JPH07288982A - 三相電力変換器 - Google Patents

三相電力変換器

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JPH07288982A
JPH07288982A JP6075978A JP7597894A JPH07288982A JP H07288982 A JPH07288982 A JP H07288982A JP 6075978 A JP6075978 A JP 6075978A JP 7597894 A JP7597894 A JP 7597894A JP H07288982 A JPH07288982 A JP H07288982A
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Touma Yamamoto
融真 山本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 三相交流電源にインダクタンス成分を介して
接続する三相電力変換器において、このインダクタンス
成分を二相間のみとした三相電力変換器を得ることを目
的とする。 【構成】 電気弁の開閉制御により発生した任意の三相
交流を三相交流電源2側に出力するように構成された三
相コンバータ1と三相交流電源2との間の任意の二相間
にリアクタンス3,4を設け、三相コンバータ1と三相
交流電源2との間の残り一相は直接接続し、リアクタン
ス3,4の電流を制御する電流制御回路506,507
を二相分設け、上記電流制御回路506,507の出力
信号よりPWM変調回路402がPWM電圧指令値を三
相コンバータ1に対して生成するように構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高力率コンバータや
正弦波電圧型インバータなどの三相電力変換器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図18は、例えば平成5年電気学会全国
大会講演論文集(5)P.42〜43「三相PWMコン
バータのデジタル制御法」に示された従来の高力率コン
バータの主回路と制御回路を、本発明と同様の形式に書
き改めたブロック図である。図において、1は三相コン
バータ、2は三相交流電源、3、4、5は三相コンバー
タ1の交流側と三相交流電源2の各相間に挿入されたリ
アクトル、6、7、8は三相交流電源2に並列に接続さ
れたY形結線のコンデンサ、9は三相コンバータ1の直
流側に接続されたコンデンサ、10はコンデンサ9に並
列に接続された負荷、401は三相コンバータ1のスイ
ッチング素子を駆動するドライブ回路である。
【0003】201はリアクトル3に流れる電流を検出
する電流検出器、203はリアクトル5に流れる電流を
検出する電流検出器、204はコンデンサ9の電圧を検
出する電圧検出器、501はコンデンサ9の電圧指令値
を出力する電圧指令発生回路、502はコンデンサ9の
電圧を電圧指令発生回路501の指令値に一致させるた
めに三相コンバータ1が交流側に流す電流振幅指令値を
出力する電圧制御回路(Voltage Contro
ller)である。
【0004】503は三相交流電源2のU相電圧、W相
電圧と同相の正弦波信号を出力する正弦波発生回路、5
04は正弦波発生回路503の出力する「三相交流電源
2のU相電圧と同相の正弦波信号」と電圧制御回路50
2の出力する電流振幅指令値を乗算し、U相の電流指令
値を出力する乗算器、505は正弦波発生回路503の
出力する「三相交流電源2のW相電圧と同相の正弦波信
号」と電圧制御回路502の出力する電流振幅指令値を
乗算し、W相の電流指令値を出力する乗算器、506は
乗算器504の出力するU相電流指令値と電流検出器2
01にて検出したリアクトル3に流れる電流を一致させ
るために三相コンバータ1が発生すべきU相電圧指令値
を出力する電流制御回路(Current Contr
oller)である。
【0005】507は乗算器505の出力するW相電流
指令値と電流検出器201にて検出したリアクトル5に
流れる電流を一致させるために三相コンバータ1が発生
すべきW相電圧指令値を出力する電流制御回路、751
は電流制御回路506が出力するU相電圧指令値と電流
制御回路507が出力するW相電圧指令値からV相電圧
指令値を演算する加減算器、402はU、V、Wの相電
圧指令値よりドライブ回路401へ送るオン/オフ信号
を出力するPWM変調回路である。
【0006】次に動作について説明する。電圧指令発生
回路501は電圧指令VD*を出力し、この電圧指令VD*
と電圧検出器204で検出したコンデンサ9の電圧VD
を一致させるために交流側に流す電流振幅指令IR*を電
圧制御回路502が演算する。例えば、コンデンサ電圧
VD が電圧指令VD*より小さな時は三相交流電源2から
より多くの有効電力をとるためにIR*を大きくし、コン
デンサ電圧VD が電圧指令VD*より大きな時はIR*を小
さくする。
【0007】電流振幅指令IR*は、乗算器504、50
5にて、正弦波発生回路503の出力する「三相交流電
源2のU相電圧と同相の正弦波信号」、「三相交流電源
2のW相電圧と同相の正弦波信号」のそれぞれが乗じら
れ、三相交流電源2の相電圧と同相の電流指令値IRU
*、IRW*となる。電流制御回路506、507は、この
電流指令値と電流検出器201、203にて検出した電
流IRU、IRWを一致させるために三相コンバータ1が発
生すべきU相電圧指令値VRU* 、W相電圧指令値VRW*
を出力する。
【0008】V相の電流を制御していないのは、主回路
が三相三線式であるために、U相とW相の電流を制御す
ることにより、V相の電流は IRV=−IRU−IRW (1) と決るからである。
【0009】もし、V相電流を制御した場合、VRV* が
どのように与えられるかを考える。V相電流指令IRV*
は主回路が三相三線式であるので、 IRV*=−IRU*−IRW* (2) と与える。
【0010】すなわち、各電流制御回路の入力である指
令は IRU*+IRV*+IRW*=0 (3) 電流フィードバック信号は、 IRU+IRV+IRW=0 (4) の関係が成立つので、電流制御回路の伝達関数を各相同
一とすると、電流制御回路の出力も VRU*+VRV*+VRW*=0 (5) となる。
【0011】よって、V相電圧指令値VRV* は、V相電
流制御回路を設けることなしに、加減算器751にて VRV*=−VRU*−VRW* (6) を演算することにより求めることができる。
【0012】これらの各相電圧指令値により、PWM変
調回路402、ドライブ回路401を介して三相コンバ
ータ1のスイッチングが制御される。リアクトル3、
4、5に流れる電流には、基本波成分の他に三相コンバ
ータ1のスイッチング周波数成分が含まれている。コン
デンサ6、7、8は、このスイッチング周波数成分の電
流が三相交流電源2に流れないようにするため設けられ
たフィルタ・コンデンサである。
【0013】このように、三相コンバータ1は、交流電
力を直流電力に変換し、負荷10に一定の直流電圧を供
給するよう動作する。この時、電流IRU、IRV、IRWは
三相交流電源2と同相かつ正弦波の電流となり、力率が
ほぼ1となることから、一般に“高力率コンバータ”と
呼ばれるシステムとなる。
【0014】次に正弦波電圧形インバータの従来技術を
説明する。図19は、例えば平成5年電気学会全国大会
講演論文集(5)P.95〜96「三相UPS用インバ
ータのデジタル制御法」に示された従来の正弦波電圧形
インバータの主回路と制御回路を、本発明と同様の形式
に書き改めたブロック図である。
【0015】図において、101は三相インバータ、1
02は直流電源、103、104、105は出力フィル
タを構成するリアクトル、106、107、108は出
力フィルタを構成するコンデンサ、110は負荷、40
1は三相インバータ101のスイッチング素子を駆動す
るドライブ回路、305はコンデンサ106に流れる電
流を検出する電流検出器、307はコンデンサ108に
流れる電流を検出する電流検出器、304はU相とW相
の出力相電圧を検出する電圧検出器である。
【0016】601はU相とW相の出力相電圧指令値を
出力する電圧指令発生回路、602は「U相出力電圧を
電圧指令発生回路601のU相出力電圧指令に一致させ
るため、三相インバータ101がU相コンデンサ106
に流すべき電流指令値」を出力する電圧制御回路(Vo
ltage Controller)、603は「W相
出力電圧を電圧指令発生回路601のW相出力電圧指令
に一致させるため、三相インバータ101がW相コンデ
ンサ108に流すべき電流指令値」を出力する電圧制御
回路である。
【0017】604は電圧制御回路602の出力するU
相コンデンサ電流指令値と電流検出器305にて検出し
たU相コンデンサ106に流れる電流を一致させるため
