JPH07287393A - 可視光反応性樹脂組成物およびそれを用いたシート状光記録材料 - Google Patents

可視光反応性樹脂組成物およびそれを用いたシート状光記録材料

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JPH07287393A
JPH07287393A JP6076911A JP7691194A JPH07287393A JP H07287393 A JPH07287393 A JP H07287393A JP 6076911 A JP6076911 A JP 6076911A JP 7691194 A JP7691194 A JP 7691194A JP H07287393 A JPH07287393 A JP H07287393A
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visible light
sheet
optical recording
reactive resin
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JP6076911A
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English (en)
Inventor
Yukio Hosoda
幸男 細田
Tadakazu Miyata
忠和 宮田
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New Oji Paper Co Ltd
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New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可視半導体レーザー光の照射によって速やか
に反応する可視光反応性樹脂組成物、および良好な画像
を形成するシート状光記録材料の提供。 【構成】 (a)重量平均分子量4,000以上のp−
ビニルフェノール系重合体、(b)ビニルエーテル類お
よび/またはアミド類からなるカチオン反応性化合物、
(c)2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,
3,5−トリアジン、および(d)一般式(I)のスク
アリリウム塩系増感色素: 【化1】 (但し、式中、R1 〜R6 は置換、または未置換の、飽
和または不飽和の炭化水素基を表し、Zはピロール環に
縮合して芳香族環構造を形成する置換又は未置換炭化水
素グループを表す)を含有する可視光反応性樹脂組成物
を用いて、シート状光記録材料の乾式感光記録層を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可視光反応性樹脂組成
物、およびそれを用いたシート状光記録材料に関するも
のである。さらに詳しく述べるならば、本発明は、可視
半導体レーザー光の照射によって速やかに反応する可視
光反応性樹脂組成物、およびそれを用いたシート状光記
録材料に関するものである。
【0002】本発明に係る可視光反応性樹脂組成物は、
保護、装飾および絶縁コーティング用塗料材料、印刷イ
ンキ、シール剤、接着剤、並びに、ホログラム記録材
料、フォトレジスト、および印刷版等のシート状記録材
料として有用なものである。また本発明のシート状光記
録材料は、可視半導体レーザー光の照射により光反応樹
脂画像を形成し記録するために有用なものである。
【0003】
【従来の技術】近年、光ファイバーやレーザー技術を応
用したデジタル方式の光情報処理技術が発展してきてい
る。この光情報処理技術のうち、データ出力媒体である
光記録材料は、小型で低価格な光源として用いられるア
ルゴンレーザー、ヘリウム・ネオンレーザーや可視半導
体レーザーのような可視レーザーに使用可能なことが要
望されており、特に操作性がよく、レーザー光をコンピ
ューターから直接変調できる可視半導体レーザーに使用
可能なことが強く要望されている。しかしながら、従来
から知られている感光材料を用いた光反応組成物は、紫
外光に対してのみ活性を示すが、アルゴンレーザー、ヘ
リウム・ネオンレーザーや可視半導体レーザーのような
可視レーザー光には活性を示さず、従って記録材料とし
て用いることができない。
【0004】この問題を解決する方法として、従来の光
反応組成物に対し増感色素の添加による分光増感法が広
く知られている。この増感色素としては、3−ケトクマ
リン系化合物、チアピリリウム塩系化合物、シアニン系
化合物、ナフトチアゾールメロシアニン系化合物、メロ
シアニン系化合物等が用いられる。しかし、これらの増
感方法では、従来の光反応組成物に、可視半導体レーザ
ーの発振出力に対して光反応性のある固有感度を付与す
ることができず、従って、これを記録材料として用いる
ことができないという問題点がある。
【0005】また従来より知られている感光材料を用い
た光反応組成物は、多官能アクリレート等のように、常
温で液状にある材料を多量に使用しているため、これら
から作成したシート状光記録材料の塗料被覆層は、光照
射前に積み重ね状態又は巻取状態で保存すると、シート
の表面と裏面とのブロッキングが起きやすく、取り扱い
に特別な配慮が必要であった。このため、光反応前の感
光記録層が乾燥固体状態にあるシート状光記録材料の出
現が強く要望されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点を解決し、可視半導体レーザー光の照射によ
って速やかに反応し得る可視光反応性樹脂組成物、およ
びそれを含む乾式感光記録層を有するシート状光記録材
料を提供しようとするものである。
【0007】または本発明は、保護、装飾および絶縁コ
ーティング、印刷インク、シール剤、接着剤、ホログラ
ム記録材料、フォトレジスト、印刷版等の材料に適した
可視光反応性樹脂組成物、およびそれを用いて可視半導
