JPH07289548A - 超音波ドプラ血流計 - Google Patents

超音波ドプラ血流計

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JPH07289548A
JPH07289548A JP10741394A JP10741394A JPH07289548A JP H07289548 A JPH07289548 A JP H07289548A JP 10741394 A JP10741394 A JP 10741394A JP 10741394 A JP10741394 A JP 10741394A JP H07289548 A JPH07289548 A JP H07289548A
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JP
Japan
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blood flow
circuit
organ
motion
image
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JP10741394A
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Satoshi Tamano
野 聡 玉
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 血流存在部位以外の部位において呼吸や心臓
の拍動に伴う生体臓器の動きによって生じたドプラアー
チファクト像を表示しないようにする。 【構成】 A/D変換器4の出力側に設けられた臓器運
動速度演算回路11により上記A/D変換器4からのド
プラ信号を用いて生体臓器の運動速度情報を演算し、こ
の臓器運動速度演算回路11の出力側に設けられた臓器
運動有無判別回路12で血流速度演算回路6からの血流
速度情報D1及び臓器運動速度演算回路11からの運動
速度情報D2を入力しそのうち一つ又は複数の諸元を用
いて生体臓器の運動の有無を判別して血流像表示回路系
7に血流速度情報の送出を切り換えるものである。これ
により、生体臓器の運動がないと判別したときは血流速
度情報D1を血流像表示回路系7に送出し、生体臓器の
運動が有ると判別したときは血流速度情報D1を血流像
表示回路系7に送出しないように切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波を利用して被検
体の診断部位について断層像を得ると共に超音波のドプ
ラ効果を利用して上記診断部位の血流像を得てそれらを
二次元に表示する超音波ドプラ血流計に関し、特に血流
存在部位以外の部位において呼吸や心臓の拍動に伴う生
体臓器の動きによって生じたドプラアーチファクト像を
表示しないようにすることができる超音波ドプラ血流計
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の超音波ドプラ血流計は、
図5に示すように、被検体内へ超音波を送受信する探触
子1と、この探触子1を駆動して超音波を送信すると共
に受信した反射エコーの信号を処理する超音波送受信部
2と、この超音波送受信部2で処理された受信信号から
被検体内の動きにより生ずるドプラ偏移を受けた信号を
抽出する復調回路3と、この復調回路3からのドプラ信
号をディジタル化するA/D変換器4と、このA/D変
換器4からのドプラ信号から生体臓器の動きにより生じ
た低速度のドプラ偏移成分を除去するフィルタ回路5
と、このフィルタ回路5からの出力信号を用い血流の速
度情報を演算する血流速度演算回路6と、この血流速度
演算回路6からの血流速度情報を用いて二次元の血流像
を作成する血流像表示回路系7と、上記超音波送受信部
2で処理された受信信号を検波しこの検波後の信号をデ
ィジタル化しこのディジタル信号を用いて診断部位の断
層像を作成する断層像表示回路系8と、上記血流像表示
回路系7及び断層像表示回路系8からの画像信号を入力
して任意の画素中で血流像又は断層像の表示を選択する
血流像・断層像選択回路9と、この血流像・断層像選択
回路9からの画像データをアナログ変換して血流像又は
断層像を二次元表示する画像表示装置10とを有して成
っていた。そして、上記血流像としては、血管走行部位
における血流によりドプラ偏移を受けた反射エコーによ
る血流像を表示するようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の超音波ドプラ血流計においては、特に腹部臓器内の
血流観測について、血流の速度と腹部臓器の運動速度と
