JPH07275759A - エアゾールスプレー用フードカバー及びそのフードカバーを有するエアゾールスプレー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】エアゾール製品を噴霧する際、発生する内容物
の微細な飛沫の飛散を防止し、噴霧による内容物の損失
を最小限に抑え、人の呼吸吸入による疾病などの健康阻
害から保護できるエアゾールスプレー用フードカバー及
びフードカバーを有するエアゾールスプレー装置を提供
する。 【構成】エアゾールスプレー用フードカバー１は、筒状
部２と、スプレー缶装着部４とを備えている。筒状部２
は、エアゾールスプレー１００のエアゾール缶１０１よ
り径の大きいものから構成され、内部に、保管時等にフ
ードカバー１をエアゾールスプレー１００に係止させて
おくためのスプレー缶係止部２１を備えている。スプレ
ー缶装着部４は、スプレー缶１０１に着脱自在に装着で
きる装着手段をなす外壁４２及び内壁４３と、噴霧孔４
６を有するアクチエーター４４とを備えている。フード
カバーを有するエアゾールスプレー装置は、上記フード
カバー１と、エアゾール缶１０１を有するエアゾールス
プレー１００との組あわせからなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エアゾールスプレーの
内容液を噴霧させる際に使用され、エアゾールスプレー
から霧状に出された内容液を飛散しなようにするエアゾ
ールスプレー用フードカバー及びそのフードカバーを有
するエアゾールスプレー装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】エアゾールスプレーは、従来から広く知
られており、化粧品類、塗料類、防水剤、消臭剤、ある
いは皮革製品等に用いるトイレタリー製品等、多くの種
類のものが有機溶剤等と共に内容物として収納され、各
種の用途に利用されている。このエアゾールスプレー
は、図９に示すように内容物を収納したスプレー缶ａの
上端にステムｂを備えるとともに、このステムｂに噴霧
孔ｃ１を有するアクチエーターｃ（噴射ボタン）を装着
したものである。そして、アクチエーターｃを押圧操作
することにより、内容物を、ステムｂを介して噴霧孔ｃ
１から霧状に出せるようにしたものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、噴霧さ
れた内容物は、噴霧孔ｃ１から徐々に噴霧範囲を広げな
がら放出されるため、内容物が周部に飛散してしまう。
その結果、飛散する微細な飛沫を人が吸入し、悪心、吐
き気、神経麻痺などの有機溶剤による急性及び慢性の神
経系中毒症やせき、肺水腫などの呼吸系中毒症などが多
発し、昨今、問題視されるに到っている。その一方、こ
のようなことからムース状（泡状）のエアゾール製品を
多く使用されるようになったが、ある程度広い面積に使
用する必要のある場合には、簡便で且つ効率の良い霧状
を呈するエアゾールに依存せざるを得ないのが現状であ
る。

【０００４】本発明は、以上の実情に鑑み提案されたも
ので、エアゾール製品を噴霧する際、発生する内容物の
微細な飛沫の飛散を防止し、噴霧による内容物の損失を
最小限に抑え、人の呼吸吸入による疾病などの健康阻害
から保護できるエアゾールスプレー用フードカバー及び
フードカバーを有するエアゾールスプレー装置を提供す
ることを第１の目的とする。本発明は、噴霧面積を限定
することにより、内容物を効率良く塗布できるエアゾー
ルスプレー用フードカバー及びフードカバーを有するエ
アゾールスプレー装置を提供することを第２の目的とす
る。本発明は、噴霧する箇所に内容物を確実に的中で
き、無駄なく均一に噴霧できるエアゾールスプレー用フ
ードカバー及びフードカバーを有するエアゾールスプレ
ー装置を提供することを第３の目的とする。本発明は、
屋外の使用に際しても風の影響を受けることなく、均一
に塗れるエアゾールスプレー用フードカバー及びフード
カバーを有するエアゾールスプレー装置を提供すること
を第４の目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、以下の特徴を
有するエアゾールスプレー用フードカバーを提供するこ
とにより上記課題を解決する。本発明のエアゾールスプ
レー用フードカバー１は、所定長さの筒状部２と、筒状
部２の一端側に設けられたスプレー装着部４とを備え
る。スプレー装着部４には、エアゾールスプレー１００
に着脱自在に装着し得る装着手段４２、４３が備えられ
ている。そして、この装着手段４２、４３によってスプ
レー装着部４がエアゾールスプレー１００に装着される
ことにより、エアゾールスプレー１００から出される霧
状の内容液が筒状部２内を通って筒状部２の他端側に開
設された開口部３から出されるようになされたものであ
るである。

