JPH07276110A - 刃物装置 - Google Patents

刃物装置

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Publication number
JPH07276110A
JPH07276110A JP8365194A JP8365194A JPH07276110A JP H07276110 A JPH07276110 A JP H07276110A JP 8365194 A JP8365194 A JP 8365194A JP 8365194 A JP8365194 A JP 8365194A JP H07276110 A JPH07276110 A JP H07276110A
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JP
Japan
Prior art keywords
cam groove
casing body
rolling linear
linear bearing
sliding member
Prior art date
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Pending
Application number
JP8365194A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Hirano
秀和 平野
Koichi Komuro
浩一 小室
Takeo Kondo
猛男 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyoda Koki KK
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyoda Koki KK filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP8365194A priority Critical patent/JPH07276110A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 半径方向にバイトが変位自在であり高精度加
工に対応し得る刃物装置の提供。 【構成】 刃物装置においては、シャンク部をもつケー
シング本体1の中空部1eに軸線方向に滑動自在であ
り、軸線方向に対し互に逆に傾いた第1・第2斜行カム
溝が形成されたカム溝部材9とその斜行カム溝により軸
線方向に変位する第1従動部材11と、半径方向に変位
する第2従動部材12とからなるカム溝機構が内蔵さ
れ、カム溝部材は、シャンク部と共にケーシング本体後
端側に突出した作動棒17に結合され、作動棒は、主軸
への装着時に主軸の引張棒61に把持される。ケーシン
グ本体の先端面のあり溝3に直径方向に滑動自在に支持
されると共に第1従動部材に固着された滑動部材4に
は、先端にバイト6をもつクイル5が軸線方向に取付け
られ、ケーシング本体の外周に半径方向変位自在に設け
られたバランスウエイト8が第2従動部材に固着され、
カム溝部材、第1・第2従動部材の夫々の滑動係合・支
持面は、転がり直線軸受で支持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、バイトチップを回転
軸線から半径方向に変位させ得る刃物装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術における刃物を半径方向に変
位させる面削り用や中ぐり用の刃物装置には、例えば実
開昭51−34780号公報に示されているように主軸
中心軸線に軸線方向に進退され得る作動軸の変位をラッ
ク・ピニオン機構を介して刃物保持体の半径方向の変位
に変換して刃物を半径方向に変位させるようになってお
り、バランスウエイトを刃物保持体と逆方向に変位させ
るようになっているものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術にお
ける刃物装置におけるラック・ピニオン機構は、装置を
複雑にし、大形化する上、バックラッシュが生じて加工
精度が低下する。更に、バランスウエイトに関しては、
