JPH07277657A - マンコンベア用移動手摺の検査装置 - Google Patents

マンコンベア用移動手摺の検査装置

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JPH07277657A
JPH07277657A JP7215794A JP7215794A JPH07277657A JP H07277657 A JPH07277657 A JP H07277657A JP 7215794 A JP7215794 A JP 7215794A JP 7215794 A JP7215794 A JP 7215794A JP H07277657 A JPH07277657 A JP H07277657A
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moving handrail
damage
central portion
handrail
width direction
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Application number
JP7215794A
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English (en)
Inventor
Yoshiro Kurakazu
嘉郎 倉員
Nobuhiko Sato
信彦 佐藤
Kan Tominaga
完 臣永
Kiyoshi Iyori
潔 伊従
Masaaki Kagami
眞卿 各務
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Hitachi Denshi KK
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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Hitachi Denshi KK
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】マンコンベア用移動手摺の損傷を初期段階で確
実に検出し、保守員が容易に操作できる検査装置を提供
すること。 【構成】3個の三角測量式のレーザ変位計5a、5b、
5cを備えた検出ユニット5を、エスカレータの移動手
摺1bの裏面の幅方向3個所の位置pa、pb、pcで
の厚さが検出できる位置に、吸盤11と自在アーム12
により欄干3の面に取付け、レーザ変位計5a、5b、
5cから得た3種の信号a、b、cを演算z=a−(b
+c)/2により処理して、移動手摺1bの裏面の幅方
向の中央部分での膨らみ量zが正確に検出できるように
したもの。 【効果】この膨らみ量zは、移動手摺1b裏面の帆布の
表面での剥離、亀裂、毛羽立ち、欠けなどの損傷の予兆
として現れる。従って、この膨らみ量zを正確に検出す
ることにより、早期に移動手摺1bの損傷を検出でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マンコンベア用移動手
摺の検査装置に係り、特にエスカレータや移動歩道に好
適な移動手摺の検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エスカレータや移動歩道(動く歩道)など
のマンコンベアは、その安全性や信頼性の保持が重要な
命題であるため、寿命部品については常に保守点検が欠
かせないのは勿論、それに異常が検知されたときには、
直ちに交換ができるような態勢にしておく必要がある。
【0003】ところで、このようなマンコンベアの欄干
の頂部にはエンドレスになって移動する移動手摺(ハン
ドレール)が設けられているが、これは、その色や全体
の長さが納入先毎に異なる受注生産品であるのが一般的
であり、従って、色と全長の組合せの種別はほとんど無
限数に近く、従って、予め、それら全てを在庫として保
有しておくことは不可能に近い。
【0004】そこで、マンコンベアでは、その移動手摺
に損傷が発生した場合、この損傷が寿命を越して大きく
進展する以前の初期損傷現象の段階で早期に発見し、早
目に交換の時期を知り、交換用の移動手摺の製作手配を
進めておくことが強く要請されている。
【0005】この移動手摺に現れる損傷の態様は、主と
して表面の化粧ゴム面に現れる損傷と、裏面の帆布面に
現れる損傷の二種に大別して分類できるが、裏面の帆布
面の損傷の方が発生頻度が高く、しかも放置しておく
と、損傷の進展により切断などの大事故につながり易
い。
【0006】従って、マンコンベアの保守点検に際して
は、この移動手摺の裏面の点検が欠かせない事項となつ