【０００６】又、本発明は、以下の特徴を有するフード
カバーを有するエアゾールスプレー装置を提供すること
により上記課題を解決する。本願の第１のフードカバー
を有するエアゾールスプレー装置は、エアゾールスプレ
ー１００と、フードカバー１とを備える。エアゾールス
プレー１００は、内容液を収納したエアゾール缶１０１
を備えてなる。フードカバー１は、所定長さの筒状部２
と、筒状部２の一端側に設けられたスプレー装着部４と
を備える。又、このスプレー装着部４は、エアゾールス
プレー１００に装着されることにより、エアゾール缶１
０１から出される霧状の内容液が筒状部２内を通って筒
状部２の他端側に開設された開口部３から出されるよう
になされたものである。

【０００７】本願の第２のフードカバーを有するエアゾ
ールスプレー装置は、本願第１の発明に係るフードカバ
ーのスプレー装着部４が、エアゾールスプレー１００に
着脱自在に装着し得る装着手段４２、４３を備える。フ
ードカバーの筒状部２内には、筒状部２の開口部３から
所定距離だけ内側に入った適宜位置にエアゾール缶１０
１を着脱自在に係止し得るエアゾール缶係止部２１が備
えられるとともに、筒状部２における開口部３からエア
ゾール缶係止部２１までの内部が、エアゾール缶１０１
を収納し得るように形成される。そして、このエアゾー
ル缶係止部２１により、筒状部２の開口部３側から筒状
部２内に入れられたエアゾール缶１０１を係止できるよ
うになされたものである。

【０００８】

【作用】本願発明のエアゾールスプレー用フードカバー
においては、所定長さの筒状部２と、筒状部２の一端側
に設けられたスプレー装着部４とを備え、又、スプレー
装着部４には、エアゾールスプレー１００に着脱自在に
装着し得る装着手段４２、４３を備えるため、この装着
手段４２、４３によってフードカバー１をエアゾールス
プレー１００に装着することにより、エアゾールスプレ
ー１００から出される霧状の内容液を筒状部２内を通し
て筒状部２の他端側に開設された開口部３から出すこと
ができる。これにより、エアゾールスプレー１００から
出た内容物を塗布部材Ｔに塗布されるまでフードカバー
１の筒状部２で包囲でき、本来飛沫として飛散してしま
う内容物を筒状部２内で凝集させて筒状部２の内壁面に
伝わせ液体にして筒状部２外に排出させることができ
る。その結果、使用者がミストを吸入するようなことが
なく、内容物による健康を害することを防止できる。
又、塗布しようとする箇所がフードカバー１の開口部３
によって特定されているため、塗布しようとする箇所に
確実に内容物を的中させて効率良く塗布させることがで
きる。更に、フードカバー１により、噴霧面積が限定さ
れているため、内容物を効率良く、塗布できる。一方、
フードカバー１を取り付けることによって風の影響を受
けずに済み、屋外においても均一に塗布できる。

【０００９】又、本願の第１のフードカバーを有するエ
アゾールスプレー装置においては、内容液を収納したエ
アゾール缶１０１を有するエアゾールスプレー１００
と、上記のフードカバー１とを備えるため、エアゾール
スプレー１００の内容液を噴射する際には、常時筒状部
２内を通して筒状部２の他端側に開設された開口部３か
ら出すことができる。これにより、本来飛沫として飛散
してしまう内容物を筒状部２内で凝集させて筒状部２の
内壁面に伝わせ液体にして径外に排出させることがで
き、使用者がミストを吸入するようなことがなく、内容
物による健康を害することを防止できる。又、塗布しよ
うとする箇所がフードカバー１の開口部３によって特定
されているため、塗布しようとする箇所に確実に内容物
を的中させて効率良く塗布させることができる。更に、
フードカバー１により、噴霧面積が限定されているた
め、内容物を効率良く、塗布できる。一方、フードカバ
ー１を取り付けることによって風の影響を受けずに済
み、屋外においても均一に塗布できる。

