JPH07283962A - フォーカス装置及びそれを用いたディスプレイ装置 - Google Patents

フォーカス装置及びそれを用いたディスプレイ装置

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JPH07283962A
JPH07283962A JP7043894A JP7043894A JPH07283962A JP H07283962 A JPH07283962 A JP H07283962A JP 7043894 A JP7043894 A JP 7043894A JP 7043894 A JP7043894 A JP 7043894A JP H07283962 A JPH07283962 A JP H07283962A
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JP
Japan
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voltage
capacitor
transformer
waveform
shaped correction
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Application number
JP7043894A
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English (en)
Inventor
Masahisa Tsukahara
正久 塚原
Makoto Onozawa
誠 小野澤
Michitaka Osawa
通孝 大沢
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Hitachi Image Information Systems Inc
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Video Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】ダイナミックフォーカス電圧を所望の波形形状
として、画面全域に渡りに最適フォーカスを得る。 【構成】S字補正コンデンサ7と水平偏向ヨーク8との
接続点には、S字補正電圧が発生する。S字補正コンデ
ンサには、高次直線性歪を改善する直列共振回路25が
並列に接続され、三角波に近い電圧波形とダイオード変
調パルスが加算された波形が現れる。コイル5とコンデ
ンサ6の接続点には、共振波形とダイオード変調パルス
が加算された波形が現れる。S字補正電圧と共振波形を
コンデンサ5と6により合成し、パラボラ電圧を昇圧ト
ランス1の1次コイル片方の端子に印加する。ダイオー
ド変調パルスをダイオード変調パルス分圧回路の分圧パ
ルスを昇圧トランス1の1次コイルの他方の端子に印加
する。昇圧トランス1の1次コイル両端子間電圧はパラ
ボラ波形となり、2次コイルにもパラボラ波状のダイナ
ミックフォーカス電圧を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォーカス装置、特に
ダイナミックフォーカス回路と水平偏向回路とで構成さ
れたフォーカス装置及びそのフォーカス装置用いたディ
スプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、地上波放送に代表される標準テレ
ビ方式(アスペクト比4:3、水平走査周波数15.7
5kHz)の他に、高品位テレビ(ハイビジョン)方式
(アスペクト比16:9、水平走査周波数33。75k
Hz)が実用化され、標準テレビ方式では得られない迫
力と臨場感をワイド画面で得ることができるハイビジョ
ンディスプレイが普及し始めている。しかし、ハイビジ
ョン方式が急に、標準テレビ方式にとって変わるもので
はなく、しばらくの間は、これら2つの方式が共存する
ものと考えられる。従って、ハイビジョンディスプレイ
は、標準テレビ方式映像ソースも映し出せるものが多
い。さらには、標準テレビ方式映像ソースをアスペクト
比16:9のワイドブラウン管画面一杯に映出すワイド
テレビが出現しており、これらのワイドブラウン管を用
いたディスプレイ装置には、標準テレビ方式の映像ソー
スを画面サイズやリニアリティを変えて映し出す機能が
付いているものが多く、その手段として、偏向回路を用
いているものがある。
【0003】通常、水平偏向回路では、水平偏向ヨーク
と直列に設けたS字補正コンデンサにより、S字補正
(画面の中央と周辺で偏向速度が異なることにより生じ
る直線性歪を補正)を行ってる。しかしながら、ブラウ
