JPH07287840A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH07287840A
JPH07287840A JP8174194A JP8174194A JPH07287840A JP H07287840 A JPH07287840 A JP H07287840A JP 8174194 A JP8174194 A JP 8174194A JP 8174194 A JP8174194 A JP 8174194A JP H07287840 A JPH07287840 A JP H07287840A
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magnetic
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Hideki Murayama
英樹 村山
Haruhiko Ikeuchi
晴彦 池内
Yutaka Teranishi
豊 寺西
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑性・耐摩耗性に優れ、良好なトライボロ
ジー性能を有する磁気記録媒体を提供する。 【構成】 非磁性基板上に薄膜磁性層、保護膜および潤
滑層が順次形成されてなる磁気記録媒体において、潤滑
層が、金属イオンを取り込む機能を有し、かつ静電相互
作用のある末端官能基を有する多座配位子をホスト化合
物とし、金属イオンを介してホスト化合物と結合した潤
滑剤分子のアニオンをゲスト化合物とするホストゲスト
錯体を含有することを特徴とする磁気記録媒体であっ
て、2層構造を有する潤滑層の多座配位子が、凝集やス
ピンオフ等を引き起こさない充分な強さで静電相互作用
により磁気記録媒体の表面に固定されているので、潤滑
性・耐摩耗性に優れ、ヘッドの浮上高を小さくすること
が可能であり、高記録密度が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報産業等で利用され
る高記録密度の磁気記録媒体およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】情報産業等で利用される高記録密度の磁
気記録媒体の代表的な例である薄膜型磁気記録媒体は、
通常、磁性金属またはその合金をメッキ、蒸着またはス
パッタリング法等によって非磁性基板上に披着して製造
される。実際の使用時においては磁気ヘッドと磁気記録
媒体とが高速で接触摺動するので、磁気記録媒体表面が
摩耗損傷を受けたり、磁気特性の劣化を起こしたりす
る。
【0003】このような欠点を解決する方法として、磁
性層上に保護膜や潤滑層を設けることによって接触摺動
の際の静/動摩擦を極力低減させ、耐摩耗性を向上させ
ることが提案されている。保護膜としては、炭素質膜、
酸化物膜、窒素物膜及びホウ化物膜等が利用される。潤
滑剤としては液体潤滑剤または固体潤滑剤が使用される
が、一般的には液体潤滑剤であるパーフルオロポリエー
テル化合物がディスク表面に塗布されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録媒体は、その
使用時においてディスク媒体が停止状態から急速に回転
加速され、これに伴い、浮上ヘッドスライダに浮力が与
えられてヘッドは浮上する。使用後に電源が切断される
とディスク媒体を回転させているモータが停止し、ヘッ
ドと媒体とが高速で接触を起こして摺動する。
【0005】ところが、近年、面記録密度を高めるため
にヘッドの低浮上化とディスク回転の高速化が求められ
ており、媒体基板はより平滑になる方向にある。動摩擦
係数を低減するために液体潤滑膜を設けることは非常に
有効であるが、液体潤滑膜を厚くしていくと、ヘッドと
ディスクとの間に液体潤滑剤の表面張力によるメニスカ
スが形成されて、吸着現象(sticking)が生じることが知
られている。このため静摩擦係数が増加し、往々にして
ヘッドがディスクに張り付いたまま動作不能となること
が指摘されている。
【0006】すなわち、ヘッドの飛行高さを低下させる
ために基板を平滑にするに従い、液体潤滑剤では上記吸
着現象が非常に発生し易くなるという深刻な欠点があ
り、また、吸着を防ぐために膜厚を減ずると充分な耐久
性が得られなくなるという問題がある。これらの現象を
回避するために、メニスカスを作らない固体の潤滑剤が
望まれ、以前から高級アルコール、高級脂肪族アミン、
高級脂肪酸やその金属塩等が提案されている。
【0007】しかしながら、固体潤滑剤は常温で固体状
態が安定相であるため、ディスク上に塗布した場合に塗
