JPH07278946A - 制電性ポリエステル繊維およびその製造方法 - Google Patents
制電性ポリエステル繊維およびその製造方法Info
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- JPH07278946A JPH07278946A JP6373294A JP6373294A JPH07278946A JP H07278946 A JPH07278946 A JP H07278946A JP 6373294 A JP6373294 A JP 6373294A JP 6373294 A JP6373294 A JP 6373294A JP H07278946 A JPH07278946 A JP H07278946A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 スルホン酸の金属化合物を含有するポリエー
テルエステルアミド系制電剤を含有するポリエステルか
らなり下記原糸物性(a) 〜(d) を満足する制電性繊維。 (a) 伸度(S) 25≦S≦40% (b) 収縮応力ピーク温度(T) T≧130℃ (c) ピーク収縮応力(G) G≦0.25g/D
(D:デニール[D]) (d) 比抵抗(R) 10×108 ≦R≦1
000×108 Ωcm 【効果】 熱処理後の制電性能の低下と、寸法安定性に
乏しいという従来技術の課題を克服し、制電性能が良好
で寸法安定性に優れた制電性ポリエステル繊維とその製
造方法を提供することができる。
テルエステルアミド系制電剤を含有するポリエステルか
らなり下記原糸物性(a) 〜(d) を満足する制電性繊維。 (a) 伸度(S) 25≦S≦40% (b) 収縮応力ピーク温度(T) T≧130℃ (c) ピーク収縮応力(G) G≦0.25g/D
(D:デニール[D]) (d) 比抵抗(R) 10×108 ≦R≦1
000×108 Ωcm 【効果】 熱処理後の制電性能の低下と、寸法安定性に
乏しいという従来技術の課題を克服し、制電性能が良好
で寸法安定性に優れた制電性ポリエステル繊維とその製
造方法を提供することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制電性を有するポリエス
テル繊維に関するものであり、更に詳しくはポリアルキ
レンテレフタレートを主成分とするポリマと特定組成の
ポリエーテルエステルアミド系制電剤からなる制電性ポ
リエステル繊維に関するものである。
テル繊維に関するものであり、更に詳しくはポリアルキ
レンテレフタレートを主成分とするポリマと特定組成の
ポリエーテルエステルアミド系制電剤からなる制電性ポ
リエステル繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】制電性を有するポリエステル繊維は電気
抵抗が低く、静電気を帯びにくいという利点を持ち、衣
料用に広く用いられている。しかしながら、従来の技術
では得られた原糸を熱処理すると極端に制電性能が低下
するうえ、寸法安定性に乏しいという欠点を有する。さ
らに、衣類においては静電気、まとわりつきが発生し、
伸び縮みの原因となっている。これを解決する為にこれ
までに種々の方法が提案されている。たとえば、特開昭
63−282311号公報ではアミノカルボン酸、また
はラクタムもしくはジアミンとジカルボン酸の塩、ポリ
(アルキレンオキシド)グリコールおよびジカルボン酸
から構成されるポリエーテルエステルアミドと、スルホ
ン酸の金属化合物を含有せしめて繊維を形成する方法が
提案されている。しかしながらこれらの方法では熱処理
後の制電性能の低下は防げたものの、寸法安定性に重大
な問題を残していた。特に従来二工程法で得られた制電
性繊維は熱処理後の寸法安定性に著しく乏しかった。こ
のように、原糸の段階で制電性能を有する原糸であって
も、熱処理した最終製品に制電性能と寸法安定性を同時
に満足しないのが実状である。
抵抗が低く、静電気を帯びにくいという利点を持ち、衣
料用に広く用いられている。しかしながら、従来の技術
では得られた原糸を熱処理すると極端に制電性能が低下
するうえ、寸法安定性に乏しいという欠点を有する。さ
らに、衣類においては静電気、まとわりつきが発生し、
伸び縮みの原因となっている。これを解決する為にこれ
までに種々の方法が提案されている。たとえば、特開昭
63−282311号公報ではアミノカルボン酸、また
はラクタムもしくはジアミンとジカルボン酸の塩、ポリ
(アルキレンオキシド)グリコールおよびジカルボン酸
から構成されるポリエーテルエステルアミドと、スルホ
ン酸の金属化合物を含有せしめて繊維を形成する方法が
提案されている。しかしながらこれらの方法では熱処理
後の制電性能の低下は防げたものの、寸法安定性に重大
な問題を残していた。特に従来二工程法で得られた制電
性繊維は熱処理後の寸法安定性に著しく乏しかった。こ
のように、原糸の段階で制電性能を有する原糸であって
も、熱処理した最終製品に制電性能と寸法安定性を同時
に満足しないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明では前記従来技
術の課題を克服し、制電性能が良好で寸法安定性に優れ
た制電性ポリエステル繊維を提供することにある。
術の課題を克服し、制電性能が良好で寸法安定性に優れ
た制電性ポリエステル繊維を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、(1) アミノカルボン酸、またはラクタムもしくはジ
アミンとジカルボン酸の塩、(2) ポリ(アルキレンオキ
シド)グリコール、および(3) ジカルボン酸から構成さ
れるポリエーテルエステルアミドでポリエーテルエステ
ル単位が30重量%以上、70重量%以下であるポリエ
ーテルエステルアミド100重量部と、スルホン酸の金
属化合物2重量部以上20重量部以下からなるポリエー
テルエステルアミド系制電剤をポリエステルに対し0.