体レーザー光の走査露光により画像を形成できるシート
状光記録材料を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々の光
反応性樹脂組成物の可視光に対する活性について検討し
た結果、下記成分を含む可視光反応性樹脂組成物が、上
記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0009】本発明の可視光反応性樹脂組成物は、
(a)4,000以上の重量平均分子量を有する置換さ
れた、および置換されていないp−ビニルフェノール重
合体および共重合体から選ばれた少なくとも1種、
(b)ビニルエーテル化合物およびアミド化合物から選
ばれた少なくとも1種のカチオン反応性化合物、(c)
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5
−トリアジンおよび、(d)下記一般式(I)の構造を
有するスクアリリウム塩系増感色素:
【化3】 (但し、式(I)中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5
およびR6 は、それぞれ互いに独立に、置換および未置
換の、飽和および不飽和の炭化水素基から選ばれた1員
を表し、Zはピロール環と縮合して芳香族環構造を形成
する炭化水素グループを表し、この炭化水素グループ
は、置換基を有していてもよく、或は有していなくても
よい)を含有することを特徴とするものである。
【0010】また本発明のシート状光記録材料は、シー
ト状基体と、その少なくとも一面上に形成され、かつ
(a)4,000以上の重量平均分子量を有する、置換
された、および置換されていないp−ビニルフェノール
の重合体、および共重合体から選ばれた少なくとも1
種、(b)ビニルエーテル化合物およびアミド化合物か
ら選ばれた少なくとも1種のカチオン反応性化合物、
(c)2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,
3,5−トリアジンおよび、(d)下記一般式(I)の
構造を有するスクアリリウム塩系増感色素:
【化4】 (但し、式中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,および
6 は、それぞれ互いに独立に、置換および未置換の、
飽和および不飽和の炭化水素基から選ばれた1員を表
し、Zはピロール環と縮合して芳香族環構造を形成する
炭化水素グループを表し、この縮合炭化水素グループは
置換基を有していてもよく、或は有していなくてもよ
い)を含む可視光反応性樹脂組成物、および(e)バイ
ンダーを含有する感光記録層とを有することを特徴とす
るものである。
【0011】本発明のシート状光記録材料において、前
記バインダーはポリビニルアセタールを含有することが
好ましい。
【0012】
【作用】本発明の可視光反応性樹脂組成物に可視半導体
レーザー光を照射することにより、成分(c)すなわち
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5
−トリアジンおよび成分(d)すなわちスクアリリウム
塩系増感色素とからカチオン反応開始種が生成し、この
カチオン反応開始種が、成分(a)、すなわち置換され
た、又は、置換されていないp−ビニルフェノールの重
合体、又は共重合体(以下、これをポリ(p−ビニルフ
ェノール)と記す)と、成分(b)すなわちカチオン反
応性化合物との反応を開始させ、それによって可視光反
応樹脂生成物を形成することができる。
【0013】ポリ(p−ビニルフェノール)を使用した
レジスト材料については、特開平2−12153号公
報、およびJ. F. Bohland ら、J. Photopolym. Sci. Te
ch. 3(3)355, 401(1990)等に述べられているが、このレ
ジスト材料は紫外線であるエキシマーレーザーにのみ感
度を有し、可視光には感度を有しないものである。また
このレジスト材料に、重量平均分子量4,000未満の
ポリ(p−ビニルフェノール)を使用すると、これをカ
チオン反応性化合物と紫外線反応させても、網目構造が
十分に形成されない。このため反応後の現像処理時に反
応生成物が現像液中に溶出し、鮮明な画像が得られない
という欠点がある。一方、重量平均分子量4,000以
上のポリ(p−ビニルフェノール)を使用し、これをカ
チオン反応性化合物と反応させると、網目構造が十分に
形成され、反応後のネガ型画像の現像処理時に、未露光
部(未反応物)のみが現像液中に溶出し、またはポジ型
画像の現像処理時には露光部(反応生成物)のみが現像
液中に溶出し、使用目的に応じた鮮明な画像が得られ
る。このポリ(p−ビニルフェノール)の重量平均分子
量は4,000以上であるが、8,000以上であれば
より好ましい。
【0014】また本発明に用いられるポリ(p−ビニル
フェノール)は前述のようにp−ビニルフェノール共重
合体を包含し、使用目的により、他のエチレン性ビニル
化合物、例えばメタクリル酸、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチル、スチレン、アクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、p−ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン、
N−ビニルイミダゾール、メタクリル酸ベンジル、メタ
クリル酸トリフロロエチル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、マレイン
酸メチル、フマル酸、フマル酸エチル、アクリロニトリ
ル、アクリルアミド、フマル酸ジエチル、フェニルマレ
イミド、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸ジ
メチル、マレイン酸ジエチル、マレイミド、メタクリル
