JPH07277663A - エスカレーターのステップ清掃ブラシ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エスカレーターのステップ面の溝内に付着し
た泥土や塵芥などを自動的に除去し、それら泥土や塵芥
が、利用者の面前に現れるのを防止して、快適な利用感
を抱かせる。 【構成】 エスカレーターの昇降が反転する転回部の空
間に、形鋼などで骨組構成した基枠を形成し、該基枠上
に支承軸を介して、動力伝達機構と左右一対のブラシ押
動桿を回動自在に持設し、該ブラシ押動桿内に具設した
ブラシガイドをブラシホルダーで係合して、タイマーの
設定により、エスカレーターの運転中に適宜の時間間隔
で作動し、清掃ブラシがステップ面に移動して、毛先が
ステップ面に適宜な角度で触れ、泥土や塵芥などを自動
的に除去できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】エスカレーターの昇降方向が反転
する転回部横に装着し、ステップ面の溝などに付着した
泥土や砂、塵芥などを自動的に取り除く装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】エスカレーターを運転中、それを利用す
る人達の履き物に付着した泥土や砂、塵芥などは、エス
カレーターのステップ面に落ちる。ステップ面に落ちた
それらの泥土や塵芥の多くは、ステップ面が裏側に廻っ
たときに自然落下するが、ステップ面の溝内に次第に蓄
積され、通常黒色に塗装された溝内の塗面は、それらの
塵芥で覆われて、色変わりしている事が多い。このよう
にして、溝内に蓄積した泥土や塵芥は、エスカレーター
で上昇時の利用者の面前に現れ、利用者に不潔感や不快
感などを抱かせる事になっていた。

【０００３】エスカレーターの清掃は、業務との関係か
ら始業前、或いは終業時に行わねばならないが、その清
掃作業は、手すりとその内面を拭く程度に限定されてい
て、ステップ面の溝に付着した塵芥などの除去迄には至
っていない。その除去作業は、エスカレーター施工業者
の係員による隔日、或いは定期的な点検業務サービスの
時、即ち、数日または十数日間の間隔をおき、ブラシを
用いて手作業で行っていたのが現状である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のエスカレーター
には、上記のような問題点が存在したのに鑑み、エスカ
レーターを運転中、適宜な時間間隔で清掃ブラシの毛先
をエスカレーターのステップ面に当て、溝内に付着した
塵芥を自動的に除去して、清浄なステップ面を常時維持
できるようにする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】エスカレーターの昇降が
反転する転回部の空間に、タイマーのセットによって適
宜の時間間隔で作動し、ブラシがステップ面に移動し
て、その先端がステップ面に接触し、泥土や塵芥などを
自動的に除去出来るようにして解決した。図１はその態
様を示す斜視図で、幅の狭いエスカレーター用の一例を
示し、図２はその左側面図、図３はその平面図、図４は
２人以上が乗れる幅の広いエスカレーター用の一例であ
る。その詳細は、図に基づいて説明すると、次の如くで
ある。

【０００６】図に於いて、本発明の清掃ブラシ装置は、
その幅をエスカレーターの幅に合わせ、形鋼などを用い
て角形状の基枠１を形成してあり、背面側には支柱２a
・２bが立設してある。支柱２a・２bの上部には支承板
３a・３bが着設してあって、両者間には支承軸４を軸通
してある。支承軸の中央付近には台座５を介し、モータ
ーや減速機などを収納した動力伝達機構６が、また、支
承軸の両側にはブラシ押動桿７a・７bが、回動可能に持
設してある。図１〜図３に示す動力伝達機構６からは、
ネジ送り機構（図示せず）によって前後動する押軸８
が、ブラシホルダー９に向けて取設してある。また、図
４に示す動力伝達機構６からは、長軸のシャフト１０
が、左右のブラシ押動桿７a・７bに軸架してある。ブラ
シ押動桿内には図５に示す如きブラシガイド１１a・１
１bが、摺動自在に挿通してあって、両ブラシガイドを
係合した、ブラシホルダー９が取設してある。なお、図
４に示すブラシ押動桿７a・７bに挿通のブラシガイド
は、シャフト１０の両端に着設し、ブラシ押動桿内に具
設したギア送り機構（図示せず）によって、前後動させ
る事が出来る。１２はブラシホルダー９の中央に立設
し、押軸８に嵌合するブラシ出先調整部、１３は清掃ブ
ラシで、ブラシホルダーに着脱自在に取着できる。１４
は動力伝達機構サポーターで、ネジ送り機構など、手動
による適宜な手段で上下の調整が容易に出来る。１５は
塵芥収納袋、１６は塵芥収納袋の保持枠で、基枠との間
に塵芥収納袋の縁を挟み、基枠に嵌合させて固定する。

