JP3022725U - コンクリートパネルの掃除機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリートパネルをコンクリート工事に使
用する準備として、特にコンクリート支持面の汚れを落
とす掃除機を提供する。 【解決手段】 機台上に平板状のベッドが設置され、該
ベッドの両側に、垂直なガイド板が設けられている。両
側のガイド板上に、前記ベッド上を前進するコンクリー
トパネルの上面に接触する回転ブラシが水平に回転自在
に設置され、同回転ブラシの外周を覆うカバーが設置さ
れている。前記回転ブラシを回転駆動するモータ及びコ
ントロールボックスが設置されている。前記ベッドに
は、前記回転ブラシの直下位置に、剥離したコンクリー
ト屑等の落下口が設けられ、同落下口の下へ接続した廃
棄物シュートが設けられている。両側のガイド板上に
は、前記回転ブラシよりもコンクリートパネルの前方位
置に、コンクリートパネルの上面に接触するモップの如
き拭き掃除具が設置されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、コンクリート工事の技術分野において、打設したコンクリートが 強度を発現した後に解体されたコンクリートパネルを、次のコンクリート工事に 使用する準備として、特にコンクリート支持面の汚れを落とすため使用される掃 除機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、型枠を構成する堰板と称されるコンクリートパネル（木質パネル、金属 製パネル）が支保工とともに解体されると、同パネルの特にコンクリート支持面 に付着しているコンクリート屑等の汚れを落とす掃除作業が必ず行われている。 掃除の作業は、手の空いた作業員が電動サンダーを操作してコンクリート支持面 をブラッシングし、その後雑巾などで綺麗に拭いてから、同コンクリート支持面 へスピンドル油などを塗布する手順で全て手作業として行われている。

【０００３】

【本考案が解決しようとする課題】

従来、コンクリートパネルを掃除する作業は、全て手作業として行われている から、作業者にとっては大変な重労働であり、疲労度が激しい上に、衣服が汚れ るし、能率も悪い。例えば１枚のコンクリートパネルの掃除に１０分乃至１５分 ぐらいの時間が掛かり、作業員３人がかりでも１日当たり２４枚程度のコンクリ ートパネルの掃除が出来れば良いほうであった。しかも、サンダーによるブラッ シング作業において、その力加減を誤ると、特に木質パネルの場合にはコンクリ ート支持面を傷つけて使い物にならないものにしてしまうこともある。勿論、サ ンダーによるブラッシング作業の騒音が大きく、公害の心配もある。

【０００４】 従って、本考案の目的は、コンクリートパネルの掃除作業を機械化することで あり、さらに言えば、掃除作業の能率と品質を向上し、作業場環境を良好にして 公害の心配のないコンクリートパネルの掃除機を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上述の課題を解決するための手段として、請求項１に記載した考案に係るコン クリートパネルの掃除機は、 機台上に、コンクリートパネルを載置して前進移動させる平板状のベッドが作 業に楽な高さ位置に略水平に設置され、該ベッドの両側に、コンクリートパネル の両側面の移動を案内する垂直なガイド板が所要の高さに設けられていること、 前記両側のガイド板上には、前記ベッド上を前進移動するコンクリートパネル の上面に接触する外径の回転ブラシがコンクリートパネルの前進方向に対し略直 角な配置で水平に回転自在に設置され、同回転ブラシの外周を覆うカバーが設置 されていると共に、前記回転ブラシを回転駆動するモータ及びそのコントロール ボックスが機台上に設置されていること、 前記ベッドには、前記回転ブラシの直下の位置に、剥離したコンクリート屑等 の落下口が設けられ、同落下口の下へ接続した廃棄物シュートが設けられている こと、 前記両側のガイド板上には、前記回転ブラシよりもコンクリートパネルの前進 方向の前方位置に、コンクリートパネルの上面に接触するモップの如き拭き掃除 具が設置されていること、をそれぞれ特徴とする。

【０００６】 また、前記請求項１に記載したベッドは、機台に対して、垂直なジャッキボル トにより高さの調節が可能に設置され、機台の端部には前記ベッドと同等レベル の位置にコンクリートパネルの前進方向に起伏自在な延長パネルが設置されてお り、回転ブラシのカバーの前縁にはコンクリートパネル上面との間隙を遮蔽する 柔軟性の遮蔽シートが設けられ、ベッドの落下口に接続した廃棄物シュートは機 台の横方向へ斜め下向きに長く形成されていることを特徴とする。