酸ブチル、エチルビニルエーテル、イソプレン、ブタジ
エン、シクロペンタジエン、およびビニルトリメチルシ
ラン等から選ばれた少なくとも1種と、p−ビニルフェ
ノールとの共重合体を使用することができる。この場
合、p−ビニルフェノールと他の共重合成分との重合モ
ル比は95:5〜50:50であることが好ましい。
【0015】またこのポリ(p−ビニルフェノール)の
ベンゼン環には使用目的により、ヒドロキシル基に加え
て、少なくとも1個の置換基を導入する処理、例えばア
ルキル化、ハロゲン化、メチロール化、クロロメチル
化、ホルミル化、アミノ化、ニトロ化、ニトロソ化、ジ
アルキルアミノメチル化、スルホン化、スチレン化、燐
酸エステル化、珪素化、アゾ化、ヒドロキシイミノメチ
ル化、アリルエーテル化、シアネート化、パーフロロア
ルキルエーテル化、アセチル化、カルボン酸エステル
化、けい皮酸エステル化、スルホン酸エステル化、アル
キルエーテル化、シリルエーテル化、グリシジルエーテ
ル化、エポキシ化合物付加、イソシアナート化合物付
加、アジリジン化合物付加、ポリエチレングリコールエ
ーテル化、不飽和アルキルエーテル化、ベンズイミダゾ
ール付加、グルコシドエーテル化、アゾベンゼンエーテ
ル化、シアノエチル化等を施してもよい。これらのp−
ビニルフェノール、および置換p−ビニルフェノールの
重合体および共重合体は、単独で用いてもよく、あるい
は2種以上を混合して用いてもよい。またこのポリ(p
−ビニルフェノール)は、シート状光記録材料におい
て、乾式の感光記録層を形成するために有効なものであ
る。
【0016】次にトリアジン化合物を光酸発生剤として
含み、可視光に活性な光反応開始剤系としては、次のよ
うな例が知られている。代表的な例として特公昭57−
1819号公報、特公昭59−1281号公報、特公昭
62−44258号公報、特公平4−44737号公
報、および特開平5−107761号公報に示されてい
る色素成分基含有トリアジン誘導体、特公昭62−38
42号公報に示されているチオヒダントイン化合物との
配合物、特公昭62−3844号公報に示されているジ
アルキルアミノ芳香族化合物とイソオキサゾロン化合物
との配合物、特公平2−30322号公報に示されてい
るチアピリリウム塩化合物との配合物、特公平3−20
402号公報および特開平4−31863号公報に示さ
れているシアニン系増感色素との配合物、特公平3−4
8921号公報に示されているメロシアニン系増感色素
との配合物、特開平4−97153号公報に示されてい
る2,3−オキシシクロブテン環含有スクアリリウム塩
系増感色素との配合物、特開平4−106548号公報
に示されているチアゾール環含有スクアリリウム塩系増
感色素との配合物等が知られている。しかし、これら従
来の光反応開始剤系は、可視半導体レーザー光に十分な
感度を有しないものである。これに対して、本発明にお
いては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−
1,3,5−トリアジンが、光吸収したスクアリリウム
塩系増感色素と強い相互作用を示し、それにより効率よ
く酸(反応開始種)を発生する。
【0017】またスクアリリウム塩系増感色素を含み、
可視光に活性な光反応開始剤系としては次のような例が
知られている。代表的な例として、特開平5−2743
6号公報にイミダゾール化合物との配合が開示されてい
るが、この配合系は、可視半導体レーザー光に十分な感
度を有しない。さらに小関他、高分子学会予稿集40(3),
504(1991), 41(3), 541(1992), 42(3), 683(1993)には
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5
−トリアジンと、スクアリリウム塩系増感色素との光反
応開始剤系を選定し、ヘリウム・ネオンレーザー(発振
波長633nm)または赤外半導体レーザー(発振波長7
80nm)の照射により、ポリ(p−ビニルフェノール)
とヘキサメトキシメチルメラミンとを架橋反応させ、ネ
ガ型レジストを作成することが開示されている。しか
し、上記スクアリリウム塩系増感色素は、可視半導体レ
ーザー光による記録には適さないものである。これに対
して本発明に使用される特定スクアリリウム塩系増感色
素は、可視半導体レーザー光の発振波長域、すなわち6
80nm近辺の光を効率よく吸収し、この光吸収体が2,
4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−ト
リアジンとの間に強い相互作用を示す。すなわち本発明
の特定スクアリリウム塩系増感色素自体が光反応性を有
するものであって、2,4,6−トリス(トリクロロメ
チル)−1,3,5−トリアジンとともに、効率よく酸
(反応開始種)を発生するのである。
【0018】また本発明で使用されるスクアリリウム塩
系増感色素は、例えば下記化合物から選ぶことができ
る。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】これら化合物は単独で用いてもよく、ある
いは2種以上を混合して用いてもよい。
【0024】本発明で使用されるカチオン反応性化合物
成分(b)は、カチオン(酸)の存在によりポリ(p−
ビニルフェノール成分(a)と反応するものであってビ
ニルエーテル化合物および/又はアミド化合物から選ば
れる。ビニルエーテル化合物は、例えばエチルビニルエ
ーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニ
ルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、t−ブチル
ビニルエーテル、t−アミルビニルエーテル、シキロヘ
キシルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ド
デシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、
エチレングリコールモノビニルエーテル、エチレングリ
コールジビニルエーテル、エチレングリコールブチルビ
ニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテ
ル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキ
シブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエ
ーテル、アリルビニルエーテル、エチニルビニルエーテ
ル、フェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビ
ニルエーテル、ブタンジオールモノビニルエーテル、ブ
タンジオールジビニルエーテル、トリエチレングリコー
ルメチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビ
ニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエー
テル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル、ヘキサン
ジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジ
ビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエ
ーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、トリメチロー
ルプロパントリビニルエーテル、アミノプロピルビニル
エーテル、2−ジエチルアミノエチルビニルエーテル、
1,4−ベンゼンジメタノールジビニルエーテル、ヒド
ロキノンジビニルエーテル、およびプロペニルエーテル
プロピレンカーボネート等から選ぶことができる。
【0025】またアミド化合物は、尿素、メラミン、ベ
ンゾグアナミン、グリコールウリル、並びにこれらのア
ミド化合物と同一の骨格構造を有し、それに1個以上の
置換基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブ
チル基等のアルキル基、メチロール基、イミノ基、カル
ボキシル基等が結合しているアミド化合物から選ぶこと
ができる。これらビニルエーテル化合物およびアミド化
合物は単独で用いてもよく、あるいは2種以上を混合し
て用いてもよい。
【0026】上記のように、従来技術においては、発振
波長680nmの可視半導体レーザー光に対し、実用的に
十分な感度を有する可視レーザー光反応性樹脂組成物が
知られていなかった。ところが本発明により、可視半導
体レーザー光の照射に実用上十分な感度を有し、速やか
な可視光反応性を示す樹脂組成物が得られた。このよう
な可視レーザー光反応性樹脂組成物を用いることによ
り、露光前に乾燥固体状態であり、かつ可視半導体レー
ザー光を走査露光することにより記録画像を形成するこ
とができる乾式感光記録層を形成することが可能になっ
た。
【0027】本発明のシート状光記録材料は、シート状
基体と、その一面上に形成された感光記録層とを有する
ものである。この感光記録層は、前記可視レーザー光反
応性樹脂組成物と、バインダーとを含むものである。
【0028】本発明に用いられるバインダーには、前記
可視レーザー光反応樹脂組成物の感光反応機能を阻害し
ない限り格別の制限はなく、例えばポリビニルアセター
ル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カ
ルボキシメチルセルロース、酸化澱粉、カゼインなどの
水溶性高分子材料、並びにスチレン−ブタジエン共重合
体、アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体などの非水溶性高分子材料などを用いること
ができる。本発明に用いられるバインダーとしては、ポ
リビニルアセタールを用いることが好ましい。ポリビニ
ルアセタールは、感光記録層において、成分(a),
(b),(c)および(d)の相溶性を向上させ、皮膜
形成性を高め、硬化反応性を高めるのに有効なものであ
る。
【0029】また本発明で使用されるポリビニルアセタ
ールは、ポリビニルアルコールにアルデヒド基含有化合
物を反応させて得られ、アセタール化度は、60〜90
重量%であることが好ましく、特に70〜85重量%の
ものがより好ましい。ここでアセタールのアセチル基
は、ブチル基又は水素原子であることが好ましく、特に
ブチル基を含むもの、すなわちポリビニルブチラールが
好ましい。またこのポリビニルブチラールの重量平均分
子量は、300〜4000であることが好ましく、要求
される皮膜形成性に応じて適宜に設定することができ
る。
【0030】可視光反応性樹脂組成物の成分配合割合と
しては、成分(a)100重量部に対して、反応性化合
物成分(b)が1〜100重量部であることが好まし
く、より好ましくは10〜50重量部であり、2,4,
6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリア
ジン成分(c)が1〜50重量部であることが好まし
く、より好ましくは5〜30重量部であり、およびスク
アリリウム塩系増感色素成分(d)が0.01〜10重
量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3
重量部である。
【0031】さらにシート状基体上に形成する乾式の感
光記録層におけるバインダーの配合割合は、ポリ(p−
ビニルフェノール)成分(a)100重量部に対して、
バインダー、好ましくはポリビニルアセタールが、1〜
100重量部であることが好ましく、より好ましくは2
〜20重量部である。
【0032】本発明の可視光反応性樹脂組成物は、本発
明の目的を阻害しない範囲において成分(b)以外に、
