JPH07279020A - 絡合不織布及びこれを用いた接着芯地 - Google Patents

絡合不織布及びこれを用いた接着芯地

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JPH07279020A
JPH07279020A JP9927794A JP9927794A JPH07279020A JP H07279020 A JPH07279020 A JP H07279020A JP 9927794 A JP9927794 A JP 9927794A JP 9927794 A JP9927794 A JP 9927794A JP H07279020 A JPH07279020 A JP H07279020A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐磨耗性及び反撥性に優れた絡合不織布、及
びこれを用いた接着芯地を提供すること。 【構成】 溶剤抽出法により得られたセルロース繊維を
20〜90重量%含む繊維ウエブからなり、このセルロ
ース繊維の一部が分岐して絡合しており、かつ繊維ウエ
ブの表裏面における分岐度合が異なる絡合不織布であ
る。セルロース繊維の分岐度合の大きい面が、分岐度合
の小さい面の2倍以上の分岐度合を有すると、各種用途
に適合させることができ、分岐度合の大きい面における
セルロース繊維が、3〜60本/50μmの分岐したフ
ィブリルを有していたり、フィブリルの直径が0.2〜
2μmであると、強度的に優れた絡合不織布である。ま
た、上記絡合不織布の少なくとも片面に接着樹脂が付着
した接着芯地である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絡合不織布及びこれを用
いた接着芯地に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ニードルや水流などの作用に
より絡合した不織布が様々な用途に利用されているが、
十分な物性を有する絡合不織布が提供されていないのが
現状である。
【0003】例えば、このような絡合不織布を衣料芯地
用途に使用する場合、絡合が弱いと、耐磨耗性が悪く、
しかも反撥性がないため、衣服が型崩れしやすいという
問題があった。そこで、絡合を強くするために、水流な
どによって分割可能な繊維を使用して、絡合不織布を形
成することも考えられたが、このような分割可能な繊維
を使用しても、反撥性に優れた絡合不織布を得ることは
できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、各種用途に適合
する絡合不織布、例えば、衣料芯地用途に使用する場合
には、耐磨耗性及び反撥性に優れた絡合不織布、及びこ
れを用いた接着芯地を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の絡合不織布は、
溶剤抽出法により得られたセルロース繊維を含む繊維ウ
エブからなり、このセルロース繊維の一部が分岐して絡
合しており、かつこの繊維ウエブの表裏面における分岐
度合が異なるものである。
【0006】なお、セルロース繊維の分岐度合の大きい
面が、分岐度合の小さい面の2倍以上の分岐度合を有し
ていると、表裏面の物性がより異なり、各種用途に適合
させることができる。
【0007】また、分岐度合の大きい面におけるセルロ
ース繊維が、3〜60本/50μmの分岐したフィブリ
ルを有していたり、分岐度合の大きい面における、セル
ロース繊維から分岐したフィブリルの直径が、0.2〜
2μmであると、溶剤抽出法により得られたセルロース
繊維の強度を低下させることなく、強度的に優れた絡合
不織布である。
【0008】更に、セルロース繊維が20〜90重量%
含まれていると、耐磨耗性及び反撥性に優れた絡合不織
布である。
【0009】本発明の接着芯地は、上記の絡合不織布の
