JPH07276804A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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Publication number
JPH07276804A
JPH07276804A JP6077329A JP7732994A JPH07276804A JP H07276804 A JPH07276804 A JP H07276804A JP 6077329 A JP6077329 A JP 6077329A JP 7732994 A JP7732994 A JP 7732994A JP H07276804 A JPH07276804 A JP H07276804A
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JP
Japan
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dye
recording medium
optical recording
layer
recording
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Application number
JP6077329A
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English (en)
Inventor
Sumio Hirose
純夫 広瀬
Masatoshi Yanagimachi
昌俊 柳町
Shin Aihara
伸 相原
Tomoyoshi Sasagawa
知由 笹川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 透明な基板上に色素を含有する記録層、反
射層及び保護層を順次積層して成る単板型光記録媒体に
於て、記録層に特定のテトラアザポルフィリン色素を用
いる。また、該特定のテトラアザポルフィリン色素70〜
99.5重量%及び650 〜900nm に極大吸収を有する色素30
〜0.5 重量%からなる。 【効果】 670〜690nmの可視光レーザー光に対して高
反射率で、且つマークエッジ記録した場合にエラーレー
ト、ジッタ−、再生光安定性に優れた媒体を提供し、ま
た、670 〜690nm のレーザー搭載のドライブ及び770 〜
790nm のレーザー搭載のドライブの両者のドライブで記
録及び読み出しが可能で、且つオレンジブック規格を満
足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明基板上に色素を含有
する記録層、反射層、及び保護層を有する単板型光記録
媒体で、特に670 〜690nm の可視光レーザー光で記録再
生が可能な光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】単板型光記録媒体の一例として、色素を
記録層とし且つ反射率を大きくするため記録層の上に金
属の反射層を設け更にこの上に保護層を設けた単板型の
追記可能な光記録媒体は、例えば Optical Data Storag
e 1989 Technical Digest Series Vol.1 45(1989)、特
開平2-132656、特開平2-168446、特開平3-215466等に提
案され、CD−R媒体として市場に供されている。
【0003】かかる媒体は、高容量であり、且つCDプ
レーヤーやCD−ROMプレーヤーと互換性を有すると
いう特徴を有する。
【0004】しかしながら、デジタル動画等のように高
容量の情報を記録するには記録時間が15分以下と短
い。又、機器の小型化が進なかで従来の媒体は小型にす
ると容量が不足する。なお、従来の媒体は、780nm 前後
の波長を有する半導体レーザーを用いて記録及び読み出
しを行っていたが、最近670 〜690nm のより短波長の半
導体レーザーが開発され、ビーム径をより小さく絞り込
むことが出来、より高密度の記録が可能となってきた。
【0005】しかしながら、前記した従来の媒体を、67
0 〜690nm の半導体レーザーで記録すると、満足できる
記録が出来なかったり、記録は出来てもエラーレートや
ジッターが大きいことを我々は見いだした。又、反射率
が10%前後と小さく、CDのように情報を基板の成形
時にピットとして転写し、その上にアルミニウムの反射
層を設けた再生専用の媒体との互換性が得にくいことも
見いだした。更に、再生光安定性に劣り、同じトラック
を数回連続して読み出しても劣化を起こし実用に供しえ
ないと言う欠点を有していた。我々の知見によると、お
