JPH07286004A - ポリオレフィンの連続製造プロセス - Google Patents

ポリオレフィンの連続製造プロセス

Info

Publication number
JPH07286004A
JPH07286004A JP8036394A JP8036394A JPH07286004A JP H07286004 A JPH07286004 A JP H07286004A JP 8036394 A JP8036394 A JP 8036394A JP 8036394 A JP8036394 A JP 8036394A JP H07286004 A JPH07286004 A JP H07286004A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slurry
polymerization
particles
line
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8036394A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Hayakawa
徹男 早川
Tokuji Inoue
篤司 井上
Hiroyuki Asaga
裕之 朝賀
Hideo Sano
英男 佐野
Hideki Nakagawa
日出樹 中川
Munetake Fujinaga
宗丈 藤永
Kazuo Shirahase
一夫 白波瀬
Ichiro Kondo
伊知郎 近藤
Kenji Yamagata
賢次 山縣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP8036394A priority Critical patent/JPH07286004A/ja
Publication of JPH07286004A publication Critical patent/JPH07286004A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】プロピレン等をスラリー重合又はバルク重合し
てポリプロピレンを製造するプロセスにおいて、重合槽
内のスラリーを連続的に抜き出し、スラリー中のポリプ
ロピレン粒子をサイクロン等で連続的に分級し、径の小
さなポリプロピレン粒子のスラリーのみを重合槽内に戻
し、径の大きなポリプロピレン粒子のスラリーを製品と
して回収する。 【効果】重合触媒の利用効率が向上し、プロピレンの仕
込み量に対するポリプロピレンの収率が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1の重合槽又は2以上
の直列に接続した重合槽中で、チーグラー・ナッタ触媒
等の立体規則性触媒によってオレフィン系のモノマーを
連続的に重合するポリオレフィンの連続製造プロセスの
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合
体、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン
・ジエン共重合体等のポリオレフィンは、チーグラー・
ナッタ触媒等の立体規則性触媒を用いて、単独の重合槽
或いは2以上の直列に接続した重合槽中で、スラリー重
合やバルク重合等のプロセスにより、連続的に製造され
ることが多い。これらのプロセスにおいては、ポリオレ
フィンは、内部に触媒を包含した粒子として回収され
る。
【0003】スラリー重合やバルク重合において、モノ
マー供給量に対する転化率を高めるため、重合槽中のス
ラリー濃度を高めることが検討された。しかし、スラリ
ー重合やバルク重合において重合槽中のスラリー濃度を
余り高くすると、攪拌が困難となり均一な重合が困難に
なるという問題があることはこれまでも知られていた。
例えば、スラリー重合によるプロピレンの重合において
は、スラリー濃度は35重量%が安定運転のできる限界
であるといわれていた。一方、バルク重合においては5
0重量%程度が安定運転の限界と言われていた。
【0004】従来、バルク重合においては、重合槽内の
スラリーは重合槽に設けた抜き出しラインから断続的に
抜き出していた。これは、重合槽の内部が20〜60kg
/cm 2 Gの高圧である一方、抜き出しライン内部は1〜
10kg/cm2 G程度の低圧であるからである。このよう
に断続的にスラリーを抜き出すことにより、重合槽の内
圧を保つとともに、バルブの開閉タイミングを制御する
ことによりスラリーの抜き出し量を制御していた。
【0005】
【解決すべき課題】従来は、このように重合槽内のスラ
リーを単にそのまま断続的に抜き出していたに過ぎなか
ったので、重合槽中のスラリー濃度が、そのままモノマ
ー供給量当たりのポリオレフィン粒子への転化率とな
り、モノマー供給量当たりのポリオレフィン粒子への転
化率は上記の制限を超えることができなかった。又、抜
き出されたスラリーには、粒径の小さなポリオレフィン
粒子も大量に含まれていた。これらの粒径の小さいポリ
オレフィン粒子は未だ重合が余り進行しておらず、粒子
中の触媒の活性点密度が高く且つ活性が未だかなり高