少なくとも片面に、接着樹脂が付着したものである。
【0010】
【作用】本発明の絡合不織布は、溶剤抽出法により得ら
れたセルロース繊維(以下、単に「セルロース繊維」と
いうことがある)を含む繊維ウエブからなり、このセル
ロース繊維の一部が分岐して絡合しており、しかも、こ
の絡合不織布の表裏面において、このセルロース繊維の
分岐度合が異なっているため、様々な用途に利用するこ
とができる。例えば、この絡合不織布をフィルタ用途に
使用すると、片面の繊維密度が、他面の繊維密度よりも
高く、密度勾配を有しているため、繊維密度の低い面で
粗な塵埃を捕集し、繊維密度の高い面で微細な塵埃を捕
集できるため、捕集効率の高い絡合不織布となる。ま
た、この絡合不織布をワイパー用途に使用すると、繊維
密度の低い面で粗な汚れを拭き取ることができ、しかも
繊維密度の高い面では微細な汚れを拭き取ることができ
るため、払拭性に優れた絡合不織布となる。更に、本発
明の絡合不織布は衣料芯地用途に使用でき、以下、この
用途を例として、詳細に説明する。
【0011】本発明の絡合不織布は溶剤抽出法により得
られたセルロース繊維を含んでいるため、反撥性に優
れ、しかもこのセルロース繊維の一部が分岐して絡合し
ているため、強度及び耐磨耗性に優れ、更に、この絡合
不織布の表裏面において、セルロース繊維の分岐度合が
異なるため、分岐度合の小さい面で絡合不織布に張りを
もたせることができる。
【0012】このセルロース繊維は溶剤抽出法により得
られるものであり、セルロース繊維の1つであるビスコ
ースレーヨン繊維と比較して、強度及び反撥性に優れて
いる。また、このセルロース繊維は、後述のニードルや
水流などの外力によって、繊維の一部が分岐して、その
分岐したフィブリルが絡合できるため、強度及び耐磨耗
性に優れた絡合不織布を形成することができる。このセ
ルロース繊維は、例えば、コートルズ社からテンセルと
いう商標で販売されており、容易に入手することができ
る。
【0013】このセルロース繊維は絡合不織布中、20
〜90重量%含まれているのが好ましく、20重量%未
満であると、セルロース繊維を使用しているにも関わら
ず絡合が弱いため、耐磨耗性や反撥性が悪いためであ
り、90重量%を越えると硬すぎるためである。より好
ましくは30〜80重量%である。
【0014】このセルロース繊維以外の繊維としては、
絡合不織布を衣料芯地用途に使用する場合には、柔軟性
を付与するために、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン610、ナイロン11、ナイロン12、共重合ナイロ
ン、或いはこれらナイロンの一部にスルホン基を含有す
る化合物を結合、又は共重合した変性ナイロンなどから
なるナイロン繊維や、寸法安定性を付与するために、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、これら樹脂成分に5−スルホキシイソフタル酸など
のようなスルホン化芳香族ジカルボン酸、或いはこの塩
が共重合した変性ポリエステルなどからなるポリエステ
ル繊維などを好適に使用できる。これらの中でも、ナイ
ロンの一部にスルホン基を含有する化合物を結合、又は
共重合した変性ナイロンからなるナイロン繊維や、スル
ホン化芳香族ジカルボン酸、或いはこの塩が共重合した
変性ポリエステルからなるポリエステル繊維は、染色性
に優れているため、より好適に使用できる。
【0015】なお、衣料芯地用途以外に使用する場合に
は、その用途に必要とされる物性に応じて、セルロース
系の再生繊維や半合成繊維、ポリビニルアルコール系、
ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリアクリ
ロニトリル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポ
リウレタン系などの合成繊維、ガラス繊維や炭素繊維な