に三相コンバータ1が発生すべきU相電圧指令値を出力
する電流制御回路(Current Controll
er)、605は電圧制御回路603の出力するW相コ
ンデンサ電流指令値と電流検出器307にて検出したW
相コンデンサ108に流れる電流を一致させるために三
相コンバータ1が発生すべきW相電圧指令値を出力する
電流制御回路である。
【0018】851は電流制御回路604が出力するU
相電圧指令値と電流制御回路605が出力するW相電圧
指令値からV相電圧指令値を演算する加減算器、402
はU、V、Wの相電圧指令値よりドライブ回路401へ
送るオン/オフ信号を出力するPWM変調回路である。
【0019】次に従来の正弦波電圧形インバータの動作
について説明する。電圧指令発生回路601はU相とW
相の指令として位相差が240度の正弦波電圧指令VCU
* 、VCW* を出力する。U相出力電圧指令VCU* と電圧
検出器304で検出したU相出力電圧VCUとを一致させ
るために、U相コンデンサ106に流すべき電流指令I
CU* を電圧制御回路602が演算する。
【0020】例えば、U相出力電圧VCUが、電圧指令V
CU* より小さな時はコンデンサ106の電流ICUを大き
くし、U相出力電圧VCUが出力相電圧指令VCU* より大
きな時はコンデンサ106の電流ICUを小さくする。同
様に、W相電圧指令VCW* と電圧検出器304で検出し
たW相出力電圧VCWを一致させるためにW相コンデンサ
106に流すべき電流指令ICW* を電圧制御回路603
が演算する。
【0021】電流制御回路604、605は、この電流
指令値と電流検出器305、307にて検出した電流I
CU、ICWを一致させるために三相インバータ1が発生す
べきU相電圧指令値VAU* 、W相電圧指令値VAW* を出
力する。
【0022】主回路が三相三線式であるために、図18
の高力率コンバータと同様に、V相電圧指令値VAV*
は、加減算器851にて VAV*=−VAU*−VAW* (7) を演算することにより求めている。
【0023】これらの各相電圧指令値により、PWM変
調回路402、ドライブ回路401を介して三相インバ
ータ101のスイッチングが制御され、直流電源102
の直流電力は交流電力に変換され、負荷110に三相正
弦波電圧が供給される。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】従来の高力率コンバー
タや正弦波電圧型インバータなどの電力変換器は以上の
ように構成されているので、下記のような問題点があっ
た。
【0025】高力率コンバータでは、交流電源に力率1
の正弦波電流を流すよう制御している、すなわち、リア
クトル3、4、5に流れる電流を所望の電流とするよう
にコンバータをスイッチングしている。しかし、コンバ
ータが三相三線式である場合は、三相のうち二相の電流
を制御すれば、残りの相の電流値は一義的に決るため、
制御する必要がない。
【0026】例えば、U相とV相の電流を制御すること
により、W相の電流は IW=−IU−IV (8) と決る。
【0027】二相の電流のみ制御するだけでよいという
ことは、リアクトルも三相全てに必要とはならず、電流
を制御する二相にのみリアクトルを設け、リアクトルに
印加する電圧を調整すればよい。つまり、従来の三相高
力率コンバータは、電流制御が二相のみでよいにも拘ら
ず、リアクトルが三相全てに設けられていた。
【0028】また、三相三線式出力の正弦波電圧型イン
バータでは、出力電圧の二線間、例えばUV間、VW間
を120度位相差の正弦波に制御すれば、WU間も正弦
波の電圧となり、三相平衡した出力電圧を得ることがで
きる。三相インバータの矩形波状電圧から、二つの正弦
波出力線間電圧を得るには、LCフィルタが二線間分あ
ればよく、リアクトル、コンデンサが三相全てに必要と
はならない。
【0029】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、第1の目的は、三相交流電源にイ
ンダクタンス成分を介して接続する三相電力変換器にお
いて、このインダクタンス成分を二相間のみとした三相
電力変換器を得るものである。
【0030】また、第2の目的は、負荷に交流電力を供
給する三相交流電力変換器において、交流フィルタのイ
ンダクタンス成分を二相のみとした三相電力変換器を得
るものである。
【0031】また、第3の目的は、負荷に交流電力を供
給する三相交流電力変換器において、交流フィルタのコ
ンデンサを二線間のみとした三相電力変換器を得るもの
である。
【0032】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る三
相電力変換器は、電気弁の開閉制御により発生した任意
の三相交流を三相交流電源側に出力するように構成され
た電力変換器と上記三相交流電源との間の任意の二相間
にインダクタンス成分を設け、上記電力変換器と上記三
相交流電源との間の残り一相は直接接続し、上記インダ
クタンス成分の電流を制御する電流制御増幅器を二相分
設け、上記電流制御増幅器の出力信号よりPWM電圧指
令値を上記電力変換器に対して生成するようにしたもの
である。
【0033】請求項2の発明に係る三相電力変換器は、
請求項1の発明においてPWM電圧指令値の任意の一相
を、三相交流電源の対応する相電圧としたものである。
【0034】請求項3の発明に係る三相電力変換器は、
請求項1の発明においてPWM電圧指令値を三相とも、
二つの電流制御増幅器の出力信号のみから求めたもので
ある。
【0035】請求項4の発明に係る三相電力変換器は、
請求項1の発明においてPWM電圧指令値の任意の一相
を求め、三相交流電源の3倍周波数の正弦波を加算し、
この信号と電流制御増幅器の出力からPWM電圧指令値
を生成したものである。
【0036】請求項5の発明に係る三相電力変換器は、
電気弁の開閉制御により、任意の三相交流出力を発生す
るように構成された電力変換器の出力に、交流フィルタ
を設け、負荷に交流電力を供給する電力変換器のうち、
上記交流フィルタを負荷に直列に接続したインダクタン
ス成分と負荷に平列に接続したコンデンサから構成し、
上記インダクタンス成分を任意の二相に設け、上記コン
デンサの電圧を制御する電圧制御増幅器を設けたもので
ある。
【0037】請求項6の発明に係る三相電力変換器は、
請求項5の発明において交流フィルタのコンデンサを任
意の二線間に接続したものである。
【0038】請求項7の発明に係る三相電力変換器は、
請求項5または請求項6の発明において電圧制御増幅器
を二つ設け、この電圧制御増幅器の出力信号よりPWM
電圧指令値を生成したものである。
【0039】請求項8の発明に係る三相電力変換器は、
請求項5または請求項6の発明において電圧制御系の中
に電流制御増幅器を設け、電流マイナーループを構成
し、この電流制御増幅器の出力信号よりPWM電圧指令
値を生成したものである。
【0040】請求項9の発明に係る三相電力変換器は、
請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の発明におい
てPWM電圧指令値の任意の一相を、出力電圧指令値の
対応する相電圧としたものである。
【0041】請求項10の発明に係る三相電力変換器
は、請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の発明に
おいてPWM電圧指令値を三相とも、二つの電圧制御増
幅器の出力信号のみから求めたものである。
【0042】請求項11の発明に係る三相電力変換器
は、請求項8に記載の発明においてPWM電圧指令値を
三相とも、二つの電流制御増幅器の出力信号のみから求
めたものである。
【0043】請求項12の発明に係る三相電力変換器
は、請求項1に記載の発明においてPWM電圧指令値の
任意の一相を求め、出力電圧指令値の3倍周波数の正弦
波を加算し、この信号と電圧制御増幅器の出力からPW
M電圧指令値を生成したものである。
【0044】請求項13の発明に係る三相電力変換器
は、請求項1に記載の発明においてPWM電圧指令値の
任意の一相を求め、出力電圧指令値の3倍周波数の正弦
波を加算し、この信号と電流制御増幅器の出力からPW
M電圧指令値を生成したものである。
【0045】
【作用】請求項1の発明における三相電力変換器は、三
相交流電源と三相電力変換器の二相間にのみインダクタ
ンス成分を設けると共に、上記電力変換器と上記三相交
流電源との間の残り一相は直接接続し、上記インダクタ
ンス成分の電流を制御する電流制御増幅器を二相分設
け、これら電流制御増幅器の出力信号に基づく各相間電
圧とインダクタンス成分を接続していない相間電圧とに
従って三相電力変換器を動作させることで、インダクタ
ンス成分の入力電流は相間電圧により所望の値に制御さ
れる。
【0046】請求項2の発明における三相電力変換器
