JPH0728436U - 棚取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 壁面に設けたガイド枠に沿って棚位置を自由
に変更できる棚支持構造において、使用時に棚全体が前
後左右にぐらついたり、前下がり状に傾斜するのを防止
する。 【構成】 壁面Ｗにガイド枠８を水平に固定する。ガイ
ド枠８のスライド溝１４に柱支持具１０を左右移動自在
に掛止する。ガイド枠８の外面に突出する連結部２０を
柱支持具１０に設ける。棚の棚受柱１は、その背面が壁
面Ｗに外接する状態で連結部２０に連結する。棚受柱１
にブラケット３を掛止する。ブラケット３に棚主体４を
組み付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

装飾品や小物収納のために、室内の壁面に設置される棚がある。この考案は、 この種の棚用の棚支持構造、とくに棚位置をガイド枠に沿って自由に変更できる 棚支持構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この考案に関して、前面に多数個の掛止溝を有する棚受柱と、棚受柱に片持ち 梁状に装着されるブラケットと、ブラケットに支持される棚板やハンガーネット などの棚主体で棚を構成することは公知である。この種の棚を壁面に設置すると きは、一対の棚受柱の上下複数個所をビスで壁面に直接に締結固定する。場合に よっては、上下一対の取付金具を壁面にビス止めして、両金具で棚受柱を支持す ることもある。 棚位置を壁面に沿って左右移動することは、実開昭６２−７０８６６号公報の ディスプレイ装置に公知である。そこでは、カーテンレール状のガイド枠に吊持 具を掛止し、吊持具で保持固定したワイヤに棚受具を装着し棚板を支持する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

棚受柱を壁面に直接ビス止めし、あるいは取付金具を用いてビスで締結固定す る形態では、例えば室内の模様替えに伴う棚受柱の移設に多くの手間を要する。 壁面にビスの締結跡が残る不利もある。

【０００４】 この点、実開昭６２−７０８６６号公報のディスプレイ装置では左右一対の吊 持具をガイド枠に沿って左右移動するだけで棚位置を自由に変更でき、ビスの締 結跡も残らない。しかし、棚を複数本のワイヤで支持する形態を採るので、棚板 が前後左右にぐらつきやすい。棚板をワイヤに装着した一対の棚受具で片持ち支 持する場合には、載置物品および棚板の重量によってワイヤが前後にたわみ変形 し、棚板が前下がり傾斜しやすく、載置可能な物品が軽量物に限られる。棚板の 四隅を棚受具で支持すると、棚板を水平に支持できるが、そのためにはガイド枠 や吊持具およびワイヤなどを増設しなければならず棚の全体コストが増える。前 面に位置するワイヤが目障りであり、載置物品の出し入れの邪魔にもなる。

【０００５】 この考案の目的は、重量物を載置収納できる頑丈な棚を壁面にぐらつきなく設 置することができ、しかも棚位置を壁面に沿って自由に変更できる棚支持構造を 提供することにある。 この考案の他の目的は、ガイド枠に装着したストッパーで棚を位置変更不能に 固定保持できるようにし、外部からの振動や衝撃によって棚全体がずれ動くのを 確実に防止することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は、一群の掛止溝２を有する棚受柱１と、掛止溝２に片持ち梁状に係 合装着されるブラケット３と、ブラケット３で支持される棚主体４とを含む棚を 対象とし、この棚を壁面Ｗに設置するための棚取付構造であって、 壁面Ｗに水平に固定されるガイド枠８と、ガイド枠８のスライド溝１４に左右 移動自在に掛止装着される複数個の柱支持具１０とを有すること、 柱支持具１０が、スライド溝１４に嵌まり込む係合部１９と、ガイド枠８の外 面に突出する連結部２０とを備えていること、 各柱支持具１０の連結部２０に、棚受柱１が壁面Ｗに外接する状態で連結して あることを特徴とする。 より具体的には、柱支持具１０とガイド枠８との間に、柱支持具１０の左右移 動を阻止するストッパー２６を設け、このストッパー２６をガイド枠８に対して 着脱可能に装着する。

【０００７】

【作用】

柱支持具１０は壁面Ｗに固定したガイド枠８に沿って自由に左右移動できる。 この柱支持具１０で棚の棚受柱１を支持するので、柱支持具１０と棚受柱１をガ イド枠８に沿って移動操作した後、棚主体４をブラケット３に組み付けるだけで 棚全体を移設できる。 棚受柱１をその背面が壁面Ｗに外接する状態で柱支持具１０の連結部２０に連 結するので、棚主体４に収納物を載置した状態において、棚受柱１に作用する前 下がりモーメントや揺振力の全てを壁面Ｗおよびガイド枠８に受け止めさせるこ とができ、従って、棚が前後左右にぐらつくのを防止できる。重量物を載置する ことで棚が前下がり傾斜状にかしぐこともない。

【０００８】

【考案の効果】

この考案では、それぞれ剛体として形成された棚受柱１、ブラケット３、棚主 体４などで棚を構成し、その棚受柱１をガイド枠８に掛止装着した柱支持具１０ で支持するようにした。従って、柱支持具１０と棚受柱１をガイド枠８のスライ ド溝１４に沿って移動操作することで、棚全体を壁面Ｗの任意位置へ容易に移設 でき、部屋の模様替えや家具の移動等に伴う棚の移設を少ない手間で簡単に行え る。棚受柱１をその背面が壁面Ｗに接当する状態で柱支持具１０に連結し、棚受 柱１に作用する前下がりモーメントや揺振力を、壁面Ｗおよびガイド枠８に受け 止めさせるようにしたので、使用時に棚全体が前後左右にぐらついたり、重量物 を載置した場合に棚主体４が前下がり傾斜状に傾くことを防止できる。 柱支持具１０の左右移動をガイド枠８に装着したストッパー２６で阻止してい るので、ストッパー２６をガイド枠８から取り外さない限りは柱支持具１０を移 動できず、外部から伝わる振動や衝撃によって棚全体が横方向へずれ動くのを防 止できる。

【０００９】

【実施例】

図１ないし図４は棚支持構造の実施例を示す。 図２において支持対象となる棚は、アルミニウム型材からなる左右一対の棚受 柱１と、棚受柱１の前面の掛止溝２に片持ち梁状に係合装着されるブラケット３ と、左右一対ずつのブラケット３上に載置固定される棚板状の棚主体４とで多段 状に構成されている。 棚受柱１は断面Ｃ字状に形成し、その前面壁に一群の掛止溝２を一定間隔おき に通設する。柱下端にはエンドキャップ５が圧嵌装着されている。このエンドキ ャップ５の背部に、すべり止めを兼ねるゴム製のクッション６を固定する。ブラ ケット３は金属プレス成形品からなり、図３に示すように広幅の基端部の上下に 、前記掛止溝２に係合する爪片７を逆Ｌ状に形成する。棚主体４はブラケット３ に前後遊動不能に組み付けられる。

【００１０】 壁面Ｗの上部にガイド枠８を水平に配置してビス９（図１参照）で固定し、こ のガイド枠８に掛止装着した２個の柱支持具１０で棚受柱１を介して棚を支持す る。 図３において、ガイド枠８はアルミニウム型材からなり、背壁１１と、背壁１ １の上下端から突設した上受壁１２と、下受壁１３とで断面Ｃ字状に形成し、こ れら三壁で囲まれるスライド溝１４に、柱支持具１０を前面の溝開口１５の側か ら掛止する。下受壁１３の前部に連結ボス１６を設ける。連結ボス１６と背壁１ １との間に後述する係合部１９の下部を掛止するための凹部１７を設ける。連結 ボス１６には、上面で開口する溝１６ａが設けてある。

【００１１】 柱支持具１０は、溝開口１５からスライド溝１４内へ差し込み掛止される逆Ｊ 字状の係合部１９と、係合部１９の中途部から枠外面へ向かって突設した連結部 ２０とを一体に形成した金属プレス成形品からなる。 係合部１９は、図４に示すごとく上部の湾曲壁側を始端にしてスライド溝１４ の内面上方へ差し込み、その下端を連結ボス１６の上面に沿って枠内方へ押し込 み、凹部１７に落とし込む。つまり、障子を鴨居と敷居に嵌め込むのと同じ要領 で掛け止める。係合部１９をスライド溝１４に掛止することにって、柱支持具１ ０はスライド溝１４に沿って左右移動できるが、前後方向へは移動できない状態 で支持されることになる。

