JPH072811B2 - 新規な重合体の製造方法 - Google Patents

新規な重合体の製造方法

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JPH072811B2
JPH072811B2 JP29942590A JP29942590A JPH072811B2 JP H072811 B2 JPH072811 B2 JP H072811B2 JP 29942590 A JP29942590 A JP 29942590A JP 29942590 A JP29942590 A JP 29942590A JP H072811 B2 JPH072811 B2 JP H072811B2
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JP
Japan
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tert
polymer
butyl
ethylene
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Inventor
修治 南
博一 梶浦
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は透明性に優れかつ耐熱性、耐熱老化性、耐薬品
性、耐溶剤性、誘電特性及び剛性などの機械的性質のバ
ランスのとれた新規な重合体の製造方法を提供すること
を目的とし、更に詳しくは下記の一般式(I)で示され
る多環モノマーから誘導される成分単位を構成単位の1
つとする新規な重合体の製造方法を提供することを目的
とする。
(ここでR1〜R12は水素またはアルキル基であって各同
一叉は異なっていてもよく、またR9叉はR10とR11叉はR
12とは互に環を形成していてもよい。更にnは2であっ
て、複数回繰り返されるR5〜R8は各同一叉は異なってい
てもよい。) [従来技術] 透明性に優れた合成樹脂としては、ポリカーボネートや
ポリメタクリル酸メチルあるいはポリエチレンテレフタ
レートなどが知られている。たとえばポリカーボネート
は透明性と共に耐熱性、耐熱老化性、耐衝撃性にも優れ
た樹脂である。しかし強アルカリに対しては容易に侵さ
れて耐薬品性に劣るという問題がある。ポリメタクリル
酸メチルは酢酸エチルやアセトンなどに侵され易く、エ
ーテル中で膨潤を起こし、さらに耐熱性を低いという問
題がある。またポリエチレンテレフタレートは耐熱性や
機械的性質に優れるものの強度やアルカリに弱く、加水
分解を受け易いという問題がある。
一方、汎用樹脂として有名なポリオレフィンは、耐薬品
性、耐溶剤性に優れ、また機械的性質に優れたものが多
いが、耐熱性の乏しいものが多く、結晶性樹脂であるが
故に透明性に劣る。一般にポリオレフィンの透明性改善
には造核剤を添加して結晶構造を微細化するか、もしく
は急冷を行って結晶の成長を止める方法が用いられる
が、その効果は十分とは言い難い。むしろ造核剤のよう
な第三成分を添加することはポリオレフィンが本来有し
ている優れた諸性質を損なう虞もあり、叉急冷は装置が
大掛かりになるほか、結晶化度の低下に伴って耐熱性や
剛性なども低下する虞がある。
[発明の目的] そこで本発明者らは、透明性を有しながら耐熱性、耐熱
老化性、耐溶剤性、誘電特性、機械的性質のバランスの
とれた合成樹脂が得られないか研究を重ねた結果、エチ
レンと所定の嵩高なコモノマーとの共重合体が目的を達
成できることを見い出し、特願昭59−16995号において
その技術内容を開示した。
本発明は前記の出願において提案した技術の改良に関す
るものであって、更に嵩高なモノマーを使用した重合体
の製造方法に関する。
[問題を解決するための手段] すなわち、本発明は、 (A)前記一般式(I)で示される多環モノマーとエチ
レンとを付加共重合させることを特徴とする、 (B)エチレン成分単位/多環モノマー成分単位(モル
比)が95/5〜10/90であり、 (C)多環モノマー成分単位が実質的に下記一般式(I
I)で示す構造をとり、 (D)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]が
0.005〜20dl/g、 で定義づけられる新規な重合体の製造方法に関する。
発明の具体的説明 [モノマー成分] 本発明の重合体を製造する際に用いられるモノマーとし
ては、前述の一般式(I)で示される多環モノマーある
いはエチレンが主体である。
多環モノマーを表す一般式において、R1〜R12は水素、
アルキル基すなわちメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、tert−ブチル等の鎖状アルキル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基であ
って各同一叉は異なっていてもよい。またR9叉はR10とR
11叉はR12とは互に環を形成していてもよく、たとえば
一般式(III)、(IV)などが例示できる。
(ここでR13〜R20は水素叉はアルキル基であって各同一
または異なっていてもよい。) かかる多環モノマーの具体例としては、次表Iの如きも
のを例示することができる。