2重量%以上、5重量%以下含有していると共に、原糸
物性が下記(a) 〜(d) を同時に満足することを特徴とす
る制電性ポリエステル繊維によって達成できる。 (a) 伸度(S) 25≦S≦40% (b) 収縮応力ピーク温度(T) T≧130℃ (c) ピーク収縮応力(G) G≦0.25g/D (d) 比抵抗(R) 10×108 ≦R≦1
000×108 Ωcm 本発明において、ポリエーテルエステルアミドの構成成
分である(1) アミノカルボン酸、またはラクタムもしく
はジアミンとジカルボン酸の塩としては、炭素数6以上
のアミノカルボン酸、またはラクタムもしくは炭素原子
数6以上のジアミンとジカルボン酸の塩が好ましく、よ
り好ましくはω−アミノカプリル酸、ω−アミノエナン
ト酸、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノベルコン酸、
ω−アミノカプロン酸、及び11−アミノウンデカン
酸、12−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸あ
るいはカプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラ
クタム及びラウロラクタムなどのラクタム及びヘキサメ
チレンジアミン−アジピン酸塩、ヘキサメチレンジアミ
ン−セバシン酸塩、及びヘキサメチレンジアミン−イソ
フタル酸などのジアミン−ジカルボン酸の塩が用いら
れ、その中でもカプロラクタム、1,2−アミノドデカ
ン酸、ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸塩が更に好
ましく用いられる。ポリエーテルエステルアミドの構成
成分である(2) ポリ(アルキレンオキシド)グリコール
としては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−プ
ロピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−プロピ
レンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキ
シド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グ
リコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブ
ロックまたはランダム共重合体などが好ましく用いられ
るが、これらの中でも、制電性が優れる点で、特にポリ
エチレングリコールが好ましく用いられる。ポリエーテ
ルエステルアミドの構成成分である(3) ジカルボン酸と
してはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタ
レン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジ
カルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジ
フェノキシエタンジカルボン酸及び5−スルホイソフタ
ル酸のごとき芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸及びジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸のご
とき脂環族ジカルボン酸、及びコハク酸、シュウ酸、ア
ジピン酸、セバシン酸およびドデカンジ酸(デカンジカ
ルボン酸)のごとき脂肪族カルボン酸などが挙げられ、
特にテレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、セバシン酸、アジピン酸およびドデ
カジン酸が重合性、色調及び物性の点から好ましく用い
られる。
は、(1) アミノカルボン酸、またはラクタムもしくはジ
アミンとジカルボン酸の塩、(2) ポリ(アルキレンオキ
シド)グリコール、および(3) ジカルボン酸から構成さ
れるポリエーテルエステルアミドでポリエーテルエステ
ル単位が30重量%以上、70重量%以下であるポリエ
ーテルエステルアミド100重量部と、スルホン酸の金
属化合物2重量部以上20重量部以下からなるポリエー
テルエステルアミド系制電剤をポリエステルに対し0.
2重量%以上、5重量%以下含有していると共に、原糸
物性が下記(a) 〜(d) を同時に満足することを特徴とす
る制電性ポリエステル繊維によって達成できる。 (a) 伸度(S) 25≦S≦40% (b) 収縮応力ピーク温度(T) T≧130℃ (c) ピーク収縮応力(G) G≦0.25g/D (d) 比抵抗(R) 10×108 ≦R≦1
000×108 Ωcm 本発明において、ポリエーテルエステルアミドの構成成
分である(1) アミノカルボン酸、またはラクタムもしく
はジアミンとジカルボン酸の塩としては、炭素数6以上
のアミノカルボン酸、またはラクタムもしくは炭素原子
数6以上のジアミンとジカルボン酸の塩が好ましく、よ
り好ましくはω−アミノカプリル酸、ω−アミノエナン
ト酸、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノベルコン酸、
ω−アミノカプロン酸、及び11−アミノウンデカン
酸、12−アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸あ
るいはカプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラ
クタム及びラウロラクタムなどのラクタム及びヘキサメ
チレンジアミン−アジピン酸塩、ヘキサメチレンジアミ
ン−セバシン酸塩、及びヘキサメチレンジアミン−イソ
フタル酸などのジアミン−ジカルボン酸の塩が用いら
れ、その中でもカプロラクタム、1,2−アミノドデカ
ン酸、ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸塩が更に好
ましく用いられる。ポリエーテルエステルアミドの構成
成分である(2) ポリ(アルキレンオキシド)グリコール
としては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−プ
ロピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−プロピ
レンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキ
シド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グ
リコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブ
ロックまたはランダム共重合体などが好ましく用いられ
るが、これらの中でも、制電性が優れる点で、特にポリ
エチレングリコールが好ましく用いられる。ポリエーテ
ルエステルアミドの構成成分である(3) ジカルボン酸と
してはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタ
レン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジ
カルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジ
フェノキシエタンジカルボン酸及び5−スルホイソフタ
ル酸のごとき芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸及びジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸のご
とき脂環族ジカルボン酸、及びコハク酸、シュウ酸、ア
ジピン酸、セバシン酸およびドデカンジ酸(デカンジカ
ルボン酸)のごとき脂肪族カルボン酸などが挙げられ、
特にテレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、セバシン酸、アジピン酸およびドデ
カジン酸が重合性、色調及び物性の点から好ましく用い
られる。
【0005】ポリ(アルキレンオキシド)グリコールと
ジカルボン酸は反応上は1:1のモル比で反応するが使
用するジカルボン酸の種類により通常仕込比を変えて供
給される。
ジカルボン酸は反応上は1:1のモル比で反応するが使
用するジカルボン酸の種類により通常仕込比を変えて供
給される。
【0006】本発明のポリエーテルエステルアミドの構
成単位でポリエーテルエステル単位は30重量%以上7
0重量%以下の範囲で用いられる。30重量%未満では
ポリエーテルエステルアミドの機械的性質が劣り製糸性
が悪い。70重量%を越える場合、得られる樹脂の制電
性が満足できるレベルにない。
成単位でポリエーテルエステル単位は30重量%以上7
0重量%以下の範囲で用いられる。30重量%未満では
ポリエーテルエステルアミドの機械的性質が劣り製糸性
が悪い。70重量%を越える場合、得られる樹脂の制電
性が満足できるレベルにない。
【0007】本発明におけるスルホン酸の金属塩化合物
とは、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼ
ンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸などのアルキ
ルベンゼンスルホン酸とナトリウム、カリウムなどのア
ルカリ金属から形成される塩や、アルキルスルホン酸と
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属から形成され
る塩であり、なかでもドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウムが特に好ましい。
とは、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼ
ンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸などのアルキ
ルベンゼンスルホン酸とナトリウム、カリウムなどのア
ルカリ金属から形成される塩や、アルキルスルホン酸と
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属から形成され
る塩であり、なかでもドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウムが特に好ましい。
【0008】該スルホン酸金属塩化合物のポリエーテル
エステルアミドへの配合量は、ポリエーテルエステルア
ミドが100重量部に対し2重量部以上、20重量部以
下であり、特に好ましくは3重量部以上10重量部以下
である。2重量部未満では得られる繊維の制電性能が不
十分であり、20重量部を越える場合は制電性能効果が
飽和するばかりでなく製糸性が不安定となり本発明の目
的を達成できない。尚、本発明においてポリエステルに
含有させるポリエーテルエステルアミド系制電剤には従
来公知の抗酸化剤、着色防止剤等が添加されても勿論良
い。
エステルアミドへの配合量は、ポリエーテルエステルア
ミドが100重量部に対し2重量部以上、20重量部以
下であり、特に好ましくは3重量部以上10重量部以下
である。2重量部未満では得られる繊維の制電性能が不
十分であり、20重量部を越える場合は制電性能効果が
飽和するばかりでなく製糸性が不安定となり本発明の目
的を達成できない。尚、本発明においてポリエステルに
含有させるポリエーテルエステルアミド系制電剤には従
来公知の抗酸化剤、着色防止剤等が添加されても勿論良
い。
【0009】本発明においてポリエステルに含有させる
ポリエーテルエステルアミド系制電剤の量はポリエステ
ルに対し0.2重量%以上、5重量%以下であり、特に
好ましくは0.3重量%以上、2重量%以下である。
0.2重量%未満では得られるポリエステル繊維の制電
性能が不十分であり、5重量%を越える場合は製糸時に
糸切れ等の製糸性不良の原因となり本発明の目的を達成
できない。
ポリエーテルエステルアミド系制電剤の量はポリエステ
ルに対し0.2重量%以上、5重量%以下であり、特に
好ましくは0.3重量%以上、2重量%以下である。
0.2重量%未満では得られるポリエステル繊維の制電
性能が不十分であり、5重量%を越える場合は製糸時に
糸切れ等の製糸性不良の原因となり本発明の目的を達成
できない。
【0010】本発明の基本となるポリエステルとしては
ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンフタレ
ート等が挙げられるが、中でも前者のテレフタル酸を主