【００１０】更に、本願の第２のフードカバーを有する
エアゾールスプレー装置においては、本願第１の発明に
係るフードカバー１のスプレー装着部４を、エアゾール
スプレー１００に着脱自在に装着できるものとし、又、
筒状部２内に、筒状部２の開口部３から所定距離だけ内
側に入った適宜位置にエアゾール缶１０１を着脱自在に
係止し得るエアゾール缶係止部２１を備えるとともに、
筒状部２における開口部３からエアゾール缶係止部２１
までの内部を、エアゾール缶１０１を収納し得るように
形成するため、噴霧使用しない場合には、エアゾール缶
１０１を筒状部２内に収納して係止しておくことができ
る。これにより、コンパクトなものにでき、持ち運び等
の取扱い容易なものにできる。

【００１１】

【実施例】以下、図を基に本発明の一実施例を具体的に
説明する。図１は、本発明の一実施例のエアゾールスプ
レー用フードカバーの斜視図でああり、図２は、その断
面図である。又、図３は、このエアゾールスプレー用フ
ードカバーを使用するエアゾールスプレーの斜視図であ
る。

【００１２】本発明のエアゾールスプレー用フードカバ
ー１は、筒状部２と、筒状部２の一端側に設けられたス
プレー缶装着部４とを備えている。

【００１３】筒状部２は、図３に示すようにエアゾール
スプレー１００から霧状に出された内容物を、この内容
物を塗布する塗布部材Ｔまでの間、通すためのものであ
る。筒状部２の左端側には、開口部３が開設され、筒状
部２の右端側から送られてくる内容物をこの開口部３か
ら外部に放出できるようにさなされている。又、この実
施例の筒状部２は、エアゾールスプレー１００のスプレ
ー缶１０１の径より大きい径を有する円筒状のものから
構成され、開口部３側からスプレー缶１０１を収納でき
るようになされている。又、一方、筒状部２の右端側の
内部には、スプレー缶係止部２１が備えられている。

【００１４】このスプレー缶係止部２１は、このフード
カバー１を使用しない保管時等にフードカバー１をエア
ゾールスプレー１００に適宜、係止できるようになされ
たもので、円筒状の大係止部２１ａと、この大係止部２
１ａの内方側に形成された径の小さい円筒状の小係止部
２１ｂとから構成されている。大係止部２１ａは、その
内径がスプレー缶１０１の外径と略同径になされ、一
方、小係止部２１ｂの内径がスプレー缶１０１における
上端の径小部１０１ａの外径と略同径になされている。
そして、スプレー缶１０１を、筒状部２の開口部３から
筒状部２内に入れていき、大係止部２１ａ及び小係止部
２１ｂにスプレー缶１０１の上部及び径小部１０１ａ各
々を押し入れることにより、図５に示すようにスプレー
缶１０１が自在に嵌着されるようになされている。

【００１５】尚、上記の実施例では、このスプレー缶係
止部２１は、大係止部２１ａと小係止部２１ｂとの二つ
で係止するようにしているが、この態様のものに限ら
ず、いずれか一方で係止するようにしても良い。

【００１６】スプレー缶装着部４は、このフードカバー
１を使用する際、フードカバー１をエアゾールスプレー
１００に装着するためのもので、この実施例におけるス
プレー缶装着部４は、円筒状のものからなり、左端側が
筒状部２の右端側に筒状部２と一体的に形成されてい
る。又、これらの接続部には、連通孔４１が備えられ、
この連通孔４１によって内部同士が連通されている。
尚、これらの接続は、一体的に形成するものに限らず、
スプレー缶装着部４を別体のものから構成し、接着剤等
の接続手段により筒状部２に取り付けても良い。

【００１７】又、スプレー缶装着部４には、エアゾール
スプレー１００のスプレー缶１０１に着脱自在に装着で
きる装着手段を有している。この実施例における装着手
段は、スプレー缶装着部４の外周をなす外壁４２と、こ
の外壁４２内に形成された円筒状の内壁４３との二つに
より行われる。詳しくは、外壁４２の内径がスプレー缶
１０１の外径と略同径になされとともに、内壁４３の内
径がスプレー缶１０１における上端の径小部１０１ａの
外径と略同径になされている。そして、これらをスプレ
ー缶１０１に上方側から嵌め入れることにより外壁４２
の下端内周部及び内壁４３の下端内周部がスプレー缶１
０１の上部及び径小部１０１ａ各々に嵌着することによ
り、スプレー缶装着部４がスプレー缶１０１に着脱自在
に装着される。尚、この装着手段も、外壁４２と内壁４
３との二つにより行われるものに限らず、いずれか一方
で行うようにしても良い。