は、PWM電圧指令値の任意の一相を、三相交流電源の
対応する相電圧としたので、二つの電流制御増幅器と三
相交流電源の電圧検出器よりPWM電圧指令値が作成で
きる。
【0047】請求項3の発明における三相電力変換器
は、PWM電圧指令値を三相とも、二つの電流制御増幅
器の出力信号のみから求めれる。
【0048】請求項4の発明における三相電力変換器
は、PWM電圧指令値の任意の一相を求め、三相交流電
源の3倍周波数の正弦波を加算し、この信号と電流制御
増幅器の出力からPWM電圧指令値を生成したので、三
相電力変換器の直流電圧利用率が向上する。
【0049】請求項5の発明における三相電力変換器
は、インダクタンス成分とコンデンサから構成した交流
フィルタを設け、負荷に交流フィルタを介し交流電力を
供給する電力変換器において、インダクタンス成分を任
意の二相に設けると共に、コンデンサの電圧を制御する
電圧制御増幅器を二相分設け、これら電圧制御増幅器の
出力信号に基づく各相間電圧に基づいて三相電力変換器
を動作させることで、交流フィルタのインダクタンス成
分の出力電圧が所望の値に制御される。
【0050】請求項6の発明における三相電力変換器
は、交流フィルタのコンデンサを任意の二線間のみに
て、出力電圧が所望の値に制御される。
【0051】請求項7の発明における三相電力変換器
は、二つの電圧制御増幅器のみから、PWM電圧指令値
を生成できる。
【0052】請求項8の発明における三相電力変換器
は、電圧制御系の中に電流制御増幅器を設け、電流マイ
ナーループを構成することにより、この電流制御増幅器
の出力信号よりPWM電圧指令値を生成できる。
【0053】請求項9の発明における三相電力変換器
は、PWM電圧指令値の任意の一相を、出力電圧指令値
の対応する相電圧とし、二つの電圧制御増幅器または電
流制御増幅器と三相交流電源の電圧検出器よりPWM電
圧指令値が生成できる。
【0054】請求項10の発明における三相電力変換器
は、PWM電圧指令値を三相とも、二つの電圧制御増幅
器の出力信号のみから生成できる。
【0055】請求項11の発明における三相電力変換器
は、PWM電圧指令値を三相とも、二つの電流制御増幅
器の出力信号のみから生成できる。
【0056】請求項12の発明における三相電力変換器
は、PWM電圧指令値の任意の一相を求め、出力電圧指
令値の3倍周波数の正弦波を加算し、この信号と電圧制
御増幅器の出力からPWM電圧指令値を生成したので、
三相電力変換器の直流電圧利用率が向上する。
【0057】請求項13の発明における三相電力変換器
は、PWM電圧指令値の任意の一相を求め、出力電圧指
令値の3倍周波数の正弦波を加算し、この信号と電流制
御増幅器の出力からPWM電圧指令値を生成したので、
三相電力変換器の直流電圧利用率が向上する。
【0058】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1は本実施例に係る三相電力変換器の構成図で
ある。尚、図中、図18と同一符号は同一又は相当部分
を示す。図において、1は三相電力変換器であって、こ
の実施例では図2に示すように、例えば高周波スイッチ
ングの可能なトランジスタやMOSFETなどの自己消
弧形素子により構成された三相コンバータ、2は三相交
流電源、3は三相コンバータ1の交流側と三相交流電源
2のU相間に挿入されたリアクトル、4は三相コンバー
タ1の交流側と三相交流電源2のV相間に挿入されたリ
アクトルであり、W相間にはリアクトルを設けず、三相
コンバータ1と三相交流電源2が直接接続されている。
6は三相交流電源2のUW間に並列に接続されたコンデ
ンサ、7は三相交流電源2のVW間に並列に接続された
コンデンサ、201はリアクトル3に流れる電流を検出
する電流検出器、202はリアクトル4に流れる電流を
検出する電流検出器である。
【0059】204はコンデンサ9の電圧を検出する電
圧検出器、205は三相交流電源2のUW間電圧とVW
間電圧を検出する電圧検出器、506は乗算器504の
出力するU相電流指令値と電流検出器201にて検出し
たリアクトル3に流れる電流を一致させるために三相コ
ンバータ1が発生すべきUW間電圧指令値を出力する電
流制御回路(Current Controlle
r)、507は乗算器505の出力するV相電流指令値
と電流検出器201にて検出したリアクトル5に流れる
電流を一致させるために三相コンバータ1が発生すべき
VW間電圧指令値を出力する電流制御回路、703は電
圧検出器205が検出した三相交流電源2のUW間電圧
とVW間電圧から三相交流電源2のW相電圧に比例した
電圧を演算する加減算器、508は加減算器703が出
力する三相交流電源2のW相電圧に比例した電圧を係数
倍してW相電圧指令値を出力する係数器である。
【0060】701は係数器508が出力するW相電圧
指令値と電流制御回路506が出力するUW間電圧指令
値からU相電圧指令値を演算する加減算器、702は係
数器508が出力するW相電圧指令値と電流制御回路5
07が出力するVW間電圧指令値からV相電圧指令値を
演算する加減算器である。402はU、V、Wの相電圧
指令値よりドライブ回路401へ送るオン/オフ信号を
出力するPWM変調回路であり、図3に示すように三角
波状の搬送波発生回路4021、比較回路4022、2
023、4024、反転回路4025、4026、40
27とから構成されており、ほぼ正弦波状の各相電圧指
令値にもとづき、素子のスイッチング時点を決定してい
る。
【0061】次に動作について説明する。電圧指令値発
生回路501は電圧指令VD*を出力し、この電圧指令V
D*と電圧検出器204で検出したコンデンサ9の電圧V
Dとを一致させるために交流側に流す電流振幅指令IR*
を電圧制御回路502が演算する。電圧制御回路502
は、例えば指令値と検出値の誤差を比例または比例積分
形増幅器で増幅するものである。
【0062】電流振幅指令IR*は、乗算器504、50
5にて、正弦波発生回路503の出力する「三相交流電
源2のU相電圧と同相の正弦波信号」、「三相交流電源
2のV相電圧と同相の正弦波信号」が乗じられ、三相交
流電源2の相電圧と同相の電流指令値IRU*、IRV*とな
る。リアクトル3に流れる電流IRUを所望の値に制御す
るには、リアクトル3に印加する電圧VLUを調整しなけ
ればならない。
【0063】リアクトル3に印加する電圧VLUは、 VLU=VSUW−VRUW (9) (VSUW:三相交流電源UW間電圧、VRUW:三相コンバー
タUW間電圧)の関係がある。
【0064】そこで、リアクトル3に流れる電流IRUは
三相コンバータ1のUW間電圧により制御できる。同様
に、リアクトル4に流れる電流IRVは三相コンバータ1
のVW間電圧により制御できる。電流制御回路506、
507は、電流指令値IRU*、IRV*と電流検出器20
1、202にて検出した電流IRU、IRVを一致させるた
めに三相コンバータ1が発生すべきUW間電圧指令値V
RUW*、VW間電圧指令値VRVW*を出力する。
【0065】電流制御回路506、507は、例えば指
令値と検出値の誤差を比例または比例積分形増幅器で増
幅するものである。PWM変調回路402への電圧指令
値は相電圧で与えるため、二つの線間電圧指令値から三
つの相電圧指令値を求めなければならない。U相、V相
の電流を所望の値に制御するためには、UW間電圧がV
RUW*、VW間電圧がVRVW*に追従することが必要であ
り、これを満足さえすれば三相コンバータ1の相電圧は
どのような値でもよい。
【0066】今、高力率コンバータが無負荷運転の場合
を考えると、入力電流IRU、IRV、IRWはほぼ0となるの
で、リアクトル3、4は電圧降下が無く、三相コンバー
タ1は三相交流電源2と同じ線間電圧を発生する。本実
施例では、三相コンバータ1と三相交流電源2のW相に
はリアクトルが無く、直接接続されているので、三相コ
ンバータ1のW相電圧指令値として三相交流電源2のW
相電圧を与え、この電圧を基準にして、U相、V相の電
圧指令値を演算にて求めている。
【0067】すなわち、三相交流電源2のW相電圧VSW
は図4に示す三相電圧ベクトルの関係から、 VSW=−1/3*(VSUW+VSVW) (10) と求められるので、 W相電圧指令値は VRW*=VSW=−1/3*(VSUW+VSVW) (11) となり、U相、V相の電圧指令値は図4の関係から、 VRU*=VRUW*+VRW* (12) VRV*=VRVW*+VRW* (13) となる。
【0068】これらの各相電圧指令値により、PWM変
調回路402、ドライブ回路401を介して、三相コン
バータ1のスイッチングが制御され、入力電流IRU、I
RVは三相交流電源2と同相かつ正弦波の電流となる。三
相三線式より、 IRU+IRV+IRW=0 (14) が成立ち、W相入力電流IRWも三相交流電源2と同相か
つ正弦波の電流となる。コンデンサ6、7は、スイッチ