たる酸成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール
成分、即ちエチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール及びヘキサメチレングリコールから選ばれた少なく
とも一種のグリコールを主たるグリコール成分とするポ
リエステルを対象とする。なお、このポリエステルはそ
のテレフタル酸成分を他の二官能性カルボン酸成分で置
き換えても良い。かかるカルボン酸としては、例えばイ
ソフタル酸、フタル酸、ジブロモテレフタル酸、ナフタ
リンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンカルボン酸、β−オキシエトキシ安息香酸の
如き二官能性芳香族カルボン酸、セバシン酸、アジピン
酸、シュウ酸の如き二官能性脂肪族カルボン酸等を挙げ
ることができる。また上記グリコール成分の一部を他の
グリコール成分で置き換えてもよく、かかるグリコール
成分としては例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビ
スフェノールS、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4
−(2−ハイドロキシエトキシ)エトキシ)フェニル]
プロパンの如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオールが挙
げられる。更に上述のポリエステルに必要に応じて他の
ポリマを小量ブレンド溶融したもの、ペンタエリスリト
ール、トリメチロールプロパン、トリメリット酸等の鎖
分岐剤を少割合使用したものであっても良い。このほか
本発明のポリエステルは通常のポリエステルと同様に酸
化チタン、カーボンブラック等の顔料の他、従来公知の
抗酸化剤、着色防止剤等が添加されても勿論良い。
ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンフタレ
ート等が挙げられるが、中でも前者のテレフタル酸を主
たる酸成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール
成分、即ちエチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール及びヘキサメチレングリコールから選ばれた少なく
とも一種のグリコールを主たるグリコール成分とするポ
リエステルを対象とする。なお、このポリエステルはそ
のテレフタル酸成分を他の二官能性カルボン酸成分で置
き換えても良い。かかるカルボン酸としては、例えばイ
ソフタル酸、フタル酸、ジブロモテレフタル酸、ナフタ
リンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンカルボン酸、β−オキシエトキシ安息香酸の
如き二官能性芳香族カルボン酸、セバシン酸、アジピン
酸、シュウ酸の如き二官能性脂肪族カルボン酸等を挙げ
ることができる。また上記グリコール成分の一部を他の
グリコール成分で置き換えてもよく、かかるグリコール
成分としては例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビ
スフェノールS、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4
−(2−ハイドロキシエトキシ)エトキシ)フェニル]
プロパンの如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオールが挙
げられる。更に上述のポリエステルに必要に応じて他の
ポリマを小量ブレンド溶融したもの、ペンタエリスリト
ール、トリメチロールプロパン、トリメリット酸等の鎖
分岐剤を少割合使用したものであっても良い。このほか
本発明のポリエステルは通常のポリエステルと同様に酸
化チタン、カーボンブラック等の顔料の他、従来公知の
抗酸化剤、着色防止剤等が添加されても勿論良い。
【0011】本発明においてポリエステルへのポリエー
テルエステルアミド系制電剤の含有形態は特に限定され
るものではない。形態としては、繊維軸に垂直な断面で
制電剤が均等に分散されているか、芯鞘複合糸において
は、その芯部に均一に分散されている事が好ましいが、
制電性繊維の糸断面を15%の水酸化ナトリウム溶液で
20分アルカリ処理した時、制電剤の抜けた穴の面積が
平均1000nm2 以上で、個数が1個/μ2 以上であ
る分散形態が特に好ましい。含有方法はポリエステルの
重合工程から紡糸口金まで、繊維となる工程の任意の段
階でよいが、特に紡糸前ポリエステルチップと制電剤チ
ップと均一にブレンドし、紡糸機内で溶融混合させる方
法が好ましい。
テルエステルアミド系制電剤の含有形態は特に限定され
るものではない。形態としては、繊維軸に垂直な断面で
制電剤が均等に分散されているか、芯鞘複合糸において
は、その芯部に均一に分散されている事が好ましいが、
制電性繊維の糸断面を15%の水酸化ナトリウム溶液で
20分アルカリ処理した時、制電剤の抜けた穴の面積が
平均1000nm2 以上で、個数が1個/μ2 以上であ
る分散形態が特に好ましい。含有方法はポリエステルの
重合工程から紡糸口金まで、繊維となる工程の任意の段
階でよいが、特に紡糸前ポリエステルチップと制電剤チ
ップと均一にブレンドし、紡糸機内で溶融混合させる方
法が好ましい。
【0012】本発明の制電性ポリエステル繊維はこの様
な組成のポリエステルからなり、且つ原糸物性が下記の
(a) 〜(d) を同時に満足する必要がある。 (a) 伸度(S) 25≦S≦40% (b) 収縮応力ピーク温度(T) T≧130℃ (c) ピーク収縮応力(G) G≦0.25g/D
(D:デニール[D]) (d) 比抵抗(R) 10×108 ≦R≦1
000×108 Ωcm 本発明の制電性ポリエステル繊維を構成するフィラメン
トの伸度(以下Sと称する)は25〜40%にする必要
があり、特に好ましくは30〜40%である。Sが25
%未満のものは、製織時の単糸切れ等が多発し製織性が
劣る上、製織後の風合いが硬い。逆にSが40%を越え
るものは織物にした際の寸法安定性が劣り本発明の目的
を達成できない。
な組成のポリエステルからなり、且つ原糸物性が下記の
