JPH0424971Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、リツクサツク、鞄、スボン、被服等
に縫着して取付けるベルト通し具に関するもので
ある。

従来の技術 従来のベルト通し具において、取付用の縫着糸
の摩耗を防止すると共に、ベルト通し具の端部の
めくれを防止するために、例えば米国特許第
4488333号明細書に示すように、パツチ形状の薄
いプレートより構成されたベルト通し具の表面
に、高い周縁境界部と複数の突起部とにより囲ま
れた低部に縫着領域を形成し、ベルト通し具の裏
面には、その周縁部に狭い底部を形成し、その内
方を一様な凹部となしたベルト通し具を、被着物
に押圧してベルト通し具の表面の縫着領域を縫着
して取付けるようにしたものが知られていた。

考案が解決しようとする問題点 ところで従来のベルト通し具は、特に薄物の被
着物に縫着取付ける場合には、ベルト通し具の裏
面が凹部となつていてこの部分が縫着されるた
め、被着物はベルト通し具の周縁部の狭い底部よ
り内方に引張られて取付けられ、ベルト通し具の
周縁部と被着物とに〓間ができてめくれ易く、ま
たベルト通し具の裏面の一様に形成された凹部に
縫着糸が露出するため、縫着糸の摩耗防止も充分
でないという点が問題点となつていた。

そこで本考案は、従来の問題点を解消して、ベ
ルト通し具の端部がめくれずに、縫着糸の摩耗を
充分に防止できるようにしたベルト通し具を提供
することを目的としたものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、従来の問題点を解消するために、第
１図および第７図に示すように、ベルト通し具本
体１の表面の周縁部１０，１０ａに沿つて縫着用
溝５，５ａを設けると共に、ベルト通し具本体１
の裏面に滑り止め用の凸条７，７ａを設け、この
凸条７，７ａを縫着用溝５，５ａの設置位置より
内方近傍位置に配置して形成し、縫着した糸がベ
ルト通し具の裏面より突出せず、しかもベルト通
し具の端部において被着物が密着して取付けられ
るようにして、縫着糸の摩耗とベルト通し具の端
部のめくれを防止するようにしたものである。

実施例 以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。

第１図は本考案のベルト通し具の正面を示した
もので、１はベルト通し具の本体で、皮材、プラ
スチツク材等よりなり、縫着可能なパツチ形状の
薄い平板により構成されているものである。２は
ベルト通し具本体１の中央に隆起して形成された
ベルト通し部であつて、その両端にはベルト９を
挿通するところの挿通孔３，３が穿設されてい
て、第１図の２点鎖線で示すようにベルト９が挿
通される。５は縫糸４を縫着するところの溝であ
つて、溝内を縫着することにより、縫糸４がベル
ト通し具本体１の表面より露出しないようにして
摩耗等による糸切れを防止したもので、また溝は
ベルト通し具端部のめくれを防止するようにベル
ト通し具本体１の周縁部１０に沿つて配設されて
いる。６はベルト通し部２の周囲に配設した縫着
用の溝であつて、ベルト９によりベルト通し部２
が動かないように縫着固定するところのものであ
る。

第４図は本考案のベルト通し具の裏面を示した
もので、ベルト通し具本体１の裏面には、ベルト
通し部２の裏面を除いて、ベルト通し具の周縁部
１０に沿つて３本の凸条７，７，７が設けられて
おり、またベルト通し部２の周縁にも１本の凸条
７が設けられている。これらの凸条７はベルト通
し具を被着物上に載置して縫着用溝５，６内を縫
着するときに、ベルト通し具が滑らずに所定位置
に正しく取付けが行えるようにしたものである。
そしてそれらの凸条のうち特に最外側に位置する
凸条は、第２図，３図および第６図の拡大図に示
すように、ベルト通し具本体の周縁部１０に配設
した縫着用溝５の位置より内方近傍位置に設け、
ベルト通し具を被着物１１に縫着した時に被着物
をベルト通し具本体の裏面に引寄せて取付けるこ
とによつて縫糸４が凸条７の底面より、凹んだ位
置に位置するようにして、縫糸４のベルト通し具
の裏面における摩耗を防止するようにしたもので
ある。そしてベルト通し具の周縁部１０の裏面は
平らであるため、縫着のため被着物を引寄せて取
付けることにより、ベルト通し具の周縁部１０の
裏面と被着物が密着して〓間が生じないため、ベ
ルト通し具の端部のめくれが防止される。またベ
ルト通し具本体１の裏面に設けた凸条７は、第４
図に示すように各凸条が縦横に走り交点の角部８
が形成されているため一層ベルト通し具と被着物
との縫着時の滑りを防止している。なお凸条７の
本数は３本に限らず所望の本数設けてもよく、ま
たベルト通し具本体の外形が円形の場合はその外
周に沿つて数本の凸条を同心円状に設けるとよ
い。