[重合方法] 本発明の方法により、後述するような新規な重合体を製
造するには、多環式モノマー叉は多環式モノマーとエチ
レンとを周知のチーグラー系触媒により付加共重合すれ
ばよい。
しかしながら本発明の目的を損なわない範囲で、他の共
重合可能なモノマーが含まれていてもかまわない。かか
る共重合可能なモノマーの具体例としては、たとえばプ
ロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−
ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、
1−デセンなどの炭素原子数3以上のα−オレフィン
ン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチルシク
ロヘキセンなどのシクロオレフィン、スチレン、α−メ
チルスチレンなどのスチレン類、ノルボルネン、メチル
ノルボルネン、エチルノルボルネン、イソブチルノルボ
ルネンなどのノルボルネン類、2,3,3a,7a−テトラヒド
ロ−4,7−メタノ−1H−インデン(一般式(イ))、3a,
5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン
(一般式(ロ))あるいは一般式(I)においてn=1
の化合物などの本発明の一般式(I)に含まれないエン
ドメチレン系化合物あるいは1,4−ヘキサジエン、ジシ
クロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン
などのポリエンを挙げることができる。
本発明において得られる重合体は、構成モノマーの種類
によって、多環モノマーの単独重合体及び多環モノマー
とエチレンとのランダム共重合体とに大きく分別できる
が、後者の方が本発明の目的のバランスのとれた重合体
が得られるので好ましい。
本発明において使用されるチーグラー系触媒とは、高活
性触媒として知られているマグネシウム化合物に担持さ
れたチタン化合物、あるいはバナジウム系化合物とアル
キルアルミニウム系化合物のような還元剤とよりなる触
媒である。
マグネシウム化合物に担持されたチタン化合物として
は、少なくともマグネシウム、チタンおよびハロゲンを
含有する複合体であり、マグネシウム化合物とチタン化
合物とを加熱もしくは共粉砕などの手段により密に接触
せしめて得られる化合物で好ましくは該複合体中に含有
されるハロゲン/チタンのモル比が約4を越えるもの
で、常温におけるヘキサン洗浄手段でチタン化合物を実
質的に脱離しないものをいう。
良好なる複合体は、ハロゲン/チタン(モル比)が約4
を越え、好ましくは約5以上、さらに好ましくは約8以
上、マグネシウム/チタン(モル比)が約3以上、好ま
しくは約5ないし約50、複合体に電子供与体を含む場合
は電子供与体/チタン(モル比)が約0.2ないし約6、
好ましくは約0.4ないし約3、一層好ましくは約0.8ない
し約2であって、その比表面積が約3m2/g以上、一層好
ましくは約40m2/g以上、さらに好ましくは約100m2/g以
上である。また、複合体のX線スペクトルが、出発マグ
ネシウム化合物の如何にかかわらず非晶性を示すか、叉
はマグネシウムジハライドの通常の市販品のそれに比
べ、非常に非晶化された状態にあることが望ましい。
複合体を製造する手段の例として、例えば特開昭48−16
986号公報、特開昭50−108385号公報、特開昭50−12659
0号公報、特開昭51−20297号公報、特開昭51−28189号
公報、特開昭51−92885号公報、特開昭51−127185号公
報、特開昭51−136625号公報、特開昭52−87289号公
報、特開昭52−100596号公報、特開昭52−104593号公
報、特開昭52−147688号公報、特開昭53−2580号公報、
1975年11月21日付イタリア特許出願などに記載の手段を
例示できる。
バナジウム化合物としては、VCl4、VBr4、VCl3、VBr3
のハロゲン化バナジウム、VOCl3、VOBr3、VOCl2、VOBr2
等のオキシハロゲン化バナジウムあるいはVO(OR)nX3-
n(ただしRは炭化水素基、Xはハロゲン、<n≦3)
で示されるバナジウム化合物を挙げることができる。こ
れらの中では炭化水素可溶性のバナジウム化合物とくに
オキシハロゲン化バナジウム叉はVO(OR)nX3-nで示さ
れる化合物が好適である。
前記VO(OR)nX3-nで示される化合物においては、Rは
脂肪族、脂環族叉は芳香族の炭化水素基であり、好まし
くは脂肪族の炭化水素基で炭素原子数1〜20、とくには
1〜3のものがよい。またnは0<n≦3、好ましくは
1≦n≦1.5の範囲である。このようなバナジウム化合
物の例としては、 VO(OCH3)Cl2、VO(OCH32Cl、 VO(OCH3、VO(OC2H5)Cl2、 VO(OC2H51.5Cl1.5、 VO(OC2H52Cl、VO(OC2H5、 VO(OC2H51.5Br1.5、 VO(OC3H7)Cl2、 VO(OC3H71.5Cl1.5、 VO(OC3H72Cl、VO(OC3H7、 VO(On−C4H9)Cl2、 VO(On−C4H92Cl、 VO(Oiso−C4H92Cl、 VO(Osec−C4H9、 VO(OC5H111.5Cl1.5あるいはこれらの混合物などを挙