そらくその理由は、前記した公知の媒体に用いられてい
る色素は記録膜で測定すると670 〜720nm 前後に最大吸
収を有するため、非常に高感度ではあるが再生光安定性
に劣るとする。例えば0.5mW の出力で読み出しても1回
の読み出しで劣化するのである。又、記録層による吸収
が大きいために反射率が非常に小さくなる。
【0006】一方、特開平2-276866には本願発明の媒体
に用いられている色素と類似の色素を用いた媒体が開示
されている。我々の検討によると、この色素を用いて本
願と同じ構造の媒体を作り670 〜690nm の半導体レーザ
ーを用いて記録しても、反射率が小さく、且つ高密度記
録に必須なマークエッジ記録を行うと長いピットの再生
波形に歪(変形)が生じ、エラーレートやジッターが大
きくなると言う問題が新たに発生し、かつ再生光安定性
に劣り実用に供しえないことを見いだした。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本願発明の目的は、67
0 〜690nm の可視光半導体レーザーを用いて記録しても
前記したような欠点を有しない、基板上に色素を含有す
る記録層、反射層、保護層を順次積層してなる単板型光
記録媒体を提供することにある。また本願発明の目的
は、基板上に色素を含有する記録層、反射層、保護層を
順次積層してなる単板型光記録媒体で、従来のオレンジ
ブック規格を満足し、且つ可視光レーザーでも記録や読
み出しを行っても前記したような欠点を有しない光記録
媒体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、透
明な基板上に、色素を含有する記録層、反射層及び保護
層を順次積層してなる単板型光記録媒体に於いて、記録
層が下記一般式(1)、〔化5〕であらわされるで表さ
れるテトラアザポルフィリン色素を含有することを特徴
とする光記録媒体であり、また、
【0009】
【化5】 [式(1)に於いて、Mは2個の水素原子、又は2価の
金属を表し、L1、L2、L3 及びL4 は各々独立に
(イ)、(ロ)、(ハ)、〔化6〕
【0010】
【化6】 から選ばれた残基を表し、A1 、A2 、A3 、A4 、A
5 、A6 、A7 及びA8はそれぞれ独立に下記a〜jか
ら選ばれた基を表す。
【0011】 a.R1 b.OR2 c.SR3 d.X e.NR4 R5 f.COOR6 g.OCOR7 h.COR8 i.SiR9 R10R11 j.OSiR12R13R14 ここで、R1 〜R14は各々独立に水素、未置換又は置換
基を有する直鎖又は分枝又は環状アルキル基、未置換又
は置換基を有するアリール基を、Xはハロゲンを表
す。] ここで、記録層が一般式(1)に於けるL1,L2,L3,L
4 が(ハ)である色素を含有する光記録媒体であり、ま
た、基板を通して測定した読み出しレーザー光の反射率
が25%以上である光記録媒体である。
【0012】また、本発明は、透明な基板上に、色素を
含有する記録層、反射層及び保護層を順次積層してなる
単板型光記録媒体に於いて、記録層が下記一般式
(1)、〔化7〕であらわされるで表されるテトラアザ
ポルフィリン色素を70〜99.5重量%、650 〜900n
m に極大吸収を有する色素を30〜0.5重量%含有す
ることを特徴とする光記録媒体であり、また、
【0013】
【化7】 [式(1)に於いて、Mは2個の水素原子、又は2価の
金属を表し、L1 、L2、L3 及びL4 は各々独立に
(イ)、(ロ)、(ハ)、〔化8〕
【0014】
【化8】 から選ばれた残基を表し、A1 、A2 、A3 、A4 、A
5 、A6 、A7 及びA8はそれぞれ独立に下記a〜jか
ら選ばれた基を表す。 a.R1 b.OR2 c.SR3 d.X e.NR4 R5 f.COOR6 g.OCOR7 h.COR8 i.SiR9 R10R11 j.OSiR12R13R14 ここで、R1 〜R14は各々独立に水素、未置換又は置換
基を有する直鎖又は分枝又は環状アルキル基、未置換又
は置換基を有するアリール基を、Xはハロゲンを表
す。] ここで、基板を通して測定した670 〜690nm の発振波長
のレーザー光の反射率が25%以上、且つ770 〜790nm
の発振波長のレーザー光の反射率が65%以上である光
記録媒体であり、また、記録層が前記一般式(1)で表
されるテトラアザポルフィリン色素を70〜99.5重
量%、750 〜900nm に極大吸収を有する色素を30〜
0.5重量%含有する光記録媒体である。
【0015】以下、本願発明を詳細に説明する。本願発
明に於て用いられる一般式(1)で表されるテトラアザ
ポルフィリン色素に於けるR1 〜R14で表される基の中
で、未置換の直鎖又は分枝又は環状アルキル基として