い。従って、未だ活性の高い触媒がポリオレフィン粒子
に含まれた形でショートパスすることになるので、触媒
の利用効率が低くなり、生産性が低下するという問題が
あった。
【0006】又、活性点密度の高い、即ち滞留時間の短
い粒径の小さなポリオレフィン粒子が製品に混入するの
で、フィルムグレードにおいてはフィッシュアイが生じ
やすくなり、射出成形グレードにおいては耐衝撃強度の
高い成形品が得られず、又、成形品に表面荒れが生じや
すいという問題があった。
【0007】更に、抜き出しラインからは、上にも述べ
たように重合槽内のスラリーをそのまま抜き出すので、
ポリオレフィン粒子とともに大量のモノマーも抜き出さ
れることとなる。このため、回収すべきモノマー量が多
くなる結果、モノマー回収設備が大型化し、モノマー回
収に要するエネルギーが多くなるという問題があった。
本発明は、従来のスラリー重合やバルク重合等のプロセ
スにおける生産性及び触媒利用効率の改善を目的とす
る。
【0008】
【課題解決のための手段】本発明は、1又は2以上の重
合槽を用いて、立体規則性触媒によってオレフィン系モ
ノマーをスラリー重合し又はバルク重合しポリオレフィ
ンを製造するプロセスにおいて、(a)各重合槽において
当該重合槽内のスラリーを連続的に抜き出し、(b)抜き
出したスラリーを連続的に分級し、スラリー濃度が重合
槽内のスラリー濃度よりも高く且つスラリー中のポリオ
レフィン粒子が主に粒径の大きなものから構成されると
ころのスラリーを得、(c)このスラリーを重合系外に取
り出し、重合槽から取り出したスラリーの残りの部分を
当該重合槽に戻す、ことを特徴とするものに関する。
【0009】本発明の連続製造プロセスは、各種ポリオ
レフィンの製造に適用できる。具体的には、高密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン
ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体等のポリ
オレフィンの製造に適用できる。
【0010】このプロセスで用い得るオレフィン系モノ
マーとしては炭素数2〜8のα−オレフィンが挙げられ
る。具体的にはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1
−ペンテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、
1−オクテンからなる群から選ばれる1種又は2種以上
のα−オレフィンがある。
【0011】用い得る触媒としては、立体規則性触媒が
挙げられる。具体的には、TiCl 4 −AlR3 系(R
はアルキル基)触媒や、TiCl4 −AlR2 X(Xは
ハロゲン)系触媒、或いはこれらを塩化マグネシウムや
水酸化マグネシウムに担持した触媒、或いは、TiCl
4 −AlR3 系触媒や、TiCl4 −AlR2 X系触媒
をマグネシウムアルコキシドと反応させたもの等のポリ
エチレン製造用チーグラー・ナッタ触媒、TiCl3
AlR2 X系触媒等の第1世代チーグラー・ナッタ触
媒、所謂Solvay触媒等の第2世代チーグラー・ナッタ触
媒、内部ドナーとしてフタル酸ジエステル等を含んだハ
ロゲン化マグネシウムにハロゲン化チタンを担持させた
担持型固体触媒と有機Al化合物と各種シラン化合物等
の外部ドナーとを組み合わせて調製した第3世代チーグ
ラー・ナッタ触媒等のポリプロピレン製造用チーグラー
・ナッタ触媒が挙げられる。更に、VOCl3 やVCl
4 等のV化合物とエチルアルミニウムセスキクロライド
等の有機Al化合物を主要成分とするエチレン・プロピ
レンゴム製造用触媒、及び各種カミンスキー触媒等も好
ましく用いられる。
【0012】本発明の連続製造プロセスを適用し得る重
合プロセスとしては、単独の重合槽、又は直列に接続し
た2以上の重合槽を用いた連続重合法が挙げられ、具体
的には、スラリー重合及びバルク重合等に好ましく適用
できる。ここでスラリー重合とは、オレフィン系モノマ
ーは溶解するが生成したポリオレフィンは溶解しない溶
媒中で重合を行なうプロセスをいう。一方、バルク重合
は、オレフィン系モノマー中で重合を行なうプロセスを
いう。
【0013】本発明の連続製造プロセスにおいては、ポ
リオレフィン粒子を未反応モノマーや溶媒とともに重合
槽からスラリーとして抜き出し、このスラリー中のポリ
オレフィン粒子を粒径の大きなものと小さなものに分け
る。そして粒径の小さなポリオレフィン粒子は、未反応
モノマーや溶媒の大部分とともに重合槽に戻される。一
方、粒径の大きなポリオレフィン粒子は、未反応モノマ
ーや溶媒の一部分とともにスラリーとして重合系外に取
り出される。この重合系外に取り出されるスラリーを以
下「濃縮スラリー」ということとする。濃縮スラリーの
スラリー濃度は、重合槽内のスラリー中のそれよりも大
きいことが必要であるが、スラリー濃度が75重量%を
超えると、濃縮スラリーの流動性が低くなり、重合系外
に円滑に取り出すことができなくなるから好ましくな
い。特に好ましいスラリー濃度は70重量%以下であ
る。
