JPH07288178A - 炭素質材料からなる導電性構造体及びその取付け方法 - Google Patents

炭素質材料からなる導電性構造体及びその取付け方法

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JPH07288178A
JPH07288178A JP11333694A JP11333694A JPH07288178A JP H07288178 A JPH07288178 A JP H07288178A JP 11333694 A JP11333694 A JP 11333694A JP 11333694 A JP11333694 A JP 11333694A JP H07288178 A JPH07288178 A JP H07288178A
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conductive structure
sheet
graphite sheet
joint
flexible graphite
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Masaki Okada
雅樹 岡田
Hiroyuki Hirano
博之 平野
Masaki Nishioka
正樹 西岡
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Toyo Tanso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、半導体等の単結晶引上げ炉、CV
D炉、金属溶融炉等に使用される高温炉の導電性構造体
に関し、導電性構造体の各部品間の接合部や、導電性構
造体と金属製電極との接合部に放電や発熱が生じないよ
うな導電性構造体及びその取付け方法を提供することを
目的とする。 【構成】 炭素質材料からなる導電構造体であって、導
電性構造体を構成する部品間に可とう性黒鉛シートを介
して固定されてなることを特徴とする導電性構造体及び
その取付け方法である。特に好ましくは、無荷重時の厚
みが0.3〜2.0ミリメートル、圧縮率が30%以
上、復元率が8%以上、10MPa荷重時における表面
に垂直方向の電気抵抗率が5×10−3Ω・m以下又は
/及び表面に垂直方向の熱膨張係数が5×10−4/K
(573〜673K)以下の可とう性黒鉛シートであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコンや化合物半導
体等の単結晶引上げ炉、多結晶引上げ炉、多結晶溶融
炉、CVD(化学蒸着)炉、MOCVD(有機金属化学
蒸着)炉、セラミック(例えば炭化ケイ素、窒化ケイ
素)焼結炉、炭素繊維の焼成炉や黒鉛化炉、炭素繊維強
化炭素複合材(C/C複合材)の熱処理炉や高純度炉、
金属蒸着炉、金属溶融炉等に使用される高温炉の導電性
構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高温炉の導電性構造体は、発熱
部、電極部、及び必要に応じて両者をつなぐ継手部(電
流導入部ともいう)等の各部位からなり、取扱いや加工
のし易さ等の観点から、各部位が一体に作製されている
ものや、各部位が各部品として分割作製されておりそれ
ら各部品を接合することによって導電性構造体として構
成させているものがある。通常は主にヒーターとして使
用されている。
【0003】これらの導電性構造体は、耐熱性が必要な
ことから炭素質材料で製造されている。炭素質材料は、
酸素雰囲気下では酸化により消耗してしまうので、炭素
質材料からなる導電性構造体は、アルゴンガス等の非酸
化性ガス雰囲気下、又は真空下で使用されている。かか
る導電性構造体は、炉内壁付近にあらかじめ設けられて
いる電極(主に銅等の金属製である)に取り付けて、電
流を流し、ジュール熱によって発熱部を発熱させてい
る。
【0004】従来、導電性構造体の各部品の接合は、炭
素前駆体等の接着剤を使って接合する(特開昭62−1
38577号)場合もあるが、この方法は、接着剤を接
合部に塗布した後、接着剤を硬化させるために熱処理を
行わなければならず、非常に手間がかかり作業性の悪い
方法であるため、あまり行われておらず、一般的には各
部品同士を炭素製ボルト等の固定部品を使って機械的に
直接接合していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、炉の大型化にと
もない炉内部品も大型化している。それにともなって、