は、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素が挙げられ、より
具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、
アルキル置換ヘキシル基等が挙げられる。又、置換基を
有する直鎖又は分枝又は環状アルキル基としては、前記
した炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基に、アリール
基、アルコキシ基、ポリオキシアルキル基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、ハロゲン、アミノ基、エステル
基、ヒドロキシル基等の置換基を有する基が挙げられ
る。又、未置換のアリール基の具体例としては、フェニ
ル基、ナフチル基、アントトラセン基等が挙げられ、置
換アリール基としては、前記したアリール基にアルキル
基、フェニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、ハロゲン、アミノ基、エステル基、ヒドロ
キシル基等の置換基を有する基が挙げられる。一方、X
で表されるハロゲンの具体例としては、塩素、臭素、ヨ
ウ素等が挙げられる。
【0016】更に、一般式(1)に於いてMで表される
2価の金属のとしては、周期律表の2A族、1B族、2
B族、8族の金属が挙げられ、より具体的には、Ca、
Mg、Zn、Cu、Ni、Pd、Co、Pt、Cd、R
u等が挙げられる。
【0017】本願発明に於いて用いられる一般式(1)
で表されるテトラアザポルフィリン色素は、例えば特開
平2-276866に記載の文献に準じて、2,3−ジシアノ−
5,6−ジアルキルピラジンを出発原料とし、イソイン
ドリンジイミンを経由して、ハロゲン化パラジウム等の
ハロゲン化金属を反応させ合成することが出来る。
【0018】本願発明は、基本的には、前記した一般式
(1)で表されるテトラアザポルフィリン色素を用いる
ものであるが、該色素は、780nm 近傍に殆ど吸収を有さ
ない。そのため、さらに、従来の780nm のレーザーで記
録できるように、本願発明の別の態様に於いては、前記
したテトラアザポルフィリン色素に、更に650 〜900nm
に極大吸収を有する色素を混合して用いる。
【0019】かかる、650 〜900nm に最大吸収を有する
色素の具体例としては、例えば、特開昭62-122787 に記
載のフタロ/ナフタロシアニン色素、特開平3-62878 に
記載のフタロシアニン色素、シアニン色素、ベンゾキノ
ン色素や金属錯体色素、更にナフトキノン色素、アゾ色
素等が挙げられる。この色素の極大吸収が650nm 未満の
場合は、780nm レーザーに適切な感度をもたせようとす
ると可視光レーザーに対する吸収が大きくなり過ぎ、反
射率が小さくなり好ましくない。一方、吸収極大が900n
m を越える場合は、記録膜の屈折率が小さくなることに
より可視光レーザーに対する反射率が小さくなり好まし
くない。この場合の極大吸収の波長とは溶液状態で測定
した波長ではなく、膜状態で測定した波長を意味する。
【0020】本願発明の光記録媒体は、基本的には、透
明な基板に一般式(1)で表されるテトラアザポルフィ
リン色素からなる記録層を直接又は他の層を介して設
け、この記録層の上に反射層及び保護層を順次設けるこ
とによって形成される。
【0021】本願発明の光記録媒体に於いて用いられる
透明な基板としては、信号の記録や読み出しを行う光の
透過率が85%以上で、且つ光学異方性の小さいものが
好ましい。例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリオレフィン樹脂等の公知の樹脂基板が挙げら
れる。これらの基板は板状でもフィルム状でも良く、又
その形状は円形でもカード状でも良い。これらの基板の
表面には記録位置を表す案内溝やピットを有していても
良い。このような案内溝やピットは、基板の成形時に付
与するのが好ましいが、基板の上に紫外線硬化樹脂層を
設けて付与することもできる。
【0022】本願発明の光記録媒体に於いて、前記色素
からなる記録層を基板の上に成膜するには、塗布法や蒸
着法があるが、生産性などの点から塗布法が特に好まし
い。塗布法により成膜するには、前記した色素と有機溶
剤からなる液を基板上にスピンコート法、浸積法等の常
法に従って成膜する。この際用いられる有機溶剤として
は、基板にダメージを与えないような溶剤、例えば、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサソ、ジメチルシクロヘキサン等
の脂肪族又は脂環式炭化水素系溶剤、ジエチルエーテ
