JPH07277766A - 複合封着材料及び封着方法 - Google Patents

複合封着材料及び封着方法

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JPH07277766A
JPH07277766A JP7324094A JP7324094A JPH07277766A JP H07277766 A JPH07277766 A JP H07277766A JP 7324094 A JP7324094 A JP 7324094A JP 7324094 A JP7324094 A JP 7324094A JP H07277766 A JPH07277766 A JP H07277766A
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JP
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sealing
glass
sealed
composite
sealing material
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JP7324094A
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English (en)
Inventor
Noriaki Sato
典明 佐藤
Takashi Yamagishi
隆司 山岸
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Nippon Glass Fiber Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/24Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions, i.e. for use as seals between dissimilar materials, e.g. glass and metal; Glass solders

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複合封着材料の熱膨張係数、封着部の強度或
いははんだガラスの流動性などの要求特性を、長繊維集
束体としての性能を殆ど損ねることなく確保する。 【構成】 はんだガラスとは異なる熱膨張係数を有す
る、ガラス長繊維及び/又はセラミック長繊維と、はん
だガラス長繊維との混合集束体、或いは、この異なる熱
膨張係数の長繊維にはんだガラスを含浸させてなる複合
集束体よりなる複合封着材料。この集束体3をガラス板
2の封着部の形状に沿わせ、封着物を当接して焼成す
る。 【効果】 異熱膨張係数長繊維の併用により、熱膨張係
数、封着部の強度或いははんだガラスの流動性などの要
求特性を、長繊維集束体としての性能を殆ど損ねること
なく確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合封着材料及び封着方
法に係り、特に、ガラス、金属及びセラミックの同種又
は異種の材料の接着ないし封着に用いられる複合封着材
料、及びこの複合封着材料を用いた封着方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】従来、ガラス、金属及びセ
ラミックの同種又は異種の材料の接着に用いられる封着
材料として、はんだガラスがある。
【0003】はんだガラスは、一般に、ガラス塊を最大
粒径が40〜150μmになるように粉砕分級した粉末
状で提供される。
【0004】このような粉末状はんだガラスによる封着
は、通常、ビークルと呼ばれる有機バインダを添加して
ペースト状とした後、封着部に塗布して加熱することに
より、ビークルの除去とはんだガラスの溶解を行って実
施される。
【0005】しかして、このような粉末状はんだガラス
単身では、熱膨張係数、強度或いは流動性などの要求特
性を満足し得ない場合には、粉末状はんだガラスに他の
組成のガラス、セラミックなどのフィラーを1種又は複
数種混合して性能を改良することが行われる。
【0006】ところで、粉末状はんだガラスによる封着
においては、粉末状はんだガラスの製造には、粉砕分級
の工程を経るためコストが高いこと、ビークルと混合し
てペースト状にした際に、粉末状はんだガラスの粒度を
管理することが難しいため、ペーストの粘度が安定せ
ず、封着部への塗布量が安定しないこと、また有機バイ