ン管のフラット化と共に、管面形状も単純な球面形状で
はなくなってきており、画面上での水平直線性歪も高次
の歪を含むようになってきた。この高次の水平直線性歪
を抑える手段(以下、高次直線性歪補正手段)として、
実開平4−50978号公報に記載されているような、
S字補正コンデンサと並列にコンデンサとコイルの直列
共振回路を接続する方法が知られている。また、画面周
辺部の解像度を向上させる装置として、電子ビームの画
面走査位置に応じてフォーカス電圧をダイナミックに変
え、画面全体を最適フォーカスとするダイナミックフォ
ーカス装置や、静電4重極レンズを組み込んだ電子銃が
ある。一般には、フォーカス電圧波形として水平、垂直
周期のパラボラ波が用いられている。従来から用いられ
ているダイナミックフォーカス装置としては、S字補正
コンデンサの電圧を昇圧する方法(特開平3−9137
2号公報)や、トランスとコンデンサの共振を利用し、
共振波形を昇圧する方法(特開平4−158681号公
報)等がある。
【0004】第1の従来例を、図13と図14を用いて
説明する。図13は電源電圧変調方式水平偏向回路のS
字補正コンデンサ電圧を昇圧トランスを用いて昇圧する
ダイナミックフォーカス装置の構成を示す構成図、図1
4は図13の動作を説明するための動作波形図である。
図13において、16は水平出力トランジスタ、14は
ダンパーダイオード、15は共振コンデンサ、8は水平
偏向ヨーク、7は第一のS字補正コンデンサ、46は第
2のS字補正コンデンサ、70はスイッチ、25はコイ
ル5とコンデンサ6からなる高次直線性歪補正手段であ
る直列共振回路、27はチョークコイル、41と20は
交流結合コンデンサ、1は昇圧トランス、24は抵抗2
1、23とポテンショメータ22からなる分圧回路、1
9は垂直パラボラ波を増幅する垂直アンプである。ここ
では、昇圧トランス1の昇圧比を10倍、S字補正コン
デンサ7と46は同じ容量、必要なダイナミックフォー
カス波形の振幅を1000Vとする。水平出力トランジ
スタ16のベースに水平ドライブパルスが入力される
と、水平出力トランジスタ16はスイッチング動作を行
い、水平偏向ヨーク8とチョークコイル27と共振コン
デンサ15との共振作用によりフライバックパルス図1
4(d)が発生する。この時、S字補正コンデンサ7に
は、水平偏向ヨーク8とS字補正コンデンサ7の2次積
分作用によりS字補正電圧が発生する。ところが、高次
直線性歪を改善するために、S字補正コンデンサと並列
にコイル5とコンデンサ6からなる直列共振回路(共振
周波数が水平走査周波数の2倍に選ばれている)が接続
されているため、コイル5とコンデンサ6の接続点には
図14(b)の共振波形が現われ、なおかつS字補正コ
ンデンサには、図14(a)に示すように三角波に近い
電圧波形が現れる。ここで、(a)の振幅を100Vと
して、昇圧トランス1の1次コイルに印加して昇圧する
と、図14(c)実線波形の如き振幅1000Vのダイ
ナミックフォーカス波形が昇圧トランス1の2次コイル
に現れるが、理想的な波形とは異なったものとなる。分
圧回路24は、一定の直流電圧から所望の直流電圧を生
成し、この直流電圧にコンデンサ20を介してダイナミ
ックフォーカス波形が重畳された後に、集束電極に加え
られる。従って、集束電圧に加えられる波形は理想的な
波形とは異なるため、画面中間部(画面中心と画面左端
との間及び画面中心と画面右端との間)でのフォーカス
は最適な状態ではない。なお、この水平偏向回路におい
て、水平リニアリティを変えるには、第2のS字補正コ
ンデンサ46をスイッチ70によって付加する方法がと
られる。この時、S字補正コンデンサ電圧は図14
(a)の点線の如く50Vとなる。従って、第2のS字
補正コンデンサを付加した場合には、ダイナミックフォ
ーカス波形の振幅は500Vとなり、電圧振幅が足りな
くなるため、この場合においても最適フォーカスが得ら
れない。
【0005】次に、第2の従来例について説明する。静
電4重極レンズを用いた電子銃では2つの集束電極があ
り、第1の集束電極には、画面走査に応じて変化するダ
イナミックフォーカス電圧を印加し、第2の集束電極に
は直流電圧を印加する方法がとられている。第2の従来
例を、図15と図12を用いて説明する。図15は静電
4重極レンズを有する電子銃の2つの集束電極に印加す
る直流電圧成分を調整するための電圧調整装置の構成
図、図12は2つの集束電極に必要なフォ−カス電圧波
形を示している。図15において、30はダイナミック
フォーカス回路、20は交流結合コンデンサ、24は抵
抗21、23とポテンショメータ22からなる第1の分
圧回路、38は抵抗35、37とポテンショメータ36
