JPH072763U - 熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ２種類の流体を同時に効率良く強制的に冷却
又は流体の１方を加熱して２種類の流体を所定の温度に
管理することである。 【構成】 熱交換器の端部にインナーフィンを有する１
方の流体用通路とインナーフィンを有する他方の流体用
通路とを共通の隔壁板により隔壁して交互に多数並列し
て設けて、１方の流体用通路と他方の流体用通路の両端
にタンクをそれぞれ設けることを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はオイル、温水、冷水、薬液、ガスのような２種類の流体（液体、気 体）を冷却又は加熱して所定の温度に２種類の流体の温度を管理する熱交換器に 係るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来よりきわめて普通に使われている熱交換器は、インナーフィンを有する流 体用通路と流体用通路との間にアウターフィンを設けながら流体用通路を多数並 列して設け、この多数並列した流体用通路の両端にタンクをそれぞれ設けたもの がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この従来の熱交換器では、例えば加熱された高温の１種類の水を流体用通路に 通過させると、流体用通路と流体用通路の外側に有するアウターフィンにより高 温の水が自然の状態で空気により冷却（空冷）されるだけであるのであまり冷却 効果が良くないという問題点とともに水なら水だけという１種類の流体だけしか 冷却されないという問題点があった。

【０００４】 この考案は従来の熱交換器が有するこれらの問題点を解消し、２種類の流体を 冷却、加熱して所定の温度に２種類の流体を効率良く強制的に冷却又は加熱して ２種類の流体を所定の温度に管理することなどを目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案の熱交換器は、熱交換器の端部にインナーフィンを有する１方の流体 用通路とインナーフィンを有する他方の流体用通路とを共通の隔壁板により隔壁 して交互に多数並列して設け、多数並列した１方の流体用通路の両端にタンクを それぞれ設けるとともに多数並列した他方の流体用通路の両端に別箇のタンクを それぞれ設けたものである。

【０００６】

【作用】

この熱交換器の１方の流体用通路にタンクから例えば自動車の加熱された水を 供給するとともに他方の流体用通路にタンクから加熱された高温のオイルを流入 させることにより、加熱された水は従前と同様に空冷されるし、高温のオイルは 空冷されるとともに水用通路と共通の隔壁板により隔壁されている他方の流体用 通路を通過するオイルは隣接する通路を通過するオイルより低温の水により水冷 されるし、更に共通の隔壁板によりオイル用通路側から水用通路側に熱伝導によ り熱交換されて冷却される。 また、１方の流体用通路にタンクから温度が極めて低いオイルを供給するとと もに他方の流体用通路にタンクから加熱された高温水を流入させることにより低 温のオイルは熱交換されて加熱される。

【０００７】

【実施例】

次にこの考案の熱交換器を１実施例について図面とともに説明する。 図１から図５に図示したように、流体用通路１はアルミニウム合金のチューブ ２の中にアルミニウム合金のインナーフィン３を設けたものである。このチュー ブ２からなる流体用通路１を所定の間隔をおいて多数並列するとともに所定の間 隔をおいて多数並列した流体用通路１と流体用通路１との間にアウターフィン４ をそれぞれ設ける。 この流体用通路１とアウターフィン４とからなる熱交換器の右端部（図１の図 面上）に、流体用通路１と同様にアルミニウム合金のチューブ６の中にアルミニ ウム合金のインナーフィン７を設けたチューブ型の１方の流体用通路５と１方の 流体用通路５との間に、蛇行させたインナーフィン８を介在させて前後方向の両 側にアルミニウム合金の閉鎖板９，９をそれぞれ設け、この閉鎖板９の前側の上 下端部に切欠部１０を設ける。そして上下方向の両端にアルミニウム合金の閉鎖 板１１，１１をそれぞれ設けて他方の流体用通路１２を形成し、１方の流体用通 路５と他方の流体用通路１２とを左右方向に交互で、かつ上下方向に通路を有す るように多数並列する。 流体用通路１から１方の流体用通路５まで延長したタンク１３，１３を流体用 通路１，５の上下端部にそれぞれ設け、他方の流体用通路１１の上下端部の前面 側に別箇のタンク１４，１４をそれぞれ設けた熱交換器１５である。

