、メニスカスから鋳造方向に向って一
定の距離に設けた磁石によって鋳片幅全体に亘って作用
する直流磁界帯を形成して上記溶鋼を上下に分断して連
鋳ストランドプールを形成する。従って各プールには短
尺ノズル及び長尺ノズルの各々の先端部が浸漬した状態
となる。
次いで一方又は双方の浸漬ノズル内に成分調整用合金
ワイヤーを添加し、該浸漬ノズル内で十分溶解し、混合
させて所定の濃度に調整する。
このように均一に濃度調整された溶鋼を各プール内に
吐出せしめ、続いて該溶鋼を急冷・凝固して表層と内層
がそれぞれの金属種から構成される均一濃度の複層鋳片
を鋳造する。
このように、本発明者は複層鋳片を鋳造するに当り、 (1) タンディッシュ内の溶鋼を一種類の成分とする
こと、 (2) 直流磁界帯を鋳型に設けて溶鋼を鋳型内で上下
のプールに分断すること、 (3) 各プールに溶鋼を注入するために長尺,短尺の
浸漬ノズルを使用すること、 (4) 複層成分とするための所望の添加合金を浸漬ノ
ズル内で十分に溶解,混合せしめて添加合金濃度の均一
化を図ること、 等が必要であり、更に、本発明を確実に実施するために (5) 浸漬ノズル内に不活性ガスを注入すること、 が重要である。
Arガスなどの不活性ガスをストッパー先端のワイヤー
の添加口、又はノズル壁上部からノズル内の溶融金属流
れに吹込み、流体内で微細に分散することによって浸漬
ノズル全長に亘ってノズル内部で溶解した物質と溶融金
属との反応生成物やそれらのノズル構成材料との相互反
応物質のノズル壁面への付着堆積を抑制し、ノズル内流
動抵抗の増加を防止するのである。
本発明のように、ノズル長さが長く、ノズル下部が溶
融金属に浸漬され、更にノズル先端において流路の方向
が変更しているような場合にはノズル全体の流動抵抗が
増加し、プールへの注湯の阻害が発生し易いので、浸漬
ノズル内に不活性ガスを吹込むことにより長時間の連鋳
操業において極めて大きな効果を奏する。
なお、本発明では各プールへの流量の調整を円滑に行
うために、同種の溶融金属を注入したタンディッシュを
2台配置し、それぞれのタンディッシュに短尺ノズル或
いは長尺ノズルを別々に設けてもよい。
この場合、異種金属を各タンディッシュに注入しても
勿論良く、そして更に成分調整を必要とするプールに連
通する浸漬ノズルに、添加合金ワイヤーを送り込むので
ある。
図面の簡単な説明 第1図は本発明の一実施例を示す部分断面全体概略図
である。
第2図は第1図の部分拡大断面図である。
第3図は本発明の他の実施例の主要部を示す断面概略
図である。
第4図は本発明の他の実施例の主要部を示す断面概略
図である。
第5図は本発明の他の実施例の主要部を示す断面概略
図である。
第6図は本発明の他の実施例の主要部を示す断面概略
図である。
第7図は従来例の主要部を示す断面概略図である。
第8図は他の従来例の主要部を示す断面概略図であ
る。
第9図は本発明における鋳片断面のTiの濃度分布を示
す図である。
第10図は従来例における鋳片断面のTiの濃度分布を示
す図である。
第11図はTi濃度を測定した位置を示す鋳片断面図であ
る。
発明を実施するための最良の形態 以下本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明を実施する装置の全体を概略的に示し
たもので、鋳型1の下部に磁石2を配設し、該磁石によ
って鋳造方向(A)に垂直な方向、即ち、鋳片の厚みを
横切る方向に直流磁束を付与して静磁場帯2Aを形成し、
鋳型内に上溶融金属プール1Aと下溶融金属プール1Bを構
成する。鋳型1の上部には例えば溶鋼13を貯溜するタン
ディッシュ3を配置し、該タンディッシュ底部に、上プ
ール1A内に開口する短尺浸漬ノズル4と下プール1B内に
開口する長尺浸漬ノズル5を設ける。
該図では上プール1に注入する溶鋼の成分を調整する
ために、添加合金ワイヤー12を短尺ノズル4内に送り込
む状態を示している。図中6は短尺ノズル4のタンディ
ッシュ・ストッパーで、第2図で詳細に示すように合金
ワイヤー12の貫通穴6Aを有し、かつタンディッシュ開口
部3Aを開閉する。ストッパー6の上部に不活性ガス封入
室8A、ラビリンスシール8Bなどで構成されたシール機構
8が設けられている。9は伸線用矯正機、10は合金ワイ
ヤー送出し装置、11はコイラーである。
