JPH072859B2 - セラミックス微粒子分散高分子材料の製造方法 - Google Patents

セラミックス微粒子分散高分子材料の製造方法

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JPH072859B2
JPH072859B2 JP7640693A JP7640693A JPH072859B2 JP H072859 B2 JPH072859 B2 JP H072859B2 JP 7640693 A JP7640693 A JP 7640693A JP 7640693 A JP7640693 A JP 7640693A JP H072859 B2 JPH072859 B2 JP H072859B2
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義治 尾崎
兼司 川崎
誠 大橋
泰紀 谷口
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通商産業省基礎産業局長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス微粒子分
散高分子材料の製造方法に関する。このセラミックス微
粒子分散高分子材料は、主にセラミックスの成形を行な
うための原材料等として用られるものである。
【0002】
【従来の技術】セラミックスの成形において、その成形
性を向上させるために或いは多孔性体を製造するために
セラミックス粒子に高分子材料を加え分散させ、セラミ
ックスの成形を行なうための原材料として用いることは
知られており、そのために従来、高分子物質を溶剤に溶
かし、これにセラミックス粒子を混ぜ分散させ、その後
溶剤を揮撥させることにより、セラミックス粒子が分散
した高分子材料を製造することが知られている(特公平
2ー11557号公報)。しかしながら、この方法で製
造されたものでは、そのセラミックス粒子の分散の程度
は、使用されるセラミックス粒子の粒度、及びセラミッ
クス粒子の分散度あるいは凝集度によって決まるもので
あり、従来は、高分子物質にセラミックス粒子を高度に
(均一に)分散させた材料を得ることができなかった。
また、金属アルコキシドから誘導されるゾルと発泡性高
分子材料の発泡反応を利用して複合させる方法(社団法
人 日本セラミックス協会発行 1992年会講演予稿
集第105頁)も知られているが、これは発泡体に関す
るもので、発泡反応を伴うために均一に分散したものを
得ることは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
課題であるところの、高分子材料にセラミックス微粒子
を高度に分散させるという問題を解決しようとするもの
であり、より微細なセラミックス粒子を高度に分散して
いる高分子材料の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】本発明は上記課題を解決するために、溶媒
中からの高分子の析出反応と金属アルコキシドからのセ
ラミックス微粒子の析出反応を同時に行うことによっ
て、セラミックス生成反応を分子レベル化し、分散させ
ることを特徴とするセラミックス微粒子分散高分子材料
の製造方法であり、また、溶媒中からの高分子の析出反
応を行う際に、金属アルコキシドから生成されたセラミ
ックス微粒子の系をゾル化し、超微粒子の安定な分散系
とした上で、この系と前記高分子析出反応の系とを共存
させることを特徴とするセラミックス微粒子分散高分子
材料の製造方法を提供するものである。本発明で得られ
た、セラミックス微粒子分散高分子材料は、主にセラミ
ックスの成形を行なう際の原材料として用いられるもの
である。このセラミックス微粒子分散高分子材料を圧縮
成形して成形体を作り、これを焼成することによってセ
ラミックス製品とするものである。この焼成の際、高分
子材料は焼失する。また、セラミックス微粒子と高分子
材料の量的な割合は、セラミックス成形体或るいは、製
品としての密度、強度、或るいは成形性等の要求される
性質によって決められるものである。
【0005】
【作用】本発明における、溶媒中からの高分子析出反応