(a) 〜(d) を同時に満足する必要がある。 (a) 伸度(S) 25≦S≦40% (b) 収縮応力ピーク温度(T) T≧130℃ (c) ピーク収縮応力(G) G≦0.25g/D
(D:デニール[D]) (d) 比抵抗(R) 10×108 ≦R≦1
000×108 Ωcm 本発明の制電性ポリエステル繊維を構成するフィラメン
トの伸度(以下Sと称する)は25〜40%にする必要
があり、特に好ましくは30〜40%である。Sが25
%未満のものは、製織時の単糸切れ等が多発し製織性が
劣る上、製織後の風合いが硬い。逆にSが40%を越え
るものは織物にした際の寸法安定性が劣り本発明の目的
を達成できない。
【0013】次に、収縮応力ピーク温度、ピーク収縮応
力(以下T、Gと称する)は後述の実施例1に記載の方
法で測定した下記に示す値であり、製織後の特性に大き
な影響を及ぼす。Tは130℃以上に、Gは0.25g
/D以下にする必要があり、その中でもTは135℃以
上、Gは0.24g/D以下が特に好ましい。Tが13
0℃未満では得られる織物の風合いが硬くなり、特にア
ルカリ処理を施した後の風合いがないことから裏地用途
に不向きなものとなる。Gが0.25g/Dを越えるも
のは寸法安定性が乏しく本発明の目的を達成できない。
力(以下T、Gと称する)は後述の実施例1に記載の方
法で測定した下記に示す値であり、製織後の特性に大き
な影響を及ぼす。Tは130℃以上に、Gは0.25g
/D以下にする必要があり、その中でもTは135℃以
上、Gは0.24g/D以下が特に好ましい。Tが13
0℃未満では得られる織物の風合いが硬くなり、特にア
ルカリ処理を施した後の風合いがないことから裏地用途
に不向きなものとなる。Gが0.25g/Dを越えるも
のは寸法安定性が乏しく本発明の目的を達成できない。
【0014】次に、比抵抗(以下Rと称する)は後述の
実施例に記載の方法で測定した下記に示す値であり。製
織後の制電性能に大きな影響を及ぼす。Rは10×10
8 Ωcm以上、1000×108 Ωcm以下が好まし
く、特に好ましくは600×108 Ωcm以下である。
Rが10×108 Ωcm未満では制電性ポリエステル繊
維中のポリエーテルエステルアミド系制電剤が局在化し
てしまい原糸の糸斑を生じ易いうえに、製織後アルカリ
処理を施す際に生機内での減量斑を生じ易く、アルカリ
減量後の品位を著しく低下させる。逆にRが1000×
108 Ωcmを越えるものは制電性能をほとんど示さず
本発明の目的を達成できない。
実施例に記載の方法で測定した下記に示す値であり。製
織後の制電性能に大きな影響を及ぼす。Rは10×10
8 Ωcm以上、1000×108 Ωcm以下が好まし
く、特に好ましくは600×108 Ωcm以下である。
Rが10×108 Ωcm未満では制電性ポリエステル繊
維中のポリエーテルエステルアミド系制電剤が局在化し
てしまい原糸の糸斑を生じ易いうえに、製織後アルカリ
処理を施す際に生機内での減量斑を生じ易く、アルカリ
減量後の品位を著しく低下させる。逆にRが1000×
108 Ωcmを越えるものは制電性能をほとんど示さず
本発明の目的を達成できない。
【0015】次に本発明の制電性ポリエステル繊維の製
造方法について図1によって記述する。本発明の制電性
ポリエステル繊維は前記特定組成のポリエステルを溶融
紡糸、冷却後、900m/分以上の速度でガラス転移点
±40℃に加熱した加熱引取ローラー3に引取り、その
後一旦巻取ること無く加熱引取ローラー3と、100℃
以上に加熱した加熱延伸ローラー4との間で延伸し、加
熱延伸ローラー4で熱処理する直接紡糸延伸法によって
得ることができ、生産性の点で好ましい。この場合、前
述した寸法安定性を得るためには、引取速度を900m
/分以上とするのが必要である。引取速度が900m/
分未満である時は、伸度Sが40%以上になり、またピ
ーク収縮応力Gが0.25g/Dを越えてしまい製織後
の寸法安定性が著しく低下し、両物性を同時に満足でき
ず本発明の目的を達成できない。すなわち、本発明の
(1) アミノカルボン酸、またはラクタム、もしくはジア
ミンとジカルボン酸の塩、(2) ポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコール、および(3) ジカルボン酸から構成され
るポリエーテルエステルアミドでポリエーテルエステル
単位が30重量%以上、70重量%以下であるポリエー
テルエステルアミド100重量部と、スルホン酸の金属
化合物2重量部以上20重量部以下からなるポリエーテ
ルエステルアミド系制電剤をポリエステルに対し0.2
重量%以上、5重量%以下の含有であることを特徴とす
る制電性ポリエステル繊維を、従来の二工程法でかつ引
取速度900m/分以上で製造すると、ピーク収縮応力
が0.25g/Dは越えてしまい寸法安定性の点で本発
明の目的を達成できない。
造方法について図1によって記述する。本発明の制電性
ポリエステル繊維は前記特定組成のポリエステルを溶融
紡糸、冷却後、900m/分以上の速度でガラス転移点
±40℃に加熱した加熱引取ローラー3に引取り、その
後一旦巻取ること無く加熱引取ローラー3と、100℃
以上に加熱した加熱延伸ローラー4との間で延伸し、加
熱延伸ローラー4で熱処理する直接紡糸延伸法によって
得ることができ、生産性の点で好ましい。この場合、前
述した寸法安定性を得るためには、引取速度を900m
/分以上とするのが必要である。引取速度が900m/
分未満である時は、伸度Sが40%以上になり、またピ
ーク収縮応力Gが0.25g/Dを越えてしまい製織後
の寸法安定性が著しく低下し、両物性を同時に満足でき
ず本発明の目的を達成できない。すなわち、本発明の
(1) アミノカルボン酸、またはラクタム、もしくはジア
ミンとジカルボン酸の塩、(2) ポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコール、および(3) ジカルボン酸から構成され
るポリエーテルエステルアミドでポリエーテルエステル
単位が30重量%以上、70重量%以下であるポリエー
テルエステルアミド100重量部と、スルホン酸の金属
化合物2重量部以上20重量部以下からなるポリエーテ
ルエステルアミド系制電剤をポリエステルに対し0.2
重量%以上、5重量%以下の含有であることを特徴とす
る制電性ポリエステル繊維を、従来の二工程法でかつ引