どの無機繊維、綿や麻などの植物繊維、羊毛や絹などの
動物繊維、石綿などの鉱物繊維を使用できる。
【0016】なお、これら繊維は単一成分からなる必要
はなく、例えば、繊維断面形状が、同心状又は偏心状の
芯鞘型、一成分を繊維軸から伸びる他成分で分割した菊
花型、一成分と他成分とを2層以上貼り合わせた積層
型、一成分を他成分中に分散させた海島型で、収縮性、
融着性、或いは分割性などの特性を有する複合繊維を使
用できる。
【0017】これらの中でも、芯鞘型や海島型の断面形
状を有する繊維は、各々の樹脂成分の特性を併せもって
いるため、好適に使用できる。特に、衣料芯地用途に使
用する場合には、ナイロン成分とポリエステル成分から
なる、芯鞘型や海島型の複合繊維は風合及び寸法安定性
に優れているため、好適に使用できる。
【0018】また、菊花型や積層型の断面形状を有し、
機械的に分割可能な複合繊維は、分割して径の小さい繊
維を形成できるため、より絡合しやすく、強度的に優れ
ており、しかも風合にも優れているので、好適に使用で
きる。この分割可能な複合繊維の樹脂成分の組み合わせ
としては、例えば、ポリアミド系樹脂とポリエステル系
樹脂、ポリアミド系樹脂とポリオレフィン系樹脂、ポリ
アミド系樹脂とポリアクリロニトリル系重合体樹脂、ポ
リエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂とポリアクリロニトリル系樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂とポリアクリロニトリル系樹脂がある。これら
の中でも、ポリアミド系樹脂とポリエステル系樹脂の組
み合わせは、熱安定性に優れているため好適に使用でき
る。
【0019】以上のような、本発明の絡合不織布を構成
するセルロース繊維やその他の繊維の繊度(分割可能な
複合繊維の分割後の繊度も含む)は0.01〜3デニー
ルであるのが好ましく、特に衣料芯地用途に使用する場
合には、芯地の強度を低下させないように、0.01デ
ニール以上の繊維が好ましく、柔軟性を損わないよう
に、2デニール以下であるのが好ましい。また、繊維長
は特に限定するものではないが、繊維が絡合しやすく、
絡合不織布にムラが生じないように、3〜100mmであ
るのが好ましい。
【0020】以上のような繊維から繊維ウエブを形成す
るが、繊維ウエブの形成方法としては、カード法やエア
レイ法などの乾式法でも、湿式法でも良い。前者の乾式
法によれば、比較的嵩高で柔軟な繊維ウエブを形成で
き、後者の湿式法によれば、緻密で均一な繊維ウエブを
得ることができるので、用途によって適宜、選択又は組
み合わせれば良い。
【0021】なお、カード法によって繊維ウエブを形成
する場合には、繊維の配向方向を一方向にしたり、クロ
スレイヤーなどにより交差させて多方向にしたり、或い
はこれら繊維ウエブを適宜積層することができる。これ
らの中でも、交差させて多方向に配向した繊維ウエブを
含むと、よこ方向(長尺状の繊維ウエブを製造する上
で、繊維ウエブの流れ方向に対して直角方向)の強度も
優れ、たて方向(繊維ウエブの流れ方向)とよこ方向と
の強度差が小さいので好適に使用できる。
【0022】更には、繊維構成の異なる繊維ウエブを積
層しても良く、本発明においては、繊維ウエブの形成方
法、繊維の配向方向、繊維ウエブの繊維構成を適宜組み
合わせて繊維ウエブを形成することができる。
【0023】このようにして形成される繊維ウエブの目
付は、用途によって異なるが、衣料芯地用途に使用する
場合には、10〜60g/m2とするのが好ましい。10g/
m2未満では繊維ウエブのムラが著しくて、不織布形態を
なさず、60g/m2を越えると、柔軟性がなくなるためで
ある。より好ましくは15〜50g/m2、最も好ましくは
20〜40g/m2である。
【0024】なお、この繊維ウエブの取り扱い性を良く
するために、後の絡合処理に影響を与えない程度に、予
備処理として、ニードルパンチ処理や水流(水圧40kg