ング周波数成分の電流が三相交流電源2に流れないよう
にするために設けたフィルタ・コンデンサであり、UW
間、VW間に接続している。
【0069】本実施例は以上のよう構成されているの
で、三相交流電源と三相コンバータの二相間にのみリア
クトルを設け、リアクトルに対する入力電流を所望の値
に制御することができる。
【0070】実施例2.図5はこの発明の実施例2を示
すもので、図5において図1と対応する部分には同一符
号を付し、その詳細説明は省略する。上記実施例1と異
なるのは、三相交流電源2の基本周波数の3倍周波数を
持つ正弦波を出力する3倍周波数発生回路509、加減
算器704を追加した点であり、その他は実施例1と同
様である。
【0071】U相、V相の電流を所望の値に制御するた
めには、電流制御回路506、507の出力するUW間
電圧指令VRUW*、VW間電圧指令VRVW*に追従すること
が必要であり、これを満足さえすれば三相コンバータ1
の相電圧はどのような値でもよい。本実施例では、三相
コンバータ1のW相電圧指令値として三相交流電源2の
W相電圧をまず基本として与え、この電圧にコンバータ
の直流電圧利用率を向上させるための信号を加算してW
相電圧指令値をつくり、これを基準に、U相、V相の電
圧指令値を演算にて求めている。
【0072】今、相電圧指令値VU*、VV*、VW*で与え
られた場合を考えると、各相電圧指令値に任意の電圧V
P を加え、PWM電圧指令値VX*、VY*、VZ*を VX*=VU*+VP (15) VY*=VV*+VP (16) VZ*=VW*+VP (17) としても、線間電圧としては変化が起らない。直流電圧
利用率を向上させる電圧VP はいろいろ考案されてお
り、例えば、VP を基本周波数成分に対して1/6程度
の3倍周波数とすると、最大出力電圧を15%程大きく
できる。
【0073】本実施例では、これを電圧指令値が線間電
圧として与えられた場合に応用している。まず、三相交
流電源2のW相電圧に、3倍周波数発生回路509の出
力する「三相交流電源2の3倍周波数で、振幅は三相交
流電源2の1/6である正弦波信号」を加減算器704
にて加えた信号を、三相コンバータ1のW相電圧指令値
VRW* とし、UW間電圧指令VRUW*、VW間電圧指令V
RVW*から、W相電圧指令値VRW* を基準に、 VRU*=VRUW*+VRW* (18) VRV*=VRVW*+VRW* (19) のように演算し、U相、V相の電圧指令値を求めてい
る。
【0074】演算式からわかるように、U相、V相の電
圧指令値は、W相電圧指令値VRW*を加算することによ
り求めているので、3倍周波数成分が自動的に加算され
ていることになり、直流電圧利用率が向上する。従っ
て、実施例1と比べると、同一の直流電圧に対して交流
側に発生できる電圧が15%程大きいので、三相交流電
源2の電圧が高めに変動しても、運転を継続することが
できる。
【0075】本実施例は以上のよう構成されているの
で、上記実施例1と同様に、三相交流電源と三相コンバ
ータの二相間にのみリアクトルを設け、入力電流を所望
の値に制御することができるのに加え、三相コンバータ
の直流電圧利用率が向上するので運転範囲を広げること
ができる。
【0076】実施例3.図6はこの発明の実施例3によ
る三相電力変換器の構成を示すもので、図6において図
1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は
省略する。上記実施例1と異なるのは、三相コンバータ
1の各相電圧指令値を、電流制御回路506、507の
出力するUW間電圧指令値VRUW*、VW間電圧指令値V
RVW*から直接求めることにより、三相交流電源2のUW
間電圧とVW間電圧を検出する電圧検出器を省いた点で
あり、その他は実施例1と同様である。
【0077】U相、V相の電流を所望の値に制御するた
めには、電流制御回路506、507の出力するUW間
電圧指令値VRUW*、VW間電圧指令値VRVW*に三相コン
バータ1が追従しなければならない。
【0078】PWM変調回路402への電圧指令値は相
電圧で与えるため、二つの線間電圧指令値から三つの相
電圧指令値を求めるわけだが、本実施例では、図4に示
す三相電圧ベクトルの関係から、直接、W相電圧指令値
VRW*を VRW*=−1/3*(VRUW*+VRVW*) (20) と演算して求め、次にU相、V相を VRU*=VRUW*+VRW* (21) VRV*=VRVW*+VRW* (22) と求めている。
【0079】これらの各相電圧指令値により、PWM変
調回路402、ドライブ回路401を介して、三相コン
バータ1のスイッチングが制御され、入力電流IRU、I
RV、IRWは三相交流電源2と同相かつ正弦波の電流とな
る。
【0080】本実施例は以上のよう構成されているの
で、上記実施例1と同様に、三相交流電源と三相コンバ
ータの二相間にのみリアクトルを設け、入力電流を所望
の値に制御することができるのに加え、三相交流電源の
電圧検出器が不要なので上記実施例1に比べてコストを
低減することができる。
【0081】実施例4.図7はこの発明の実施例4によ
る三相電力変換器の構成を示すもので、図7において図
6と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は
省略する。上記実施例3と異なるのは、三相交流電源2
の基本周波数の3倍周波数を持つ正弦波を出力する3倍
周波数発生回路509、加減算器704を追加した点で
あり、その他は実施例3と同様である。
【0082】U相、V相の電流を所望の値に制御するた
めには、電流制御回路506、507の出力するUW間
電圧指令VRUW*、VW間電圧指令VRVW*を三相コンバー
タ1が出力することが必要であり、これを満足さえすれ
ば三相コンバータ1の相電圧はどのような値でもよい。
【0083】本実施例では、「三相電圧ベクトルの関係
を用いて、UW間電圧指令VRUW*、VW間電圧指令VRV
W*から演算で直接求めた三相コンバータ1のW相電圧指
令値」に、コンバータの直流電圧利用率を向上させるた
めの信号を加算し、これを基準に、U相、V相の電圧指
令値を演算にて求めている。
【0084】まず、図4に示す三相電圧ベクトルの関係
から、直接、W相電圧指令値VRW*を VRW*=−1/3*(VRUW*+VRVW*) (23) と演算して求め、これに、3倍周波数発生回路509の
出力する「三相交流電源2の3倍周波数で、振幅は三相
交流電源2の1/6である正弦波信号」を加減算器70
4にて加えた信号を、新たに三相コンバータ1のW相電
圧指令値VRW* とし、UW間電圧指令VRUW*、VW間電
圧指令VRVW*から、W相電圧指令値VRW*を基準に、 VRU*=VRUW*+VRW* (24) VRV*=VRVW*+VRW* (25) のように演算し、U相、V相の電圧指令値を求めてい
る。
【0085】演算式からわかるように、U相、V相の電
圧指令値は、W相電圧指令値VRW*を加算することによ
り求めているので、3倍周波数成分が自動的に加算され
ていることになり、直流電圧利用率が向上する。従っ
て、実施例3と比べると、同一の直流電圧に対して交流
側に発生できる電圧が15%程大きいので、三相交流電
源2の電圧が高めに変動しても、運転を継続することが
できる。
【0086】本実施例は以上のよう構成されているの
で、上記実施例3と同様に、三相交流電源と三相コンバ
ータの二相間にのみリアクトルを設け、入力電流を所望
の値に制御することができ、三相交流電源の電圧検出器
が不要なのでコストを低減することができるのに加え、
三相コンバータの直流電圧利用率が向上するので運転範
囲を広げることができる。
【0087】実施例5.図8はこの発明の実施例5によ
る三相電力変換器の構成を示すもので、実施例1から実
施例4までのシステムが高力率コンバータであったのに
対し、本実施例は負荷に交流電力を供給する正弦波電圧
形インバータ・システムに関するものである。
【0088】前述の図19(従来の正弦波電圧形インバ
ータ)と対応する機能については同じ番号を付しその詳
細な説明は省力する。本実施例の構成の特徴は、出力フ
ィルタのリアクトルが二相のみとなっていることであ
る。図において、301はリアクトル103に流れる電
流を検出する電流検出器、302はリアクトル104に
流れる電流を検出する電流検出器、304はU相とV相
の出力相電圧を検出する電圧検出器である。
【0089】308はU相負荷電流を検出する電流検出
器、309はV相負荷電流を検出する電流検出器、 8
04は電流検出器308が出力するU相負荷電流と電圧
制御回路604が出力するU相コンデンサ電流指令を加
算してリアクトル103に流すべき電流を出力する加減
算器、805は電流検出器309が出力するV相負荷電
流と電圧制御回路605が出力するV相コンデンサ電流
指令を加算してリアクトル104に流すべき電流を出力
する加減算器、