からなる第2の分圧回路である。第1の分圧回路24
は、一定の直流電圧から第1の集束電極へ印加するフォ
ーカス電圧の直流成分を生成する。ダイナミックフォー
カス回路30は、ダイナミックフォーカス電圧を出力す
る。このダイナミックフォーカス電圧はコンデンサ20
を介して直流電圧に重畳され、図12(a)となって第
1の集束電極へ印加される。一方、第2の分圧回路38
は、一定の直流電圧から第2の集束電極へ印加する直流
電圧図12(b)を生成する。図12(a)の直流成分
はポテンショメータ22により、図12(b)の直流電
圧はポテンショメータ36により調整される。通常、静
電4重極レンズの作用を画面周辺で強くし、画面中央で
はその作用がなくなるようにフォーカス電圧を印加す
る。従って、画面中央では2つの集束電極の電位差が0
Vとなりように、ポテンショメータ22と36を調整す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来例
では、昇圧トランスの出力波形は、理想波形(図14
(c)点線波形のパラボラ波)と異なり、画面中間部で
最適フォーカスが得られない部分がある。また、水平帰
線期間に不要な電圧が現われるので、この不要な電圧の
分だけ構成部品の耐電圧を高くする必要がある。さら
に、水平リニアリティを変えるためにS字補正コンデン
サ電圧振幅を変化させた時には、所望の形状及び所望の
振幅のダイナミックフォ−カス波形が得られないといっ
た問題が発生する。別の課題として、静電4重極レンズ
を有する電子銃では、2つの集束電極の直流電圧成分を
別々に調整することから、繰り返しのフォーカス調整が
必要になり、調整手順が煩雑になることが挙げられる。
本発明の目的は、S字補正コンデンサ電圧の形状および
振幅に関係なく、ダイナミックフォーカス波形を所望の
波形として、画面全域に渡って最適フォーカスが得られ
るようにするとともに、水平帰線期間の不要電圧を抑え
て構成部品の耐電圧を充分に確保することにあり、かつ
簡単なフォーカス調整で画面全域に渡って最適フォーカ
スが得られるダイナミックフォーカス装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】ダイナミックフォ−カス
電圧を出力する昇圧トランスの入力波形を所望の波形と
するために、S字補正電圧と高次直線性歪補正手段の波
形を合成する合成手段を設けている。水平帰線期間の不
要電圧をキャンセルするために水平パルス印加手段を設
けている。また、所望の振幅を得るために、S字補正コ
ンデンサ電圧振幅に応じて昇圧比を切換るため、昇圧ト
ランス1次コイルの中間端子と切換手段を設けている。
さらに、2つの集束電極の電圧を連動して調整すること
によりフォーカス調整を簡単にするために、フォーカス
電圧を保持する電圧保持手段を設けている。
【0008】
【作用】S字補正電圧と高次直線性歪補正手段の波形を
合成する合成手段を設けているので、昇圧トランスの入
力波形を所望の波形形状にでき、その合成波形を昇圧し
て理想的な波形形状のダイナミックフォーカス波形を得
る。水平パルス印加手段により水平帰線期間の不要電圧
を無くすことができるので構成部品の耐電圧を低く抑え
ることができる。また、S字補正コンデンサ電圧振幅に
応じて昇圧トランスの昇圧比を切換るので、所望の振幅
のダイナミックフォーカス波形を得ることができる。さ
らに、第1の集束電極電圧の最低電圧レベルを保持する
電圧保持手段を設け、その出力を第2の集束電極に印加
するので、フォーカス調整手順を簡単にすることができ
る。
【0009】
【実施例】本発明による第1の実施例を図1、図2、図
3を用いて説明する。
【0010】図1はダイオード変調方式水平偏向/高圧
回路に本発明を適用したダイナミックフォーカス装置の
構成を示す構成図であり、図2、図3は図1の動作を説
明するための第1の動作波形図である。
【0011】図1において、1は昇圧トランス、4はコ
ンデンサ2と3からなる合成回路、25はコイル5とコ
ンデンサ6からなる高次歪補正手段である直列共振回
路、7はS字補正コンデンサ、8は水平偏向ヨーク、1
8はフライバックトランス(以下FBT)の1次コイ
ル、14はダンパ−ダイオード、15は共振コンデン
サ、13はダイオード9と11、コンデンサ10と12
からなる水平パルス印加手段であるダイオード変調パル
ス分圧回路、17はダイオード変調コイル、20は交流
結合コンデンサ、24は抵抗21と23、ポテンショメ
ータ22からなる分圧回路である。
【0012】水平出力トランジスタ16のベースには水
平ドライブパルスが入力され、共振コンデンサ15と水
