JPH07277U - ミシンの垂直全回転釜 - Google Patents

ミシンの垂直全回転釜

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JPH07277U
JPH07277U JP3029193U JP3029193U JPH07277U JP H07277 U JPH07277 U JP H07277U JP 3029193 U JP3029193 U JP 3029193U JP 3029193 U JP3029193 U JP 3029193U JP H07277 U JPH07277 U JP H07277U
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JP
Japan
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hook
inner hook
needle
sewing
sewing machine
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JP3029193U
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Inventor
勇 田中
Original Assignee
株式会社勝見商会
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 縫製品に汚れを生じることもなく、又、縫い
縮み・糸切れ・糸締りむらを発生することもなく、又、
内釜を損傷することもないミシンの垂直全回転釜を提供
する。 【構成】 外釜1、内釜を有するミシンの垂直全回転釜
であって、内釜20が低摩擦係数の部材にて形成され、
外釜1に設けられる内釜押え部材10は、金属材料にて
なり、上記外釜に収納された内釜に形成されている上記
針受入口13のみを露出するように張り出した張出部1
1を有し、該張出部には該張出部に上記縫製針の先端が
接触したときには上記縫製針を上記針受入口へ案内する
方向へ傾斜している傾斜面が形成される、ことを特徴と
する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ミシンの構成部分であり縫製動作を行う箇所に設けられる内釜と外 釜とを有するミシンの垂直全回転釜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ミシンの内釜は、家庭用ミシンの一部を除いて工業用ミシンにおいては 、耐久性の見地より鉄鋼を材料とし、削り出し・焼入・研削・磨き・硬質クロー ムメッキ等の工程を経て製作されていた。 ミシンに設けられる外釜と内釜について図を参照し説明する。尚、図4は外釜 1と内釜2と内釜回り止め部材3との組立平面図を示し、図5は図4に示すA− A’における縦断面を示している。又、図6は図4及び図5に示す内釜押え部材 を示す斜視図である。尚、各図において同じ構成部材については同じ符号を付し ている。 外釜1は機枠(図示しない)に装備された軸4に止めネジ15によって固定さ れ、軸4が矢印B方向に回転することで軸4とともに矢印B方向へ回転する。一 方、外釜1に形成される凹部16へはめ込まれる内釜2は、図5に示すように、 上記凹部16の内周面に形成される溝5に、内釜2の外周面に突設される摺動部 6が係合され、さらに外釜1の外周面にネジ止めされる内釜押え部材12にて内 釜2は外釜1の凹部16内に保持される。この内釜押え部材12について補足説 明する。上記凹部16へ内釜2を装着するときのため、図5に示すように、外釜 1の一部において外釜1は上記溝5における内釜出入側の側壁を欠如して形成さ れており、内釜押え部材12を取り外した状態で外釜1の凹部16へ内釜2を装 着した後、上記凹部16からの内釜2の脱落を防止するために上記側壁欠如部分 について側壁を形成するように、外釜1の外周面に図6に示す形状の内釜押え部 材12がねじ止めされる。尚、内釜押え部材12は、図5に示すように、L字形 の断面にてなり、折曲部12aにて溝5の上記側壁を形成し、溝5を完成させる 。