膜の一部が結晶化して凝集し易いという問題があった。
特に基板が平滑化すると凝集の傾向は著しい。凝集が発
生すると被膜厚みが不均一になり、ヘッドがディスクに
直接接触する可能性が高くなり、またヘッド汚れの原因
となったり、ヘッドの飛行不安定化の原因となる恐れが
あるため、好ましくない。良好な潤滑性を長期にわたっ
て維持し、優れた走行性と耐久性とを実現するために
は、固体潤滑剤の凝集を抑制する必要がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、優れた
潤滑性と耐久性を有する均一な薄膜潤滑層を形成した磁
気記録媒体を提供することにあり、この目的は、非磁性
基板上に薄膜磁性層、保護膜および潤滑層が順次形成さ
れてなる磁気記録媒体において、潤滑層が、金属イオン
を取り込む機能を有し、かつ静電相互作用のある末端官
能基を有する多座配位子をホスト化合物とし、金属イオ
ンを介してホスト化合物と結合した潤滑剤分子のアニオ
ンをゲスト化合物とするホストゲスト錯体を含有するこ
とを特徴とする磁気記録媒体により達成される。
【0009】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の磁気記録媒体に使用される非磁性基板としては、通
常、無電解メッキ法またはスパッタリング法により形成
したニッケル・リン層を設けたアルミニウム合金板ある
いはガラス基板が用いられるが、その他セラミック基
板、樹脂基板等を用いることもできる。これらの基板
は、ヘッドとの接触面積を減少させ、より優れたトライ
ボロジ性能を引き出すため、テキスチャリングを行って
その表面の平均粗さを20〜100Å、好ましくは30
〜80Åとしておくことが推奨される。
【0010】コバルトやCo−Ni−Cr系、Co−C
r−Pt系、Co−Cr−Ta系等のコバルト合金など
の薄膜磁性層は、非磁性基板上に、直接または必要に応
じて下引層を介して、無電解メッキ法、スパッタリング
法等により形成される。薄膜磁性層の膜厚は、磁気記録
媒体として要求される特性により決定され、通常、10
0〜1500Å、好ましくは150〜800Åである。
【0011】保護膜としては炭素質膜、酸化物膜、窒化
物膜、ホウ化物膜などが用いられ、スパッタリング法、
イオンプレーティング法、プラズマ重合法等により形成
される。保護膜として好ましく用いられるのは、無定形
炭素、水素化カーボン等の炭素質膜であり、通常、50
〜500Å、好適には、100〜300Åの膜厚で用い
られる。
【0012】本発明の磁気記録媒体に形成される潤滑層
を構成するホストゲスト錯体において、ホスト化合物と
しては、金属イオンを取り込む機能を有し、かつ静電相
互作用のある末端官能基を有する多座配位子が用いら
れ、長鎖分子骨格を有する潤滑剤分子の金属塩がゲスト
化合物として用いられ、潤滑剤分子のアニオンが金属イ
オンを介してホスト化合物と結合して錯体を形成する。
【0013】ホスト化合物として用いられる多座配位子
は、特に、ドナー原子が3個以上あるような化合物が好
適であり、例えば、O原子またはN原子をドナー原子と
して持つものとして、環状エステル、ポリエーテル類、
ポリオール類、ポリアミン類、クラウンエーテルと総称
される環状エーテル類、クリプタンドあるいはクリプテ
ートと総称される環状エーテルアミン類、環状アミン
類、ポルフィリンやフタロシアニン等の大環状配位子、
シクロファン、ポリペプチドおよびこれらの化学修飾体
などが挙げられ、なかでもクラウンエーテルやクリプタ
ンド等の環状配位子が特に有効である。また、上記構造
においてO、N原子のかわりに、同様に孤立電子対を持
つS原子をドナー原子とした多座配位子も用いられる。
【0014】これらの多座配位子は、金属イオンあるい
は有機イオンと強い錯体を形成し、例えば、クラウンエ
ーテルやクリプタンド等の環状配位子は、その内孔にO
やNの孤立電子対を向け、金属イオン等に対して強い親
和性を有するために、その錯体形成の平衡が102 〜1
10の範囲で錯体形成側に傾き、極めて強く金属イオン
を取り込むことができる。すなわち、これらの環状配位
子は孤立電子対に関する静電相互作用を主な駆動力とし
てOやN等がドナー原子として配位し、金属陽イオンを
効果的に内孔に取り込む。これらの多座配位子は、単座
配位子に比べると、OやN等のドナー原子が最初からメ
チレンブリッジでつながれているため、カチオンのまわ
りに配位するとき新たなドナー間の反発はほとんどな
く、エンタルピー的に錯形成が有利となり、また、配位
子が規則正しく配列しているためにエントロピー的にも
優れているという大きな特長がある。環状の多座配位子
以外に直鎖状の多座配位子も有効であるが、一般に環状