取速度900m/分以上で製造すると、ピーク収縮応力
が0.25g/Dは越えてしまい寸法安定性の点で本発
明の目的を達成できない。
【0016】本発明において繊維とは長繊維と、それを
含む織編物等の繊維製品を指す。周知の如くポリエステ
ル繊維は風合い改良を目的としたアルカリ減量加工が施
される場合が多いが、本発明による繊維をアルカリ減量
加工を施しても制電性効果はほとんど性能が低下しない
うえに、寸法安定性も優れている。この点で本発明は従
来の発明では考えられなかった効果を著しく奏するので
ある。
含む織編物等の繊維製品を指す。周知の如くポリエステ
ル繊維は風合い改良を目的としたアルカリ減量加工が施
される場合が多いが、本発明による繊維をアルカリ減量
加工を施しても制電性効果はほとんど性能が低下しない
うえに、寸法安定性も優れている。この点で本発明は従
来の発明では考えられなかった効果を著しく奏するので
ある。
【0017】本発明の繊維は単一素材としてはもちろ
ん、他の異種繊維との組み合わせによる混紡糸、混繊
糸、加工糸、さらに異種繊維よりなる糸との混織物、混
繊物、多重構造織編物等にも優れた制電性効果を発揮す
る。
ん、他の異種繊維との組み合わせによる混紡糸、混繊
糸、加工糸、さらに異種繊維よりなる糸との混織物、混
繊物、多重構造織編物等にも優れた制電性効果を発揮す
る。
【0018】本発明の用途は、婦人ブラウス、婦人スカ
ート、カジュアルシャツ、ドレスシャツ、スラックス、
メンズフォーマルウエア、レデイスフォーマルウエア、
ニットウエア、スポーツウエア、コート、アウトウエア
一般、ベビーウエア、子供服全般、ワーキングウエア、
無塵衣、和装着物、和装裏地、和装肌着、エプロンやテ
ーブルクロス等の家庭用品、布団のシーツやパジャマ等
の寝具または寝衣、自動車用内装天井剤及び床材、イン
テリヤ用品、カーペット他産業用資材等に好適である。
ート、カジュアルシャツ、ドレスシャツ、スラックス、
メンズフォーマルウエア、レデイスフォーマルウエア、
ニットウエア、スポーツウエア、コート、アウトウエア
一般、ベビーウエア、子供服全般、ワーキングウエア、
無塵衣、和装着物、和装裏地、和装肌着、エプロンやテ
ーブルクロス等の家庭用品、布団のシーツやパジャマ等
の寝具または寝衣、自動車用内装天井剤及び床材、イン
テリヤ用品、カーペット他産業用資材等に好適である。
【0019】
【実施例】物性は次のようにして測定した。A.原糸の比抵抗測定 フィラメント糸を束ねて約2000デニールとし、弱ア
ニオン系洗剤を用い、十分に精錬して油剤などを除いた
後、20℃、43%RH(相対湿度)の状態で24時間
放置後、その両端の抵抗を測定する事によって比抵抗を
求めた。 ○:10×108 Ωcm≦R≦600×108 Ωcm △:600×108 Ωcm<R≦1000×108 Ωc
m ×:10×108 Ωcm>RまたはR>1000×10
8 Ωcm
ニオン系洗剤を用い、十分に精錬して油剤などを除いた
後、20℃、43%RH(相対湿度)の状態で24時間
放置後、その両端の抵抗を測定する事によって比抵抗を
求めた。 ○:10×108 Ωcm≦R≦600×108 Ωcm △:600×108 Ωcm<R≦1000×108 Ωc
m ×:10×108 Ωcm>RまたはR>1000×10
8 Ωcm
【0020】B.原糸の収縮応力測定 試長10cm(ループ実長20cm)を作り、測定把持
部に糸条を把持させ、昇温速度300℃/120se
c、初期荷重:デニール/30g/Dで行い、収縮応力
が一番高い温度を示す温度をTとし、その時の応力をG
とする。
部に糸条を把持させ、昇温速度300℃/120se
c、初期荷重:デニール/30g/Dで行い、収縮応力
が一番高い温度を示す温度をTとし、その時の応力をG
とする。
【0021】C.製糸性 ポリエステルポリマと制電剤の合計1000Kgを溶融
紡糸、冷却後、1000m/分以上の速度で加熱引取ロ
ーラーに引取り、その後一旦巻取ること無く加熱引取ロ
ーラーと加熱延伸ローラーとの間で延伸し、加熱延伸ロ
ーラーで熱処理する事によって得る際の糸切れ、及び単
糸切れ回数で測定した。○△が本発明の目標レベルであ
る。
紡糸、冷却後、1000m/分以上の速度で加熱引取ロ
ーラーに引取り、その後一旦巻取ること無く加熱引取ロ
ーラーと加熱延伸ローラーとの間で延伸し、加熱延伸ロ
ーラーで熱処理する事によって得る際の糸切れ、及び単
糸切れ回数で測定した。○△が本発明の目標レベルであ
る。
【0022】○:糸切れ、単糸切れ全くなし △:糸切れ、単糸切れ1回〜4回 ×:糸切れ、単糸切れ5回以上
【0023】D.寸法安定性 制電性ポリエステル原糸を打込幅92cm、織密度31
本/cmで打ち込み平織りの生機にした後、熱処理
((1) 100℃にて精錬(2) 135℃にて染色(3)16
0℃にてヒートセット)し、収縮率を測定した。○△が
本発明の目標レベルである。 ○:収縮率 7%未満 △:収縮率 7%以上8%未満 ×:収縮率 8%以上 尚、測定後の織布を用いて、官能試験により風合いの硬
さを調査した。
本/cmで打ち込み平織りの生機にした後、熱処理
((1) 100℃にて精錬(2) 135℃にて染色(3)16
0℃にてヒートセット)し、収縮率を測定した。○△が
本発明の目標レベルである。 ○:収縮率 7%未満 △:収縮率 7%以上8%未満 ×:収縮率 8%以上 尚、測定後の織布を用いて、官能試験により風合いの硬
さを調査した。
【0024】以下本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。なお、実施例中特別に記載のない限り百
分率は重量百分率、部は重量部を表す。
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。なお、実施例中特別に記載のない限り百
分率は重量百分率、部は重量部を表す。
【0025】実施例1 制電剤ポリマ組成を表1に示すように変更したポリエー
テルエステルアミド系制電剤チップを調整した。尚、調
整時には抗酸化剤として1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリ(3,5−ジ−tertブチル−4−ヒドロキ
シル)ベンゼンをポリエーテルエステルアミド100重
量部に対し5.5重量部添加した。ポリエーテルエステ
ルアミド系制電剤チップを80℃で6時間乾燥した後、