【０００７】

【作用】実施に際しては、ブラシを押し出したとき、ブ
ラシの先端が、エスカレーターのステップ面に軽く触れ
る程度に、基枠を適宜な位置に固定する。このとき、一
つのステップ面とブラシ毛の接触角は、進行中のステッ
プ面の部位によって異なり、ブラシ毛がステップ面に逆
らう場合も生じるが、動力伝達サポーター１４の高さ調
整によって、ステップ面に逆らわず、ステップ面に常に
順応した清掃が出来る。清掃ブラシの摩耗による能力低
下は、ブラシ出先調整部１２の適宜な調整や、リミット
スイッチなどの適宜な適用によって解決する事が出来
る。

【０００８】ブラシホルダー９は、押軸８によって前後
動させ、ブラシ毛の先端をステップ面に接触、或いは離
す事が出来る。これはステップ幅が狭い場合には可能で
あるが、広くなると、ブラシ押動桿７a・７bと、ブラシ
押動桿内を摺動するブラシガイド１１a・１１bとの間の
摺動がスムースに行われ難くなり、早期に故障を生じ易
くなる。この点、ギア送り機構によってブラシガイドを
前後動させ、ブラシガイドにブラシホルダーを係合させ
ると、エスカレーターのステップ幅の大小に係わらず、
清掃ブラシの前後動を常にスムースに行う事が出来る。

【０００９】

【実施例】車の洗浄ブラシ程度の剛性があるブラシを用
い、汚れたエスカレーターのステップ面に、１.５ 時間
に５分間の割合で、手作業でブラシ毛を押し当て、その
清掃効果を調べた。その結果、溝内に付着した塵芥はも
とより、こびり付いた泥土なども落とす事が出来、本発
明の使用によって、エスカレーターのステップ面を自動
的に清浄に保てる事を確認できた。また、この結果か
ら、スーパーやデパートなど、終業時には、登り方向の
エスカレーターを降り方向に変えて運転するが、その時
間帯は僅かであり、利用者も少ないので、その時間帯を
除外したタイマーをセットしておけば、所期の効果を得
られる事が判った。

【００１０】

【発明の効果】本発明の清掃ブラシ装置を、エスカレー
ターの昇降が反転する転回部の空間に設け、タイマーの
作動によって自動的に、１〜１.５ 時間に５分間程度の
運転で、エスカレーターのステップ面を清浄に清掃する
事が出来る。これに要する電力量は極めて僅かであり、
これに反し、利用者が得られる清浄感や清潔感は極めて
大きく、エスカレーターを設置する駅や公共建築、銀
行、デパート、スーパーなどのイメージ向上に大きく貢
献できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る清掃ブラシ装置の態様を示す斜視
図で、幅の狭いエスカレーター用のステップ清掃ブラシ
装置の一例である。

【図２】図１の左側面図である。

【図３】図１の平面図である。

【図４】エスカレーターの幅に係わりなく適用できる、
エスカレーターのステップ清掃ブラシ装置の一例を示す
斜視図である。

【図５】ブラシガイドとブラシホルダーの態様を示す斜
視図である。

【符号の説明】

１ 基枠 ２a・２b 支柱 ３a・３b 支承板 ４ 支承軸 ５ 台座 ６ 動力伝達機構 ７a・７b ブラシ押動桿 ８ 押軸 ９ ブラシホルダー １０ シャフト １１a・１１b ブラシガイド １２ ブラシ出先調整部 １３ 清掃ブラシ １４ 動力伝達機構のサポーター １５ 塵芥収納袋 １６ 塵芥収納袋の保持枠

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エスカレーターの昇降が反転する転回部
   の空間に、形鋼などで骨組構成した基枠を形成し、該基
   枠上に支承軸を介して、動力伝達機構と左右一対のブラ
   シ押動桿を回動可能に持設し、該ブラシ押動桿内に具設
   したブラシガイドをブラシホルダーで係合して、タイマ
   ーの設定により、エスカレーターの運転中に適宜な時間
   間隔で作動し、清掃ブラシがステップ面に移動して、清
   掃ブラシの毛先がステップ面に適宜な角度で触れ、泥土
   や塵芥などを除去出来るようにしたエスカレーターのス
   テップ清掃ブラシ装置。