ンダを用いるために前記のように加熱しても、十分、バ
インダ成分を除去し得ず、封着部が発泡、黒化するなど
の不具合を生ずることなどが従来問題となっていた。
【0007】このような不具合点を改良するために、本
出願人は、先に、はんだガラス組成のガラス長繊維を複
数本集束して得られる集束体を封着材料として用いる方
法を提案した(特願平6−42309号。以下「先願」
という。)。
【0008】先願の方法によれば、エネルギー効率が悪
く、装置摩耗の大きな粉砕分級の工程を経ることなく封
着材料を製造することができるので、製造コストが安価
で、異物混入のない封着材料を得ることができる;ガラ
ス長繊維の集束体であるため、粉末状はんだガラスに用
いられる有機バインダも不要ないし少量で済むので、封
着完了後に残存バインダによる封着部の発泡、黒化が防
止される;ガラス長繊維を複数本集束して得られる集束
体であるため、そのまま使用するか、通常のガラス長繊
維同様、撚りをかけヤーンとしたり、相互に織ることに
よりテープとしたりして、封着部の形状に倣うように容
易に配置することができ、優れた作業性にて封着を行う
ことができる;といった優れた効果が奏される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記先願に係
る、はんだガラス組成のみのガラス長繊維を複数本集束
して得られる集束体では、長繊維化するときに重要視さ
れる温度−粘度特性や曳き糸性などの特性を満足するた
め、はんだガラスとして要求される封着物や被封着物と
の熱膨張係数の適合性、封着部の強度、はんだガラスの
流動性などの性能を犠牲にする場合がある。
【0010】また、はんだガラス単身での組成改良で
は、封着物や被封着物の熱膨張係数との適合性、封着部
の強度、はんだガラスの流動性などの要求性能を十分に
満足し得ない場合があるという問題もある。
【0011】本発明は上記先願の問題点を解決し、熱膨
張係数、封着部の強度或いははんだガラスの流動性など
の要求特性を、長繊維集束体としての性能を殆ど損ねる
ことなく確保することができる複合封着材料及びこのよ
うな複合封着材料を用いた封着方法を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の複合封着材料
は、はんだガラスとは異なる熱膨張係数を有する、ガラ
ス長繊維及び/又はセラミック長繊維と、はんだガラス
長繊維との混合集束体よりなることを特徴とする。
【0013】請求項2の複合封着材料は、はんだガラス
とは異なる熱膨張係数を有する、ガラス長繊維及び/又
はセラミック長繊維が集束されると共に、該長繊維間に
はんだガラスの融液が含浸されてなる複合集束体よりな
ることを特徴とする。
【0014】請求項3の封着方法は、請求項1の複合封
着材料を用いて封着物と被封着物とを封着する方法であ
って、前記封着物又は被封着物上に、該封着材料を封着
部の形状に倣うように配置した後、封着物と被封着物と
を当接して焼成することを特徴とする。
【0015】請求項4の封着方法は、請求項2の複合封
着材料を用いて封着物と被封着物とを封着する方法であ
って、前記封着物又は被封着物上に、該封着材料を封着
部の形状に倣うように加熱により軟化せしめながら配置
した後、封着物と被封着物とを当接して焼成することを
特徴とする。
【0016】請求項5の封着方法は、請求項4の方法に
おいて、該封着物又は被封着物上に該封着材料を配置す
るに当り、連続的又は部分的に該封着材料を強熱して、
該封着材料を前記封着物又は被封着物上に仮留めするこ
とを特徴とする。
【0017】以下に本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明の複合封着材料は、次の又はよ
りなるものである。
【0019】 はんだガラスとは異なる熱膨張係数を
有する、ガラス長繊維及び/又はセラミック長繊維(以
下、これらの長繊維を「異熱膨張係数長繊維」と称する
場合がある。)と、はんだガラス長繊維との混合集束
体。
【0020】 異熱膨張係数長繊維が集束されると共
に、該長繊維間にはんだガラスの融液が含浸されてなる
複合集束体。
【0021】本発明に係る異熱膨張係数長繊維は、組み
合わせるはんだガラス組成のガラスの溶解温度以上の温
度でも、繊維としての形状を保持している必要がある。
従って、異熱膨張係数長繊維を構成するガラス又はセラ
ミックは、組み合せるはんだガラスの溶解温度におい
て、少なくとも105 Pa・s以上の粘度を保つもので