にほとんど差がないため、低速度のドプラ偏移を受けた
信号を除去するフィルタ回路5だけでは、血流の動きに
よって生じたドプラ偏移成分と、生体臓器の動きによっ
て生じたドプラ偏移成分との分別が困難であった。従っ
て、上記生体臓器の動きによって生じたドプラ偏移成分
を十分に除去することはできなかった。このため、画像
表示装置10の画面には、血管走行部位における血流に
よりドプラ偏移を受けた反射エコーによる血流像の他
に、生体の呼吸や心臓の拍動により生じた生体臓器の動
きによりドプラ偏移を受けた反射エコーによるドプラア
ーチファクト像が表示されるものであった。従って、画
面中に表示された血流像とドプラアーチファクト像と
で、どれが真の血流像か判別がつかないことがあり、良
好な診断画像が得られないものであった。
【0004】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、血流存在部位以外の部位において呼吸や心臓の拍
動に伴う生体臓器の動きによって生じたドプラアーチフ
ァクト像を表示しないようにすることができる超音波ド
プラ血流計を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による超音波ドプラ血流計は、被検体内へ超
音波を送受信する探触子と、この探触子を駆動して超音
波を送信すると共に受信した反射エコーの信号を処理す
る超音波送受信部と、この超音波送受信部で処理された
受信信号から被検体内の動きにより生ずるドプラ偏移を
受けた信号を抽出する復調回路と、この復調回路からの
ドプラ信号をディジタル化するA/D変換器と、このA
/D変換器からのドプラ信号から生体臓器の動きにより
生じた低速度のドプラ偏移成分を除去するフィルタ回路
と、このフィルタ回路からの出力信号を用い血流の速度
情報を演算する血流速度演算回路と、この血流速度演算
回路からの血流速度情報を用いて二次元の血流像を作成
する血流像表示回路系と、上記超音波送受信部で処理さ
れた受信信号を検波しこの検波後の信号をディジタル化
しこのディジタル信号を用いて診断部位の断層像を作成
する断層像表示回路系と、上記血流像表示回路系及び断
層像表示回路系からの画像信号を入力して任意の画素中
で血流像又は断層像の表示を選択する血流像・断層像選
択回路と、この血流像・断層像選択回路からの画像デー
タをアナログ変換して血流像又は断層像を二次元表示す
る画像表示装置とを有する超音波ドプラ血流計におい
て、上記A/D変換器からのドプラ信号を用い生体臓器
の運動速度情報を演算する臓器運動速度演算回路を設
け、かつ上記血流速度演算回路からの血流速度情報及び
臓器運動速度演算回路からの運動速度情報を入力しその
うち一つ又は複数の諸元を用いて生体臓器の運動の有無
を判別して血流像表示回路系に血流速度情報の送出を切
り換える臓器運動有無判別回路を設けたものである。
【0006】また、上記臓器運動有無判別回路は、臓器
運動速度演算回路からの生体臓器の運動速度情報と予め
設定された所定のしきい値とを比較して生体臓器の運動
の有無を判別するものとすればよい。
【0007】さらに、上記臓器運動有無判別回路は、臓
器運動速度演算回路からの運動速度情報と血流速度演算
回路からの血流速度情報とから両者の速度比を求め、こ
の速度比と予め設定された所定のしきい値とを比較して
生体臓器の運動の有無を判別するものとしてもよい。
【0008】
【作用】このように構成された超音波ドプラ血流計は、
A/D変換器の出力側に設けられた臓器運動速度演算回
路により上記A/D変換器からのドプラ信号を用いて生
体臓器の運動速度情報を演算し、この臓器運動速度演算
回路の出力側に設けられた臓器運動有無判別回路で血流
速度演算回路からの血流速度情報及び臓器運動速度演算
回路からの運動速度情報を入力しそのうち一つ又は複数
の諸元を用いて生体臓器の運動の有無を判別して血流像
表示回路系に血流速度情報の送出を切り換えるように動
作する。これにより、生体臓器の運動がないと判別した
ときは血流速度情報を血流像表示回路系に送出し、生体
臓器の運動が有ると判別したときは血流速度情報を血流
像表示回路系に送出しないように切り換える。この結
果、血流存在部位以外の部位において呼吸や心臓の拍動
に伴う生体臓器の動きによって生じたドプラアーチファ
クト像を表示しないようにすることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明による超音波ドプラ血流
計の実施例を示すブロック図である。この超音波ドプラ
血流計は、超音波を利用して被検体の診断部位について
断層像を得ると共に超音波のドプラ効果を利用して上記
診断部位の血流像を得てそれらを二次元に表示するもの