とセラミックス微粒子の析出反応を同時に行うにあたっ
ては、モノマー、重合開始剤を溶媒中で重合反応を行わ
せ、この溶液にセラミックス微粒子を析出させるソース
として金属アルコキシドを添加する。この混合した溶液
を必要に応じ加熱還流し、反応後、水又は水とアルコー
ルの混合物を添加し、これにより高分子の析出反応とセ
ラミックス微粒子の析出反応が同時に行われ、セラミッ
クス微粒子が分散した高分子物質のゲルが析出沈澱す
る。この沈殿物を乾燥し、溶媒を除去することにより、
セラミックス微粒子を高度に分散した高分子材料が得ら
れるものである。金属アルコキシドの加水分解におい
て、金属アルコキシドは水又は水とアルコールの混合物
と反応して酸化物、水酸化物、水和物の析出沈澱物が生
じる。この反応はきわめて速いが、なかにはケイ素やリ
ンのアルコキシドのように遅いものもある。沈殿が酸化
物の場合はそのまま乾燥することによって、また水酸化
物、水和物の場合には仮焼することによって、セラミッ
クス微粒子が得られるものである。この反応においては
微細なセラミックスの粒子が得られるものである。
【0006】本発明のもう一つは、金属アルコキシドは
水又は水とアルコールの混合物との反応によって析出し
た、沈殿物に酸を加わえてゾル溶液にして用いるもので
ある、即ちセラミックス微粒子の系をゾル化することに
よって微粒子の安定な分散系とし、このゾル溶液を用い
ることによってセラミックス微粒子を分散した高分子材
料を製造することができる。本発明において、高分子材
料としては熱可塑性の材料が主に用いられるが、セラミ
ックス微粒子を分散させる上で、またその成形性の点か
らもポリスチレンが好ましい。
【0007】また、セラミックスの生成反応を分子レベ
ル化するということは、セラミックスの粒子が非常に微
細なものであることをいったもので、金属アルコキシド
からの加水分解によって生成するので粒子サイズが50
Åから数千Åという、きわめて微細な粒子が存在してい
る状態をいったものである。また、溶媒中からの高分子
の析出反応の系と金属アルコキシドから生成されたセラ
ミックス微粒子の系をゾル化した微粒子の安定な分散系
は相溶性があり共存するものであり、容易に実施するこ
とができるものである。金属アルコキシドとしては、A
l、Y、Si、Ba、Sr、Ti、Zr等、セラミック
スの原材料に用いられるものであればよい。セラミック
ス微粒子と高分子材料の量的な割合は、例えば、セラミ
ックスの成形に用いる場合で、セラミックスがYであ
り、高分子材料がポリスチレンのとき、重量比でYを2
5%〜75%とすることができるが、これに限定される
ものではない。
【0008】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。
【実施例1】金属アルコキシドとしてのアルミニウムイ
ソプロポキシド30.0gに対して約1.0mol/Lにな
る様にトルエン150molを加えて溶解させ、加熱還流
させた。この系に触媒として、α,α'ーアソビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)0.025gを用いて、ス
チレンモノマー2.5gを加えて100℃で2時間溶液
重合を行なった。この溶液中に水5ml、エタノール1
0mlのエタノール−水混合溶液を添加して、アルコキ
シドの加水分解、並びにポリスチレンの析出反応を同時
に行った。重合中溶液は無色透明に近い状態であり、こ
の析出反応において白色の沈殿となった。その後、遠心
分離(9000rpm,10分)により沈殿生成物を分
離して乾燥させ、アルミニウムのセラミックス微粒子
(アルミナ微粒子)を分散させたポリスチレンが得られ
た。アルミニウムアルコキシドはトルエンの他にベンゼ
ンやキシレンに容易に溶解し、これらの溶媒を用いてス
チレンの溶液重合を行なうこともできる。
【0009】
【実施例2】金属アルコキシドとしてアルミニウムイソ
プロポキシド30.0gに水、約270ml(アルミニ
ウムイソプロポキシド1molに対して蒸留水100m
ol)を加えて温度75℃以上で30分間攪拌還流し、
ベーマイト沈殿を得た。このベーマイト沈殿に塩酸2.