あることが好ましい。
【0022】このような異熱膨張係数長繊維を構成する
ガラス又はセラミックとしては、その使用目的に応じて
適当な熱膨張係数を有するものが選択される。
【0023】即ち、例えば、異熱膨張係数長繊維を、得
られる複合封着材料の熱膨張係数と封着物又は被封着物
の熱膨張係数と適合させる目的で使用する場合におい
て、封着物又は被封着物の熱膨張係数がはんだガラスの
熱膨張係数より小さい時には、異熱膨張係数長繊維とし
て封着物又は被封着物の熱膨張係数より小さな熱膨張係
数のものを選択すれば良い。この場合において、逆に、
封着物又は被封着物の熱膨張係数がはんだガラスの熱膨
張係数より大きい時には、異熱膨張係数長繊維として封
着物又は被封着物の熱膨張係数より大きな熱膨張係数の
ものを選択する。このようにすることにより、得られる
複合封着材料の熱膨張係数を、異熱膨張係数長繊維の熱
膨張係数とはんだガラスの熱膨張係数との間の熱膨張係
数であって、封着物又は被封着物の熱膨張係数に近似し
た熱膨張係数に調整することが可能となる。
【0024】また、封着部の強度向上の目的で異熱膨張
係数長繊維を用いた本発明の複合封着材料とする場合に
は、異熱膨張係数長繊維として高強度の繊維を選択すれ
ば良い。
【0025】更に、封着物又は被封着物に対する複合封
着材料のぬれ性を確保すると共に、当該複合封着材料自
体は流れて広がらないことが要求される場合には、異熱
膨張係数長繊維として、高融点材料からなるヤーン、テ
ープなどに加工された長繊維を選択すれば良い。
【0026】具体的な異熱膨張係数長繊維材料として
は、Sガラス、Eガラス、Cガラス等のガラス、その
他、アルミナ、炭化ケイ素等のセラミック等を用いるこ
とができる。
【0027】一方、はんだガラスの組成としては多くの
組成が提案されており、本発明においては、これら従来
のものから適宜選択して用いれば良い。従来、主に用い
られている組成系は、PbO−B23 系、PbO−B
23 −ZnO系、PbO−B23 −SiO2 系など
をベースとした結晶性又は非結晶性のはんだガラスであ
り、これらは本発明にも適当である。
【0028】本発明の複合封着材料のうち、前記の構
成の混合集束体の製造方法について以下に述べる。
【0029】前記の構成の混合集束体を製造する場
合、それぞれの長繊維のモノフィラメントが概ね交互に
隣接する配置となるように集束するのが、複合封着材料
としての均一性を確保できるが、異熱膨張係数長繊維集
束体とはんだガラス組成の長繊維集束体とが交互に隣接
するように、通常のガラス長繊維の加工法と同様の方法
で、それぞれの集束体を組み合わせてひき揃えたり、合
撚したり、編組して組紐状にしたりして、混合集束体と
しても良い。
【0030】なお、異熱膨張係数長繊維とはんだガラス
組成の長繊維との各々のモノフィラメントが概ね交互に
隣接する配置となるように集束された混合集束体は、通
常のガラス長繊維集束体の紡糸法に用いるブッシングを
平行して2台設置し、一方のブッシングに異熱膨張係数
長繊維原料を供給し、もう一方のブッシングにはんだガ
ラス組成の原料を供給して、それぞれのブッシングから
紡糸されるモノフィラメントを通常のガラス繊維を製造
するのに用いられる集束器で同時に集束して、ワインダ
ーに巻取ることにより得ることができる。
【0031】このようにして得られた混合集束体は、前
記先願に記載される如く、そのまま使用するか、或い
は、通常のガラス長繊維同様、撚りをかけヤーンとした
り、相互に織ることにより、テープとしたりして用いる
ことができ、先願の場合と同様、封着部の形状に倣うよ
うに容易に配置することができ、優れた作業性にて封着
を行うことができる。
【0032】次に、本発明の複合封着材料のうち、前記
の構成の複合集束体の製造方法について述べる。
【0033】前記の構成の複合集束体を製造するに
は、はんだガラスを溶解した融液に、有機バインダが塗
布されていないか或いは除去されている異熱膨張係数長
繊維集束体をディッピングし、その後、引き上げる方法
があり、これにより異熱膨張係数長繊維に、はんだガラ
ス組成のガラスが含浸した構造の複合封着材料を得るこ
とができる。
【0034】その他の方法として、はんだガラスの融液
をリップダイスから浸出させるか、或いは、回転ローラ
の表面にはんだガラスの融液の液膜を形成し、走行する
異熱膨張係数長繊維に、はんだガラスの融液を付着せし
める方法を採用することもできる。この方法において、
異熱膨張係数長繊維に撚りがかけられているものや、複
