JPH0727859U - プリンタ - Google Patents

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JPH0727859U
JPH0727859U JP6311693U JP6311693U JPH0727859U JP H0727859 U JPH0727859 U JP H0727859U JP 6311693 U JP6311693 U JP 6311693U JP 6311693 U JP6311693 U JP 6311693U JP H0727859 U JPH0727859 U JP H0727859U
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JP6311693U
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Inventor
清 根岸
克己 河村
克佳 鈴木
洋 織田
実 鈴木
Original Assignee
旭光学工業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内蔵電池を電源とするプリンタにおいて、電
池の残量を容易に知ることのできるプリンタを提供する
こと。 【構成】 電池の電圧を検知する手段を設け、記録紙の
所定の領域に、電圧に応じて位置を変えて所定の記号を
印字するように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、内蔵電源により駆動可能なプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの小型化が進み、ノートタイプの携帯可能なコンピュータ が一般の使用に供されている。このような、コンピュータの小型化に伴い、コン ピュータのデータを印字するためのプリンタも小型化が進んでいる。携帯型のコ ンピュータおよびコンピュータと共に用いられる携帯型プリンタは、家庭用のA C電源などが無くとも使用できるよう、一般に電池を内蔵している。電池として は、充電可能なニッケル−カドミウム電池が一般によく用いられている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ニッケル−カドミウム電池は、フル充電されている状態では電圧が高く、使用 するにつれて次第に電圧が低くなるという特性を有している。しかも、初めは使 用量に対する電圧の降下は緩やかであるが、ある点までいくと(残量すなわち使 用可能な電池の残容量が少なくなると)急激に電圧が降下し、駆動のための電圧 が得られなくなる。このため、内蔵電池の残量をモニタできるようなプリンタが 従来より望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上記の事情に鑑み、内蔵電池の残量を印刷可能なプリンタを提供す ることを目的としている。
【0005】 このため、本考案のプリンタは、電池と、前記電池により駆動される印字手段 と、前記電池の残容量を検知する検知手段と、前記検知手段により検知された前 記電池の残容量に対応する情報を印字する第2印字手段と、を有する構成となっ ている。
【0006】 また、前記電池としてはニッケル−カドミウム電池を使用し、前記検知手段は 、前記電池の電圧を検知する電圧検知手段を有する構成とすることが可能である 。 さらに、前記第2印字手段は、記録用紙の所定領域に前記電池の残容量に関す る情報を印字するよう構成することができる。そして、前記所定領域内での印字 位置により前記電池の残容量に関する情報を示すことが可能である。
【0007】
【実施例】
以下、図面に基づき本考案の一実施例としてのサーマルラインプリンタについ て詳細に説明する。
【0008】 このサーマルラインプリンタ10は、この一実施例においては、A5サイズの 感熱紙からなる用紙P上に、図示しない例えばパーソナルコンピュータからのプ リント情報に基づき、後述するサーマルラインヘッド154を有するサーマルラ インプリント機構60を用いて、高速度で画像形成(プリント動作)する事が出 来ると共に、例えば、携帯型のパーソナルコンピュータに帯同可能な様に、即ち 、携帯可能な程度に小型に構成されている。
【0009】 このサーマルラインプリンタ10は、図1に示すような横置き状態での使用と 、図2に示すような縦置き状態での使用を選択することが出来る様に構成されて いる。また、このサーマルラインサーマルラインプリンタ10は、後述する電池 室62内に収納された充電可能なニッケル−カドミウム電池64によりサーマル ラインプリント機構60は駆動される様に構成されている。尚、この一実施例に おいては、サーマルラインプリント機構60は、AC電源を図示しないAC/D Cコンバータを用いて変換したDC電圧により、駆動され得る様にも構成されて いる。ここで、DC電圧が印加された状態で駆動されていない場合には、上述し たニッケル−カドミウム電池64は充電される様に設定されている。
【0010】 詳細には、このサーマルラインプリンタ10は、略直方体状のハウジング12 を備え、このハウジング12は上ハウジング部14と下ハウジング部16とから 構成されている。尚、これら上ハウジング部14と下ハウジング16とは、図示 しないビスにより互いに着脱可能に固着されている。
【0011】 ここで、ハウジング12の上半分を構成する上ハウジング部14の前方部の略 中央部には、これの上面14a及び前面14bに渡り、後述するニッケル−カド ミウム電池64が収納される電池室62を覆う電池蓋18が取り外し自在に取り 付けられている。また、この上ハウジング部14の上面14aの後方には、幅方 向の略全長に渡り、図1に示す様に横置き状態で使用される際に用紙Pが縦長状 態でハウジング12内に挿入される第1の用紙挿入溝20が形成されている。ま た、上ハウジング部14の上面14aの略中央部には、幅方向の略全長に渡り、 プリント済の用紙Pがハウジング12内から排出される用紙排出溝22が形成さ れている。また、上ハウジング部14の後面14cには、幅方向の略全長に渡り 、図2に示す様に、縦置き状態で使用される際に用紙Pが縦長状態で挿入される 第2の用紙挿入溝24が形成されている。ここで、横置き状態を示す図1におけ る上ハウジング14の後面14cは、縦置き状態を示す図2における上ハウジン グ14の上面を構成している。 尚、これら第1及び第2の用紙挿入溝20,24と用紙排出溝22とは、A5 サイズの用紙Pが縦長状態で挿入されるに適切な長さ、即ち、A5サイズの短辺 の長さより僅かに長い長さを有する様に夫々形成されている。
【0012】 また、上ハウジング部14の上面14aの前方右側には、パワー釦26が押し 込み自在に取り付けられており、このパワー釦26を押し込み駆動する事により 、後述するパワースイッチ28(図3に示す)がオンし、駆動系88及びサーマ ルラインプリント機構60が駆動可能状態になされる様に構成されている。尚、 このパワースイッチ28がオンする事により、上ハウジング部14の上面14a の前方左側に配設されたパワー(POW/CHRG)ランプ30が点灯する様に なされている。ここで、このパワーランプ30は、電池室62内に収納されたニ ッケル−カドミウム電池64の残量が所定量よりも減じた場合に、点滅される様 に設定されている。
【0013】 一方、上ハウジング部14の上面14aの左側には、オンライン(ONLIN E)釦32、モード設定(MODE)釦34、強制送り(FEED)釦36が並 設されている。ここで、オンライン釦32はこれを押し込み駆動する毎に、図示 しないオンラインスイッチがオンライン(接続)状態とオフライン(断絶)状態 とで順次切替えられる様に設定されている。尚、上ハウジング部14の上面14 aの前方左側に配設されたオンライン(ONLINE)ランプ38は、オンライ ン状態が設定される事により点灯し、オフライン状態が設定される事により消灯 する様に設定されている。
【0014】 また、モード設定釦34は、これを押し込み駆動する毎に、図示しないフォン ト切替えスイッチが、プリント動作に用いられる文字フォントとして明朝体を選 択する状態とゴシック体を選択する状態とで順次切替えられるように設定されて いる。尚、上ハウジング部14の上面14aの前方左側に配設されたフォント( ゴシック)ランプ40は、ゴシックフォントが選択される事により点灯し、明朝 体フォントが選択される事により消灯する様に設定されている。
【0015】 更に、強制送り釦36は、これを押し込み駆動している間だけ図示しない駆動 スイッチをオンして、後述する駆動系88において、フィードローラ84及びプ ラテンローラ86を強制的に回転駆動して、用紙Pを強制的に搬送(排出)する ことが出来る様に設定されている。また、上ハウジング部14の上面14aの前 方左側には、紙なし表示(P.E.)ランプ42が配設され、これは後述する用 紙搬送路から用紙Pが排出された際に点灯され、第1及び第2の用紙挿入溝20 ,24から同時に用紙Pが挿入された異常状態が発生した際に点滅される様に設 定されている。 尚、これら4種類のランプ30,38,40,42は、夫々この一実施例にお いてはLED(Light Emitting Device) から構成されている。