他のカチオン反応性化合物をさらに含んでいてもよい。
それらは、例えば、プロピレンオキシド、シクロヘキセ
ンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、(3,4−
エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−(エポキシ
シクロヘキシル)カルボキシレート、ビス(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)アジペート、4−ビニルシクロ
ヘキセンジオキシド、1,13−テトラデカジエンジオ
キシド、リモネンジオキシド等の脂肪族エポキシ化合
物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ハロゲン化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
多価アルコールのポリグリシジルエーテル等の芳香族エ
ポキシ化合物、スチレン、α−メチルスチレン、p−ク
ロロメチルスチレン等のスチレン類、テトラヒドロフラ
ン、s−トリオキサン、3,3−ビスクロロメチルオキ
セタン等の環状エーテル化合物、γ−ブチロラクトン等
の環状エステル化合物、1−フェニル−4−エチル−
2,6,7−トリオキサビシクロ〔2,2,2〕オクタ
ン、1−エチル−4−ヒドロキシメチル−2,6,7−
トリオキサビシクロ〔2,2,2〕オクタン等のビシク
ロオルトエステル化合物、1,4,6−トリオキサスピ
ロ〔4,4〕ノナン、2−メチル−1,4,6−トリオ
キサスピロ〔4,4〕ノナン、1,4,6−トリオキサ
スピロ〔4,5〕デカン等のスピロオルトエステル化合
物、1,5,7,11−テトラオキサスピロ〔5,5〕
ウンデカン、3,9−ジベンジル−1,5,7,11−
テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等の環状カー
ボネート化合物、エチレンスルフィド、チオエピクロロ
ヒドリン等のチイラン化合物、トリチアン等の環状硫黄
化合物、シロキサンオリゴマー等のシロキサン類および
N−ビニルカルバゾール誘導体等から選ぶことができ
る。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合し
て用いてもよい。
【0033】本発明の可視光反応性樹脂組成物は、本発
明の目的を阻害しない範囲において他のラジカル重合可
能な化合物をさらに含んでいてもよい。それらは、例え
ば、N−ビニル−2−ピロリドン、ビスフェノールAジ
アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールアクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、オリゴエステルアクリレート等から選ぶこと
ができる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を
混合して用いてもよい。
【0034】本発明の可視光反応性樹脂組成物は、その
目的を阻害しない範囲において、芳香族ケトン化合物、
硫黄化合物、有機過酸化物、アゾ化合物や有機ハロゲン
化合物等の光ラジカル発生剤をさらに含んでいてもよ
い。
【0035】本発明の可視光反応性樹脂組成物は、その
目的を阻害しない範囲において、発色色素をさらに含ん
でいてもよい。それらは、例えば、トリフェニルメタン
系色素、トリフェニルメタンフタリド系色素、フェノチ
アジン系色素、フェノキサジン系色素、フルオラン系色
素、チオフルオラン系色素、インドリルフタリド系色
素、アザフタリド系色素、ジフェニルメタン系色素、ク
ロメピラゾール系色素、ロイコオーラミン系色素、ロー
ダミンラクタム系色素、ローダミンアニリノラクタム系
色素、メチン系色素、アゾメチン系色素、スピロピラン
系色素、キナゾリン系色素、フルオレイン系色素、ビス
ラクトン系色素、キサンテン系色素、ロイコキサンテン
系色素、ジアザキサンテン系色素等から選ぶことができ
る。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合し
て用いてもよい。
【0036】また本発明のシート状光記録材料におい
て、その感光記録層が、バインダーとしてポリビニルア
セタールを含む場合、感光記録層と、シート状基体との
接着性を高めるために、他の接着剤を含有させてもよ
い。接着剤の配合量は、ポリ(p−ビニルフェノール)
成分(a)100重量部に対し1〜20重量部であるこ
とが好ましい。接着剤としては、例えば、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセ
ルロース、酸化澱粉、カゼイン等の水溶性接着剤、並び
にスチレン−ブタジエン系共重合体、アクリル酸エステ
ル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体等の合
成高分子等を用いることができる。
【0037】本発明のシート状光記録材料の印刷性およ
び筆記性を向上させるためには、その目的を阻害しない
範囲において、感光記録層中に、さらに顔料を含有させ
てもよい。このような顔料としては、クレー、炭酸カル
シウム、水酸化アルミニウム、シリカ、サチン白、二酸
化チタン、タルク、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜
硫酸カルシウム、有機顔料等のように通常の顔料塗工紙
に使用している顔料を用いることができ、これらを単独
で、または2種類以上混合して使用してもよい。その配
合量は、ポリ(p−ビニルフェノール)成分(a)10
0重量部に対し1〜100重量部であることが好まし
い。
【0038】本発明の可視光反応性樹脂組成物、又は感
光記録層中には、その所望の効果を損なわない限り、反
応促進剤、反応調整剤、濡れ剤、被膜形成助剤、希釈溶
媒、安定剤等を含んでいてもよい。