げることができる。これらはVOCl3とアルコールを反応
させたり、あるいはVOCl3とVO(OR)を反応させるこ
とによって容易に得ることができる。
チタン系触媒叉はバナジウム系化合物と共に使用するア
ルキルアルミニウム化合物は、一般式R′mAlX′3-m
(ただしR′は炭化水素基、X′はハロゲン、0<m≦
3)で示される。このアルキルアルミニウム化合物は、
たとえばトリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミ
ニウムハライド、アルキルアルミニウムジハライドある
いはこれらの任意の混合物あるいはこれらとアルミニウ
ムトリハライドとの混合物などを例示することができ
る。
以上示した触媒系の中では、重合の行い易さの面からバ
ナジウム系化合物/アルキルアルミニウム化合物の系が
好適である。この系を用いた場合の両者の使用割合はAl
/V(モル比)が1以上、好ましくは30以下、とくに好ま
しくは2〜20の範囲にするとよい。
重合は炭化水素媒体中で行われる。たとえばヘキサン、
ヘプタン、オクタン、灯油のような脂肪族炭化水素、シ
クロヘキサンのような脂環族炭化水素、ベンゼン、トル
エン、キシレンのような芳香族炭化水素を単独で叉は混
合して溶媒に用いることができる。
重合体は、バナジウム系化合物/アルキルアルミニウム
化合物の触媒系を例にとれば、反応媒体中、前記バナジ
ウム化合物が0.05〜20ミリモル/、好ましくは0.1〜1
0ミリモル/の濃度になるようにするのが好ましい。
またアルキルアルミニウム化合物は、既に述べたように
Al/V(モル比)が1以上、好ましくは30以下、とくに好
ましくは2〜20となるように調整される。
多環式モノマーとエチレンとのランダム共重合体を製造
する場合、両モノマーの反応媒体中への仕込み量は目的
とする共重合体の組成及び反応媒体の種類や重合温度に
よっても異なるが、一般に反応媒体中のエチレン/多環
式モノマーのモル比が1/100〜100/1、好ましくは1/50〜
50/1となるように調節される。
重合温度は−50〜300℃、好ましくは−30〜200℃、重合
圧力は一般には0〜50kg/cm2、好ましくは0〜20kg/cm2
に保持される。また重合体の分子量調整のため適宜、水
素のような分子量調節剤を存在させることができる。
[新重合体の概要] このような本発明の製造方法で得られる新重合体は、実
質的に多環モノマー成分単位又は多環モノマー成分単位
とエチレン成分単位とから構成される。しかしながら本
発明の目的を損なわない範囲で、他の共重合可能なモノ
マーから誘導される成分単位がたとえば多環式モノマー
成分単位の50モル%以下の範囲で含まれていてもかまわ
ない。かかるモノマー成分単位の具体例としては、たと
えばプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−デセンなどの炭素原子数3以上のα−オレ
フィンン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3−メチ
ルシクロヘキセンなどのシクロオレフィン、スチレン、
α−メチルスチレンなどのスチレン類、ノルボルネン、
メチルノルボルネン、エチルノルボルネン、イソブチル
ノルボルネンなどのノルボルネン類、2,3,3a,7a−テト
ラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン(一般式
(イ))、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H
−インデン(一般式(ロ))あるいは一般式(I)にお
いてn=1の化合物などの本発明の一般式(I)に含ま
れないエンドメチレン系化合物あるいは1,4−ヘキサジ
エン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノ
ルボルネンなどのポリエンから誘導される成分単位を挙
げることができる。
本発明において定義づけられる重合体は、構成モノマー
成分単位の種類によって、多環モノマー成分の単独重合
体及び多環モノマー成分とエチレンとのランダム共重合
体とに大きく分別できるが、後者の方が本発明の目的の
バランスのとれた重合体が得られるので好ましい。
本発明の重合体のエチレン成分単位/多環モノマー成分
単位の含有割合(モル比)は95/5から10/90である。こ
のうち高分子量体で諸物性のバランスが優れるには、90
/10〜10/90とくに85/15〜20/80の範囲が好ましい。
そして多環モノマー成分は、重合体中において主として
前記一般式(II)で示すような構造で重合されている。
多環モノマー成分が実質的に前記構造をとるところか
ら、本発明の重合体の沃素価は通常5以下、その多くは
1以下である。また前記構造をとることは13C−NMRによ
っても裏付けられる。したがって化学的に安定な構造で
あり、耐熱老化性に優れた重合体となる。
重合体は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]
が0.005〜20dl/gである。とくに硬質樹脂的用途に利用
する場合には0.3〜20dl/gとくに0.3〜10dl/g、更には0.