【0016】 一方、上ハウジング部14の右側部の中央より後方よりの部位には、これの上 面14a及び右側面14dに渡り凹部44が形成されており、この凹部44内に は、後述するサーマルラインヘッド154とプラテンローラ86との圧接状態を 解除する為のリリースレバー46がハウジング12の長手方向に沿って延出した 軸線回りに揺動自在に配設されている。このリリースレバー46は、図1に示す 状態で、サーマルラインヘッド154とプラテンローラ86との圧接状態を許容 し、図1において図示する状態から時計方向に揺動する事により、サーマルライ ンヘッド154とプラテンローラ86との圧接状態を強制的に解除して、両者の 間に挟持された用紙Pが容易に取り出される事を許容する様に設定されている。
【0017】 また、図1及び図2に示す様に、上ハウジング部14の後方部の略中央部には 、これの上面14a及び後面14cに渡り、裏蓋48が揺動自在に軸支されてい る。この裏蓋48を上方に揺動する事により、ハウジング12内の後方の中央部 (即ち、後述するスライドプレス部材192が配設される配設空間SP)が開放 される事になる。そして、このようにハウジング12の後方部の略中央部が開放 される事により、横置き状態において第1の用紙挿入溝20から挿入されてきた 用紙Pをフィードローラ84に接触させる為のスライドプレス部材192をハウ ジング12に対して着脱(交換)することが出来る事になる。
【0018】 ここで、図1に示す様に、ハウジング12を下半分を構成する下ハウジング部 16の右側面16aの前方部には、図示しないパーソナルコンピュータ等の外部 機器にオンライン接続する為の接続コネクタ50が、また、後方部には、図示し ないAC/DCコンバータに接続する為の電源コネクタ52が夫々配設されてい る。また、図2に示す様に、下ハウジング部16の左側面16bには、プリント 濃度を調整する為の濃度調整ダイヤル54が横置き状態で垂直軸線回りに回動自 在に配設されている。この濃度調整ダイヤル54を適宜回転する事により、後述 するサーマルラインヘッド154の発熱量を調整し、用紙P上のプリント濃度を 所望の濃度に設定することが出来る事になる。
【0019】 尚、図2に示す様に、裏蓋48の両側に位置する上ハウジング14の上面14 aには、コ字状に形成された用紙ガイド56の両端が夫々挿入される挿入孔58 が形成されている。この用紙ガイド56は、図1に示す様に、横置き状態におい て挿入孔58に挿入して使用されるもので、図2に示す縦置き状態においては、 下ハウジング部16の底面に形成された図示しない保持溝内に収納・保持されて いる。
【0020】 次に、ハウジング12内に配設されたサーマルラインプリント機構60の構成 を、図3以降の図面を参照して、詳細に説明する。 図3は電池蓋18を取り外し、上ハウジング部14を取り除いた状態でのハウ ジング12内の構成を示す上面図であり、図4は図3におけるA−A断面を示し ている。これら図3及び図4に示す様に、ハウジング12内の前方の略中央部に は、電池室62が配設されており、この電池室62内には、上述した電池蓋18 を開放する事により、ニッケル−カドミウム電池64が交換可能に装填される様 になされている。この電池室62の図中右方には、上述したパワー釦26により オン−オフ動作されるパワースイッチ28が配設されている。
【0021】 尚、これらパワー釦26とパワースイッチ28との位置関係は、図4から明ら かな様に、パワースイッチ28のアクチュエータ28aは、パワー釦26の中心 軸線から側方にオフセットされた状態になされている。このオフセットは、パワ ー釦26を常時上方に付勢する為のスプリング66の下部受け面として、パワー スイッチ28のスイッチ本体28bの上面を利用する為に設定されている。
【0022】 また、このパワースイッチ28は、図5に示す様に、制御基板68上に固着さ れている。この制御基板68は、ハウジング12の下ハウジング部16の底面上 に図示しないビスを介して固設されている。ここで、この制御基板68には、上 述した接続コネクタ50及び電源コネクタ52が固着されている。尚、この制御 基板68上には、全体制御を司るマイコン70と、制御プログラムや初期値等が 記憶されたEPROM72と、例えばプリント情報をビットマップ上に展開する 為のDRAM74と、ゴシックフォントが記憶された第1のフォントROM76 と、明朝体フォントが記憶された第2のフォントROM78等が取り付けられて いる。尚、この制御基板68には、後述するヘッドサポート156を上方に付勢 して、このヘッドサポート156に支持されるサーマルラインヘッド154をプ ラテンローラ86に圧接させる為の一対のコイルスプリング182が貫通される 為の一対の開口80が形成されている。
【0023】 ここで、図3及び図4に示す様に、電池室62の図中左方には、上述した4個 のLED30,38,40,42が実装されるLED基板82が取り付けられて いる。 一方、電池室62の後方には、フィードローラ84やプラテンローラ86を回 転自在に支持すると共に、これらフィードローラ84やプラテンローラ86を回 転駆動する為の駆動系88が取り付けられるフレーム90が配設されている。こ のフレーム90は、この一実施例においては3本のビス92(図3及び図11に 示す。)を介して、上ハウジング部14の下面に下方から固着されている。
【0024】 このフレーム90は、図6乃至図10に示す様に、上述したビス92が夫々挿 通される3箇所の取り付けボス94a,94b,94cが一体的に形成された略 平板状のフレーム本体96と、このフレーム本体96の左端部に起立した状態で 一体的に形成された左側板98と、このフレーム本体96の右端部に起立した状 態で一体的に形成された右側板100とを概略備えて構成されている。ここで、 フレーム本体96は、これの下方に配設されるアンダーガイド184(後述する )との間に、第1または第2の用紙挿入溝20,24から挿入されてきた用紙P を案内・搬送する為の共通用紙搬送路F0 を規定している。また、左側板98は 、後述する駆動系88の取り付け基板として機能し、左右の両側板98,100 は、ヘッドサポート156を回動自在に軸支する基台として機能している。
【0025】 一方、図6に示す様に、フレーム本体96の前方には、プラテンローラ86が 収納・配設される為の空間102を隔てた状態で、プリント動作が終了した用紙 Pを用紙排出溝22までガイドする為の排出ガイド部104が、両側板98,1 00間に掛け渡された状態で一体的に備えられている。この排出ガイド部104 は、図9及び図10に示す様に、プラテンローラ86の外周に対向する様に、断 面円弧状に形成され、両者の間で規定される円弧状の用紙排出路Fd の終端は、 用紙排出溝22に開口している。
【0026】 また、図10に示す様に、フレーム本体96の後部96aは上方に向けて緩や かに折曲されている。一方、このフレーム本体96の直後方には、略L字状の挿 入ガイド部106が、両側板98,100間に掛け渡された状態で一体的に備え ている。この挿入ガイド部106は、図11に示す様に、上述したフレーム本体 96の緩やかに折曲された後部96aとの間に、横置き状態で第1の用紙挿入溝 20から挿入されてきた用紙Pを、上述した共通用紙搬送路F0 に向けて案内す る為の第1の用紙搬送路F1 を規定する縦部106aと、アンダーガイド184 との間に、縦置き状態で第2の用紙挿入溝24から挿入されてきた用紙Pを、上 述した共通搬送路F0 に向けて案内する為の第2の用紙搬送路F2 を規定する横 部106bと備えて一体的に形成されている。ここで、第1の用紙搬送路F1 の 基端部は、上述した第1の用紙挿入溝20に開口し、第2の用紙搬送路F2 の基 端部は、上述した第2の用紙挿入溝24に開口している。
【0027】 ここで、上述したフィードローラ84は、この一実施例においては、図1に示 す横置き状態で使用される際に、第1の用紙挿入溝20を介してハウジング12 内に挿入されてきた用紙Pを更に前方の共通用紙搬送路F0 に向けて(詳細には 、プラテンローラ86と後述するサーマルラインヘッド154との転接部に向け て)搬送する為と、図2に示す縦置き状態で使用される際に、第2の用紙挿入溝 24を介してハウジング12内に挿入されてきた用紙Pを更に前方の共通用紙搬 送路F0 に向けて搬送する為との、共通の搬送手段として配設されている。
【0028】 更に、再び図3に示す様に、フレーム本体96の前方には、上述した空間10 2内に位置した状態で、プラテンローラ86が回動可能に支持されている。この プラテンローラ86は、図12に取り出して示す様に、シャフト部108と、こ のシャフト部108の両端108a,108bを残して外周に同軸に取り付けら れたローラ本体110とを備えて構成されており、このローラ本体110は、こ の一実施例においては、ウレタンフォームから形成されている。