【0039】本発明の光記録材料に用いられるシート状
基体としては、紙、不織布および布地のような多孔質基
体、或は合成紙、高分子フィルム、ゴム状弾性シート、
および金属箔等を用いることができる。これらは単独、
あるいはこれらの2枚以上を積層体の形態で用いてもよ
い。多孔質基体としては、通常、坪量10〜300g/
m2、厚さ10〜350μmの紙、不織布および編織布等
が用いられ、必要に応じこれに目止め処理を施して使用
する。また編織布は、スクリーン印刷用素材として使用
されるものから選ぶことができ、これらはポリアミド繊
維、ポリエステル繊維、ステンレス繊維、金属メッキし
たポリエステル繊維、カーボン混紡繊維、絹繊維等によ
り紡織編されたものでもよい。
【0040】合成紙としては、厚さ10〜350μmの
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等からつく
られたフィルム法合成紙またはファイバー法合成紙が用
いられる。高分子フィルムとしては、厚さ3〜200μ
mの低密度または高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、メチルペンテン
共重合体等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニル
フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリエステル
フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリメチルメタアク
リレートフィルム、ポリビニルブチラールフィルム、フ
ッ素樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、エチレン−酢
酸ビニル共重合体フィルム、セルロースアセテートフィ
ルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリフェニレンサ
ルファイドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィ
ルム、ポリサルフォンフィルム、ポリエーテルサルフォ
ンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、アイオノマ
ー樹脂フィルム等が用いられる。
【0041】ゴム状弾性シートとしては、厚さ10〜1
000μmの天然ゴムや、スチレン−ブタジエン系、ブ
チル系、ニトリル系、クロロプレン系、ウレタン系、シ
リコーン系およびフッ素系等の合成ゴムが用いられる。
金属箔としては、厚さ0.1〜100μmの銅箔、アル
ミニウム箔、錫箔、鉛箔、鉄箔、ステンレス箔、金箔等
が用いられる。
【0042】シート状基体上に塗布する可視光反応性樹
脂組成物を含む感光記録層の塗工量は、0.01〜50
g/(固形分)であることが好ましく、より好ましくは
0.1〜20g/(固形分)である。感光記録層は、所
定の組成を有する塗工液を常法にしたがってロールコー
ター等でシート状基体上に塗布し、これを乾燥して形成
する。また形成される塗料被覆層の品質を損なわない限
り、紫外線硬化装置または電子線硬化装置を併用して乾
燥を行ってもよい。
【0043】本発明のシート状光記録材料は、使用目的
に応じ、シート状基体の片面、又は両面に当該可視光反
応性樹脂組成物による感光記録層を形成してもよい。ま
た使用目的に応じ、シート状基体の表面に当該可視光反
応性樹脂組成物による感光記録層を形成し、シート状基
体の裏面に静電記録、放電破壊記録、感熱記録、通電記
録、電解記録、電子写真記録、感圧記録、インクジェツ
ト記録、銀塩写真記録、ジアゾ記録、磁気記録、熱転写
記録、裏カーボン、イオンフロー記録等の他の記録方式
による記録を行うための記録層を形成してもよい。
【0044】またこの裏面には、使用目的に応じ、アク
リル酸エステル系、天然ゴム系、合成ゴム系、ブロック
ポリマー等の一般の感圧接着剤による粘着加工を行って
もよい。この感圧接着剤の塗工液は、有機溶剤型、水系
エマルジョン型、水溶液型またはホツトメルト型が使用
可能である。またこの裏面には、使用目的に応じ、シリ
コーン系剥離剤、長鎖アルキルアクリレートやフッ素樹
脂等の非シリコーン系剥離剤による剥離加工を行っても
よい。
【0045】本発明のシート状光記録材料は、次のよう
な原理で画像を形成記録する。すなわち、シート状光記
録材料に、画像情報信号に基づいて変調された可視半導
体レーザー光を照射すると、露光部分のみが反応する。
この場合記録画像は、現像において未露光部分を溶剤や
アルカリ性溶液等で溶出することにより形成されるネガ
型画像であってもよく、或は露光部分を溶剤やアルカリ
性溶液等で溶出することにより形成されるポジ型画像で
あってもよい。すなわち現像処理に用いる溶剤やアルカ
リ性溶液等を使用目的に応じて選択設定することによ
り、ネガ型またはポジ型の画像記録が可能となる。
【0046】現像処理に用いる溶剤は、感光記録層に含
まれる成分材料の種類や得られた反応生成物の種類、お
よび画像のタイプ、(ネガ型またはポジ型)等に応じ
て、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、トルエ
ン、キシレン、メチルシクロヘキサン、アセトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、
酢酸ブチル、酢酸イソアミル、ジオキサン、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、アクリロニトリル、ジメチ
ルホルムアミド等から選ぶことができる。また現像処理
に用いるアルカリ性溶液は、感光記録層に含まれる成分
材料の種類や得られた反応生成物の種類および画像のタ
イプ(ネガ型またはポジ型)に応じて、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の無機アルカリの水溶液や、テト