装置のスペースの関係から工具保持体の重量に対しバラ
ンスウエイトの重量が小さく、半径方向変位の全ストロ
ークに亘りバランスがとれないため、変位位置によって
アンバランス振動が発生し、加工精度が低下する。
【0004】
【課題を解決するための手段】特許請求の範囲の請求項
1に記載された発明の刃物装置は、先端面側に直径方向
の案内溝が形成されていると共に、先端面側に開口した
中空部が形成され、後端側にシャンク部を備えたケーシ
ング本体;案内溝に滑動自在に嵌合した滑動部材から軸
線方向に突出し、先端部にバイトが取り付けられている
クイル;中空部内に転がり直線軸受を介して支持され、
軸線方向に滑動自在であり、軸線方向に対し傾いた斜行
カム溝が形成されたカム溝部材;中空部内に転がり直線
軸受を介して滑動部材の変位と同方向に滑動自在に支持
され、滑動部材と結合されると共に斜行カム溝に転がり
直線軸受を介して係合する係合部を備えた従動部材;並
びにカム溝部材の後端部からケーシング本体の中心軸線
上で突出し、刃物装置の主軸への装着時に後端部が主軸
の引張棒に係合把持され得る作動棒;から構成されでい
る。
【0005】特許請求の範囲の請求項2に記載された発
明の刃物装置は、先端面側に直径方向の案内溝が形成さ
れていると共に、先端面側に開口した中空部が形成さ
れ、後端側にシャンク部を備えたケーシング本体;案内
溝に滑動自在に嵌合した滑動部材から軸線方向に突出
し、先端部にバイトが取り付けられているクイル;ケー
シング本体の外周面に形成されたバランスウエイト収納
凹部に収納され、滑動部材の変位と逆の半径方向に滑動
自在であるバランスウエイト;中空部内に転がり直線軸
受を介して支持され、軸線方向に滑動自在であり、軸線
方向に対し互に逆に傾いた第1斜行カム溝及び第2斜行
カム溝が形成されたカム溝部材;中空部内に転がり直線
軸受を介して滑動部材の変位と同方向に滑動自在に支持
され、滑動部材と結合されると共に第1斜行カム溝に転
がり直線軸受を介して係合する係合部を備えた第1従動
部材;中空部内に転がり直線軸受を介してバランスウエ
イトの変位と同方向に滑動自在に支持され、バランスウ
エイトと結合されると共に第2斜行カム溝に転がり直線
軸受を介して係合する係合部を備えた第2従動部材;並
びにカム溝部材の後端部からケーシング本体の中心軸線
上で突出し、刃物装置の主軸への装着時に後端部が主軸
の引張棒に係合把持され得る作動棒;から構成されてい
る。
【0006】特許請求の範囲の請求項3に記載された発
明の刃物装置は、上記の特許請求の範囲の請求項1及び
請求項2に記載された発明の刃物装置の夫々における転
がり直線軸受に予圧が加えられている。特許請求の範囲
の請求項4に記載された発明の刃物装置は、上記の特許
請求の範囲の請求項1、請求項2及び請求項3に記載さ
れた発明の刃物装置の夫々におけるケーシング本体に、
中空部から外周面に貫通し、ケーシング本体の回転時に
遠心力により開弁する開閉弁が介在するクーラント排出
孔が形成されている。
【0007】特許請求の範囲の請求項5に記載された発
明の刃物装置は、上記の特許請求の範囲の請求項1、請
求項2、請求項3及び請求項4に記載された発明の刃物
装置の夫々に、中立基準位置にある従動部材に係合離脱
自在である位置決め手段が具備されている。
【0008】
【作用】特許請求の範囲の請求項1に記載された発明の
刃物装置においては、刃物装置を工作機械の主軸に装着
するのに際しては、シャンク部が主軸に嵌着され、作動
棒は中立基準位置にある引張棒に係合把持される。そこ
で、引張棒が中立位置から所望量だけ軸線方向に後退す
ると、作動棒は、引張棒と共に所望位置にまで軸線方向
に後退する。即ち、カム溝部材は、ケーシング本体の中
空部において転がり直線軸受に案内されて所望の位置に
まで中心軸線方向に変位する。
【0009】すると、カム溝部材、即ち斜行カム溝の変
位により、それに係合する従動部材は、半径方向に変位
する。バイトは、従動部材と一体的になって半径方向に
変位して、中心軸線から所望量偏心した位置になる。そ
して主軸が回転駆動されて、バイトは、中心軸線から所
望量偏心した位置で回転して、工作物に対する所望の加
工径で加削加工が行われる。
【0010】刃物装置を主軸より取り外す際は、引張棒
が所望量だけ軸線方向に前進すると、作動棒、引張棒に