8〜8dl/gが好適である。またワックス的用途に利用する
場合には0.01〜0.3dl/g未満、更には0.05〜0.2dl/gが好
適である。
重合体の別の性質として、非晶性叉は低結晶性好ましく
は非晶性であることが掲げられる。したがって透明性は
良好である。一般にはX線による結晶化度が5%以下、
好ましくは0%であり、示差走査型熱量系(DSC)で融
点が観察されないものが多い。
重合体の別の性質としてガラス転移温度及び軟化温度が
高いことが挙げられる。すなわち動的粘弾性測定計(DM
A)によるガラス転移温度(Tg)が通常80〜240℃、多く
が100〜200℃の範囲内に測定される。またTMA(Thermo-
mechanical Analyser:デュポン社製)によって荷重49
g、石英針(直径0.635mm)を用いて昇温速度5℃/minの
条件下、針が0.1mm侵入する温度すなわち軟化温度が通
常70〜220℃、多くが90〜190℃の範囲内に測定される。
また重合体の熱分解温度は、熱天びん(TGA:理学電機社
製)を用いて窒素気流下で10℃/minの速度で昇温した減
量開始温度を熱分解温度とすると、通常350〜420℃、多
くが370〜410℃の範囲内にある。
重合体の密度は、密度勾配管による方法(ASTM D 150
5)で通常0.86〜1.10g/cm3、その多くが0.88〜1.08g/cm
3の範囲内にある。また屈折率(ASTM D 542)は1.47〜
1.58、多くが1.48〜1.56の範囲にある。
重合体の電気的性質として、ASTM D 150による誘電率
(1KHz)は1.5〜3.0、多くは1.9〜2.6、誘電正接は1×
10-3〜5×10-5、多くは5×10-4〜8×10-5の範囲内に
ある。
重合体の表面の硬さを示す尺度としての鉛筆硬度(JIS
K 5401)は3B以上3H以下である。
[利用分野] 本発明の方法により得られる新重合体の具体的な利用分
野の一例を示すと、その優れた物理的諸性質を生かし
て、低分子量体の場合には通常合成ワックスで利用でき
る分野すなわちロウソク用途、マッチ軸木含侵剤、紙加
工剤、サイズ剤、ゴム老化防止剤、段ボール耐水化剤、
化成肥料遅効化剤、蓄熱材、セラミックバインダー、紙
コンデンサー・電線・ケーブル等の電気絶縁材、中性子
減速材、繊維加工助剤、建材発水剤、塗料保護剤、つや
出し剤、チキソトロピー付与剤、鉛筆・クレヨンの芯硬
度付与剤、カーボンインキ基剤、静電複写用トナー、合
成樹脂成形用滑剤、離型剤、樹脂着色剤、ホットメルト
接着剤、潤滑用グリースなどを挙げることができる。ま
た高分子量体の場合には、プラスチックレンズ、光ディ
スク、光ファイバー、ガラス窓用途等の光学分野、透明
導電性フィルム・シート、液晶表示基板、高周波用回路
基板、電気アイロンの水タンク、電子レンジ用品等の電
気分野、注射器、ピペット、アニマルゲージ等の医療、
化学分野、カメラボディ、各種計器類ハウジング、プラ
スチック磁石、フィルム、シート、ヘルメットなど種々
の分野に利用できる。
[成形加工及び安定剤] 本発明の方法により得られる重合体は周知の方法によっ
て成形加工される。たとえば単軸押出機、ベント式押出
機、二本スクリュー押出機、円錐二本スクリュー押出
機、コニーダー、プラスティフィケーター、ミクストル
ーダー、二軸コニカルスクリュー押出機、遊星ねじ押出
機、歯車型押出機、スクリューレス押出機などを用いて
押出成形、射出成形、ブロー成形、回転成形などを行
う。また成形加工にあたっては、必要に応じて周知の添
加剤すなわち耐熱安定性、光安定性、帯電防止剤、スリ
ップ剤、アンチブッキング剤、防曇剤、滑剤、合成油、
天然油、無機および有機の充填剤、染料、顔料などを添
加してもよい。
このような添加剤としては、たとえばフェノール系また
は硫黄系酸化防止剤が例示できる。フェノール系酸化防
止剤としては、たとえば2,6−ジ−tert−ブチル−p−
クレゾール、ステアリル(3,3−ジメチル−4−ヒドロ
キシベンジル)チオグリコレート、ステアリル−β−
(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェノー
ル)プロピオネート、ジステアリル−3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドキシベンジルホスホネート、2,4,6−
トリス(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキ
シベンジルチオ)−1,3,5−トリアジン、ジステアリル
(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−tert−ブチルベン
ジル)マロネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル
−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メチレンビ
ス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチ
レンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)p−クレ
ゾール]、ビス[3,5−ビス(4−ヒドロキシ−3−ter
t−ブチルフェニル)ブチリックアシド]グリコールエ
ステル、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−
m−クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−tert−ブチルフエニル)ブタン、ビス
