JPH0727648A - 極高真空計 - Google Patents

極高真空計

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JPH0727648A
JPH0727648A JP19689893A JP19689893A JPH0727648A JP H0727648 A JPH0727648 A JP H0727648A JP 19689893 A JP19689893 A JP 19689893A JP 19689893 A JP19689893 A JP 19689893A JP H0727648 A JPH0727648 A JP H0727648A
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JP
Japan
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high vacuum
vacuum gauge
filament
magnet
anode
Prior art date
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Pending
Application number
JP19689893A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Ishimaru
肇 石丸
Paitetsuchi Ron
パイテッチ ロン
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SHINKU KAGAKU KENKYUSHO KK
Original Assignee
SHINKU KAGAKU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、極高真空の計測を行なえるように
した真空計に関し、特に従来のラファティ型の真空計の
改良により、S/N比を改善して真空計測の感度を向上
させるようにしたものである。 【構成】 外周にマグネット6をそなえた容器状本体1
の内部において、通電により電子を発生するフィラメン
ト2と同フィラメント2を取り囲む円筒状アノード3と
をそなえるとともに、同アノード3の上方に同心的に配
置されたリング状の上部シールド5aおよび円板状の上
部イオンコレクタ4aと、同アノード3の下方に同心的
に配置されたリング状の下部シールド5bおよびリング
状の下部イオンコレクタ4bとをそなえ、上部および下
部イオンコレクタ4a,4bからの出力電流を測定する
ことにより真空度を計測するための電流測定器8が設け
られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、極高真空の計測を行な
えるようにした真空計に関し、特に従来のラファティ型
の真空計の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のラファティ型真空計は、図4に示
すように、ガラス製の容器状本体101の内部に、通電に
より電子を発生するフィラメント102をそなえるととも
に、同フィラメントを取り囲むように離隔して配設され
た円筒状アノード103をそなえ、さらにアノード103の上
方に配設されたイオンコレクタ104と、アノード103の下
方に配設されたシールド105とをそなえている。そし
て、容器状本体101の外周にはマグネット106が装着され
ている。
【0003】上述の構成により、容器状本体101の内部
をその接続口101aを通じ真空度を計測しようとする領域
へ連通させて、フィラメント102から電子を発生させる
と、その電子はマグネット106の磁場内で旋回しながら
容器状本体101内の残留ガス分子と衝突して陽イオンを
発生するようになり、このようにして発生した陽イオン
はイオンコレクタ104へ集められて電流計108により測定
され、この電流計の測定値が低いほど真空度が高いもの
として計測されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
な従来のラファティ型真空計では、フィラメント102か
ら発生した電子がアノード103をたたくことによって、
同アノード103に吸着されているガス分子が電離され陽
イオン(ESDイオン)となって出てくるようになり、
これが真空度の測定誤差を招くようになる。すなわち、
このESDイオン(電子衝撃脱離イオン;electronic s
timulateddesorption ion)は、容器状本体101の内部の
空間にある残留ガス分子とフィラメント102からの電子
との衝突により電離して生じる陽イオン(真空度計測対
象としてのイオン)と区別がつかなくなり、真空度測定
の妨げになるのである。
【0005】本発明は、このような問題点の解消をはか