数本の長繊維集束体が合撚されたものを用いても良い。
【0035】このの構成の複合集束体でははんだガラ
スが異熱膨張係数長繊維のバインダの役割を果たすた
め、ビークルのような有機バインダを付着させる必要は
ないが、長繊維集束体としての柔軟性は低下したものと
なる。
【0036】このような複合集束体よりなる複合封着材
料についても、優れた作業性にて容易に封着を行うこと
ができる。
【0037】本発明の複合封着材料を用いて封着を行う
には、まず、封着物(又は被封着物)上に、封着部の形
状に倣うように、前記混合又は複合集束体(撚りを入れ
たもの、合撚したもの、或いは、整織してクロス又はテ
ープ状としたものを含む)を配置した後、封着物(又は
被封着物)上の集束体に被封着物(封着物)の封着部を
当接し、はんだガラスの軟化点以上の温度、例えば、4
00〜550℃で10〜30分程度加熱すれば良い。
【0038】なお、複合封着材料を封着物又は被封着物
上に配置する際、特に、上記の構成の複合集束体を配
置する場合には、当該封着材料をはんだガラスの軟化点
付近の温度に加熱して軟化させながら配置することによ
り、容易かつ効率的に配置することができる。
【0039】この際、該封着材料を連続的もしくは部分
的にはんだガラスの軟化点以上の温度にまで強熱して配
置することにより、はんだガラスの粘度を低下させ、封
着物又は被封着物の表面を濡らし、はんだガラスが当該
封着材料を接着する役割を果たし、封着物又は被封着物
への封着材料の仮留めを行うことができ、その後、封着
物と被封着物とを当接してはんだガラスの軟化点以上の
温度で焼成して封着を行う工程において、封着物と被封
着物との間に配置された封着材料が位置ずれを起こすこ
となく、良好な封着を完了することができる。
【0040】なお、本発明の複合封着材料を構成する集
束体の長繊維集束本数や異熱膨張係数長繊維に対するは
んだガラス長繊維の使用割合又ははんだガラスの含浸量
は、当該複合封着材料の使用形態や使用目的等によって
も異なるが、通常の場合、次のようなものとするのが好
ましい。
【0041】前記の混合集束体の場合 平均繊維径3〜100μmのはんだガラス長繊維100
〜10000本と、平均繊維径3〜100μmの異熱膨
張係数長繊維10〜10000本とからなるもの。な
お、はんだガラス長繊維の平均繊維径と異熱膨張係数長
繊維の平均繊維径とはほぼ同程度であることが望まし
い。
【0042】前記の複合集束体の場合 平均繊維径3〜100μmの異熱膨張係数長繊維5〜1
0000本とを集束すると共に、はんだガラスを全体に
対して体積割合で10〜80%の割合で含浸させたも
の。
【0043】これらの集束体において、長繊維の集束体
に撚りを入れたり、整織する場合、撚りの程度や整織の
方法は、通常のガラス繊維技術で規定されている範囲の
ものを好適に採用することができる。
【0044】
【作用】本発明の複合封着材料によれば、異熱膨張係数
長繊維を複合化させることにより、はんだガラスの長繊
維集束体単身では得ることができない熱膨張係数、封着
部の強度或いははんだガラスの流動性などの特性を、長
繊維集束体としての性能を殆ど損ねることなく確保する
ことができる。
【0045】特に、請求項2によれば、異熱膨張係数長
繊維集束体にはんだガラスを含浸させた構造となってい
るため、はんだガラスの長繊維集束体単身の場合のよう
な柔軟性は失われているが、有機バインダが不要とさ
れ、封着部の発泡、黒化を一切生じることなく封着を完
了することができる。
【0046】このような複合封着材料は、特に請求項5
の方法により、封着材料が位置ずれを起こすことなく、
良好な封着を完了することができる。
【0047】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
【0048】実施例1 下記はんだガラス長繊維と異熱膨張係数長繊維とを用
い、各モノフィラメント同志を集束することにより、下
記混合集束体よりなる本発明の複合封着材料を製造し
た。
【0049】はんだガラス長繊維 組成:PbO−B23 系(非結晶性) ガラス軟化点:362℃ 比重:6.0 熱膨張係数:80×10-7/℃ 平均繊維径:9.1μm異熱膨張係数長繊維 組成:Sガラス ガラス軟化点:1020℃ 比重:2.5 熱膨張係数:35×10-7/℃ 平均繊維径:9.1μm混合集束体 混合比:はんだガラス長繊維:異熱膨張係数長繊維=
1:1(体積ベース) 封着温度:450℃ 比重:4.3(封着後) 熱膨張係数:60×10-7/℃(封着後) 集束体番手:230Tex 集束本数:800本(400本+400本) 得られた混合集束体の断面を観察したところ、図1に示