160℃で6時間真空乾燥したポリエチレンテレフタレ
ート(以下PETと略)チップとブレンドして、紡糸温
度290℃で溶融紡糸し、冷却後、1000m/分で9
0℃に加熱した加熱引取ローラーに引取り、その後一旦
巻取ることなく、加熱引取ローラーと130℃に加熱し
た加熱延伸ローラーとの間で3.6倍に延伸し、加熱延
伸ローラーで熱処理することによって75デニール36
フィラメントの延伸糸を得た。この原糸の製糸性、原糸
物性、寸法安定性を表1に示す。更に制電剤の分散状態
を調べるため前述した方法で制電剤の抜けた穴の平均の
面積及び個数を調べ結果を表1に示した。
テルエステルアミド系制電剤チップを調整した。尚、調
整時には抗酸化剤として1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリ(3,5−ジ−tertブチル−4−ヒドロキ
シル)ベンゼンをポリエーテルエステルアミド100重
量部に対し5.5重量部添加した。ポリエーテルエステ
ルアミド系制電剤チップを80℃で6時間乾燥した後、
160℃で6時間真空乾燥したポリエチレンテレフタレ
ート(以下PETと略)チップとブレンドして、紡糸温
度290℃で溶融紡糸し、冷却後、1000m/分で9
0℃に加熱した加熱引取ローラーに引取り、その後一旦
巻取ることなく、加熱引取ローラーと130℃に加熱し
た加熱延伸ローラーとの間で3.6倍に延伸し、加熱延
伸ローラーで熱処理することによって75デニール36
フィラメントの延伸糸を得た。この原糸の製糸性、原糸
物性、寸法安定性を表1に示す。更に制電剤の分散状態
を調べるため前述した方法で制電剤の抜けた穴の平均の
面積及び個数を調べ結果を表1に示した。
【0026】ラクタム…カプロラクタム PEG…ポリエチレングリコール DBS…ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム PET…ポリエチレンテレフタレート
【表1】 水準2〜5、8〜12、15〜19は本発明の目的を達
する。その他の水準は以下の理由で本発明の目的を達成
できない。水準1はポリエーテルエステルアミドの構成
単位でポリエーテルエステル単位が70重量%を越える
場合で制電性が満足できるレベルにない。水準6はポリ
エーテルエステルアミドの構成単位でポリエーテルエス
テル単位が30重量%未満の場合でポリエーテルエステ
ルアミドの機械的性質が劣り製糸性が悪い。水準7はス
ルホン酸金属塩化合物のポリエーテルエステルアミドへ
の配合量が2重量部未満であり繊維の制電性能が不十分
である。水準13はスルホン酸金属塩化合物のポリエー
テルエステルアミドへの配合量が20重量部を越え製糸
性が不安定となる。水準14はポリエーテルエステルア
ミド系制電剤の量が0.2重量%未満であり制電性能が
不十分である。水準20はポリエーテルエステルアミド
系制電剤の量が5重量%を越え製糸性が不安定となる。
する。その他の水準は以下の理由で本発明の目的を達成
できない。水準1はポリエーテルエステルアミドの構成
単位でポリエーテルエステル単位が70重量%を越える
場合で制電性が満足できるレベルにない。水準6はポリ
エーテルエステルアミドの構成単位でポリエーテルエス
テル単位が30重量%未満の場合でポリエーテルエステ
ルアミドの機械的性質が劣り製糸性が悪い。水準7はス
ルホン酸金属塩化合物のポリエーテルエステルアミドへ
の配合量が2重量部未満であり繊維の制電性能が不十分
である。水準13はスルホン酸金属塩化合物のポリエー
テルエステルアミドへの配合量が20重量部を越え製糸
性が不安定となる。水準14はポリエーテルエステルア
ミド系制電剤の量が0.2重量%未満であり制電性能が
不十分である。水準20はポリエーテルエステルアミド
系制電剤の量が5重量%を越え製糸性が不安定となる。
【0027】実施例2 実施例1の水準15のポリエーテルアミド系制電剤チッ
プ0.5重量部とPETを99.5重量部の割合でブレ
ンドし、紡糸温度287℃で溶融紡糸、冷却後、700
〜2500m/分の速度で90℃に加熱した加熱引取ロ
ーラーに引取り、その後一旦巻取ること無く加熱引取ロ
ーラーと130℃に加熱した加熱延伸ローラーとの間で
延伸し、加熱延伸ローラーで熱処理する事によって50
デニール24フィラメントの延伸糸を得た。この原糸の
原糸物性、製糸性、寸法安定性を表2に示す。
プ0.5重量部とPETを99.5重量部の割合でブレ
ンドし、紡糸温度287℃で溶融紡糸、冷却後、700
〜2500m/分の速度で90℃に加熱した加熱引取ロ
ーラーに引取り、その後一旦巻取ること無く加熱引取ロ
ーラーと130℃に加熱した加熱延伸ローラーとの間で
延伸し、加熱延伸ローラーで熱処理する事によって50
デニール24フィラメントの延伸糸を得た。この原糸の
原糸物性、製糸性、寸法安定性を表2に示す。
【0028】
【表2】 水準23〜26は本発明の目的を達成する。水準21は
紡糸速度が900m/分未満でありピーク収縮応力Gが
大きく寸法安定性が悪く、本発明の目的を達成できな
い。水準22は紡糸速度が900m/分未満であり伸度
Sが大きく寸法安定性が悪く、本発明の目的を達成でき
ない。尚、いずれの水準においても風合いに関しては硬
さがなく良好である。
紡糸速度が900m/分未満でありピーク収縮応力Gが
大きく寸法安定性が悪く、本発明の目的を達成できな
い。水準22は紡糸速度が900m/分未満であり伸度
Sが大きく寸法安定性が悪く、本発明の目的を達成でき
ない。尚、いずれの水準においても風合いに関しては硬
さがなく良好である。
【0029】
【発明の効果】熱処理後の制電性能の低下と、寸法安定
性に乏しいという従来技術の課題を克服し、制電性能が
良好で寸法安定性に優れた制電性ポリエステル繊維とそ
の製造方法を提供することができる。
性に乏しいという従来技術の課題を克服し、制電性能が
良好で寸法安定性に優れた制電性ポリエステル繊維とそ
の製造方法を提供することができる。
【図1】本発明の製造方法の具体例を示す図面である。
1:紡糸パック 2:油剤付与装置 3:加熱引取ローラー 4:加熱延伸ローラー 5:巻取機
Claims (2)
- 【請求項1】(1) アミノカルボン酸、またはラクタム、
もしくはジアミンとジカルボン酸の塩、(2) ポリ(アル
キレンオキシド)グリコール、および(3) ジカルボン酸
から構成されるポリエーテルエステルアミドでポリエー