【0090】803は電流制御回路604、605の出
力するUW間電圧指令値、VW間電圧指令値から、W相
電圧指令値に比例した電圧を演算する加減算器、606
は加減算器803が出力するW相電圧指令値に比例した
電圧を係数倍してW相電圧指令値を出力する係数器、8
01は係数器606が出力するW相電圧指令値と電流制
御回路604が出力するUW間電圧指令値からU相電圧
指令値を演算する加減算器、802は係数器606が出
力するW相電圧指令値と電流制御回路605が出力する
VW間電圧指令値からV相電圧指令値を演算する加減算
器である。
【0091】次に動作について説明する。電圧指令発生
回路601はU相とV相の指令として位相差が120度
の正弦波電圧指令VCU* 、VCV* を出力する。U相出力
電圧指令VCU* と電圧検出器304で検出したU相出力
電圧VCUを一致させるためにU相コンデンサ106に流
すべき電流指令ICU* を電圧制御回路602が演算す
る。
【0092】同様に、V相出力電圧指令VCV* と電圧検
出器304で検出したV相出力電圧VCVを一致させるた
めにV相コンデンサ107に流すべき電流指令ICV* を
電圧制御回路603が演算する。電圧制御回路602、
603は、例えば指令値と検出値の誤差を比例または比
例積分形増幅器で増幅するものである。
【0093】U相リアクトル103に流れる電流IAU
は、キルヒホッフの法則より IAU=ICU+ILU (26) (ILU:U相負荷電流)となる。
【0094】従って、U相出力電圧指令VCU* とU相出
力電圧VCUを一致させるためにU相リアクトル103に
流すべき電流指令IAU* は、 IAU*=ICU*+ILU (27) となり、加減算器804にて26式の演算を行ってい
る。
【0095】同様に、V相に関しても、 IAV*=ICV*+ILV (28) を加減算器804にて演算し、V相出力電圧指令VCV*
とV相出力電圧VCVを一致させるためにV相リアクトル
104に流すべき電流指令IAV* を求めている。
【0096】電流制御回路604、605は、この電流
指令値と電流検出器301、302にて検出した電流I
AU、IAVを一致させるために三相インバータ1が発生す
べきUW間電圧指令値VAUV*、VW間電圧指令値VAVW*
を出力する。電流制御回路604、605は、例えば指
令値と検出値の誤差を比例または比例積分形増幅器で増
幅するものである。
【0097】PWM変調回路402への電圧指令値は相
電圧で与えるため、二つの線間電圧指令値から三つの相
電圧指令値を求めなければならない。U相、V相の電流
を指令値と一致するよう制御するためには、UW間電圧
がVAUW*、 VW間電圧がVAVW*に追従することが必要
であり、これを満足さえすれば三相インバータ101の
相電圧はどのような値でもよい。
【0098】本実施例では、図4に示す三相電圧ベクト
ルの関係から、直接、W相電圧指令値VAW*を VAW*=−1/3*(VAUW*+VAVW*) (29) と演算して求め、次にU相、V相を VAU*=VAUW*+VAW* (30) VAV*=VAVW*+VAW* (31) と求めている。
【0099】これらの各相電圧指令値により、PWM変
調回路402、ドライブ回路401を介して、三相イン
バータ101のスイッチングが制御され、リアクトルに
「出力電圧指令と出力電圧を一致させるために流れる電
流」が流れる。よって、直流電源102の直流電力は交
流電力に変換され、負荷110に三相正弦波電圧が供給
される。
【0100】本実施例は以上のよう構成されているの
で、三相インバータの出力フィルタを構成するリアクト
ルを二相のみに設け、三相出力電圧を所望の値に制御す
ることができる。
【0101】実施例6.図9はこの発明の実施例6によ
る三相電力変換器の構成を示すもので、図9において図
8と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は
省略する。上記実施例5と異なるのは、出力電圧指令の
基本周波数の3倍周波数を持つ正弦波を出力する3倍周
波数発生回路607、加減算器806を追加した点であ
り、その他は実施例5と同様である。
【0102】U相リアクトル103、V相リアクトル1
04の電流を電流指令値に追従させるためには、電流制
御回路604、605の出力するUW間電圧指令VAUW
*、VW間電圧指令VAVW*を三相インバータ101が出
力することが必要であり、これを満足さえすれば三相イ
ンバータ101の相電圧はどのような値でもよい。本実
施例では、「三相電圧ベクトルの関係を用いて、UW間
電圧指令VAUW*、VW間電圧指令VAVW*から演算で直接
求めた三相コンバータ1のW相電圧指令値」に、インバ
ータの直流電圧利用率を向上させるための信号を加算
し、これを新たにW相電圧指令値として、U相、V相の
電圧指令値を演算にて求めている。
【0103】まず、図4に示す三相電圧ベクトルの関係
から、直接、W相電圧指令値VRW*を、 VAW*=−1/3*(VAUW*+VAVW*) (32) と演算して求める。
【0104】これに、3倍周波数発生回路607の出力
する「出力電圧指令の3倍周波数で、振幅は出力電圧指
令の1/6である正弦波信号」を加減算器806にて加
えた信号を、新たに三相インバータ1のW相電圧指令値
VAW* とし、UW間電圧指令VAUW*、VW間電圧指令V
AVW*から、W相電圧指令値VAW* を基準に、 VAU*=VAUW*+VAW* (33) VAV*=VAVW*+VAW* (34) のように演算し、U相、V相の電圧指令値を求めてい
る。
【0105】演算式からわかるように、U相、V相の電
圧指令値は、W相電圧指令値VAW*を加算することによ
り求めているので、3倍周波数成分が自動的に加算され
ていることになり、直流電圧利用率が向上する。従っ
て、実施例5と比べると、同一の直流電圧に対して交流
側に発生できる電圧が15%程大きいので、同じ出力電
圧を得るために必要な直流電圧値も低くてすみ、三相イ
ンバータ101のスイッチング素子を選定する際に、耐
圧値の低いものを選ぶことができる。
【0106】本実施例は以上のよう構成されているの
で、上記実施例5と同様に、三相インバータの出力フィ
ルタを構成するリアクトルを二相のみに設け、三相出力
電圧を所望の値に制御することができるのに加え、三相
インバータの直流電圧利用率が向上するので、耐圧値の
低いスイッチング素子を使用することができ、コストを
低減できる。
【0107】実施例7.図10はこの発明の実施例7に
よる三相電力変換器の構成を示すもので、図10におい
て図8と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説
明は省略する。上記実施例5と異なるのは、三相インバ
ータ101のW相電圧指令値を、電圧指令発生回路60
1の出力するU相電圧指令値VCU* 、V相電圧指令値V
CV* から求めることにより、係数器を省いた点であり、
その他は実施例5と同様である。
【0108】U相リアクトル103、V相リアクトル1
04の電流を電流指令値に追従させるためには、電流制
御回路604、605の出力するUW間電圧指令VAUW
*、VW間電圧指令VAVW*を三相インバータ101が出
力することが必要である。本実施例では、電圧指令発生
回路601の出力するU相電圧指令値VCU* 、V相電圧
指令値VCV* から、係数器を用いることなく加減算器8
03のみで VAW*=−VCU*−VCV* (35) を演算して求める。
【0109】そして、これを基準に、U相、V相の電圧
指令値を VAU*=VAUW*+VAW* (36) VAV*=VAVW*+VAW* (37) のように演算している。
【0110】本実施例は以上のよう構成されているの
で、上記実施例5と同様に、三相インバータの出力フィ
ルタを構成するリアクトルを二相のみに設け、三相出力
電圧を所望の値に制御することができるのに加え、W相
電圧指令値を簡単な演算で求めることができコストを低
減できる。
【0111】実施例8.図11はこの発明の実施例8に
よる三相電力変換器の構成を示すもので、図11におい
て図10と対応する部分には同一符号を付し、その詳細
説明は省略する。上記実施例7と異なるのは、出力電圧
指令の基本周波数の3倍周波数を持つ正弦波を出力する
3倍周波数発生回路607、加減算器806を追加した
点であり、その他は実施例7と同様である。
【0112】U相リアクトル103、V相リアクトル1
04の電流を電流指令値に追従させるためには、電流制
御回路604、605の出力するUW間電圧指令VAUW
*、VW間電圧指令VAVW*を三相インバータ101が出
力することが必要であり、これを満足さえすれば三相コ
ンバータ1の相電圧はどのような値でもよい。本実施例
では、「電圧指令発生回路601の出力するU相出力電
圧指令値VCU* 、V相出力電圧指令値VCV* から、加減