ル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエ
ーテル系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール、アリルアルコール、メチルセ
ロソルブ等のアルコール系溶剤、四塩化炭素、テトラフ
ロロプロパノール等のハロゲン系溶剤等が好ましい。
又、前記した溶剤以外の例えばエステル系、ケトン系、
芳香族系やハロゲン系溶剤も基板にダメージを与えない
範囲で混合して使用することもできる。本願発明に於い
ては、塗布法を採用する場合、まず基本的に、一般式
(1)で表される色素は前記したような有機溶剤に溶解
するように置換基を選択することが好ましい。
【0023】なお、記録層を成膜する際に、記録特性を
改善するためやピンホールを防止するために、本願発明
で規定する前記した色素以外の、例えば公知のフタロシ
アニン色素、ナフタロシアニン色素、シアニン色素、ジ
チオール金属錯体、アントラキノン色素、ナフトキノン
色素、アゾ色素等の色素やニトロセルロース、エチルセ
ルロース、アクリル樹脂等の樹脂、及びレベリング剤、
消泡剤等を、本願発明にかかる色素の作用を実質的に妨
害しない範囲内において併用することもできることはい
うまでもない。なお、本願発明で規定する 本願発明で用いられる一般式(1)で表されるテトラア
ザポルフィリン色素含有量、もしくはそれと併用される
下記で混合・併用する色素との合計含有量は、少なくと
も70重量%以上、好ましくは90重量%以上、最も好
ましくは実質的に100重量%である。
【0024】一般式(1)で表されるテトラアザポルフ
ィリン色素は、従来の光記録に用いられている半導体レ
ーザーの発振波長域である780 〜830nm に殆ど吸収を有
さないために、従来の780 〜830nm のレーザー光では記
録できない。従って、本願発明の別の態様においては、
780 〜830nm のレーザー光でオレンジブックの規格に準
拠して、記録もできるようにするために650 〜900nm
に、好ましくは750 〜900nm に極大吸収を有する色素を
混合して用いる。
【0025】本願発明の媒体を、オレンジブック規格に
準拠した媒体にするための、一般式(1)で表されるテ
トラアザポルフィリン色素と、さらに併用される650 〜
900nm に極大吸収を有する色素の使用割合は、テトラア
ザポルフィリン色素を70〜99.5重量%、650 〜900nm に
極大吸収を有する色素を0.5 〜30重量%の割合で併用す
ることが好ましい。テトラアザポルフィリン色素が70重
量%未満の場合は、780nm のレーザー光の反射率が65%
未満になり、一方、この色素の使用割合が99.5重量%を
越える場合は、780nm のレーザー光に対する感度が著し
く低下し、いづれもオレンジブック規格を満足せず好ま
しくない。この反射率と感度の点から、テトラアザポル
フィリン色素を80〜99重量%、650 〜900nm に極大吸収
を有する色素を1 〜20重量%の割合で使用するのが更に
好ましい。
【0026】本願発明の光記録媒体の記録層の膜厚は、
反射率、記録特性などに影響するが、通常50〜300nm が
好ましい。
【0027】本発明の光記録媒体を記録、読み出す場
合、反射率は基本的には、20%以上であれば可能であ
るが、再生専用の媒体との互換性を考慮すれば、反射率
は25%以上が好ましく、30%以上が更に好ましい。
この反射率の点からは一般式(1)で表されるテトラア
ザポルフィリン色素に於けるL1 〜L4 が(ハ)のピラ
ジン環が特に好ましい。
【0028】本願発明の光記録媒体に於いては記録層の
上に反射層、保護層が設けられるが、反射層としては、
Al、Au、Ag、Pt、Cu、Ni等の金属又はこれら金属の合金
からなる薄膜が好ましい。この反射膜は通常、真空蒸
着、スパッタ等の方法で成膜され、その膜厚は50〜300n
m が好ましい。又、保護層としては樹脂が好ましく、特
に生産性や作業性の点から公知の紫外線硬化樹脂や電子
線硬化樹脂等の活性エネルギー線硬化樹脂が好ましい。
なお、保護層の膜厚としては通常2 〜20μm 程度であ
る。
【0029】本願発明の光記録媒体に於いては、基板と
記録層の間や記録層と反射層の間に誘電体層、断熱層、
熱拡散層、反射防止層等が設けられていてもよい。また
光入射面には帯電防止用の誘電体層などを有していても
よい。これらの層は、単層でも複層でもよく、また設け
られる順序はとくに限定はない。
【0030】本発明の光記録媒体は基板を通してレーザ
ー光を照射して信号の記録を行うが、用いるレ−ザ−光
の波長は通常630 〜700nm 程度に発振波長を有する半導
体レ−ザ−が好ましい。記録する際は、媒体を回転させ