【００１８】更に、本実施例においては、このスプレー
缶装着部４内に、噴霧孔４６を有するアクチエーター４
４が備えられている。このアクチエーター４４は、スプ
レー缶装着部４の内周壁から延設された弾性を有する支
持片４５に、噴霧孔４６が連通孔４１を向くようにして
上下方向に移動可能に支持されている。このアクチエー
ター４４の下部には、スプレー缶１０１のステム１０２
の上端と当接しステム１０２を下方に押圧し得るステム
押圧部４７を備えている。又、このステム押圧部４７の
芯部には、噴霧孔４６に続く導通路４９が形成されてお
り、スプレー缶１０１のステム１０２から出た内容物が
この導通路４９から噴霧孔４６に流れるようになされて
いる。一方、上部は、スプレー缶装着部４の上面から上
方に突設されてアクチエーター４４の押圧部４８が形成
されている。

【００１９】次に、本願発明のフードカバーを有するエ
アゾールスプレー装置について説明する。このエアゾー
ルスプレー装置は、フードカバー１と、エアゾールスプ
レー１００との組み合わせからなるものである。

【００２０】フードカバー１は、上述のものが使用され
る。

【００２１】エアゾールスプレー１００は、図３に示す
ように内容物を収納したスプレー缶１０１と、スプレー
缶１０１の内部から内容物を外部に案内するステム１０
２とから構成されている。

【００２２】このように構成されたエアゾールスプレー
装置は、噴霧使用しない保管等の際には、図５に示すよ
うにエアゾールスプレー１００を、フードカバー１の筒
状部２内に入れ、フードカバー１の大係止部２１ａ及び
小係止部２１ｂにスプレー缶１０１の上部及び径小部１
０１ａ各々を嵌着した状態に保持する。こうすることに
より、フードカバー１がエアゾールスプレー１００と一
体にでき、コンパクトなものとなり、持ち運び等の取扱
いに便利なものとなる。しかも、エアゾールスプレー１
００に係止されたフードカバー１は、エアゾールスプレ
ー１００の蓋として機能し、エアゾールスプレー１００
のステム１０３に埃等の付着を防止できる。

【００２３】一方、使用に際しては、エアゾールスプレ
ー１００を、フードカバー１の筒状部２から取り出し、
図４に示すようにスプレー缶装着部４の外壁４２及び内
壁４３にスプレー缶１０１の上部及び径小部１０１ａ各
々を嵌着させる。これにより、エアゾールスプレー１０
０の内容物が噴霧可能状態となる。そして、この状態
で、塗布しようとする箇所にフードカバー１の開口部３
を向ける。その際、フードカバー１の先端と塗布しよう
とする塗布部材Ｔとは、当接させても、多少の隙間を設
けても良い。その後、フードカバー１のアクチエーター
４４の押圧部４８を押圧する。これにより、アクチエー
ター４４のステム押圧部４７がステム１０２を下方に押
圧し、スプレー缶１０１内の内容物がステム１０２を通
ってアクチエーター４４の噴霧孔４６から噴霧される。
噴霧された内容物は、フードカバー１の筒状部２内を通
って塗布部材Ｔに塗布される。その際、内容物が塗布部
材Ｔに塗布されるまでフードカバー１の筒状部２に包囲
されているため、内容物を筒状部２内で凝集させて筒状
部２の内壁面に伝わり液体となって径外に排出させるこ
とができる。

【００２４】尚、上記のエアゾールスプレー装置におい
ては、エアゾールスプレー１００に対してフードカバー
１を取り外し自在なものとしているが、エアゾールスプ
レー１００にフードカバー１を取り外し不能に取り付け
たものでも良い。

【００２５】以上のようにして、エアゾールスプレー１
００の噴霧に際してフードカバー１を使用することで、
内容物の飛沫を防止できるが、フードカバー１の噴霧孔
４６から開口部３までの長さＬの程度によって内容物の
飛散や塗布部材Ｔへの塗布量等が異なるのでそれらを考
慮して定めることにより、より効果的に使用できる。そ
こで、より好ましいフードカバー１の上記長さＬを定め
るため、エアゾールスプレー１００の噴霧に関する種々
の試験を行ったので、それを順次説明する。