す如く、Sガラスの長繊維のモノフィラメント11とは
んだガラスの長繊維のモノフィラメント12がほぼ隣接
している構造(集束された)を有していた。この混合集
束体はそれ自身で封着の目的を達することができるが、
更に、作業性を向上し、封着部の強度を高める目的で、
通常のガラス繊維に用いられているのと同様の方法で下
撚りをかけ、それを3本揃えて上撚りをかけ、710T
exのヤーンに加工した。このヤーンは、紡糸時や撚り
をかける際に集束体の集束性や滑り性を向上させるため
に用いられるバインダを除いても、下撚りと上撚りの撚
り方向を逆にしてあるので、撚りがもどることはない。
なお、このヤーンの見掛け径は約800μmであった。
【0050】この混合集束体のヤーン(「複合ヤーン」
という。)と、比較のため、異熱膨張係数長繊維のSガ
ラス長繊維を用いず、はんだガラス長繊維のみを用いた
こと以外は、全く同様の繊維集束本数にて同様に製造し
たヤーン「はんだガラスヤーン」という。)とを、各
々、30mmの長さに切断して熱膨張係数50×10-7
/℃のガラス板上に置き、このガラス板をヤーンを載せ
たまま炉の中にいれ、室温から30℃/分の速度で昇温
し、450℃に達してから、10分間その温度を保持し
て焼成した後、室温まで30℃/分の速度で降温して、
それぞれのヤーンのガラス板との接着状態を観察した。
【0051】その結果、はんだガラスヤーンでは、はん
だガラスにクラックが発生していたが、複合ヤーンはS
ガラスの繊維に、はんだガラスが分散した状態でガラス
板に融着しており、封着材料部分にはクラック、欠けな
どの異常はなかった。
【0052】実施例2 実施例1のSガラス長繊維を用いて400本集束の集束
体を作成し、これに下撚りをかけ、更にそれを6本揃え
て上撚りをかけ、400TexのSガラスヤーンに加工
した。
【0053】このSガラスヤーンを、600℃に加熱し
溶解させた実施例1のはんだガラスの融液の中を約20
mmの距離、走行速度200mm/秒で通過させること
により、はんだガラスをSガラスヤーンに含浸させた。
はんだガラスの付着量をコントロールするため、Sガラ
スヤーンが融液を出た後、表面を600℃に加熱した2
本のロールの隙間をくぐらせ、その間隙をコントロール
することにより、2500Texの複合ヤーンを製造し
た。この複合ヤーンははんだガラスの部分が繊維状にな
っていないので、柔軟性はなく、棒状であった。
【0054】この複合ヤーンを用いて、図2〜図5に示
す方法に従って、ガラス箱1をガラス板2で封着した。
【0055】まず、図2に示す如く、ガラス板2の一隅
2Aに、複合ヤーン3の端部3Aを近づける。次いで、
複合ヤーン3の端部3Aを熱風ヒータ4より送り出され
る、800℃の熱風で加熱し、複合ヤーン3の端部3A
に含まれるはんだガラスを溶解させると共に、端部3A
をガラス板2の一隅2Aに押し付け、その後、熱風ヒー
タ4を離して加熱力を弱める。これにより、複合ヤーン
3の端部3Aは、ガラス板2の一隅2Aに接着され、端
部3Aは固定される。
【0056】続いて、図3に示すごとく、接着端部3A
を起点とし、図示しない複合ヤーン送り出し装置によ
り、複合ヤーン3を送り出し、熱風ヒータ4により、複
合ヤーン3を軟化させながら、ガラス板2の周縁部に沿
うように複合ヤーン3を配置してゆく。
【0057】この時、ガラス板2の他の隅2B、2C、
2Dを通過する際には、熱風ヒータ4を複合ヤーン3に
再び近づけ、複合ヤーン3を強熱してガラス板2の隅2
B、2C、2Dに対して複合ヤーン3の接着を行ってお
く。そして、複合ヤーン3がその起点となる端部3Aと
重なるガラス板2の隅2Aで複合ヤーン3を切断し、ガ
ラス板2の隅2Aに熱風ヒータ4を近づけ、複合ヤーン
3の終点となる端部3Bをガラス板2の隅2Aに接着す
ると共に、起点となる端部3Aと終点となる3Bを接合
する。
【0058】これにより、図4に示す如く、ガラス板2
上に複合ヤーン3がガラス板2の四隅2A、2B、2
C、2Dで固定された接着ガラス帯5が、ガラス板2の
周縁にそって形成される。この接着ガラス帯5はガラス
板2の四隅ではんだガラス成分により接着されているの
で、後工程で位置ずれや、脱落を生ずることはない。
【0059】このようにして、接着ガラス帯5を形成さ
せたガラス板2に、図5に示す如く、ガラス箱1の封着
面1Aを重ねて加熱炉に入れ、450℃で20分程度加
熱することにより接着ガラス帯5を溶融した後、冷却し