【0029】 ここで、シャフト部108の両端部108a,108bには、夫々ベアリング 112,114が嵌入されている。そして、シャフト部108の一端部108a に嵌入された一方のベアリング112は、図7に示す左側板98の略中央部に形 成された第1の貫通孔116に貫通されており、従って、シャフト部108は一 端部108aで左側板98に回転可能に支持される事になる。尚、シャフト部1 08の一端部108aの端縁は、この一方のベアリング112から更に外方に突 出しており、この突出端には、駆動系88を構成する第1の従動ギヤ118が同 軸に、且つ、一体的に取り付けられている。
【0030】 また、シャフト部108の他端部108bに嵌入された他方のベアリング11 4は、図8に示す右側板100の先端部に下向きに開放する様に形成された円弧 状の凹部120に下方からスナップ結合状態で下方への偏位を禁止された状態で 嵌合されており、このようにして、シャフト部108は他端部108bで右側板 100に回転可能に支持される事になる。
【0031】 一方、図6に示す様に、上述したフレーム本体96の後方の略中央部には、フ ィードローラ84のローラ本体122が収納される開口124が形成されている 。そして、図3に示す様に、このフレーム本体96の後部上には、フィードロー ラ84が回転可能に取り付けられている。このフィードローラ84は、図13に 取り出して示す様に、シャフト部126を備え、このシャフト部126の長さは 、図3に示す様に、一端部126aが左側板98から外方に突出し、他端部12 6bが上述した開口124上を通過して、これから所定長さだけ延出した位置で 終端する様に設定されている。そして、上述したローラ本体122は、開口12 4内に収納される為に、シャフト部126の他端部126b寄りに同軸に、且つ 、一体的に取り付けられている。
【0032】 ここで、このシャフト部126の一端部126aには、図示していないがベア リングが嵌入されている。ここで、一端部126aに嵌入されたベアリングは、 図7に示す左側板98の後方部に形成された第2の貫通孔128に貫通されてお り、従って、シャフト部126の一端部126aは左側板98に回転可能に支持 される事になる。尚、シャフト部126の一端部126aの端縁は、このベアリ ングから更に外方に突出しており、この突出端には、駆動系88を構成する第2 の従動ギヤ130が同軸に、且つ、一体的に取り付けられている。
【0033】 また、シャフト部126の他端部126bは、フレーム本体96上の開口12 4に隣接する位置に配設された軸受部132に回動可能に支持されている。この ようにして、フィードローラ84は、固定された軸線回りに回動可能にフレーム 90に取り付け・支持される事になる。
【0034】 次に、上述したフィードローラ84及びプラテンローラ86を夫々回転駆動す る為の駆動系88の構成を説明する。 先ず、この駆動系88が取り付けられる基板としてのフレーム90の左側板9 8は、図7に示す様に、前方に位置した略正方形状の前方部分98aと、この前 方部分98の上端面と面一な上端面を有し、右側板100に略対応した形状に前 方部分98aの後方に形成された後方部分98bとから一体的に形成されている 。この前方部分98aの内面には、図6及び図10に示す様に、駆動系88を構 成する所の、パルス信号により駆動される所謂ステッピングモータとしての駆動 モータ134(図3に示す。)を保持する保持部136が内方に向けて突出した 状態で一体的に形成されている。また、この前方部分98aには、駆動モータ1 34のモータ軸134aが遊嵌される第3の貫通孔138が形成されている。こ のモータ軸134aの先端には、図3に示す様に、駆動ギヤ140が同軸に、且 つ、一体的に取り付けられている。
【0035】 尚、図7に示す様に、左側板98の外面の所定位置には、第1乃至第3の支持 ピン142,144,146が植設されており、これら第1乃至第3の支持ピン 142,144,146には、夫々に後述する第1乃至第3のアイドルギヤ14 8,150,152が回動自在に軸支されている。
【0036】 ここで、図14を参照して、この駆動系88において、駆動モータ134の駆 動力をプラテンローラ86及びフィードローラ84に伝達する為の駆動力伝達機 構としてのギヤトレインの構成を説明する。上述した第1の支持ピン142に回 動自在に支持された第1のアイドルギヤ148の大径部148aは、駆動ギヤ1 40に噛合しており、この第1のアイドルギヤ148の小径部148bは、第2 の支持ピン144に回動自在に支持された第2のアイドルギヤ150の大径部1 50aに噛合している。また、この第2のアイドルギヤ150の小径部150b は、プラテンローラ86に同軸に固定された第1の従動ギヤ118に噛合してい る。
【0037】 一方、この第1の従動ギヤ118は、第3の支持ピン146に回動自在に支持 された第3のアイドルギヤ152に噛合しており、この第3のアイドルギヤ15 2は、フィードローラ84に同軸に固定された第2の従動ギヤ130に噛合して いる。ここで、第1の従動ギヤ118の歯数は第2の従動ギヤ130の歯数より 僅かに少なくなる様に設定されている。この結果、駆動モータ134の駆動力は 、以上の様に構成されたギヤトレインを介してプラテンローラ86及びフィード ローラ84に伝達され、これらを回転駆動する事となる。ここで、この駆動時に おいて、プラテンローラ86の回転速度がフィードローラ84の回転速度よりも 僅かに早く設定されている。従って、後述する用紙Pの連続供給時において、先 の用紙Pの後端と、後の用紙Pの前端とが確実に搬送方向に沿って分離される事 になる。また、フィードローラ84によりプラテンローラ86まで搬送された用 紙Pは、両者の間で、テンションを掛けられた状態でピンと張られる事になる。 尚、フィードローラ84のシャフト部126と第2の従動ギヤ130との間には 、図示していないが滑りクラッチが介設されている。
【0038】 このように構成された駆動系88が取り付けられたフレーム90の下方には、 サーマルラインヘッド154を支持するヘッドサポート156が、フレーム90 の後部に揺動自在に軸支されている。この揺動支持の為、フレーム90を構成す る左右の両側板98,100の外面の後方部には、図7及び図8に示す様に、軸 支ピン158,160が夫々外方に向けて突出した状態で形成されている。一方 、ヘッドサポート156は、図12に取り出した状態で示す様に、略平板状のサ ポート本体162と、このサポート本体162の左端部に起立した状態で一体的 に形成された左側板164と、このサポート本体162の右端部に起立した状態 で一体的に形成された右側板166と、このサポート本体162の前端部に起立 した状態で一体的に形成され、先端部が前方に傾斜した状態で折曲された排紙ガ イド部168を概略備えて構成されている。
【0039】 ここで、左右の側板164,166の後端部には、上述した軸支ピン158, 160に夫々外方から嵌入され揺動支持される為の支持開口170,172が形 成されている。また、左右の側板164,166の前方部の上端面には、プラテ ンローラ86を回動支持する為の左右一対のベアリング112,114が夫々嵌 入支持される為の円弧状の位置決め凹部174,176が形成されている。一方 、サポート本体162には、用紙Pの搬送方向に沿って延出した長溝からなる一 対のヘッド取り付け穴178(図12においては、一方のヘッド取り付け穴のみ 図示されている。)が形成されている。
【0040】 尚、左右一対の位置決め凹部174,176の用紙Pの搬送方向に沿う幅は、 対応するベアリング112,114が夫々緊密に嵌入されるに最適の値に設定さ れている。従って、この一実施例においては、図15及び図16に夫々示す様に 、ヘッドサポート156の両位置決め凹部174,176にプラテンローラ86 の両端に取り付けられたベアリング112,114が夫々嵌入する事により、こ のヘッドサポート156とプラテンローラ86との間の相対位置が正確に規定さ れる事になる。
【0041】 このように構成されたヘッドサポート156のサポート本体162上には、周 知のサーマルラインヘッド154が載置され、上述のヘッド取り付け穴178を 介して下方から挿通された一対の取り付けねじ(図示せず。)により、サーマル ラインヘッド154はサポート本体162上に固定されている。この固定動作の 際、サーマルラインヘッド154の発熱位置(図3において符号Xで示されるラ イン)がプラテンローラ86との転接位置に正確に位置決めされる様に、図示し ない取り付け治具を介して、その取付位置を用紙Pの搬送方向に沿って正確に調 整・規定された状態で、固定される様になされている。尚、このサーマルライン ヘッド154のヘッドサポート156への取り付け治具を介しての取り付け位置 調整動作、及び、この位置調整動作後の固定動作においては、ヘッドサポート1 56はフレーム90から取り外された状態で、実行される様に設定されている。