【0014】バルク重合において、従来通り重合槽内の
スラリー濃度を50重量%となるようにして重合を行う
場合、濃縮スラリーのスラリー濃度は50重量%より高
く75重量%以下、好ましくは50重量%より高く70
重量%以下、特に好ましくは60〜70重量%の範囲に
はいるようにする。スラリー重合においては、従来通り
重合槽内のスラリー濃度を35重量%となるようにして
重合を行う場合、濃縮スラリーのスラリー濃度は35重
量%より高く75重量%以下、好ましくは35重量%よ
り高く60重量%以下、特に好ましくは40〜50重量
%の範囲にはいるようにする。
【0015】ポリオレフィン粒子を粒径の大きな粒子と
小さな粒子に分ける方法としては各種のものが可能であ
るが、連続運転が極めて容易であり可動部が殆どなく液
体の停滞が殆ど無いという点で、特にサイクロンを用い
ることが好ましい。この他、湿式分級装置や遠心分離機
等も好ましく用いられる。
【0016】
【発明の効果】本発明の連続製造プロセスにおいては、
重合系から取り出される濃縮スラリー中の未反応モノマ
ーとポリオレフィン粒子の合計量は、重合槽に新たに仕
込まれるモノマーの量に等しくなるので、濃縮スラリー
中のスラリー濃度が、仕込みモノマーの転化率に当たる
ことになる。本発明の連続製造プロセスにおいては、濃
縮スラリーのスラリーの濃度は重合槽内のスラリー濃度
より高いから、従来のバルク重合やスラリー重合と比較
してモノマーの転化率を高めることができる。例えば、
本発明のプロセスをバルク重合に採用した場合、濃縮ス
ラリーのスラリー濃度は50重量%より高く75重量%
まで可能であるから、モノマーの転化率を従来の50重
量%に比べ大幅に高めることができる。従って、回収モ
ノマーの量が減少するから、モノマー回収に要するエネ
ルギーは減少し、モノマー回収に要する原材料、スチー
ム、電力等の原単位も大幅に減少するというメリットも
ある。又、モノマー回収設備に余力が生まれ回収モノマ
ーの精製度を向上させることができる。更に、粒径の小
さい、即ち高活性且つ活性点密度の高い触媒を含むポリ
オレフィン粒子は、その殆どが重合槽に戻され重合に関
与するから、触媒の利用効率も高くできるという特徴が
ある。そして、これらの粒径の小さな粒子が製品に混入
することが少なくなるから、射出成形グレードにおいて
は耐衝撃性の高い製品が得られ、フィルムグレードにお
いてはフィッシュアイの発生を抑えることができる。
【0017】
【実施例】以下、第三世代チーグラー・ナッタ触媒を用
いたプロピレンのバルク重合プロセスであって単一の重
合槽で重合をおこなうものに本発明の連続製造プロセス
を適用した例を挙げて、本発明の連続製造プロセスにつ
いて詳しく説明する。
【0018】図1は、本実施例のプロセスの一例であっ
て、ポリオレフィン(ポリプロピレン)粒子を粒径の大
きな粒子と粒径の小さな粒子に分けるのにサイクロンを
用いた例を示すプロセス図である。図2は、従来のプロ
ピレンのバルク重合プロセスの一例を示すプロセス図で
ある。
【0019】図中、1は重合槽を、2はコンデンサー
を、3は固−気分離器を、4は圧縮機を、5はヒーター
を、6はポンプを、7はサイクロンを示す。a、b、
c、dは各々流量調節弁を示す。8は液化プロピレンを
重合槽1に供給するためのラインを、9は重合槽1から
蒸発したプロピレン及び水素を含む混合ガスをコンデン
サー2に導くためのラインであり、途中には流量調節弁
aが設けられている。10はコンデンサー2から液化プ
ロピレンを重合槽1に戻すためのライン、11及び12
は、重合槽からポリオレフィン(ポリプロピレン)粒子
と液化プロピレンのスラリーを抜き出してサイクロン7
に導くためのラインであり、13はポリオレフィン(ポ
リプロピレン)粒子と液化プロピレンの混合物を重合槽
1に戻すラインである。
【0020】以下、図1に示したプロセスの作用につい
て説明する。
【0021】液化プロピレンはライン8を通って重合槽
1に供給される。液化プロピレンの供給量は、重合槽1
内部の液面の高さが一定となるように制御される。ライ
ン8の途中から、主触媒、助触媒、及び電子供与体が供
給される。主触媒としては例えば塩化チタンを塩化マグ
ネシウムに担持させたものと有機アルミニウム化合物と
を反応させたもの、及び予備重合された触媒等が用いら
れる。又助触媒としては有機アルミニウム化合物を、電
子供与体としては各種シラン化合物が用いられる。主触
媒、助触媒及び電子供与体は、連続的に供給することが
できる。重合槽1内部では、ライン8から供給された液
化プロピレンが重合し、活性を有する触媒を包含したポ
リプロピレン粒子として液化プロピレン中に懸濁しスラ
リーとなっている。一方、スラリー中の液化プロピレン
の一部は気化し、重合槽1内で発生した重合熱を除去す
る。そして気化したプロピレンは、プロパン等不純物と
して含まれていた炭化水素ガスや、分子量調節剤として
添加された水素等とともに混合ガスとしてライン9を通
してコンデンサー2に導かれる。
【0022】ライン9を通して重合槽1から除去された
混合ガスは、コンデンサー2に導かれ、そこで気化プロ
ピレンは液化し、ライン10を通って再び重合槽1に戻