又、第2図に示すように短尺ノズル4はタンディッシ
ュ開口部3Aにおいてタンディッシュ底部と一体になるよ
うに構成されており、必要により不活性ガス注入口18に
連結するポーラス耐火物17が設けられる。
以上の装置において、鋳型1とダミーバー(図示せ
ず)との間に溶鋼プールを形成したのちストッパーを開
放してタンディッシュ3内の溶鋼13を上記溶鋼プールに
注湯し、所定の湯溜り深さになったとき、静磁場帯2Aを
形成して上下溶鋼プール1A,1Bを構成し、しかる後に合
金ワイヤー12を短尺ノズル4内へ送り込む。合金ワイヤ
ー12は短尺ノズル4内で溶解,混合され、所定の濃度に
調整されて上プール1Aに吐出される。
このように上プール1A内で添加合金濃度調整溶鋼14、
即ち表層用溶湯を形成するには次の式(1)及び(2)
の関係を満す必要がある。
LN<L+LM ……(1) LN>(V×d)/2f ……(2) こゝで、合金ワイヤー12の平均溶解速度をf,該ワイヤ
ーの径をd,該ワイヤーの添加速度をVとし、タンディッ
シュ開口部を閉塞した状態でのストッパー6の先端から
鋳型内のメニスカス14Bまでの距離をLM,該ストッパー6
の先端から浸漬ノズル吐出孔4Aまでの距離をLN,メニス
カス16から直流磁界帯の中心位置2Bまでの距離をLとす
る。
なお、内層用溶湯13Aを注湯する長尺ノズル5の長
さ、即ち、ストッパー7の先端からノズル吐出孔5Aまで
の距離は静電磁帯中心位置2Bの距離Lより長ければよ
い。
以上のようにして溶鋼13を鋳型1に注湯すると上プー
ルにおける表層用溶湯14が凝固して凝固シエル14Aを形
成し、順次内層用溶湯13Aも凝固して凝固シエル13Bを形
成し、最終的には均一な濃度分布をもった外層14Aと内
層13Bからなる複層鋳片が鋳型から引抜かれる。
又、注湯ノズル内に吹込む不活性ガス、例えばArガス
の量は0.1〜15.0/分の範囲が望ましい。即ち、この
範囲で長時間安定した鋳造が可能となる。
第3図に示す実施例は第1図の装置において合金ワイ
ヤー12を長尺ノズル5内へストッパー7を介して送り込
み、添加合金の濃度を均一にした内層用溶湯15を形成
し、表層13Bと合金が添加された内層15Aからなる複層鋳
片を製造する例である。
第4図は合金ワイヤー12を短尺ノズル4に、合金ワイ
ヤー12Aを長尺ノズル5にそれぞれ、ストッパー6,7を介
して送り込み、添加合金の濃度を均一にした表層用溶湯
14と内層用溶湯15を形成し、それぞれに合金が添加され
た表層14Aと内層15Aからなる複層鋳片を製造する例を示
す。
第5図及び第6図はタンディッシュを溶鋼13aを貯溜
するタンディッシュ3Aと溶鋼13bを貯溜するタンディッ
シュ3Bに分離し、それぞれに短尺ノズル4と長尺ノズル
5を設けた例を示し、第5図は溶鋼13bに合金ワイヤー1
2を供給して内層用溶湯15を形成した例であり、第6図
は溶鋼13a及び13bに合金ワイヤー12,12Aを供給して表層
用溶湯14及び内層用溶湯15を形成した例である。勿論溶
鋼13aのみに合金ワイヤーを供給してもよい。
このように各層毎にタンディッシュを設けると、各溶
融金属プールへの溶湯の量をより効果的に調整すること
ができ、又各層に異種金属を注湯する場合にも好都合で
ある。
なお、第5図及び第6図の例においても、第1図の例
と同様にストッパー上端部の合金ワイヤー送入口やノズ
ル壁などから不活性ガスを溶湯に吹込み、溶湯中に微細
分散させることによって、ノズル内壁への付着物堆積を
少くするとともに、鋳片周方向,鋳造方向に均一な濃度
分布をもった複層鋳片を安定して鋳造することができ
る。
実施例 実施例1 第1図で示す如く、1台のタンディッシュに貯溜した
第1表に示す内層成分の溶鋼を長辺が1200mm,短辺が250
mmの連続鋳造機銅鋳型とダミーバーとで形成した溶鋼プ
ールに所定の深さまで注入し、鋳型内のメニスカス14B
から0.63m下方(距離L)に鋳片の幅方向に均一な5000
ガウスの磁束密度をもつ直流磁界を印加して直流磁界帯
2A(直流磁界中心位置2B)を形成し、上記プールを鋳造
方向に上部及び下部に分断した。
鋳片の表層の厚みDを25mmとするため、下記式(3)
から鋳片引抜き速度(鋳造速度)Vcを0.4m/分とした。