【0042】 このようにヘッドサポート156は構成されており、また、このヘッドサポー ト156に対してサーマルラインヘッド154は取り付け治具を介してその取付 位置を正確に規定された状態で取り付け・固定されており、更に、ヘッドサポー ト156の両位置決め凹部174,176にプラテンローラ86の両端に取り付 けられたベアリング112,114が夫々嵌入する事により、このヘッドサポー ト156とプラテンローラ86との間の相対位置が正確に規定されているので、 このサーマルラインヘッド154が取り付け・固定されたヘッドサポート156 をフレーム90に揺動自在に取り付けた状態で、ヘッドサポート156の両位置 決め凹部174,176にプラテンローラ86のベアリング112,114を夫 々嵌入させる事により、サーマルラインヘッド154とプラテンローラ86との 間の位置関係は、サーマルラインヘッド154の発熱位置Xがプラテンローラ8 6に正確に転接する様に正確に規定される事になる。
【0043】 このように、この一実施例においては、サーマルラインヘッド154の発熱位 置Xがプラテンローラ86に正確に転接する様に正確に規定されているので、プ ラテンローラ86の直径を小さく設定する事が可能となり、このプラテンローラ 86の直径は、サーマルラインプリンタ10の全体のサイズに大きく影響を与え るものである為、この様にして、このサーマルラインプリンタ10の全体構成を 小型化することが出来る事になる。
【0044】 一方、このヘッドサポート156は、図17に示す様に、下ハウジング部16 の底部上に形成された一対のばね受け座180に夫々の下端を受けられたコイル スプリング182により、上方に向けて回動付勢、換言すれば、サーマルライン ヘッド154がプラテンローラ86に下方から転接する様に回動付勢されている 。ここで、この図17及び上述した図5に示す様に、これらばね受け座180は 、下ハウジング部16の底部の上方に配設された制御基板68に形成された開口 80を介して、この制御基板68の上方に取り出されている。
【0045】 ここで、既に上述した様に、ヘッドサポート156はプラテンーラ86が位置 決めされた状態で取り付けられているフレーム90に揺動自在に支持されている 。従って、上述した一対のコイルスプリング182の付勢力により、サーマルラ インヘッド154の発熱位置Xは、その全長に渡り、確実に、プラテンローラ8 6に転接する状態が達成される事になる。この結果、この一実施例においては、 プリント動作時において、用紙Pはこれがサーマルラインヘッド154とプラテ ンローラ86との間に挟持された状態で、その幅方向の全長に渡りサーマルライ ンヘッド154に確実に密着する事となる。このようにして、この一実施例にお いては、用紙Pはその幅方向の全長に渡り確実にラインプリントされる状態が達 成される事となる。
【0046】 また、この一実施例においては、上述した説明から明らかな様に、サーマルラ インヘッド154はプラテンローラ86に下方から少なくとも転接する状態で接 触する状態が達成されれば良いものである。この結果、サーマルラインヘッド1 54をプラテンローラ86に接触させる為のコイルスプリング182の付勢力は 比較的小さな力で済むことになる。従って、この一実施例においては、サーマル ラインヘッド154のプラテンローラ86に接触する圧接力は極めて小さいもの となる。
【0047】 このようにして、この一実施例によれば、サーマルラインヘッド154とプラ テンローラ86との転接部に挟持される用紙Pの先端が、強い圧接力でサーマル ラインヘッド154の表面に係合し、これを傷つける虞れが実質的になくなる事 になる。また、サーマルラインヘッド154を、常時、プラテンローラ86に転 接させても、プラテンローラ86に永久変形等の悪影響を与える虞がなくなる事 になる。この結果、例えば、使用待機状態においてサーマルラインヘッド154 をプラテンローラ86から引き離しておき、用紙の先端がサーマルラインヘッド とプラテンローラとの間を通過した後にサーマルラインヘッドをプラテンローラ に対して圧接させる様に構成された従来のオートリトラクション機構を設けなく ても済むことになる。このようにして、従来必要とされたオートリトラクション 機構がこの一実施例においては不要となり、その分のコストダウンを図ることが 出来ると共に、これを設けなくて良い分だけ装置全体の小型化を図ることが出来 る事になる。
【0048】 尚、上述したヘッドサポート156を構成する排紙ガイド部168は、図19 に示す様に、サーマルラインヘッド154がプラテンローラ86に転接した状態 において、プラテンローラ86の下部に前方において対向する様に位置決めされ ており、サーマルラインヘッド154によりプリント動作された用紙Pの先端は 、この排紙ガイド部168に当接し、上方に向けてその搬送方向を変更され、成 上述した用紙排出路Fd に導かれる様に設定されている。
【0049】 一方、フレーム90とヘッドサポート156に取り付けられたサーマルライン ヘッド154との間には、図11に示す様に、共通用紙搬送路F0 及び第2の用 紙搬送路F2 の底面を規定するアンダーガイド184が介設されている。このア ンダーガイド184は、図18にその取り付け状態を底面図として示す様に、略 平板上のガイド本体186と、このガイド本体186の中央部略後方に形成され た開口188と、ガイド本体186の下面に取り付けられ、この開口188を介 してガイド本体186の上方に取り出された付勢板190とを備えて構成されて いる。ここで、この付勢板190は、図19に示す様に、共通用紙搬送路F0 に もたらされた用紙Pの先端をフィードローラ84に強制的に転接させ、用紙Pと フィードローラ84との摩擦係合力により、フィードローラ84の回転に伴い用 紙Pをプラテンローラ86とサーマルラインヘッド154との転接部に向けて搬 送させることが出来る様に構成されている。
【0050】 尚、このサーマルラインプリンタ10を図2に示す様に縦置き状態で使用する 際においては、第2の用紙搬送路F2 と共通用紙搬送路F0 とは略一直線状にな されているので、第2の用紙挿入溝24を介してハウジング12内に挿入された 用紙Pの先端は、用紙Pの自重により、第2の用紙搬送路F2 を下降して、共通 用紙搬送路F0 にもたらされ、ここで、付勢板190とフィードローラ84との 転接部に確実にもたらされる事になる。この為、この一実施例においては、付勢 板190とフィードローラ84との転接部より用紙搬送方向に関して上流側には 、用紙Pに搬送力を付与する何らの機構も配設されてはいない。
【0051】 一方、このサーマルラインプリンタ10を図1に示す様に横置き状態で使用す る際においては、第1の用紙搬送路F1 と共通用紙搬送路F0 とは所定の鈍角( 換言すれば、第1の用紙搬送路F1 と第2の用紙搬送路2 とは所定の鋭角)で交 差状態に設定されているので、第1の用紙挿入溝20を介してハウジング12内 に挿入された用紙Pの先端は、そのままでは、共通用紙搬送路F0 には搬送され 難い事になる。この為、この一実施例においては、第1の用紙搬送路F1 にもた らされた用紙Pに搬送力を付与して、強制的に共通用紙搬送路F0 に向かわさせ る様にする為に、第1の用紙搬送路F1 にある用紙Pをフィードローラ84に摩 擦係合させる為の圧接手段としてのスライドプレス部材192が、図20及び図 24に示す様に、フィードローラ84と裏蓋48との間に規定された配設空間S P内において、フィードローラ84の中央部に対向した状態で配設されている。 尚、この配設空間SPは、第1の用紙搬送路F1 に連通している。
【0052】 このスライドプレス部材192は、図21及び図22に取り出して示す様に、 図20に示す様に水平方向に沿って移動可能に配設され、フィードローラ84に 対向する面が、このサーマルラインプリンタ10が図1に示す横置き状態におい て、移動軸線としての水平線に対して所定角度だけ傾斜した斜面から構成される 様に設定されたプレス本体194と、このプレス本体194の斜面に全面的に貼 着された摩擦板としてのラバープレート196と、このプレス本体194をフィ ードローラ84に対して圧接させる為のコイルスプリング198とを備えて構成 されている。ここで、このプレス本体194を図20に示す状態において水平方 向に沿ってのみ移動可能とする為に(即ち、一方向に沿ってのみフィードローラ 84に進退自在に支持する為に)、プレス本体194の両側面には、図20に示 す状態において一方向に沿って延出する溝194a,194bが形成されており 、一方、フレーム90の後部中央には、図6、図9、及び図24に夫々示す様に 、上述した配設空間SPに臨んだ状態で、これら溝194a,194bに夫々嵌 合すると共に、横置き状態で水平方向に延出する一対のスライドガイド200a ,200bが設けられている。