ラメチルアンモニウムハイドロオキシドやコリン等の有
機アルカリの水溶液、メタノール溶液、または水とメタ
ノールの混合溶液などを用いることができる。
【0047】本発明の光記録材料に記録画像を形成する
ために用いられるレーザー光源としては、アルゴンレー
ザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、クリプトンレー
ザー、ヘリウム・ネオンレーザー、半導体レーザー、ル
ビーレーザー等の可視光域に発振波長を有するものが使
用可能である。また赤外レーザーも非線形光学結晶を用
いて波長変換することにより使用可能である。特に発振
波長680nmの可視半導体レーザーが、本発明の光記録
材料に対し有効なものである。
【0048】
【実施例】下記実施例により、本発明を具体的に説明す
る。実施例1 重量平均分子量8,300のポリ(p−ビニルフェノー
ル)(商標:マルカリンカーM S−3、丸善石油化学
社製)100重量部に対し、ビニルエーテル化合物とし
て、n−ブチロエーテル30重量部と、アミド化合物と
してヘキサメトキシメチロールメラミン(商標:サイメ
ル300:三井サイアナミッド社製)10重量部と、
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5
−トリアジン10重量部と、スクアリリウム塩系増感色
素、化合物 No.9、(商標:NK−3380、日本感光
色素研究所社製)1重量部とを、メチルエチルケトンか
らなる希釈溶媒中に分散、溶解しながら配合し、樹脂組
成物を調製した。この樹脂組成物の一部を脱気封管し、
これに室温で発振波長680nm、出力20mWの可視半導
体レーザー光を10分間照射し、反応させ、目視により
流動性の変化からゲル化を評価した。その結果、上記照
射により樹脂組成物溶液の流動性が消失し、ゲル状態と
なることを確認した。
【0049】実施例2 重量平均分子量33,000のポリ(p−ビニルフェノ
ール)(商標:マルカリンカーMH−3、丸善石油化学
社製)100重量部に、ビニルエーテル化合物としてシ
クロヘキサンジオールジビニルエーテル40重量部と、
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5
−トリアジン10重量部と、スクアリリウム塩系増感色
素、化合物 No.1(商標:NK−2990、日本感光色
素研究所社製)1重量部とを、メチルエチルケトンから
なる希釈溶媒中に分散、溶解しながら配合し、樹脂組成
物を調製した。その後実施例1と同様に流動性の変化を
目視で評価した。その結果、照射により、上記組成物溶
液の流動性が消失し、ゲル状態となることを確認した。
【0050】実施例3 重量平均分子量19,800のポリ(p−ビニルフェノ
ール)(商標:マルカリンカーMH−2、丸善石油化学
社製)100重量部に、アミド化合物としてブチル化ベ
ンゾグアナミン(商標:サイメル1128、三井サイア
ナミッド社製)10重量部と、2,4,6−トリス(ト
リクロロメチル)−1,3,5−トリアジン10重量部
と、スクアリリウム塩系増感色素、化合物 No.15(商
標:NK−3634、日本感光色素研究所社製)1重量
部とを、メチルエチルケトンからなる希釈溶媒中に分
散、溶解しながら配合し、樹脂組成物を調製した。その
後実施例1と同様に評価した。その結果、上記組成物溶
液の流動性が消失し、ゲル状態となることを確認した。
【0051】比較例1 実施例1と同様の操作および評価を行った。但し、樹脂
組成物中、成分(a)としてポリ(p−ビニルフェノー
ル)(商標:マルカリンカーMS−1、丸善石油化学社
製、重量平均分子量2,400)を用いた。その結果、
可視レーザー光照射により、組成物溶液がゲル状態とな
らないことを確認した。
【0052】比較例2 実施例2と同様の操作および評価を行った。但し、樹脂
組成物中、ビニルエーテル化合物の代わりに、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(商標:エピコート1001、
油化シェルエポキシ社製)を用いた。その結果、可視レ
ーザー光照射を施しても、樹脂組成物がゲル状態となら
ないことを確認した。
【0053】比較例3 実施例3と同様の操作および評価を行った。但し、樹脂
組成物中、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−
1,3,5−トリアジンの代わりに、鉄−アレーン系化
合物である〔η6−クメン〕〔η5−シクロペンタジエ
ニル〕鉄(II)−ヘキサフルオロフォスフェイト(商
標:イルガキュア261、チバ・ガイギー社製)を用い
た。その結果、可視レーザー光照射を施しても樹脂組成
物溶液がゲル状態とならないことを確認した。
【0054】比較例4 実施例3と同様の操作および評価を行った。但し、スク
アリリウム塩系増感色素の代わりに、シアニン系増感色
素(商標:NK−136、日本感光色素研究所社製)を
用いた。その結果、得られた樹脂組成物溶液は、可視レ
ーザー光照射を施してもゲル化しないことを確認した。
【0055】実施例4 シート状基体としてポリオレフィン系合成紙(厚さ11
0μm、商標:ユポFPG−110、王子油化合成紙社
製)を使用した。また実施例1で使用した樹脂組成物1
50重量部にポリビニルブチラール(ブチラール化度7
5%、重量平均重合度750)10重量部を配合し、塗
工液を調製した。この塗工液をロールコーターで前記シ
ート状基体の表面上に、塗布量が3g/m2(固形分)に
なるように塗布し、100℃で2分間乾燥して、乾式感
光記録層を形成した。このようにして得たシート状光記
録材料の塗料被膜層表面に可視半導体レーザー(発振波
長680nm、出力20mW)からのレーザー光線を集光レ
ンズで集光し、所定画像のパターンに従って照射した。
この露光面に、テトラメチルアンモニウムハイドロオキ
シドのメタノール溶液からなる現像液を用いて、20℃