平偏向ヨーク8とFBT1次コイル18との共振によ
り、水平出力トランジスタ1のコレクタにはフライバッ
クパルスが発生する。ダイオード9のカソードには、ダ
イオード変調コイル17とコンデンサ10、12との共
振によりダイオード変調パルス図2(d)が発生する。
S字補正コンデンサ7と水平偏向ヨーク8との接続点に
は、2次積分作用によりS字補正電圧が発生する。ここ
で、画面全域で最適フォーカスを得るために必要なダイ
ナミックフォ−カス電圧の理想波形がパラボラ波である
とする。S字補正コンデンサ7には、高次直線性歪を改
善する直列共振回路25(本実施例では共振周波数が水
平周波数の2倍に選ばれている)が並列に接続されてい
るため、図2(a)に示す如く、三角波に近い電圧波形
とダイオード変調パルスが加算された波形が現れる。コ
イル5とコンデンサ6の接続点には、共振作用による共
振波形とダイオード変調パルスが加算された図2(b)
の波形が現れる。コンデンサ2と3により図2(a)と
(b)を合成する。このとき、コンデンサ2と3の容量
比を適切に選ぶことでパラボラ状電圧波形(図2
(c))を得る。この電圧を昇圧トランス1の1次コイ
ル端子1Aに印加する。一方、ダイオード9とコンデン
サ10の並列回路と、ダイオード11とコンデンサ12
の並列回路を直列に接続して、ダイオ−ド変調パルス
(d)を分圧する。分圧されたパルス(e)は、昇圧ト
ランス1の1次コイル端子1Bに印加される。昇圧トラ
ンス1の1次コイル両端子間電圧は、図2(c)と
(e)の差電圧であるから、コンデンサ10と12の容
量比を適切に選ぶことで、水平帰線期間振幅が0Vのパ
ラボラ状電圧(f)を得る。従って、昇圧トランス1の
2次コイルには、パラボラ状のダイナミックフォーカス
波形(g)が現れる。なお、垂直周期の波形は、垂直ア
ンプ19にて垂直パラボラ波を増幅して、昇圧トランス
1の2次コイルの一方の端子に加えることで水平波形と
加算される。直流電圧成分は、抵抗21、23とポテン
ショメータ22により一定の直流電圧を分圧して得ら
れ、ダイナミックフォーカス電圧は、交流結合コンデン
サ20を介してその直流電圧に加算され、集束電極に印
加される。ここで、昇圧トランス1の昇圧比が10倍
で、その1次コイルに印加される電圧(f)の振幅が1
00Vであるとすると、振幅1000Vのダイナミック
フォーカス波形が得られる。
【0013】本実施例によれば、簡単な回路構成且つ低
電力のダイナミックフォーカス装置を提供できると共
に、ディスプレイ装置、特にCRTに必要な波形形状の
ダイナミックフォーカス電圧が得られるため、画面全域
で最適フォーカスとすることができる。さらに、ディス
プレイ装置の水平偏向角が広いときもしくは画面がフラ
ットなとき、すなわち図3(b)に示したようなバスタ
ブ状のダイナミックフォーカス電圧が必要な場合には、
コンデンサ2と3の容量比を変え、S字補正電圧と共振
波形の合成比を適切に設定することで、昇圧トランス入
力電圧をバスタブ状波形(図3(a))とすることがで
きる。
【0014】本発明による第2の実施例を図4と図5を
用いて説明する。
【0015】図4は第2の実施例の構成を示す構成図、
図5は図4の動作を説明するための動作波形図である。
【0016】図4において、28はコンデンサ、29は
ダイオード、26は反転増幅器、27はチョークコイ
ル、40は、水平パルス印加手段であるフライバックパ
ルス分圧回路であり図1と同じ構成要素は同一番号を付
け、説明は省略する。
【0017】S字補正コンデンサ7には、水平偏向ヨー
ク8とS字補正コンデンサ7の2次積分作用により、図
5(a)の波形が発生する。ここで、画面全域で最適フ
ォーカスを得るために必要なダイナミックフォ−カス電
圧の波形形状がパラボラ波であるとする。S字補正コン
デンサ7には、高次直線性歪を改善するために、コイル
5とコンデンサ6からなる直列共振回路25(共振周波
数が水平周波数の2倍に設定されている)が並列に接続
されており、S字補正コンデンサ電圧は、図5(a)に
示す如く、三角波に近い電圧波形となる。コイル5とコ
ンデンサ6の接続点には、共振作用による共振波形
(b)が現れる。コンデンサ2と3により(a)と
(b)は合成され、コンデンサ5と6の容量比を適切に
選ぶことでパラボラ状の電圧波形(c)を得る。この電
圧を昇圧トランス1の1次コイル端子1Aに印加する。
ダンパーダイオード14と共振コンデンサ15に対し
て、ダイオード29とコンデンサ28からなる並列回路
を直列に接続して、フライバックパルス(d)を分圧す
る。分圧されたパルス(e)は、反転増幅器26で反転
されてパルス(f)となり、昇圧トランス1の1次コイ
ル端子1Bに印加される。昇圧トランス1の1次コイル