ているが、このとき、この移動手摺は、欄干上の往路部
分では表面の化粧ゴム面だけが見えているだけで、その
裏面は、復路部分でしか見ることができない。
【0007】しかして、この移動手摺の復路側はマンコ
ンベアの装置内部に隠れており、従って、裏面の帆布面
の点検には、マンコンベアの左右の欄干の裾部のカバー
を取り外して作った狭い開口部分から保守員が内部を覗
き込み、目視により点検する方法が、従来から採用され
ている。
【0008】なお、本発明が対象としている移動手摺の
公知例としては、例えば特開平5−5751号公報を挙
げることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、移動
手摺の状態を安全、且つ容易に、しかも正確に把握する
点について、以下に説明するように、充分に配慮がされ
ているとは言えず、その損傷の状態を客観的に判定し
て、的確な交換時期を知る上で問題があった。
【0010】まず、移動手摺の裏面の帆布面には、使用
中、染み、汚れが付き易く、この染み、汚れと、損傷と
を目視で見分けるのはかなり困難である。この移動手摺
裏面の帆布面に現れる損傷の態様は、帆布面の剥離、亀
裂、毛羽立ち、欠け等の比較的鋭い凹凸物の発生が主で
あり、従って、保守員は、この鋭い凹凸を検出するた
め、従来から、移動手摺の内側の帆布面に懐中電灯を斜
めから照射して凹凸物の陰影を積極的に作り、染み、汚
れとの識別が容易になるような工夫をした上で、目視に
より点検している。
【0011】しかしながら、このとき移動手摺の全長に
わたる点検には、マンコンベアを運転したまま、すなわ
ちステップが動いている状態で、そのすぐ脇で、片手に
持った懐中電灯を狭い開口部から内部に差し伸べなが
ら、他方では、うつ伏せになった姿勢の体重を、残りの
片手で支えながら内部を覗き込んで移動手摺の帆布面の
観察を行なう必要があり、従って、この点検はかなり苦
しく、大きな危険が伴う作業になっていることが問題に
なる。
【0012】また、この肉眼による点検法では、狭い開
口部から覗き込む作業になるため、視野が狭く、広い範
囲にわたる観察ができない。そして、このように視野が
狭い状態の中で、0.5m/秒という比較的速い速度で
動いている移動手摺を、目で追い掛けながら観察するの
であるから、微細な損傷の発見は困難であり、早期発見
には高度の熟練が必要である。
【0013】従って、従来技術では、移動手摺の状態を
安全、且つ容易に、しかも正確に把握する点について配
慮がされているとは言えず、その損傷の状態を客観的に
判定して、的確な交換時期を知る上で問題があったので
ある。
【0014】ところで、移動手摺裏面の帆布の表面での
損傷は、一般に剥離、亀裂、毛羽立ち、欠けなどの外見
上の特徴となって顕在化するが、本件発明者等の知見に
よれば、このような外見上での明瞭な特徴が顕在化する
以前に、帆布面の幅方向のほぼ中央部に小高い凸部、す
なわち膨らみが発生するという予兆的な現象を生じるこ
とが分かった。すなわち、移動手摺の帆布を切開した上
での調査、及びX線カメラによるスチールコードの観察
によれば、この帆布面の幅方向のほぼ中央部に発生する
膨らみは、本来、平行に並んでいるべきスチールコード
からなる心材の乱れ、重なりによるものであることが突
き止められた。
【0015】換言すれば、移動手摺の内部におけるスチ
ールコードの乱れや重なりが、裏面では、膨らみ、すな
わち緩やかな帆布面の凸部として発生するのである。
【0016】このことについて、さらに詳しく説明する
と、この膨らみが発生した箇所で移動手摺を切開して調
べてみると、上記したスチールコードの配列が乱れた部
分は勿論であるが、スチールコードの長手方向の前後の
何れかの片方に、帆布とスチールコードの間の接着の剥
離がかなりの長さにわたり認められる。
【0017】そして、軽微な損傷から大きな損傷までの
数多くの損傷例を診断した結果からすると、移動手摺の
損傷進展のメカニズムは、下記の通りであるものと推定
される。
【0018】 移動手摺の駆動装置の駆動ローラが移
動手摺の帆布面に及ぼす駆動剪断力の繰り返しによる疲
労によって、帆布とスチールコードの間の接着の剥離が
発生し、これが徐々に進展する。
【0019】 剥離長さが一定以上に成長すると、ス
チールコードがこの空間内で遊びを生じ、これが駆動剪
断力でスチールコードが剥離空間内の一隅に手繰り溜め
られ、スチールコードの重なりが小さな膨らみの発生と
言う状態になり、次いでこの膨らみが大きく成長する。
【0020】スチールコードの重なり部において、素
線同志が擦り切れ、バラバラになって浮き上がりつつ、
剥離して浮き上がっている帆布を内部からさらにパクパ
クと押上げて帆布面を疲労させ、剥離、亀裂、毛羽立
ち、欠け等の外見的損傷状態に至る。