押されて中立基準位置にまで軸線方向に前進する。即
ち、カム溝部材は、ケーシング本体の中空部において転
がり直線軸受に案内されて中立基準位置にまで軸線方向
に変位し、斜行カム溝の変位により、それに係合する従
動部材は、半径方向に変位し、中立位置になる。
【0011】そして、引張棒は作動棒を解放解放して、
刃物装置は主軸から取り外される。特許請求の範囲の請
求項2に記載された発明の刃物装置においては、前記特
許請求の範囲の請求項1に記載された発明の刃物装置と
同様に刃物装置を工作機械の主軸に装着するのに際して
は、シャンク部が主軸に嵌着され、作動棒は中立位置に
ある引張棒に係合把持される。
【0012】そこで、引張棒が中立位置から所望量だけ
軸線方向に後退すると、作動棒は、引張棒と共に所望位
置にまで軸線方向に後退する。即ち、カム溝部材は、ケ
ーシング本体の中空部において転がり直線軸受に案内さ
れて所望の位置にまで中心軸線方向に変位する。する
と、カム溝部材、即ち斜行カム溝の変位により、それに
係合する第1従動部材と第2従動部材とは、互に反対の
半径方向に変位する。
【0013】バイトとバランスウエイトとは、夫々の従
動部材と一体的になって互に反対の半径方向に変位し
て、中心軸線から夫々所望量偏心した位置になる。そし
て主軸が回転駆動されて、バイトは、中心軸線から所望
量偏心した位置で回転して、工作物に対する所望の加工
径で切削加工が行われる。バイト付きのクイルは中心軸
線から偏心した位置で回転するが、対称的に偏心したバ
ランスウエイトによつてアンバランスが相殺される。
【0014】刃物装置を主軸より取り外す際は、引張棒
が所望量だけ軸線方向に前進すると、作動棒、引張棒に
押されて中立位置にまで軸線方向に前進する。即ち、カ
ム溝部材は、ケーシング本体の中空部において転がり直
線軸受に案内されて中立基準位置にまで軸線方向に変位
し、斜行カム溝の変位により、それに係合する第1、第
2従動部材は、互に対向したの半径方向に変位し、中立
位置になる。そして、引張棒は作動棒を解放解放して、
刃物装置は主軸から取り外される。
【0015】特許請求の範囲の請求項3に記載された発
明の刃物装置においては、カム溝部材が中空部内を、従
動部材が斜行カム溝内を夫々バックラッシュなく滑動す
る。特許請求の範囲の請求項4に記載された発明の刃物
装置においては、主軸の回転駆動により切削加工が行わ
れる際、偶々、ケーシング本体の中空部内に侵入したク
ーラント、開閉弁が遠心力により開くので、遠心作用で
クーラント排出孔を通ってケーシング本体の外へ排出さ
れる。
【0016】特許請求の範囲の請求項5に記載された発
明の刃物装置においては、従動部材の変位に際して従動
部材が位置決め手段により中立基準位置に正確に位置決
めされる。
【0017】
【実施例】この発明の実施例における刃物装置を図面に
従って説明する。図1において、刃物装置のケーシング
本体1は、先端側の大径部1a、中間の小径部1b及び
後端のシャンク部1cから構成されている。ケーシング
本体1には、小径部1bとシャンク部1cとの境界位置
の隔壁1dを隔てて、大径部1aの先端面に開口し、大
径部1aと小径部1bとを通した断面略長方形の中空部
1eと、シャンク部1cの後端面に開口した円形穴1f
とが形成されている。
【0018】小径部1bの外周面には、自動工具交換装
置の交換ハンドが係合する環状溝1hが形成されてい
る。シャンク部1cは、小径部1bより小径のテーパシ
ャンクであり、円筒状中空部が形成された中空円筒状と
なり、外周周壁には、周斜面をもつクランプボール孔1
gが穿設されており、シャンク部1cと小径部1bとの
段部は、刃物装置が主軸50に装着された時、主軸50
の先端面に当接する。
【0019】大径部1aの開口端面には、同形断面の案
内部材2が固着され、案内部材2の前端面には、中空部
1eの断面長軸線方向のあり溝3が開口両側に跨って形
成されており、あり溝3には、一側縁に滑動プレート3
aが設けられていると共に、中空部1eを蔽うチタン合
製の滑動部材4がケーシング本体1の半径方向に滑動自
在に嵌合している。
【0020】フランジ状の基部5aをもち、適宜数の重
量軽減用孔5bが軸線方向の穿設されているクイル5
は、基部5aが滑動部材4の表面に固着され、刃物装置