【０００７】

【考案の実施の形態】

掃除をするべきコンクリートパネルは、１枚ずつベッドの上に載せて、手で押 しながら滑らせ、適度な速度で前進移動させる。コンクリートパネルを例えばコ ンベア方式で機械的に送る方法も実施可能であるが、掃除効果を作業者が目で確 認しながら手で送るほうが結果的には好ましい。掃除作業を開始するに際して、 コントロールボックスのスイッチをオン操作し、回転ブラシはコンクリートパネ ルの前進移動とは正反対の向きにモータで回転駆動させる。また、ジャッキボル トの操作によりベッドの高さを調節し、回転ブラシの外径がベッド上のコンクリ ートパネルの上面（コンクリート支持面）と略ピッタリ一致する条件で作業を進 めるのが良い。従って、掃除の品質、効果は一定に保たれ、コンクリート支持面 を傷つける心配もない。場合によっては、直接回転ブラシの高さを調節可能な構 成でも実施される。因みに、コンクリートパネルの厚さ寸法は、最小３cm位から 最大１２cm位であるから、前記の調節可能範囲も前記の寸法に対応出来る内容と する。

【０００８】 回転ブラシがコンクリートパネルをブラッシングした後を、モップの如き拭き 掃除具で全面を綺麗に拭くから、同拭き掃除具の位置を通過したコンクリートパ ネルはそのまま保管場所へ運び、コンクリート支持面を上向きにして積み重ね、 そのコンクリート支持面へスピンドル油などを塗布する手順により、衣服を汚さ ない掃除作業ができる。

【０００９】 回転ブラシによってコンクリートパネルから剥離されたコンクリート屑等は、 同ブラシの外周を覆ったカバーによって飛散を防止される。こうした飛散防止の 効果及び騒音の低減はカバーの前縁に設けた遮蔽シートによって一層完全なもの とされ、作業場環境の保全、向上が達成される。コンクリートパネルが回転ブラ シの位置を通過し去ると、そのコンクリートパネルから剥離されたコンクリート 屑等は一気にベッドの落下口から排除され、廃棄物シュートから屑箱などへ放出 される。

【００１０】 なお、コンクリートパネルの長手辺は通常１８０cm程度の大きさであるが、ベ ッドの全長は１２０cm程度に形成し、起伏自在な延長パネルを長さ５０〜６０cm 程度に形成し長さの補足に使用する構成の実施形態も好ましい。かくすると、当 該掃除機を倉庫に収納したり、車に積んで運搬する際に機械の全長を縮小化でき 至便だからである。

【００１１】

【実施例】

次に、図示した本考案の実施例を説明する。 図１から図３に示したコンクリートパネル掃除機は、軽量形鋼で組み立てられ た機台１の上部、具体的には機台１の横桟３…の上にコンクリートパネルの両側 面の移動を案内するための垂直なガイド板４、４が固定され、これら二つのガイ ド板４、４の上に、コンクリートパネル５を載置して前進移動させる平板状のベ ッド２が作業に楽な高さ位置、具体的には床面から６０cm位の高さ位置に略水平 に設置されている。両側二つのガイド板４、４には、所謂Ｚ形鋼状の部材が使用 され、コンクリートパネルの短辺側の寸法（約６３cm）に等しい間隔で平行に、 且つウエブを垂直に配置され、その下側フランジが各横桟３へ溶接又はボルト止 めの手段で固定されている。ベッド２は、鋼板の裏面をアングル等の補強材で補 剛した平板状の構成であり、これが前記両側二つのガイド板４、４における下側 フランジの上に載置されている。ベッド２の形状、大きさは、平面形状として、 １２００×６１０mmの長方形である。前記ガイド板４の下側フランジに溶接で固 定したナット６へ垂直上向きにねじ込んだジャッキボルト７が、同下側フランジ の孔を貫通して、直上に位置するベッド２の受けブロック８の穴内へ差し込まれ ている。従って、ジャッキボルト７を回すことにより、ベッド２の高さを上下に 調節可能である。

【００１２】 前記両側のガイド板４、４の上には、前記ベッド２上を前進移動するコンクリ ートパネル５の上面に接触する外径の回転ブラシ９が、コンクリートパネル５の 前進方向に対し略直角な配置で水平に回転自在に設置されている。そして、同回 転ブラシ９の外周を覆うカバー１０が設置され、剥離したコンクリート屑やホコ リなどを飛散させない構成とされている。更に、前記カバー１０の前縁にはその 全長にわたり、ベッド２上を移動するコンクリートパネル５の上面に接触して間 隙を遮蔽する柔軟性のゴムシート、プラスチックシートなどで形成した遮蔽シー ト１７が設けられており、もって回転ブラシ９で剥離させたコンクリート屑等の 飛散をより一層完全に防止し、騒音を低減する構成とされている。前記回転ブラ シ９は、両側のガイド板４、４上に設置した軸受け１１によって回転軸の両端を 支持され、一方の回転軸に取付けたプーリー１２が、機台下部に設置したモータ １３の原動プーリー１４とベルト１５で連結されている。前記モータのコントロ ールボックス２６は機台１の正面部分に設置されており（図１）、前記プーリー １２と１４及びベルト１５の外周及び正面部分はカバーケース１６で覆い作業者 の安全性が図られている。前記コントロールボックス２６の電源スイッチをオン 操作すると、回転ブラシ９は、コンクリートパネル５の前進移動方向（送り方向 ）に対し正反対方向へ高速で回転される。本実施例の回転ブラシ９は、回転軸部 に多数の鋼線を列状に植え込んだ構成である。