【0021】なお、この知見に基づいて、帆布の初期剥
離と膨らみ発生の段階で、剥離した帆布を切り除き、補
修用帆布を当て現地で加硫圧着作業をすることにより、
かなり長期間にわたり、移動手摺の有効な延命を可能に
する延命補修技術も開発された。
【0022】以上の結果、帆布面の小さな膨らみを早期
に見付けることが、移動手摺の予兆診断に極めて有効で
あり、重要課題であるとの貴重な結論を得たが、しかし
ながら、このような膨らみ、特に小さな膨らみの存在を
目視で早期点検することは、依然として極めて困難であ
る。
【0023】なお、この帆布面の膨らみは、手で触れる
ことにより、その存在を知ることができるが、しかし、
たとえそうだとしても、運転中の移動手摺の裏面に手を
触れることは極めて危険であり、従って、保守員が触診
で点検することは、実際には困難である。
【0024】ところで、このような、ベルトのようにエ
ンドレスで循環移動する移動手摺の表面の凹凸を検査す
る方法としては、光学的な距離測定装置により観察する
のが最も簡単であるが、マンコンベアの移動手摺は、復
路側では、ピッチング(上下に波打ちながら走行するこ
と)や、ローリング(捻じれながら走行すること)が避け
られないため、これによって生じるノイズの対策が必要
である。
【0025】しかして、このような条件を克服すること
ができるようにした、各種の計測機器についても、従来
から種々の提案がされているが、このとき、マンコンベ
アでは、その移動手摺の復路部分の収容スペースが狭い
ことと、開口部を広く取れないこととが問題であるた
め、計測機器の取り付け作業と、その照準合わせの調整
作業に著しく時間と労力が必要になるという問題があ
り、これも又、実用上の障害になっていた。
【0026】そこで、まず本発明が解決すべき第1の課
題は、亀裂、裂け、欠け、毛羽立ちなどの移動手摺の損
傷を、移動手摺の裏面に付きものの汚れや染みなどと明
瞭に区別して、その予兆の段階で確実に検出できるよう
にすることである。次に本発明が解決すべき第2の課題
は、亀裂、裂け、欠け、毛羽立ちなどの損傷を、ピッチ
ング、ローリングなどによるノイズから完全に分離し
て、その予兆の段階で確実に検出できるようにすること
である。
【0027】さらに本発明が解決すべき第3の課題は、
マンコンベアの移動手摺が有する特殊性に鑑み、計測用
機器の取り付けと照準合わせ調整の操作性を良くするこ
とである。従って、本発明の目的は、保守員に危険で過
酷な作業をさせないで済むことを前提とし、以上の課題
が総て解決でき、しかも小型、軽量で携帯性に優れ、さ
らに操作性にも優れたマンコンベア用移動手摺の検査装
置を低価格で提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的は、移動手摺裏
面の幅方向の中央部と、その両側の各端部のそれぞれの
部分で、該移動手摺の厚さ、つまり凹凸方向の寸法をそ
れぞれ独立に検出する光学的検出手段と、これら3箇所
での厚さの測定結果を入力とする演算手段とを設けるこ
とにより達成される。また、上記目的は、上記光学的検
出手段を、マンコンベアの欄干の一部に、任意の姿勢で
取付け取外し可能な可搬式とする手段を設けることによ
り、より充分に達成される。
【0029】
【作用】移動手摺裏面の幅方向の中央部と、その両側の
各端部のそれぞれの部分で、該移動手摺の厚さをそれぞ
れ独立に検出する光学的検出手段と、これら3箇所での
厚さの測定結果を入力とする演算手段は、マンコンベア
の移動手摺の裏面で、その幅方向のほぼ中央部での膨ら
みを確実に検出するように働く。すなわち、移動手摺裏
面の幅方向中央部の厚さをa、幅方向の両側の各端部の
厚さをb、cとして、a−(b+c)/2の演算処理を行
うことにより、移動手摺裏面の幅方向中央部での膨らみ
を確実に検出することができる。
【0030】上記したように、移動手摺裏面の帆布の表
面での剥離、亀裂、毛羽立ち、欠けなどの損傷は、それ
が顕在化する以前に、予兆的な現象として、帆布面の幅
方向のほぼ中央部に小高い凸部、すなわち膨らみとして
現れるから、これを検出し、その大きさを知ることによ
り、移動手摺の損傷が予知できるので、損傷が寿命を越
して大きく進展する以前の初期損傷現象の段階で早期に
発見し、早目に交換の時期を知り、交換用の移動手摺の
製作手配を進めておくことができるのである。
【0031】また、マンコンベアの欄干の一部に任意の
姿勢で取付け取外し可能にされた可搬式光学的検出手段
は、必要に応じて、マンコンベアの復路における移動手
摺の所定の位置への照準合わせを容易にするように働
く。従って、照準合わせの調整作業に必要とする時間と
労力を充分に軽減することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明によるマンコンベア用移動手摺