ながら記録膜上におけるレ−ザ−の出力を5 〜15 mW 程
度にすれば良い。一方、読み出す場合は630 〜830nmの
レ−ザ−を用い、出力を記録時の1/10程度にすればよ
い。本発明の光記録媒体は保護層の上に更にレーベル等
の印刷などを行うこともできる。以下、実施例により本
発明の実施の態様の一例を説明する。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施の態様はこれにより限定されるもの
ではない。 実施例1 厚さ 1.2mm、直径 120mmのスパイラル状のグル−ブ(深
さ140nm 、幅 0.4μm、ピッチ1.2 μm )を有する射出
成形アモーファスポリオレフィン樹脂基板のグル−ブを
有する面の中心部にPd-2、3 、9 、10、16、17、23、24
- オクタヘプチルテトラピラジノポルフィラジン[一般
式(1)に於ける、MがPd、L1 〜L4が(ハ)のピラ
ジン環で、A7 及びA8 がn-ヘプチル基]色素の3.5
重量%のメチルエチメケトン溶液を滴下したのち、この
樹脂基板を回転し、樹脂基板上に実質的に該色素のみか
らなる記録層を成膜した。 次にこの記録層の上に反射
層として厚さ80nmの金薄膜をスパッタ−により成膜し
た。
【0032】更にこの反射層の上に紫外線硬化樹脂(S
D−17、大日本インキ製)をスピンコ−トし、紫外線
を照射して膜厚5μmの保護層を成膜し、光記録媒体を
製作した。この光記録媒体をターンテーブルに乗せ、2.
8m/sの線速で回転させながら、678nm の発振波長を有す
る半導体レーザーとNAが0.55の対物レンズを搭載した光
学ヘッドを有するドライブを用いて、レーザービームを
基板を通してグルーブ上の記録層に集束するように制御
しながら、記録レーザーパワーを変化させながらえFM
変調信号を記録した後、同じ装置を用いてレーザー出力
を1mW にして記録した信号の読み出しを行った。9mW の
レーザー出力の時が最もエラーレートが小さく(最適記
録パワー)、3 ×10ー3であった。又、ピット間の反射率
(Itop)は41% 、ジッター24ns、変調度も十分大きく
(詳細は表2にまとめた)、きわめて良好な記録、読み
出しができた。又、再生波形には殆ど歪は観測されなか
った。この記録した信号の再生光安定性を調べるため
に、1mW の読み出し光で100 万回同じトラックを連続読
み出しを行ったが、信号の劣化は観察されず、Itop、変
調度、エラーレートは殆ど変化しなかった。
【0033】実施例2〜7 表1に示した置換基(A7 、A8 )とMを有する置換テ
トラピラジノポルフィラジン色素を用いる以外は、実施
例1と同じ方法で光記録媒体を作成し、表1に示した記
録パーワーで記録する以外は実施例1と同じ方法で評価
した。結果は表2にまとめた。又、100 万回の再生光安
定性も良好であった。
【0034】比較例1〜3 特開平2 ー276866 の例示化合物NO.308(比較例1)、N
O.312(比較例2)、NO.314(比較例3)を用いる以外
は実施例1と同じようにして媒体を製作し評価した。結
果は表2にまとめた。表2に示したように、本願実施例
に比較してエラーレート及びジッターが大きかった。再
生波形を調べたところいずれの媒体も大きな波形歪が観
測された。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】実施例8 一般式(1)に於て、L1 〜L4 が、次式、〔化9〕
【0038】
【化9】 で、MがNiであるNi- テトラヘプチル- テトラアザポル
フィリン色素を用いて実施例1と同じ方法で媒体を製作
し、記録、読み出し評価を行った。最適記録パワーは7.
0mWで、反射率(Itop)は28%、変調度はI3/Itop=0.3
8、I11 /Itop=0.77、エラーレート=3 ×1Oー3、ジッ
ター=13であり、記録及び読み出し特性は良好であっ
た。又、再生光安定性も問題なかった。
【0039】実施例9 一般式(1)に於て、L1 〜L4 が、次式、〔化10〕
【0040】
【化10】 で、MがPdであるPd- テトラブチル- テトラアザポルフ
ィリン色素を用いて実施例1と同じ方法で媒体を製作
し、記録、読み出し評価を行った。最適記録パワー6.8m
W で反射率(Itop)は26%、変調度はI3/Itop=0.36、
I11 /Itop=0.75、エラーレート=4 ×10ー3、ジッター
=15であり、記録及び読み出し特性は良好であった。
【0041】比較例4〜5 特開平2 ー276866 の例示化合物NO.8(比較例4)、NO.1
58(比較例5)を用いる以外は実施例1と同じようにし
て媒体を製作し評価した。最適記録パワーはそれぞれ6.