される。コンデンサー2に導かれる混合ガスの量は、流
量調節弁aの開き度を加減することによって調節され
る。重合槽1の内圧即ち重合温度は、コンデンサー2に
導かれる混合ガスの量を増減することにより調節され
る。
【0023】重合槽1内で生成したポリプロピレン粒子
のスラリーはライン11を通して重合槽1より抜き出さ
れ、ライン12を通してサイクロン7に供給される。サ
イクロン7において、スラリー中のポリプロピレン粒子
は粒径の大きな粒子と粒径の小さな粒子に分けられる。
粒径の小さな粒子はサイクロン7の上部からスラリーと
して回収され、ライン13を通して重合槽1に戻され
る。一方、粒径の大きな粒子は、濃縮スラリーとなって
サイクロン7の底部から流量調節弁bを通して排出さ
れ、ライン15を通して固−気分離器3に送られる。濃
縮スラリーのスラリー濃度は、流量調節弁b及びcで調
節することにより増減できる。濃縮スラリーは、流量調
節弁bから排出されると、中に含まれている液化プロピ
レンが直ちに気化し、低温の気化プロピレンと粒径の大
きなポリプロピレン粒子の混合物になる。この混合物は
ライン16、17、及び19を循環する循環ガスと合流
し、固−気分離器3に送られる。尚、濃縮スラリーは断
続的に排出することが好ましい。
【0024】固−気分離器3で気化プロピレンとポリプ
ロピレン粒子とが分離され、ポリプロピレン粒子はライ
ン20を通して取り出される。ライン20を通して取り
出したポリプロピレン粒子は、必要に応じ脱灰工程、脱
アタクチックポリプロピレン工程、乾燥工程、又はペレ
ット化工程に送り、製品として回収することができる。
又、ライン20からのポリプロピレン粒子を次の重合槽
に供給し、この重合槽に同一または異なるモノマーを追
加して、第2段目の重合を行ってもよい。第2段目の重
合において供給するモノマーとしては、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチルペンテ
ン−1、1−ヘキセン、1−オクテンからなる群から選
ばれる1種又は2種以上のα−オレフィンが好ましい。
【0025】一方、固−気分離器3で分離された気化プ
ロピレンはライン16、17、及び19を循環する。そ
して、気化プロピレンの一部はライン18から抜き出さ
れ、表示しないモノマー回収工程に送られる。
【0026】以下、実際のポリプロピレンのバルク重合
に本発明の連続製造プロセスを適用した例を示す。尚、
プロピレンとしては純度95%のものを用いた。不純分
は主にプロパンであった。
【0027】得られたポリプロピレン粒子について、以
下のようにして物性を測定した。尚、粒径分布、メルト
フローレート、及びアイソタクチック部分の割合は脱灰
前のポリプロピレン粒子について測定し、フィッシュア
イ、Izod衝撃強度、及び射出成形品の外観について
は、脱灰後のポリプロピレン粒子について測定した。 粒径分布: 目の大きさが74μmの篩、及び目の
大きさが840μmの篩でポリプロピレン粒子を分級
し、粒径74μm未満のポリプロピレン粒子及び粒径8
40μmを超える粒径のポリプロピレン粒子の割合を求
めた。 メルトフローレート(MF):ASTM D1238に
準拠して測定した。 アイソタクチック部分の割合(HI):得られたポリプ
ロピレン粒子を、ホットプレスにより0. 1mm厚さのフ
ィルムとし、そのフィルムを1cm角に裁断し、この裁断
フィルムを、ソックスレー抽出器を用いて沸騰ノルマル
ヘプタンで6時間抽出し、不溶解分の割合を測定した。 フィッシュアイ: Tダイを用いて厚み25μmのフィ
ルムを得、このフィルムについてヒューテック製フィッ
シュアイカウンターでフィッシュアイの個数を測定し、
450cm2 当たりの個数で表した。 Izod衝撃強度:ASTM D256に準拠して測定
した。 射出成形品の外観:Izod衝撃強度の測定に用いたテ
ストピースについて目視で外観を評価した。
【0028】〔実施例1〕図1のプロセスでプロピレン
のバルク重合を行った例を示す。この実施例においては
重合槽1には200リットルの攪拌機付重合槽を用い
た。
【0029】先ず、主触媒の調製方法について述べる。
30リットルの攪拌機を備えたジャケット付予備重合槽
に、ノルマルヘプタン15リットルを仕込み、これを1
0℃に保持しつつ、トリエチルアルミニウム(TEA)
の15重量%ノルマルヘプタン溶液0. 7リットルを仕
込んだ。更に、t−ブチルエチルジメトキシシラン(T
BEDMS)の0. 1mol/リットルノルマルヘプタ
ン溶液0. 7リットルを仕込み、東邦チタニウム株式会
社製THC−32A触媒を500g充填した。予備重合
槽内は窒素ガスで0. 5kg/cm2Gに加圧した。ここ
で、THC−32A触媒は変性された塩化マグネシウム
上に塩化チタンを担持させたものである。次いで、プロ
ピレンガス500gを当該予備重合槽に圧入した。圧入
時は圧力2. 0kg/cm2 Gに保持したが、40分経
過後圧力は0. 5kg/cm2 Gとなり予備重合は完了
した。得られた主触媒はスラリー状であり、固形分濃度
は61g/リットルであった。当該スラリーを定量的に
重合槽に供給することにより、以下の重合反応に供し