両端子間電圧は、(c)と(f)の差電圧であるから、
共振コンデンサ15とコンデンサ28の容量比あるいは
反転増幅器26の増幅率を適切に選ぶことで、水平帰線
期間振幅が0Vのパラボラ波形(g)となる。従って、
昇圧トランス1の2次コイルにはパラボラ状のダイナミ
ックフォーカス波形(h)が出力される。昇圧トランス
1の昇圧比を10倍、その1次コイルの電圧(g)の振
幅を100Vとすると、振幅1000Vのダイナミック
フォーカス波形(h)が得られる。尚、垂直波形および
直流電圧との加算動作は第1の実施例と同じであるので
省略する。
【0018】本実施例によれば、第1の実施例に比べ、
さらに簡単な回路構成で、低電力のダイナミックフォー
カス装置を提供できると共に、第1の実施例と同様に、
ディスプレイ装置、特にCRTに必要な波形のダイナミ
ックフォーカス電圧が得られるため、画面全域で最適フ
ォーカスとすることができる。なお、本実施例において
も図3(b)に示したようなバスタブ状のダイナミック
フォーカス装置が必要な場合には、コンデンサ2と3の
容量比を変え、S字補正電圧と共振波形の合成比を適切
に設定すればよい。
【0019】本発明による第3の実施例を図6と図7を
用いて説明する。
【0020】図6は第3の実施例の構成を示す構成図、
図7は図6の動作を説明するための動作波形図である。
図6において、42は水平出力トランスであり、図1、
図4と同じ構成要素は同一番号を付け、説明は省略す
る。
【0021】なお、以下の実施例においては、水平出力
トランスの代わりにFBT2個で構成されるトランスを
用いても構わない。
【0022】コンデンサ2と3の接続点には、図7
(a)のパラボラ状電圧が現れている。この電圧は昇圧
トランス1の1次コイル端子1Aに印加される。一方、
水平出力トランス42の1次コイル端子42Cにはフラ
イバックパルスが発生し、2次コイル端子42Bには、
フライバックパルスとは逆極性の図7(b)に示す水平
パルスが現れる。この水平パルス(b)を昇圧トランス
1の1次コイル端子1Bに印加する。この時、昇圧トラ
ンス1の1次コイル両端子間電圧は、(a)と(b)の
差電圧(a)−(b)、即ち、水平帰線期間振幅が0V
の電圧となる。従って、昇圧トランス1の2次コイルに
は、水平帰線期間が0Vのパラボラ状ダイナミックフォ
ーカス波形(c)が出力される。昇圧トランス1の昇圧
比を10倍、その1次コイル両端子間電圧(a)−
(b)の振幅を100Vとすると、振幅1000Vのダ
イナミックフォーカス波形(c)が得られる。尚、垂直
波形および直流電圧との加算動作は第1の実施例と同じ
であるので省略する。
【0023】本実施例においては、第1、第2の実施例
と同様に、ディスプレイ装置、特にCRTに必要な波形
のダイナミックフォーカス電圧が得られるため、画面全
域で最適フォーカスとすることができる。
【0024】さらに、本実施例では、高次直線性歪補正
手段を必ずしも必要としていないため、高次直線性歪補
正手段及び合成回路を備えていない構成であってもかま
わず、このときには、高次直線性歪補正手段がないので
あるから、合成回路がなくても理想波形を得ることがで
き、結果として第1、第2の実施例と同様の効果を得る
ことができる。このことは以下の実施例においてもいえ
ることである。
【0025】本発明による第4の実施例を図8と図9を
用いて説明する。
【0026】図8は第4の実施例の構成を示す構成図、
図9は図8の動作を説明するための動作波形図である。
【0027】図8において、47は1次コイルに中間端
子を設けた昇圧トランス、46は第2のS字補正コンデ
ンサ、43、44と45はスイッチであり、図1〜図6
と同じ構成要素は同一番号を付け、説明は省略する。
尚、第1、第2のS字補正コンデンサは同じ容量であ
り、水平リニアリティを変える場合に第1のS字補正コ
ンデンサに第2のS字補正コンデンサを付加するものと
する。昇圧トランス47の1次コイルにおいて、端子4
7Aと中間端子47Bまでの巻き数と中間端子47Bか
ら端子47Cまでの巻き数は同一巻き数とする。
【0028】まず、スイッチ43はオン、スイッチ44
と45はオフの状態にあるとする。コンデンサ2と3の
接続点には、図9(a1)のパラボラ状電圧が現れる。
この電圧は、水平出力トランス42の2次コイルの端子
42Aに印加される。水平出力トランス42の2次コイ
ル端子42Bには、2次コイル端子42Aを基準電圧と
して図9(b)に示す水平パルスが現れる。従って、昇
圧トランス47の1次コイル端子47Aには、図9(a
1)と(b)の加算電圧(a1+b)が印加される。こ
の時、スイッチ43はオンであるから、昇圧トランスの