において3分間の現像を施したところ、鮮明な記録画像
が得られた。
【0056】実施例5 実施例4と同様の操作を行った。但し、シート状基体と
してポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ20μ
m)を使用し、また塗工液調製において、実施例2で使
用した樹脂組成物にポリビニルブチラールとしてブチラ
ール化度80%、重量平均重合度2000のもの1重量
部を配合した。実施例4と同様にして露光、現像した結
果、鮮明な記録画像が得られた。
【0057】実施例6 実施例4と同様の操作を行った。但し、シート状基体と
してアルミニウム箔(厚さ50μm)を使用し、また塗
工液調製において、実施例3で使用した樹脂組成物に、
ポリビニルブチラール(ブチラール化度73%、重量平
均重合度300)5重量部を配合した。実施例4と同様
に露光、現像した結果、鮮明な記録画像が得られた。
【0058】比較例5 実施例4と同様にしてシート状光記録材料を作製した。
但し、シート状基体としてポリオレフィン系合成紙(厚
さ110μm、商標:ユポFPG−110、王子油化合
成紙社製)を使用し、また、塗工液調製において、比較
例1で使用した樹脂組成物を用いた。実施例4と同様に
露光、現像したが、得られた記録画像は不鮮明であっ
た。
【0059】比較例6 実施例4と同様にして、シート状光記録材料を作製し
た。但し、シート状基体としてポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(厚さ50μm)を使用し、また塗工液調
製において、比較例2で使用した樹脂組成物を用いた。
実施例4と同様に露光、現像したが、不鮮明な記録画像
しか得られなかった。
【0060】比較例7 実施例4と同様にしてシート状光記録材料を作製した。
但し、シート状基体としてアルミニウム箔(厚さ20μ
m)を使用し、また塗工液調製において実施例3で使用
した樹脂組成物を用いた。実施例4と同様に露光、現像
したが、不鮮明な記録画像しか得られなかった。
【0061】
【発明の効果】本発明に係る可視光反応性樹脂組成物
は、可視半導体レーザーの照射により速やかに反応す
る。また、本発明のシート状光記録材料は、可視半導体
レーザー光の照射により、良好な記録画像を形成し、優
れた実用性を有している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)4,000以上の重量平均分子量
    を有する、置換された、および置換されていないp−ビ
    ニルフェノールの重合体および共重合体から選ばれた少
    なくとも1種、(b)ビニルエーテル化合物およびアミ
    ド化合物から選ばれた少なくとも1種のカチオン反応性
    化合物、(c)2,4,6−トリス(トリクロロメチ
    ル)−1,3,5−トリアジン、および(d)下記一般
    式(I)の構造を有するスクアリリウム塩系増感色素: 【化1】 (但し、式(I)中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5
    およびR6 は、それぞれ互いに独立に、置換および未置
    換の、飽和および不飽和の炭化水素基から選ばれた1員
    を表し、Zはピロール環と縮合して、芳香族環構造を形
    成する炭化水素グループを表し、この縮合炭化水素グル
    ープは置換基を有していてもよく、或は有していなくて
    もよい)を含有する可視光反応性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 シート状基体と、その少なくとも一面上
    に形成され、かつ(a)4,000以上の重量平均分子
    量を有する置換された、および置換されていないp−ビ
    ニルフェノールの重合体、および共重合体から選ばれた
    少なくとも1種、(b)ビニルエーテル化合物およびア
    ミド化合物から選ばれた少なくとも1種のカチオン反応
    性化合物、(c)2,4,6−トリス(トリクロロメチ
    ル)−1,3,5−トリアジン、および(d)下記一般
    式(I)の構造を有するスクアリリウム塩系増感色素: 【化2】 (但し、式(I)中、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5
    およびR6 は、それぞれ互いに独立に、置換および未置
    換の、飽和および不飽和の炭化水素基から選ばれた1員
    を表し、Zはピロール環と縮合して芳香族環構造を形成
    する炭化水素グループを表し、この縮合炭化水素グルー
    プは置換基を有していてもよく、或は有していなくても
    よい)を含む可視光反応性樹脂組成物および(e)バイ
    ンダーを含有する感光記録層とを有することを特徴とす
    るシート状光記録材料。
  3. 【請求項3】 前記バインダーがポリビニルアセタール
    を含む、請求項2に記載のシート状光記録材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102575107A (zh) * 2010-01-15 2012-07-11 株式会社艾迪科 色调修正剂、方酸内鎓盐化合物及滤光器
JP2013076926A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Fujifilm Corp 着色感光性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、並びに液晶表示装置
JP2013227364A (ja) * 2012-04-24 2013-11-07 Shin-Etsu Chemical Co Ltd 変性ポリヒドロキシスチレン樹脂及びその製造方法並びにレジスト材料

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