の検査装置について、図示の実施例により詳細に説明す
る。図1は、本発明の一実施例の使用状態での外観図
で、図2は、図1の移動手摺部の断面図で、これらの図
において、1はエスカレータの移動手摺、2はエスカレ
ータのステップ、3はエスカレータの欄干、4はデッキ
カバー、5は検出ユニット、そして6は操作制御ユニッ
トである。
【0033】良く知られているように、移動手摺1はエ
ンドレスに作られ、ステップ(踏板)2の移動に同期し
て、欄干3の上の往路と、デッキカバー4内にガイド部
材で規定されている復路からなる経路を通って循環移動
するようになっている。なお、ここでは、図2に示して
あるように、往路部分にある移動手摺1を1aで、そし
て復路部分にある移動手摺1を1bで示してある。
【0034】検出ユニット5は、後述するように、3組
の三角測量方式によるレーザ変位計を備え、操作制御ユ
ニット6と共に可搬式として作られている。そして、図
2に示すように、必要に応じて、ステップ2と欄干3の
間に設けてあるデッキカバー4の一部を外して作られた
開口から、エスカレータの欄干下内部に一部が挿入され
た状態で、所定の姿勢を保って位置決めできるように構
成されている。
【0035】また、検出ユニット5は、図3に示すよう
に、吸盤11と自在アーム12、それに遮光部材13を
備えている。従って、吸盤11を欄干3のステップ側の
面の所定の位置に吸着させ、自在アーム12を調整する
ことにより、遮光部材13の延長方向に向かっている検
出ユニット5のレーザ光の照射方向が、移動手摺1bの
裏面に向けて正確に向くようにして、容易に位置決めす
ることができるようになっている。
【0036】さらに、この検出ユニット5には、その断
面図、図4と上面図、図5から明らかなように、3組の
三角測量方式レーザ変位計5a、5b、5cが設けてあ
り、これらにより、図3と図4に詳しく示されているよ
うに、移動手摺1bの裏面の幅方向にだけ離れた3点の
位置pa、pb、pcのそれぞれにレーザ光の照準を合
わせ、移動手摺1bの裏面のそれぞれの位置pa、p
b、pcまでの距離を独立して検出するようになってい
る。
【0037】また、このとき、レーザ変位計5bと5c
は、特に図5から明らかなように、移動手摺1bの幅方
向に並べ隣接して配置し、これらに対して、レーザ変位
計5aを、移動手摺1bの長さ方向、つまり移動方向に
並べ隣接して配置してあり、これにより、小型化が得ら
れるようになっている。なお、遮光部材13は、各レー
ザ変位計5a、5b、5cによるレーザ光、特にその反
射光が、相互に干渉を生じないようにする働きをするも
のである。
【0038】操作制御ユニット6は、検出ユニット5と
ケーブルで接続されており、検出ユニット内の各レーザ
変位計5a、5b、5cのレーザを動作させるのに必要
な電力供給手段と、各レーザ変位計5a、5b、5cで
計測した結果を取り込み、所定の演算処理を施すのに必
要な演算手段とを備えている。
【0039】そして、この演算手段により、後述するよ
うにして、移動手摺裏面の幅方向中央部での膨らみが算
出され、さらに、この算出結果に基づいて損傷程度が判
定され、表示されるようになっている。
【0040】図6は、この操作制御ユニット6に設けら
れている演算手段を示したもので、増幅器7a、7b、
7cと、演算回路8、コンパレータ9、それに判定表示
部10により構成されている。
【0041】次に、この演算手段による信号処理につい
て説明すると、図1に示すように、まず、吸盤11によ
り検出ユニット5を、検査対象となるエスカレータの欄
干3の内側面の所定の位置に取付け、デッキカバー4の
一部を取り外した開口部から挿入して位置決めする。
【0042】次に、エスカレータを運転状態にし、3個
のレーザ変位計5a、5b、5cにより、復路を移動す
る移動手摺1bの裏面の各位置pa、pb、pcでの厚
み方向の寸法a、b、cが計測されるようにする。そし
て、これらの計測結果a、b、cを、それぞれ増幅器7
a、7b、7cで増幅し、演算回路8に供給して、z=
a−(b+c)/2の演算処理を行い、演算結果zをコン
パレータ9で規定値kと比較し、比較結果を判定表示部
10で判定し、損傷の程度を表示するのである。
【0043】このとき、移動手摺1には、正常な部分で
あっても0.2mm前後の凹凸があり、またステップ2
の移動に伴う移動手摺の循環移動によってピッチング、
ヨーイング(蛇行運動)などによる上下左右への動きを発
生するが、演算回路8による演算によって、幅方向の中
央部分の厚さaから、幅方向両側部分の厚さb、cの平
均値(b+c)/2が減算されるので、上記した凹凸やピ
ッチング、ヨーイングによる検出成分は相殺され、中央