【0053】 一方、このプレス本体194の後面には、図22に示す様に、上述したコイル スプリング198の先端が受けられる円筒状のばね受け座202が一体的に形成 されている。ここで、このコイルスプリング198は、その先端がばね受け座2 02に収納されると共に、図20に示す様に、その後端が裏蓋48の内面に係合 する事により、軸方向に沿って縮小され、プレス本体194をフィードローラ8 4に向けて付勢する付勢力を発揮する様に設定されている。
【0054】 ここで、上述したラバープレート196は、複数枚の用紙Pが第1の用紙挿入 溝20に挿入されてきた場合に、一枚づつフィードローラ84とスライドプレス 部材192との転接部に挟持される様に、換言すれば、複数枚の用紙Pを所謂捌 く事が出来る様にする為に配設されている。
【0055】 尚、図20に示す横置き状態において、上ハウジング部14に形成された第1 の用紙挿入溝20からハウジング12内に挿入されてきた用紙Pは、第1の用紙 搬送路F1 を通過中に、このスライドプレス部材192によりフィードローラ8 4に圧接され、これの回転駆動に応じて更に前方に搬送される事になるが、この スライドプレス部材192に貼着されたラバープレート196は、図20に示す 横置き状態において水平線に対して、上述した所定角度だけ傾斜した状態で、フ ィードローラ84に接触している。この結果、フィードローラ84の回転により 前方に搬送される事となった用紙Pは、ラバープレート196の傾斜面に沿って 搬送され、用紙Pの先端は、斜めに、共通用紙搬送路F0 の下面を規定するアン ダーガイド184(詳細には、このアンダーガイド184を構成する付勢板19 0の上面)に当接する事になる。従って、この用紙Pの先端は確実に共通用紙搬 送路F0 内に入り込み、その後、この共通用紙搬送路F0 内を搬送される事にな る。
【0056】 一方、この用紙Pがフィードローラ84とスライドプレス部材192との間で 挟持された状態でハウジング12内でジャムした場合には、このジャムった用紙 Pの後端が第1の用紙挿入溝20から突出している場合には、この後端を後方に 引き抜く事により、簡単に用紙Pをハウジング12から取り出すことが出来る事 になる。詳細には、このようにジャムった用紙Pを後方に引き抜こうとした場合 、これが摩擦係合しているラバープレート196の表面は、このラバープレート 196が貼着されたプレス本体194の移動方向に対して傾斜してるので、この ジャムった用紙を上方に引き抜こうとする力のプレス本体194の移動方向に沿 う分力が発生する事になる。この分力は、このプレス本体194をフィードロー ラ84に圧接しようとするコイルスプリング198の付勢力に抗する対向力とし て機能する事となり、結果として、ラバープレート196がフィードローラ84 に圧接する力が弱められる事になる。このようにして、別段、ジャムった用紙P をフィードローラ84に押し付けているプレス部材192を取り除かなくとも、 上述した様に、単に、このジャムった用紙Pを後方に引き抜くだけで、これをハ ウジング12から取り出すことが出来る事になる。
【0057】 尚、ジャムの程度がひどく、ジャムった用紙Pの先端がプレス部材192の先 端に引っ掛かって、これを後方に引き抜くことが出来ない場合には、裏蓋48を 後方に回動して、配設空間SPを開放する事により、このプレス部材192を後 方に引き出すことが出来る。このようにして、例え、ジャムの程度が甚だしい場 合でも、簡単にプレス部材192をハウジング12から取り出す事により、この ジャムを解除する事が容易に出来る事になる。ここで、このようなプレス部材1 92のハウジング12内からの取り出しにより、消耗品としてのラバープレー1 96を容易に新品に交換することが出来る事になる。
【0058】 ここで、上述した用紙Pのジャムがプラテンローラ86とサーマルラインヘッ ド154との転接部で生じた場合に、両者をリリースさせる必要が発生する場合 がある。この為、図23に示す様に、上述したリリースレバー46には、これが ヘッドサポート156の右側板100の上端面に対向する部分に、カム部204 が取り付けられている。このカム部204は、図1及び図23に実線で示す様に 、リリースレバー46が図中左方に倒れている場合には、右側板100の上端面 に当接せず、一対のコイルスプリング182の付勢力により、所定の圧接力でサ ーマルラインヘッド154がプラテンローラ86に当接する事を許容し、図23 に鎖線で示すように、リリースレバー46が図中右方に倒れている場合には、右 側板100の上端面に当接して、一対のコイルスプリング182の付勢力に抗し てヘッドサポート156を押し下げ、サーマルラインヘッド154がプラテンロ ーラ86から下方に離間する様に形成されている。
【0059】 このようにして、通常のプリント動作時においては、このリリースレバー46 は図1に示す様に図中左方に倒れた状態に設定しておき、上述した様に、用紙P がプラテンローラ86とサーマルラインヘッド154との転接部でジャムった場 合には、このリリースレバー46を図中右方に倒す事により、サーマルラインヘ ッド154がプラテンローラ86から下方に離間し、両者の間における用紙Pの 挟持が解除され、このようにして、ジャムった用紙Pは容易に後方に引き抜かれ 、ジャムが解除される事になる。
【0060】 尚、図11に示す様に、第1の用紙搬送路F1 に臨んだ状態で、且つ、上述し たフィードローラ84とスライドプレス部材192との転接部よりも、用紙搬送 方向上流側に位置した状態で、用紙Pが第1の用紙挿入溝20を介してハウジン グ12内に挿入された事を検知する第1の検知器206が、フレーム90を構成 するフレーム本体96の後部96aに配設されている。また、第2の用紙搬送路 F2 に臨んだ状態で、用紙Pが第2の用紙挿入溝24を介してハウジング12内 に挿入された事を検知する第2の検知器208が挿入ガイド部106の横部10 6bに配設されている。また、図20に示す様に、共通用紙搬送路F0 に臨んだ 状態で、且つ、上述したプラテンローラ86とサーマルラインヘッド154との 転接部よりも、用紙搬送方向上流側に位置した状態で、用紙Pが共通用紙搬送路 F0 内にある事を検知する第3の検知器210が、フレーム90のフレーム本体 96に配設されている。第1乃至第3の検知器206,208,210は、夫々 、用紙Pの先端の通過によりオン動作し、後端の通過によりオフ動作する様に構 成されている。
【0061】 ここで、第1及び第2の検知器206,208は、駆動系88及びサーマルラ インプリント機構60の起動タイミングを規定する為のスタートセンサとして機 能する様に構成されている。また、第3の検知器210は、第1または第2の検 知器206,208がオン動作してから所定時間経過してもオン動作しない場合 や、プリント動作にかかる時間を越えてオン動作し続けている場合や、第1また は第2の検知器206,208がオフ動作してから所定時間経過してもオフ動作 しない場合に、用紙Pがジャムしたと検出するジャムセンサとして機能すると共 に、サーマルラインプリント機構60におけるプリント開始タイミングを規定す る頭出しセンサとして機能する様に構成されている。
【0062】 次に、このプリンタ10の制御につき、図25のブロック図に基づいて説明す る。 プリンタ10の駆動制御を司るマイコン(CPU)70は、16メガバイトの アドレス空間を有する1チップマイコンである。 CPU(マイコン)70は、アドレスポート AB0〜AB23 および データポート DB0〜DB15 を介して、EPROM72、DRAM74、第1のフォントROM 76および第2のフォントROM78、G/A(ゲートアレイ)402と接続さ れている。CPU70はアドレスポート AB0〜AB23 を介してアドレスバスAB へアドレスを指定するアドレスデータを送出し、また、データポート DB0〜DB15 を介してデータをデータバスDBより送受信する。
【0063】 前述のように、EPROM72にはプリンタ10の駆動を制御するプログラム や各種初期データが書き込まれている。DRAM74は、ホストコンピュータ等 からプリンタ10へと転送された印字データに基づいて画像出力のためのビット マップを展開する領域、インターフェースからのデータを蓄える領域、その他各 種処理の作業領域として使用されるダイナミックラムである。第1のフォントR OM76および第2のフォントROM78には、印字データをDRAM上にビッ トマップ展開する際に使用する文字フォントデータが格納されている。本実施例 のプリンタ10においては、明朝体およびゴシック体の2種類のフォントが選択 できるようになっており、それぞれのフォントに対応して第1のフォントROM 76および第2のフォントROM78が設けられている(ブロック図には1個の みを示す)。 また、CPU70は、ゲートアレイ(G/A)402を介して、インターフェ イス(I/F)404とデータのやりとりや、パワーオン表示・オンライン表示 ・フォント選択状態表示・P.E.(用紙切れ)表示のためのLED30、38、 40、42の駆動などの処理を行う。