/cm2以下)などの絡合処理をしても良い。
【0025】その後、繊維ウエブに対して、針密度20
〜100本/cm2程度のニードルパンチ処理や、水流処
理などの絡合処理を施すことにより、セルロース繊維の
一部を分岐させると同時に絡合させて、本発明の絡合不
織布を得る。これらの中でも、水流処理は不織布表面の
平滑性に優れるため、好適な絡合方法である。以下、水
流処理をもとに説明する。
【0026】本発明の絡合不織布は、表裏面の分岐度合
に差を設けることにより、各種用途に適合できるため、
繊維ウエブの表裏面によって、水流処理条件を変える必
要がある。例えば、繊維ウエブの表裏面によって、水流
絡合処理に使用する支持体を変えたり、水を噴出するノ
ズル径を変えたり、ノズルピッチを変えたり、水の噴出
圧力を変えたり、水の噴出角度を変えたり、処理回数を
変えるなどの方法があり、これらの方法を、単独で或い
は組み合わせることにより、本発明の絡合不織布を得る
ことができる。これらの中でも、水の噴出圧力を変えた
り、処理回数を変える方法は、条件設定が簡便なため、
好適な処理方法である。
【0027】この水流処理に使用できる支持体として
は、金属やプラスチックなどからなるネットや多孔板な
どで良く、特に限定するものではないが、支持体がネッ
トからなる場合には、打込本数60〜150本/インチ
の平織ネットが好適であり、多孔板の場合には、孔間距
離0.15〜0.40mmのものが好適に使用できる。ま
た、水を噴出するノズル径は、0.05〜0.3mm、ノズ
ルピッチ0.2〜3.0mmが好ましい。
【0028】水の噴出圧力は50〜300kg/cm2であれ
ば、セルロース繊維の一部が分岐し、絡合しやすい。ま
た、噴出角度は繊維ウエブを乱さないように、繊維ウエ
ブに対して、45〜90゜の範囲内で設定することがで
きるが、90゜であれば、水による分岐及び絡合作用を
最も効率的に行なうことができる。
【0029】また、水流による処理回数も特に限定する
ものではなく、3〜10回程度で良い。なお、片面の分
岐及び絡合をほとんど必要としない場合には、片面のみ
を水流処理しても良い。
【0030】以上のような方法を適宜組み合わせ、水流
絡合処理して得られる絡合不織布の分岐度合の大きい面
におけるセルロースの分岐度合が、分岐度合の小さい面
における、セルロースの分岐度合の2倍以上であること
が好ましい。2倍未満であると、絡合不織布の表裏面に
差がなく、各種用途に適合させることが困難なためであ
る。例えば、衣料芯地用途の場合には、分岐度合の高い
面で耐磨耗性を付与し、分岐度合の低い面で張りや反撥
性を付与できなくなるためである。より好ましくは2.
5倍以上、最も好ましくは3倍以上である。
【0031】なお、本発明における分岐度合とは、セル
ロース繊維50μmあたりにおける、分岐したフィブリ
ルの分岐箇所の数をいう。この分岐したフィブリルの本
数は、絡合不織布の電子顕微鏡写真から数えることがで
きる。
【0032】本発明の絡合不織布の分岐度合の大きい面
における、セルロース繊維が、3〜60本/50μmの
分岐したフィブリルを有しているのが好ましい。3本/
50μm未満であると、セルロース繊維を使用している
にも関わらず、絡合が弱く、耐磨耗性がないためであ
り、60本/50μmを越えると、繊維が分岐し、フィ
ブリル化しすぎて、反撥性が悪くなるためである。より
好ましくは、5〜50本/50μmであり、最も好まし
くは、10〜45本/50μmである。
【0033】また、分岐度合の大きい面における、セル
ロース繊維から分岐したフィブリルの直径は0.2〜2
μmであるのが好ましい。0.2μm未満であると、分岐
し、絡合していても、フィブリルが破断しやすいため強
度がなく、2μmを越えると、絡みが弱くなるためであ
る。より好ましくは、0.3〜1.5μmであり、最も好
ましくは、0.5〜1.2μmである。なお、このセルロ
ース繊維から分岐したフィブリルの直径も、電子顕微鏡