の軸線方向に突出しており、クイル5の先端部には、バ
イトチップ6が半径方向に突出して取り付けられてい
る。バイトチップ6の取付けの半径方向は、滑動部材4
がケーシング本体1の外周面方向に変位する半径方向と
同一方向である。
【0021】又、ケーシング本体1の大径部1aの外周
面に形成されたバランスウエイト収納凹部7には、その
バランスウエイト収納凹部7を丁度埋めるようなヘビー
メタルのバランスウエイト8が嵌装されており、バラン
スウエイト8は、滑動部材4がケーシング本体1の外周
面方向に変位する半径方向と逆の半径方向にバランスウ
エイト収納凹部7内で滑動自在である。バランスウエイ
ト8には、バランスウエイト収納凹部7側と外側表面と
を連通する通気孔8aが穿設されている。
【0022】中空部1e内には、中空部1eの断面短軸
線方向で中央略1/3の厚さ寸法で、中心軸線方向で中
空部1eの中心軸線方向の長さより短かい板状のカム溝
部材9が中空部1eの断面長軸線方向の両側を予圧が加
えられた転がり直線軸受10,10を介して支持され、
中心軸線方向に滑動自在に嵌装されている。カム溝部材
9の両側面には、斜行カム溝9a,9bが中心軸線方向
に対して傾いた軸線方向に形成されており、斜行カム溝
9aと斜行カム溝9bとの傾きは傾き角度が同じで、且
つ傾き方向は逆であり、所謂X字状となっている。
【0023】中空部1eの両側面とカム溝部材9の両側
面との間には、夫々中空部1eの断面長軸線方向の長さ
より短い従動部材11,12が嵌装されている。中空部
1eの両側面に対向する従動部材11,12の側面に
は、夫々案内溝11a,12aが中空部1eの断面長軸
線方向(あり溝3と同方向)に形成され、中空部1eの
両側面に同方向に設けられた案内13,14に予圧が加
えられた転がり直線軸受15,15を介して係合されて
いる。
【0024】又、カム溝部材9の両側面に対向する従動
部材11,12の側面には、夫々斜行カム溝9a,9b
に予圧が加えられた転がり直線軸受16,16を介して
係合する突条部11b,12b(係合部)が形成されて
いる(図6参照)。一方の従動部材11は、中心軸線方
向に伸び、案内部材2の開口部に突出し、突出端が滑動
部材4の裏面に固着されている。他方の従動部材12
は、ケーシング本体1の半形方向に伸び、ケーシング本
体1の外周面のバランスウエイト収納凹部7の底面から
突出し、バランスウエイト8に固着されている(図5参
照)。
【0025】又、従動部材12の後側面、即ち刃物装置
のケーシング本体1の隔壁1dに対向する側面には、位
置決めノッチ12cが形成され、位置決めノッチ12c
にばね12eの付勢力をもって押圧係合する位置決めピ
ン12dが設けられている(図2参照)。位置決めノッ
チ12cと位置決めピン12dとが係合する位置は次の
ような中立基準位置である。
【0026】位置決めノッチ12cと位置決めピン12
dとが係合した状態では、ケーシング本体1は、主軸5
0から抜き取られた状態にあり、作動棒17の位置をロ
ックして状態にある。即ち、従動部材12は、位置決め
ピン12dによってロックされ、これによってカム溝部
材9もロックされている。このとき、カム溝部材9は最
も滑動部材4に近接した中立基準位置にあり、従動部材
11,12は最も引込んだ中立基準位置にある。そのと
きは、クイル5が中心軸線上にあり、バランスウエイト
8が最も引込んだ中立基準位置にある。そして、その状
態での作動棒17の端面は、刃物装置が主軸50に装着
されたとき、前進位置にある後記の引張棒61の先端面
に丁度接触するようになっている。
【0027】又、ピン12dには、当接棒12fが取り
付けられている。この当接棒12fは、ケーシング本体
1の小径部1bから突出している。従って、ケーシング
本体1が主軸50に装着されると、当接棒12fは、ば
ね12eの付勢力に反して引き込み、位置決めピン12
dとノッチ12cとの係合を解除する。これによってカ
ム溝部材9は、移動可能な状態となる。つまり、位置決
めノッチ12cと位置決めピン12dによるロック機構
は、ケーシング本体1が引き抜かれた状態にあるときの
作動棒17の先端から小径部1bの端面までの距離Lを
中立基準位置であるときの長さに維持するものである。
【0028】上記のカム溝部材9とそれに係合する従動