導電性構造体の熱膨張による寸法変化は無視できなくな
ってきている。また、使用温度の上昇や使用時間の長期
化により、導電性構造体自身のクリープ等による変形量
も多くなってきている。そのため、導電性構造体の各部
品間の接合部や、導電性構造体と金属製電極との接合部
に歪や変形が集中し、接合部に隙間ができてしまう。接
合部に隙間があると、その間で放電(特にアルゴン雰囲
気では顕著に発現する)を起こし、発熱体に十分電力が
投入できなったり、放電のために導電性構造体にき裂や
破損を生じたりする場合があった。また、接合部に熱が
発生し、その付近にある部品等を損傷してしまうことも
あった。
【0006】本発明は、上述のような問題を解決するた
めになされたものであり、導電性構造体の各部品間の接
合部や、導電性構造体と金属製電極との接合部に放電や
発熱が生じないような導電性構追体及びその取付け方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明に係る導電性構造体は、炭素質材料からなる導電
性構造体であって、導電性構造体を構成する部品間に可
とう性黒鉛シートを介して固定されてなることを特徴と
する導電性構造体である。
【0008】ここで、導電性構造体とは、通電すること
を目的とし、二つ以上の部品を接合してなるものをとい
うが、本明細書では便宜上、一体で構成されてなるもの
も含むものとする。
【0009】
【発明の構成】本発明に係る導電性構造体を構成する各
部品の材料については、炭素質材料であれば良く、代表
的には等方性黒鉛材や炭素繊維強化炭素複合材(いわゆ
るC/C複合材)を挙げることができるが、これらに限
らず、酸化物が不動態膜を形成する元素(チタン、ケイ
素、ホウ素、タンタル、ジルコニウム等)の炭化物、そ
の前駆体のうち少なくとも1種以上から選ばれた炭化
物、又はその前駆体を含む炭素複合材でも良い。また炭
素複合材としては、炭素繊維を含んでも良く、不動態膜
を形成する元素が均質に分散したバルク材、表面に局在
した被覆材、表面に近くにつれて濃度が高くなるFGM
(傾斜機能材)でも良い。
【0010】導電性構造体の発熱部の形状は、代表的に
はかご形、パイプ形、棒形、うず巻き形、蛇行形のもの
を挙げることができるが、これらの形状に制約は受けな
い。また、導電性構造体自体の形状、大きさや、導電性
構造体を構成する部品の数、形状、大きさ、名称等にも
制約を受けない。
【0011】接合部に介在させる可とう性黒鉛シートと
しては、天然黒鉛の粉末を酸処理して黒鉛層間化合物を
得、これを熱処理して膨張黒鉛とした後、シート状に圧
縮、圧延して製造されたものや、合成黒鉛を高倍率に膨
張させた膨張黒鉛を加圧によりシート状に成形した、い
わゆる膨張黒鉛シートが例示できるが、可とう性黒鉛シ
ートの製造方法に制約を受けるものではない。
【0012】導電性構造体を構成する各部品の固定方法
や、導電性構造体と金属製電極との固定方法は、通常行
われている方法で良く、例えば、後記する実施例のよう
にボルトを使って締付けて固定する方法、嵌め入れて固
定する方法、クランプ部品等を使って挟み込んで固定す
る方法が挙げられるが、これ以外の公知の固定方法でも
十分に効果がある。
【0013】また、全ての接合箇所に可とう性黒鉛シー
トを介在させるのが好ましいが、このようにすると導電
性構造体の組立てに時間がかかるため、隙間が発生し易
い接合部のみにシートを介在させても良い。
【0014】導電性構造体に流す電流の種類は、直流、
交流を問わず、また二相交流や三相交流等の多相交流で
も良い。
【0015】各部品の接続法は、直列接続や並列接続、
又は星形接続や環状接続でも良い。
【0016】本発明は、シートの有する可とう性によ
り、接合部の隙間を埋めることができるので、接合部に
可とう性黒鉛シートを介在させて接合するだけで十分に
効果を発揮するが、特に好適な可とう性黒鉛シートの厚
み及び特性としては、シートの無荷重時の厚みが0.3
〜2.0ミリメートル(以下mmと記す)、日本工業規
格(JIS) R 3453−1985に準拠して測定
される圧縮率が30%以上、同JISに準拠して測定さ
れる復元率が8%以上、シート表面に垂直方向(電流が
流れる方向)の電気抵抗率が10MPa荷重時で5×1
−3オーム・メートル(以下Ω・mと記す)以下また
は/及びシート表面に垂直方向の平均熱膨張係数が5×
10−4/K(573〜673K)以下であることが好
ましい。
【0017】以下にその理由を記す。
【0018】圧縮率が30%未満だと、接合面の凹凸を