【0003】 上述したように、内釜2は外釜1に保持されることから外釜1の上記回転に伴 い内釜2も同方向に回転しようとするが、図4に示すように内釜2の外枠の上部 の一部に形成される凹部7に、外釜1、内釜2とは別設される内釜回り止め部材 3の突起部3aが係合し、かつ内釜回り止め部材3が上記機枠に固定されている ことから、内釜2が外釜1と同方向へ回転しようとしても凹部7を形成する壁面 7aと突起部3aとが当接し内釜2は外釜1の回転に追従して回転することが防 止される。よって回転が制止される内釜2の摺動部6と外釜1の溝5とが摺動し 外釜1が軸4とともに回転する。 尚、上記凹部7と上記内釜回り止め部材3との係合部に形成される隙間を上糸 は通過する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述したような外釜1及び内釜2を金属材料にて製作した場合には 、外釜1の溝5と内釜2の摺動部6との摺動摩擦が大きく、この摩擦を低減する ために溝5と摺動部6との摺動部分には注油を必要とし、該油により縫製品に汚 れが発生するという問題点がある。 又、上記摩擦は、外釜1の回転速度の上昇に伴い、内釜2は外釜1の回転方向 と同方向である、図4に示す矢印C方向への回転トルクが増大し、内釜2には内 釜回り止め部材3の突起部3aに押し付けられる押圧力が発生する。上述したよ うに上記凹部7と上記内釜回り止め部材3との係合部に形成される隙間を上糸は 通過するが、上記押圧力が強くなることは上糸が内釜2と内釜回り止め部材3と の間を通り抜けるのを妨げることになり、上糸は内釜回り止め部材3に押し付け られた内釜2を押し広げながら通過しなければならない。したがって、上糸には 上記押圧力に抗するだけの張力を必要とし、上記摩擦が大きいことは、上記押圧 力が強くなり、縫製時に縫い縮み・糸切れ・糸締りむらを発生するという問題点 もある。 このような状態を改善するため、上記摩擦を低減するように、金属材よりも摩 擦係数の小さいプラスチック材にて内釜2を製作したものが知られている。しか し、図5に示すように、針8は縫製状態により点線にて示すような撓みを生じる ことがある。このような撓みが針8に発生した場合には針先が内釜2の針受け部 9に当接する事態が発生する。このような場合、内釜2がプラスチックにて形成 されていると、プラスチックの硬度が針8の材料である金属に比べ低いことより 、針先は、内釜2へ針8が出入する針受入口13の針受け部9に突き刺さりそれ によって内釜2の針受け部9を損傷するという問題点がある。 本考案はこのような問題点を解決するためになされたもので、縫製品に汚れを 生じることもなく、又、縫い縮み・糸切れ・糸締りむらを発生することもなく、 又、内釜を損傷することもないミシンの垂直全回転釜を提供することを目的とす る。
【0005】
【課題を解決する手段】
本考案は、ミシンの構成部分であり縫製動作を行う箇所に設けられる内釜と外 釜とを有し、上記内釜は、上糸が貫通している縫製針が出入する針受入口が形成 され上記上糸と結びつけられる下糸を収納し、上記外釜は、凹部形状を有し、上 記針受入口を含む部分を露出した状態で上記凹部に上記内釜を収納する部材であ り、上記内釜の外周面に周方向へ形成される内釜係合部と係合する外釜係合部を 有し上記内釜係合部と上記外釜係合部との係合及び、上記外釜係合部から上記内 釜係合部が脱落するのを防止するために取り付けられる内釜押え部材にて上記内 釜を上記凹部に保持するとともに上記内釜係合部と上記外釜係合部とが摺動する ことで上記内釜の外周面方向へ回転する、ミシンの垂直全回転釜であって、 上記内釜は金属材料よりも動摩擦係数が小さい材料にて形成され、 内釜押え部材は、金属材料にてなり、上記外釜に収納された内釜に形成されて いる上記針受入口のみを露出する位置まで張り出した張出部を有し、該張出部に は該張出部に上記縫製針の先端が接触したときには上記縫製針を上記針受入口へ 案内する方向へ傾斜している傾斜面が形成される、ことを特徴とする。
【0006】
【作用】
このように構成することで、内釜と外釜との摩擦が減少する。よって該摺動部 に注油する必要はなくなり、よって油の縫製品への付着を防止するように作用す る。又、摩擦を低減することは、内釜と内釜回り止め部材とにより上糸を挟む力 が弱くなることから、縫い縮み・糸切れ・糸締りむらの発生をなくすように作用 する。 又、内釜押え部材の張出部は、内釜の針受入口のみを露出するように内釜を覆 っているので、たとえ縫製針に撓みが生じた場合でも内釜に縫製針が当接し内釜 が損傷するのを防止するように作用し、さらに張出部は傾斜しているので上記張 出部に当接した針先端を上記針受入口へ案内するように作用する。
【0007】
【実施例】
本考案の一実施例を図1ないし図3を参照し以下に説明する。尚、図1ないし 図3に示す構成部分の内、図4ないし図6に示される構成部分と同じ構成部分に ついては同じ符号を付し、その説明を省略する。 本実施例における垂直全回転釜と従来の垂直全回転釜と相違するところは、内 釜の材料と、内釜押え部材の形状である。これらについて以下に説明する。