写真から測定できる。
【0034】なお、このセルロース繊維から分岐したフ
ィブリルの断面形状が円形でない場合には、フィブリル
の断面において、最も長い部分の長さと最も短い部分の
長さの平均値をいう。例えば、フィブリルの断面形状が
楕円形状の場合、長軸と短軸の平均値をフィブリルの直
径という。
【0035】以上のようにして得られる絡合不織布は、
前述のように、フィルタ用途、ワイパー用途、衣料芯地
用途以外にも、合成皮革用途、補強材用途などの各種用
途に使用することができる。なお、各種用途に使用する
場合、絡合不織布単独で使用する必要はなく、他の素材
と接着するために接着樹脂を付着したり、フィルムをコ
ーティングするなど、様々な後加工を施しても良い。以
下に、本発明の絡合不織布を接着芯地用途に使用する場
合について説明する。
【0036】本発明の絡合不織布の少なくとも片面に接
着樹脂を付着させて、接着芯地を得る場合には、分岐度
合の大きい面、分岐度合の小さい面のどちらに接着樹脂
を付着させても構わない。なお、接着芯地を表地に接着
する際に、逆しみが生じないように、接着芯地を接着す
る温度では実質的に溶融しない樹脂(以下、「非溶融樹
脂」ということがある)を予め付着させておいて、その
非溶融樹脂上に接着樹脂を付着させるのがより好まし
い。
【0037】この接着樹脂としては、例えば、ポリエチ
レン系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステ
ル系のものなどを使用でき、これらの中でも、ポリアミ
ド系接着樹脂は各種表地との接着性に優れているため、
好適に使用できる。他方、非溶融樹脂としては、例え
ば、自己架橋型アクリル酸エステル樹脂、架橋型ポリウ
レタン樹脂、架橋型シリコーン樹脂、架橋型ニトリルゴ
ムなどの合成樹脂及びこれらの変性物を使用でき、これ
らの中でも、自己架橋型アクリル酸エステル樹脂は柔軟
性に優れているため好適に使用できる。
【0038】このような接着樹脂や非溶融樹脂は、例え
ば、ペースト状にした後、スクリーンやグラビアロール
などを利用して付着させることができる。なお、このよ
うにして付着した樹脂の形状は、特に限定するものでは
ないが、接着芯地の接着性及び柔軟性を損わないよう
に、絡合不織布の表面積(絡合不織布表面が平滑とみな
す)に対して、10〜150個/cm2、樹脂(非溶融樹
脂の場合には、接着樹脂も含む)の総重量が4〜40g/
m2であるのが好ましい。
【0039】なお、非溶融樹脂を付着させた場合には、
非溶融樹脂を付着させるスクリーンやグラビアロールと
同調させて、非溶融樹脂上に接着樹脂を付着させたり、
非溶融樹脂上に、粉末状の接着樹脂を散布した後、空気
や、例えば、棒状の殴打物などの機械的手段により、余
剰の接着樹脂を除去し、接着樹脂を非溶融樹脂上のみに
付着させると、不測の接着が生じないので、より好まし
い接着樹脂の付着方法である。
【0040】以下に、本発明の実施例を示すが、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、分岐度合及び
分岐したフィブリルの直径は、2,000倍に拡大した
電子顕微鏡写真により測定した値であり、5箇所の平均
値を四捨五入した値である。
【0041】
【実施例】
(実施例1)セルロース繊維(繊度1.5デニール、繊
維長38mm、商標:テンセル、コートルズ社製)60重
量%と、ポリエチレンテレフタレート樹脂からなるポリ
エステル繊維(繊度1.2デニール、繊維長38mm)4
0重量%とを混綿し、カード法により得た一方向性の繊
維ウエブと、この一方向性の繊維ウエブをクロスレイヤ
ーにより繊維の配向方向を交差させた繊維ウエブとを3
0:70の重量比で積層し、目付27g/m2の積層繊維ウ
エブを得た。
【0042】この積層繊維ウエブを100メッシュの平
織ネット上に載置し、ノズル径0.13mm、ノズルピッ