算器803にて演算で求めた三相コンバータ1のW相電
圧指令値」に、インバータの直流電圧利用率を向上させ
るための信号を加算し、これを新たにW相電圧指令値と
して、U相、V相の電圧指令値を演算にて求めている。
【0113】まず、電圧指令発生回路601の出力する
U相電圧指令値VCU* 、V相電圧指令値VCV* から、加
減算器803にてW相電圧指令値VAW* を VAW*=−VCU*−VCV* (38) と演算して求める。
【0114】そして、W相電圧指令値VAW*に、3倍周
波数発生回路607の出力する「出力電圧指令の3倍周
波数で、振幅は出力電圧指令の1/6である正弦波信
号」を加減算器806にて加えた信号を、新たに三相イ
ンバータ1のW相電圧指令値VAW* とし、UW間電圧指
令VAUW*、VW間電圧指令VAVW*から、W相電圧指令値
VAW* を基準に、 VAU*=VAUW*+VAW* (39) VAV*=VAVW*+VAW* (40) のように演算し、U相、V相の電圧指令値を求めてい
る。
【0115】演算式からわかるように、U相、V相の電
圧指令値は、W相電圧指令値VAW*を加算することによ
り求めているので、3倍周波数成分が自動的に加算され
ていることになり、直流電圧利用率が向上する。従っ
て、実施例7と比べると、同一の直流電圧に対して交流
側に発生できる電圧が15%程大きいので、同じ出力電
圧を得るために必要な直流電圧値も低くてすみ、三相イ
ンバータ101のスイッチング素子を選定する際に、耐
圧値の低いものを選ぶことができる。
【0116】本実施例は以上のよう構成されているの
で、上記実施例7と同様に、三相インバータの出力フィ
ルタを構成するリアクトルを二相のみに設け、三相出力
電圧を所望の値に制御することができ、W相電圧指令値
を簡単な演算にて求めるためコストが低減できるのに加
え、三相インバータの直流電圧利用率が向上するので、
耐圧値の低いスイッチング素子を使用することができ、
コストを低減できる。
【0117】実施例9.図12はこの発明の実施例9に
よる三相電力変換器の構成を示すもので、前述の図19
(従来の正弦波電圧形インバータ)と対応する機能につ
いては同じ番号をつけている。本実施例の構成の特徴
は、出力フィルタのリアクトルが二相のみ、コンデンサ
が二線間のみとなっていることである。図において、3
04はUW間とVW間の出力線間電圧を検出する電圧検
出器、803は電圧指令発生回路601の出力するUW
間出力電圧指令値、VW間出力電圧指令値から、三相イ
ンバータ101が出力すべきW相電圧指令値に比例した
電圧を演算する加減算器、606は加減算器803が出
力するW相電圧指令値に比例した電圧を係数倍してW相
電圧指令値を出力する係数器、801は係数器606が
出力するW相電圧指令値と電圧制御回路602が出力す
るUW間電圧指令値からU相電圧指令値を演算する加減
算器、802は係数器606が出力するW相電圧指令値
と電圧制御回路603が出力するVW間電圧指令値から
V相電圧指令値を演算する加減算器である。
【0118】次に動作について説明する。電圧指令値発
生回路601はUW間とVW間の指令として位相差が6
0度の正弦波電圧指令VCUW*、VCVW*を出力する。UW
間出力電圧指令VCUW*と電圧検出器304で検出したU
W間出力電圧VCUW を一致させるために三相インバータ
101が出力すべきUW間電圧VAUW*を電圧制御回路6
02が演算する。
【0119】UW間には、リアクトル103、コンデン
サ106からなる交流フィルタがあり、三相インバータ
101がUW間に発生した矩形波状の電圧にフィルタが
かかり、負荷110のUW間には正弦波の電圧が供給さ
れる。同様に、VW間電圧指令VCVW*と電圧検出器30
4で検出したVW間出力電圧VCVW を一致させるために
三相インバータ101が出力すべきVW間電圧VAVW*を
電圧制御回路603が演算する。電圧制御回路602、
603は、例えば指令値と検出値の誤差を比例または比
例積分形増幅器で増幅するものである。
【0120】PWM変調回路402への電圧指令値は相
電圧で与えるため、二つの線間電圧指令値から三つの相
電圧指令値を求めなければならない。本実施例では、正
弦波電圧指令VCUW*、VCVW*から図4に示す三相電圧ベ
クトルの関係を用いてW相出力電圧指令値VCW* を求
め、 VCW*=−1/3*(VCUW*+VCVW*) (41) これをW相電圧指令値VAW* として、加減算器803、
係数器606にて VAW*=VCW*=−1/3*(VCUW*+VCVW*) (42) と演算して求める。
【0121】次にU相、V相を VAU*=VAUW*+VAW* (43) VAV*=VAVW*+VAW* (44) と求めている。
【0122】これらの各相電圧指令値により、PWM変
調回路402、ドライブ回路401を介して、三相イン
バータ101のスイッチングが制御され、出力電圧のU
W間、VW間は正弦波電圧となり、結果的に残りのUV
間も正弦波電圧となる。よって、直流電源102の直流
電力は交流電力に変換され、負荷110に三相正弦波電
圧が供給される。
【0123】本実施例は以上のよう構成されているの
で、三相インバータの出力フィルタを構成するリアクト
ルを二相のみに、コンデンサを二線間のみに設け、三相
出力電圧を所望の値に制御することができる。
【0124】実施例10.図13はこの発明の実施例1
0による三相電力変換器の構成を示すもので、図13に
おいて図12と対応する部分には同一符号を付し、その
詳細説明は省略する。上記実施例9と異なるのは、出力
電圧指令の基本周波数の3倍周波数を持つ正弦波を出力
する3倍周波数発生回路607、加減算器806を追加
した点であり、その他は実施例9と同様である。
【0125】電圧制御回路602、603の出力するU
W間電圧指令VAUW*、VW間電圧指令VAVW*を三相イン
バータ101が出力するには、PWM変調回路402へ
の電圧指令値が相電圧であるため、二つの線間電圧指令
値から三つの相電圧指令値を求めなければならない。本
実施例では、「正弦波電圧指令VCUW*、VCVW*から求め
た三相インバータ101のW相電圧指令値」に、インバ
ータの直流電圧利用率を向上させるための信号を加算
し、これを新たにW相電圧指令値として、U相、V相の
電圧指令値を演算にて求めている。
【0126】まず、W相電圧指令値VAW* を、加減算器
803、係数器606にて VAW*=VCW*=−1/3*(VCUW*+VCVW*) (45) を求め、これに、3倍周波数発生回路607の出力する
「出力電圧指令の3倍周波数で、振幅は出力電圧指令の
1/6である正弦波信号」を加減算器806にて加えた
信号を、新たに三相インバータ1のW相電圧指令値VAW
* とし、UW間電圧指令VAUW*、VW間電圧指令VAVW*
から、W相電圧指令値VAW* を基準に、 VAU*=VAUW*+VAW* (46) VAV*=VAVW*+VAW* (47) のように演算し、U相、V相の電圧指令値を求めてい
る。
【0127】演算式からわかるように、U相、V相の電
圧指令値は、W相電圧指令値VAW*を加算することによ
り求めているので、3倍周波数成分が自動的に加算され
ていることになり、直流電圧利用率が向上する。従っ
て、実施例9と比べると、同一の直流電圧に対して交流
側に発生できる電圧が15%程大きいので、同じ出力電
圧を得るために必要な直流電圧値も低くてすみ、三相イ
ンバータ101のスイッチング素子を選定する際に、耐
圧値の低いものを選ぶことができる。
【0128】本実施例は以上のよう構成されているの
で、上記実施例9と同様に、三相インバータの出力フィ
ルタを構成するリアクトルを二相のみに、コンデンサを
二線間のみに設け、三相出力電圧を所望の値に制御する
ことができるのに加え、三相インバータの直流電圧利用
率が向上するので、耐圧値の低いスイッチング素子を使
用することができ、コストを低減できる。
【0129】実施例11.図14はこの発明の実施例1
1による三相電力変換器の構成を示すもので、図14に
おいて図12と対応する部分には同一符号を付し、その
詳細説明は省略する。上記実施例9と異なるのは、三相
インバータ101の各相電圧指令値を、電圧制御回路6
02、603の出力するUW間電圧指令値VAUW*、VW
間電圧指令値VAVW*から直接求めている点であり、その
他は実施例9と同様である。
【0130】電圧制御回路602、603の出力するU
W間電圧指令VAUW*、VW間電圧指令VAVW*を三相イン
バータ101が出力するには、PWM変調回路402へ
の電圧指令値が相電圧であるため、二つの線間電圧指令
値から三つの相電圧指令値を求めなければならない。本
実施例では、電圧制御回路602、603の出力するU
W間電圧指令値VAUW*、VW間電圧指令値VAVW*から、
図4に示す三相電圧ベクトルの関係を用いて、直接、W
相電圧指令値VAW* を求め、これを基準に、U相、V相