た。
【0030】次に、重合について述べる。重合は、20
0リットルの攪拌機を備えたジャケット付重合槽を用
い、110リットルの液量で重合を行った。助触媒とし
てはTEAを、電子供与体としてはTBEDMSを用い
た。モノマーである液化プロピレンは、重合槽1内部の
液面の高さが一定になるように、ライン8から供給し
た。プロピレンのフィード量は36,500g/hrで
あった。主触媒は、THC−32A触媒換算で0. 5g
/hr、TEA及びTBEDMSは、各々純品換算で
6. 4g/hr及び1. 5g/hrの割合で重合槽1に
供給した。分子量調節用の水素ガスは、重合して得られ
たポリプロピレン粒子のメルトフローレートが80とな
るように、重合槽1に供給した。このときの供給量は2
33ノルマルリットル/hrであった。
【0031】重合は78℃で行った。
【0032】生成したスラリーを、重合槽1の底部に設
けられたライン11を通し連続的に抜き出し、ポンプ6
によりサイクロン7に送り込み、粒径の大きな粒子のス
ラリーと粒径の小さな粒子のスラリーに分けた。粒径の
大きな粒子のスラリーはサイクロン7の底部から濃縮ス
ラリーとして抜き出し、粒径の小さな粒子のスラリーは
サイクロン7の上部から抜き出し、ライン13を通して
重合槽1内に戻した。濃縮スラリーは、ライン14を通
し流量調節弁bを断続的に開閉してライン15に送り込
んだ。濃縮スラリーのスラリー濃度は、流量調節弁cの
開き度を調整することにより55重量%に調整した。当
該濃縮スラリー中の液化プロピレンは流量調整弁bの出
口で気化し、濃縮スラリーはポリプロピレン粒子と気化
したプロピレンとの混合物となった。流量調整弁bを出
た混合物を、固−気分離器(バッグフィルター)3に送
り込み、ポリプロピレン粒子と、気化プロピレンとに分
離し、ポリプロピレン粒子をポリプロピレン粉末として
回収した。1時間あたり回収されたポリプロピレン粉末
の量は20. 1kgであった。回収されたポリプロピレ
ン粉末は、脱灰用の混合液中で、触媒抽出及び洗浄を行
い、脱灰した。脱灰は以下のようにして行った。先ず、
スラリー濃度20重量%となるように混合液中にポリプ
ロピレン粒子を懸濁させて85℃、30分の条件でポリ
プロピレン粒子中の触媒を抽出・除去し、次いで、この
ポリプロピレン粒子に混合液を85℃で吹き付けて洗浄
した。触媒抽出と洗浄は2回繰り返した。脱灰後のポリ
プロピレン粒子は、60℃、10torrの条件で12
時間乾燥した。一方、固−気分離器3で分離した気化プ
ロピレンは、圧縮機4及びヒーター5を通し、ライン1
6、17及び19からなる循環ラインを循環させるとと
もに、その一部をライン18から抜き出し、循環量が一
定になるようにした。
【0033】運転は安定して行えた。又、得られたポリ
プロピレンは、メルトフローレート(MFR)が80、
アイソタクチック構造割合(HI)が98. 7%であっ
た。粒径分布は、ポリプロピレン粒子全体100重量%
の内、粒径74μm未満のものが1. 0重量%、粒径8
40μmよりも大きなものが25. 5重量%であった。
又、アイゾッド衝撃強度は5. 5kgf・cm/cmと
優れる一方、フィッシュアイの個数は6個/450cm
2 に過ぎなかった。得られた射出成形品の表面状態は極
めて平滑であった。
【0034】〔実施例2〕濃縮スラリーのスラリー濃度
を60重量%に調整した以外は、実施例1と同様にして
実施した。このときのプロピレンの供給量は33,70
0g/hr、水素の供給量は203ノルマルリットル/
hrであった。そして1時間あたり回収されたポリプロ
ピレン粉末の量は20. 2kgであった。運転は安定し
て行えた。又、得られたポリプロピレンは、メルトフロ
ーレート(MFR)が80、アイソタクチック構造割合
(HI)が98. 7%であり、粒径分布は、ポリプロピ
レン粒子全体100重量%の内、粒径74μm未満のも
のが0. 7重量%、粒径840μmよりも大きなものが
26. 0重量%であった。アイゾッド衝撃強度は6. 0
kgf・cm/cmと優れる一方、フィッシュアイの個
数は4個/450cm2 に過ぎなかった。得られた射出
成形品の表面状態は極めて平滑であった。
【0035】〔実施例3〕濃縮スラリーのスラリー濃度
を65重量%に調整した以外は、実施例1と同様にして
実施した。このときのプロピレンの供給量は31,50
0g/hr、水素の供給量は178ノルマルリットル/
hrであった。そして1時間あたり回収されたポリプロ
ピレン粉末の量は20. 5kgであった。運転は安定し
て行えた。又、得られたポリプロピレンは、メルトフロ
ーレート(MFR)が80、アイソタクチック構造割合
(HI)が98. 7%であり、粒径分布は、ポリプロピ
レン粒子全体100重量%の内、粒径74μm未満のも
のが0. 5重量%、粒径840μmよりも大きなものが
26. 5重量%であった。アイゾッド衝撃強度は6. 5
kgf・cm/cmと優れる一方、フィッシュアイの個
数は3個/450cm2 に過ぎなかった。得られた射出
成形品の表面状態は極めて平滑であった。
【0036】〔実施例4〕濃縮スラリーのスラリー濃度