チ0.6mm、噴出圧力60kg/cm2、噴出角度90゜で、
積層繊維ウエブの片面(A面)から1回処理し、噴出圧
力のみを80kg/cm2に変更して2回処理した後、積層繊
維ウエブの反対面(B面)を、噴出圧力のみを60kg/c
m2に変更して1回処理し、目付27g/m2、厚さ0.27m
mの絡合不織布を得た。この絡合不織布のA面(分割度
合の大きい面)の分岐度合は20本/50μm、分岐し
たフィブリルの直径0.5μmで、B面(分割度合の小さ
い面)の分岐度合は8本/50μm、分岐したフィブリ
ルの直径0.5μmであった。
【0043】この絡合不織布をシリコーン仕上げ処理し
た後、ドットが37個/cm2、直径0.7mmのランダム
パターンのスクリーンを使用して、融点105〜135
℃の熱接着性ポリアミド樹脂を含むペーストを、絡合不
織布のB面にドット状に付着させた後、110℃で1分
間熱処理し、接着樹脂量が10g/m2付着した接着芯地を
得た。
【0044】(実施例2)実施例1と同様にして得た積
層繊維ウエブを、噴出圧力60kg/cm2で1回処理し、噴
出圧力のみを80kg/cm2に変更して2回処理した後、積
層繊維ウエブの反対面(B面)を、噴出圧力のみを80
kg/cm2に変更して1回処理した以外は実施例1と同様に
して、目付27g/m2、厚さ0.26mmの絡合不織布を得
た。この絡合不織布のA面(分割度合の大きい面)の分
岐度合は24本/50μm、分岐したフィブリルの直径
0.5μmで、B面(分割度合の小さい面)の分岐度合は
11本/50μm、分岐したフィブリルの直径0.5μm
であった。その後、実施例1と同様にして、接着芯地を
得た。
【0045】(実施例3)実施例1と同様にして得た積
層繊維ウエブを、噴出圧力60kg/cm2で1回処理し、噴
出圧力のみを70kg/cm2に変更して2回処理した後、積
層繊維ウエブの反対面(B面)を、噴出圧力のみを60
kg/cm2に変更して1回処理した以外は実施例1と同様に
して、目付25g/m2、厚さ0.25mmの絡合不織布を得
た。この絡合不織布のA面(分割度合の大きい面)の分
岐度合は10本/50μm、分岐したフィブリルの直径
0.6μmで、B面(分割度合の小さい面)の分岐度合は
3本/50μm、分岐したフィブリルの直径0.6μmで
あった。その後、実施例1と同様にして、接着芯地を得
た。
【0046】(実施例4)セルロース繊維(繊度1.5
デニール、繊維長38mm、商標:テンセル、コートルズ
社製)80重量%と、ポリエチレンテレフタレート樹脂
からなるポリエステル繊維(繊度1.2デニール、繊維
長38mm)20重量%とを混綿し、カード法により得た
一方向性の繊維ウエブと、この一方向性の繊維ウエブを
クロスレイヤーにより繊維の配向方向を交差させた繊維
ウエブとを、30:70の重量比で積層し、目付35g/
m2の積層繊維ウエブを得た。
【0047】この積層繊維ウエブを噴出圧力60kg/cm2
で1回処理し、噴出圧力のみを120kg/cm2に変更して
3回処理した後、積層繊維ウエブの反対面(B面)を、
噴出圧力のみを80kg/cm2に変更して2回処理した以外
は実施例1と同様にして、目付35g/m2、厚さ0.40m
mの絡合不織布を得た。この絡合不織布のA面(分割度
合の大きい面)の分岐度合は45本/50μm、分岐し
たフィブリルの直径0.40μmで、B面(分割度合の小
さい面)の分岐度合は20本/50μm、分岐したフィ
ブリルの直径0.40μmであった。その後、実施例1と
同様にして、接着芯地を得た。
【0048】(実施例5)実施例4と同様にして得た積
層繊維ウエブを、噴出圧力60kg/cm2で1回処理し、噴
出圧力のみを160kg/cm2に変更して4回処理した後、
積層繊維ウエブの反対面(B面)を、噴出圧力のみを8
0kg/cm2に変更して2回処理した以外は実施例1と同様
にして、目付35g/m2、厚さ0.38mmの絡合不織布を
得た。この絡合不織布のA面(分割度合の大きい面)の