のものは直鎖状のものよりも錯体の安定性が増大するこ
とが知られている。これは、カチオンを取り囲むとき、
直鎖状の多座配位子の場合には、単座配位子に比べては
るかに優れているとはいえ、両末端のドナー原子間の静
電的および立体的反発があることや不利なエントロピー
変化のためであろうと考えられる。上記の環状配位子に
ついては幾つもの総説があり、例えば代表的なクラウン
エーテル、クリプタンドおよびこれらの類縁体につい
て、その合成法、構造、取り込みカチオン一覧の詳細な
表がJ.J.Christensen 等により Chem.Revs.,74, 351 (1
974). に記載されている。また、物質としての安定性に
関しても、環状の多座配位子は熱的にも安定なものが多
く、例えばポルフィリンなどの大環状配位子は500℃
以上でも安定であることはよく知られている。また、一
般にクラウンエーテルも熱的に安定で、例えば、ジベン
ゾ−18−クラウン−6は380℃で蒸留することも可
能であることが報告されている(C.J.Pederson et al.,
Angev.Chem.,Int'L Ed. 11,16(1972))。
【0015】錯体形成の際の、環状配位子の内孔サイズ
と取り込み易いカチオンのサイズとの間には、密接な関
係のあることがわかっている。例えば、18−クラウン
−6の内孔径は2.6〜3.2Åであり、これとほぼ一
致するイオン直径(2.66Å)を持つアルカリ金属イ
オンのK+ と非常に安定な錯体を形成する(メタノール
中での錯化平衡定数logK=6.05)ことが知られ
ている。
【0016】このように安定な錯体を形成するホストゲ
スト錯体を利用して、ゲスト化合物とホスト化合物との
錯体を形成することにより、優れた特性を有する潤滑剤
を得ることができる。図1は、非磁性基板1上に金属ま
たは金属化合物からなる連続薄膜による磁性層2、保護
膜3、潤滑層4が順次形成された磁気記録媒体を示す概
念図である。潤滑層4は、多座配位子と潤滑剤分子の金
属塩がホストゲスト錯体を形成していることを示し、ゲ
スト分子中の金属イオンが多座配位子の内孔にトラップ
され、潤滑剤分子のアニオンがトラップされた金属イオ
ンに向けて多座配位子上に配位している。
【0017】水酸基等の水素結合を形成するのに適した
末端官能基を有する多座配位子は、静電相互作用により
ディスク表面に固着することが可能であり、ディスク表
面に固着した多座配位子に潤滑剤分子が配位した構成と
なるので、潤滑剤分子相互の凝集を防ぐことができる。
また、ディスク表面に固着した多座配位子に潤滑剤分子
が配位するということは、原理的にはすべての長鎖分子
骨格部分がディスク表面に対して上を向いて配向するこ
とを意味しており、潤滑層全体の配向性が向上すること
となって、理想的な潤滑層の構造をとることから、ほぼ
単分子層の膜厚でも優れた潤滑能および耐久性を得るこ
とができる。
【0018】本発明において有利に用いられる多座配位
子の具体例としては、サイクロフラクタン類、なかでも
サイクロイヌロヘキサオース及びその類縁体等の18−
クラウン−6−エーテルを基本骨格とするサイクロフラ
クタン類、サイクロイヌロヘプタオース等の4,4’−
ジヒドロキシジベンゾ−18−クラウン−6−エーテル
や21−クラウン−7−エーテルを基本骨格とするサイ
クロフラクタン類、サイクロイヌロオクタオース等の2
4−クラウン−8−エーテルを基本骨格とするサイクロ
フラクタン類などが挙げられ、特に、サイクロイヌロヘ
キサオースおよび4,4’−ジヒドロキシジベンゾ−1
8−クラウン−6−エーテルが好ましく用いられる。
【0019】図2は、本発明の磁気記録媒体に用いられ
る多座配位子の例として、フルクトース分子がβ−(2
→1)結合して形成されたサイクロフラクタンのうちの
サイクロイヌロヘキサオースの構造図を示したものであ
る。多座配位子としては、このサイクロフラクタンのよ
うに、金属イオンをトラップする環状配位子部分ととも
に、水酸基等の静電相互作用を有する官能基を有するこ
とが必要であり、分子内に2個以上好ましくは4個以上
の官能基を有することが好ましい。
【0020】ゲスト化合物としての潤滑剤分子は、潤滑
作用を担う分子骨格とホスト化合物と結合するための結
合サイトとを有するものが用いられる。多座配位子の空
孔にトラップされる金属の種類は、用いる多座配位子の
空孔の大きさによって選択され、カリウム等のアルカリ
金属、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、銀、銅等
の遷移金属等が用いられる。サイクロイヌロヘキサオー
スを多座配位子として用いる場合には、カリウム、バリ
ウム等が適当である。潤滑剤分子アニオンの末端官能基