【００２６】 先ず、噴霧の風圧による影響を調べ
た。この試験方法は、フードカバー１を取付けない従来
のエアゾールスプレー１００を使用して内容液を噴霧さ
せるとともに、その噴霧された霧状態の内容物に０．５
〜１．５ｍ／秒（至軽風）の風を当てることにより内容
物の風圧による影響を調べた。その結果は、図６に示す
ように噴霧孔４６から距離Ｖが８０ｍｍ程度のところで
風の影響を受けて飛散した。従って、噴霧孔４６から塗
布部材Ｔまでの距離Ｖを８０ｍｍ以上にして吹き付ける
と飛散の程度が大きくなり、人体への影響も大きくなる
と考えられる。このことから、フードカバー１の上記長
さＬを、８０ｍｍ以上にすれば、より効果的となる。

【００２７】 次に、フードカバー１の噴霧孔４６か
ら開口部３までの上記長さＬと、塗布部材Ｔへの内容物
の塗布量との関係を調べた。この試験方法は、噴霧孔４
６から開口部３までの長さＬ＝１００ｍｍ、１５０ｍ
ｍ、２００ｍｍ、３２０ｍｍのものを夫々製作し、各々
を従来のエアゾールスプレー１００に取り付けた後、内
容液を噴霧させ、塗布部材Ｔに塗布した内容液の塗布状
況を調べることにより行った。その結果は、下記の表１
及び表２に示す。

【００２８】

【表１】

【００２９】

【表２】

【００３０】表１(A) 及び表２(A) に示すように距離Ｌ
＝１００ｍｍでは、中心部の均一付着部分の面積が少な
い一方、厚めに付着されて損失量があった。又、距離Ｌ
＝１５０ｍｍ及びＬ＝２００ｍｍでは、表１(B)(C)及び
表２(B)(C)に示すように中心部の均一付着部分の面積が
多く、効果的であった。一方、長さＬ＝３２０ｍｍでは
表１(D) 及び表２(D) に示すように均一に塗布した部分
の直径が５５ｍｍ程度であったが、その均一塗布部分は
ドーナツ状を呈し、塗布状態も悪かった。従って、これ
らの試験結果から、塗布量を考慮すれば、フードカバー
１の噴霧孔４６から開口部３までの長さＬを、１００〜
３２０ｍｍの範囲で使用するのが好ましい。又、噴霧圧
等を考慮すれば１２０〜２６０ｍｍ程度の範囲が、より
好ましい。

【００３１】 更に、筒状部２の開口部３の径の大き
さＲと、塗布部材Ｔへの内容物の塗布量との関係を調べ
た。この試験は、噴霧孔４６から開口部３までの長さＬ
が１５０ｍｍで、開口部３の直径Ｒ＝５３ｍｍ、７５ｍ
ｍ、１００ｍｍ、１５０ｍｍのものを夫々製作し、各々
を従来のエアゾールスプレー１００に取り付けた後、内
容液を噴霧させ、塗布部材Ｔに塗布した内容液の塗布状
況を調べることにより行った。その結果は、下記の表３
に示す。

【００３２】

【表３】

【００３３】この表３(1) に示すように直径Ｒ＝５３ｍ
ｍではやや厚めに塗布され、損失量があったが、その他
では、均一良好であった。従って、開口部３の直径Ｒ
は、５３ｍｍ以上で使用するのが好ましい。又、開口部
３の直径Ｒがあまり大きくなると均一塗布できなくなる
恐れが生じ、しかも、使用に際して取扱い難くなること
等を考慮すると、直径Ｒ＝５３〜１５０ｍｍ程度の範囲
がより好ましい。

【００３４】以上のように、エアゾールスプレー１００
の噴霧に際し、フードカバー１を取り付けることによ
り、使用者がミストを吸入するようなことがなく、内容
物による健康を害することを防止できる。

【００３５】又、塗布しようとする箇所がフードカバー
１の開口部３によって特定されているため、塗布しよう
とする箇所に確実に内容物を的中させて効率良く塗布さ
せることができる。従って、従来のようにフードカバー
１を設けないで単に噴霧する場合のように塗布しようと
する箇所が定まり難く、又、特定できたとしても噴霧に
際しての内容物の広がりによって特定箇所以外にも塗布
してしまって損失量が多くなるといったことを防止でき
る。