【0008】 内釜20は、その形状、構成、動作は上述した内釜2と変わるものではないが 、内釜20を成型する材料は、鉄鋼材に比べ動摩擦係数が小さい合成高分子化合 物、例えばプラスチック材であり、より具体的にはポリイミドである。尚、動摩 擦係数としては0.07ないし0.2の範囲にあるプラスチック材が好ましい。 このようなプラスチック材料の一例としては、三井東圧化学(株)製、品番JR F4025、動摩擦係数0.16のものが挙げられる。 このように内釜20を上記プラスチック材にて成型することで、金属材料、例 えば鉄鋼材である、JISにて規定されるS15C材料と同等以上の材料、例え ばクロムモリブデン鋼にて成型されている外釜1の溝5と、該溝5に係合する内 釜20の摺動部6との動摩擦係数は、金属対金属の場合に比べ低減される。従っ て、上記溝5と上記摺動部6との係合部に注油する必要はなくなり、よって縫製 品へ油が付着することはなくなる。又、摩擦が低減することで、外釜1の回転速 度が上昇しても内釜2が内釜回り止め部材3の突起部3aへ押し付けられる押圧 力が低減される。よって内釜2と内釜回り止め部材3との間を上糸が通り抜ける のが容易になり、上糸に過大な張力が生じることもなく、従来発生したような縫 い縮み・糸切れ・糸締りむらを発生することはない。
【0009】 尚、上記実施例では内釜20はすべてプラスチック材にて成型したが、内釜2 0の摺動部6の近傍部分を上記プラスチック材にて成型しその他の部分は鉄鋼材 料にて成型しこれらを合体することで内釜を構成してもよい。
【0010】 又、内釜はすべて金属材料、例えば鉄鋼材である、JISにて規定されるS1 5C材料と同等以上の材料、例えばクロムモリブデン鋼にて成型し、摺動部6と 係合する外釜1の溝5を形成する部分を上記プラスチック材にて成型してもよい 。さらに、上記摺動部6を含む部分及び上記溝5を含む部分の両方を上記プラス チック材にて成型したものを使用してもよい。 又、削り出し・焼入・研削・磨き・硬質クロームメッキ等の工程を経て内釜を 製作するよりも、複雑な形状の内釜を上記プラスチック成型することで、内釜の 生産性を向上させることもできる。
【0011】 次に、内釜押え部材10について説明する。 内釜押え部材10は、金属材料、例えば鉄鋼材である、JISにて規定される S15C材料と同等以上の材料、例えばクロムモリブデン鋼であって、焼き入れ 処理が施されたもので、図3に示すように上述した内釜押え部材12と同様に、 外釜1の外周面の所定範囲に上記外周面に沿って延在する円弧状で概略L字形状 の断面を有する部材であり、外釜1の外周面であって内釜20に形成されている 針受入口13の位置に対応した箇所にネジ止めされる。尚、内釜押え部材10も 内釜押え部材12と同様に、内釜20を外釜1に収納した後、内釜20を外釜1 に保持するための部材であり、内釜押え部材12の場合と同様で上述したように 、内釜押え部材10が外釜1に取り付けられたときには内釜押え部材10は外釜 1に形成される溝5の一方の側壁10aを形成する。
【0012】 さらに内釜押え部材10には、図1に示すように、外釜1に内釜20が装着さ れた状態にて、上下に往復動する針8が上から出入する上記針受入口13の外釜 側に位置する側壁13aの上方位置まで、円弧状の内釜押え部材10の端面11 aが延在するように内釜押え部材10が張り出した張出部11が形成される。よ って張出部11は、内釜20に設けられる針受入口13を露出させるように内釜 20を覆う。さらに張出部11は、図2に示すように、針受入口13方向へ下る 傾斜面が形成される。よって図2に点線にて示すように、縫製状態により針8に 撓みが生じた場合であっても針先は張出部11の上記傾斜面に当接し、針8は張 出部11の傾斜面に沿って内釜20に設けられる針受入口13へ案内される。
【0013】 このように、外釜1に内釜押え部材10を設けることで内釜20全体が上記プ ラスチック材にて成型されている場合であっても、内釜押え部材10に設けられ る張出部11は針受入口13を除き内釜20を覆っていることから、縫製状態に より針8に撓みが発生しても針先が内釜の針受け部9に突き刺さることは防止で き、この針の突き刺さりによる内釜20の損傷を防止することができる。
【0014】
【考案の効果】
