JPH0728973B2 - 自動糸調子ミシンの天秤装置 - Google Patents

自動糸調子ミシンの天秤装置

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JPH0728973B2
JPH0728973B2 JP13574487A JP13574487A JPH0728973B2 JP H0728973 B2 JPH0728973 B2 JP H0728973B2 JP 13574487 A JP13574487 A JP 13574487A JP 13574487 A JP13574487 A JP 13574487A JP H0728973 B2 JPH0728973 B2 JP H0728973B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は上糸を拘束及び解放する糸通過制御装置を備え
た自動糸調子ミシンの天秤装置に関し、特に天秤装置を
リンク天秤とそのリンク天秤の揺動枢支端を揺動させる
リンク機構とで構成し、リンク天秤の糸保持部を所定期
間に亙って最上位置に保持し得るようにした自動糸調子
ミシンの天秤装置に関する。
〔従来技術〕
一般に、ミシンの主軸と調時して上下運動する天秤は、
下降するときに縫糸による縫製のための上糸を下糸ボビ
ンへ供給し、また上昇するときに縫製工程で縫針の目孔
に形成された上糸輪を引き締め且つつぎの縫製のために
上糸を糸駒から所定量補充する役割を果たしている。
前記糸駒から天秤の糸保持部に至る糸供給路の部分に
は、上糸輪の引き締めを可能にするために上糸に通過抵
抗を与える糸調子器を介装するのが一般的である。この
糸調子器は、1対の糸調子皿を圧縮バネで圧接させ、そ
の1対の糸調子皿間を通る上糸に摩擦抵抗を作用させる
機構になっている。
しかし、この種の糸調子器では、糸調子器以降の上糸に
作用する張力と糸調子器での抵抗力との相互関係で上糸
が供給されることから、上糸の引き締め力や上糸の供給
量を正確に制御することが難しく、加工布の厚さや種類
(つまり、これらに対応して選択される上糸の太さや種
類)に応じて縫目の糸調子を制御することが困難であ
る。
そこで、近年例えば特公昭53−41580号公報には、前記
スプリング式の糸調子器に代えて、1対の糸調子皿をソ
レノイド式アクチュエータで圧接させるように構成し、
ミシン主軸の回転に調時させてアクチュエータを駆動さ
せることにより所定のタイミングで所定期間だけ上糸の
通過を許可し、それ以外の時期には上糸の通過を制限す
るようにした電気式糸通過制御装置が記載されている。
しかし、前記公報に記載の糸通過制御装置においては、
加工布の厚さや種類つまり上糸の太さに関係なくミシン
主軸と同期させて糸通過を制御するだけであり、また糸
通過を解放するときの作動速度及び糸通過を拘束すると
きの作動速度はミシン主軸の回転速度とは独立に設定し
てある。従って、糸の太さや種類に関係なく、一律に上
糸の引き締め及び供給が実行されるので、縫目の糸調子
が不安定になる。
更に、ミシン主軸の回転速度が変動すると上糸の供給量
も微妙に変化するので、縫製の速度によっても糸調子が
変動する。
そこで本願出願人は次のような糸通過制御可能なミシン
(特願昭61−251333号)を提案した。
即ち、揺動レバーの上端部に天秤を形成し、天秤を針棒
最上位置の時点後主軸が約40度回転したときから縫針の
目孔が針板の上面に達するまで最上位置に保持するよう
に揺動レバーを回転カムで駆動するカム式天秤機構を設
け、更に糸駒から天秤の糸保持部を経て縫針の目孔に至
る上糸供給路のうち、糸駒から天秤の糸保持部に至る上
糸を主軸の運動と調時して拘束したり解放したりする糸
通過制御装置を設けた。
上記揺動レバーには円弧孔とその円弧孔の両端部の直孔
とから形成されるカム孔を設け、そのカム孔には天秤ク
ランクのクランクピンを挿通させ、主軸を回転させるこ
とにより、クランクピンが円弧孔を移動する約75度に亙