部材11,12との関係は、カム溝部材9が前記中立基
準位置から後記の引張棒61によりケーシング本体1の
隔壁1dに最も近接した終端位置に変位すると、クイル
5とバランスウエイト8とは、中心軸線から互に反対の
半径方向に最も離れた位置に変位するようになってい
る。カム溝部材9の後端面からは、ケーシング本体1の
中心軸線上にある作動棒17が突出して、ケーシング本
体1の隔壁1dを貫通してシャンク部1cの中空部内に
伸びている。作動棒17の端部は、通常のプルスタッド
と同様の形状である。
【0029】主軸50には、先端部が刃物装置のシャン
ク部1cが嵌着される環状穴51と中心孔52が同軸線
関係に形成され、環状穴51内側周面と中心孔52の内
周面との間で形成される円筒部には、刃物装置装着時に
おけるシャンク部1cのクランプボール孔1gに対応す
るクランプボール孔53が貫通している。中心孔52に
は、図示しない駆動源で進退する作動スリーブ54が挿
通され、作動スリーブ54の先端部の外周面には、縁部
斜面55aをもつクランプボール作動用凹部55が形成
され、クランプボール作動用凹部55とクランプボール
孔53とに跨ってクランプボール56が納められてい
る。
【0030】又、主軸50には、環状穴51の内周面に
開口した仮クランプボール孔57が半径方向に穿設さ
れ、仮クランプボール孔57に納められた仮クランプボ
ール58は、外側から仮クランプボール孔57に挿入さ
れねじ止めされた圧縮コイルばね59の付勢力で押圧さ
れ、仮クランプボール孔57の先端の絞り開口部から環
状穴51の内周面に一部突出している。
【0031】作動スリーブ54内には、先端開口から適
宜だけ奥に位置するコレットチャック60を先端に備え
た引張棒61が挿通されている。引張棒61の後端は、
主軸50後部で、図示しないサーボモータにより回転駆
動されるボールねじ機構に結合され、引張棒61は、制
御装置で制御されるサーボモータの回転駆動で所望量の
軸線方向の変位がされるようになつている。又、コレッ
トチャック60は、作動スリーブ60aの前後動で開閉
するようになっている。
【0032】ケーシング本体1及び案内部材2を通して
穿設されたクーラント用通孔20は、流入口がシャンク
部1cと小径部1bとの段部に開口し、刃物装置が主軸
50に装着された時に主軸50の先端面に開口したクー
ラント供給孔62に連通し、流出口が案内部材2のあり
溝3の側面に開口し、滑動部材4の側面に開口したの流
入溝4aに連通する。流入溝4aは、通孔4bを介して
クイル5の通孔5cに接続され、通孔5cはクイル5の
先端部のバイトチップ6の近傍に開口している。
【0033】図1及び図2に示すように案内部材2及び
ケーシング本体1の大径部1a後方には、ケーシング本
体1の中空部1eから外周面に開口したクーラント排出
孔21が形成されていると共に、案内部材2とケーシン
グ本体1との間及び大径部1a後方に空気抜き孔22が
貫通している。そして、クーラント排出孔21には、ケ
ーシング本体1の中心方向への付勢力を発生するばねに
より閉止し、ケーシング本体1、即ち案内部材2の回転
時に遠心力によりばねの付勢力に打ち勝って開弁する開
閉弁23が設けられている。又、ケーシング本体1に
は、中空部1e内に潤滑用オイルミストを供給するオイ
ルミスト供給孔24が形成されている。
【0034】図2に示すように案内部材2に形成された
クーラント排出孔21は、中空部1eの長径方向に上下
対称に設けられている(上方は図示省略)。ケーシング
本体1が回転したときには、中空部1e内部のクーラン
ト液は遠心力によって長径方向に集まり易いため、クー
ラント液は効率よく排出され得る。
【0035】上記の刃物装置の操作・作用について説明
する。先ず刃物装置を工作機械の主軸50に装着するの
に際しては、ケーシング本体1の小径部1bの環状溝1
hが自動工具交換装置の交換ハンドで把持され、シャン
ク部1cが主軸50の環状穴51に挿入される。その
際、圧縮コイルばね59の付勢力で環状穴51内に突出
している仮クランプボール58がクランプボール孔1g
に係合し、シャンク部1cは主軸50に仮クランプされ
る。
【0036】それから駆動源で作動スリーブ54が後退
されると、クランプボール56は、クランプボール作動
