JPH0722221Y2 - ミシンの内釜 - Google Patents

ミシンの内釜

Info

Publication number
JPH0722221Y2
JPH0722221Y2 JP1992014971U JP1497192U JPH0722221Y2 JP H0722221 Y2 JPH0722221 Y2 JP H0722221Y2 JP 1992014971 U JP1992014971 U JP 1992014971U JP 1497192 U JP1497192 U JP 1497192U JP H0722221 Y2 JPH0722221 Y2 JP H0722221Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hook
inner hook
thread
sewing machine
plastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1992014971U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0568482U (ja
Inventor
勇 田中
Original Assignee
株式会社勝見商会
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社勝見商会 filed Critical 株式会社勝見商会
Priority to JP1992014971U priority Critical patent/JPH0722221Y2/ja
Publication of JPH0568482U publication Critical patent/JPH0568482U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0722221Y2 publication Critical patent/JPH0722221Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ミシンの内釜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ミシンの内釜は、家庭用ミシンの
一部を除いて工業用ミシンにおいては、耐久性の見地よ
り鉄鋼を材料とし、削り出し・焼入・研削・磨き・硬質
クロームメッキ等の工程を経て製作されていた。そし
て、ミシンの縫目形成においては、外釜で捕捉した上糸
を、上記内釜内に装備された下糸を潜した後、糸引き上
げ装置により、内釜と内釜回り止め部材との間をさらに
通して引き上げられ、布中で下糸と交差して縫目を完成
するようにしている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、ミシンの回
転速度が上昇するに伴い、内釜は、外釜との摺動部の摩
擦により、外釜の回転方向と同方向の回転トルクが増大
し、内釜は内釜回り止め部材に押し付けられる力が発生
する。この力は、上記上糸が内釜と内釜回り止め部材の
間を通り抜けるのを妨げることになり、上糸は内釜回り
止め部材に押し付けられた内釜を押し広げながら通過し
なければならない。故に、上糸にはこの力に抗するだけ
の張力を必要とし、縫い縮み、糸切れ、糸締りむらを生
じることがある。
【0004】これを防止するため、従来より、上記摺動
部の摩擦を減らす手段として内釜に摩擦係数の小さいテ
フロンなどのコーティングが行われてきたが、その厚さ
に限度があり、耐久性に欠けるといった問題があった。
【0005】従って、本考案の目的は、上記問題を解決
することにあって、耐久性が向上しかつ摩擦を小さくす
ることができて、縫い縮み、糸切れ、糸締りむらを効果
的に防止することができるミシンの内釜を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案は、内釜本体と摺動部とを摩擦係数の小さい
プラスチックで構成し、摩耗しやすい箇所に耐摩耗性部
材を装着するように構成する。
【0007】すなわち、動摩擦係数が0.07〜0.2
の範囲内のプラスチック製内釜本体と、糸分け部を有し
かつ動摩擦係数が0.07〜0.2の範囲内のプラスチ
ック製摺動部と、上記糸分け部に装着された耐摩耗性部
材とを備えるように構成する。
【0008】上記構成においては、上記耐摩耗性部材は
セラミックピンであるように構成することもできる。
【0009】上記構成においては、上記耐摩耗性部材
は、上記摺動部の上記糸分け部とは反対側の端部及び該
端部と上記糸分け部との間の中央部にも装着されるよう
に構成することもできる。