D=0.020×(L/Vc)1/2 ……(3) このような鋳造を行うため表層用の溶鋼流量を3.36kg
/秒,内層用の溶鋼流量を11.04kg/秒となるよう各スト
ッパーの開度を調整して流量を制御した。表層用溶鋼が
短尺浸漬ノズル4を通過する際、該ノズル内にAl含有量
70%のワイヤーを1.44g/秒の割合で添加した。この結
果、得られた鋳片のAl含有量は第1表に示すように0.03
2重量%となった。
又、Alワイヤーを添加する際、短尺ノズル内部にAgガ
スを0.5/分の速度で添加した。
かゝる複層鋳片は120分にわたって安定して鋳造され
たが、表層のAl濃度は鋳片周方向,鋳造長さ方向とも均
一であり、パウダーの巻込みも全く認められなかった。
実施例2 長辺が1500mm,短辺が200mmの連鋳鋳片を鋳造するため
の連鋳銅鋳型の下部に直流磁界を設置して、連鋳ストラ
ンド内の溶鋼プールを鋳造方向に上下2プールに分断
し、それぞれのプールに同一の極低炭素鋼をそれぞれの
長さの異なるノズルにて供給しつつ、凝固、引き抜きを
行った。ここで、各プールに注入する溶鋼は2台のタン
ディッシュに貯溜され、内層に相当する下部プールに溶
鋼を注入するノズルには第5図に示したような貫通孔と
シール機構をもったストッパー7によって、Ti合金を封
入したワイヤー(Ti含有量70%)を38.9g/秒の速度で添
加した。
直流磁界の中心位置2Bはメニスカス13Cから60cm下方
にあり、磁束の方向は鋳片の厚み方向で中心位置の磁束
密度は5500ガウスであった。1m/分の速度で鋳造しつ
つ、表層用の溶鋼を7.75kg/秒、内層用の溶鋼の注湯量
は27.25kg/秒になるようにストッパー6,7の開度を調整
し、制御した。この連鋳機の鋳型内部の凝固速度によ
り、直流磁界帯の中央に、上下プールの境界が位置し、
表層厚は20mmとなった。
ここで、ワイヤーを添加するノズルのストッパー先端
からワイヤーとともにArガスを1/分の量添加した。
鋳造は120分にわたって安定して行われ、全ての溶鋼を
完全に鋳造した。
このようにして鋳造された鋳片内層のTiの鋳片周方向
濃度分布は第9図に示すように0.1%と、上記鋳造条件
から推定される濃度と一致し、また、長さ方向で一定で
あった。
なお、第11図は鋳片断面におけるTiの濃度分布を測定
した箇所を示す。
実施例3 Arガスを添加しない以外は、実施例−2と同等の条件
で鋳造を行った。その結果、鋳造開始後約55分でTiワイ
ヤーを添加している内層ノズルの溶鋼供給量が低下し、
所定の27.25kg/秒を維持することが困難になった。その
ため上プールと下プール間で混合が発生し、内層のTi濃
度は鋳造開始後約55分までで得られた鋳片内層の均一Ti
濃度の0.1%から0.03〜0.21%までばらつくこととな
り、また鋳造開始後80分には内層用の溶鋼供給ができな
くなり、構造を中断した。鋳造終了後、ノズルの内部を
調査したところ、ノズルの耐火物とTiが反応した生成物
がノズル壁面に付着、堆積しているのが観察された。
比較例1 実施例−2と同等の条件で鋳造を行った。ただし、ワ
イヤーは第7図に示すようにストッパーを通さず鋳型内
パウダー層から内層プールに向けて添加した。ここで、
ワイヤーは鉄で被覆されており内層で初めて溶解するよ
うに調整されたものである。
鋳造は安定して行われ、完鋳したものの、鋳造後の鋳
片を調査したところ、第10図に示すように鋳片周方向で
大幅に内層Ti濃度のばらつきが測定された。
また、鋳片内部にはワイヤー添加の際にメニスカスに
て巻き込まれたと思われるパウダーが多量検出された。
Ti濃度測定位置は第11図に示すとおりであり、又ワイ
ヤー添加位置は図中24で示す所であった。
産業上の利用可能性 以上詳述したごとく、本発明は複層鋳片を連続鋳造す
るに当たり、予め2種類の組成の溶鋼を溶製することな
く、同種類のベースとなる組成の溶鋼を溶製し、内層あ
るいは表層、もしくは両方の溶鋼がタンディッシュから
鋳型内に注入される際に、タンディッシュのストッパー
からワイヤーを添加して浸漬ノズル内でこれを溶解,均
一混合して所定の溶鋼プール内に注入することによっ
て、目的とする溶鋼成分に容易に調整することが可能と
なり、かつパウダーの巻き込みもなくなり、安定して長
時間鋳造することができるので、複層鋳片の製造コスト