以上詳述したように本考案によれば、内釜を金属材料よりも動摩擦係数が小さ い材料にて形成することで、内釜係合部と上記外釜係合部との摩擦を低減し外釜 と内釜との摺動箇所に注油する必要がなくなり、縫製品へ油が付着することはな くなる。又、摩擦が低減することで、外釜の回転速度が上昇しても内釜が内釜回 り止め部材の突起部へ押し付けられる力が低減されることから、内釜と内釜回り 止め部材との間を上糸が通り抜けるのが容易になり、上糸に過大な張力が生じる ことがなくなり、縫い縮み・糸切れ・糸締りむらを発生することはない。 さらに、張出部を有する内釜押え部材を外釜に設けることで針受入口を除き張 出部が内釜を覆っていることから、縫製状態により針に撓みが発生しても針先が 内釜の針受け部に突き刺さることは防止でき、この針の突き刺さりによる内釜の 損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案のミシンの垂直全回転釜の一実施例に
おける内釜押え部材を外釜に取り付けた状態を示す平面
図である。
【図2】 図1に示すD−D’における縦断面図であ
る。
【図3】 本考案のミシンの垂直全回転釜の一実施例に
おける内釜押え部材を示す斜視図である。
【図4】 従来の内釜押え部材を外釜に取り付けた状態
を示す平面図である。
【図5】 図4に示すD−D’における縦断面図であ
る。
【図6】 従来の内釜押え部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…外釜、2…内釜、3…内釜回り止め部材、4…軸、
5…溝、6…摺動部、8…針、9…針受け部、10…内
釜押え部材、11…張出部、20…内釜。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンの構成部分であり縫製動作を行う
    箇所に設けられる内釜(2)と外釜(1)とを有し、上
    記内釜は、上糸が貫通している縫製針(8)が出入する
    針受入口(13)が形成され上記上糸と結びつけられる
    下糸を収納し、上記外釜は、凹部形状を有し、上記針受
    入口を含む部分を露出した状態で上記凹部に上記内釜を
    収納する部材であり、上記内釜の外周面に周方向へ形成
    される内釜係合部(6)と係合する外釜係合部(5)を
    有し上記内釜係合部と上記外釜係合部との係合及び、上
    記外釜係合部から上記内釜係合部が脱落するのを防止す
    るために取り付けられる内釜押え部材(12)にて上記
    内釜を上記凹部に保持するとともに上記内釜係合部と上
    記外釜係合部とが摺動することで上記内釜の外周面方向
    へ回転する、ミシンの垂直全回転釜であって、 上記内釜は金属材料よりも動摩擦係数が小さい材料にて
    形成され、 内釜押え部材(10)は、金属材料にてなり、上記外釜
    に収納された内釜に形成されている上記針受入口のみを
    露出する位置まで張り出した張出部(11)を有し、該
    張出部には該張出部に上記縫製針の先端が接触したとき
    には上記縫製針を上記針受入口へ案内する方向へ傾斜し
    ている傾斜面が形成される、ことを特徴とするミシンの
    垂直全回転釜。
  2. 【請求項2】 上記内釜を成型する材料は、ポリイミド
    樹脂からなる、請求項1記載のミシンの垂直全回転釜。
JP3029193U 1993-06-07 1993-06-07 ミシンの垂直全回転釜 Pending JPH07277U (ja)

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JPH07277U true JPH07277U (ja) 1995-01-06

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JP3029193U Pending JPH07277U (ja) 1993-06-07 1993-06-07 ミシンの垂直全回転釜

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20100082720A (ko) * 2009-01-09 2010-07-19 뒤르콥 아들러 악티엔게젤샤프트 2침 재봉틀

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JPS5698306A (en) * 1979-12-29 1981-08-07 Tokyo Haidenban Kogyo Kiyoudou Electric board using wiring breaker

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