ろうとするもので、ESDイオンをシールドにより的確
に除去できるようにするとともに、イオンコレクタの機
能を十分に高めるようにして、真空計測の感度を向上さ
せるようにした極高真空計を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の極高真空計は、真空度を計測する領域へ内
部を連通されるとともに外周にマグネットをそなえた容
器状本体の内部に、通電により電子を発生するフィラメ
ントと、同フィラメントを取り囲むように離隔して配設
された円筒状アノードと、同アノードの上縁に沿い離隔
して配設されたリング状の上部シールドと、同上部シー
ルドの内径側に同心的に配置されて上記フィラメントか
ら離隔するように設けられた円板状上部イオンコレクタ
とをそなえるとともに、上記アノードの下縁に沿い離隔
して配設されたリング状の下部シールドと、同下部シー
ルドの内径側に同心的に設けられて上記フィラメントか
ら離隔するように配置された下部イオンコレクタとをそ
なえ、上記の上部イオンコレクタおよび下部イオンコレ
クタからの出力電流を測定する電流測定器が設けられた
ことを特徴としている。
【0007】また、本発明の極高真空計は、上記下部イ
オンコレクタが上記フィラメントのリード線の貫通孔を
中心部に有するリング状に形成されたことを特徴として
いる。
【0008】さらに、本発明の極高真空計は、上記容器
状本体が非磁性の金属材で形成されていることを特徴と
している。
【0009】また、本発明の極高真空計は、上記非磁性
の金属材がアルミニウムであることを特徴としている。
【0010】さらに、本発明の極高真空計は、上記非磁
性の金属材がステンレス鋼であることを特徴としてい
る。
【0011】また、本発明の極高真空計は、上記マグネ
ットが空芯マグネットとして構成されたことを特徴とし
ている。
【0012】さらに、本発明の極高真空計は、上記マグ
ネットが永久磁石として構成されたことを特徴としてい
る。
【0013】
【作用】上述の本発明の極高真空計では、フィラメント
から発生した電子がアノードの内周面をたたくことによ
って生じるESDイオンが、同アノードの内周部近傍に
多く流れるので、円筒状アノードの上縁および下縁に沿
い離隔してそれぞれ配設されたリング状の上部シールド
および下部シールドにより捕集され、一方、中心部に存
在するフィラメントの近傍には測定対象としての陽イオ
ンが多く流れているので、同フィラメントの直上および
直下にそれぞれ配設された上部イオンコレクタおよび下
部イオンコレクタにより上記陽イオンが的確に集められ
て、電流測定器により測定されるようになり、その測定
結果に応じて真空度が十分な精度で計測されるようにな
る。
【0014】また、上部イオンコレクタが円板状に形成
されるのに対し、下部イオンコレクタはフィラメントの
リード線を通す貫通孔を中心部にそなえたリング状に形
成されるので、フィラメント用リード線の配設に支障を
きたすことがない。
【0015】さらに、容器状本体は、非磁性の金属材で
形成されるので、ガラス製に比べ十分な強度を維持しな
がら、その外周に配設されたマグネットの磁場が上記容
器状本体の内部に形成されるのを妨げることがない。そ
して、上記金属材としてアルミニウムまたはステンレス
鋼を採用すれば、その非磁性により上記磁場の形成を妨
げることなく、しかもアルミニウムでは十分な軽量化を
もたらすことができ、ステンレス鋼では従来のガラスに
比べて著しく強度を高めることができる。
【0016】また、上記マグネットとして空芯マグネッ
トを採用すれば、容器状本体内の磁場の一様化が容易に
なるほか、同マグネットを形成するコイルの通電量を調
整して磁場の強さを変えられる利点もある。さらに、上
記マグネットとして永久磁石を採用すれば、磁場の一様
化のための形状について工夫を要するものの、その量産
効果を期待しうる利点がある。
【0017】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例としての
極高真空計について説明すると、図1はその模式的断面
図、図2はその円筒状アノードの中心軸線のまわりにお
ける陽イオン密度の分布を示すグラフ、図3はその円筒
状アノードの中心軸線のまわりにおけるESDイオン密
度の分布を示すグラフである。
【0018】図1に示すように、非磁性金属材(好まし
くはアルミニウムまたはステンレス鋼)からなる容器状
本体1の内部において、その中央部分には通電により電
子を発生するフィラメント2が設けられ、さらに、同フ
ィラメント2を取り囲むように離隔して円筒状のアノー
ド3が設けられている。また、アノード3の上縁に沿い
離隔してリング状の上部シールド5aが配設されてお
り、同上部シールド5aの内径側には、これと同心的に
且つフィラメント1から離隔するように円板状の上部イ
オンコレクタ4aが配設されている。