【００３６】更に、フードカバー１を取り付けることに
よって風の影響を受けずに済み、屋外においても均一に
塗布できる。

【００３７】尚、フードカバー１の形状等は、図示した
ものに限らず、例えば図７(A) に示すように先端にいく
に従い漸次拡径する円錐状のものにしても良い。又、断
面形状についても、円形状のものに限らず、楕円、多角
形、その他の適宜形状のもの等、適宜変更できる。一
方、フードカバー１は、一体的に形成されたものに限ら
ず、例えば図７(B) に示すようにカバー本体１ａにシー
ト状のカバー片１ｂを巻回して係止したもの、更には、
図７(C) に示すように複数の円筒状のカバー片１ｃ…１
ｃを軸方向に互いに摺動可能に連結し、長さ調整できる
ようにしても良い。こうすることにより、エアゾールス
プレー１００の噴霧に適合する長さにあわせて使用でき
るとともに、保管時等には嵩張らないものにしておけ
る。

【００３８】又、本実施例では、フードカバー１にスプ
レー缶係止部２１を設け、保管時等には、スプレー缶１
０１に係止できるようにしているが、設けなくても良
く、適宜変更できる。

【００３９】更に、本実施例では、フードカバー１のス
プレー缶装着部４内に、噴霧孔４６を有するアクチエー
ター４４を備えたものとすることにより、噴霧する際に
は、フードカバー１を使用しなければ噴霧できないた
め、必然的にフードカバー１を使用することになり、内
容物による害を確実に防止できるものとしているが、こ
の態様のものに限らず、例えば図８(A) に示すように、
フードカバー１にアクチエーター４４を設けず、従来か
らエアゾールスプレー１００に付設されているアクチエ
ーター４４をそのまま利用し、アクチエーター４４の取
り付けられたエアゾールスプレー１００の上方全体を、
アクチエーター４４を押圧操作可能に覆うようにしてフ
ードカバー１を装着するようにしても良い。この押圧操
作を可能とする構成としては、フードカバー１の後端
（図の右側）に開口を設けるようにすれば良い。

【００４０】又、スプレー缶装着部４の装着方法につい
ても、スプレー缶１０１に係止するものに限らず、例え
ば図８(B) に示すようにフードカバー１を、アクチエー
ター４４と、アクチエーター４４の先端側に取り付けた
筒状部２とから構成し、アクチエーター４４をスプレー
缶１０１のステム１０２に嵌め込むことにより装着する
ようにしても良い。

【００４１】一方、本願発明に使用されるエアゾールス
プレー１００は、化粧品類、塗料類、防水類、消臭・芳
香剤、あるいは皮革製品等に用いるトイレタリー製品
等、エアゾール製品として従来から使用されている種々
のあらゆるものに適応できるものである。

【００４２】又、エアゾールスプレー１００は、本実施
例では、ステムを下方に押圧することによりエアゾール
缶から内容物の出るエアゾールスプレーを使用したが、
チィルトバルブを使用したエアゾールスプレーでも良
い。

【００４３】

【発明の効果】以上、実施例で述べたように本願発明の
エアゾールスプレー用フードカバーは、エアゾールスプ
レーから出される霧状の内容液を筒状部内を通して筒状
部の開口部から出すことができ、本来飛沫として飛散し
てしまう内容物を筒状部内で凝集させて筒状部の内壁面
に伝わせ液体にしてから筒状部外に排出させることがで
きる。これにより、使用者がミストを吸入するようなこ
とがなく、内容物による健康を害することを防止でき
る。又、塗布しようとする箇所がフードカバーの開口部
によって特定されているため、塗布しようとする箇所に
確実に内容物を的中させて効率良く塗布させることがで
きる。更に、フードカバーにより、噴霧面積が限定され
ているため、内容物を効率良く、塗布できる。一方、フ
ードカバーを取り付けることによって風の影響を受けず
に済み、屋外においても均一に塗布できる。