【００１３】 一方、前記ベッド２には、前記回転ブラシ９の直下の位置に、剥離したコンク リート屑等の落下口１８が設けられ、同落下口１０の下へ接続した廃棄物シュー ト１９は機台の横方向へ斜め下向きに長く形成されている。図３中の符号２０は 前記廃棄物シュート１９の出口に設置した屑箱である。 次に、前記両側のガイド板４、４上には、前記回転ブラシ９よりもコンクリー トパネル５の前進方向の前方位置に、コンクリートパネル５の上面に接触する拭 き掃除具として、モップ２１の枠体２２が両側のガイド板間に架け渡し固定した アングル２３に取り付けて設置されている。つまり、回転ブラシ９でブラッシン グされたコンクリートパネル５の上面をモップ２１で綺麗に拭くことにより、直 ちにスピンドル油等を塗布できる状態にすると共に、当該掃除機での処理を終え たコンクリートパネルを持ち運ぶ作業員の衣服を汚さず、埃がたたないようにす るのである。

【００１４】 次に、機台１の終端部には、前記ベッド２と同等レベルの高さ位置に、コンク リートパネル５の前進方向に起伏自在な延長パネル２４が、掛け外し自在なステ ー２５によって水平に設置され、ベッド２の延長部分を形成している。つまり、 当該掃除機を出来るだけ小形に作る考えに基づき、通常長さが１８０cmのコンク リートパネル５に対して、ベッド２の長さは１２０cm位とし、その不足分は当該 延長パネル２４で補足する構成とされている。したがって、掃除作業が終了した 後には、ステー２５を外して、延長パネル２４を図２中に２点鎖線で示したよう に倒す事により、当該掃除機は長さ１２０cm程度のコンパクトな機械として収納 や運搬が出来るのである。

【００１５】 機台１を構成する四隅の支柱下端には移動用の自在キャスター２７が取付けら れている。 因みに、上記構成の掃除機でコンクリートパネルの掃除作業を行ったところ、 手作業だと３人がかりで２日は要する４８枚のコンクリートパネルの掃除を、た った１人で約半日ででき、作業員の疲労度もさしたることはなかった。機械が発 生する騒音も、およそ３５ホーン位で、公害の心配も無用であった。

【００１６】

【本考案が奏する効果】

本考案に係るコンクリートパネルの掃除機を使用すると、従来の手作業に比し て数倍の掃除能力を発揮すると共に、作業員を重労働から解放できるし、衣服が 汚れることもなく、作業場環境、特に音や埃の問題がない良い環境が保たれる。 その上、作業の能率が大いにはかどる分だけ、作業コストの引下げを期待できる のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る掃除機の一部を分解して示した斜
視図である。

【図２】同上掃除機を正面方向から見た断面図である。

【図３】同上掃除機の側面図である。

【符号の説明】

１ 機台 ５ コンクリートパネル ２ ベッド ４ ガイド板 ９ 回転ブラシ １０ カバー １３ モータ ２６ コントロールボックス １８ 落下口 １９ 廃棄物シュート ２１ モップ ７ ジャッキボルト ２４ 延長パネル １７ 遮蔽シート

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機台上に、コンクリートパネルを載置し
   て前進移動させる平板状のベッドが作業に楽な高さ位置
   に略水平に設置され、該ベッドの両側に、コンクリート
   パネルの両側面の移動を案内する垂直なガイド板が所要
   の高さに設けられていること、 前記両側のガイド板上には、前記ベッド上を前進移動す
   るコンクリートパネルの上面に接触する外径の回転ブラ
   シがコンクリートパネルの前進方向に対し略直角な配置
   で水平に回転自在に設置され、同回転ブラシの外周を覆
   うカバーが設置されていると共に、前記回転ブラシを回
   転駆動するモータ及びそのコントロールボックスが機台
   上に設置されていること、 前記ベッドには、前記回転ブラシの直下の位置に、剥離
   したコンクリート屑等の落下口が設けられ、同落下口の
   下へ接続した廃棄物シュートが設けられていること、 前記両側のガイド板上には、前記回転ブラシよりもコン
   クリートパネルの前進方向の前方位置に、コンクリート
   パネルの上面に接触するモップの如き拭き掃除具が設置
   されていること、をそれぞれ特徴とする、コンクリート
   パネルの掃除機。
2. 【請求項２】 請求項１に記載したベッドは、機台に対
   して、垂直なジャッキボルトにより高さの調節が可能に
   設置され、機台の端部には前記ベッドと同等レベルの位
   置にコンクリートパネルの前進方向に起伏自在な延長パ
   ネルが設置されており、回転ブラシのカバーの前縁には
   コンクリートパネル上面との間隙を遮蔽する柔軟性の遮
   蔽シートが設けられ、ベッドの落下口に接続した廃棄物
   シュートは機台の横方向へ斜め下向きに長く形成されて
   いることを特徴とする、コンクリートパネルの掃除機。