分岐度合は50本/50μm、分岐したフィブリルの直
径0.3μmで、B面(分割度合の小さい面)の分岐度合
は26本/50μm、分岐したフィブリルの直径0.3μ
mであった。その後、実施例1と同様にして、接着芯地
を得た。
【0049】(実施例6)実施例1と同様にして得た積
層繊維ウエブを、噴出圧力40kg/cm2で1回処理し、噴
出圧力のみを60kg/cm2に変更して4回処理した後、積
層繊維ウエブの反対面(B面)を、噴出圧力のみを50
kg/cm2に変更して2回処理した以外は実施例1と同様に
して、目付27g/m2、厚さ0.29mmの絡合不織布を得
た。この絡合不織布のA面(分割度合の大きい面)の分
岐度合は5本/50μm、分岐したフィブリルの直径1.
4μmで、B面(分割度合の小さい面)の分岐度合は1
本/50μm、分岐したフィブリルの直径1.8μmであ
った。その後、実施例1と同様にして、接着芯地を得
た。
【0050】(実施例7〜8)セルロース繊維の含有量
を40、80(順に、実施例7、8)重量%と変化させ
た(順に、ポリエステル繊維量が60、20重量%)以
外は、実施例1と同様にして、目付27g/m2の積層繊維
ウエブを得た。この積層繊維ウエブを実施例1と全く同
様にして、接着芯地を得た。これら絡合不織布の分岐度
合、及びフィブリルの直径は表1に示す通りであった。
【0051】
【表1】
【0052】(比較例1)セルロース繊維に代えてビス
コースレーヨン繊維を使用した以外は、実施例1と全く
同様にして、目付27g/m2、厚さ0.26mmの絡合不織
布を得た。この絡合不織布のビスコースレーヨン繊維は
分岐したフィブリルを形成していなかった。その後、実
施例1と同様にして、接着芯地を得た。
【0053】(比較例2)実施例1と同様にして得た積
層繊維ウエブを、噴出圧力30kg/cm2で1回処理し、噴
出圧力のみを40kg/cm2に変更して3回処理した後、積
層繊維ウエブの反対面(B面)を、噴出圧力のみを40
kg/cm2に変更して1回処理した以外は、実施例1と同様
にして、目付27g/m2、厚さ0.28mmの絡合不織布を
得た。この絡合不織布のいずれの面も分岐したフィブリ
ルを形成していなかった。その後、実施例1と同様にし
て、接着芯地を得た。
【0054】(比較例3)実施例1と同様にして得た積
層繊維ウエブを、噴出圧力20kg/cm2で1回処理した
後、積層繊維ウエブの反対面(B面)を、噴出圧力のみ
を80kg/cm2に変更して2回処理した後、更に積層繊維
ウエブのA面を、噴出圧力のみを80kg/cm2に変更して
2回処理した以外は、実施例1と同様にして目付27g/
m2、厚さ0.26mmの絡合不織布を得た。この絡合不織
布のA面、B面とも、分岐度合は26本/50μm、分
岐したフィブリルの直径0.5μmであった。その後、実
施例1と同様にして、接着芯地を得た。
【0055】(耐磨耗性試験)25×25(cm)に裁断
した、実施例1〜8及び比較例1〜3の接着芯地と表地
(トロピカル:ポリエステル/ウール=55/45)と
を、ローラー型プレス機により、温度140℃、圧力3
kg/cmで10秒間処理して、接着一体化した。この接着
一体化したものを、営業用パークレンドライクリーニン
グ機(サンヨー(株)製、パークドライクリーナー)で
予洗1分、本洗6分、脱水1分、乾燥20分の条件でド
ライクリーニングすることを3回繰り返した後、接着芯
地の表面状態を観察し、JIS規格L−1076に規定
する基準に従って評価した。この結果は表1に示す。
【0056】(反撥性試験)25×25(cm)に裁断さ
れた、実施例1〜8及び比較例1〜3の接着芯地と、表
地(トロピカル、ウール100%)とをローラー型プレ
ス機により、温度140℃、圧力3kg/cmで10秒間処
理して、接着一体化した。この接着一体化したものを、
チャック間1cmの純曲げ試験機(カトーテック(株)
製、KES−FB2)にセットし、曲率2.5cmまで曲