で、図1に示すように、探触子1と、超音波送受信部2
と、復調回路3と、A/D変換器4と、フィルタ回路5
と、血流速度演算回路6と、血流像表示回路系7と、断
層像表示回路系8と、血流像・断層像選択回路9と、画
像表示装置10とを有し、さらに臓器運動速度演算回路
11と、臓器運動有無判別回路12とを備えて成る。
【0010】上記探触子1は、被検体内に電子走査によ
り超音波を送信すると共にその反射波を受信するもの
で、例えば短冊状に形成された多数の振動子素子が一列
状に配列されている。超音波送受信部2は、上記探触子
1を制御して超音波を送信すると共に受信した反射波エ
コーの信号を処理するもので、図示省略したがその内部
には制御回路及びパルス発生器並びに受信増幅整相回路
等を有している。
【0011】復調回路3は、上記超音波送受信部2で処
理された受信信号から被検体内の動きにより生ずるドプ
ラ偏移を受けた信号を抽出するものである。A/D変換
器4は、上記復調回路3から出力されたドプラ信号を入
力してディジタル化するものである。フィルタ回路5
は、上記A/D変換器4から出力されたディジタルのド
プラ信号を入力して生体臓器の動きにより生じた低速度
のドプラ偏移成分を除去するものである。また、血流速
度演算回路6は、上記フィルタ回路5からの出力信号を
用い血流の速度情報を演算するもので、該フィルタ回路
5の出力信号から血液中の赤血球の移動によりドプラ偏
移を受けた血流の速度及び速度分散並びに反射強度等の
血流諸元を演算するようになっている。さらに、血流像
表示回路系7は、上記血流速度演算回路6から出力され
た血流速度情報を用いて二次元の血流像を作成するもの
で、例えばフレームメモリから成る。
【0012】一方、断層像表示回路系8は、前記超音波
送受信部2で処理された受信信号を検波しこの検波後の
信号をディジタル化しこのディジタル信号を用いて診断
部位の断層像を作成するもので、図示省略したがその内
部には、上記超音波送受信部2内の受信増幅整相回路か
ら出力された受信信号を検波して断層像の輝度情報とす
る検波回路と、この検波回路から出力される断層像輝度
情報の信号を入力してディジタル化するA/D変換器
と、このA/D変換器から出力されるディジタルの断層
像輝度情報を入力して二次元の断層像を作成するための
フレームメモリとを有している。
【0013】そして、血流像・断層像選択回路9は、上
記血流像表示回路系7及び断層像表示回路系8からの画
像信号を入力して任意の画素中で血流像又は断層像の表
示を選択するもので、これから表示すべき画像において
1画素ごとに血流像データの有無を判別し、血流像デー
タが無ければ断層像データをそのまま出力し、血流像デ
ータが有ればその血流像データを選択して出力するよう
になっている。さらに、画像表示回路10は、上記血流
像・断層像選択回路9からの画像データをアナログ変換
して血流像又は断層像を二次元表示するもので、図示省
略したがその内部には、上記血流像・断層像選択回路9
から出力された画像データを入力してアナログ信号に変
換するD/A変換器と、このD/A変換器からのアナロ
グ信号を入力して血流像又は断層像を表示するテレビモ
ニタとを有している。
【0014】ここで、本発明においては、前記A/D変
換器4の出力側に臓器運動速度演算回路11が設けら
れ、かつこの臓器運動速度演算回路11の出力側には臓
器運動有無判別回路12が設けられている。上記臓器運
動速度演算回路11は、上記A/D変換器4から出力さ
れるディジタルのドプラ信号を用い生体臓器の運動速度
情報を演算するもので、例えば生体臓器の運動速度及び
速度分散並びに反射強度等の諸元を演算する回路であ
り、その演算方法は血流速度演算回路6において血流の
速度及び速度分散並びに反射強度等を求める方法として
既知の自己相関法、二軸演算法、FFT法、MEM法等
を利用すればよい。また、臓器運動有無判別回路12
は、前記血流速度演算回路6から出力された血流速度情
報及び臓器運動速度演算回路11から出力された生体臓
器の運動速度情報を入力しそのうち一つ又は複数の諸元
を用いて生体臓器の運動の有無を判別して血流像表示回
路系7に上記血流速度情報の送出を切り換えるもので、
その内部構成は例えば図2に示すように、比較器13
と、血流像表示切換回路14とから成る。
【0015】上記比較器13は、臓器運動速度演算回路
11から出力された生体臓器の運動速度情報D2と図示
外の制御回路で設定されたある所定のしきい値Th1とを
入力し、この両者を比較していずれが大きいかにより生
体臓器の運動の有無を判別し、比較信号S1を出力する
ものである。また、血流像表示切換回路14は、血流速
度演算回路6から出力された血流速度情報D1を入力す