を70重量%に調整した以外は、実施例1と同様にして
実施した。このときのプロピレンの供給量は30,00
0g/hr、水素の供給量は158ノルマルリットル/
hrであった。そして1時間あたり回収されたポリプロ
ピレン粉末の量は21. 0kgであった。運転は安定し
て行えた。又、得られたポリプロピレンは、メルトフロ
ーレート(MFR)が80、アイソタクチック構造割合
(HI)が98. 8%であり、粒径分布は、ポリプロピ
レン粒子全体100重量%の内、粒径74μm未満のも
のが0. 5重量%、粒径840μmよりも大きなものが
26. 0重量%であった。アイゾッド衝撃強度は6. 5
kgf・cm/cmと優れる一方、フィッシュアイの個
数は3個/450cm2 に過ぎなかった。得られた射出
成形品の表面状態は極めて平滑であった。
【0037】〔実施例5〕濃縮スラリーのスラリー濃度
を75重量%に調整した以外は、実施例1と同様にして
実施した。このときのプロピレンの供給量は25,30
0g/hr、水素の供給量は131ノルマルリットル/
hrであった。そして1時間あたり回収されたポリプロ
ピレン粉末の量は19. 0kgであった。運転は安定し
て行えたが、濃縮スラリーの抜き出しに若干の変動が見
られた。得られたポリプロピレンは、メルトフローレー
ト(MFR)が80、アイソタクチック構造割合(H
I)が98. 8%であり、粒径分布は、ポリプロピレン
粒子全体100重量%の内、粒径74μm未満のものが
は0. 5重量%、粒径840μmよりも大きなものが2
6. 0重量%であった。アイゾッド衝撃強度は6. 5k
gf・cm/cmと優れる一方、フィッシュアイの個数
は5個/450cm2に過ぎなかった。得られた射出成
形品の表面状態は平滑であった。
【0038】〔比較例1〕図2に示す従来のプロセスで
プロピレンのバルク重合を行い、重合槽1へのプロピレ
ンのフィード量が40,000g/hrとなった以外
は、実施例1と同様に実施した。1時間当たりのポリプ
ロピレン粉末の回収量は20.0kg/hrであった。
得られたポリプロピレンは、メルトフローレート(MF
R)が80、アイソタクチック構造割合(HI)が9
8. 7%であり,粒径分布は、ポリプロピレン粒子全体
100重量%の内、粒径74μm未満のものがは3. 0
重量%、粒径840μmよりも大きなものが25. 0重
量%であった。アイゾッド衝撃強度は4.5kgf・c
m/cmと劣る一方、フィッシュアイの個数は15個/
450cm 2 もあった。得られた射出成形品の表面状態
は良好であった。
【0039】
【表1】
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の連続製造プロセスをポリプロピレン
のバルク重合に適用した例を示すプロセス図
【図2】 従来のポリプロピレンのバルク重合のプロセ
スを示すプロセス図
【符号の説明】
1・・・重合槽 2・・・コンデンサー 3・・・固−気分離器 4・・・圧縮機 5・・・ヒーター 6・・・ポンプ 7・・・サイクロン 8・・・液化プロピレンを重合槽1に供給するためのラ
イン 9・・・重合槽1からの混合ガスをコンデンサー2に導
くためのライン 10・・・コンデンサー2からの液化プロピレンを重合
槽1に戻すためのライン 11及び12・・・ポリオレフィン(ポリプロピレン)
粒子と液化プロピレンのスラリーを重合槽から抜き出し
てサイクロン7に導くためのライン 13・・・ポリオレフィン(ポリプロピレン)粒子と液
化プロピレンのスラリーを重合槽1に戻すラインであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 英男 千葉県市原市五井南海岸8番の1 宇部興 産株式会社千葉石油化学工場内 (72)発明者 中川 日出樹 大阪府堺市築港新町3丁1番地 宇部興産 株式会社堺工場内 (72)発明者 藤永 宗丈 大阪府堺市築港新町3丁1番地 宇部興産 株式会社堺工場内 (72)発明者 白波瀬 一夫 大阪府堺市築港新町3丁1番地 宇部興産 株式会社堺工場内 (72)発明者 近藤 伊知郎 大阪府堺市築港新町3丁1番地 宇部興産 株式会社堺工場内 (72)発明者 山縣 賢次 大阪府堺市築港新町3丁1番地 宇部興産 株式会社堺工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1又は2以上の重合槽を用いて、立体規則
    性触媒によってオレフィン系モノマーをスラリー重合し
    又はバルク重合してポリオレフィンを製造するプロセス
    において、(a)重合槽内のスラリーを連続的に抜き出
    し、(b)抜き出したスラリー中のポリオレフィン粒子を
    連続的に分級し、重合槽内のスラリー濃度よりも高いス
    ラリー濃度を有し、且つスラリー中のポリオレフィン粒
    子が主に粒径の大きなものから構成されるところのスラ
    リーを得、(c)このスラリーを重合系外に取り出し、重
    合槽から抜き出したスラリーの残りの部分を当該重合槽
    に戻す、ことを特徴とするポリオレフィンの連続製造プ
    ロセス