げ、その後、反対方向に曲率2.5cmまで曲げる。この
曲率0.5cmから1.5cmへの変化に対する、単位幅あた
りの曲げモーメントの変化により曲げ剛性を求める。な
お、この曲げ剛性も絡合不織布のたて方向とよこ方向に
ついて測定した。この結果も表1に示す。
【0057】
【発明の効果】本発明の絡合不織布は、溶剤抽出法によ
り得られたセルロース繊維を含む繊維ウエブからなり、
このセルロース繊維の一部が分岐して絡合しており、か
つ、この繊維ウエブの表裏面における分岐度合が異なる
ものである。特に、セルロース繊維の分岐度合の大きい
面が、分岐度合の小さい面の2倍以上の分岐度合を有し
ていると、表裏面の物性がより異なり、各種用途に適合
させることができる。
【0058】また、分岐度合の大きい面におけるセルロ
ース繊維が、3〜60本/50μmの分岐したフィブリ
ルを有していたり、分岐度合の大きい面における、セル
ロース繊維から分岐したフィブリルの直径が、0.2〜
2μmであると、溶剤抽出法により得られたセルロース
繊維の強度を低下させることなく、強度的に優れた絡合
不織布である。
【0059】更に、セルロース繊維が20〜90重量%
含まれていると、耐磨耗性及び反撥性に優れた絡合不織
布である。
【0060】本発明の接着芯地は、上記の絡合不織布の
少なくとも片面に、接着樹脂が付着しているため、耐磨
耗性及び反撥性に優れている。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤抽出法により得られたセルロース繊
    維を含む繊維ウエブからなり、該セルロース繊維の一部
    が分岐して絡合しており、かつ該繊維ウエブの表裏面に
    おける分岐度合が異なることを特徴とする絡合不織布。
  2. 【請求項2】 セルロース繊維の分岐度合の大きい面
    が、分岐度合の小さい面の2倍以上の分岐度合を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の絡合不織布。
  3. 【請求項3】 分岐度合の大きい面におけるセルロース
    繊維が、3〜60本/50μmの分岐したフィブリルを
    有することを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の
    絡合不織布。
  4. 【請求項4】 分岐度合の大きい面における、セルロー
    ス繊維から分岐したフィブリルの直径が、0.2〜2μm
    であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記
    載の絡合不織布。
  5. 【請求項5】 セルロース繊維が20〜90重量%含ま
    れていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに
    記載の絡合不織布。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の絡合不
    織布の少なくとも片面に、接着樹脂が付着していること
    を特徴とする接着芯地。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006291437A (ja) * 2005-03-16 2006-10-26 Mitsubishi Paper Mills Ltd ワイパー用不織布
JP4792391B2 (ja) * 2003-06-16 2011-10-12 ハックル−キンバリー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 改善された処理速度を有するエアレイド法
JP2016023373A (ja) * 2014-07-16 2016-02-08 旭化成せんい株式会社 清拭用不織布

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