【0010】
【考案の効果】上記構造によれば、内釜本体及び摺動部
は摩擦係数の小さいプラスチックにより構成されるた
め、ミシンの回転速度が上昇しても内釜回り止め部材に
内釜が押しつけられる力が僅少となり、縫い縮み・糸切
れ・糸締りむらを効果的に解消することができる。ま
た、摩耗しやすい部分、例えば摺動部の糸分け部に耐摩
耗性部材を装着するようにしたので、内釜の耐久性を大
きく向上させることができる。さらに、複雑な形状の内
釜を鋼鉄より削り出し、その後、多工程の処理を要した
従来の内釜に比較し、本考案の内釜によれば生産性を大
きく向上させることができる。また、釜軸を金属製とし
かつ内釜本体を摩擦係数が小さいプラスチック製より構
成するようにすれば、内釜が高温状態となることが効果
的に防止でき、手袋無しでボビン交換が行えるととも
に、内釜と外釜との間を無給油状態にすることが可能と
なる。よって、従来のものでは、内釜と外釜とが金属製
より構成されていたため両部材間に給油する必要があ
り、この給油量が多すぎるとボビンに巻かれた糸に油が
付着して製品の品質が劣化することがあったが、この実
施例では無給油状態とすることができ、糸に油が付着す
ることを防止できる。
【0011】
【実施例】以下に、本考案にかかる実施例を図1〜図7
に基づいて詳細に説明する。
【0012】まず、本実施例にかかる内釜20を説明す
る前に、外釜1と内釜2とを説明する。図1は外釜1と
内釜2と内釜回り止め部材3の組立図である。
【0013】上記外釜1は機枠(図示しない)に装備さ
れた軸4により矢印の方向に回転する。一方、上記内釜
2は、その一部を点線で示す摺動部5を上記内釜2の外
周面に突設して、この摺動部5を介して上記外釜1に係
合する。上記内釜2の上部の凹部6には上記機枠に固定
した上記内釜回り止め部材3の係合部3aを係合し、上
記内釜2が上記外釜1の回転に追従して回転するのを防
止している。
【0014】なお、上記内釜2の上部の凹部6と上記内
釜回り止部材3の係合部3aとの間には上糸が容易に通
過するだけの隙間を有する。
【0015】図2に上記内釜2の周囲を上糸7の輪が潜
る状態を示す。上記内釜2の摺動部5は上部で切れてお
り、上記外釜1に捕捉された上記上糸7は、上記内釜2
の摺動部5の切端部(以下、「糸分け部」と記す)5a
で上記内釜2の両側に分けられ、上記外釜1の回転に伴
い上記内釜2を一周した後、糸引き上げ装置(図示しな
い)で引き上げられるようになっており、このことは周
知である。
【0016】上記従来の構造においては、上記内釜2の
全体をプラスチックで製作した場合、糸分け部5aが上
記外釜1の摺動溝1aの嵌入時に衝撃を受け変形するこ
とがある。又、上糸7との摩擦のため摩耗することもあ
りえる。
【0017】図3は、本考案の一実施例にかかる内釜2
0の一例を示す。上記従来の構造における欠点を除くた
め、上記内釜20の本体20a及び摺動部5は、鉄鋼よ
り摩擦係数が小さいプラスチック、すなわち、動摩擦係
数が0.07〜0.2の範囲内のプラスチックで一体的
に成形する一方、糸分け部5aと摺動部5の要所5b,
5cすなわち摩耗しやすい箇所に耐摩耗性部材としてセ
ラミックピン8,8,8を装着している。上記プラスチ
ックの例としては、樹脂メーカのアムコ社の商品名「ポ
リロン」のNo.4275や三井東圧化学株式会社の商
品番号JRF4025などが好ましい。上記耐摩耗性部
材としてはセラミックピン8の代わりに焼入れ鋼や超硬
合金などであってもよい。
【0018】上記実施例によれば、内釜本体20a及び
摺動部5は摩擦係数の小さいプラスチック成形により構
成されるため、ミシンの回転速度が上昇しても内釜回り
止め部材3に内釜20が押しつけられる力が僅少とな
り、縫い縮み・糸切れ・糸締りむらを効果的に解消する
ことができる。また、摩耗しやすい部分、例えば摺動部
5の糸分け部5aや要所5b,5cに耐摩耗性部材とし
てセラミックピン8を装着するようにしたので、摺動部
自体が摩耗することが効果的に防止され、内釜20の耐
久性を大きく向上させることができる。また、従来、上
記内釜の全体をプラスチックで製作した場合、糸分け部
5aが上記外釜1の摺動溝1aの嵌入時に衝撃を受け変
形することがあったが、本実施例によれば、変形しやす
い糸分け部5aにセラミックピン8を装着しているた
め、糸分け部5aが変形することが効果的に防止でき
る。さらに、複雑な形状の内釜を鋼鉄より削り出し、そ
の後、多工程の処理を要した従来の内釜に比較し、本実
施例の内釜20によれば生産性を大きく向上させること
ができる。
【0019】なお、本考案は上記実施例に限定されるも
のではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、