6mW 、6.8mW 、反射率は、16%、19%と、20%以下であ
った。又再生波形に大きな歪が観察されエラーレートは
非常に大きく記録、読み出し特性は悪かった。
【0042】比較例6 特開平3-215466の実施例1に用いられた色素を用いて本
発明の実施例1と同じ方法で媒体を製作し、記録、読み
出し評価を行った。最適記録パワーは5.8mW であった。
反射率は10%、再生波形に大きな歪が観測され、エラー
レートが非常に大きく、うまく記録、読み出しができな
かった。又、再生光安定性も10回で信号の劣化が観測さ
れた。
【0043】実施例10〜17、比較例7〜11 厚さ 1.2mm、直径 120mmのスパイラル状のグル−ブ(深
さ140nm 、幅 0.5μm、ピッチ1.6 μm )を有する射出
成形アモーファスポリオレフィン樹脂基板のグル−ブを
有する面の中心部に表3に記載されたテトラアザポルフ
ィリン色素(色素Aと称す)及び650 〜900nm に極大吸
収を有する色素(色素Bと称す)として下記一般式
(2)、〔化11〕
【0044】
【化11】 で示され、且つ表4に記載されたY及びZを有する色素
を用いて、表5に記載した組合せと重量割合からなる
3.5重量%のメチルエチメケトン溶液を滴下したの
ち、この樹脂基板を回転し、樹脂基板上に実質的に該色
素のみからなる記録層を成膜した。次にこの記録層の上
に反射層として厚さ80nmの金薄膜をスパッタ−により
成膜した。更にこの反射層の上に紫外線硬化樹脂(SD
−17、大日本インキ製)をスピンコ−トし、紫外線を
照射して膜厚5μmの保護層を成膜し、光記録媒体を製
作した。この光記録媒体をターンテーブルに乗せ、780n
m の半導体レーザーを搭載したCD−R用ライター(フ
ィリプス社製、型番521)で8mW の出力でEMF変調
信号の記録を行った後、780nm のレーザーを搭載したC
Dプレーヤー(ステューダー社製、型番A725)で読
み出しを行った。最適記録パワーで記録した際の反射率
(Itop )、変調度(I3 /Itop 、I11/Itop )、
エラーレート及びジッターを求めた。結果は表6にまと
めた。
【0045】次にこの媒体を2.8m/sの線速で回転させな
がら、680nm の発振波長を有する半導体レーザーとNAが
0.55の対物レンズを搭載した光学ヘッドを有するドライ
ブを用いて同じようにEFM変調信号の記録を行った
後、レーザー出力を1mW にして読み出し評価を行った。
又、再生光安定性を評価するために同一トラックを連続
して100 万回読み出しを行い信号の劣化を調べた。結果
は表7にまとめた。更に、このドライブを用いて前記し
たCD−Rライターで記録した媒体の読み出し評価及び
再生光安定性を評価した。結果は表8にまとめた。
【0046】表6〜8から明らかなように、本願発明の
実施例はいづれも780nm のレーザー搭載のドライブで
も、680nm のレーザー搭載のドライブでも記録出来、且
つ両方のドライブで読み出しも行うことが出来る。又、
780nm のレーザー搭載のドライブで記録し、780nm のレ
ーザー搭載のドライブで読み出した場合は、オレンジブ
ックの規格を満足する。一方、比較例7は680nm のレー
ザー搭載のドライブでは記録出来るが、780nm のレーザ
ー搭載のドライブで記録出来ない。比較例8は両方のド
ライブで記録及び読み出しは出来るが、780nm のレーザ
ー搭載のドライブで読み出した場合反射率が小さくオレ
ンジブックの規格(65%以上)を満足せず、且つ再生光
安定性にも劣る。比較例9、10及び11は780nm のレ
ーザー搭載のドライブで記録出来ない。又、680nm のレ
ーザー搭載のドライブでは記録出来るがエラーレート及
びジッターが大きく、且つ再生光安定性に著しく劣り好
ましくない。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】
【発明の効果】本願発明の実施例及び比較例から明らか
なように本願発明に於いては、基板上に色素を含有する
記録層、反射層、保護層を順次積層してなる単板型光記
録媒体に於いて、特定のテトラアザポルフィリン色素を
記録層に用いることにより670〜690nm のレーザーを用
いて記録及び読み出しを行っても、反射率や変調度は大
きく、且つ、エラーレート及びジッターは小さく、再生
光安定性にも優れ良好な記録及び読み出しが可能であ
る。
【0054】また、本願発明の実施例及び比較例から明
らかなように本願発明に於いては、基板上に色素を含有
する記録層、反射層、保護層を順次積層してなる単板型