は、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等が好ま
しく、例えば、長鎖脂肪族カルボン酸等が挙げられる。
結合サイトに続く長鎖分子骨格は、分岐鎖状または直鎖
状の飽和または不飽和の高級脂肪族炭化水素鎖、芳香族
残基やヘテロ原子を含む前記高級脂肪族炭化水素鎖、或
いは前記高級脂肪族炭化水素鎖の一部または全部がポリ
エーテル鎖を形成している長鎖分子骨格など、潤滑作用
を有するものであれば結合の種類によらず選択すること
ができる。長鎖分子骨格の炭素原子数は、8以上、好ま
しくは12以上であるが、直鎖アルキル基が長すぎると
溶媒に対する溶解性が悪くなることがあるため、一般に
単一の(すなわち、連続するメチレン−メチレン結合な
どの炭素−炭素結合からなる)直鎖アルキル基における
炭素原子数は24以下であることが好ましい。
【0021】潤滑層の形成方法としては、潤滑剤分子の
金属塩および多座配位子を溶解または分散させた溶液、
または潤滑剤分子、金属化合物および多座配位子を溶解
または分散させた溶液を調製し、この混合溶液をディス
クに塗布する方法、または、多座配位子の固着層をディ
スク表面に形成した後に、潤滑剤分子を含む溶液を用い
て多座配位子層上に潤滑剤分子の層を形成する方法があ
げられる。
【0022】混合溶液の調製方法としては、上記成分を
クロロホルム、フロン系溶媒等のハロゲン系溶媒、メタ
ノール、エタノール等のアルコール類、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、2
−ヘキサノン等のケトン類、トルエン等の芳香族炭化水
素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素などの有機溶媒等に溶
解して調製することもできるが、各成分をそれぞれ適当
な上記の溶媒、あるいは場合によっては水に溶解した後
にそれらの溶液を混合することによって混合溶液を調製
することもできる。
【0023】潤滑層成分のディスク表面への塗布方法と
しては、通常、浸漬法が採用されるが、潤滑層成分の溶
液をテープ等にしみこませ、ディスク表面に荷重をかけ
て接触させて被膜を形成する方法、パッドをディスク表
面上で回転させながら添着させる方法、あるいはスプレ
ー法が用いられる。潤滑層成分の溶液の濃度は、溶質の
種類によって、また用いる溶媒の種類によっても異なる
が、通常、溶液中の全溶質の濃度として0.1〜2g/
lで用いられる。
【0024】多座配位子の固着層をディスク表面に形成
した後に、潤滑剤分子を含む溶液を用いて多座配位子層
上に潤滑剤分子の層を形成する方法においては、多座配
位子の溶液をディスク表面に塗布した後に潤滑剤分子お
よび金属化合物または潤滑剤分子の金属塩を含む溶液を
塗布することもできるが、多座配位子の溶液に金属化合
物を混合してディスク表面に塗布した後に潤滑剤分子を
含む溶液を塗布することもできる。この方法によれば、
多座配位子層を基板上に形成した上で潤滑剤分子とのホ
ストゲスト錯体を形成することができるので、潤滑剤分
子の分子量が比較的小さな場合だけではなく、ポリマー
のように分子量の大きな場合でも、目的とするホストゲ
スト錯体を確実に構築できる。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。 実施例1 平滑なアルミニウム合金の基板上にスパッタリング法に
よりクロム下地層(2000Å)、コバルト合金の磁性
薄膜(400Å)および炭素保護膜(300Å)を形成
した直径3.5インチの磁気ディスクを、サイクロイヌ
ロヘキサオースおよびβ−(N,N−ジヘプタデシルア
ミノカルボニル)プロピオン酸カリウムをそれぞれ1m
mol/lの濃度で溶解したメタノール溶液に浸した
後、引き上げることにより、ディスクの表面に厚さ23
Åの均一な潤滑膜を形成した。
【0026】潤滑層を形成したディスクについて、薄膜
ヘッド(Al2 3 −TiC)を用いて、荷重9.5g
f、摺動線速0.32m/sec(半径30mm、10
0rpm)で連続摺動試験を行ない、連続摺動2時間後
の摩擦力を測定した。また、温度60℃、湿度80%の
環境にディスクを放置し、光学顕微鏡で凝集および結晶
の発生を観察し、凝集性の試験とした。結果を表1に示
す。
【0027】実施例2 サイクロイヌロヘキサオース、β−(N,N−ジヘプタ
デシルアミノカルボニル)プロピオン酸および水酸化カ
リウムをそれぞれ1mmol/lの濃度で溶解したメタ
ノール溶液に実施例1と同様のディスクを浸した後、引
き上げることにより、ディスクの表面に厚さ30Åの均