図3の内釜20の形状と、耐摩耗性部材としてのセラミ
ックピン8の形状及び摺動部5の要所5b,5cは一例
であり、その他任意に設計変更することができる。
【0020】例えば、摺動部25を有する図4の様な内
釜21に応用することもできる。すなわち、図4におい
ては、上釜21の本体21aも上記上釜本体20aと同
様な材料で構成し、かつ、セラミックピン28を摺動部
25の糸分け部25a、要所25b,25cに装着して
いる。この実施例においても先の実施例と同様な作用効
果を奏することができる。
【0021】また、上記実施例では内釜本体20a,2
1aと摺動部5,25とを一体的にプラスチックで成形
するようにしていたが、内釜本体と摺動部とを別々にプ
ラスチックで製造して組み立るようにしてもよい。
【0022】また、図5〜7に示すように、釜軸34を
金属製とし、かつラッチ30、ラッチ軸31、押しピン
32、ラッチバネ33をその貫通穴34a内に内蔵する
ように構成するとともに、上記釜軸34を内釜本体35
にねじ38によるねじ止めなどにより固定する。このよ
うにすれば、内釜本体35をプラスチック製にすること
ができる。言い換えれば、釜軸34も内釜本体35と同
様なプラスチックで構成することが製造上好ましいが、
釜軸34内に上記したラッチ30等を内蔵させることが
構造強度上困難であるため、釜軸34のみを金属とした
のである。これにより内釜全体として軽量化を図ること
ができる。また、金属により内釜本体を構成していた従
来のものでは、金属製の内釜と金属製の外釜とが摺動す
るとき摩擦熱が発生して内釜が高温状態になってしま
い、ボビン交換時に手袋が必要となるといった問題があ
った。これに対して、この実施例では釜軸34を金属製
としかつ内釜本体35を摩擦係数が小さいプラスチック
製より構成することにより、内釜が高温状態となること
が効果的に防止でき、手袋無しでボビン交換が行えると
ともに、内釜と外釜との間を無給油状態にすることが可
能となる。よって、従来のものでは、内釜と外釜とが金
属製より構成されていたため両部材間に給油する必要が
あり、この給油量が多すぎるとボビンに巻かれた糸に油
が付着して製品の品質が劣化することがあったが、この
実施例では無給油状態とすることができ、糸に油が付着
することを防止できる。図5〜7において、図7に示す
ようにラッチ30が起立した状態で、ボビン36をキャ
ップ37内に収納し、この状態でボビン36を釜軸34
に挿入するように内釜本体35とキャップ37とを係合
させ後、ラッチ30を図7の矢印方向とは逆方向に倒す
ことによってボビン36が釜軸34から抜け出すことを
防止している(図6参照)。一方、ラッチ30を図7の
矢印の方向に起こしてキャップ37を取り除けば、ボビ
ン36を釜軸34から円滑に取り出すことができる。内
釜本体35も摺動部35aを有し、この内釜本体35も
上記内釜本体20aと同様な材料で構成するとともに、
セラミックピン39を摺動部35aの糸分け部に装着し
て先の実施例と同様な効果を奏するようにしている。な
お、この実施例では図6の状態ですなわち釜軸34の軸
方向が大略鉛直方向となる状態で使用されることを想定
してセラミックピン39を配置している。上記セラミッ
クピン39の配置位置は上記糸分け部以外にも所望の箇
所に配置するようにしてもよい。なお、釜軸34をイン
サート成形により内釜本体35に固定させるようにして
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ミシンの内釜と外釜と内釜回り止め部材の組
み立て斜視図である。
【図2】 図1にかかる内釜と外釜と内釜回り止め部材
と上糸との関係を示す斜視図である。
【図3】 本考案の一実施例にかかるミシンの内釜の斜
視図である。
【図4】 本考案の他の実施例にかかるミシンの内釜の
斜視図である。
【図5】 本考案のさらに他の実施例にかかるミシンの
内釜の平面図である。
【図6】 図5のミシンの内釜の縦断面図である。
【図7】 図5のミシンの内釜の分解状態における縦断
面図である。
【符号の説明】
1…外釜、1a…摺動溝、2,20,21…内釜、3…
内釜回り止め部材、4…軸、5,25…摺動部、5a,
25a…糸分け部、5b,5c,25b,25c…要
所、7…上糸、8…セラミックピン、20a,21a…
内釜本体、30…ラッチ、31…ラッチ軸、32…押し
ピン、33…ラッチバネ、34…釜軸、35…内釜本
体、35a…摺動部、36…ボビン、37…キャップ、
38…ねじ、39…セラミックピン。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動摩擦係数が0.07〜0.2の範囲内