【００１２】 連結部２０は連結ボス１６の上面および前面に沿って折り曲げられた逆Ｌ字形 の脚壁２１を有し、脚壁２１の下部両側に左右一対の挟持片２２を一体に折り曲 げてなる。この挟持片２２の間に棚受柱１を接合して、両者１・２２をボルト２ ３およびナット２４（図２参照）で締結することにより、棚受柱１はその上部背 面および下端に設けたクッション６が壁面Ｗに外接する状態で柱支持具１０に吊 り下げ支持される。ここで留意すべきは、連結状態において棚受柱１の上端をご く僅かな隙間を介してガイド枠８の下面に隣接させている点である（図１参照） 。これは前下がりモーメントを受けた棚受柱１が、クッション６の側を支点にし て前傾する傾向を生じた場合に、その上端をガイド枠８で受け止めて前倒れを防 ぐためである。

【００１３】 上記の連結状態から理解できるように、棚を組む場合には、まずガイド枠８に 柱支持具１０を掛止装着し、その連結部２０に棚受柱１を連結する。次にブラケ ット３を棚受柱１に装着し、この後に棚主体４を組み付ける。 壁面Ｗに外部振動が伝わり、あるいは棚の一部に身体がぶつかるような場合に 、棚全体がガイド枠８に沿ってずれ動くことがある。こうした棚のずれ動きを防 ぐために、ガイド枠８と柱支持具１０との間にストッパー２６を設けている。

【００１４】 図３において、ストッパー２６は、柱支持具１０の脚壁２１に外接する立壁部 ２７を有し、立壁部２７の上部左右に掛止爪２８を一体に折り曲げ形成し、立壁 部２７の中央上部に止めビス２９をねじ込む。左右の掛止爪２８の左右間隔は柱 支持具１０の脚壁２１の左右幅寸法より僅かに大きく設定する。図５に示すよう に脚壁２１の両側において掛止爪２８の先端を連結ボス１６の溝１６ａに掛止し 、この後に止めビス２９をねじ込んで先端を係合部１９に強く押し当てると、ス トッパー２６がガイド枠８に固定され、柱支持具１０は左右移動不能となる。

【００１５】 図６は棚支持構造の別実施例を示しており、ガイド枠８を壁面Ｗに埋設固定し てある。そのために、連結部２０の外面側に挟持片２２を突設し、棚受柱１を脚 壁２１の外面に接合し連結した。 この連結構造によれば、棚受柱１の上下中途部を柱支持具１０で支持すること ができる。

【００１６】 図７は棚の別実施例を示しており、棚を棚受柱１と、ブラケット３と、ブラケ ット３に掛止装着されるハンガーネット（棚主体）４などで構成した。ハンガー ネット４には、フックや籠状の載置枠などが掛け止められる。 棚主体４としては、ハンガーネットに代えてハンガーボードを用いることもで きる。 棚は２個以上の棚受柱１を用いて構成することができ、この場合は各棚受柱１ を柱支持具１０で支持する。 ストッパー２６の掛止爪２８の突出寸法を大きくして、掛止爪２８を凹部１７ に掛け止めるよう変更することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】棚支持構造を示す縦断面図である。

【図２】壁面に設置した棚の正面図である。

【図３】ガイド枠、柱支持具、ストッパー、および棚部
品を分離した斜視図である。

【図４】柱支持具の掛け止め途中の状態を示す説明図で
ある。

【図５】ストッパーの取付状態を示す断面図である。

【図６】棚支持構造の別実施例を示す断面図である。

【図７】棚の別実施例を示す側面図である。

【符号の説明】

１ 棚受柱 ２ 掛止溝 ３ ブラケット ４ 棚主体 ８ ガイド枠 １０ 柱支持具 １４ スライド溝 １９ 係合部 ２０ 連結部 ２６ ストッパー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一群の掛止溝２を有する棚受柱１と、掛
   止溝２に片持ち梁状に係合装着されるブラケット３と、
   ブラケット３で支持される棚主体４とを含む棚を対象と
   し、この棚を壁面Ｗに設置するための棚取付構造であっ
   て、 壁面Ｗに水平に固定されるガイド枠８と、ガイド枠８の
   スライド溝１４に左右移動自在に掛止装着される複数個
   の柱支持具１０とを有し、 柱支持具１０は、スライド溝１４に嵌まり込む係合部１
   ９と、ガイド枠８の外面に突出する連結部２０とを備え
   ており、 各柱支持具１０の連結部２０に、棚受柱１が壁面Ｗに外
   接する状態で連結してある棚取付構造。
2. 【請求項２】 柱支持具１０とガイド枠８との間に、柱
   支持具１０の左右移動を阻止するストッパー２６が設け
   られており、ストッパー２６がガイド枠８に対して着脱
   可能に装着してある請求項１記載の棚取付構造。