って天秤が最上位置に保持されるようにしている。
また、糸通過制御装置においては、1対の係合体として
の機枠側の糸道規制板と可動輪とを設け、主軸に設けた
回転カムによりリンク機構を介して可動輪を主軸の回転
と調時させて糸道規制板に対して接近したり離隔したり
するように駆動し、天秤が最上位置へ上昇する上糸の引
き締め時には可動輪で上糸を拘束し、上糸の引き締め完
了後布送り完了前に上糸の拘束を解放して必要量の上糸
を糸駒から供給し、その後縫針の目孔が針板に達する前
に可動輪で上糸を拘束するように構成してある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記先の出願に係るカム式天秤機構を備えた糸通過制御
可能なミシンにおいては、円弧孔と直孔とからなる複雑
な形状のカム孔を形成した揺動レバーを、主軸の回転に
よりそのカム孔に挿通した天秤クランクのクランクピン
で上下運動させるときに、クランクピンが直孔から円弧
孔に移るときつまり揺動レバーの上昇運動を停止させる
ときや、クランクピンが円弧孔から直孔に移るときつま
り揺動レバーの下降運動を開始させるときには、揺動レ
バーを異なる運動曲線で急激に停止及び上下駆動させる
ことになる。特に主軸の回転が高速のときにはクランク
ピンが高速でカム孔を往復移動するので、クランクピン
やカム孔などが摩耗し耐久性に欠けること、クランクピ
ンがカム孔との衝突音で騒音が発生することなどの問題
がある。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上糸を拘束及び解放する糸通過制御装
置を備え、天秤装置をリンク天秤とそのリンク天秤の揺
動枢支端を揺動させるリンク機構とで構成し、静粛で耐
久性のある自動糸調子ミシンの天秤装置を提供すること
にある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明に係る自動糸調子ミシンの天秤装置は、糸供給源
から縫針に至る上糸の途中部を保持し、ミシン主軸の回
転と調時して最下位置と最上位置とに亙って駆動される
天秤装置と、糸供給源から糸保持部を経て縫針に至る上
糸のうち糸供給源から糸保持部に至る上糸をミシン主軸
の回転と調時して拘束及び解放する糸通過制御装置とを
備えた自動糸調子ミシンにおいて、前記天秤装置は、一
端に糸保持部がまた他端に揺動枢支端が夫々設けられ、
途中部がミシン主軸の天秤クランクの偏心クランクピン
にリンク部材を介して連結されたリンク天秤と、ミシン
主軸に設けた偏心カムに連結され、リンク天秤の揺動枢
支端を揺動させることにより、リンク天秤の糸保持部を
所定の期間に亙って最上位置に保持するリンク機構とで
構成したものである。
なお、必要に応じて前記リンク機構は、ミシン主軸の偏
心カムに連結された第1リンク部材と、両端が第1リン
ク部材の先端部とリンク天秤の揺動枢支端に夫々連結さ
れ、途中部が機枠に回動自在に連結された第2リンク部
材とで構成してもよい。
〔作用〕
本発明に係る自動糸調子ミシンの天秤装置においては、
糸供給源から縫針に至る上糸の途中部を保持するリンク
天秤の一端の糸保持部は、ミシン主軸の回転によりその
他端の揺動枢支端を回転中心として、その途中部がミシ
ン主軸の天秤クランクの偏心クランクピンにリンク部材
を介して駆動されるので、ミシン主軸の回転に調時して
最下位置と最上位置とに亙って駆動される。
リンク天秤の糸保持部が最上位置に移動すると、このリ
ンク天秤の揺動枢支端はミシン主軸の偏心カムに連結さ
れたリンク機構によって揺動される。その結果、リンク
天秤の糸保持部は所定の期間に亙って最上位置に保持さ
れる。
一方、糸供給源から糸保持部を経て縫針に至る上糸のう
ち糸供給源から糸保持部に至る上糸は糸通過制御装置に
よりミシン主軸の回転と調時して拘束及び解放される。
即ち、リンク天秤が所定の期間に亙って最上位置に保持
されているときに、糸通過制御装置により上糸が解放さ
