JPH0728796Y2 - 咽喉マイクロホンの装着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、使用者の咽喉部等にピックアップを接触さ
せて発音による振動を捕らえ、音声信号として出力する
接触マイクロホンに関し、特に詳しく言うと、マイクロ
ホンユニットを首部に装着するためのネックバンドの弾
性付与構造に特徴のある咽喉マイクロホンの装着装置に
関する。

〔従来の技術〕

使用者の咽喉部に振動ピックアップマイクロホンを当て
るようにして装着し、咽喉部の発生による振動をとら
え、音声信号として出力させる咽喉マイクロホンは、周
囲環境の騒音や雑音をカットして装着者の音声のみを取
り出すことができるため、例えば工事現場における連絡
用のマイクロホンやオートバイの無線通信機のマイクロ
ホン等に使用される場合が多くなっている。

このような咽喉マイクロホンを使用者の咽喉部に装着す
るときには、使用者の首部の回りを一巻きするに足る長
さのバンドのほぼ中央部に咽喉マイクロホンを固定し、
バンドの両端に面ファスナを設け、面ファスナによって
首にバンドを装着し、マイクロホンを咽喉部に体面させ
てガタつかないように止めるような構造が採用されてい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、このようにしてマイクロホンを装着する構造で
は、構造自体は簡単であるが、首部に装着するときには
マイクロホンが所定の位置からずり下がらないように多
少強めにバンドを締める必要があり、そのため、首全体
が圧迫されることになる。このように首全体が圧迫され
ると、装着に際し、違和感が生じ、長時間の使用にも問
題が生じる。また、その材質によっては、汗によって変
質し、皮膚との接触感が悪くなり、装着感に問題が生じ
ることがあった。さらに、マイクロホンにはコードが接
続されているため、マイクロホンを装着したときにこの
コードがぶらぶらすると邪魔になり、使用性にも問題が
あった。

従って、この考案の第１の目的は、使用に際し、使用者
に違和感を生じさせることなく、マイクロホンを確実に
咽喉部に圧着させ、長時間にわたって使用が可能で、汗
によって装着感に問題が生じるおそれのない咽喉マイク
ロホンの装着装置を提供することにある。また、第２の
目的は、コードやジャックなどをまとめて処理すること
が可能で、これらがマイクロホンを使用するときに使用
者を邪魔することがなく、使用性に優れた咽喉マイクロ
ホンの装着装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するために、本考案は、咽喉部に接触す
る咽喉マイクロホンの取付部を有するネックバンドを、
前記咽喉マイクロホンを取り付けた状態で前記首部に巻
回して前記咽喉部に装着する咽喉マイクロホンの装着装
置において、前記ネックバンドは前記首部の少なくとも
半周以上であって、１周に満たない長さの弾性を有する
部材によって半円環状に形成され、その一端側に前記咽
喉マイクロホンを取り付ける取付部が、その中間部に前
記首部と接触しないとともに咽喉マイクロホンの付属部
品を収納する収納部を有する湾曲部がそれぞれ形成さ
れ、前記ネックバンドの外周面は少なくとも汗によって
変質しない材料によって被覆されていることを特徴とし
ている。

〔作用〕

本考案によれば、半円環状に形成した弾性材からなるネ
ックバンドの非連続部分を開いて首部に装着する際、湾
曲部があるため、この湾曲部形成部分の弾性変形によっ
て首部の太さに関係なく同じような弾性力が得られる。
このとき、湾曲部は首部から離れており、首全体を締め
付けることなく、首部を部分的に挟持するので、使用に
際し、使用者に違和感を生じさせることなくマイクロホ
ンを確実に咽喉部に圧着させることができる。これによ
り、長時間にわたって楽に使用することが可能となる。
また、ネックバンドの裏面を汗によって変質しない材
質、例えば塩化ビニールなどによって被覆してあるの
で、汗が原因となって咽喉マイクロホンを装着している
ときに装着感に問題が生じるおそれはなくなる。

また、本考案は、首に接触しない湾曲部に収納部を形成
してあるので、その収納部にコードやジャックなどをま
とめて収納できる。これにより、マイクロホンを使用す
るときにこれらのものが使用者にとって邪魔になること
はない。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に示す一実施例を参照して説明す
ると、咽喉マイクロホンの装着装置は第１図からもわか
るように、咽喉部の背後側をほとんど取り囲むように、
ほぼ一部を切り欠いたような形状に形成されたネックバ
ンド１と、このネックバンド１の一端部に取り付けられ
た咽喉マイクロホンユニット２とから基本的に構成され
ている。ネックバンド１はNT合金のような超弾性合金や
ステンレススチールで作られた板材あるいはピアノ線の
ような弾性金属の中空芯線で構成されている。このネッ
クバンド１の全周は、ポリ塩化ビニール樹脂等汗によっ
て変質しない合成樹脂材によって被覆されている。