部分の膨らみだけを表わす演算結果zを得ることができ
る。
【0044】つまり、移動手摺1の凹凸やピッチング、
ヨーイングによる検出成分は、移動手摺1全体の変位と
して現れるので、平均値(b+c)/2を減算することに
より相殺されてしまうので、結局、これらの影響を受け
ることなく、常に正確に中央部分の膨らみだけを表わす
演算結果zを検出することができるのである。
【0045】そして、これらレーザ変位計5a、5b、
5cとしては、計測分解能0.05mm、測定可能周期
1/915秒のものが実用化されているから、従って、
このようなレーザ変位計を使用することにより、この実
施例によれば、0.5m/秒で移動する移動手摺1を測
定対象として、0.1mmオーダの凹凸でも確実に計測
できる。また、このとき、遮光部材13は、レーザ変位
計5a、5b、5cが、それぞれ各自が投光したレーザ
スポットのみを検知し、隣接する他のレーザ変位計が投
光したレーザスポットを検知しないようにし、これによ
り、移動手摺1bの幅方向に狭いピッチで3個所に設定
されている部分pa、pb、pcでの精度の良い計測を
可能にしている。
【0046】従って、この実施例によれば、移動手摺裏
面の帆布の表面での剥離、亀裂、毛羽立ち、欠けなどの
損傷の予兆となる膨らみを高精度で検出できるので、こ
の結果により移動手摺の損傷が正確に予知でき、損傷が
寿命を越して大きく進展する以前の初期損傷現象の段階
で、その検知が可能になり、この結果、早目に交換の時
期を知り、交換用の移動手摺の製作手配を進めておくこ
とができるなどの効果を得ることができる。
【0047】また、上記したように、これらのレーザ変
位計5a、5b、5cは、次のようにして検出ユニット
5に配置してある。すなわち、まず、レーザ変位計5b
と5cは、図5、図6に示されているように、移動手摺
1bの幅方向と同じ方向に並べて並列配置してある。そ
して、これらのレーザ変位計5b、5cに対して、レー
ザ変位計5aを移動手摺1aの長手方向と同じ方向に対
向して傾斜配置した状態で検出ユニット5に固定してあ
る。
【0048】従って、この実施例によれば、図3に示す
ように、3個のレーザ変位計5a、5b、5cを有する
にも拘らず、欄干3とステップ2の間の狭い部分にも容
易に検出ユニットが位置決めでき、かつデッキカバー4
を外すことにより、欄干3とステップ2の間の狭い隙間
に形成される小さい開口部分から、移動手摺1bの裏面
の幅方向一列に3個所での厚さの同時測定ができるよう
になるのである。
【0049】また、この実施例では、図3に示すよう
に、検出ユニット5は操作制御ユニット6とは別体に作
られた上で、吸盤11と自在アーム12が設けてあり、
これにより、検出ユニット5は、保守員により、所望の
位置に任意に取付け、取外しができる。
【0050】従って、この実施例によれば、これら検出
ユニット5と操作制御ユニット6を携帯し、保守すべき
エスカレータの設置場所に運んだ上で、吸盤11を、そ
のエスカレータの欄干3に吸着させ、自在アーム12を
調整することにより、容易に移動手摺の検査を行なうこ
とができるから、検査に際しては、エスカレータのデッ
キカバーの取外し作業だけを行なえばよく、その他、危
険を伴う虞れのある作業は一切必要としないので、安全
性を充分に確保することができる。
【0051】また、上記実施例では、レーザ変位計5
a、5b、5cを図3に示すように、それぞれ移動手摺
の幅方向Pa、Pb、Pcの3箇所に設定された場合で
あるが、他の実施例として2個のレーザ変位計を用い、
移動手摺の幅方向の中央部Paと、この中央部から幅方
向に所定距離離れたPb、Pcの何れかの2箇所の凹凸
方向の寸法を計測し、両者の差から上記手摺の損傷度を
計測することも可能である。
【0052】この場合、精度は若干低下するが、レーザ
変位計が2個で実現できるので、上記の3個の場合より
小型、低価格の検査装置を実現できる。
【0053】なお、上記実施例では、レーザ変位計を用
いているが、本発明は、これに限らず、移動手摺に非接
触で、その厚さが検出できるなら、どのような光学的測
定手段を用いても実施可能である。また、上記実施例で
は、本発明をエスカレータの移動手摺の検査に適用した
場合を例として挙げているが、移動道路にも適用可能な
ことは、いうまでもない。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、マンコンベア用移動手
摺に損傷が現れた場合、その初期段階での予兆として、
移動手摺の裏面の幅方向中央部に膨らみが現れることに
着目して、その膨らみが、0.5〜1.0mm程度であっ
ても、確実に、しかも正確に検出することができるよう
にしたので、この検出結果により、移動手摺の損傷が予
知でき、損傷が寿命を越して大きく進展する以前の初期