6mlを加えて完全に解膠させて透明なゾル溶液とし
た。このゾル溶液中にAIBN0.2gを触媒として、
スチレンモノマー20mlを懸濁させ、約90℃で4時
間重合を行った。スチレンモノマーの分散効果をより上
げるため界面活性剤(旭電化工業社製:アデカコールC
S1361E)1g程度を用いた。界面活性剤の添加に
よりスチレンモノマーがベーマイトゾル溶液中に乳化分
散した状態で重合反応を進行させることができた。ホッ
トスターラー上で溶媒を除去していくと滑らかなスラリ
ーを得ることができた。
【0010】
【実施例3】金属アルコキシドとしてイットリウムブド
キシドを用いた。トルエン200ml,スチレンモノマ
ー3g,触媒として、α,α'ーアゾビスイソブチロニ
トリル0.03g(この量はモノマー重量の1%)を加
え、それに0.345mol/lイットリウムブトキシ
レン溶液28ml(=イットリウムブドキシド3g)を
手早く入れた。溶液の温度を105℃に上げてゆっくり
かき混ぜ、24時間加熱攪拌還流を行い、等量のアルコ
ールと蒸留水20mlの混合物を加えて加水分解をさせ
ながら沈殿物を析出させた。この沈殿物ポリマーを遠心
分離し(9000rpm,20分),約120℃の乾燥器
で24時間乾燥させた。その複合体を乳鉢に入れてパウ
ダー状によく粉砕し、ホットプレートで型を用いて成形
した。
【0011】本発明の実施例について説明したが、ここ
で本発明によって得られたセラミックス微粒子分散高分
子材料において、そこに分散されるセラミックス微粒子
の粒子径については、アルミナの前駆体であるアルミナ
ゾル(実際の結晶はベーイト、Al00H=1/2 A
2O・H2Oである)の電子顕微鏡観察を行ったとこ
ろ、それは50〜100Åであった。他の物質、BaT
i03 ,SrTi03,Zr02 ,についても電子顕微
鏡で見たところ100〜1000Åの大きさであった。
高分子材料であるポリスチレンへの分散の程度について
は得られたセラミックス微粒子分散高分子材料を成形
し、それを焼成体としたものを電子顕微鏡で観察したと
ころ、粒子の凝集もなく均質なセラミックス微粒子の焼
成構造が認められた。
【0012】
【発明の効果】従来の方法によれば、高分子材料中での
セラミックス粒子の分散の程度は、原料セラミックス粒
子の粒度とその分散度(あるいは凝集度)によって左右
されるものであるために高度に分散したものを得ること
ができなかったが、本発明によれば、セラミックス微粒
子は金属アルコキシドからの析出によって得られるので
微細であり、かつ凝集してない状態のものである。そし
て、高分子の析出反応と同時にセラミックス微粒子の析
出反応を行うものであるから、セラミックス微粒子が高
分子材料に高度に分散したものが得られる。
【0013】また、金属アルコキシドから生成されたセ
ラミックス微粒子の系をゾル化したものは、セラミック
ス微粒子は金属アルコキシドからの析出によって得られ
るものであるから微細であり、かつ凝集してない状態の
ものである。そして、溶媒中からの高分子の析出反応の
系と、金属アルコキシドから生成されたセラミックス微
粒子の系をゾル化した超微粒子の安定な分散系は相溶性
があり共存するものであるから、セラミックス微粒子が
高分子材料に高度に分散したものが得られる。そして、
セラミックス微粒子が高分子材料に高度に分散したもの
であるから、その成形性がよく、セラミックスの成形を
行なうための原材料として用いた場合、容易に所望の形
状に成形することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶媒中からの高分子析出反応と金属アルコ
    キシドからのセラミックス粒子の析出反応を同時に行う
    ことによって、セラミックス生成反応を分子レベル化
    し、分散させることを特徴とするセラミックス微粒子分
    散高分子材料の製造方法。
  2. 【請求項2】高分子材料がポリスチレンであることを特
    徴とする請求項1記載のセラミックス微粒子分散高分子
    材料の製造方法。
  3. 【請求項3】溶媒中からの高分子の析出反応を行う際
    に、金属アルコキシドから生成されたセラミックス微粒
    子の系をゾル化し、超微粒子の安定な分散系とした上
    で、この系を前記高分子析出反応の系とを共存させるこ
    とを特徴とするセラミックス微粒子分散高分子材料の製
    造方法。
  4. 【請求項4】高分子材料がポリスチレンであることを特
    徴とする請求項3記載のセラミックス微粒子分散高分子
    材料の製造方法。
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