JP8036394A 1994-04-19 1994-04-19 ポリオレフィンの連続製造プロセス Pending JPH07286004A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8036394A JPH07286004A (ja) 1994-04-19 1994-04-19 ポリオレフィンの連続製造プロセス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8036394A JPH07286004A (ja) 1994-04-19 1994-04-19 ポリオレフィンの連続製造プロセス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07286004A true JPH07286004A (ja) 1995-10-31

Family

ID=13716183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8036394A Pending JPH07286004A (ja) 1994-04-19 1994-04-19 ポリオレフィンの連続製造プロセス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07286004A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5859143A (en) * 1996-04-18 1999-01-12 Mitsubishi Chemical Corporation Process for continuously producing propylene-based block copolymer
US6670431B2 (en) 1998-03-20 2003-12-30 Exxonmobil Chemical Patents, Inc. Continuous slurry polymerization volatile removal
US6800698B2 (en) 1998-03-20 2004-10-05 Exxonmobil Chemical Patents, Inc. Continuous slurry polymerization volatile removal
US7034090B2 (en) 1998-03-20 2006-04-25 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Continuous slurry polymerization volatile removal
US7268194B2 (en) 1998-03-20 2007-09-11 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Continuous slurry polymerization process and apparatus
JP2008063559A (ja) * 2006-08-11 2008-03-21 Sumitomo Chemical Co Ltd オレフィン重合用予備重合触媒の製造方法およびオレフィン重合体の製造方法
US10029230B1 (en) 2017-01-24 2018-07-24 Chevron Phillips Chemical Company Lp Flow in a slurry loop reactor
CN113750912A (zh) * 2020-06-05 2021-12-07 中国石油天然气股份有限公司 超高顺式稀土顺丁橡胶的连续聚合装置及方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5859143A (en) * 1996-04-18 1999-01-12 Mitsubishi Chemical Corporation Process for continuously producing propylene-based block copolymer
US6670431B2 (en) 1998-03-20 2003-12-30 Exxonmobil Chemical Patents, Inc. Continuous slurry polymerization volatile removal
US6800698B2 (en) 1998-03-20 2004-10-05 Exxonmobil Chemical Patents, Inc. Continuous slurry polymerization volatile removal
US6833415B2 (en) 1998-03-20 2004-12-21 Exxonmobil Chemical Patents, Inc. Continuous slurry polymerization process and appparatus
US6858682B2 (en) 1998-03-20 2005-02-22 Exxonmobil Chemical Patents, Inc. Continuous slurry polymerization volatile removal