【０００８】 この実施例の熱交換器１５を造る際は図５に図示したように、インナーフィン ３を設けたチューブ２の上にアウターフィン４を載せたものを１単位として所定 数を積層し、図５の図面上の前後端部に所定の間隔を保持する保持板１６を設け て流体用通路１を形成する。 チューブ型の１方の流体用通路５の上に蛇行させたインナーフィン８を載せた ものを１単位として所定数を積層し、所定の閉鎖板９，１１をそれぞれ設ける。 更に出入口を有するタンク１３，１４を所定の位置にそれぞれ設けてからロウ付 けして熱交換器１５を造る。 造った熱交換器１５を図５に図示の方向を９０度向きを変えて図１などに図示 したようにする。 なお、この実施例の熱交換器１５では流体用通路としてチューブ型のものを用 いたものについて説明したが、チューブ型ものを用いないで、アルミニウム合金 板の上に普通のインナーフィンを載せ、このインナーフィンの上にアルミニウム 合金板を載せて更にこのアルミニウム合金板の上に蛇行させたインナーフィンを 載せたものを１単位として所定数積層し、所定の箇所に閉鎖板やタンクを設けて ロウ付けなどして造った熱交換器でもよい。

【０００９】 この実施例の熱交換器１５を実際に使用する際は上部タンク１３の入口１３´ から加熱された液体、例えば加熱された水を供給し、上部別箇タンク１４の入口 １４´から加熱された高温の液体、例えば加熱された高温のオイルを供給すると 、加熱された水は流体用通路１と１方の流体用通路５を通ることにより従前と同 様に空冷されて水は下部タンク１３の出口１３〃から出る。 加熱された高温のオイルは他方の流体用通路１２を通ることにより空冷される とともに隣接する１方の流体用通路５の中を通る水により水冷されるし、更に共 通のアルミニウム合金の隔壁板のために高温のオイル通路側から水通路側に熱伝 導により熱交換されて高温のオイルは冷却される。オイルが他方の流体用通路１ ２を通る際に蛇行させたインナーフィン８によりオイルの泡が消滅されるので泡 がほとんどなくなるとともに良く冷却されたオイルは下部別箇のタンク１４の出 口１４〃から出る。 なお、この使用例では流体として双方とも液体を用いたものについて説明した が、使用する流体としては液体と気体（ブタンガス）や気体（窒素ガス）気体（ 水蒸気など）でもよい。

【００１０】

【考案の効果】

この考案の熱交換器は流体用通路と１方の流体用通路に比較的低温の流体を通 すとともに他方の流体用通路に高温の流体を通すことにより２種類の液体を同時 に１個の熱交換器で空冷により冷却することができるし、共通の隔壁板で隔壁さ れた通路を通る比較的低温の流体により隣接した通路を通る高温の流体を強制的 に冷却することができる。更に共通の隔壁板により１方の流体用通路側から他方 の流体用通路側に熱伝導により熱交換されるので高温の流体を更に良く冷却する ことができる。 更に流体用通路と１方の流体用通路に極めて低い温度の流体を通すとともに他 方の流体用通路に高温の流体を通すことにより極めて低い温度の流体を加熱する ことができる。 このようにこの考案の熱交換器は２種類の流体を同時に効率良く強制的に冷却 又は流体の１方を加熱して２種類の流体を所定の温度に管理することができる。 請求項２の熱交換器においては、オイルなどの液体が有する泡を蛇行させたイ ンナーフィンにより消滅されることができるので泡がほとんどなくて良く冷却さ れた液体又は良く加熱された液体にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案品の正面図である。

【図２】同じく平面図である。

【図３】同じく右側面図である。

【図４】同じく要部の拡大横断面図である。

【図５】同じく要部の組付け前の斜視図である。

【符号の説明】

１ 流体用通路 ２ チューブ ３ インナーフィン ４ アウターフィン ５ １方の流体用通路 ６ チューブ ７ インナーフィン ８ 蛇行させたインナーフィン ９ 閉鎖板 １０ 切欠部 １１ 閉鎖板 １２ 他方の流体用通路 １３ タンク １４ 別箇のタンク １５ 熱交換器 １６ 保持板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 インナーフィンを有する流体用通路を所
   定の間隔をおいて多数並列するとともに所定の間隔をお
   いて多数並列した流体用通路と流体用通路との間にアウ
   ターフィンをそれぞれ設けて、該多数並列した流体用通
   路の両端にタンクをそれぞれ設けた熱交換器において、
   該熱交換器の端部にインナーフィンを有する１方の流体
   用通路とインナーフィンを有する他方の流体用通路とを
   共通の隔壁板により隔壁して交互に多数並列して設け、
   多数交互に並列した１方の流体用通路の両端には前記の
   タンクを延長してそれぞれ設けるとともに多数交互に並
   列した他方の流体用通路の両端には別箇のタンクをそれ
   ぞれ設けたことを特徴とする熱交換器。
2. 【請求項２】 他方の流体用通路の内部に蛇行させたイ
   ンナーフィンを有することを特徴とする請求項１の熱交
   換器。