1次コイル端子47Cは接地される。従って、昇圧トラ
ンス47の1次コイル端子47Aと47Cの電圧は、図
9(a1+b)となって、昇圧トランス47の2次コイ
ルには、水平帰線期間が0Vのパラボラ状ダイナミック
フォーカス波形(c1)が出力される。波形(a1+
b)の振幅を100V、昇圧比を10倍とすると、ダイ
ナミックフォーカス波形(c1)の振幅は1000Vと
なる。尚、垂直波形および直流電圧との加算動作は第1
の実施例と同じであるので省略する。次に、スイッチ4
3がオフ、スイッチ44、45がオンであるとする。S
字補正コンデンサ容量は2倍となっており、図9(a
2)のパラボラ状電圧が現れる。(a2)の振幅は、
(a1)の振幅に対して半分となる。この電圧は、先程
と同様に、図9(b)水平パルスと加算され、加算波形
(a2+b)となり、昇圧トランス1次コイル端子47
Aに印加される。この時、昇圧トランス1次コイル端子
47Cが解放状態、中間端子47Bはスイッチ44を介
して接地されているため、端子47A、47B間の電圧
は、水平の走査期間、帰線期間ともに上に凸の電圧波形
となっている。一方、波形(a2+b)は振幅は50V
となるが、昇圧トランス47の昇圧比が20倍となるた
め、昇圧トランス47の2次コイルには、振幅が(c
1)と同じ1000Vのダイナミックフォーカス波形
(c2)が出力されるが、この波形の帰線期間の凹形
は、最適フォーカスを得る上で何ら影響を及ぼすもので
はない。なお、垂直波形および直流電圧との加算動作は
第1の実施例と同じであるので省略する。
【0029】本発明によれば、第3の実施例と同様の効
果が得られると共に、S字補正コンデンサの電圧振幅を
変えても一定振幅のダイナミックフォーカス電圧が得ら
れるので、どのようなブラウン管形状にたいしても常に
最良のフォーカスを得ることができる。
【0030】なお、本実施例のように、スイッチを備え
付けることにより、S字補正コンデンサの電圧振幅を変
化させたり、昇圧トランスの昇圧比を変化させる構成
は、第1、第2及び第3の実施例にも適用可能である。
【0031】本発明による第5の実施例を図10を用い
て説明する。
【0032】図10の動作波形は図9と同じである。図
10において、55、56は抵抗、54、52、53は
トランジスタ57、59、61とダイオード58、6
0、62からなる半導体スイッチ、50、51は交流結
合コンデンサであり、図1〜図8と同じ構成要素は同一
符号を付け、説明は省略する。尚、半導体スイッチ5
4、52、53は、切換信号K1とK2により制御され
る。
【0033】まず、トランジスタ61がオン、トランジ
スタ57と59がオフの状態にあるとする。トランジス
タ57と59がオフ状態にあるから、第2のS字補正コ
ンデンサ46と交流結合コンデンサ50の下側電圧波形
の最低電圧値が、ダイオード58、60によって0Vに
クランプされ、半導体スイッチ54と52がオフ状態と
なる。一方、トランジスタ61がオン状態にあることか
ら、昇圧トランス47の1次コイル端子47Cは接地さ
れ、端子47A、47C間の電圧は、図9(a1+b)
に示すように振幅100Vとなる。昇圧トランス47の
昇圧比は10倍であり、昇圧トランス47の2次コイル
には振幅1000Vのダイナミックフォーカス波形(c
1)が出力される。逆に、トランジスタ57と59がオ
ン状態、トランジスタ61がオフ状態にあるとする。ト
ランジスタ61がオフ状態にあるから、交流結合コンデ
ンサ51の下側電圧波形の最低電圧値が0Vにクランプ
され、半導体スイッチ53がオフ状態となる。一方、ト
ランジスタ57と59がオン状態にあるから、S字補正
コンデンサ46と交流結合コンデンサ50は接地され
る。従って、昇圧トランス47の1次コイル端子47B
が交流的に接地され、端子47A、47B間の電圧は、
振幅50Vの図9(a2+b)の波形となる。この時、
昇圧トランス47の昇圧比は20倍であり、振幅が波形
(c1)と同じ1000Vのダイナミックフォーカス波
形(c2)が出力される。尚、垂直波形および直流電圧
との加算動作は第1の実施例と同じであるので省略す
る。
【0034】本発明によれば、第4の実施例と同様の効
果が得られる。
【0035】本発明による第6の実施例を図11と図1
2を用いて説明する。
【0036】図12は静電4重極レンズを構成する2つ
の集束電極に印加する直流電圧を調整するための電圧調
整装置の構成図、図12は2つの集束電極に必要なフォ
−カス電圧波形を示している。
【0037】図11において、30はダイナミックフォ
ーカス装置、34はダイオード31、抵抗32、コンデ
ンサ33からなる電圧保持回路であり、図1〜図10と