れて布送り運動に連動して上糸は必要量だけ糸供給源か
ら繰り出された後拘束されるので安定した糸調子にな
る。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明に係る自動糸調子ミシンの
天秤装置によれば、上糸を糸保持部で保持し乍ら最下位
置と最上位置とに亙って駆動されるリンク天秤とリンク
天秤の揺動枢支端を揺動させて糸保持部を所定期間に亙
って最上位置に保持するリンク機構とで天秤装置を構成
したので、リンク天秤はミシン主軸の高速回転に対して
も最上位置と最下位置とに亙って滑らかに駆動される。
つまり、リンク天秤の糸保持部をリンク機構で所定期間
に亙って最上位置に保持させるようにしたので、リンク
天秤は上昇動作、保持動作(停止動作)及び下降動作の
各動作(異なる運動曲線)に対して滑らかに動作するこ
とができる。
その結果、主軸の高速回転に対してもリンク天秤は静粛
で且つ耐久性に優れたものとすることができる。
更に、糸通過制御装置と協動させることにより、リンク
天秤の糸保持部が最上位置に保持されているときに必要
量の上糸が繰り出され、安定した糸調子となる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について図面に基いて説明する。
第1図は、本発明を適応した電子制御式本縫ミシンを示
すもので、この本縫ミシンMにおいてベッド部2の右端
部には脚柱部4が立設され、この脚柱部4の上端から左
方に延びるアーム部6はベッド部2の上方に対向するよ
うに水平に配設され、このアーム部6の左端部には頭部
8が設けられている。この頭部8には針棒10及び押え棒
18が装着され、この針棒10とその下端の縫針12とは後述
のようにミシン主軸28により上下に駆動されると共に図
示外の揺動機構により左右に揺動駆動される。押え棒18
とその下端の押え足20とは図示外の操作体の操作により
ミシン主軸の回転と調時して昇降される。
前記ベッド部2には針板22が設けられると共に針板22を
貫いてベッド部2の上面に現れる送り歯23が設けられ、
針棒10とベッド部2内の下糸ボビンを収容した水平釜と
布送り機構の送り歯23との協働により加工布に所定の縫
目が形成されることになる。前記水平釜及び布送り機構
は既存の一般的な構成のものと同様なので詳しい説明は
省略する。
第2図〜第3図は、前記ミシンMの頭部8及びその付近
のアーム部6内に設けられた内部機構を示すものであ
る。
図示のように、前記針棒10の下端には縫針12が取付けら
れ、針棒10は針棒支持体24に上下動自在に装着され、針
棒支持体24の上端部は機枠にピン26を介して枢着され、
これにより針棒10は針棒支持体24と共にピン26を中心と
して左右に揺動可能であり、針棒10は針棒支持体24に対
して主軸28及び針棒クランク30により上下に駆動される
ようになっている。
前記押え棒18の下端部には押え足20が着脱可能に取付け
られ、この押え棒18は図示外の機構により機枠に装着さ
れ、上昇位置と下降位置とに亙って往復駆動され、下降
位置にあるときには押え足20で加工布を針板22に押圧す
るようになっている。
次に、天秤装置32について第2図〜第4図により説明す
る。
前記ミシン主軸28はブッシュメタルなどを介して機枠に
回動自在に装着され、このミシン主軸28の左端部には天
秤クランク34が固着されている。
天秤装置32を構成する部材のうちのリンク天秤36は、そ
の一端に糸保持部36aが設けられ、その途中部36bにはリ
ンク部材38の先端部が枢支ピン40を介して回動自在に装
着され、リンク部材38の基端部は天秤クランク34のクラ
ンクピン42に回動自在に装着されている。
天秤装置32のリンク機構44は、ミシン主軸28の偏心カム
58とその偏心カム58に回動自在に外装されたカムリング
部材52とを介してミシン主軸28に連結されカムリング部
材52と一体のレバー部材52aと、入力リンク46と、枢支