咽喉マイクロホンユニット２はABS樹脂などによって形
成されたケース３とこのケース３のネックバンド１の内
側に設けられたピックアップボード４とを有している。
ネックバンド１の中間部にあたる位置、すなわち、首部
の後ろ側のネックバンド１には、中心から見て外側に凸
状に湾曲した湾曲部５が折曲して形成されており、この
湾曲部５を中心としてネックバンド１が弾性変形するよ
うに配慮されている。また、湾曲部５には咽喉マイクロ
ホンユニット２と図示しないアンプの接続端子とを接続
する中継部６が設けられ、この中継部６で咽喉マイクロ
ホンユニット２から延出したマイク接続コード７とアン
プ接続コード８とが中継される。アンプ接続コード８
は、マイク接続コード７に比較して太く、強靱なコード
とされ、中継部６を介してマイク接続コード７に接続さ
れている。中継部６にはマイクアンプ，ノイズフィルタ
等が内蔵されているとともに、収納ケース９が取り付け
られている。収納ケース９には、例えば未使用時のイヤ
ホン等、咽喉マイクロホンの付属部品が収納できるよう
になっている。このようにすると、接続コード７は咽喉
マイクロホンユニット２と中継部６との間で、ネックバ
ンド１の外周に沿って張設されるので、引っ張り強さが
大きくなるとともに、ネックバンド１の中央部から外部
接続コード８が延出するので、装着時に邪魔にならず、
かつバランスが良くなり、使いやすくなっている。ま
た、中継部６にマイクアンプ，ノイズフィルタ等が内蔵
されているため、咽喉マイクロホンはピックアップボー
ド４のみが設けられていればよい。したがって、咽喉マ
イクロホンは、構造を簡略化することにより小型化，軽
量化できる。さらに、この収納ケース９には、イヤホン
のプラグを接続するためのジャックが設けられており、
イヤホンの非使用時には、イヤホンジャックには蓋10が
装着される。

咽喉マイクロホンを使用する場合には、ネックバンド１
の切り欠き部分、すなわち切れている部分を開いて装着
者の首の後方から差し込むようにして装着する。ネック
バンド１は超弾性合金によって形成されているので、首
の太さに応じて、切欠き部11の両端をネックバンド１の
弾性力に抗して押し拡げるようにして装着する。これに
より、ネックバンド１は湾曲部を除いて首の回りに接触
するようにして装着される。このとき咽喉マイクロホン
ユニット２はネックバンド１の弾性力により、その内面
側に取り付けられたピックアップボード４が咽喉部に接
触し、咽喉部からの発生音をピックアップする。その
際、ネックバンド１は表面を被覆したポリ塩化ビニール
樹脂を介して首と接触しているので、長期間使用しても
汗等により変質することはなく、また冬期等冷えている
時に装着しても金属のように冷たく感じることは少な
く、装着した者に不快感を与えるようなことはない。ま
た、ネックバンド１の中間部には首にさわらないように
湾曲した湾曲部５が形成されているので、この湾曲部５
を中心として弾性力が発生し、首の太さに関係なく咽喉
マイクロホンユニット２を咽喉部に当てた状態で保持す
ることが確実にできる。

また、中継部６にマイクアンプ，ノイズフィルタ等が内
蔵されているため、咽喉マイクロホンにはピックアップ
ボード４のみが設けられていればよい。したがって、咽
喉マイクロホンは、構造を簡略化することにより小型
化，軽量化できる。

さらに、中継部６に取り付けられた収納ケース９に咽喉
マイクロホンの付属部品を収納できるため、例えば未使
用時のイヤホン等を別途保管，管理する必要がない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、使用に際し、使用者が違和感を感じる
ことなく咽喉マイクロホンユニットを咽喉に圧着でき、
長時間の使用が可能となる。

また、ネックバンドの外周面が少なくとも汗によって変
質しない材料によって被覆されているので、汗による不
快感の発生を回避できる。

さらに、湾曲部に収納部が形成されているので、咽喉マ
イクロホンの付属部品を収納でき、例えば未使用時のイ
ヤホン等を別途保管，管理する必要がなくなる。

そして、収納部に咽喉マイクロホンユニットを構成する
マイクアンプ，ノイズフィルタ等が別途内蔵されている
ため、咽喉マイクロホンを小型化，軽量化できる。

【図面の簡単な説明】

図は全てこの考案の一実施例を説明するためのもので、
第１図はこの実施例に係る咽喉マイクロホン装着装置の
全体的な構成を示す平面図、第２図はその正面図、第３
図はネックバンドの一端に取付けられた咽喉マイクロホ
ンの要部正面図である。 図面において、１はネックバンド、２は咽喉マイクロホ
ンユニット、３はケース、４はピックアップボード、５
は湾曲部、６は中継部、7,8は接続コード、９は収納ケ
ース、10は蓋、11は切欠き部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】咽喉部に接触する咽喉マイクロホンの取付
   部を有するネックバンドを、前記咽喉マイクロホンを取
   り付けた状態で首部に巻回して前記咽喉部に装着する前
   記咽喉マイクロホンの装置において、前記ネックバンド
   は前記首部の少なくとも半周以上であって、１周に満た
   ない長さの弾性を有する部材によって半円環状に形成さ
   れ、その一端側に前記咽喉マイクロホンを取り付ける取
   付部が、その中間部に前記首部と接触しないとともに咽
   喉マイクロホンの付属部品を収納する収納部を有する湾
   曲部がそれぞれ形成され、前記ネックバンドの外周面は
   少なくとも汗によって変質しない材料によって被覆され
   ていることを特徴とする咽喉マイクロホンの装着装置。