[2−tert−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキ
シ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)フェニ
ル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−
3−ヒドロキシ−4−tert−ブチル)ベンジルイソシア
ヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼ
ン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス
[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、2
−オクチルチオ−4,6−ジ(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−
tert−ブチル)フェノキシ−1,3,5−トリアジン、4,4′
−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)など
のフェノール類及び4,4′−ブチリデンビス(2−tert
−ブチル−5−メチルフェノール)の炭酸オリゴエステ
ル(例えば重合度2,3,4,5,6,7,8,9,10など)などの多価
フェノール炭酸オリゴエステル類が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、たとえばジラウリル−、ジ
ミリスチル−、ジステアリル−などのジアルキルチオジ
プロピオネート及びブチル−、オクチル−、ラウリル
−、ステアリル−などのアルキルチオプロピオン酸の多
価アルコール(例えばグリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
トリスヒドロキシイソシアヌレート)のエステル(例え
ばペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネ
ート)が挙げられる。
また別には含リン化合物を配合してもよく、たとえばト
リオクチルホスファイト、トリラウリルホスファイト、
トリデシルホスファイト、オクチル−ジフェニルホスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホ
スファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(ブト
キシエチル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)
ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホ
スファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3−トリス
(2−メチル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタンジホスファイト、テトラ(C12〜C15配合ア
ルキル−4,4′−イソプロピリデンジフェニルホスファ
イト、テトラ(トリデシル)−4,4′−ブチリデンビス
(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)ジホスフ
ァイト、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)ホスファイト、トリス(モノ・ジ混合ノ
ニルフェニル)ホスファイト、水素化−4,4′−イソプ
ロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オク
チルフェニル)・ビス[4,4′−ブチリデンビス(3−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)]・1,6−ヘキ
サンジオールジホスファイト、フェニル・4,4′−イソ
プロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホ
スファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ
−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト、トリス[4,4′−イソプロピリ
デンビス(2−tert−ブチルフェノール)]ホスファイ
ト、フェニル・ジイソデシルホスファイト、ジ(ノニル
フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト)、ト
リス(1,3−ジ−ステアロイルオキシイソプロピル)ホ
スファイト、4,4′−イソプロピリデンビス(2−tert
−ブチルフェノール)・ジ(ノニルフェニル)ホスファ
イト、9,10−ジ−ヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフ
ェナンスレン−10−オキサイド、テトラキス(2,4−ジ
−tert−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンジホ
スホナイトなどが挙げられる。
また6−ヒドロキシクロマン誘導体たとえばα、β、
γ、δの各種トコフェノールやこれらの混合物、2−
(4−メチル−ペンタ−3−エニル)−6−ヒドロキシ
クロマンの2,5−ジメチル置換体、2,5,8−トリメチル置