同じ構成要素は同一番号を付け、説明は省略する。
【0038】分圧回路24は、一定の直流電圧から第1
の集束電極へ印加するフォーカス電圧の直流成分を生成
する。ダイナミックフォーカス回路30は、ダイナミッ
クフォーカス電圧を出力する。このダイナミックフォー
カス電圧は、交流結合コンデンサ20を介して直流電圧
に重畳され、図12(a)の電圧が第1の集束電極へ印
加される。この際、図12(a)の直流成分はポテンシ
ョメータ22により調整される。ポテンショメータ22
の中間タップには、電圧保持回路34が接続されてい
る。尚、抵抗32の抵抗値は、分圧回路24に用いられ
ている抵抗やポテンショメータの抵抗値に対して十分大
きな値に設定する。このとき、コンデンサ33には、第
1の集束電極へ印加するフォーカス電圧の最低電圧が保
持されることになる。即ち、画面中央に対応するフォ−
カス電圧レベルが保持され、第2の集束電極へ印加され
る。従って、第1の集束電極のフォーカス電圧調整を行
う際に、第2の集束電極のフォーカス電圧調整が同時に
行われる。
【0039】本発明によれば、静電4重極レンズを有す
る電子銃を備えたブラウン管のフォーカス調整におい
て、繰り返しの調整を無くすことで調整の簡略化を図る
ことができる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、ダイナミック電圧波形
形状を理想的な波形形状とすることができるので画面全
域で最適フォーカスが得られるとともに、昇圧トランス
1次コイルに水平パルスを加えて帰線期間電圧振幅を抑
え、構成部品の耐電圧を低くすることができる。また、
S字補正コンデンサ電圧の振幅に応じて昇圧トランスの
昇圧比を変えて所望の振幅のダイナミックフォーカス波
形を得ることができるので、どのようなブラウン管形状
にたいしても画面全域で最適フォーカスとすることが可
能である。さらに、フォーカス調整の簡略化を図ること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施例の構成を示す構成
図。
【図2】図1の動作を説明するための第1の動作波形
図。
【図3】図1の動作を説明するための第2の動作波形
図。
【図4】本発明による第2の実施例の構成を示す構成
図。
【図5】図4の動作を説明するための動作波形図。
【図6】本発明による第3の実施例の構成を示す構成
図。
【図7】図6の動作を説明するための動作波形図。
【図8】本発明による第4の実施例の構成を示す構成
図。
【図9】図8の動作を説明するための動作波形図。
【図10】本発明による第5の実施例の構成を示す構成
図。
【図11】本発明による第6の実施例の構成を示す構成
図。
【図12】静電4重極レンズの集束電極のフォ−カス電
圧波形図。
【図13】第1の従来例の構成を示す構成図。
【図14】図13の動作を説明するための動作波形図。
【図15】第2の従来例の構成を示す構成図。
【符号の説明】
1、47…昇圧トランス 4…合成回路 25…高次直線性歪補正回路 7…S字補正コンデンサ 8…水平偏向ヨーク 13…ダイオード変調パルス分圧回路 14…ダンパーダイオード 15…共振コンデンサ 16…水平出力トランジスタ 17…ダイオード変調コイル 18…フライバックトランス1次コイル 19…垂直アンプ 20、50、51…交流結合コンデンサ 24…分圧回路 40…フライバックパルス分圧回路 34…電圧保持回路 42…水平出力トランス 43、44、45…スイッチ 52、53、54…半導体スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大沢 通孝 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所映像メディア研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平偏向ヨークと、 前記偏向ヨークに直列に接続したS字補正コンデンサ
    と、 前記S字補正コンデンサと並列に接続された、高次の水
    平直線性歪を補正する高次直線性歪補正手段と、を備え
    た水平偏向回路を持つフォーカス装置において、 前記S字補正コンデンサに現れるS字補正電圧と前記高
    次直線性歪補正手段の電圧とを合成する合成手段と、 前記合成手段の出力を変換する変換手段と、を備えたこ
    とを特徴とするフォーカス装置。
  2. 【請求項2】水平偏向ヨークと、 前記偏向ヨークに直列に接続したS字補正コンデンサ
    と、 前記S字補正コンデンサと並列に接続した、コイルとコ
    ンデンサの直列共振回路である高次の水平直線性歪を補
    正する高次直線性歪補正手段と、を備えた水平偏向回路