十分に吸収できないので、接合面が完全に面当りしない
場合があり、接合面に隙間ができることがある。したが
って圧縮率30%以上の可とう性黒鉛シートが好適であ
る。
【0019】復元率が8%未満だと、十分に厚み方向に
寸法が復元しないので、接合面に隙間ができても、その
隙間を埋めることができにくく、接合面で放電が発生す
ることがあるので、復元率8%以上の可とう性黒鉛シー
トが好適である。
【0020】シート表面に垂直方向で10MPa荷重時
の電気抵抗率(室温)が5×10−3Ω・mを超える
と、接続部のシート自体が発熱し、シートの昇華量が多
くなって、シートの寿命がやや短くなる。またシートの
昇華量が多くなると、接合面に隙間ができることがあ
り、その部分で放電が発生することもある。特に好まし
くは3×10−3Ω・m以下のものが良い。
【0021】ここで、シート表面に垂直方向の電気抵抗
率を10MPa荷重時で定めている理由について述べ
る。可とう性を有するシート1枚の厚みは薄いため、シ
ート表面に垂直方向の電気抵抗率の測定は非常に難し
い。そこで、シートを数枚重ねてシート厚みを厚くし
て、シート表面に垂直方向に均一に電流を流し、電圧降
下法で電気抵抗率を測定するのが通常である。その際、
シート間の接触抵抗を非常に小さくする必要があるの
で、シート表面に垂直方向に荷重をかけて、接触抵抗を
小さくする。あまり荷重をかけ過ぎるとシートの物性が
大きく変わってしまうのを勘案して、10MPa荷重時
で電気抵抗率を規定したのである。
【0022】シート表面に垂直方向の平均熱膨張係数が
5×10−4/K(573〜673K)を超えるような
シートを用いると、導電部品の接合部を固定しているボ
ルトを破損したり、冷却時に接合面に隙間が生じたりし
て放電が発生する場合がある。特にシートの全厚みが厚
くなるほど全熱膨張量も多くなるため、ボルトの破損や
放電の発生率が高くなり、安心して使用できなくなる。
特に好ましくは3×10−4/K(573〜673K)
以下の平均熱膨張係数のものが良い。さらには、導電性
構造体を構成している炭素質材料の平均熱膨張係数より
小さい可とう性黒鉛シートを用いた場合には、発熱時や
冷却時に隙間が生じて放電が発生する場合があるため、
導電性構造体を構成している炭素質材料の平均熱膨張係
数より大きい可とう性黒鉛シートを用いた方が最も良
い。この場合において、通常、導電性構造体として使用
される炭素質材料は6×10−6/K(573〜673
K)以下の平均熱膨張係数であるため、可とう性黒鉛シ
ートの平均熱膨張係数はこの値以上が最も好適である。
【0023】なお、シートの厚みが薄いため、シート表
面に垂直方向の熱膨張係数が測定できないことがある。
このような場合には、熱膨張係数が正確に分かっている
標準サンプル(例えば、石英ガラス製の標準サンプル)
の上に可とう性黒鉛シートを載せて、熱膨張係数を測定
し、その値から標準サンプルの寄与した分を引いた値
を、シートの熱膨張係数としても良い。
【0024】次に、介在させる可とう性黒鉛シートの厚
みについて最適条件を調べた。図2にその時に行った試
験の模式図を示す。
【0025】かさ密度1.77Mg/mで電気抵抗率
11×10−6Ω.m(室温)の微粒子等方性黒鉛素材
からなる円柱(直径φ140×長さ100mm)の電極
1と、電極1の一端が入るような窪みを付けた同じ黒鉛
素材からなる継手2を製作した。
【0026】電極1と継手2との接合部(接合表面の最
大高さRmax12マイクロメートル)の間に、日本工
業規格(JIS)R 3453−1985に準拠して測
定された圧縮率が42%、同JISに準拠して測定され
た復元率が12%、かさ密度が1.0Mg/m、シー
ト表面に垂直方向で10MPa荷重下の電気抵抗率が
2.5×10−3Ω・m及びシート表面に垂直方向の平
均熱膨張係数が2×10−4/K(573〜673K)
の膨張黒鉛シート4を介在し、M30の等方性黒鉛製ボ
ルト(引張強さ30MPa)3で締め付けた。使用した
膨張黒鉛シート4の無荷重時における1枚の厚みは、
0.3mmと1.0mmの2種類である。
【0027】ボルト3の締付けトルクとシート4の厚み
(枚数と1枚当たりの厚み)を変えてa−b間(図2中
に示した位置)の電気抵抗値(室温)を電圧降下法にて
求めた。
【0028】なお、ボルト3の締付けトルクを3〜10
N・mで測定した理由は、通常、炭素製ボルトを締め付
ける場合は、その炭素材の強度を配慮して、トルク値3
〜10N・mで締め付けを行っているからであり、本試
験の場合も通常の場合と同様にこのトルク値の範囲で十
分に両者を固定できたからである。