    のプラスチック製内釜本体(20a,21a,35)
    と、糸分け部(5a,25a)を有しかつ動摩擦係数が
    0.07〜0.2の範囲内のプラスチック製摺動部
    (5,25,35a)と、上記糸分け部(5a,25,
    35a)に装着された耐摩耗性部材(8,28,39)
    とを備えるようにしたことを特徴とするミシンの内釜。
  2. 【請求項2】 上記耐摩耗性部材(8,28,39)は
    セラミックピンである請求項1に記載のミシンの内釜。
  3. 【請求項3】 上記耐摩耗性部材(8,28,39)
    は、上記摺動部(5,25,35a)の上記糸分け部
    (5a,25,35a)とは反対側の端部及び該端部と
    上記糸分け部との間の中央部(5b,5c,25b,2
    5c)にも装着されるようにした請求項1又は2に記載
    のミシンの内釜。
JP1992014971U 1991-12-18 1992-03-21 ミシンの内釜 Expired - Lifetime JPH0722221Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992014971U JPH0722221Y2 (ja) 1991-12-18 1992-03-21 ミシンの内釜

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-104409 1991-12-18
JP10440991 1991-12-18
JP1992014971U JPH0722221Y2 (ja) 1991-12-18 1992-03-21 ミシンの内釜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0568482U JPH0568482U (ja) 1993-09-17
JPH0722221Y2 true JPH0722221Y2 (ja) 1995-05-24

Family

ID=26351029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1992014971U Expired - Lifetime JPH0722221Y2 (ja) 1991-12-18 1992-03-21 ミシンの内釜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0722221Y2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0630714B2 (ja) * 1984-06-07 1994-04-27 ジャガー株式会社 ミシンの釜及びその製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0568482U (ja) 1993-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0722221Y2 (ja) ミシンの内釜
US6076477A (en) Hook system for sewing machine
US20040079265A1 (en) Sewing machine needle
JPH0424971Y2 (ja)
JPH02108109A (ja) シフトレバーとノブの取り付け構造
US2443540A (en) Knitting pin
JP2613007B2 (ja) ミシンの内かま
JPH02283398A (ja) セラミックス製釜及びその微量給油装置を備えたミシン
CN102191637B (zh) 刺绣架
US3474504A (en) Buttons
KR101170661B1 (ko) 회전 스위블 핀을 구비한 편직바늘
JPH0221006Y2 (ja)
JPS6342947Y2 (ja)
JPS5846796Y2 (ja) 垂直全回転ミシンのカマ
JP5438310B2 (ja) 水平回転釜
JPH0233753Y2 (ja)
JPH0217028Y2 (ja)
JPH07178277A (ja) ボビンケース、それを用いたかまおよびミシン
JPH08182518A (ja) 指輪兼ブローチ
KR0137259Y1 (ko) 연료탱크용 캡의 착탈 구조
JP3003327U (ja) メリットボタン
KR200179268Y1 (ko) 조립식 단추
JPH0350871Y2 (ja)
JPS6260082B2 (ja)
JPH058953Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term