US6926868B2 (en) 1998-03-20 2005-08-09 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Continuous slurry polymerization volatile removal
US7034090B2 (en) 1998-03-20 2006-04-25 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Continuous slurry polymerization volatile removal
US7268194B2 (en) 1998-03-20 2007-09-11 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Continuous slurry polymerization process and apparatus
US7575724B2 (en) 1998-03-20 2009-08-18 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Continuous slurry polymerization apparatus
JP2008063559A (ja) * 2006-08-11 2008-03-21 Sumitomo Chemical Co Ltd オレフィン重合用予備重合触媒の製造方法およびオレフィン重合体の製造方法
US10029230B1 (en) 2017-01-24 2018-07-24 Chevron Phillips Chemical Company Lp Flow in a slurry loop reactor
CN113750912A (zh) * 2020-06-05 2021-12-07 中国石油天然气股份有限公司 超高顺式稀土顺丁橡胶的连续聚合装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU726554B2 (en) Process and apparatus for preparing propylene homopolymers and copolymers
US4740550A (en) Multistage copolymerization process
US4352915A (en) Process for the polymerization of ethylene
US4740551A (en) Multistage copolymerization process
JP2002501549A (ja) プロピレンホモポリマーもしくはコポリマーを製造する方法
WO1996034899A1 (en) Process and catalyst component for homo- and copolymerization of olefins
US7323525B2 (en) Process for the production of propylene copolymers
KR101668148B1 (ko) 향상된 왁스 침전이 이루어진 폴리올레핀 중합체의 제조 방법
AU731769B2 (en) Process for making propylene homo or copolymers
US4543389A (en) Copolymerization catalyst and process for polymerizing impact resistant ethylene-propylene polymers
JPH07286004A (ja) ポリオレフィンの連続製造プロセス
EP3976670B1 (en) Suspension process for preparing ethylene polymers comprising work-up of the suspension medium
US3347955A (en) Process for making block polymers of olefins
US20220227903A1 (en) Suspension process for preparing ethylene polymers comprising drying of the polymer particles
JP5577219B2 (ja) プロピレン重合反応装置及びプロピレン系重合体の製造方法
JPH0336841B2 (ja)
JPH027329B2 (ja)
US4211671A (en) Olefin polymerization catalyst
JPS5811448B2 (ja) ブロック共重合体の製造方法
AU694658C (en) Process and catalyst component for homo- and copolymerization of olefins
KR810001603B1 (ko) 프로필렌 중합체의 제조방법
JPH06818B2 (ja) オレフイン共重合体の製造方法
JPS642126B2 (ja)