【0029】無荷重時における1枚の厚みが0.3mm
と1.0mmのシートを0〜3枚重ねて、継手2と電極
1の間に介在させたときのa−b間の電気抵抗値の測定
結果を、図3と図4にそれぞれ示す。
【0030】締め付けトルクが3N.m以上の場合にお
いて、図3より、介在させるシート4の全厚みが0.3
mm以上になると電気抵抗値が下がっている。同じよう
に締付けトルクが3N・m以上の場合において、図4よ
り、シート4の全厚みが2.0mmを超えると電気抵抗
値はシート4を介在させないときよりも上がっている。
【0031】したがって、接合部の発熱を抑え、シート
の寿命を長くするためには、介在させるシートの全厚み
は0.3〜2.0mmが特に好ましいことが分かる。
【0032】このようにして、導電性構造体の電気抵抗
値を下げることができれば、シート自体の発熱を抑える
ことができ、シートの寿命を長くすることができる。
【0033】一方、図5と図6に、締め付けトルクを横
軸にとり、a−b間の電気抵抗値の変化をそれぞれ示し
た。図5は、シート4の無荷重時における1枚の厚みが
0.3mmのとき、図6はシート4の無荷重時における
1枚の厚みが1.0mmのときの測定結果である。
【0034】3N・m以上のトルク、すなわちシート4
と電極1との接触面積(0.015m)当たり200
N・m/m以上の締付けトルクがあれば十分a−b間
の抵抗を下げることが分かった。この例は、構成部品を
ボルトで締付けて固定する場合の最適締付けトルク値で
あるが、本発明は各部品が固定できる方法であれば良い
ので、締付けトルク値は関係なく、これ以外の固定方法
でも最適シート全厚みは0.3〜2.0mmである。
【0035】
【作用】導電性構造体を構成する各部品間の接合部、及
び導電性構造体と金属製電極との接合部に可とう性黒鉛
シートを介在させると、接合部に隙間ができず、放電が
起こらない。したがって、所望の電力が投入することが
でき、導電性構造体にき裂や破損が発生しない。
【0036】さらには、導電性構造体を構成する部品が
炭素質材料であり、部品の接合部に介在させる可とう性
黒鉛シートも炭素質材料であるため、耐熱性を有し、か
つ異種物質間の接合部に見られるペルティエ効果による
発熱が本導電性構造体では起こらず、効率良く発熱部の
みを発熱させることができる。
【0037】
【実施例】以下に本発明を実施した一例を示し、更に具
体的に説明する。
【0038】実施例1 図1に示すように、等方性黒鉛(かさ密度1.77Mg
/m、電気抵抗率13.0×10−6Ω・m、平均熱
膨張係数4.6×10−6/K(573〜673K))
製のかご形発熱体16(外径OD900×内径ID86
0×高さH600mm)と、発熱体16と同じ等方性黒
鉛製の継手12との接合部に、圧縮率42%、復元率1
2%、かさ密度1.0Mg/m、シート表面に垂直方
向の電気抵抗率2.5×10−3Ω・m(10MPa荷
重下)、シート表面に垂直方向の平均熱膨張係数が3×
10−4/K(573〜673K)、無荷重時の厚み
1.0mmの膨張黒鉛シート14a(シート厚みの寸法
は拡大誇張して図示している)を1枚介して、引張り強
さが98MPaの2D−C/C複合材製のM20ボルト
15を使い、トルク4N・mでボルト15を締め付けて
固定した。さらに、継手12と等方性黒鉛製の電極11
の接合部に、可とう性黒鉛シート14bを1枚介して、
引張り強度30MPaの等方性黒鉛製のM20ボルト1
3を使い、トルク4N.mでボルト13を締め付けて固
定した。このようにして導電性構造体を組み立てた。
【0039】この導電性構造体を、一端が雄ネジになっ
ており炉内壁に設けられている銅製電極17に膨張黒鉛
シート14cを介して取り付けた。
【0040】真空炉を圧力1kPaのアルゴン雰囲気に
して、この導電性構造体に電流を流し、発熱体16を発
熱させ、炉内温度を1700℃にした。加熱中は電圧と
発熱体に流れる電流とは順調に増加していた。
【0041】適度に冷却させた後、この導電性構造体を
取り出し、接合面を調べたところ、放電の跡がなく、き
裂や破損もなかった。また、導電性構造体は発熱体16
のみ暖かく、良好に発熱が行われいたことが分かった。
【0042】比較例1 膨張黒鉛シートを全く使わないで、実施例1と同材質で
導電性構造体を組み立てて、実施例1で使用した同じ真
空炉に取り付け、実施例1と同様に電流を流したとこ
ろ、昇温途中で電流計が激しく振れ、炉内温度が上がら
なくなったので通電を中止した。
【0043】適度に冷却させた後、導電性構造体を取り
出したところ、電極11と継手12との接合面の一部に