換体、2,5,7,8−テトラメチル置換体、2,2,7−トリメチ
ル−5−tert−ブチル−6−ヒドロキシクロマン、2,2,
5−トリメチル−7−tert−ブチル−6−ヒドロキシク
ロマン、2,2,5−トリメチル−6−tert−ブチル−6−
ヒドロキシクロマン、2,2−ジメチル−5−tert−ブチ
ル−6−ヒドロキシクロマンなど、 また別には一般式 MxAly(OH)2x+3y−2z(A)z・aH2O (ここでMはMg、CaまたはZn、Aは水酸基以外のアニオ
ン、x、yおよびzは正数、aは0または正数をあらわ
す)で示される復化合物、たとえば Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O、 Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O、 Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O、 Mg10Al2(OH)22(CO3)・4H2O、 Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O、 Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O、 Zn6Al2(OH)16CO3・4H2O、 Zn6Al2(OH)16SO4・4H2O、 Mg6Al2(OH)16SO4・4H2O、 Mg6Al2(OH)12CO3・3H2Oなどを配合してもよい。
また特表昭55−501181号公報に開示されている2−ベン
ゾフラノン系化合物、たとえば3−フェニル−2−ベン
ゾフラノン、3−フェニル−5,7−ジ−t−ブチル−2
−ベンゾフラノンなどを配合してもよい。
光安定剤としてはたとえば2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキ
シベンゾフェノン−2,2′−ジ−ヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ンなどのヒドロキシベンゾフェノン類、2−(2′−ヒ
ドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロ
キシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェ
ニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール
類、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニル
サリシレート、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキ
サデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンゾエートなどのベンゾエート類、2,2′−チオビス
(4−tert−オクチルフェノール)Ni塩、[2,2′−チ
オビス(4−tert−オクチルフェノラート)]−n−ブ
チルアミンNi、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ホスホン酸モノエチルエステルNi塩など
のニッケル化合物類、α−シアノ−β−メチル−β−
(p−メトキシフェニル)アクリル酸メチルなどの置換
アクリロニトリル類及びN′−2−メチルフェニル−N
−2−エトキシ−5−tert−ブチルフェニルシュウ酸ジ
アミド、N−2−エチルフェニル−N′−2−エトキシ
フェニルシュウ酸ジアミドなどのシュウ酸ジアニリド
類、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)
セバシエート、ポリ[{(6−(1,1,3,3−テトラメチ
ルブチル)イミノ}−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル
{4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ}
ヘキサメチレン]、2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−
テトラメチル−1−ピペリジル)エタノールとコハク酸
ジメチルとの縮合物などのヒンダードアミン化合物類が
挙げられる。
滑剤としてはたとえばパラフィンワックス、ポリエチレ
ンワックス、ポリプロピレンワックスなどの脂肪族炭化
水素類、カプリン類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキジン
酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸類またはこれらの金属
塩類、すなわちリチウム塩、カルシウム塩、ナトリウム
塩、マグネシウム塩、カリウム塩など、パルミチンアル
コール、セチルアルコール、ステアリルアルコールなど
の脂肪族アルコール類、カプロン酸アミド、カプリル酸
アミド、カプリン酸アミド、ラウリル酸アミド、ミリス
チン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミ
ドなどの脂肪族アミド類、脂肪酸とアルコールとのエス
テル類、フルオロアルキルカルボン酸またはその金属
塩、フルオロアルキルスルホン酸金属塩などのフッ素化
合物類が挙げられる。
充填剤としては、ガラス繊維、銀叉はアルミニウムコー
トガラス繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、チ