て、ガラス板2によるガラス箱1の封着を完了する。
【0060】このようにして、封着した封着部は比較的
低粘度のはんだガラスによりガラス板2とガラス箱1の
封着面を良く濡らしてあるため、界面剥離を起こしにく
く、しかも、芯材となるSガラスのヤーンにはんだガラ
スが含浸した構造となっているため、はんだガラスが流
れて、封着部以外に浸出することがないので、封着部の
強度が高く、歩留りの良い封着を行うことができる。
【0061】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の複合封着材
料によれば熱膨張係数、封着部の強度或いははんだガラ
スの流動性などの特性を、長繊維集束体としての性能を
殆ど損ねることなく、十分に確保することができる。
【0062】しかも、本発明の複合封着材料によれば、
低コストで作業性、性能安定性が良く、封着部への異物
混入や封着部の変質、封着物の汚染の問題がない複合封
着材料が提供される。特に、請求項2の複合封着材料に
よれば、封着部の発泡、黒化の問題を解消することがで
きる。
【0063】このような複合封着材料を用いる本発明の
封着方法によれば、良好な作業性のもとに効率的かつ歩
留り良く封着を行って、高品質な封着製品を容易に得る
ことができる。
【0064】特に、請求項5の方法によれば、封着時の
複合封着材料の位置ずれを防止して良好な封着を行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した混合集束体の断面を示す模
式図である。
【図2】実施例2における封着方法を示す斜視図であ
る。
【図3】実施例2における封着方法を示す斜視図であ
る。
【図4】実施例2における封着方法を示す斜視図であ
る。
【図5】実施例2における封着方法を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 ガラス箱 2 ガラス板 3 複合ヤーン 4 熱風ヒータ 5 接着ガラス帯 11 Sガラスの長繊維のモノフィラメント 12 はんだガラスの長繊維のモノフィラメント

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 はんだガラスとは異なる熱膨張係数を有
    する、ガラス長繊維及び/又はセラミック長繊維と、は
    んだガラス長繊維との混合集束体よりなる複合封着材
    料。
  2. 【請求項2】 はんだガラスとは異なる熱膨張係数を有
    する、ガラス長繊維及び/又はセラミック長繊維が集束
    されると共に、該長繊維間にはんだガラスの融液が含浸
    されてなる複合集束体よりなる複合封着材料。
  3. 【請求項3】 請求項1の複合封着材料を用いて封着物
    と被封着物とを封着する方法であって、前記封着物又は
    被封着物上に、該封着材料を封着部の形状に倣うように
    配置した後、封着物と被封着物とを当接して焼成するこ
    とを特徴とする封着方法。
  4. 【請求項4】 請求項2の複合封着材料を用いて封着物
    と被封着物とを封着する方法であって、前記封着物又は
    被封着物上に、該封着材料を封着部の形状に倣うように
    加熱により軟化せしめながら配置した後、封着物と被封
    着物とを当接して焼成することを特徴とする封着方法。
  5. 【請求項5】 請求項4の方法において、該封着物又は
    被封着物上に該封着材料を配置するに当り、連続的又は
    部分的に該封着材料を強熱して、該封着材料を前記封着
    物又は被封着物上に仮留めすることを特徴とする封着方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003128434A (ja) * 2001-10-19 2003-05-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法ならびにガラス組成物
US20100066036A1 (en) * 2008-09-18 2010-03-18 Uchicago Argonne, Llc Compressive composite seals for sofc applications
CN104276838A (zh) * 2013-07-12 2015-01-14 中国科学院上海硅酸盐研究所 陶瓷与金属双玻璃化的封接方法

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