放電した跡があり、さらに、継手12にはき裂があっ
た。これは発熱体16の熱膨張により電極11と継手1
2との接合部に隙間が生じ、その間で放電が発生したも
のである。また、導電性構造体は発熱体16と各接合部
が暖かくなっており、接合部も発熱していたことが分か
った。
【0044】なお、圧縮率及び復元率はJIS R 3
453−1985に準拠して測定した値であり、以下の
ように算出した。 圧縮率(%)=(t−t)/t×100 復元率(%)=(t−t)/(t−t)×10
0 t:予圧(0.69MPa)を15秒間加えた後の厚
み t:全圧(34.3MPa)を60秒間加えた後の厚
み t:再び予圧まで戻し、60秒後の厚み
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、導電性構造体を構成す
る各部品に可とう性黒鉛シートを介して固定するだけの
簡単な作業で、接合部での放電が発生せず、安定して高
温炉の導電性構造体に電流を流すことができ、ペルティ
エ効果による発熱も起こらず、効率良く発熱部のみを発
熱させることができる。さらには、接合部に発生する熱
を極力抑えているため、可とう性黒鉛シートの寿命を長
くすることができ、ひいては長寿命の導電性構造体を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】かご形導電性構造体の断面図及び側面図であ
る。
【図2】最適シート厚みを調べるための試験模式図であ
る。
【図3】シート1枚の厚みが0.3mmにおける、シー
ト全厚みと電気抵抗値との関係を示すグラフである。
【図4】シート1枚の厚みが1.0mmにおける、シー
ト全厚みと電気抵抗値との関係を示すグラフである。
【図5】シート1枚の厚みが0.3mmにおける、締付
けトルクと電気抵抗値との関係を示すグラフである。
【図6】シート1校の厚みが1.0mmにおける、締付
けトルクと電気抵抗値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 微粒子等方性黒鉛製電極 2 微粒子等方性黒鉛製継手 3 等方性黒鉛製M30ボルト 4 膨張黒鉛シート 11 等方性黒鉛製電極 12 等方性黒鉛製継手 13 等方性黒鉛製M20ボルト 14 膨張黒鉛シート 15 2D−C/C複合材製M20ボルト 16 等方性黒鉛製発熱体 17 スリット 18 銅製電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素質材料からなる導電性構造体であっ
    て、導電性構造体を構成する部品間に可とう性黒鉛シー
    トを介して固定されてなることを特徴とする導電性構造
    体。
  2. 【請求項2】 導電性構造体とそれを取り付ける電極と
    の間に可とう性黒鉛シートを介して取付けを行うことを
    特徴とする導電性構造体の取付け方法。
  3. 【請求項3】 可とう性黒鉛シートの無荷重時の厚みが
    0.3〜2.0ミリメートルであることを特徴とする請
    求項1又は請求項2に記載の導電性構造体及び/又は導
    電性構造体の取付け方法。
  4. 【請求項4】可とう性黒鉛シートの圧縮率が30%以上
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    か1項に記載の導電性構造体及び/又は導電性構追体の
    取付け方法。
  5. 【請求項5】 可とう性黒鉛シートの復元率が8%以上
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれ
    か1項に記載の導電性構造体及び/又は導電性構造体の
    取付け方法。
  6. 【請求項6】 可とう性黒鉛シートの10MPa荷重時
    における表面に垂直方向の電気抵抗率が5×10−3
    ーム・メートル以下であることを特徴とする請求項1乃
    至請求項5のいずれか1項に記載の導電性構造体及び/
    又は導電性構造体の取付け方法。
  7. 【請求項7】 可とう性黒鉛シートの表面に垂直方向の
    平均熱膨張係数が5×10−4/K(573〜673
    K)以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6
    のいずれか1項に記載の導電性構造体及び/又は導電性
    構造体の取付け方法。
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