ると共に、上記比較器13から出力された比較信号S1
を入力して、この比較信号S1の内容により上記血流速
度情報D1の血流像表示回路系7への送出を切り換える
もので、例えば血流速度演算回路6に接続された接点a
と、アースに接続された接点bと、この接点aとbとの
間で信号切換を行う切換スイッチ15とから成る。
【0016】次に、このように構成された超音波ドプラ
血流計における血流像表示の動作について、図1及び図
2を参照して説明する。まず、図1に示すA/D変換器
4から出力されたディジタルのドプラ信号はフィルタ回
路5へ入力し、ここで生体臓器の動きにより生じた低速
度のドプラ偏移成分が除去される。そして、このフィル
タ回路5からの出力信号は血流速度演算回路6へ入力
し、ここで血液中の赤血球の移動によりドプラ偏移を受
けた血流の速度及び速度分散並びに反射強度等の血流諸
元が演算され、血流速度情報D1として出力される。ま
た、上記A/D変換器4から出力されたディジタルのド
プラ信号は臓器運動速度演算回路11にも入力し、ここ
で生体臓器の動きによりドプラ偏移を受けた生体臓器の
運動速度及び速度分散並びに反射強度等の諸元が演算さ
れ、運動速度情報D2として出力される。
【0017】この状態で、図2において、上記血流速度
演算回路6からの血流速度情報D1は、臓器運動有無判
別回路12内の血流像表示切換回路14の接点aに入力
し、臓器運動速度演算回路11からの運動速度情報D2
は、同じく臓器運動有無判別回路12内の比較器13の
一方の入力端子に入力する。ここで、上記比較器13の
他方の入力端子には、図示外の制御回路で予め設定され
たある所定のしきい値Th1が入力されている。すると、
この比較器13は、上記運動速度情報D2中の例えば生
体臓器の運動速度と上記しきい値Th1とを任意の部位に
おいて比較し、生体臓器の運動速度が所定のしきい値T
h1を越えたかどうか判別する。いま、生体臓器の運動速
度が上記しきい値Th1を越えているとすると、診断部位
の生体臓器に運動が有ると判別し、「運動有り」を内容
とする比較信号S1を出力する。
【0018】上記出力された比較信号S1は、血流像表
示切換回路14へ入力し、内部の切換スイッチ15を接
点b側に切り換えて接続する。このとき、上記接点bは
アースに接続されているので、上記血流像表示切換回路
14の出力データは総て“0”のデータとなり、血流速
度情報D1が無いというデータが図1に示す血流像表示
回路系7へ送出される。従って、この場合は、画像表示
装置10には血流像は表示されないこととなる。
【0019】一方、上記比較器13における生体臓器の
運動速度と所定のしきい値Th1との比較において、生体
臓器の運動速度が上記しきい値Th1を越えていないとす
ると、診断部位の生体臓器には運動が無いと判別し、
「運動無し」を内容とする比較信号S1を出力する。す
ると、上記比較信号S1は、血流像表示切換回路14へ
入力し、内部の切換スイッチ15を接点a側に切り換え
て接続する。このとき、上記接点aは血流速度演算回路
6に接続されているので、該血流速度演算回路6からの
血流速度情報D1がそのまま上記血流像表示切換回路1
4の出力データとなり、図1に示す血流像表示回路系7
へ送出される。従って、この場合は、画像表示装置10
に有効な血流像が表示されることとなる。すなわち、診
断部位の生体臓器の運動によりドプラ偏移を受けた反射
エコー信号によって生じたドプラアーチファクト像を表
示しないで、有効な血流像のみを表示することができ
る。なお、上記しきい値Th1は、経験的な知見に基づい
て適当な値に設定すればよい。
【0020】図3は臓器運動有無判別回路12の他の実
施例を示す内部構成のブロック図である。この実施例に
よる臓器運動有無判別回路12は、臓器運動速度演算回
路11からの運動速度情報と血流速度演算回路6からの
血流速度情報とから両者の速度比を求め、この速度比と
予め設定された所定のしきい値とを比較して生体臓器の
運動の有無を判別するもので、その内部構成は、血流速
度演算回路6からの血流速度情報D1及び臓器運動速度
演算回路11からの運動速度情報D2を入力して生体臓
器の運動速度と血流速度との速度比(D2/D1)を求め
る速度比演算器16と、この速度比演算器16から出力
される速度比データD3と図示外の制御回路で設定され
たある所定のしきい値Th2とを入力しこの両者を比較し
ていずれが大きいかにより生体臓器の運動の有無を判別
し比較信号S2を出力する比較器17と、図2に示すと
同様の血流像表示切換回路14とから成る。
【0021】次に、このように構成された臓器運動有無
判別回路12の動作について説明する。図3において、