損傷現象の段階で早期に発見し、ワイヤの乱れや切断に
至る大きな損傷を未然に防止できる。
【0055】また、この結果、早目に移動手摺の交換時
期を知り、交換用の移動手摺の製作手配を進めておくこ
とができると共に、適切な補修を可能にするで、保守費
用を充分に節減することができる。
【0056】また、本発明によれば、マンコンベアのデ
ッキカバーの一部を外すだけで、検出ユニットの着脱と
位置調整ができ、以後は制御操作ユニットを接続して起
動させることにより移動手摺の損傷が検知できるため、
操作性に優れ、定期保守時に移動手摺の損傷程度を容易
にチェックでき、事故の低減と共に保守費用の節減がで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマンコンベア用移動手摺の検査装
置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による検出ユニットの装着状
態を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例による検出ユニットの装着状
態を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施例による検出ユニットの断面図
である。
【図5】本発明の一実施例による検出ユニットの上面図
である。
【図6】本発明の一実施例における演算手段の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 エスカレータの移動手摺 1a 往路部分にある移動手摺 1b 復路部分にある移動手摺 2 エスカレータのステップ 3 エスカレータの欄干 4 エスカレータのデッキカバー 5 検出ユニット 5a、5b、5c レーザ変位計 6 操作制御ユニット 8 演算回路 9 コンパレータ 10 判定、表示部 11 吸盤 12 自在アーム 13 遮光部材
フロントページの続き (72)発明者 臣永 完 東京都小平市御幸町32番地 日立電子株式 会社小金井工場内 (72)発明者 伊従 潔 東京都小平市御幸町32番地 日立電子株式 会社小金井工場内 (72)発明者 各務 眞卿 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンコンベアの移動手摺の裏面の凹凸の
    厚さ寸法を非接触で測定して、該移動手摺の損傷を検査
    する方式のマンコンベア用移動手摺の検査装置におい
    て、上記移動手摺の裏面の幅方向のほぼ中央部と、上記
    中央部から幅方向に所定の距離だけ離れた所定部分との
    上記移動手摺の凹凸方向の寸法をそれぞれ検出する少な
    くとも2個の光学的測定手段と、上記中央部の寸法と上
    記中央部から離れた所定部分の寸法とを比較する演算手
    段とを設け、上記演算結果により、上記移動手摺の損傷
    度を判定するように構成したことを特徴とするマンコン
    ベア用移動手摺の検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、上記中央部か
    ら幅方向に所定の距離だけ離れた所定位置は、上記中央
    部の両端部であり、上記中央部および上記中央部の両端
    部の上記移動手摺の凹凸方向の寸法をそれぞれ検出する
    3個の光学的測定手段を設け、上記中央部で検出した凹
    凸方向の寸法をa、上記各端部で検出した凹凸方向の寸
    法を各々b、cとし、z=a−(b+c)/2の演算値z
    を求める演算手段とを設け、上記演算結果により上記移
    動手摺の損傷度を判定するように構成したことを特徴と
    するマンコンベア用移動手摺の検査装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の発明において、上記3個の光
    学的測定手段が検査ユニットを形成し、該検出ユニット
    に自在アームを有する吸盤が設けられていることを特徴
    とするマンコンベア用移動手摺の検査装置。
JP7215794A 1994-04-11 1994-04-11 マンコンベア用移動手摺の検査装置 Pending JPH07277657A (ja)

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JP2013049560A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Hitachi Building Systems Co Ltd 乗客コンベアの移動手摺の劣化診断装置
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