第７図乃至第１１図に示したものは、本考案の
他の実施例であつて、ベルト通し部２ａを３個設
けたものである。ベルト通し具本体１の裏面には
第８図、第９図に示すように２本の凸条７ａ，７
ａが設けてあり、特に外側の凸条７ａは第１図に
示した実施例と同様にベルト通し具本体の周縁部
１０ａに配設した縫着用溝５ａの位置より内方近
傍位置に設けて、ベルト通し具を被着物１１に縫
着した時に第１１図に示すように、被着物１１を
ベルト通し具本体の裏面に引寄せて取付け、縫糸
４ａを凸条７ａの底面より凹んだ位置に位置させ
て、ベルト通し具の裏面における縫糸４ａを摩耗
から防ぐと共に、ベルト通し具の周縁部１０ａの
裏面に被着物を密着させて〓間を生じないように
してベルト通し具の端部のめくれを防止したもの
である。またベルト通し具本体の裏面に設けた２
本の凸条７ａ，７ａを、他の凸条で交叉連結させ
るようにして、ベルト通し具の被着物への縫着時
の滑りを一段と困難にして正しい位置に取付ける
ことができるように構成されている。

考案の効果 本考案は以上のような構成であつて、ベルト通
し具本体の裏面に凸条を設けて、ベルト通し具の
縫着時の滑りを防止して正しい位置に取付けるこ
とができると共に、凸条をベルト通し具の周縁部
に沿つて設けた縫着用溝の設置位置より内方近傍
位置に配置したため、ベルト通し具を被着物に縫
着した時、ベルト通し具の裏面に表れる縫糸は、
凸条の底面よりも凹んだ位置となつて摩耗による
糸切れが防止され、かつ被着物は縫着によりベル
ト通し具の周縁部の裏面に引寄せられて密着する
ため、ベルト通し具の端部と被着物との間に〓間
が生ずることがなく、ベルト通し具の端部のめく
れが防止される。またベルト通し具本体の表面の
周縁部に縫着用溝を設けて縫着するようにしたた
め、溝が縫着のガイドとなつて常に一定の縫着ラ
インが得られて見栄えがよく、かつベルト通し具
の表面に表れる縫糸の摩耗が防止されて、ベルト
通し具の縫糸が表裏両面において摩耗が防止され
るため糸切れが殆んどなくなり長期にわたる使用
が可能となる等の極めて実用的な優れた効果を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のベルト通し具の正面図、第２
図は第１図のＡ−Ａ線の断面図、第３図は第１図
のＢ−Ｂ線の断面図、第４図は同じくベルト通し
具の背面図、第５図はベルト通し具を被着物に縫
着した状態の正面図、第６図は第５図のベルト通
し具の周縁部の拡大断面図、第７図は本考案の他
の実施例の正面図、第８図は第７図のＣ−Ｃ線の
断面図、第９図は第７図の背面図、第１０図は他
の実施例の縫着状態の正面図、第１１図は第１０
図の周縁部の拡大断面図である。 １……ベルト通し具本体、２，２ａ……ベルト
通し部、４，４ａ……縫糸、５，５ａ，６，６ａ
……縫着用溝、７，７ａ……凸条、９……ベル
ト、１０，１０ａ……周縁部、１１……被着物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央にベルト通し部２，２ａを隆起形成した縫
   着可能なパツチ形状のベルト通し具において、べ
   ルト通し具本体１の表面の周縁部１０，１０ａに
   沿つて縫着用溝５，５ａを設けると共に、ベルト
   通し具本体１の裏面に滑り止め用の凸条７，７ａ
   を設け、この凸条７，７ａを、縫着用溝５，５ａ
   の設置位置より内方近傍位置に配置して形成した
   ことを特徴とするベルト通し具。