光記録媒体に於いて、記録層に特定のテトラアザポルフ
ィリン色素及び650 〜900nmに極大吸収を有する色素を
用いることにより、670 〜690nm のレーザーを搭載のド
ライブ及び770 〜790nm のレーザーを搭載したドライブ
の両方で記録及び読み出しを行うことが出来、且つオレ
ンジブック規格を満足する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹川 知由 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基板上に、色素を含有する記録
    層、反射層及び保護層を順次積層してなる単板型光記録
    媒体に於いて、記録層が下記一般式(1)、〔化1〕で
    あらわされるで表されるテトラアザポルフィリン色素を
    含有することを特徴とする光記録媒体。 【化1】 [式(1)に於いて、Mは2個の水素原子、又は2価の
    金属を表し、L1 、L2、L3 及びL4 は各々独立に
    (イ)、(ロ)、(ハ)、〔化2〕 【化2】 から選ばれた残基を表し、A1 、A2 、A3 、A4 、A
    5 、A6 、A7 及びA8はそれぞれ独立に下記a〜jか
    ら選ばれた基を表す。 a.R1 b.OR2 c.SR3 d.X e.NR4 R5 f.COOR6 g.OCOR7 h.COR8 i.SiR9 R10R11 j.OSiR12R13R14 ここで、R1 〜R14は各々独立に水素、未置換又は置換
    基を有する直鎖又は分枝又は環状アルキル基、未置換又
    は置換基を有するアリール基を、Xはハロゲンを表
    す。]
  2. 【請求項2】 記録層が一般式(1)に於けるL1,L2,
    3,L4 が(ハ)である色素を含有する請求項1記載の
    光記録媒体。
  3. 【請求項3】 基板を通して測定した読み出しレーザー
    光の反射率が25%以上である請求項2記載の光記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 透明な基板上に、色素を含有する記録
    層、反射層及び保護層を順次積層してなる単板型光記録
    媒体に於いて、記録層が下記一般式(1)、〔化3〕で
    あらわされるで表されるテトラアザポルフィリン色素を
    70〜99.5重量%、650 〜900nm に極大吸収を有す
    る色素を30〜0.5重量%含有することを特徴とする
    光記録媒体。 【化3】 [式(1)に於いて、Mは2個の水素原子、又は2価の
    金属を表し、L1 、L2、L3 及びL4 は各々独立に
    (イ)、(ロ)、(ハ)、〔化4〕 【化4】 から選ばれた残基を表し、A1 、A2 、A3 、A4 、A
    5 、A6 、A7 及びA8はそれぞれ独立に下記a〜jか
    ら選ばれた基を表す。 a.R1 b.OR2 c.SR3 d.X e.NR4 R5 f.COOR6 g.OCOR7 h.COR8 i.SiR9 R10R11 j.OSiR12R13R14 ここで、R1 〜R14は各々独立に水素、未置換又は置換
    基を有する直鎖又は分枝又は環状アルキル基、未置換又
    は置換基を有するアリール基を、Xはハロゲンを表
    す。]
  5. 【請求項5】 基板を通して測定した670 〜690nm の発
    振波長のレーザー光の反射率が25%以上、且つ770 〜
    790nm の発振波長のレーザー光の反射率が65%以上で
    ある請求項4記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 記録層が前記一般式(1)で表されるテ
    トラアザポルフィリン色素を70〜99.5重量%、75
    0 〜900nm に極大吸収を有する色素を30〜0.5重量
    %含有する請求項4記載の光記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5871882A (en) * 1996-07-12 1999-02-16 Ciba Specialty Chemicals Corporation High capacity recording media
KR100726846B1 (ko) * 2004-11-08 2007-06-11 다이요 유덴 가부시키가이샤 광정보기록매체

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