上記血流速度演算回路6からの血流速度情報D1は、臓
器運動有無判別回路12内の血流像表示切換回路14の
接点aに入力すると共に、速度比演算器16の一方の入
力端子に入力する。また、臓器運動速度演算回路11か
らの運動速度情報D2は、上記速度比演算器16の他方
の入力端子に入力する。その後、この速度比演算器16
で生体臓器の運動速度と血流速度との速度比(D2
1)が演算され、速度比データD3として出力される。
そして、上記速度比演算器16から出力された速度比デ
ータD3は、同じく臓器運動有無判別回路12内の比較
器17の一方の入力端子に入力する。ここで、上記比較
器17の他方の入力端子には、図示外の制御回路で予め
設定されたある所定のしきい値Th2が入力されている。
この場合、上記しきい値Th2は“1”に近い値とされて
いる。すると、この比較器17は、上記速度比データD
3の内容である速度比(D2/D1)と上記しきい値Th2
とを任意の部位において比較し、速度比の値が所定のし
きい値Th2を越えたかどうか判別する。いま、上記速度
比の値が上記しきい値Th2を越えているとすると、診断
部位の生体臓器に運動が有ると判別し、「運動有り」を
内容とする比較信号S2を出力する。
【0022】上記出力された比較信号S2は、血流像表
示切換回路14へ入力し、内部の切換スイッチ15を接
点b側に切り換えて接続する。このとき、上記接点bは
アースに接続されているので、上記血流像表示切換回路
14の出力データは総て“0”のデータとなり、血流速
度情報D1が無いというデータが図1に示す血流像表示
回路系7へ送出される。従って、この場合は、画像表示
装置10には血流像は表示されないこととなる。
【0023】一方、上記比較器17における速度比の値
と所定のしきい値Th2との比較において、上記速度比の
値が上記しきい値Th2を越えていないとすると、診断部
位の生体臓器には運動が無いと判別し、「運動無し」を
内容とする比較信号S2を出力する。すると、上記比較
信号S2は、血流像表示切換回路14へ入力し、内部の
切換スイッチ15を接点a側に切り換えて接続する。こ
のとき、上記接点aは血流速度演算回路6に接続されて
いるので、該血流速度演算回路6からの血流速度情報D
1がそのまま上記血流像表示切換回路14の出力データ
となり、図1に示す血流像表示回路系7へ送出される。
従って、この場合は、画像表示装置10に有効な血流像
が表示されることとなる。すなわち、診断部位の生体臓
器の運動によりドプラ偏移を受けた反射エコー信号によ
って生じたドプラアーチファクト像を表示しないで、有
効な血流像のみを表示することができる。
【0024】図4は臓器運動有無判別回路12の更に他
の実施例を示す内部構成のブロック図である。この実施
例による臓器運動有無判別回路12は、図2に示す実施
例の回路と、図3に示す実施例の回路とを組み合わせた
ものである。すなわち、第一の比較器13と、速度比演
算器16と、第二の比較器17と、アンド回路18と、
血流像表示切換回路14とから成る。そして、上記第一
の比較器13で生体臓器の運動速度が所定のしきい値T
h1を越えたかどうかを判別し、又は上記第二の比較器1
7で生体臓器の運動速度と血流速度との速度比が所定の
しきい値Th2を越えたかどうかを判別して、どちらかの
判別結果による比較信号S1又はS2により血流像表示切
換回路14を切り換えるように動作する。この場合は、
生体臓器の運動の有無をより確実に判別することができ
る。
【0025】なお、図3及び図4においては、速度比演
算器16で生体臓器の運動速度と血流速度との速度比を
求めるものとして示したが、この速度比を求めることに
限らず、生体臓器の運動速度と血流速度との速度差を求
め、この速度差が小さい場合は診断部位の生体臓器に運
動が有ると判別し、血流像表示切換回路14で血流像を
表示しないようにしてもよい。
【0026】また、以上の説明においては、主として血
流の速度と生体臓器の運動速度とを用いて演算し、生体
臓器の運動の有無を判別するものとしたが、これに限ら
ず、血流の速度分散及び反射強度、生体臓器の速度分散
及び反射強度のうちそれぞれ一つ又は複数の諸元を用い
て演算し、臓器運動の有無を判別するようにしてもよ
い。
【0027】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、
A/D変換器の出力側に設けられた臓器運動速度演算回
路により上記A/D変換器からのドプラ信号を用いて生
体臓器の運動速度情報を演算し、この臓器運動速度演算
回路の出力側に設けられた臓器運動有無判別回路で血流
速度演算回路からの血流速度情報及び臓器運動速度演算
回路からの運動速度情報を入力しそのうち一つ又は複数