    を持つフォーカス装置において、 前記S字補正コンデンサと前記コイルとの間に接続され
    た第1のコンデンサと、前記コイルと前記コンデンサと
    の間に接続された第2のコンデンサと、からなる、前記
    S字補正コンデンサに現れるS字補正電圧と前記高次直
    線性歪補正手段の電圧とを合成する合成手段と、 前記合成手段の出力を変換する変換手段と、を備えたこ
    とを特徴とするフォーカス装置。
  3. 【請求項3】請求項1乃至2に記載のいずれか1つのフ
    ォーカス装置において、変換手段が昇圧トランスである
    ことを特徴とするフォーカス装置。
  4. 【請求項4】S字補正コンデンサと、 水平偏向ヨークと、 共振コンデンサと、 前記水平偏向ヨークと前記共振コンデンサとの接続点
    と、電源と、の間に1次コイルが接続された水平出力ト
    ランスもしくはフライバックトランスと、からなる水平
    偏向回路を持つフォーカス装置において、 前記水平出力トランスもしくは前記フライバックトラン
    スの2次コイル出力電圧である水平パルス電圧と前記S
    字補正コンデンサの電圧との差電圧を昇圧する昇圧トラ
    ンスを備えたことを特徴とするフォーカス装置。
  5. 【請求項5】共振コンデンサと水平出力トランスもしく
    はフライバックトランスの2次コイルと昇圧トランス1
    次コイルとからなる直列回路と、S字補正コンデンサ
    と、を並列に接続したことを特徴とする請求項4記載の
    フォーカス装置。
  6. 【請求項6】請求項2記載のフォーカス装置において、 変換手段が昇圧トランスであり、 第1のコンデンサと第2のコンデンサとの接続点と、前
    記昇圧トランスと、の間に2次コイルが接続された水平
    出力トランスもしくはフライバックトランスと、 前記昇圧トランスに設けられた少なくとも一つの中間端
    子と、 水平偏向ヨークとS字補正コンデンサとの間に設けられ
    た第2のS字補正コンデンサと、 前記第2のS字補正コンデンサと前記中間端子と前記昇
    圧トランスの1次コイル端子のうち1つとにそれぞれ設
    けられた切換手段と、を備えたことを特徴とするフォー
    カス装置。
  7. 【請求項7】請求項5記載のフォーカス装置において、 前記昇圧トランスに設けられた少なくとも一つの中間端
    子と、 水平偏向ヨークとS字補正コンデンサとの間に設けられ
    た第2のS字補正コンデンサと、 前記第2のS字補正コンデンサと前記中間端子と前記昇
    圧トランスの1次コイル端子のうち1つとにそれぞれ設
    けられた切換手段と、を備えたことを特徴とするフォー
    カス装置。
  8. 【請求項8】請求項6乃至7に記載のフォーカス装置に
    おいて、 切換手段が、トランジスタとダイオードとからなる半導
    体スイッチであり、前記半導体スイッチと出力トランス
    の1次コイルの端子のうち1つとの間と、前記半導体ス
    イッチと中間端子との間と、にコンデンサを接続したこ
    とを特徴とするフォーカス装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8記載のフォーカス装置にお
    いて、 一定の直流電圧から所望の直流電圧を出力する電圧調整
    手段と、 前記フォーカス装置の出力電圧と前記電圧調整手段の出
    力電圧とを重畳するコンデンサと、 前記コンデンサの重畳電圧を第1の集束電極に加えると
    共に、第1の集束電極の電圧の最低電位を保持し、第2
    の集束電極に印加する電圧保持手段と、を備えたことを
    特徴とするフォーカス装置。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9記載のフォーカス装置の
    うちいずれか一つのフォーカス装置を用いたことを特徴
    とするディスプレイ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6664747B2 (en) 2001-08-31 2003-12-16 Samsung Electronics Co., Ltd. Dynamic focus regulation circuit of display apparatus
KR100416002B1 (ko) * 2001-08-31 2004-01-24 삼성전자주식회사 디스플레이장치의 다이나믹포커스 조정회로

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