【0064】 インターフェース(I/F)404は、ホストコンピュータなどから転送され てくる印字データを受信するためのプリンタインターフェース(セントロニクス 社仕様準拠)で、8本のデータ線と3本の制御線を有している。 インターフェース(I/F)404のデータ線PDATA1〜8は、印字デー タの転送に用いられ、3本の制御線はそれぞれ、 1) /DATASTB:印字データをプリンタに読み込ませる信号 2) BUSY:プリンタがデータを受け取れないことを示す信号、 3) /ACK:プリンタがデータを読みとったことを示す信号、 の3種類の信号を転送する。 さらに、CPU70は、 A) オンライン釦32の操作によりオン・オフされて印字データの受信の可 不可を設定するオンラインスイッチ410、 B) モード設定釦34の操作によりオン・オフされて印字フォントを切り換 えるモード設定スイッチ412、 C) 強制送り釦36の操作に応じて記録紙の強制搬送を設定する強制送りス イッチ414、 のそれぞれのオン・オフをポートOL、FNT、FDより読み込み、各スイッチ の設定に応じて(即ち、オンライン釦32・モード設定釦34・強制送り釦36 の操作に応じて)各処理を行う。
【0065】 バッテリ電圧(または外部電源電圧)の分圧 V_Batt がアナログポート AN2 に印加される。CPUはポート AN2 に印加された電圧値をA/D変換し、これ に基づいてバッテリ電圧(外部電源電圧)を検知している。
【0066】 リセットIC416は、検知された電源電圧がある値以下になると、CPU7 0に対しリセット信号(/RESET)を発生する。リセットIC416の出力信号は ポート/RESET(以下、ロー・アクティブの信号およびロー・アクティブの信号を 受けるポートは、その信号あるいはポートを表す文字列の前に「/」を付して示 す)からCPU70に入力される。CPU70は、リセット信号を受けると、動 作を停止する。
【0067】 第1の用紙搬送路F1および第2の用紙搬送路F2の入り口に設けられた第1の 検知器206および第2の検知器208、共通用紙搬送路F0中サーマルライン ヘッド154より搬送方向上流側に設けられた第3の検知器の出力信号がポート PUS、PDS、PTOP よりCPU70に入力される。CPU70はこれらの検知器出 力信号をモニタすることにより、用紙の搬送状態を知ることができる。
【0068】 Xtal420は、基準クロックを発生回路である。Xtal420が発生し た基準クロックに基づいて、DRAM74上にビットマップ展開された印字デー タを、1行毎にサーマルヘッド側へ転送する際の転送クロックCLKがCPU7 0のポート Port1 より出力される。すなわち、転送クロックCLKに同期して 、印字データがサーマルヘッド154に転送される。1行分の印字データは2分 割されて(DATA1 および DATA2)、Port2 および Port3 から送出さ れる(詳しくは後述)。
【0069】 なお、サーマルヘッド154の発熱抵抗体(図示せず)の発熱エネルギーは、 CPU70の Port4〜Port7 から送出されるストローブ信号(詳しくは後述)に より制御される。言い換えれば、DATA1およびDATA2の印字データによ り駆動されるべき発熱抵抗体が特定され、印字データ転送後に印加されるストロ ーブ信号によって当該発熱抵抗体が所望のエネルギーを発生するよう駆動される 。
【0070】 サーマルヘッド154の温度検出のためにサーミスタ422が設けられている 。サーミスタ422の、ブリーダ抵抗により分割された電位はCPU70のアナ ログ入力ポート AN1 に印加される。CPU70は、印加された値(アナログ値 )をA/D変換してサーマルヘッド154の温度を検知している。
【0071】 また、CPU70はポート POWER_DOWN および A・/A・B・/B からモータ駆動 回路430へ、モータ134の駆動を制御するための駆動制御信号を送出してい る。モータ駆動については後に詳述する。
【0072】 ポート /PON は、スイッチ素子としてのFET440をオン・オフするための 信号を送出する。電源スイッチがオンされ、かつ信号 /PON によってFETがオ ンされると、サーマルヘッド、モータ駆動回路、および周辺回路に供給するため バッテリ電圧を変換するDC−DCコンバータ450に、バッテリ電源が供給さ れる。なお、DC−DCコンバータ450は、CPU70、EPROM72、D RAM74、ROM76等の駆動電源VDD用として、バッテリ電圧 14.4 ボル トを5ボルトに変換する。 一旦信号 /PON によってFET440がオフされると、それ以降はDC−DC コンバータ450に電源が供給されなくなるため、CPU70に駆動電圧VDD が供給されなくなる。従って、FET440がオフされた場合には、パワー釦2 6を再度操作して、メインスイッチSWMAINをオンすることにより、再起動 することになる。
【0073】 本プリンタ10は駆動電源として、ニッケル−カドミウム電池64を内蔵して おり、これから約 14.4 ボルトの電圧を得ている。また、本実施例のプリンタ1 0には電源コネクタ52が設けられており、ACアダプタなどの外部電源が接続 可能となっている。ACアダプタは家庭用の交流100ボルトを18ボルトの直 流電圧に変換するもので、変換された直流電圧が電源コネクタ52よりプリンタ 10に入力される。なお、ACアダプタが接続された際には、切り換え手段46 0により、電源が内蔵バッテリから外部電源に切り換えられる。なお、この切り 換えはACアダプタが電源コネクタ52に接続されることにより操作される機械 的な切り換え手段に限らず、リレー等を用いた電気的な切り換え手段とする事も 可能である。また、外部電源としては、ACアダプタ以外に、カーバッテリなど をアダプタを介して接続するようにしてもよい。
【0074】 本実施例のプリンタのサーマルヘッド154は2560ドット(2560個) の発熱抵抗体が横一列に並んだラインサーマルヘッドである。1番目から128 0番目のドットのデータ(オン・オフを示すデータ)はDATA1として、12 81番目から2560番目のドットデータはDATA2として、CPU70から サーマルヘッド154へと送られる。なお、サーマルヘッド154に送られるド ットデータはシリアルデータとして、転送クロックCLKに同期して送られる。
【0075】 感熱紙への印字は、2560個の発熱抵抗体を4グループに分割し、それぞれ をタイミングをずらして駆動している(4分割駆動)。発熱抵抗体の4つのグル ープは、ストローブ信号/STB1〜/STB4を"L"にすることにより、印字 データ(ドットデータ)に従って通電され発熱する。なお、このグループ化は一 時に大量の電流が流れてバッテリを消耗させることを防ぐために行われるもので ある。したがって、バッテリが十分に充電されている時、あるいは、外部電源が 接続されている場合など電源の消耗が問題にならない場合には、4つのグループ 中2つをあるいは4つのグループ全てを同時に駆動する(すなわち2グループ分 割として駆動する)ことも可能である。
【0076】 図26は、サーマルラインヘッド154の構成を表す概念図である。上述のよ うに1番目から1280番目までの発熱抵抗体154Hに対応したデータがCP U70から転送されてくると、データはサーマルラインヘッド154に設けられ たシフトレジスタ154Aに転送クロックCLKに同期して格納される。サーマ ルヘッドの発熱抵抗体154Hとシフトレジスタ154Aおよび154Bの各ビ ットとは1対1に対応しており、シフトレジスタの内容が"1"ならば/STBn が"L"になったときに対応する発熱抵抗体が発熱する。
【0077】 DATA1として1280データを送り終えると(DATA1の転送が終了する と)、/STB1を"L"にして、印字を開始する(なお、ここでは4分割駆動と して話を進める)。/STB1が"L"から"H"になると同時に/STB2を"H" から"L"にして印字を続け、シフトレジスタ154Aに格納されたデータに基づ く印字を完了する。一方、/STB1が"L"になると、転送クロックCLKに同 期してシフトレジスタ154BへのDATA2(1281番目から2560番目 までのデータ)の転送を開始する。そして、/STB2による印字が終わると( DATA2の転送はすでに完了しているので)、/STB2が"L"から"H"にな ると同時に/STB3を"L"にしてシフトレジスタ154Bが格納しているデー タに基づき印字を続ける。同様にして、/STB3が"H"になると同時に/ST B4を"L"にする。以上のように、DATA1のCPU70からサーマルライン ヘッド154(シフトレジスタ154A)への転送が完了すると、直ちにシフト レジスタ154Aに格納されたデータに基づく印字が実行される。また、DAT A2はDATA1に基づく(シフトレジスタ154Aの格納データに基づく)印 字が行われるている間にシフトレジスタ154Bに転送されているので、シフト レジスタ154Aの格納データに基づく印字が終了すると同時にシフトレジスタ 154Bの格納データに基づく印字が開始される。