の低減,および鋳片品質の向上を図ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−212052(JP,A) 特開 平4−75750(JP,A) 特公 平3−20295(JP,B2) 特公 昭59−46698(JP,B2)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続鋳造鋳型内、もしくは鋳型下方に設け
    た直流磁界帯によって上下に分断される溶融金属プール
    の各々に溶融金属を供給して、表層と内層から成る複層
    鋳片を製造する複層鋳片鋳造方法において、 前記鋳型の上方に配設した連鋳タンディッシュに短尺浸
    漬ノズルと長尺浸漬ノズルを設け、前記短尺浸漬ノズル
    を経由して上溶融金属プール内に溶融金属を供給し、か
    つ、前記長尺浸漬ノズルを経由して下溶融金属プール内
    に溶融金属を供給するに際し、上記連鋳タンディッシュ
    の2個の溶融金属吐出孔に着脱自在に設けたタンディッ
    シュ・ストッパーのいずれか一方のストッパーの中央部
    に貫通孔を設け、該貫通孔に合金ワイヤーを挿入して該
    合金ワイヤーを前記浸漬ノズル内で溶解させて目的とす
    る組成の溶融金属を一方の溶融金属プールで製造し、か
    つ他方のタンディッシュの溶融金属吐出孔から溶融金属
    を浸漬ノズルを経由して他方の溶融金属プールに供給す
    ることにより複層鋳片を製造することを特徴とする複層
    鋳片製造方法。
  2. 【請求項2】前記タンディッシュストッパーの両方の中
    央部に貫通孔を設け、該貫通孔に添加すべき2種類の合
    金ワイヤーを各々挿入して各浸漬ノズル内で溶解させて
    目的とする組成の溶融金属を各溶融金属プールで製造す
    る請求の範囲1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記合金ワイヤーを挿入する浸漬ノズル内
    に不活性ガスを供給する請求の範囲1又は2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】連続鋳造鋳型内、もしくは鋳型下方に設け
    た直流磁界帯によって上下に分断される溶融金属プール
    の各々に溶融金属を供給して、表層と内層とから成る複
    層鋳片を製造する複層鋳片製造方法において、 前記鋳型の上方に配設した2台の連鋳タンディッシュに
    同種類の組成の溶融金属をそれぞれのタンディッシュに
    分注し、一方のタンディッシュから短尺浸漬ノズルを経
    由して上溶融金属プール内に溶融金属を供給し、又他方
    のタンディッシュから長尺浸漬ノズルを経由して下溶融
    金属プール内に溶融金属を供給するに際し、上記2台の
    連鋳タンディッシュの溶融金属吐出孔に着脱自在に設け
    たタンディッシュ・ストッパーのいずれか一方のストッ
    パーの中央部に貫通孔を設け、該貫通孔に合金ワイヤー
    を挿入して該合金ワイヤーを前記浸漬ノズル内で溶解さ
    せて目的とする組成の溶融金属を一方の溶融金属プール
    で製造し、かつ他方のタンディッシュの溶融金属吐出孔
    から溶融金属を浸漬ノズルを経由して他方の溶融金属プ
    ールに供給することにより複層鋳片を製造することを特
    徴とする複層鋳片鋳造方法。
  5. 【請求項5】前記2台の連鋳タンディッシュに異種類の
    組成の溶融金属を分注する請求の範囲4記載の方法。
  6. 【請求項6】前記連鋳タンディッシュを2台配置して各
    タンディッシュに異種の組成の溶融金属を分注し、かつ
    各連鋳タンディッシュに設けたタンディッシュストッパ
    ーの両方の中央部に貫通孔を設け、該貫通孔に添加すべ
    き2種類の合金ワイヤーを各々挿入して各浸漬ノズル内
    で溶解させて目的とする組成の溶融金属を各溶融金属プ
    ールで製造する請求の範囲4記載の方法。
  7. 【請求項7】前記合金ワイヤーを挿入する浸漬ノズル内
    に不活性ガスを供給する請求の範囲4,5又は6記載の方
    法。
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