用凹部55の縁部斜面によりクランプボール孔53から
押上げられ、シャンク部1cのクランプボール孔1gに
突出してクランプボール孔1gの周斜面に係合し、シャ
ンク部1cは、シャンク部1cと小径部1bとの段部が
主軸50の先端面に当接するように引込まれて、主軸5
0に固締される。即ち刃物装置は、主軸50に装着され
る。このとき、当接棒12は、主軸50の端面に当接
し、位置決めピン12dとノッチ12cとの係合は解除
され、作動棒17は移動可能となる。
【0037】そのとき、制御装置で制御されるサーボモ
ータでボールねじ機構を介して変位する作動スリーブ5
4内の引張棒61の先端面は、作動棒17の後端面に当
接した中立基準位置にあり、作動棒17のプルスタッド
部は、引張棒61の先端のコレットチャック60に挿入
された位置にある。そして引張棒61の先端のコレット
チャック60は、作動棒17のプルスタッド部を把持す
る。
【0038】そこで、作動スリーブ54内の引張棒61
が制御装置で制御されるサーボモータの回転駆動で中立
基準位置から所望量だけ軸線方向に後退すると、作動棒
17は、引張棒61と共に所望位置にまで軸線方向に後
退する。即ち、斜行カム溝部材9は、ケーシング本体1
の中空部1eにおいてバックラッシュなく転がり直線軸
受10,10に案内されて所望の位置にまで中心軸線方
向に変位して位置決めされる。
【0039】すると、カム溝部材9、即ち斜行カム溝9
a,9bの変位により、それに予圧が加えられた転がり
直線軸受16,16を介して係合する従動部材11,1
2は、予圧が加えられた転がり直線軸受15,15を介
してバックラッシュなく案内13,14に案内されて互
に反対の半径方向に等量だけ変位し、中心軸線に関し対
称位置になる。
【0040】バイトチップ6とバランスウエイト8と
は、夫々従動部材11,12と一体的になって互に反対
の半径方向に等量だけ変位して、中心軸線から夫々所望
量偏心した位置に位置決めされる。バランスウエイト8
のバランスウエイト収納凹部7内での出入変位に対し、
通気孔8aを通してバランスウエイト収納凹部7の底部
の空間が外界と連通しているので、バランスウエイト8
の変位に支障がない。
【0041】そして主軸50が回転駆動されて、バイト
チップ6は、中心軸線から所望量偏心した位置で回転し
て、工作物に対する所望の加工径で切削加工が行われ
る。その際、クーラントは、図示しない供給源から主軸
50のクーラント供給孔62に供給され、ケーシング本
体1のクーラント用通孔20、滑動部材4の流入溝4a
及び通孔4b並びにクイル5の通孔5cを介してクイル
5の先端部から加工箇所に向けて噴出する。又、オイル
ミストは、オイルミスト供給孔24からケーシング本体
1の中空部1e内に供給され、カム溝部材9及び従動部
材11,12の転がり直線軸受10,15,16に対す
る潤滑が行われる。
【0042】偶々、ケーシング本体1の中空部1e内に
浸入したクーラントや水滴等は、好ましくないので、弁
23が遠心力によりばね力に抗して開くので、遠心作用
でクーラント排出孔21を通ってケーシング本体1の外
へ排出される。バイトチップ6付きのクイル5は中心軸
線から偏心した位置で回転するが、重量軽減用孔5bが
適宜形成されているので、アンバランスは軽減され、更
に対称的に偏心したバランスウエイト8によつてアンバ
ランスが相殺される。
【0043】刃物装置を主軸50より取り外す際は、作
動スリーブ54内の引張棒61が制御装置で制御される
サーボモータの回転駆動で所望量だけ軸線方向に前進す
ると、作動棒17は、引張棒61に押されて中立基準位
置にまで軸線方向に前進する。即ち、カム溝部材9は、
ケーシング本体1の中空部1eにおいて転がり直線軸受
10,10に案内されて中立基準位置にまで軸線方向に
変位し、斜行カム溝9a,9bの変位により、それに係
合する従動部材11,12は、案内13,14に案内さ
れて互に対向したの半径方向に等量だけ変位し、中立基
準位置になる。
【0044】その際、従動部材12の変位により、位置
決めピン12dは位置決めノッチ12cに対応した状態
となる。そして、引張棒61の先端のコレットチャック
60は、作動スリーブ60aの後退により開いて作動棒
17のプルスタッド部を解放する。
【0045】次いで、駆動源で作動スリーブ54が前進