【0078】 なお、最初にシフトレジスタ154Aにデータが書き込まれている時には、シ フトレジスタ154Bにも何らかのデータが書き込まれる可能性があるが、その データは無効データとみなしている。さらに、いずれかのストローブ信号/ST Bnが"L"となっている間は転送クロックCLKが入力されてもデータはシフト レジスタには書き込まれない様になっている。従って、DATA2がシフトレジ スタ154Bに格納されている間にシフトレジスタ154Aが書き換えられるこ とはない。すなわち、DATA1に基づいて印字が行われている時に、DATA 2としてデータをシフトレジスタ154Bに転送しても、シフトレジスタ154 Aの内容が書き換えられることはない。このため、ストローブ信号 /STB1 が"L "になると、直ちに転送クロックCLKに同期してDATA2の転送が開始され る。これにより、DATA1に基づく印字が終了すると同時にDATA2に基づ く印字を開始することが可能となっている。同様にして、/STB3、/STB 4によって印字が行われている間に次行のデータDATA1がシフトレジスタ1 54Aに転送される。
【0079】 サーマルラインヘッド154の発熱抵抗体すべての駆動が終了すると、1行分 の印字が終了したことになる。本実施例のプリンタ10においては、1行分の印 字が終了すると、次の行を印字する前に(すなわちストローブ信号を出力する前 に)バッテリ電圧を検知している。印字中にバッテリ電圧が降下すると警告表示 を行う。バッテリ電圧が、最低動作電圧を下回った場合には、印字動作を中止す る。なお、印字中は、発熱抵抗体に電流が流れるため、発色させる画素数にほぼ 比例した量(駆動される発熱素子の数にほぼ比例した量)だけバッテリ電圧が下 降する。
【0080】 本プリンタ10においては、印字動作を行っていない場合(紙送りを行ってい ない場合)、消費電力を抑える目的で、/POWER_DOWN 信号を"L"にしてステップ モータの相電流を小さくしている。プリンタ10においては、モータ駆動時の相 電流(規定値)は200mA、非駆動時(/POWER_DOWN 信号"L"時)の相電流は1 0mA となっている。印字動作を始めるためには記録紙の搬送を開始する必要が あり、このためステップモータの駆動に先立って /POWER_DOWN 信号を"H"にし て、相電流を10mAから規定値の200mA に上げる必要がある。本実施例では 、ステップモータは2相励磁方式により駆動している。従って、印字開始前に( モータ134の駆動開始直前に)電流が20mA から400mA に増加する。この ため、バッテリの電圧が下降する。CPU70はこの時のバッテリ電圧(印字前 に /POWER_ON が"L"から"H"に変わった時点でのバッテリ電圧)を検知し、プ リンタ10の駆動に必要な最低電圧以下であれば警告表示を行って、印字動作を 行わないで停止する。
【0081】 図26は、サーマルヘッド154および駆動モータ134の制御と、バッテリ 電圧の関係を示すタイミングチャートである。
【0082】 DRAM74上にビットマップが展開されると、CPU70からサーマルヘッ ド154へ1行分の印字データが転送される。まず、DATA1(発熱抵抗体の 1個目から1280個目までに対応するデータ)をCLKに同期して転送する。
【0083】 DATA1の転送が完了すると、モータ134を駆動して用紙の搬送を開始し 、同時に/STB1、/STB2を順に"L"にして発熱抵抗体(1〜1280個 目)を駆動する。/STB2は/STB1が"L"から"H"になると直ちに"L"に なる。また、/STB1が"L"になると、シフトレジスタBにデータを書き込ん でもシフトレジスタAの内容は書き換えられないので、/STB1が"L"になる と、速やかにDATA2の転送を開始している。すなわち1個目から1280個 目の発熱抵抗体を駆動している間にDATA2(発熱抵抗体1281個目〜25 60個目に対応するデータ)をCLKに同期させて転送する。/STB2による 駆動が完了した時点ではすでにDATA2の転送も完了しているので、/STB 2に続いて、/STB3、/STB4を順次"L"にして残りの発熱抵抗体(発熱 抵抗体1281個目〜2569個目)を駆動する。こうして/STB1〜/ST B4が順次、ストローブ信号によって決められる所定時間ずつ"L"となることに より、サーマルラインヘッドの一列の発熱抵抗体全ての駆動が完了する。図にお いて、/STB1を時間T11、次いで/STB2を時間T21の間"L"とすること により発熱抵抗体の1個目から1280個目までの駆動が完了し、/STB3を 時間T31、次いで/STB4を時間T41の間"L"とすることにより、1281個 目から2560個目までの発熱抵抗体の駆動が完了する。2行目の印字は同様に 、時間T12、時間T22、時間T32、時間T42 の間/STB1〜/STB4をそ れぞれ"L"とすることにより実行する。
【0084】 モータ駆動パルス A・/A・B・/B は、図に示すように/STB1および/ST B2による発熱抵抗体の駆動が終わると次のパターンに移行する。すなわち、T 11およびT21の間は、A="H"、/A="L"、B="L"、/B="H" というパターンであり、 T31およびT41の間は、A="H"、/A="L"、B="H"、/B="L" というパターンになる 。以降、同様にして4分割された発熱抵抗体の2つが駆動される毎に励磁パター ンが更新される。本プリンタにおいては、駆動モータ134に1パルス(1パタ ーン)の駆動パルスが印加されると用紙が1/2行分進むようになっている。す なわち、2パルスの駆動パルスが駆動モータ134に印加されると、用紙は1行 分搬送され、その間に発熱抵抗体が全て駆動されることになる。このようにして 、用紙を1行分搬送し、その間に1行分の印字を行うという処理を繰り返すこと により、1ページ分の印字を完了する。
【0085】 ところで、本プリンタ10はニッケル−カドミウム電池64を電源電圧として いる。ニッケル−カドミウム電池64は、電池が新しいうち(完充電直後)は電 圧が高く、消耗するにつれて次第に電圧が下がるという特性を持っている。しか も、初めのうちは時間経過に対する電圧の下がり方は比較的緩やかであるが、あ る程度まで下がると以降は急激に電圧が下がり、本プリンタ10においては印字 が不可能となる。そこで、本プリンタ10においては、1行印字を行う毎にバッ テリ電圧を検知し、検知したバッテリ電圧が所定値より小さくなった場合には、 警告表示を行い、さらに最低動作電圧より小さくなった場合には印字動作が中止 される。
【0086】 モータ駆動開始はTb からであるが、前述のように、駆動パルスを印加する前 に/POWER_DOWN信号を"L"から"H"にしている(Ta)。モータは2相励磁方式で 駆動されており、駆動開始(Tb)以降は、A・/A・B・/Bのいずれか2つ が"H"、2つが"L"というパターンを形成している。このため、モータ駆動中は モータ駆動による駆動電流の変動はほとんど無いと考えられる。図において、T a では上述の/POWER_DOWN の変化によりバッテリ電圧が減少している。Tb では 、モータ駆動開始のためにバッテリ電圧はさらに減少している。Tc - Td 間で のバッテリ電圧の変化(上昇)は、印字率(発熱抵抗体の駆動数)がTb - Tc 間で発熱する発熱抵抗体数よりも減少したためにバッテリ電圧が上昇しているも のである。
【0087】 なお、バッテリ電圧の検知は、図中ではTa、Tb、Td において行われる。T a で行われるのは上述のようにモータの相電流を上昇させる時点での電圧検知で あり、以降は印字中の各ライン毎の電圧検知が行われることになる。
【0088】 前述のように、本プリンタ10の電源としてのニッケル−カドミウム電池は、 充電直後と、ある程度印字を行った後とでは、後者の方がバッテリ電圧が低くな る。この特性を利用して、ニッケル−カドミウム電池の電圧を検知することによ り、電池の残量を推定することができる。
【0089】 図28は、本考案にかかるプリンタ10の印字制御を説明するフローチャート である。 電源が投入されると、イニシャライズ・メモリテストが行われる(S1〜S5 )。既に述べたように、DRAM74にエラーが発見されると(Y:S7)、印 字動作を行わず、エラー表示を行って(S9)、動作を停止する。 S11で第1の検知器206または第2の検知器208が用紙を検出していれ ば、S13で用紙の頭出し(用紙を印字位置まで搬送)を行い、インターフェー スにデータが着信するまでは、S11〜S15の処理が繰り返される。なお、S 13の用紙の頭だしは、初めて用紙が検出された場合にのみ用紙を所定の印字位 置まで搬送するものであり、一旦頭だしが行われれば、それ以降はこのステップ (S13)では何も行われず、次のS15へ処理は進む。
【0090】 データがインターフェースI/Fに着信すると(Y:S15)、再度用紙の存 在を調べる(S17)。ここで用紙が検出されると、頭だし処理が行われる(S 19)。なお、S13と同様、頭だし処理は、初めて用紙が検出された場合にの み用紙を印字位置まで搬送するもので、すでに頭だし処理により用紙が所定位置 まで搬送されている場合には、何もせずに次のステップへ進む。 つぎに、受信データに基づいて、DRAM74にイメージを書き込む(S21 )。1ページ分のイメージを書き込むまでS11〜S22の処理が繰り返される 。イメージの書き込みが完了すると(Y:S22)、S23で用紙検出が行われ る。ここでは、用紙が印字位置に搬送されない限り処理はS25へは進まない。 なお、S24の頭だし処理も、上述のS13およびS19の頭だし処理と同様、 初めて用紙を検出した場合にのみ用紙の搬送処理が行われる。
【0091】 イメージが書き込まれており、用紙が印字位置まで搬送されると、CPU70 はDATA1の送出を開始する(S25)。DATA1の送出が終了すると(S 25)、駆動モータ134の駆動を開始し(S27)、印字処理に移る。印字処 理はS29から始まる処理で、S29で1行分の印字を行った後、S31でバッ テリ電圧を検知している。バッテリ電圧が所定値以下(12ボルト以下)であれ ば(Y:S31)、警告表示を行い(S33)、最低動作電圧以下であれば、印 字動作を停止する(S35)。S29〜S39のループで1ページ分の印字を終 えると(Y:S39)、残量表示処理を行う。残量表示処理は、S41〜S51 で行われる処理である。バッテリ電圧が15ボルトより大きいときは(Y:S4 1)、S43で用紙の下端部所定領域の左端に黒点を印字する(図29の(a)参 照)。バッテリ電圧が13ボルトより大きく、15ボルト以下の場合(Y:S4 5)、用紙の下部所定領域の中央に黒点を印字する(図29の(b)参照)。バッ テリ電圧が12ボルトより大きく、13ボルト以下の場合(Y:S49)、用紙 の下部所定領域の右端に黒点を印字する(図29の(c)参照)。バッテリ電圧が 12ボルト以下の場合は、警告表示を行い(S51)、さらに最低動作電圧以下 であれば(Y:S53)、印字動作を停止する。バッテリ電圧が最低動作電圧以 下の場合を除いては、S55で印字の終わった用紙を排出して、次の印字処理へ 進む。
【0092】 この考案は、上述した一実施例の構成に限定されることなく、この考案の要旨 を逸脱しない範囲で種々変形可能である事はいうまでもない。
【0093】 例えば、上述した一実施例においては、この考案に係わるプリンタをサーマル ラインプリンタに適用する様に説明したが、この考案は、このような適用に限定 されることなく、他のプリント機構、例えば、サーマルドットプリント機構を有 するプリンタや、インクジェット式プリント機能を有するプリンタ等、如何なる 構成のプリント機構を有するプリンタにも適用することが出来る事は言うまでも 無い。
【0094】
【考案の効果】
電池の残容量に関する情報が、正規の文書の妨げにならない位置に、印刷され た状態で得られるので、残容量に対する認識が非常に容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係わるプリンタが適用されるサーマ
ルラインプリンタの一実施例の構成を横置き状態で示す
斜視図である。
【図2】この考案に係わるプリンタが適用されるサーマ
ルラインプリンタの一実施例の構成を縦置き状態で示す
斜視図である。
【図3】図1及び図2に示すサーマルラインプリンタか
ら、電池蓋18を取り外し、上ハウジング部14を取り
除いた状態で、ハウジング12内の構成を示す横断面図
である。
【図4】図3におけるA−A線に沿うサーマルラインプ
リンタの断面形状を示す縦断面図である。
【図5】制御基板の取り付け状態を示す上面図である。
【図6】フレームの上面形状を示す平面図である。
【図7】フレームの左側面形状を示す左側面図である。
【図8】フレームの右側面形状を示す右側面図である。
【図9】図6におけるB−B線に沿うフレームの断面形
状を示す縦断面図である。
【図10】図6におけるC−C線に沿うフレームの断面
形状を示す縦断面図である。
【図11】図3におけるD−D線に沿うサーマルライン
プリンタの断面形状を示す縦断面図である。
【図12】プラテンローラとヘッドサポートとを取り出
して、両者の位置決め状態を示す示す斜視図である。
【図13】フィードローラの構成を取り出して示す斜視
図である。
【図14】駆動系を構成するギヤトレインを示すフレー
ムの左側面図である。
【図15】プラテンローラの他端部を軸支するベアリン
グに対するヘッドサポートの嵌合状態を示す右側面図で
ある。
【図16】プラテンローラの一端部を軸支するベアリン
グに対するヘッドサポートの嵌合状態を示す左側面図で
ある。
【図17】コイルスプリングの配設状態を示すサーマル
ラインプリンタの縦断面図である。
【図18】アンダーガイドの配設状態を示す為、サーマ
ルラインプリンタから下ハウジング部、制御基板、及
び、ヘッドサポートを取り除いた状態で示す底面図であ
る。
【図19】アンダーガイドの付勢板の付勢状態を示すサ
ーマルラインプリンタの縦断面図である。
【図20】図3におけるE−E線に沿うサーマルライン
プリンタの断面形状を示す縦断面図である。
【図21】スライドプレス部材を取り出して正面方向か
ら示す斜視図である。
【図22】スライドプレス部材を取り出して背面方向か
ら示す斜視図である。
【図23】リリースレバーによるリリース動作を説明す
る為の縦断面図である。
【図24】スライドプレス部材の配設状態を示す為、ハ
ウジングの背面を取り除いた状態で示す背面図である。
【図25】本考案にかかるプリンタの制御部をせつめい
するブロック図である。
【図26】本考案にかかるプリンタのサーマルヘッドの
構造を説明する概念図である。
【図27】本考案にかかるプリンタの印字制御を説明す
るタイミングチャートである。
【図28】印字制御を説明するフローチャートである。
【図29】本考案のプリンタによる印字結果を説明する
図である。
【符号の説明】
P 用紙 F0 共通用紙搬送路 F1 第1の用紙搬送路 F2 第2の用紙搬送路 Fd 用紙排出路 10 サーマルラインプリンタ(プリンタ) 20 第1の用紙挿入溝 22 用紙排出溝 24 第2の用紙挿入溝 26 パワー釦 28 パワースイッチ 30 パワー(POW/CHRG)ランプ 32 オンライン(ONLINE)釦 34 モード設定(MODE)釦 36 強制送り(FEED)釦 38 オンライン(ONLINE)ランプ 40 フォント(ゴシック)ランプ 42 紙なし表示(P.E.)ランプ 50 接続コネクタ 52 電源コネクタ 64 ニッケル−カドミウム電池 70 マイコン 72 EPROM 74 DRAM 76 第1のフォントROM 78 第2のフォントROM 206 第1の検知器 208 第2の検知器 210 第3の検知器
フロントページの続き (72)考案者 織田 洋 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)考案者 鈴木 実 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池と、 前記電池により駆動される印字手段と、 前記電池の残容量を検知する検知手段と、 前記検知手段により検知された前記電池の残容量に対応
    する情報を印字する第2印字手段と、 を有するプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記検知手段は、前記電池の電圧を検知
    する電圧検知手段を有することを特徴とする、請求項1
    のプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記電池はニッケル−カドミウム電池で
    あることを特徴とする、請求項1のプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記第2印字手段は、記録用紙の所定領
    域に前記電池の残容量に関する情報を印字することを特
    徴とする、請求項1、2または3のプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記第2印字手段は、前記所定領域内で
    の印字位置により前記電池の残容量に関する情報を示す
    ことを特徴とする、請求項1、2、3または4のプリン
    タ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004230812A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 Canon Inc 電池残量検出方法
JP2020044814A (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 セイコーエプソン株式会社 モバイルプリンター

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