一な潤滑膜を形成した。潤滑層を形成したディスクにつ
いて、実施例1と同様に潤滑性能および凝集性の試験を
行なった。結果を表1に示す。
【0028】実施例3 実施例1と同様のディスクを、サイクロイヌロヘキサオ
ースを1mmol/lの濃度で溶解したメタノール溶液
に浸した後、引き上げることにより、ディスクの表面に
厚さ16Åの均一な塗布膜を形成し、次いでβ−(N,
N−ジヘプタデシルアミノカルボニル)プロピオン酸カ
リウムを2mmol/lの濃度で含むクロロホルム溶液
に浸した後、引き上げることにより、ディスクの表面に
厚さ50Åの均一な潤滑膜を形成した。潤滑層を形成し
たディスクについて、実施例1と同様に潤滑性能および
凝集性の試験を行なった。結果を表1に示す。
【0029】比較例1 β−(N,N−ジヘプタデシルアミノカルボニル)プロ
ピオン酸を1mmol/lの濃度で含むクロロホルム溶
液に実施例1と同様のディスクを浸した後、引き上げる
ことにより、ディスクの表面に厚さ28Åの均一な潤滑
膜を形成した。
【0030】潤滑層を形成したディスクについて、実施
例1と同様に潤滑性能および凝集性の試験を行なった。
結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、薄膜(ほぼ単分子膜の
膜厚)で優れた潤滑性・耐摩耗性を示し、長期間潤滑剤
分子が凝集することのない潤滑層を有する信頼性の高い
磁気記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の概念断面図である。
【図2】サイクロイヌロヘキサオースの構造図である。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 磁性層 3 保護膜 4 潤滑層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板上に薄膜磁性層、保護膜および
    潤滑層が順次形成されてなる磁気記録媒体において、潤
    滑層が、金属イオンを取り込む機能を有し、かつ静電相
    互作用のある末端官能基を有する多座配位子をホスト化
    合物とし、金属イオンを介してホスト化合物と結合した
    潤滑剤分子のアニオンをゲスト化合物とするホストゲス
    ト錯体を含有することを特徴とする磁気記録媒体
  2. 【請求項2】ホスト化合物が末端官能基として水酸基を
    有するクラウンエーテルである請求項1記載の磁気記録
    媒体
  3. 【請求項3】ホスト化合物がサイクロフラクタンである
    請求項1記載の磁気記録媒体
  4. 【請求項4】非磁性基板上に磁性層、保護膜および潤滑
    層が順次形成されてなる磁気記録媒体の製造方法におい
    て、金属イオンを取り込む機能を有し、かつ静電相互作
    用のある末端官能基を有する多座配位子、金属化合物お
    よび活性水素を有する潤滑剤分子を含む混合溶液を保護
    膜表面に塗布し、多座配位子をホスト化合物とし、金属
    イオンを介してホスト化合物と結合した潤滑剤分子のア
    ニオンをゲスト化合物とするホストゲスト錯体を構成す
    ることにより潤滑層を形成することを特徴とする磁気記
    録媒体の製造方法
  5. 【請求項5】非磁性基板上に磁性層、保護膜および潤滑
    層が順次形成されてなる磁気記録媒体の製造方法におい
    て、金属イオンを取り込む機能を有し、かつ静電相互作
    用のある末端官能基を有する多座配位子および金属塩型
    潤滑剤分子を含む混合溶液を保護膜表面に塗布し、多座
    配位子をホスト化合物とし、金属イオンを介してホスト
    化合物と結合した潤滑剤分子のアニオンをゲスト化合物
    とするホストゲスト錯体を構成することにより潤滑層を
    形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法
  6. 【請求項6】非磁性基板上に磁性層、保護膜および潤滑
    層が順次形成されてなる磁気記録媒体の製造方法におい
    て、保護膜表面に金属イオンを取り込む機能を有し、か
    つ静電相互作用のある末端官能基を有する多座配位子を
    添着させてホスト化合物層を形成したのち、該ホスト化
    合物層上に潤滑剤分子のアニオンを金属イオンを介して
    ホスト化合物と結合させることを特徴とする磁気記録媒
    体の製造方法
JP8174194A 1993-09-28 1994-04-20 磁気記録媒体 Pending JPH07287840A (ja)

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