軸50と、出力リンク48とから構成されている。
枢支軸50はミシン主軸28の斜め下の後方でミシン主軸28
と平行に配設され、この枢支軸50は機枠に回動自在に装
着されている。天秤クランク34の右方に位置する枢支軸
50の右端部には入力リンク46の一端部が固着され、その
左端部には出力リンク48の一端部が固着され、この出力
リンク48はリンク天秤36の右端面側に近接して配設され
ている。
前記入力リンク46と出力リンク48とは約145度の開角を
なしており、入力リンク46の他端部はカムリング部材52
のレバー部52aにピン54を介して回動自在に連結され、
出力リンク48の他端部はリンク天秤36の揺動枢支端36c
にピン56を介して回動自在に連結されている。
前記カムリング部材52はミシン主軸28に固着された円形
の偏心カム58に回動自在に外嵌されており、この偏心カ
ム58の中心はミシン主軸28の中心を基準としてクランク
ピン42の中心に対して約155度進み且つミシン主軸28の
中心から所定距離隔てた位置にある。
前記針棒10を上下駆動させる針棒クランク30はその下端
部が針棒10の中段部に連結され、その上部のリング部30
aは天秤クランク34の右端面側に固着された偏心カム60
に回動自在に外嵌されており、この偏心カム60の中心は
ミシン主軸28の中心より所定距離偏心している。
天秤装置32は、リンク天秤36とリンク機構44とで構成さ
れているので、主軸28の回転位相角をパラメータとする
リンク天秤36の運動によって得られる天秤装置は第9図
の曲線MAのようになり、針棒10の下端に取付けられた縫
針12の運動は第9図の曲線MBのようになり、布送り機構
の送り歯23の水平方向送り運動は第9図の折線MDのよう
になる。尚、第9図の位相角は針棒10が最上位置にある
時点が0度である。
リンク天秤36の糸保持部36aは、布送りの開始後主軸28
が約30度回転した時から縫針12の目孔が針板22の上面に
達する時まで最上位置に保持される。従って、布送りの
初期の段階を除き布送りが実質的に実行される期間には
リンク天秤36の糸保持部36aが最上位置に保持されてい
る。但し、リンク天秤36を布送りの開始の時から最上位
置に位置するように構成してもよい。何れにしても、本
実施例における天秤装置32はリンク機構を介して駆動す
るので部材同士衝突することがなく円滑且つ静粛に作動
する。
次に糸通過制御機構について第2図〜第3図・第5図〜
第7図・第9図により説明する。
前記針棒クランク30の直ぐ左側には機枠の一部である板
部材62が主軸28と直交状に設けられている。第2図・第
3図に示すように主軸28よりも少し前方の位置で、板部
材62の左側部には上糸14に通過抵抗を与え得るプリテン
ション装置64が必要に応じて設けられる。
このプリテンション装置64は1対の糸調子皿64aの間に
上糸14を通過させ、ダイヤルを回動操作することにより
スプリング力を調整して糸通過抵抗を調節し得るように
したものであり、このプリテンション装置64は省略して
もよい。
更に、糸駒16からリンク天秤36の糸保持部36aを経て縫
針12の目孔に至る上糸供給路のうち、糸駒16からリンク
天秤36の糸保持部36aに至る上糸14を主軸28の運動と調
時して拘束したり解放したりすることができるように、
ガイド部材66及びクランプ部材68の接近・離隔を介して
上糸14の通過を制御する糸通過制御装置70が次のように
設けられている。
前記プリテンション装置64の下方位置で板部材62の左側
から針棒クランク30の下方にわたって主軸28と平行にス
リーブ72が配設され、このスリーブ72は機枠の支持部に
回動自在に装着されている。上記スリーブ72には軸部材
74が回動自在に内嵌され、この軸部材74の左端部と右端
部とはスリーブ72より外方に突出して設けられている。
前記軸部材74の左端部にはクランプ部材68の後端部が固
着され、クランプ部材68の前端部には可動輪76が取付け
られている。