【0019】さらに、アノード3の下縁に沿い離隔して
リング状の下部シールド5bが配設されるとともに、同
下部シールド5bの内径側には、これと同心的に且つフ
ィラメント1から離隔するようにリング状の下部イオン
コレクタ4bが配設されている。なお、下部イオンコレ
クタ4bは、フィラメント1のリード線を貫通させるた
めの孔7を中心部にそなえているのでリング状に形成さ
れるのである。また、上部イオンコレクタ4aと上部シ
ールド5aとの連結および下部イオンコレクタ4bと下
部シールド5bとの連結は、それぞれガラス材9で4カ
所程度結合することにより行なわれている。
【0020】容器状本体1の外周には、同容器状本体1
の内部に磁場を形成するためのマグネット6として、容
器状本体1の外周に電線を10層程度巻き付けるように
した空芯マグネット(電磁石)が採用されている。容器
状本体1は、その内部をフランジ1b付き接続口1aを
介して真空度を計測しようとする領域(例えば真空チャ
ンバ)へ連通されるように構成されている。なお、接続
口1aのフランジ1bによる結合は、ボルト穴1cに挿
通される図示しないボルトを介して行なわれる。
【0021】フィラメント2から発生する電子を引き寄
せうるようにアノード3には数100Vの電位が与えら
れ、また、上部および下部イオンコレクタ4a,4bに
は、上記電子が容器状本体1の内部の残留ガス分子に衝
突して生じる陽イオンを捕集できるようにゼロまたは適
度のマイナスの電位が与えられる。さらに、上部および
下部シールド5a,5bには、上記電子がアノード3の
内壁をたたくことによって生じるESDイオンを捕集で
きるようにゼロまたは適度のマイナス電位が与えられ
る。さらに、上部および下部イオンコレクタ4a,4b
からアースに至る電路には、微弱な電流を測定し得る電
流測定器8が介装されている。
【0022】本実施例の極高真空計は、上述のように構
成されているので、フィラメント2から発生した電子が
アノード3をたたくことによって同アノード3に吸着さ
れているガス分子が電離されて生じるESDイオンは、
上部および下部シールド5a,5bにより的確に捕集さ
れるようになる。すなわち、ESDイオンは、図3に示
すように円筒状アノード3の内周部近傍に多く流れるの
で、同アノード3の上縁および下縁に沿い離隔してそれ
ぞれ配設されたリング状の上部および下部シールド5
a,5bにより十分に捕集されるのであり、このように
して、ノイズの原因になるESDイオンは、下部にのみ
シールドをそなえた従来の場合に比べ約2倍の効率で捕
集され、換言すればノイズ成分は約1/2になる。
【0023】一方、アノード3の内部中央に存在するフ
ィラメント2の近傍には、同フィラメント2からの電子
が残留ガス分子に衝突することによって生じる測定対象
としての陽イオンが多く流れている(図2参照)ので、
同フィラメント2の直上および直下にそれぞれ配設され
た上部および下部イオンコレクタ4a,4bにより上記
陽イオンの捕集が的確に行なわれるようになる。すなわ
ち、上部にのみイオンコレクタをそなえた従来の場合に
比べ、約2倍の効率で陽イオンの捕集が行なわれるので
あり、前述のノイズ成分が半減することと相まってS/
N比は従来の同サイズの真空計に比べほぼ4倍になるこ
とが期待される。なお、上部および下部イオンコレクタ
4a,4bにより捕集される陽イオンの量に応じて電流
測定器8で測定される電流値が大きいほど、真空度が低
いものとして計測される。
【0024】このようにして、本実施例の極高真空計に
よれば、その真空計としての感度が著しく向上するよう
になり、同じ真空度を計測する際に、従来の真空計の場
合と比べて電流測定器8には約2倍の電流がノイズを伴
うことなく流れるので、電流測定器8の設計が容易にな
るという利点もある。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の極高真空
計によれば、次のような効果または利点が得られる。 (1)S/N比が従来の場合に比べ約4倍になることが
期待されるので、真空計としての感度が著しく向上する
ようになる。 (2)同じ真空度を計測する際に、従来の真空計の場合
と比べて電流測定器には約2倍の電流がノイズを伴うこ
となく流れるので、電流測定器の設計が容易になる。 (3)上部イオンコレクタが円板状に形成されるのに対
し、下部イオンコレクタはフィラメントのリード線を通
す貫通孔を中心部にそなえたリング状に形成されるの
で、フィラメント用リード線の配設に支障をきたすこと
がない。 (4)容器状本体は、非磁性の金属材で形成されるの
で、ガラス製に比べ十分な強度を維持しながら、その外
周に配設されたマグネットの磁場が上記容器状本体の内
部に形成されるのを妨げることがない。 (5)容器状本体を形成する金属材としてアルミニウム
を採用すれば、その非磁性により上記磁場の形成を妨げ