すると、クランプボール56は、クランプボール作動用
凹部55に落ち込み、クランプボール孔53内へ没入
し、シャンク部1cのクランプボール孔1gから外れ、
刃物装置は、仮クランプボール58とクランプボール孔
1gとの係合で、シャンク部1cは、主軸50に仮保持
状態になる。
【0046】それからケーシング本体1の小径部1bの
環状溝1hが自動工具交換装置の交換ハンドで把持さ
れ、シャンク部1cが主軸50の環状穴51から引き抜
かれる。その際、圧縮コイルばね59の付勢力に抗し
て、クランプボール孔1gの縁部で仮クランプボール5
8がクランプボール孔1gから押出される。これによっ
て、当接棒12fは、ばね12eの付勢力によって突出
し、対応状態にある位置決めピン12dと位置決めノッ
チ12cとは係合する。つまり、作動棒17は、ロック
状態となり、ケーシング本体1が引き抜かれた状態のと
き、クイル5の位置は変化しない。
【0047】
【発明の効果】特許請求の範囲の各項に記載られた発明
の刃物装置によれば、次のような効果が奏される。第1
項乃至第5項に記載された刃物装置においては、滑動部
材が案内溝で滑動自在に支持されると共に、滑動部材と
一体の従動部材が転がり直線軸受で滑動自在に支持され
ているので、滑動部材と一体のクイルに対して加わる切
削負荷は、低負荷・高精度の仕上げ加工時には、転がり
直線軸受で支持され、バックラッシュの発生が無くな
り、各部滑動の直線性が安定して、加工精度が向上す
る。又、高負荷・低精度の荒加工時には、案内溝で支持
されるので、高い負荷にも耐え得るため、加工速度が向
上し、幅広い加工条件に対応し得る。
【0048】第2項に記載された刃物装置においては、
中心軸線に対する偏心位置にある刃物付きクイルの回転
におけるアンバランスは、クイルに形成されたクイルと
対称的に偏心変位するバランスウエイトよつて相殺さ
れ、アンバランスによる回転振動は抑制される。それに
よって更に加工精度が向上する。
【0049】第3項に記載された刃物装置の付加構成要
件により、転がり直線軸受での支持においてバックラッ
シュの発生の恐れが一層無くなる。第4項に記載された
刃物装置の付加構成要件により、刃物装置のケーシング
本体内にクーラントが浸入しても、弁が遠心力によりば
ね力に抗して開くので、遠心作用でクーラント排出孔を
通ってケーシング本体の外へ排出され、オイルミストに
よる潤滑が確実になり、滑動面の腐食が防止される。
【0050】第5項に記載された刃物装置の付加構成要
件により、刃物の位置、即ちクイルの偏心位置を規定す
る作動棒の位置を基準となる中立基準位置に保持する保
持手段があるので、刃物装置が例えば自動工具交換等で
動かされる際にも、作動棒の位置が変動することがな
い。従って、作動棒と主軸の引張棒との関連作動におけ
る障害が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例における刃物装置の断面図で
ある。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】図1のIII −III 線における断面図である。
【図4】図2の IV− IV線における断面図である。
【図5】図3のV−V線における断面図である。
【図6】図2のVI −VI 線における断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング本体 1a 大径部 1b 小径部 1c シャンク
部 1d 隔壁 1e 中空部 1f 円形穴 1h 環状溝 1g クランプボール孔 2 案内部材 3 あり溝 4 滑動部材 4a 流入溝 4b,5c 通
孔 5 クイル 5a 基部 5b 重量軽減用孔 6 バイトチ
ップ 7 バランスウエイト収納凹部 8 バランス
ウエイト 8a 通気孔 9 カム溝部
材 9a,9b 斜行カム溝 10,15,1
6 転がり直線軸受 11,12 従動部材 11a,12a
案内溝 11b,11b 突条部 13,14 案
内 17 作動棒 20 クーラン
ト用通孔 21 クーラント排出孔 22 空気抜き
孔 23 開閉弁 24 オイルミ
スト供給孔 50 主軸 51 環状穴 52 中心孔 53 クランプ
ボール孔 54,60a 作動スリーブ 55 クランプ