の電圧指令値を演算にて求めている。
【0131】まず、W相電圧指令値VAW* を、加減算器
803、係数器606にて VAW*=−1/3*(VAUW*+VAVW*) (48) と演算して求め、次にU相、V相を VAU*=VAUW*+VAW* (49) VAV*=VAVW*+VAW* (50) と求めている。
【0132】これらの各相電圧指令値により、PWM変
調回路402、ドライブ回路401を介して、三相イン
バータ101のスイッチングが制御され、直流電源10
2の直流電力は交流電力に変換され、負荷110に三相
正弦波電圧が供給される。実施例9では、W相電圧指令
値VAW* が出力電圧指令値から作成されていたので、負
荷急変時にVAUW*、VAVW*が変化しても、その変化はU
相、V相のみに表れ、W相には表れなかった。しかし、
本実施例の構成では、VAUW*、VAVW*の変化が各相に表
れるので、三相対称なスイッチングが行われ、素子の負
担が一相に集中することがない。
【0133】本実施例は以上のよう構成されているの
で、上記実施例9と同様に、三相インバータの出力フィ
ルタを構成するリアクトルを二相のみに、コンデンサを
二線間のみに設け、三相出力電圧を所望の値に制御する
ことができるのに加え、三相対称なスイッチングを行う
ことにより、素子の負担が集中しない。
【0134】実施例12.図15はこの発明の実施例1
2による三相電力変換器の構成を示すもので、図15に
おいて図14と対応する部分には同一符号を付し、その
詳細説明は省略する。上記実施例11と異なるのは、出
力電圧指令の基本周波数の3倍周波数を持つ正弦波を出
力する3倍周波数発生回路607、加減算器806を追
加した点であり、その他は実施例11と同様である。
【0135】電圧制御回路602、603の出力するU
W間電圧指令VAUW*、VW間電圧指令VAVW*を三相イン
バータ101が出力するには、PWM変調回路402へ
の電圧指令値が相電圧であるため、二つの線間電圧指令
値から三つの相電圧指令値を求めなければならない。本
実施例では、「三相電圧ベクトルの関係を用いて、UW
間電圧指令VAUW*、VW間電圧指令VAVW*から演算で直
接求めた三相コンバータ1のW相電圧指令値」に、イン
バータの直流電圧利用率を向上させるための信号を加算
し、これを新たにW相電圧指令値として、U相、V相の
電圧指令値を演算にて求めている。
【0136】まず、W相電圧指令値VAW* を、加減算器
803、係数器606にて VAW*=−1/3*(VAUW*+VAVW*) (51) を求め、これに、3倍周波数発生回路607の出力する
「出力電圧指令の3倍周波数で、振幅は出力電圧指令の
1/6である正弦波信号」を加減算器806にて加えた
信号を、新たに三相インバータ1のW相電圧指令値VAW
* とし、UW間電圧指令VAUW*、VW間電圧指令VAVW*
から、W相電圧指令値VAW* を基準に、 VAU*=VAUW*+VAW* (52) VAV*=VAVW*+VAW* (53) のように演算し、U相、V相の電圧指令値を求めてい
る。
【0137】演算式からわかるように、U相、V相の電
圧指令値は、W相電圧指令値VAW*を加算することによ
り求めているので、3倍周波数成分が自動的に加算され
ていることになり、直流電圧利用率が向上する。従っ
て、実施例11と比べると、同一の直流電圧に対して交
流側に発生できる電圧が15%程大きいので、同じ出力
電圧を得るために必要な直流電圧値も低くてすみ、三相
インバータ101のスイッチング素子を選定する際に、
耐圧値の低いものを選ぶことができる。
【0138】本実施例は以上のよう構成されているの
で、上記実施例11と同様に、三相インバータの出力フ
ィルタを構成するリアクトルを二相のみに、コンデンサ
を二線間のみに設け、三相出力電圧を所望の値に制御す
ることができ、三相対称なスイッチングを行うことによ
り、素子の負担が集中しないのに加え、三相インバータ
の直流電圧利用率が向上するので、耐圧値の低いスイッ
チング素子を使用することができ、コストを低減でき
る。
【0139】ところで、以上の説明ではリアクトルをU
相、V相に、コンデンサをUW間、VW間に設けていた
が、制御回路と主回路の相・線間の関係さえ合わせれ
ば、リアクトルをV相、W相、コンデンサをVU間、W
U間に設けるなどしても勿論よい。
【0140】さらに、以上の説明では、三相電力変換器
が電圧形インバータの場合について説明したが、図15
に示すように、高周波インバータとサイクロ・コンバー
タを組合わせ、直流から高周波矩形波さらに低周波正弦
波に変換する高周波リンク形変換器などの瞬時電圧制御
の可能な電力変換器にも同じ原理を適用できる。
【0141】図16に示す三相電力変換器では、トラン
ジスタQ1からQ4のスイッチングによりトランスTR
の2次に図17(a)に示すような矩形波を得る。次に
同図(b)に示すようなインバータのスイッチングと同
期した鋸歯状波を作り、それと図中にX1−X2で示す
出力電圧指令信号との交点を同図(c)のように求め
る。この信号とインバータの電圧R2S2の極性に基づ
き、同図(e)のようにサイクロ・コンバータのスイッ
チを選択することにより、同図(d)のように信号X1
−X2に対応した電圧を図16のUN間に得ることがで
きる。同様にして、VN間、WN間も制御し、三相の出
力を得ることができる。
【0142】さらに、以上の説明では、制御回路の構成
がアナログ演算増幅器等を用いたディスクリート回路で
ある場合について説明したが、マイクロ・プロセッサや
ディジタル・シグナル・プロセッサによるディジタル制
御でソフトウェア処理によって行ってもよい。
【0143】また、実施例1、2、3、4では、交流電
力を直流電力に変換する高力率コンバータの場合につい
て説明したが、三相交流電源にリアクトルを介して接続
する三相電力変換器のうち、リアクトルに流れる電流を
制御するものであれば、同じ原理を適用できる。さら
に、リアクトルは適当なインダクタンス値を持っていれ
ば、変圧器などを使用しても勿論よい。
【0144】また、実施例9、10、11、12では、
出力電圧制御系が電圧制御ループのみで構成していた
が、電圧制御ループのマイナー・ループとして電流制御
ループを設けても勿論よい。この場合、電流制御ループ
としては、リアクトル電流の制御ループ、コンデンサ電
流の制御ループなどが適用できる。
【0145】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、電気弁の開閉
制御により発生した任意の三相交流を三相交流電源側に
出力するように構成された電力変換器と上記三相交流電
源との間の任意の二相間にインダクタンス成分を設け、
上記電力変換器と上記三相交流電源との間の残り一相は
直接接続し、上記インダクタンス成分の電流を制御する
電流制御増幅器を二相分設け、上記電流制御増幅器の出
力信号よりPWM電圧指令値を上記電力変換器に対して
生成するようにしたので、これら電流制御増幅器の出力
信号に基づく各相間電圧とインダクタンス成分を接続し
ていない相間電圧とに従って三相電力変換器を動作させ
ることで、インダクタンス成分の入力電流は相間電圧に
より所望の値に制御することができるため制御性が向上
するという効果がある。
【0146】請求項2の発明によれば、PWM電圧指令
値の任意の一相を、三相交流電源の対応する相電圧とし
たので、請求項1の発明の効果に加えて二つの電流制御
増幅器の電圧指令から三相のPWM電圧指令値を生成す
ることができるという効果がある。
【0147】請求項3の発明によれば、二つの電流制御
増幅器の出力信号のみから、三相のPWM電圧指令値を
生成することができるため、請求項1の効果に加えて安
価に三相電力変換器を構成できるという効果がある。
【0148】請求項4の発明によれば、PWM電圧指令
値の任意の一相を求め、三相交流電源の3倍周波数の正
弦波を加算し、この信号と電流制御増幅器の出力からP
WM電圧指令値を生成したので、請求項1の効果に加え
て三相電力変換器の直流電圧利用率が向上し、運転範囲
を拡大することができるという効果がある。
【0149】請求項5の発明によれば、電気弁の開閉制
御により、任意の三相交流出力を発生するように構成さ
れた電力変換器の出力に、交流フィルタを設け、負荷に
交流電力を供給する電力変換器のうち、上記交流フィル
タを負荷に直列に接続したインダクタンス成分と負荷に
平列に接続したコンデンサから構成し、上記インダクタ
ンス成分を任意の二相に設け、上記コンデンサの電圧を
制御する電圧制御増幅器を設けたので、電圧制御増幅器
の出力信号に基づく各相間電圧に基づいて三相電力変換
器を動作させることで、交流フィルタのインダクタンス
成分の出力電圧が所望の値に制御することができるため
制御性が向上するという効果がある。
【0150】請求項6の発明によれば、交流フィルタを
構成するインダクタンス成分を任意の二相のみに設ける