タン酸カリウム繊維、炭素繊維、ケブラーTM繊維、超高
弾性ポリエチレン繊維などの無機または有機の繊維状充
填剤、タルク、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、
酸化カルシウム、硫酸マグネシウム、グラファイト、ニ
ッケル粉、銀粉、銅粉、カーボンブラック、銀コートガ
ラスビース、アルミニウムコートガラスビーズ、アルミ
ニウムフレーク、ステンレスフレーク、ニッケルコート
グラファイトなどの粉末状、粒状、フレーク状の無機ま
たは有機の充填剤が例示できる。
[他の重合体とのブレンド] さらに本発明の方法により得られる重合体は公知の種々
の高分子量叉は低分子量の重合体と配合して使用するこ
とも可能である。かかる重合体の例としては、 (イ)1個または2個の不飽和結合を有する炭化水素か
ら誘導される重合体、 具体的にはポリオレフィンたとえば架橋構造を有してい
てもよいポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチ
レン、ポリメチルブテン−1、ポリ4−メチルペンテン
−1、ポリブテン−1、ポリイソプレン、ポリブタジエ
ン、ポリスチレン、 または前記の重合体を構造するモノマー同士の共重合体
たとえばエチレン・プロピレン共重合体、プロピレン・
ブテン−1共重合体、プロピレン・イソブチレン共重合
体、スチレン・イソブチレン共重合体、スチレン・ブタ
ジエン共重合体、エチレンおよびプロピレンとジエンた
とえばヘキサジエン、シクロペンタジエン、エチリデン
ノルボルネンなどとの3元共重合体、 あるいはこれらの重合体のブレンド物、グラフト重合
体、ブロック共重合など、 (ロ)ハロゲン含有ビニル共重合体、 具体的にはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
フッ化ビニル、ポリクロロプレン、塩素化ゴムなど、 (ハ)α,β−不飽和酸とその誘導体から誘導される重
合体、 具体的にはポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、 または前記の重合体を構成するモノマーとその他の共重
合可能なモノマーとの共重合体たとえば、アクリロニト
リル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリ
ル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン・
アクリル酸エステル共重合体など、 (ニ)不飽和アルコールおよびアミンまたはそのアシル
誘導体またはアセタールから誘導された重合体、 具体的にはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポ
リステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポリマレ
イン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタ
レート、ポリアリルメラミン、 または前記重合体を構成するモノマーとその他の共重合
可能なモノマーとの共重合体たとえばエチレン・酢酸ビ
ニル共重合体など、 (ホ)エポキシドから誘導された重合体、 具体的には、ポリエチレンオキシドまたはビスグリシジ
ルエーテルから誘導された重合体など、 (ヘ)ポリアセタール、 具体的にはポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、
コモノマーとしてエチレンオキシドを含むようなポリオ
キシメチレンなど、 (ト)ポリフェニレンオキシド、 (チ)ポリカーボネート、 (リ)ポリスルフォン、 (ヌ)ポリウレタンおよび尿素樹脂、 (ル)ジアミンおよびジカルボン酸および/またはアミ
ノカルボン酸または相応するラクタムから誘導されたポ
リアミドおよびコポリアミド、 具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイ
ロ12など、 (ヲ)ジカルボン酸およびジアルコールおよび/または
オキシカルボン酸または相応するラクトンから誘導され
たポリエステル、 具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリ1,4−ジメチロール・シクロヘキ
サンテレフタレートなど、 (ワ)アルデヒドとフェノール、尿素またはメラミンか
ら誘導された架橋構造を有した重合体、 具体的にはフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・
ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹
脂など、 (カ)アルキド樹脂、 具体的にはグリセリン・フタル酸樹脂など、 (ヨ)飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコール
とのコポリエステルから誘導され、架橋剤としてビニル
化合物を使用して得られる不飽和ポリエステル樹脂なら
びにハロゲン含有改質樹脂、 (タ)天然重合体、 具体的にはセルロース、ゴム、蛋白質、 あるいはそれらの誘導体たとえば酢酸セルロース、プロ
ピオン酸セルロース、セルロースエーテルなど、 が例示できる。また合成ワックスとして用いる際には公
知の種々のワックスを混合してよいことは勿論である。
更には本発明の方法により得られる、分子量の異なる新
重合体同士を混合してもよい。