ることなく、しかも十分な軽量化をもたらすことができ
る。 (6)容器状本体を形成する金属材としてステンレス鋼
を採用すれば、その非磁性により上記磁場の形成を妨げ
ることなく、しかも著しく強度を高めることができる。 (7)容器状本体の外周に沿うマグネットとして空芯マ
グネットを採用すれば、容器状本体内の磁場の一様化が
容易になるほか、同マグネットを形成するコイルの通電
量を調整して磁場の強さを変えることができる。 (8)上記マグネットとして永久磁石を採用すれば、こ
の極高真空計の量産効果に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての極高真空計を模式的
に示す断面図である。
【図2】図1の極高真空計の円筒状アノードの中心軸線
のまわりにおける陽イオン密度の分布を示すグラフであ
る。
【図3】図1の極高真空計の円筒状アノードの中心軸線
のまわりにおけるESDイオン密度の分布を示すグラフ
である。
【図4】従来の真空計の容器状本体およびマグネットを
破断して内部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 容器状本体 1a 接続口 1b フランジ 1c ボルト穴 2 フィラメント 3 アノード 4a 上部イオンコレクタ 4b 下部イオンコレクタ 5a 上部シールド 5b 下部シールド 6 マグネット 7 貫通孔 8 電流測定器 9 ガラス材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空度を計測する領域へ内部を連通され
    るとともに外周にマグネットをそなえた容器状本体の内
    部に、通電により電子を発生するフィラメントと、同フ
    ィラメントを取り囲むように離隔して配設された円筒状
    アノードと、同アノードの上縁に沿い離隔して配設され
    たリング状の上部シールドと、同上部シールドの内径側
    に同心的に配置されて上記フィラメントから離隔するよ
    うに設けられた円板状上部イオンコレクタとをそなえる
    とともに、上記アノードの下縁に沿い離隔して配設され
    たリング状の下部シールドと、同下部シールドの内径側
    に同心的に設けられて上記フィラメントから離隔するよ
    うに配置された下部イオンコレクタとをそなえ、上記の
    上部イオンコレクタおよび下部イオンコレクタからの出
    力電流を測定する電流測定器が設けられたことを特徴と
    する、極高真空計。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の極高真空計において、
    上記下部イオンコレクタが上記フィラメントのリード線
    の貫通孔を中心部に有するリング状に形成されたことを
    特徴とする、極高真空計。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の極高真空計に
    おいて、上記容器状本体が非磁性の金属材で形成されて
    いることを特徴とする、極高真空計。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の極高真空計において、
    上記非磁性の金属材がアルミニウムであることを特徴と
    する、極高真空計。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の極高真空計において、
    上記非磁性の金属材がステンレス鋼であることを特徴と
    する、極高真空計。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1つに記載の極
    高真空計において、上記マグネットが空芯マグネットと
    して構成されたことを特徴とする、極高真空計。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1つに記載の極
    高真空計において、上記マグネットが永久磁石として構
    成されたことを特徴とする、極高真空計。
JP19689893A 1993-07-14 1993-07-14 極高真空計 Pending JPH0727648A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100598273B1 (ko) * 2002-09-18 2006-07-07 동부일렉트로닉스 주식회사 핫 캐소오드 이온 게이지
JP2008525770A (ja) * 2004-12-23 2008-07-17 インフィコン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 選択式ガスセンサ

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