の諸元を用いて生体臓器の運動の有無を判別して血流像
表示回路系に血流速度情報の送出を切り換えることがで
きる。これにより、生体臓器の運動がないと判別したと
きは血流速度情報を血流像表示回路系に送出し、生体臓
器の運動が有ると判別したときは血流速度情報を血流像
表示回路系に送出しないように切り換える。この結果、
血流存在部位以外の部位において呼吸や心臓の拍動に伴
う生体臓器の動きによって生じたドプラアーチファクト
像を表示しないようにすることができる。従って、画像
表示装置の画面には真の血流像のみが表示され、良好な
診断画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波ドプラ血流計の実施例を示
すブロック図である。
【図2】臓器運動有無判別回路の内部構成例を示すブロ
ック図である。
【図3】上記臓器運動有無判別回路の他の実施例を示す
内部構成のブロック図である。
【図4】図2に示す臓器運動有無判別回路の更に他の実
施例を示す内部構成のブロック図である。
【図5】従来の超音波ドプラ血流計を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1…探触子 2…超音波送受信部 3…復調回路 4…A/D変換器 5…フィルタ回路 6…血流速度演算回路 7…血流像表示回路系 8…断層像表示回路系 9…血流像・断層像選択回路 10…画像表示装置 11…臓器運動速度演算回路 12…臓器運動有無判別回路 D1…血流速度情報 D2…生体臓器の運動速度情報

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体内へ超音波を送受信する探触子
    と、この探触子を駆動して超音波を送信すると共に受信
    した反射エコーの信号を処理する超音波送受信部と、こ
    の超音波送受信部で処理された受信信号から被検体内の
    動きにより生ずるドプラ偏移を受けた信号を抽出する復
    調回路と、この復調回路からのドプラ信号をディジタル
    化するA/D変換器と、このA/D変換器からのドプラ
    信号から生体臓器の動きにより生じた低速度のドプラ偏
    移成分を除去するフィルタ回路と、このフィルタ回路か
    らの出力信号を用い血流の速度情報を演算する血流速度
    演算回路と、この血流速度演算回路からの血流速度情報
    を用いて二次元の血流像を作成する血流像表示回路系
    と、上記超音波送受信部で処理された受信信号を検波し
    この検波後の信号をディジタル化しこのディジタル信号
    を用いて診断部位の断層像を作成する断層像表示回路系
    と、上記血流像表示回路系及び断層像表示回路系からの
    画像信号を入力して任意の画素中で血流像又は断層像の
    表示を選択する血流像・断層像選択回路と、この血流像
    ・断層像選択回路からの画像データをアナログ変換して
    血流像又は断層像を二次元表示する画像表示装置とを有
    する超音波ドプラ血流計において、上記A/D変換器か
    らのドプラ信号を用い生体臓器の運動速度情報を演算す
    る臓器運動速度演算回路を設け、かつ上記血流速度演算
    回路からの血流速度情報及び臓器運動速度演算回路から
    の運動速度情報を入力しそのうち一つ又は複数の諸元を
    用いて生体臓器の運動の有無を判別して血流像表示回路
    系に血流速度情報の送出を切り換える臓器運動有無判別
    回路を設けたことを特徴とする超音波ドプラ血流計。
  2. 【請求項2】 上記臓器運動有無判別回路は、臓器運動
    速度演算回路からの生体臓器の運動速度情報と予め設定
    された所定のしきい値とを比較して生体臓器の運動の有
    無を判別するものであることを特徴とする請求項1記載
    の超音波ドプラ血流計。
  3. 【請求項3】 上記臓器運動有無判別回路は、臓器運動
    速度演算回路からの運動速度情報と血流速度演算回路か
    らの血流速度情報とから両者の速度比を求め、この速度
    比と予め設定された所定のしきい値とを比較して生体臓
    器の運動の有無を判別するものであることを特徴とする
    請求項1記載の超音波ドプラ血流計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017169680A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 橋本電子工業株式会社 異物粒子検出装置および異物粒子判別方法

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