[実施例] 本発明の内容を好適な実施例でもって以下に説明する
が、本発明はこれらの実施例に制限されるものではな
く、その目的が損なわれない限り如何なる態様も採り得
ることは勿論である。
実施例1 充分乾燥した500mlのセパラルフラスコに撹拌羽根、ガ
ス吹込管、温度計及び滴下ロートを取り付け充分窒素で
置換した。
このフラスコにモレキュラーシーブで脱水乾燥したトル
エン250mlを入れた。
窒素流通下フラスコに、表1のアの化合物を7.5g、エチ
ルアルミニウムセスキクロリドを2.5ミリモル、滴下ロ
ートにジクロロエトキシオキソバナジウムを0.25ミリモ
ル加えた。
ガス吹込管を通して乾燥したエチレン10/hr、窒素40
/hrの混合ガスを10℃に制御したフラスコに10分間通
した。
滴下ロートからエチルアルミニウムセスキクロリドを滴
下して共重合反応を開始し、前記の混合ガスを通しなが
ら10℃で30分間共重合反応を行った。
共重合反応中の溶液は均一透明であり、共重合体の析出
は認められなかった。
メタノール5mlを重合体溶液に添加して共重合反応を停
止した。
反応停止後の重合液を大量のメタノール中に投入して共
重合体を析出させ、さらにメタノールで洗浄跡、60℃で
一昼夜真空乾燥し、共重合体5.3gを得た。13 C−NMR分析で測定した共重合体中のエチレン組成は59
モル%、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は
1.4、ヨウ素価は0.9であった。
また、力学物性を測定するために、230℃hot pressによ
り1mm叉は2mm厚さのプレス成形シートを作成した。これ
らのシートを用いて、X線回析を行ったところ、結晶に
よる散乱は観察されず、結晶化度は0%であった。ま
た、透明性はASTM D 1003−52に準拠した霞度(ヘイ
ズ)計でmmシートについて測定したところ9%であっ
た。曲げ弾性率及び曲げ降伏強度は、2mm厚プレスシー
トを用い、ASTM D 790に準拠して測定したところ、それ
ぞれ2.5×104kg/cm2、810kg/cm2であった。ガラス転移
温度Tgは、デュポン社製Dynamic Mechanical Analyser
(DMA)により、損失弾性率E″を5℃/minの昇温速度
で測定し、そのピーク温度から求めたところ150℃であ
った。さらに融点Tmは、デュポン社製990タイプのDSCに
よる10℃/minの昇温速度で−120℃〜400℃の範囲で測定
したところ、融解曲線(ピーク)は観察されなかった。
電気的性質は、安藤電気製誘電体損測定装置で、1KHzに
て測定したところ、誘電率が1.9であり、誘電正接(tan
δ)が2.3×10-4であった。さらに、耐薬品性及び耐溶
剤性を調べるために、室温でプレス成形品を硫酸(97
%)、アンモニア水(20%)、アセトン、酢酸エチルな
どに20時間侵して外観を観察したところ、色変化、透明
性低下、変形、溶解、クラック発生などの性状はまった
く見られなかった。
また、デュポン社製Thero mechanlical Analyser(TM
A)で、1mm厚シート熱変形温度(5℃/min昇温、荷重49
g、石英製針0.635mm、0.1mm侵入温度)を測定したとこ
ろ、139℃であった。さらに、密度勾配管法による密度
は、1.032g/cm3であり、アツベ屈折計による屈折率nD
1.540であった。硬さの指標である鉛筆硬度は、Hであ
った。
実施例2〜15 実施例1においてモノマー成分を表1、共重合条件を表
2に記載した如く変える以外は同様な操作を行い、表3
の結果を得た。尚、表2、3には実施例1の条件および
結果を列記した。
[発明の効果] 本発明の方法により得られる重合体は、以上述べて来た
ように、従来全く知られていない構造及び組成を採るこ
とによって透明性、耐熱性、耐熱老化性、耐薬品性、耐
溶剤性、誘電特性、機械的性質のいずれもが高いレベル
を示し、その利用可能分野も前述したように多伎に亘る
のであり、産業界に多大の利益を持たらす。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本願発明に係る共重合体の製造工程を示すフ
ローチャート図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(I)で示される多環モ
    ノマーとエチレンとを付加共重合させることを特徴とす
    る、 (ここでR1〜R12は水素またはアルキル基であって各同
    一または異なっていてもよく、またR9またはR10とR11
    たはR12とは互に環を形成していてもよい。さらにnは
    2であって、複数回繰り返されるR5〜R8は各同一または
    異なっていてもよい。) (B)エチレン成分単位/多環モノマー成分単位(モル
    比)が95/5〜10/90であり、 (C)多環モノマー成分単位が実質的に下記一般式(I
    I)で示す構造をとり、 ……(II) (D)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]が
    0.005〜20dl/g、 で定義づけられる新規な重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】さらに共重合可能な第3モノマーを共重合
    させることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の新
    規な重合体の製造方法。
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