一方、スリーブ72の左端部にはガイド部材66が固着さ
れ、このガイド部材66は上糸14を案内する下方開放円弧
状のガイド部66aを有し、ガイド部材66は可動輪76に上
方より当接してガイド部材66と可動輪76との間に上糸14
を挟持拘束し得るように配設されている。
第2図・第7図に示すように、可動輪76の周面には環状
のV溝76aが形成され、ガイド部材66の規制部66bは可動
輪76の上半部のV溝76aに上方から係合するように断面
U形の突曲面状に形成されている。
前記プリテンション装置64を通過して来た上糸14はガイ
ド部材66の規制部66bで屈曲してリンク天秤36の糸保持
部36aを経由して縫針12へ延びている。
そして、前記規制部66bで屈曲する上糸14は規制部66bと
V溝76aとの間に2箇所で点接触状に挟持され、強力に
拘束されることになる。
主軸28の回転に調時して可動輪76を上下に駆動し上糸14
の解放と拘束とを所定のタイミンで実行させるため、ス
リーブ72の右端位置に対応する主軸28には第1カム78が
固着され、スリーブ72に固着された第1レバー80が第1
カム78に後方斜め下方から押圧するようにバネ82で前方
へ弾性付勢されている。
そして、主軸28が回転すると第1レバー80は第1カム78
のカム面78aでバネ力に抗して下方に押動され、スリー
ブ72が回動し、ガイド部材66が上方へ揺動して可動輪76
から離れ、上糸14が拘束状態から解放される。また第1
レバー80がカム面78aを通過すると第1レバー80はバネ8
2の弾性力で回動しガイド部材66の規制部66bが可動輪76
に当接し、上糸14が規制部66bと可動輪76との間に挟持
拘束される。このように夫々所定のタイミングで上糸14
の解放と拘束とが実行されることになる。このように、
上糸14を解放したり拘束したりするタイミングは第9図
の曲線MCに示してある。
ところで、第9図から判るように、この装置においては
リンク天秤36の糸保持部36aが最上位置に停止した後下
降し始めるため、縫針12が針板22よりも下方に移動して
から水平釜(図示略)の剣先で上糸輪を形成する約95度
に亙って、水平釜の必要とする釜糸量がリンク天秤36の
下降による上糸14の供給量よりも斜線で示す部分におい
て不足する。その上糸不足分を補うために次のように構
成されている。
前記軸部材74の右端部に対応する主軸28には第2カム84
が固着され、軸部材74に固着された第2レバー86が第2
カム84に後方斜め下方から押圧するようにバネ88で前方
へ弾性付勢されている。
そして、主軸28が回転すると第1レバー80が第1カム78
のカム面78bにより下方に揺動されるのと同期して、第
2レバー86も第2カム84のカム面84aにより第1レバー8
0と同量分下方に揺動されるので、ガイド部材66とクラ
ンプ部材68とは同期して上方に揺動される。
即ち、ガイド部材66とクランプ部材68とで上糸14を拘束
する拘束点Pの上方への移動量を曲線MEで示すように、
拘束点Pの移動に伴い拘束点Pから縫針12の目孔に至る
上糸14は短くなり、その短くなった上糸量分が釜糸量に
加算され、斜線で示す糸不足分が補足される。
第9図から判るように、リンク天秤36が最下位置から最
上位置まで上昇していく上糸14の引き締め時には糸通過
制御装置70により上糸14が拘束されるので上糸14の引き
締めが確実に実行される。リンク天秤36が最上位置に達
し上糸14の引き締めが完了したときには布送りと連動し
て上糸14を供給するため糸通過制御装置70による拘束が
解除され必要量の上糸14が糸駒16からリンク天秤36の方
へ供給される。このように上糸14の拘束を解除した状態
で布送り及び針振りが完了し、縫針12が針板22に達す時
期までには上糸14が再び拘束され、このように上糸14を
拘束した状態で縫動作が実行され、拘束点Pの移動を伴
って上糸輪が確実に下糸ボビン側に形成される。
また、第9図の曲線MCに示すように、拘束特性から、細