【００４４】又、本願の第１のフードカバーを有するエ
アゾールスプレー装置は、エアゾールスプレーの内容液
を噴射する際には、常時筒状部内を通して筒状部の開口
部から出すことができる。これにより、使用者がミスト
を吸入するようなことがなく、内容物による健康を害す
ることを防止できる。又、塗布しようとする箇所がフー
ドカバー１の開口部によって特定されているため、塗布
しようとする箇所に確実に内容物を的中させて効率良く
塗布させることができる。更に、フードカバーにより、
噴霧面積が限定されているため、内容物を効率良く、塗
布できる。一方、フードカバーを取り付けることによっ
て風の影響を受けずに済み、屋外においても均一に塗布
できる。

【００４５】更に、本願の第２のフードカバーを有する
エアゾールスプレー装置は、本願第１の発明の効果に加
え、噴霧使用しない場合には、エアゾール缶を筒状部内
に収納して係止しておくことができ、コンパクトなもの
にできる。これにより、持ち運び等の取扱い容易なもの
にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明のエアゾールスプレー用フードカバー
の一実施例の一部を断面にした斜視図である。

【図２】図１の断面図である。

【図３】エアゾールスプレーの側面図である。

【図４】本願発明のフードカバーを有するエアゾールス
プレー装置の一部を断面にした側面図である。

【図５】エアゾールスプレーをフードカバーの筒状部に
収納した状態の一部を断面に下側面図である。

【図６】フードカバーを取り付けずにエアゾールスプレ
ーから噴霧した内容物と、風の影響との関係を示す説明
図。

【図７】(A) は、フードカバーの筒状部の他の実施例の
斜視図、(B) は、フードカバーの筒状部の更に他の実施
例の斜視図、(C) は、フードカバーの筒状部の更に他の
もう１つの実施例の斜視図である。

【図８】(A) は、フードカバーのスプレー缶装着部の他
の実施例の斜視図、(B) は、フードカバーのスプレー缶
装着部の更に他の実施例の斜視図である。

【図９】従来例の側面図である。

【符号の説明】

１ エアゾールスプレー用フードカバー ２ 筒状部 ３ 開口部 ４ スプレー缶装着部 ２１ スプレー缶係止部 ４４ アクチエーター ４６ 噴霧孔 １００ エアゾールスプレー １０１ スプレー缶 １０２ ステム

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定長さの筒状部(2) と、筒状部(2) の一
   端側に設けられたスプレー装着部(4) とを備え、 スプレー装着部(4) には、エアゾールスプレー(100) に
   着脱自在に装着し得る装着手段(42)(43)が備えられ、 この装着手段(42)(43)によってスプレー装着部(4) がエ
   アゾールスプレー(100) に装着されることにより、エア
   ゾールスプレー(100) から出される霧状の内容液が筒状
   部(2) 内を通って筒状部(2) の他端側に開設された開口
   部(3) から出されるようになされたものであることを特
   徴とするエアゾールスプレー用フードカバー。
2. 【請求項２】エアゾールスプレー(100) と、フードカバ
   ー(1) とを備え、 エアゾールスプレー(100) が、内容液を収納したエアゾ
   ール缶(101) を備えてなり、 フードカバー(1) が、所定長さの筒状部(2) と、筒状部
   (2) の一端側に設けられたスプレー装着部(4) とを備
   え、このスプレー装着部(4) が、エアゾールスプレー(1
   00) に装着されることにより、エアゾール缶(101) から
   出される霧状の内容液が筒状部(2) 内を通って筒状部
   (2) の他端側の開口部(3) から出されるようになされた
   ものであることを特徴とするフードカバーを有するエア
   ゾールスプレー装置。
3. 【請求項３】スプレー装着部(4) が、エアゾールスプレ
   ー(100) に着脱自在に装着し得る装着手段(42)(43)を備
   え、 フードカバーの筒状部(2) 内には、筒状部(2) の開口部
   (3) から所定距離だけ内方側に入った適宜位置にエアゾ
   ール缶(101) を着脱自在に係止し得るエアゾール缶係止
   部(21)が備えられるとともに、筒状部(2) 内における開
   口部(3) からエアゾール缶係止部(21)までの部分が、エ
   アゾール缶(101) を収納し得るようになされ、 このエアゾール缶係止部(21)によって、筒状部(2) の開
   口部(3) 側から筒状部(2) 内に入れられたエアゾール缶
   (101) を係止できるようになされたものであることを特
   徴とする請求項２記載のフードカバーを有するエアゾー
   ルスプレー装置。