ボール作動用凹部 56 クランプボール 57 仮クラン
プボール孔 58 仮クランプボール 59 圧縮コイ
ルばね 60 コレットチャック 61 引張棒 62 クーラント供給孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 猛男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端面側に直径方向の案内溝が形成され
    ていると共に、先端面側に開口した中空部が形成され、
    後端側にシャンク部を備えたケーシング本体;案内溝に
    滑動自在に嵌合した滑動部材から軸線方向に突出し、先
    端部にバイトが取り付けられているクイル;中空部内に
    転がり直線軸受を介して支持され、軸線方向に滑動自在
    であり、軸線方向に対し傾いた斜行カム溝が形成された
    カム溝部材;中空部内に転がり直線軸受を介して滑動部
    材の変位と同方向に滑動自在に支持され、滑動部材と結
    合されると共に斜行カム溝に転がり直線軸受を介して係
    合する係合部を備えた従動部材;並びにカム溝部材の後
    端部からケーシング本体の中心軸線上で突出し、刃物装
    置の主軸への装着時に後端部が主軸の引張棒に係合把持
    され得る作動棒;から構成された刃物装置。
  2. 【請求項2】 先端面側に直径方向の案内溝が形成され
    ていると共に、先端面側に開口した中空部が形成され、
    後端側にシャンク部を備えたケーシング本体;案内溝に
    滑動自在に嵌合した滑動部材から軸線方向に突出し、先
    端部にバイトが取り付けられているクイル;ケーシング
    本体の外周面に形成されたバランスウエイト収納凹部に
    収納され、滑動部材の変位と逆の半径方向に滑動自在で
    あるバランスウエイト;中空部内に転がり直線軸受を介
    して支持され、軸線方向に滑動自在であり、軸線方向に
    対し互に逆に傾いた第1斜行カム溝及び第2斜行カム溝
    が形成されたカム溝部材;中空部内に転がり直線軸受を
    介して滑動部材の変位と同方向に滑動自在に支持され、
    滑動部材と結合されると共に第1斜行カム溝に転がり直
    線軸受を介して係合する係合部を備えた第1従動部材;
    中空部内に転がり直線軸受を介してバランスウエイトの
    変位と同方向に滑動自在に支持され、バランスウエイト
    と結合されると共に第2斜行カム溝に転がり直線軸受を
    介して係合する係合部を備えた第2従動部材;並びにカ
    ム溝部材の後端部からケーシング本体の中心軸線上で突
    出し、刃物装置の主軸への装着時に後端部が主軸の引張
    棒に係合把持され得る作動棒;から構成された刃物装
    置。
  3. 【請求項3】 転がり直線軸受に予圧が加えられている
    請求項1又は請求項2に記載の刃物装置。
  4. 【請求項4】 ケーシング本体の中空部から外周面に貫
    通し、ケーシング本体の回転時に遠心力により開弁する
    開閉弁が介在するクーラント排出孔が形成されている請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載の刃物装置。
  5. 【請求項5】 中立基準位置にある従動部材に係合離脱
    自在である位置決め手段を備えた請求項1乃至請求項4
    のいずれかに記載の刃物装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104589418A (zh) * 2014-12-23 2015-05-06 展彩娜 多刀头板材连续自动开孔设备
CN104589419A (zh) * 2014-12-23 2015-05-06 展彩娜 多刀头板材开孔设备
CN105364105A (zh) * 2015-11-30 2016-03-02 嘉善博朗轴承有限公司 一种钻孔机

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Effective date: 20040421

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