い上糸14の場合には、点F1の時点で解放されまた点C1
時点で拘束されるのに対して、太い上糸14の場合には点
F1よりも遅い点F2で解放されまた点C1よりも早い点C2
拘束される。従って、細い上糸14ではそれに適した弱い
張力で上糸14が引き締められ、また太い上糸14ではそれ
に適した強い張力で上糸14が引き締められることにな
る。
以上説明したように、天秤装置32を、最下位置と最上位
置とに亙って駆動されるリンク天秤36とリンク天秤36の
揺動枢支端36cを揺動させて糸保持部36aを所定期間に亙
って最上位置に保持するリンク機構44とで構成したの
で、リンク天秤36はミシン主軸28の高速回転に対しても
上昇動作、保持動作(停止動作)及び下降動作の各動作
において滑らかに動作する。その結果、リンク天秤36は
静粛で且つその耐久性を向上させることができる。
更に、糸通過制御装置70と協働させることにより、リン
ク天秤36が最上位置に保持さているときに必要量の上糸
14が繰り出され、安定した糸調子となる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示すもので、第1図はミシンの
概略斜視図、第2図はミシンのアーム部と頭部内に組込
まれた内部機構の側面図、第3図は前記内部機構の正面
図、第4図は第3図IV−IV線断面図、第5図は第3図V
−V線断面図、第6図は第3図VI−VI線断面図、第7図
は第2図VII−VII線断面図、第8図は第3図VIII−VIII
線断面図、第9図は前記ミシンの各機構の動作を示すタ
イムチャートである。 M……ミシン、10……針棒、12……縫針、14……上糸、
16……糸駒、28……ミシン主軸、32……天秤装置、34…
…天秤クランク、36……リンク天秤、36a……糸保持
部、36b……途中部、36c……揺動枢支端、38……リンク
部材、42……クランクピン、44……リンク機構、46……
入力リンク、48……出力リンク、50……枢支軸、52……
カムリング部材、52a……レバー部、58……偏心カム、6
6……ガイド部材、68……クランプ部材、70……糸通過
制御装置、74……軸部材、76……可動輪、78……第1カ
ム、80……第1レバー、84……第2カム。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸供給源から縫針に至る上糸の途中部を保
    持し、ミシン主軸の回転と調時して最下位置と最上位置
    とに亙って駆動される天秤装置と、糸供給源から糸保持
    部を経て縫針に至る上糸のうち糸供給源から糸保持部に
    至る上糸をミシン主軸の回転と調時して拘束及び解放す
    る糸通過制御装置とを備えた自動糸調子ミシンにおい
    て、 前記天秤装置は、一端に糸保持部がまた他端に揺動枢支
    端が夫々設けられ、途中部がミシン主軸の天秤クランク
    の偏心クランクピンにリンク部材を介して連結されたリ
    ンク天秤と、 ミシン主軸に設けた偏心カムに連結され、リンク天秤の
    揺動枢支端を揺動させることにより、リンク天秤の糸保
    持部を所定の期間に亙って最上位置に保持するリンク機
    構とから構成されていることを特徴とする自動糸調子ミ
    シンの天秤装置。
  2. 【請求項2】前記リンク機構は、ミシン主軸の偏心カム
    に連結された第1リンク部材と、両端が第1リンク部材
    の先端部とリンク天秤の揺動枢支端に夫々連結され、途
    中部が機枠に回動自在に連結された第2リンク部材とで
    構成されている特許請求の範囲第1項に記載の自動糸調
    子ミシンの天秤装置。
JP13574487A 1987-05-29 1987-05-29 自動糸調子ミシンの天秤装置 Expired - Lifetime JPH0728973B2 (ja)

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