と共に、コンデンサを任意の二線間のみに設けて三相電
力変換器の出力電圧を所望の値に制御することで、請求
項5の効果に加えて回路構成が簡略化されるという効果
がある。
【0151】請求項7の発明によれば、電圧制御増幅器
を二つ設け、この電圧制御増幅器の出力信号より三相の
PWM電圧指令値を生成することができるため、請求項
5または請求項6の効果に加えてPWM電圧指令値を簡
単な演算で求めることができると共に、コストを低減で
きるという効果がある。
【0152】請求項8の発明によれば、電圧制御系の中
に二つの電流制御増幅器を設けて電流マイナーループを
構成し、この二つの電流制御増幅器の出力信号より三相
のPWM電圧指令値を生成することで、請求項5または
請求項6の効果に加えてより精度の高いPWM電圧指令
値を生成することができるという効果がある。
【0153】請求項9の発明によれば、PWM電圧指令
値の任意の一相を出力電圧指令値の対応する相電圧と
し、二つの電圧制御増幅器または電流制御増幅器と三相
交流電源の電圧検出器より三相のPWM電圧指令値を生
成することで、請求項5ないし請求項7のいずれかの効
果に加えてPWM電圧指令値をより簡単な演算で求める
ことができるという効果がある。
【0154】請求項10の発明によれば、PWM電圧指
令値を三相とも、二つの電圧制御増幅器の出力信号のみ
から生成することができるため、請求項5ないし請求項
7のいずれかの効果に加えてPWM電圧指令値をより簡
単な構成で求めることができるという効果がある。
【0155】請求項11の発明によれば、PWM電圧指
令値を三相とも、二つの電流制御増幅器の出力信号のみ
から生成することができるため、請求項8の効果に加え
てPWM電圧指令値をより簡単な構成で求めることがで
きるという効果がある。
【0156】請求項12の発明によれば、PWM電圧指
令値の任意の一相を求め、出力電圧指令値の3倍周波数
の正弦波を加算し、この信号と電圧制御増幅器の出力か
らPWM電圧指令値を生成したので、請求項1の効果に
加えて三相電力変換器の直流電圧利用率が向上し、耐圧
の低い素子を使用することができるという効果がある。
【0157】請求項13の発明によれば、PWM電圧指
令値の任意の一相を求め、出力電圧指令値の3倍周波数
の正弦波を加算し、この信号と電流制御増幅器の出力か
らPWM電圧指令値を生成したので、請求項1の効果に
加えて三相電力変換器の直流電圧利用率が向上し、耐圧
の低い素子を使用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1を示すブロック図であ
る。
【図2】 本発明に用いる変換器の実施例を示す回路図
である。
【図3】 PWM変調回路を示すブロック図である。
【図4】 三相電圧ベクトルの説明図である。
【図5】 この発明の実施例2を示すブロック図であ
る。
【図6】 この発明の実施例3を示すブロック図であ
る。
【図7】 この発明の実施例4を示すブロック図であ
る。
【図8】 この発明の実施例5を示すブロック図であ
る。
【図9】 この発明の実施例6を示すブロック図であ
る。
【図10】 この発明の実施例7を示すブロック図であ
る。
【図11】 この発明の実施例8を示すブロック図であ
る。
【図12】 この発明の実施例9を示すブロック図であ
る。
【図13】 この発明の実施例10を示すブロック図で
ある。
【図14】 この発明の実施例11を示すブロック図で
ある。
【図15】 この発明の実施例12を示すブロック図で
ある。
【図16】 本発明に用いる他の変換器の実施例を示す
回路図である。
【図17】 本発明に用いる他の変換器の動作説明図で
ある。
【図18】 従来方式の高力率コンバータを示すブロッ
ク図である。
【図19】 従来方式の正弦波電圧型インバータを示す
ブロック図である。
【符号の説明】
1 三相電力変換器(三相コンバータ)、2 三相交流
電源、3,4 リアクトル、6,7,9 コンデンサ、
10 負荷、201,202 電流検出器、204,2
05 電圧検出器、401 ドライブ回路、402 P
WM変調回路、501〜508 制御回路、701〜7
03 加減算器。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気弁の開閉制御により発生した任意の
    三相交流を三相交流電源側に出力するように構成された
    電力変換器と上記三相交流電源との間の任意の二相間に
    インダクタンス成分を設け、上記電力変換器と上記三相
    交流電源との間の残り一相は直接接続し、上記インダク
    タンス成分の電流を制御する電流制御増幅器を二相分設
    け、上記電流制御増幅器の出力信号よりPWM電圧指令
    値を上記電力変換器に対して生成したことを特徴とする
    三相電力変換器。
  2. 【請求項2】 PWM電圧指令値の任意の一相を、三相
    交流電源の対応する相電圧としたことを特徴とする請求
    項1に記載の三相電力変換器。
  3. 【請求項3】 PWM電圧指令値を三相とも二つの電流
    制御増幅器の出力信号のみから求めたことを特徴とする
    請求項1に記載の三相電力変換器。
  4. 【請求項4】 PWM電圧指令値の任意の一相を求め、
    三相交流電源の3倍周波数の正弦波を加算し、この信号
    と電流制御増幅器の出力からPWM電圧指令値を生成し
    たことを特徴とする請求項1に記載の三相電力変換器。
  5. 【請求項5】 電気弁の開閉制御により、任意の三相交
    流出力を発生するように構成された電力変換器の出力
    に、交流フィルタを設け、負荷に交流電力を供給する電
    力変換器のうち、上記交流フィルタを負荷に直列に接続
    したインダクタンス成分と負荷に平列に接続したコンデ
    ンサから構成し、上記インダクタンス成分を任意の二相
    に設け、上記コンデンサの電圧を制御する電圧制御増幅
    器を設けたことを特徴とする三相電力変換器。
  6. 【請求項6】 交流フィルタを構成するコンデンサを任
    意の二線間に接続したことを特徴とする請求項5に記載
    の三相電力変換器。
  7. 【請求項7】 電圧制御増幅器を二つ設け、上記電圧制
    御増幅器の出力信号よりPWM電圧指令値を生成したこ
    とを特徴とする請求項5または請求項6に記載の三相電
    力変換器。
  8. 【請求項8】 電圧制御系の中に電流制御増幅器を設
    け、電流マイナーループを構成し、この電流制御増幅器
    の出力信号よりPWM電圧指令値を生成したことを特徴
    とする請求項5または請求項6に記載の三相電力変換
    器。
  9. 【請求項9】 PWM電圧指令値の任意の一相を、出力
    電圧指令値の対応する相電圧としたことを特徴とする請
    求項5ないし請求項7のいずれかに記載の三相電力変換
    器。
  10. 【請求項10】 PWM電圧指令値を三相とも、二つの
    電圧制御増幅器の出力信号のみから求めたことを特徴と
    する請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の三相電
    力変換器。
  11. 【請求項11】 PWM電圧指令値を三相とも、二つの
    電流制御増幅器の出力信号のみから求めたことを特徴と
    する請求項8に記載の三相電力変換器。
  12. 【請求項12】 PWM電圧指令値の任意の一相を求
    め、出力電圧指令値の3倍周波数の正弦波を加算し、こ
    の信号と電圧制御増幅器の出力からPWM電圧指令値を
    生成したことを特徴とする請求項1に記載の三相電力変
    換器。
  13. 【請求項13】 PWM電圧指令値の任意の一相を求
    め、出力電圧指令値の3倍周波数の正弦波を加算し、こ
    の信号と電流制御増幅器の出力からPWM電圧指令値を
    生成したことを特徴とする請求項1に記載の三相電力変
    換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH09201059A (ja) * 1996-01-19 1997-07-31 Fuji Electric Co Ltd Pwm制御自励式整流装置
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JPH09201059A (ja) * 1996-01-19 1997-07-31 Fuji Electric Co Ltd Pwm制御自励式整流装置
JP2007135280A (ja) * 2005-11-09 2007-05-31 Doshisha Lcフィルタ付三相pwmインバータの制御方法、及び同方法に従って動作するインバータ装置

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