テルエステル単位が30重量%以上、70重量%以下で
あるポリエーテルエステルアミド100重量部と、スル
ホン酸の金属化合物2重量部以上20重量部以下からな
るポリエーテルエステルアミド系制電剤をポリエステル
に対し0.2重量%以上、5重量%以下含有していると
共に、原糸物性が下記(a) 〜(d) を同時に満足すること
を特徴とする制電性ポリエステル繊維。 (a) 伸度(S) 25≦S≦40% (b) 収縮応力ピーク温度(T) T≧130℃ (c) ピーク収縮応力(G) G≦0.25g/D
(D:デニール[D]) (d) 比抵抗(R) 10×108 ≦R≦1
000×108 Ωcm - 【請求項2】(1) アミノカルボン酸、またはラクタム、
もしくはジアミンとジカルボン酸の塩、(2) ポリ(アル
キレンオキシド)グリコール、および(3) ジカルボン酸
から構成されるポリエーテルエステルアミドでポリエー
テルエステル単位が30重量%以上、70重量%以下で
あるポリエーテルエステルアミド100重量部と、スル
ホン酸の金属化合物2重量以上20重量部以下からなる
ポリエーテルエステルアミド系制電剤をポリエステルに
対し0.2重量%以上、5重量%以下含有したポリエス
テルを溶融紡糸するに際し紡糸、冷却後、900m/分
以上の速度で加熱引取ローラーに引取り、その後一旦巻
き取ること無く加熱巻取ローラーと加熱延伸ローラーと
の間で延伸し、加熱延伸ローラーで熱処理することを特
徴とする制電性ポリエステル繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6373294A JP2906989B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 制電性ポリエステル繊維およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6373294A JP2906989B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 制電性ポリエステル繊維およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278946A true JPH07278946A (ja) | 1995-10-24 |
JP2906989B2 JP2906989B2 (ja) | 1999-06-21 |
Family
ID=13237877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6373294A Expired - Fee Related JP2906989B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 制電性ポリエステル繊維およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2906989B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6319606B1 (en) | 1998-06-18 | 2001-11-20 | Thomas Josef Heimbach Gesellschaft Mit Beschrankter Haftung & Co. | Monofilament, and papermaking fabric manufactured therewith |
JP2006274473A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Toray Ind Inc | 混繊複合繊維およびその繊維を用いてなる織編物 |
JP2012112071A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Toray Ind Inc | 織編物およびその製造方法 |
CN103710789A (zh) * | 2013-11-27 | 2014-04-09 | 江苏中新资源集团有限公司 | 一种抗静电面料及其制备方法 |
CN115613154A (zh) * | 2022-11-15 | 2023-01-17 | 浙江恒百华化纤有限公司 | 一种三维超亮光dty纤维及其生产工艺 |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP6373294A patent/JP2906989B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6319606B1 (en) | 1998-06-18 | 2001-11-20 | Thomas Josef Heimbach Gesellschaft Mit Beschrankter Haftung & Co. | Monofilament, and papermaking fabric manufactured therewith |
JP2006274473A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Toray Ind Inc | 混繊複合繊維およびその繊維を用いてなる織編物 |
JP2012112071A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Toray Ind Inc | 織編物およびその製造方法 |
CN103710789A (zh) * | 2013-11-27 | 2014-04-09 | 江苏中新资源集团有限公司 | 一种抗静电面料及其制备方法 |
CN115613154A (zh) * | 2022-11-15 | 2023-01-17 | 浙江恒百华化纤有限公司 | 一种三维超亮光dty纤维及其生产工艺 |
CN115613154B (zh) * | 2022-11-15 | 2024-06-07 | 浙江恒百华化纤有限公司 | 一种三维超亮光dty纤维及其生产工艺 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2906989B2 (ja) | 1999-06-21 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |