JPH07278306A - シロキサンコポリマーの製造方法 - Google Patents

シロキサンコポリマーの製造方法

Info

Publication number
JPH07278306A
JPH07278306A JP7066094A JP7066094A JPH07278306A JP H07278306 A JPH07278306 A JP H07278306A JP 7066094 A JP7066094 A JP 7066094A JP 7066094 A JP7066094 A JP 7066094A JP H07278306 A JPH07278306 A JP H07278306A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer precursor
siloxane copolymer
solvent
hydrolyzate
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7066094A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Hayashida
尚一 林田
Michiyuki Amano
道之 天野
Saburo Imamura
三郎 今村
Koji Sato
弘次 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP7066094A priority Critical patent/JPH07278306A/ja
Publication of JPH07278306A publication Critical patent/JPH07278306A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicon Polymers (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子光導波路材料として使用できる、高分
子量、かつ、屈折率制御性のよいシロキサンコポリマー
の製造方法を提供する。 【構成】 原料の加水分解工程において、ジアリール型
原料とアリール型原料を混合して同時に加水分解するの
ではなく、あらかじめジアリール型原料をアリール型原
料と反応させた後、水中に投入して全体を加水分解する
逐次的な反応操作を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シロキサンコポリマー
の製造方法に関し、特に高分子光導波路材料として使用
できる、高分子量、かつ、屈折率制御可能なシロキサン
コポリマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーンポリマーの一種であるポリシ
ロキサンはSi−O結合を繰り返し構造単位とするポリ
マーであり、一般に、皮膜性や耐熱性に優れている。こ
のため、従来、電子デバイスの保護膜等への応用が検討
されてきた。また、最近ではその優れた光透過性に着目
して、高分子光導波路の作製が検討されている(特開平
4−157402号)。ポリマーを用いた光合波器、光
分波器等の光回路部品は、ガラスを素材としたものに比
較して、経済的に製造できるため、光通信システム、と
りわけ加入者系の通信システムの経済化を可能とするこ
とが期待されている。高分子光導波路に適用できるシロ
キサン系高分子として、下記一般式(I)および(II)
で表される化学構造単位を繰り返し単位として有するシ
ロキサンコポリマーが提案されている。
【0003】
【化2】
【0004】ところで、高分子光導波路は、スラブ型と
チャネル型の2つに大別されるが、図1にチャネル型光
導波路の構造を例示する。基板1上に設けた下層クラッ
ド2の上に、微細加工技術を用いてコア部3を設け、さ
らにコア部3および下層クラッド2の上にコア部3を覆
うように上層クラッド4を設けた構造である。ここでコ
ア部3の屈折率が周囲のクラッド部よりも大きいため、
光はコア部3に閉じ込められ、その結果、コア部3が光
導波路として機能することができる。
【0005】このような光導波路に使用するシロキサン
コポリマーに求められる条件は、種々あるが、高分子
量であること、屈折率の制御性が高いこと、が不可欠
である。すなわち、良好な皮膜性を持つためには数万以
上、好ましくは10万程度以上の分子量が必要であり、
この条件が満足されない場合には、光導波路の製造過程
において、わずかの温度差や溶媒との接触によって容易
にひび割れ(クラッキング)が発生する。また、上述し
たように、コア部の屈折率をクラッド部よりも大きく設
定する必要があるが、その屈折率差によって光導波路中
の光の伝搬特性が大きく左右されるため、使用する高分
子材料の屈折率を精密に制御できる必要がある。該高分
子材料(ポリマー)の屈折率は、ポリマー中に含まれる
フェニル基の含有量が高いほど高屈折率となり、このフ
ェニル基の制御は高分子の製造階段において前記一般式
(I)と(II)の組成比を注意深く調節することにより
行われる。
【0006】従来、前記一般式(I)で表される繰り返
し単位のみからなるポリマーの合成方法に関しては、例
えば、公知の文献;J.F.Brownら、ジャーナル
オブアメリカンケミカルソサイエティ、82巻6194
−6195ページ(1960)、または特公昭40−1
5989号に記載されている。すなわち、原料であるフ
ェニルトリクロロシラン(C65 SiCl3 )を加水
分解して得られる加水分解物を、触媒である水酸化カリ
ウム(KOH)の存在下で溶媒とともに長時間加熱する
ことにより、高分子量のポリマーが得られるとされてい
る。しかしながら、この方法を応用して、前記のフェニ
ルトリクロロシランとジフェニルジクロロシラン[(C
652 SiCl2 ]を任意の割合で混合したものを
共加水分解し、プレポリマー化を行い、さらに高分子量
化するという方法を採用しても、たかだか7〜8万程度
の分子量を持つコポリマーが得られるにすぎなかった。
ここで言う共加水分解とは、両原料の混合物を水中に投
入するか、両原料の混合物に水を添加することにより同
時に加水分解することを意味する。こうして得られる比
較的低分子量のポリマーを使用した場合には、前述した
ように、光導波路製造時にクラッキングが生じて、製造
途中の光導波路が容易に破壊するという問題があり、そ
のため、高分子量化と屈折率制御性を同時に解決できる
シロキサンコポリマーの製造方法が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高分
子光導波路材料として使用できる、高分子量、かつ、屈
折率制御性のよいシロキサンコポリマーの製造方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するために、従来のように共加水分解によるポリ
マー前駆体を経由するのではなく、後述するような特異
な分子構造を有するポリマー前駆体を経由することによ
り、高分子量化と屈折率制御性を同時に解決できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の第1の発明は、シロキ
サンコポリマーの製造方法の発明であって、下記一般式
(I)および(II)
【0010】
【化3】
【0011】で表される化学構造単位を繰り返し単位と
するシロキサンコポリマーの製造方法において、ジアリ
ールシランジオールを非プロトン性溶媒に溶解した後、
該溶液にアリールトリクロロシランを加える第1の工程
と、前記第1の工程で得られた反応混合物を水中に投入
して全体を加水分解させる第2の工程と、前記第2の工
程で得られた加水分解物を溶媒中で脱水縮合させてポリ
マー前駆体を生成せしめる第3の工程と、前記ポリマー
前駆体を固相状態で脱水縮合させる第4の工程と、を包
含することを特徴とする。
【0012】そして、本発明の第2の発明もシロキサン
コポリマーの製造方法の発明であって、前記本発明の第
1の発明の第1の工程において、ジアリールシランジオ
ールのかわりに、ジアリールジクロロシランの加水分解
物を使用することを特徴とする。
【0013】さらに、本発明の第3の発明もシロキサン
コポリマーの製造方法の発明であって、前記本発明の第
1の発明の第1の工程において、ジアリールシランジオ
ールのかわりに、ジアリールジアルコキシシランの加水
分解物を使用することを特徴とする。
【0014】
【作用】それぞれの発明において特に重要な点は、第1
の工程および第2の工程において、ジアリール型原料と
アリール型原料を混合して同時に加水分解するのではな
く、あらかじめジアリール型原料をアリール型原料と反
応させた後に、水中に投入して全体を加水分解する逐次
的な反応操作を採用したことである。これにより、前記
一般式(II)が分子鎖末端になり、加水分解物を生成さ
せることができる。
【0015】本発明によるシロキサンコポリマーの製造
方法により、高分子量化と屈折率制御性の問題が解決可
能となった理由は、従来の共加水分解によるポリマー前
駆体と本発明によるポリマー前駆体の分子構造が異なる
ことである。すなわち、従来の共加水分解によるポリマ
ー前駆体では、核磁気共鳴を用いて調べた結果、前記一
般式(II)で表される構造単位が分子鎖の末端に位置し
ている割合が高いのに対し、本発明によるポリマー前駆
体においては、前記一般的(I)で表される構造単位が
末端に位置していることが判明した。すなわち、図2の
NMRスペクトルで示されるように、従来の製造方法に
よるポリマー前駆体(a)では、前記一般式(II)の構
造単位が分子鎖末端にあるために−38ppmにピーク
が現れる。図2に示したスペクトルにおいて符号5で示
したピークが分子鎖末端にある前記一般式(II)のピー
クであり、−38ppmに位置している。これに対し、
スペクトルの要部のみを示した図2ないし図5に示すよ
うに、本発明1〜3の製造方法によるポリマー前駆体
(b〜d)のスペクトルでは、前記一般式(II)の構造
単位を示すピーク6は−42〜−48ppmに現われて
おり、これは、前記一般式(II)の構造単位が分子鎖の
末端以外にあることを示している。なお、図2に示した
スペクトルにおいて符号7は前記一般式(I)のピーク
を示し、8は1個の水酸基を持つ前記一般式(I)のピ
ークであり、9は2個の水酸基を持つ前記一般式(I)
のピークを示すものである。したがって、前者では分子
鎖末端が後続反応を阻害しやすい分子構造となっている
のに対し、後者では反応がスムーズに進行するホモポリ
マー製造時のポリマー前駆体と同じ末端構造になってい
るために容易に高分子量化できたのである。
【0016】以下、本発明のシロキサンコポリマーの製
造方法をより詳細に説明する。
【0017】まず、第1の発明であるシロキサンコポリ
マーの製造方法について説明する。本発明のシロキサン
コポリマーの製造方法は4つの工程からなり、例えば、
次のように行われる。まず、第1の工程として、原料の
一つであるジフェニルシランジオールを非プロトン性溶
媒に溶解し、反応の進行に伴って発生する酸を捕捉する
酸トラップ剤の存在下に、目的とする屈折率を与える比
率のフェニルトリクロロシランを加える。ただし、原料
のジフェニルシランジオールは、その2つの−OH基が
フェニルトリクロロシランとの反応により完全に消費さ
れる必要があるため、ジフェニルシランジオールの2倍
モル以上を使用する必要がある。さもなければ、ジフェ
ニル型の繰り返し単位が分子鎖の末端に位置するポリマ
ー前駆体が生成して、本発明の効果が十分に達せられな
いからである。使用する非プロトン性溶媒としては、−
OH基を持たない溶媒であれば特に限定されないが、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族系溶媒、テ
トラヒドロフラン(THF)やジオキサンのようなエー
テル系溶媒が使用可能である。また、酸トラップ剤も特
に限定されないが、トリエチルアミンやピリジン等が使
用可能である。次に、第2の工程として、上記反応混合
物を水中に投入して全体を加水分解させる。生成した加
水分解物は、溶媒抽出後、中和・水洗を行って次の工程
に使用することもできるが、溶媒で抽出するのみでもよ
い。さらに、溶媒を除いて固形物として使用することも
できる。あるいは、容器に付着した加水分解物をかき集
めて使用することも可能である。このときの加水分解物
は、単独、あるいは、連なった複数のジフェニル型ユニ
ットの両端にフェニル型ユニットが結合した特異なサン
ドイッチ型構造となっており、通常、分子量が数百から
数千程度のオリゴマーである。次に、第3の工程とし
て、得られた加水分解物を溶媒中、触媒の存在下で、発
生する水分を除去しながら還流する。このときの反応溶
媒としては、トルエンやキシレンのような芳香族系溶
媒、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アニ
ソール、フェネトールのようなエーテル系溶媒など、加
水分解物を溶解するものであれば特に限定されない。触
媒としては、KOH、NaOHのようなアルカリ金属の
水酸化物、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸のよう
な酸を用いることができるが、必ずしも限定されるもの
ではない。このようにして生成したポリマー前駆体は、
通常、数千から2〜3万程度の低分子量体であり、メタ
ノール等の貧溶媒から再沈した後に乾燥して単離するこ
とができる。あるいは、単離せずに溶液状態のまま次の
工程に使用することも可能である。次に、第4の工程と
して、得られたポリマー前駆体を固相状態で加熱して脱
水縮合させる。前記第3の工程の最後にポリマー前駆体
を単離した場合には、再度溶媒に溶解し、触媒を加える
必要があるが、単離しなかった場合には、溶液をそのま
ま、あるいは、触媒をさらに添加して使用することがで
きる。この溶液を、発生する水分を除去しながら還流
し、溶媒を留去した後、さらに固体のままで200〜3
00℃で加熱を続ける。反応終了後、得られる固体をT
HF等の良溶媒に溶解し、メタノール等の貧溶媒から再
沈することにより、目的とする高分子量、かつ、屈折率
が制御されたシロキサンコポリマーが得られる。この第
4の工程で使用される反応溶媒および触媒は必ずしも限
定されないが、第3の工程と同様のものを使用すること
が可能である。
【0018】第2の発明においては、第1の発明におい
てジオール型の原料を使用するのに対し、ジクロロ型の
原料を加水分解して使用する。例えば、前記の非プロト
ン性溶媒中にジフェニルジクロロシランを溶解し、2倍
モルの水を加えて加水分解することにより、ジフェニル
ジランジオール、および、そのオリゴマーの混合物を生
成させることができ、これを第2の工程以降に使用する
ことが可能である。この第2の発明の製造方法によって
も、第1の製造方法と全く同様の効果を得ることができ
る。
【0019】第3の発明においては、第1の発明のジオ
ール型原料に代わって、ジアリールジアルコキシシラン
を加水分解して使用する。例えば、前記非プロトン性溶
媒中にジフェニルジエトキシシランを溶解し、触媒とし
て例えば少量のHClガスを吸収させたのち、2倍モル
の水を加えて加水分解することにより、ジフェニルシラ
ンジオール、および、そのオリゴマーの混合物を生成さ
れることができ、これを第2の工程以降に使用すること
が可能である。この第3の発明の製造方法によっても、
第1の方法と全く同様の効果を得ることが可能である。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0021】〔実施例1〕以下の手順によりモノフェニ
ルシロキサン単位[前記一般式(I)]:ジフェニルシ
ロキサン単位[前記一般式(II)]=95:5(モル
比)のシロキサンコポリマーを製造した。
【0022】1リットルの反応容器にTHF100cc
を入れ、ジフェニルシランジオール11gを溶解し、酸
トラップ剤としてトリエチルアミン15gを添加した。
フェニルトリクロロシラン205gを300ccのTH
Fに溶解して上記の溶液に攪拌下で加えたのち、反応混
合物を1リットルの水に注いだ。二層に分離した反応混
合物にトルエン500ccを加えて攪拌した後、トルエ
ン層を分取して水洗した。溶媒の留去により白濁した半
固体132gが得られた。このうち128gを150c
cのキシレンに溶解し、触媒としてp−トルエンスルホ
ン酸1水和物4gを加えた。生成する水を除去しながら
2時間還流した後、2リットルのメタノールから再沈し
て、ポリマー前駆体105gを得た。NMR測定によ
り、前記一般式(I)で表される構造単位が分子鎖の末
端に存在することを確認した。ポリスチレン換算の重量
平均分子量は6,900であった。このポリマー前駆体
のうち100gとアニソール30ccをよく混合し、触
媒として水酸化カリウム0.1gを加えた後、生成する
水を除去しながら6時間還流した。その後、溶媒を蒸発
乾固させ、250℃で10時間加熱した。得られた白色
の固体をTHFに溶解したのち、2リットルのメタノー
ルから再沈して、重量平均分子量が19万のシロキサン
コポリマー92gを得た。図6に示した29Si−NMR
スペクトルを見ると、符号10で示す位置にジフェニル
型構造単位中のSi原子によるピークが表われており、
符号11で示す位置にフェニル型構造単位中のSi原子
によるピークが表われている。これらのピーク強度比か
ら、組成比95:5であることが確認できた。
【0023】〔実施例2〕実施例1において、ジフェニ
ルシランジオールのかわりに重水素置換ジフェニルシラ
ンジオールを、フェニルトリクロロシランのかわりに重
水素置換フェニルトリクロロシランを使用する以外は同
様にして、重量平均分子量17万の重水素置換シロキサ
ンコポリマーを得た。実施例1と同様にして組成比9
5:5であることが確認できた。
【0024】〔実施例3〕以下の手順によりモノフェニ
ルシロキサン単位[前記一般式(I)]:ジフェニルシ
ロキサン単位[前記一般式(II)]=90:10(モル
比)のポリマー前駆体を製造した。
【0025】1リットルの反応容器にTHF100cc
を入れ、ジフェニルジランジオール22gを溶解し、酸
トラップ剤としてピリジン20gを添加した。フェニル
トリクロロシラン194gを300ccのTHFに溶解
して上記の溶液に攪拌下で加えたのち、反応混合物を1
リットルの水に注いだ。二層に分離した反応混合物にト
ルエン500ccを加えてよく攪拌したのち、トルエン
層を分取して水洗した。溶媒の留去により白濁した半固
体126gが得られた。このうち120gを1500c
cのテトラリンに溶解し、触媒として硫酸0.1ccを
加えた。生成する水を除去しながら2時間乾留したの
ち、2リットルのメタノールから再沈して、ポリマー前
駆体96gを得た。NMR測定により、前記一般式
(I)で表される構造単位が分子鎖の末端に存在するこ
とを確認した。ポリスチレン換算の重量平均分子量は
4,400であった。このポリマー前駆体のうち90g
とフェネトール25ccをよく混合し、触媒として水酸
化カリウム0.1gを加えた後、生成する水を除去しな
がら6時間乾留した。その後、溶媒を蒸発乾固させ、2
50℃で8時間加熱した。得られた白色の固体をTHF
に溶解した後、2リットルのメタノールから再沈して、
重量平均分子量14万のシロキサンコポリマー78gを
得た。実施例1と同様にして、組成比90:10である
ことが確認できた。
【0026】〔実施例4〕実施例3において、ジフェニ
ルシランジオールのかわりに重水素置換ジフェニルシラ
ンジオールを、フェニルトリクロロシランのかわりに重
水素置換フェニルトリクロロシランを使用する以外は同
様にして、重量平均分子量13万の重水素置換シロキサ
ンコポリマーを得た。実施例1と同様にして、組成比9
0:10であることが確認できた。
【0027】〔実施例5〕実施例1において、ジオール
型原料のかわりにジクロロ型原料を使用し、以下のよう
にしてシロキサンコポリマーを得た。
【0028】1リットルの反応容器にジオキサン100
ccを入れ、ジフェニルジクロロシラン13gを溶解し
た。これに水2ccとジオキサン5ccの混合溶液を攪
拌下で滴下し、1時間攪拌を続けた。この反応混合物
に、酸トラップ剤としてトリエチルアミン15gを添加
した後、フェニルトリクロロシラン205gを300c
cのジオキサンに溶解した溶液を攪拌下で加えた。反応
混合物を1リットルの水に注ぎ、トルエン500ccを
加えてよく攪拌したのち、トルエン層を分取して水洗し
た。溶媒の留去により白濁した半固体122gが得られ
た。このうち115gを150ccのキシレンに溶解
し、触媒としてp−トルエンスルホン酸1水和物4gを
加えた。生成する水を除去しながら2時間還流したの
ち、2リットルのメタノールから再沈して、ポリマー前
駆体を得た。
【0029】これ以降の反応操作は実施例1と同様にし
てユニット組成比95:5のシロキサンコポリマーを得
た。反応条件の詳細と結果は表1〜表3のとおりであっ
た。
【0030】〔実施例6〜8〕ジクロロ型の原料を実施
例5と同様にして加水分解し、使用するモル比は各々実
施例2〜4と同様にして、シロキサンコポリマーを製造
した。反応条件の詳細と結果は表1〜表3に示すとおり
であった。
【0031】〔実施例9〕1リットルの反応容器にTH
F100ccを入れ、ジフェニルジエトキシシラン14
gを溶解した。これに塩酸0.2ccを加えた後、水2
ccとTHF5ccの混合溶液を攪拌下で滴下し、一昼
夜攪拌を続けた。これ以降の反応操作は実施例1と同様
にしてユニット組成比95:5のシロキサンコポリマー
を得た。反応条件の詳細と結果は表1〜表3のとおりで
あった。
【0032】〔実施例10〜12〕ジアルコキシ型の原
料を実施例9と同様にして加水分解し、使用するモル比
は各々実施例2〜4と同様にして、シロキサンコポリマ
ーを製造した。反応条件の詳細と結果は表1〜表3に示
すとおりであった。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】〔適用例〕実施例1〜12で得られたシロ
キサンコポリマーをコア材として、従来のホトリソグラ
フ技術により高分子光導波路を製造した。クラッド材と
して分子量15万の重水素置換ポリフェニルシルセスキ
オキサン(ホモポリマー)を使用した。光導波路の形状
は、下層クラッド膜厚;20μm,コア;8μm×8μ
m,上層クラッド膜厚;15μmとした。得られた光導
波路の波長1.3μmにおける特性を評価したところ、
導波損失値は、実施例1,3,5,7,9,11のコポ
リマーを使用した場合には0.3〜0.5dB/cm、
実施例2,4,6,8,10,12のコポリマーを使用
した場合には0.1〜0.2dB/cmの範囲に収まる
ことを確認した。
【0037】〔比較例〕実施例1において、ジフェニル
ジクロロシランとフェニルトリクロロシランを逐次反応
させるかわりに、両原料を同時にTHFに溶解して蒸留
水を滴下する方法により、前記一般式(II)で表される
構造単位が分子鎖の末端に存在するポリマー前駆体を製
造した。このポリマー前駆体を用いて高分子量化を行っ
たが、重量平均分子量は8万程度で飽和した。この低分
子量コポリマーを使用して、上記適用例と同様に光導波
路の製造を試みたが、加工途中の加熱乾燥時や有機溶媒
との接触によって容易にクラッキングが生じ、光導波路
製造の歩留りは約15%以下であった。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシロキサ
ンコポリマーの製造方法によれば、従来の方法に比べて
高分子量、かつ、屈折率の制御が容易なシロキサンコポ
リマーが得られるという利点がある。このため、光導波
路の製造の障害となっていたクラッキング等による破壊
が抑えられ、光導波路の製造を高効率化することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】高分子光導波路の断面構成図である。
【図2】従来の製造方法で製造されたポリマー前駆体の
NMRスペクトルを示す図である。
【図3】本発明の請求項1の発明で製造されたポリマー
前駆体のNMRスペクトルの要部を示す図である。
【図4】本発明の請求項2の発明で製造されたポリマー
前駆体のNMRスペクトルの要部を示す図である。
【図5】本発明の請求項3の発明で製造されたポリマー
前駆体のNMRスペクトルの要部を示す図である。
【図6】本発明の実施例1で得られたシロキサンコポリ
マーのNMRスペクトルを示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下層クラッド 3 コア部 4 上層クラッド 5 分子鎖末端にある前記一般式(II)のピーク 6 分子鎖末端にない前記一般式(II)のピーク 7 前記一般式(I)のピーク 8 1個の水酸基をもつ前記一般式(I)のピーク 9 2個の水酸基をもつ前記一般式(I)のピーク 10 ジフェニル型構造単位中のSi原子によるピーク
(相対強度5) 11 フェニル型構造単位中のSi原子によるピーク
(相対強度95)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 弘次 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)および(II) 【化1】 で表される化学構造単位を繰り返し単位とするシロキサ
    ンコポリマーの製造方法において、 ジアリールシランジオールを非プロトン性溶媒に溶解し
    た後、該溶液にアリールトリクロロシランを加える第1
    の工程と、 前記第1の工程で得られた反応混合物を水中に投入して
    全体を加水分解させる第2の工程と、 前記第2の工程で得られた加水分解物を溶媒中で脱水縮
    合させてポリマー前駆体を生成せしめる第3の工程と、 前記ポリマー前駆体を固相状態で脱水縮合させる第4の
    工程と、を包含することを特徴とするシロキサンコポリ
    マーの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程のジアリールシランジオ
    ールのかわりに、ジアリールジクロロシランの加水分解
    物を使用することを特徴とする請求項1に記載のシロキ
    サンコポリマーの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の工程のジアリールシランジオ
    ールのかわりに、ジアリールジアルコキシシランの加水
    分解物を使用することを特徴とする請求項1に記載のシ
    ロキサンコポリマーの製造方法。
JP7066094A 1994-04-08 1994-04-08 シロキサンコポリマーの製造方法 Pending JPH07278306A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7066094A JPH07278306A (ja) 1994-04-08 1994-04-08 シロキサンコポリマーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7066094A JPH07278306A (ja) 1994-04-08 1994-04-08 シロキサンコポリマーの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07278306A true JPH07278306A (ja) 1995-10-24

Family

ID=13438045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7066094A Pending JPH07278306A (ja) 1994-04-08 1994-04-08 シロキサンコポリマーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07278306A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101317776B1 (ko) * 2011-12-14 2013-10-11 한국과학기술연구원 코어-쉘 구조를 갖는 페닐폴리실록산 수지

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101317776B1 (ko) * 2011-12-14 2013-10-11 한국과학기술연구원 코어-쉘 구조를 갖는 페닐폴리실록산 수지

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1142593C (zh) 集成电路装置及其制造方法
TW200838901A (en) Process for producing polysiloxanes and use of the same
EP0967237A1 (en) Silicone compounds and process for producing the same
JP2010513587A (ja) 新規ナノ粒子含有シロキサン重合体
Lee et al. Crosslinkable polymers for optical waveguide devices. II. Fluorinated ether ketone oligomers bearing ethynyl group at the chain end
JP2004059761A (ja) ポリベンゾオキサゾール樹脂、その前駆体及びこれらを用いた光導波路材料並びに光導波路
TWI499619B (zh) Containing a curable poly cage-shaped structure of silicon oxide copolymer and its manufacturing method and use of the cage structure-containing curable silicon oxide copolymer of poly curable resin composition and cured
EP0010051A1 (fr) Copolyesters thermotropes issus d'au moins une hydroquinone substituée, d'un diacide aromatique et/ou cycloaliphatique et d'un diacide aliphatique
JPS6247605A (ja) 光伝送ファイバー
US6965006B2 (en) Metal alkoxide polymers
CN101636433B (zh) 具有官能团的笼断裂型硅氧烷树脂及其制造方法
JPH07278306A (ja) シロキサンコポリマーの製造方法
US5130397A (en) Hybrid sol-gel optical materials
Roscher et al. New inorganic-organic hybrid polymers for integrated optics
US20020057882A1 (en) Fluorinated polyethers having perfluorinated aliphatic group and optical waveguide using the same
KR101797476B1 (ko) 폴리아릴렌술피드 및, 이를 함유하는 조성물, 광학 부재 및 광학 소자
KR101233381B1 (ko) 붕소-함유 수소 실세스퀴옥산 폴리머, 이를 이용하여 제조되는 집적회로 소자, 및 관련 방법
Song et al. Synthesis, characterization and optical properties of fluorinated poly (aryl ether) s containing phthalazinone moieties
US7001678B2 (en) Crosslinked polymer blends that include a luminescent polymer, and devices incorporating same
JP3681582B2 (ja) エポキシ基含有シリコーン樹脂
KR20010087502A (ko) 광학용 폴리이미드 단량체, 폴리이미드 화합물 및 그 제조방법
KR100763936B1 (ko) 유기-무기 하이브리드 재료의 제조방법
Flipsen et al. Polymer optical fiber with high thermal stability and low optical losses based on novel densely crosslinked polycarbosiloxanes
JPH06256523A (ja) 遷移金属元素を含むポリシロキサンおよびそれを用いた光導波路
JPH09324051A (ja) 高分子光学材料及びそれを用いた光導波路